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はてなキーワード: プロットとは

2024-11-01

平成史上最も重要テレビドラマ10

本当のオールタイムは選べなかったため平成に絞って俺もやる。テレビドラマは消えものアーカイブされにくいジャンルで、時代をここ35年に絞ってみても網羅できないという問題はある。そのため、俺の観ていない重要作の話をどんどんしてほしい。1脚本家1作品に絞った。俺はテレビドラマ脚本家のものだと思っている。

 

 

1.坂元裕二東京ラブストーリー平成3年(1991年) フジテレビ

トレンディドラマ代表作の1つにして、トレンディドラマの終末期の傑作。フジ月9」枠の代表作でもある。「東京では誰もがラブストーリー主人公になる」をキャッチコピーに掲げ、等身大若者たちの姿を描き出した。2010年以降の坂元裕二の影響なども考えランクイン。

 

 

2.野島伸司101回目のプロポーズ平成3年(1991年) フジテレビ

こちらもトレンディドラマの終末期の傑作であり、お世辞にも男前とは言えない武田鉄矢叫びは、"トレンディ"の終わりを印象付けた。TBS高校教師』でも、好きな野島作品に入れ替えてもらって構わない。90年代には確かに野島伸司時代があった。

 

 

3.三谷幸喜古畑任三郎平成6年(1994年) フジテレビ

田村正和亡き今も、再放送され、パロディされ、やたら話題になる三谷幸喜コメディホームドラマ恋愛ドラマなど、会話による人間関係機微などを守備範囲にしていたテレビドラマが、ストーリーダイナミズムによる面白さにシフトしていったのは、アメリカコメディから影響を受けた三谷幸喜の功績がある。個人的には『王様のレストラン』のほうが好み。

 

 

4.深沢正樹ほか『金田一少年の事件簿平成7年(1995年) 日本テレビ

他のタイトルに合わせて脚本家クレジットしたが、今作を選出したのは何といっても堤幸彦出世作ということにすぎる。『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』につながる斬新な演出は一時代を築いた。「土曜グランド劇場」に旧ジャニーズの若手が主演していくのもこの頃からで、後の『透明人間』『ごくせん』『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』などにつながっていく。

 

 

5.君塚良一踊る大捜査線平成9年(1997年) フジテレビ

テレビドラマ」というフォーマット映画館拡張した功罪ある作品テレビドラマメディアミックスの先駆けといえ、映画館はこれ以降テレビ局製作作品であふれることとなった。『踊る大捜査線 THE MOVIE』は未だに実写の日本映画歴代興行収入1位に燦然と輝いている。今秋新作が公開された。

 

 

6.岡田惠和ちゅらさん平成13年(2001年) NHK

21世紀最初朝ドラシリーズ化され、現在再放送されている。『ちゅらさん』が描いた疑似家族によるホームドラマはその後も『すいか』『11人もいる!』『逃げ恥』『カルテット』と平成ドラマの1つのパターンとなった。岡田惠和の功績は膨大な作品数の作品を書いていることで、彼がいなければこの時代テレビドラマシーンは空洞化していたかもしれない。

 

 

7.宮藤官九郎木更津キャッツアイ平成14年(2002年) TBS

クドカン物語自体面白さに注目されがちだが、彼の功績は、若者たちがダラダラ話すという「日常ドラマ」を描いて見せたことにある。彼の脚本は、小ネタギャグストーリーに連結してゆく。木更津という周縁の田舎共同体風景ドラマになるということは革命出来事だった。大きな物語を失った後のゼロ年代的転換。

 

 

8.遊川和彦女王の教室平成17年(2005年) 日本テレビ

遊川が成し得た功績は『女王の教室』の真夜(天海祐希)のような強い、誇張されたキャラクターによるドラマを成立させたこと。それは後の『家政婦のミタ』の大ヒットにもつながった。彼の過剰な演出賛否が分かれるが、常に時代と向きあい続けるための一つの方法論なのかもしれない。

 

 

9.山本むつみゲゲゲの女房平成22年(2010年) NHK

2000年代後半に停滞していた朝ドラ復権は間違いなくこのドラマからで、この作品がなければ『あまちゃんブームもその後の『ごちそうさん』や『あさが来た』『ひよっこ』などの良作、令和の『カムカムブリバディ』のヒットも存在していなかったと過言しておきたい。そういう意味ハッシュタグなどでのTwitterなどの賑わいにも一役買っている。朝ドラ復権は同時にその後のNHKドラマ復権意味していた。

 

 

10.八津弘幸半沢直樹平成25年(2013年) TBS

TBSドラマ復権ということでいうと後述の『JIN-仁-』を挙げてもよいのだが、その後池井戸潤ドラマの隆盛という意味でも半沢直樹を。いうまでもなく『VIVANT』へと繋がる日曜劇場系譜である。主演の堺雅人は『リーガル・ハイ』や『真田丸』という傑作でも存在感を示した。

 

 

 

次点

 

木皿泉すいか平成15年(2003年) 日本テレビ

本当は問答無用に最重要作として今作を挙げたかったのだけど、視聴率知名度を考えて日和ってしまった。今作は『ちゅらさん』で描かれた疑似家族によるドラマ、『木更津キャッツアイ』で書かれた日常のやり取りのドラマを深化させた。そこに大島弓子ファンタジーブレンドさせ、ドラマ物語対象を変えてしまった傑作。

 

坂元裕二それでも、生きてゆく平成23年(2011年) 日本テレビ

90年代10年代の坂元裕二を別人とするなら10選にねじ込んでしまいたい。10年代の坂元裕二作品は、テレビドラマが扱えるダイアローグレベルを一段上へと引き上げた。10話における瑛太風間俊介の会話は他に代わるもののない名シーンだと思う。現在ドラマシーンは、坂元裕二フォロワーで溢れている。

 

鎌田敏夫29歳のクリスマス平成6年(1994年) 日本テレビ

これだけトレンディドラマの話をしているのに、鎌田敏夫の名を漏らしてしまい、それは平成以前になってしまうので、それ以降から一作挙げるなら『29歳のクリスマス』を強く推したい。元祖『9ボーダー』。取り巻く環境は変わっても、年齢を巡る憂いは不変のものなんだと。

 

野沢尚眠れる森平成10年(1998年) フジテレビ

坂元裕二と並び、この時代天才をもう1人挙げるなら、野沢尚を挙げてしまおう。野沢の深いキャラクター造形はその後の作品に影響を与えた。彼が存在し続けたら、この選も変わっていただろう。またキムタクドラマも1本を挙げていないというのも偏っている。それだけこの時代の彼の存在は異常だったのだ。挙げるならこの作品を挙げたい。

 

北川悦吏子ロングバケーション平成8年(1996年) フジテレビ

あるいは今作か。トレンディドラマ2000年代の間には間違いなく北川悦吏子時代があった。北川悦吏子は近作が色々言われることもあるが、それは(例えばミスチルがそうであるように)強烈に時代と寝た人物にだけ得られる特権だ。そのため、俺は何があっても今後北川悦吏子擁護し続けていきたいと思う。

 

三木聡・ケラリーサンドロヴィッチら『時効警察平成16年(2006年) テレビ朝日

この10からは確実に存在していた深夜ドラマ文脈がごっそりと抜け落ちている。『孤独のグルメ』や『おっさんずラブ』に繋がっていくような深夜ドラマ系譜。『時効警察』はシティーボーイズ放送作家三木聡最高傑作である。近年では主演だったオダギリジョーが謎の力でそのパロディNHKドラマ映画化までさせているが、盛大にスベっている。

 

渡辺あやカーネーション平成23年(2011年) NHK

一部では「朝ドラ史上最高傑作」の呼び声もある今作。戦争もの・女の一代記としての朝ドラ岸和田の街に生まれ、生きて、老いて、死んでいく強いヒロイン渡辺あやは強烈な作家性を朝ドラにおいて発揮させ、それはこれ以降の朝ドラの指針が転換される契機にもなったのかもしれない。(だからこそ『純と愛』などが生まれしまったとも言える)

 

森下佳子JIN-仁-平成21年(2009年) TBS

坂元裕二岡田惠和宮藤官九郎遊川和彦木皿泉渡辺あやらの作品を挙げておいて、森下佳子名前を出さないわけにはいかない。構成力という点で彼女の右に出る者はいないのではないだろうか。森下佳子の手にかかれば、物語における伏線人生因果に映り、プロット運命へと変貌する。TBSドラマ復権きっかけとしても、今作を挙げておきたい。

 

野木亜紀子逃げるは恥だが役に立つ平成28年(2016年) TBS

野木亜紀子10から漏らしてしまったのは痛恨の極みであるが、令和の選が今後もし出来るなら1番に入る人であるのでご容赦いただきたい。社会的テーマをポップにテレビドラマ次元で取り扱い、ヒットさせてしまったのは見事。野木亜紀子はもともと原作もの実写化の手腕に定評があったが、『アンナチュラル』『MIU』とオリジナル作品もヒットさせている。

 

https://anond.hatelabo.jp/20241012181121

2024-10-31

小説小説家)の価値上がるかもね

好きで生成AI情報仕入れて、小説作らそうとしてるけど難易度高そうなんだよね。

生成AI記憶力の問題と、文章の繰り返しが致命的。プロットはいい感じに出せるけど、それをストーリーにして出力させること考えると、結局、細部まで自分で考えてプロンプトに組み込まなきゃいけないから労力変わんない。

なんなら、AIだと細部に矛盾生じてること多くて、そこからストーリーがありえない方向に進んでしまったりするわけで、そこから方向修正する手間考えたら、普通に書くより何倍も時間かかる。

でも、俺みたいな、設定資料集やあらすじ、プロット案を見て楽しめるタイプにはこれで十分だったりする。

2024-10-30

anond:20241028181233

以下の文章は、作者の創作か、もしくは現実の話を書いたかどちらかを判定し、その理由も詳しく説明してほしいです。

(全文コピペ

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この文章創作である可能性が高いと思われます。その理由を以下に説明します。

1. 物語性の強さと描写ディテール

文章全体にわたって、出来事や会話、心情の変化が詳細に描写されています特に、心情や夫婦間のやり取りがリアルかつドラマチックに表現されており、脚本的な構成を持っていると感じられます。これにより、フィクションとして読者に「物語」を提供する意図が感じられます

例えば、「探偵を使ったが無駄だった」「ボイスレコーダー不倫相手との会話を聞いた」などは、典型的物語エスカレーションで、登場人物心理が少しずつ追い詰められていく様子を強調しています

2. 出来事の展開とストーリー構成

文章の流れが綿密で、プロットに沿った展開が繰り広げられています特に6月初旬から10月中旬まで」の詳細な時間軸に沿って進むため、まるで小説ドラマの一章ごとに新しいイベントが発生するかのように区切られている点が強く創作らしさを感じさせます

また、緊張が高まる最後の場面においては、「自殺をするしかない」という結論に至るまでの主人公葛藤が重々しく描かれており、読者を感情的に引き込む意図が見受けられます

3. キャラクターの一貫した特徴と「象徴性」

夫のキャラクター像(熱しやすく冷めやす性格サークル活動への熱意、淡々離婚手続きを進める姿勢など)や不倫相手描写献身的理想的女性像)は、シンボリックであり、典型的物語キャラクターに見えます現実では多様な人物存在するはずですが、ここでは物語としてわかりやすキャラクターが展開され、読み手が各登場人物感情移入やすくなっています

4. 終盤の心理描写と劇的な結末の示唆

最後の部分で、主人公が「自殺」というウルトラC計画するという発想や、それによって夫と不倫相手に「現実を見せる」という結末は劇的すぎて現実にはやや不自然と感じられます。こうした劇的な結末の導入は、小説ドラマなどの創作において、物語を盛り上げるために使われる手法です。

結論

上記理由から、この文章創作である可能性が高いと考えられます

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逆に現実出来事を書いていたとしたら、その理由は見つけられるでしょうか?

現実出来事を描いた可能性があると仮定した場合、いくつかのポイント理由として挙げられます

1. 感情リアルな揺れと行動の細やかさ

文章全体を通して、感情の移り変わりや細かい行動が具体的に記録されています日常的な場面(例えば「夫婦口喧嘩」「母への電話」「探偵に依頼する」など)や日常に寄り添った心理描写(「夫の言動が気になり始める」「相手女性SNSアカウントを眺め続ける」など)は、現実経験からまれもので、作り話ではここまでの細かさを再現するのが難しいと考えられます

2. 対話の生々しさと、日常生活に根差した行動

文章中の対話には、現実的で人間らしい反応や表現が含まれています。たとえば、夫が「俺のこと好きじゃないんでしょ?」と尋ねた時の、主人公否定できなかった場面や、「サークルに来ないでほしい」と言われる場面など、言葉の端々に日常的で素朴なやり取りが見られ、これらは現実経験たからこその表現かもしれません。

また、普段仕事疲労から離婚話を避けたり、デート旅行費用負担についての細かな記述も、日常生活に即した具体的な描写であり、現実出来事を反映しているようにも思えます

3. 現実の「曖昧さ」を含む心理的な迷い

主人公は夫に対する複雑な感情を持ち続けています。好きだと思っていた夫の関心が他に向いたことで初めて動揺し、自分気持ちが整理できない状態に置かれている様子は、現実ありがちな感情の揺れを感じさせます。例えば、カウンセリングで「好きなところは出てこないが、離婚したくない」という発言や、相手女性SNSアカウントをチェックし続けるなど、混乱と依存リアル表現されています。こうした複雑で矛盾を含む感情は、創作よりも現実に基づいている可能性が考えられます

4. 無計画エピソードと後悔の繰り返し

作中の主人公は、事前に計画を立てず、衝動的に行動し、後悔を繰り返しています。例えば、喧嘩最中に勢いで「離婚届を持って帰る」と返答したり、夫に対して「1ヶ月だけ時間が欲しい」と頼んだり、不倫証拠をつかもうと探偵を雇ったが成果がなかったことなど、行き当たりばったりで結果的に何も進展しない行動が続いている点は、現実における人間の不完全さや衝動的な行動を反映している可能性が高いです。創作であれば、こうした無計画な行動を細かく描写するよりも、物語を進めるための筋が優先されがちです。

5. 感情的に壊れていく様子と極端な言動

文章の終盤にかけて、主人公感情不安定さを増し、最終的に「自殺」という極端な考えに至りますが、その決断唐突ではなく、過程が細かく描かれています。夫への不満や裏切られた感情不倫相手への嫉妬など、積み重なったストレスによって自己否定自殺念慮に至るプロセスは、心理的にリアルであり、実際の出来事としてもあり得るかもしれません。人間関係の破綻が原因で心理的に追い詰められる例は多く、現実の状況でこのように冷静さを失ってしま可能性も考えられます

結論

現実出来事だと考える場合、この文章は、複雑でリアル心理描写日常的なやり取り、無計画さ、そして極端に壊れていく心理過程がその証拠になると言えます

2024-10-29

スタートレック(全938話)史上、最も重要エピソード10選

anond:20241012181121

スタートレック現在正式名はスター・トレック)は50年の歴史があるうえに、1話完結のエピソードが多い。シリーズの入門ガイド意味もこめてやってみた。

はてな界隈スタートレック全話追っかけてる人は少ないだろうし、シリアスファンはてななんて見てないだろうから自分価値基準で好き勝手書かせてもらう。

すごく偏ってると思う人もいるだろう。私もそう思う。海外のこの手のランキングでは常連エピソードも入ってない。思うところがあれば、ぜひ書いてほしい。

なお、全938話は2024年9月末時点での話で、10月から『ローワー・デッキ』の新シーズンが始まったので話数はまた増えている。

アンドロイドのめざめ』 (The Offspring) 新スター・トレックTNG)第3シーズン16話 / 1990年

スタートレックSFドラマとして最も輝きを放つのは、銀河存在する人間以外の存在を通じて、人間とは何かを描くときだ。それはあらゆるSF作品共通の魅力でもあるが。

本作は人間に造られたアンドロイドデータが、自らの子孫を造ろうとする物語AIの子供との「ファーストコンタクト」を通じて、子供を持つということが、個人にとって、種にとってどういうことなのかが描かれる。

本作には、派手なアクションシーンもSFXもない。しかし、その物語は喜びとユーモア発見に満ち溢れ、重い悲劇として幕を閉じる。それは家族を描くキャラクター劇であり、SFであり、力強い人間ドラマだ。

最もスタートレックらしい一篇は何かと言われたらこれを推す。

ゴリラ惑星』 (The Galileo Seven) 宇宙大作戦TNG)第1シーズン13話 / 1967年

スタートレック立ち上げ最初の年に、スタートレックらしさというものを決定づけた重要な一篇。怪生物の住む惑星に不時着したクルー脱出するために取る行動を描く。

スタートレックの原型は西部劇(幌馬車劇)と言われるが、これはまさにインディアンに囲まれた幌馬車の設定を宇宙にしたもの

しかポイントは、主役がミスタースポックであるという点。感情がなく論理で動くヴァルカン人(と地球人ダブルである彼は、助かるために論理に従うか、あるいは……。

本作は異星人の視点人間感情と理性の葛藤を描き、このモチーフは以降繰り返されることとなる。また作品シャトルのセットを導入し、物語舞台を増やした一作でもある。

過去から来た新兵器』 (The Slaver Weapon) まんが宇宙大作戦TAS)第1シーズン14話 / 1973年

宇宙大作戦打ち切り後、少々品質を落としたアニメ継続となった本シリーズだが、名作はいくつかあった。しかし本エピソードちょっと違う視点で選出している。

これ、実はラリィ・ニーヴンというSF小説家が書いた『ノウン・スペース』というSF小説群のにある短編の一つを、そのまんま映像化しているのだ。出てくる異星人も借りてきたもの

ニーヴンを知る人も少なくなっただろうが、アシモフハインラインの後の世代で、ハード科学設定とエンタメとしての面白さを融合した作品を書き、SF界の潮流を作った人と言える。

本作は、スタートレック世界観が他作品をまるごと呑み込んでも成立しうる、緩く、包容力のあるものだと示した。ローワーデッキハチャメチャコメディスタイル可能になったのも、ある意味この作品のおかげ。

『恐怖のコンピューター M-5』 (The Ultimate Computer) 宇宙大作戦TOS)第2シーズン24話 / 1968年

宇宙大作戦にはTV史上初めて白人黒人とのキスシーンを描いた『キロナイドの魔力』という記念碑作品があるが、人種問題を深く描いた作品というと、こちらを推したい。

黒人天才科学者が自らの知能と感情を転写し開発した自動航行AI。それに船を委ね、演習に参加したエンタープライズだが、AIは次第に狂いだす。

本作のAIは自らの判断絶対の自信を持ち、誤りを認めようとしない。博士AI擁護し、次第に我を失っていく……と言うプロット

AIの恐怖を描いた先進性はともかく、本作が人種問題作品であることは、日本に生きる我々には少々理解が難しい。

この物語暗喩するのは、飛び抜けた能力社会から評価を受け、地位を得たマイノリティの苦しみだ。常に完璧を求められ、ひとつの失敗で社会から振り落とされてしまう、隠れた差別を描いている。

この複雑な問題1968年TVドラマに持ち込んだことこそ、評価されるべきだと思う。

『恐怖の宇宙時間連続体』(Cause And Effect) 新スタートレックTNG)第5シーズン18話 / 1992年

タイムループもの」といえば誰もが1作ぐらい頭に浮かぶだろう。映画『恋はデ・ジャ・ヴ』など様々な傑作がある。

しかし、それらの作品の多くは、「なぜ」タイムループが起きるのかを説明しない。なぜか寝て起きるとループしてたり、なぜか恋が成就するとループを抜けたり……。

スタトレ世界タイムループを描いた本作が優れているのは、その「なぜ」が明確に定義されており、それを解決することが物語目的になっている点だ。

突如として起こる反物質爆発で時空ループが生成されると、キャラ達は過去に戻される(都合よく前のループ記憶を保持したりしない)。

そこから毎回、艦のクルーたちは僅かな違和感から少しずつ状況を理解し、「なぜ」かを探り、回避するための答えに近づいていく。

ご都合主義的な「ふしぎな現象」はなく、戦うべき悪役もいない。ハードSF的な状況で、知力に頼ってロジカル物語を進めていく。しかしこれが最高に面白いのだ!

舞台は艦のセットのみ、登場人物レギュラーのみというミニマル作品だが、スタートレックSF性、センス・オブ・ワンダー代表する1作だと思う。

『終わりなきはじまり』(What You Leave Behind) スタートレックディープスペースナインDS9)第7シーズン25-26話 / 1999年

スタートレックフランチャイズ化は、TNGによるリバイバルを経て実質このDS9から始まった。いままでと違ったスタトレを作ろうという意欲に富んでおり、非常に作家性の強いシリーズだ。

未知の世界を訪れる宇宙船でなく、未知の存在が訪れる宇宙ステーションを舞台とし、全7シーズンの後半では巨大な宇宙戦争を連作として描いた。最近の『ディスカバリー』などのシリーズも、本シリーズがなければ成立しなかった。

その総決算と言うべきこのシリーズ最終話は、単体で観るとなると評価が難しいが、173話の積み重ねの末の1話としてみると、ずっしりとしたものが心に残る。

DS9シリーズで初めて黒人俳優を主役とし、戦争犯罪植民地主義のもたらす被害ストレートに描き、舞台となる異星の宗教と重ね合わせることで人間信仰心をも題材にした。

更には、「これは一人の狂った黒人の観た夢なのではないか……」というメタレベル視点すら取り入れ、多様な視点と重層的な葛藤、その先にある善とは何かを描こうとした。

シリーズに長く付き合うことでもたらさせる重い感動を体験してほしい。

『遠隔起源説』(Distant Origin) スタートレックヴォイジャーVOY)第3シーズン23話 / 1997年

ヴォイジャーハードSF的な物語よりも、キャラクターの成長やモラルに焦点を当てた傑作が多いが、敢えてSF的なセンス・オブ・ワンダーに満ちた本作を推す。

ネタバレしてしまうが、これは「恐竜人類」の物語であり、「ガリレオ・ガリレイ」の物語だ。

遥か昔に宇宙に出て進化したある種の恐竜と、銀河の反対で出会ってしまった宇宙ヴォイジャー。それを、なんと恐竜人類側の視点で描く。

故郷の星に、自分たちとは異なる知的種族がいたという事実を知った科学者の知的興奮と、その発見社会から拒絶され、迫害される恐怖。

SFの根幹である科学のもの主題にし、人間科学関係性に向き合った、ひとつの到達点。深い感動をもたらしてくれる傑作だと思う。

『命と人生』(Life, itself) スター・トレックディスカバリーDIS) 第5シーズン10話 / 2024

スタートレックエンタープライズ』以降停止したTVシリーズを、配信に適した連続フォーマットで復活させ、『ピカード』などのシリーズの端緒になった『ディスカバリー』の最終話

連続劇で見せるスタトレにはまだ課題が多く、特にディスカバリーシーズン4,5、ピカードシーズン2などは間延びして物語の行先がわかりづらいという批判があった。

しかし、それらの連続劇も、最終話に来ると、そこまで迷走していたテーマが急にシャンと鮮明になり、ああ、なるほどこういうことだったのか、という感動をもたらす。

特にエピソードディスカバリーグランドフィナーレとなるだけあって、描かれるものも壮大だ。銀河知的生命発祥の謎を求めて行われるトレック(旅)である

しかしその結末、謎は解明されることはない。その代わりに提示されるのは、「真実を求めるトレック」とは何なのか、という命題だ。

それは生きること、そのものである

『The Devourer of All Things, Part II』(日本タイトル未定) スター・トレックプロディジー(PRO)第2シーズン10話 / 2024年

スター・ウォーズマーヴェル作品ガンダムのような複数作品ひとつ歴史を形作るシリーズの楽しみは、クロスオーバー、そして「設定の穴が埋まる瞬間」だろう。

子供向けのCGIアニメシリーズとして作られた最新作であるプロディジーは、この設定の穴埋めを、他のどんな作品よりも見事にやって見せた。

新スタートレックヴォイジャーディスカバリーピカードなどの実写作品の設定を少しずつ掬い上げ、時に大胆にプロットに取り込んで、独立して楽しめる作品になっている。

その頂点がこのエピソードだ。シリーズを通じてのマクガフィンであったヴォイジャーキャラクター、チャコテイの姿が見えた時は、その絵だけで感涙してしまった。

実にオタク的な楽しみだが、フランチャイズ作品に長く付き合ってきたものけが味わえる、究極の悦楽がここにある。

プロディジー日本語版は、2024年10月時点では製作されていない。英語版だけならNetflixで子アカウントを作り、基本言語を「English」」に設定することで観られる。

両性具有ジェナイ人』(The Outcast) 新スタートレックTNG)第5シーズン17話 / 1992年

はっきり言ってシナリオの全体的な完成度は高いとは言えない。その質についても、表現手法についても注文の付く作品であるしかしどうしても外すことができない一篇がこれ。

1960年代宇宙大作戦人種性別による差別のない理想世界を描いたスタートレックは、1990年代になりその理想のほころびを正直に描くように変化した。

本作で暗喩されるのは、性的マイノリティの直面する差別であり、同時に女性の権利でもある。

物語では、両性具有種族の星に生まれた「女性」が、女性であると言うだけで罪とされ、矯正を施されようとする。

それは90年代に入るまで見過ごされてきた同性愛者への差別と、「治療」という名の暴力告発である

矯正の場へと連れていかれる彼女最後に、法廷の場で叫ぶ。「私は女だ!」と。

自らの性を自らの物として誇れない、自由に語ることもできない、あらゆる属性の、抑圧された人々の叫びが、そこに込められている。

新スタートレック日本吹き替えは名優揃いで品質が高いが、これだけは英語版で観てほしい。その叫びは、魂の演技だ。


以上。すげー長くなっちゃいました。誰も読んでくれないかな。

今回入れていないランキング定番としては、タイムトラベルの古典的傑作『危険過去への旅』(TOS)や、エミー賞ノミネートされた世界もっと儚いロケット打ち上げシーンが見られる傑作『超時空惑星カターン』(TNG)がある。

SFらしさが感じられるエピソード中心なので、人気の高いボーグのような強大な敵との対決とか、クルー同士のファミリー劇的な人情エピソードはあまり入らなくなってしまった。

また、『エンタープライズ』(ENT)、『ローワーデッキ』(LD)、『ストレンジニュー・ワールド』(SNW)の作品も入らなかったが、もちろん傑作、快作はいくつもある。

ENTバルカン人の設定を完成させた『バルカン夜明け』3部作LDアニメならではの手法連邦バルカンクリンゴン若者たち生活を描き交錯させた『wej Duj』、SNWは過去作の設定を活かしつつ現実21世紀社会情勢を24世紀の世界へと繋いで見せた第1話ストレンジニュー・ワールド』や、アースラ・ル・グイン小説『オメラスから歩み去る人々』のオマージュである『苦しみの届かなぬ高さまで』を推す。

2024-10-27

今日馬鹿の発想

馬鹿の発想1. 「人口の半分以上がIQ100以下なので、そいつらは馬鹿

正しい理解: IQ相対評価であり、全人類天才でも概ね人口の半分以上は100以下になる

 

馬鹿の発想2. 「対数正規分布は見た目としてキレイなので正しい可視化方法である

正しい理解: 人間の脳は対数スケール物事理解できる構造になっていない。プロットして可視化して理解するなら、むしろスケール変換しないほうが的を射ている(特に収入などの数値)

 

ファクトフルネスという本が誤解していること2つ

log10で、10100を比較すれば1と2になり、1しか差がないが、実際の収入文字通り10倍なので、対数変換の見た目が線形から格差存在しないというのは大きな誤解。

まず人口問題は、現存人口以上を維持することが困難であるという問題があり、増加率のことではない。(つまり増加率が0になっても問題であるマイナスにならなければ人口問題解決できない。)

そして文明発展は、CO2ごみ問題森林伐採水産資源乱獲、などの問題を加速させるので、仮に人口の増加率がマイナスになったとしても、文明発展そのもの環境ダメージを与えるので問題

anond:20241027002519

図2-1の話してるんだったら、生年別にプロットしてるんだからその問題はないんじゃ?

2024-10-26

フランス産ゲーム史上もっと重要ゲーム5選

Another World/アウターワールド(1991)

 2Dゲームが中心の時代3Dで繰り出される、異世界転移してしまった学者が元の世界に帰るための冒険譚。

 24歳だったフランス人クリエイターが全て一人で作っており、一貫したプロットを築かないままその都度継ぎ足された先の読めない波乱万丈ストーリー

 ヒントのない即死ゲームで種類の多すぎる死に様、直線ばかりの独特なグラフィック、それらから伝説的な怪作となった。

Assassin's Creed/アサシン クリード(2007)

 超古代文明の残した奇跡をもたらす遺物を巡って紀元前から争い続ける二大勢力を描く長大シリーズ第一作目。

 当時としては最先端の美麗なグラフィックフランス発祥とされるパルクールを駆使し作中に登場するあらゆる建物てっぺんまで登れる超体力でステルスするシステムが受けた。

 21世紀若者が超技術によって、先祖である12世紀エルサレム暗殺者視点追体験させられるという設定で、12世紀風景を緻密に描写した街並みも評価された。

 遺伝子情報から再現された、あくまでも紛い物の風景のため「それっぽい」けど現実とは異なるしバグで有り得ない光景が発生することもあるという設定が、時代考証ミスによる怒られを軽減する効果にもなった。

Dishonored/ディスオナード(2012)

 発売は『The Elder Scrolls』などで有名なアメリカのベセスダだが、開発はフランスのArkane Studios。

 仕えていた女王を殺され、後継ぎたる王女さらわれた護衛官が、女王殺しの冤罪をかけられるも、超能力を得て王女を救出し黒幕を倒す話。

 「超能力シミュレーター」とも称され、瞬間移動・透視暴風を起こす・体を乗っ取る、など様々な能力を駆使し、能力同士を上手く使いこなしコンボを決めるなど創意工夫も楽しめる。

 例えば敵の体を乗っ取って高所の端まで立たせた後で暴風を起こして墜落死させたりできる。

 誰一人殺さず、誰一人に目撃されずに不殺ステルスクリアすることも可能で、殺した数に応じた展開分岐もある。

Life Is Strange/ライフ イズ ストレンジ(2015)

 現代アメリカ舞台だが、フランスである。後に、超能力+青春という要素だけ継承してシリーズ化。

 タイムリープ能力者になった女子学生が、ちょっとしたミスをするたびに時間を巻き戻し、その積み重ねがやがて大きな事件へ発展していく。

 ボタンを長押しすると時間が巻き戻っていくシステムゲームの手触りとしてもストーリーとしても面白い

 女性主人公が幼馴染の少女コンビで行動をすることが多く、その子百合百合することもでき、この作品百合に目覚めてしまった者も多いという。

Detroit Become Human/デトロイトカム ヒューマン(2018)

 人間そっくりの外見・思考能力を持ちながらも人権のないロボットたちが、プログラムの制約を破って人間に逆らいだす現象を追っていく。

 膨大なシナリオ分岐が最大の特徴であり、プレイした人によって全く違う展開・結末を辿るようになっている。

 シナリオ分岐量の多さ、実在俳優を用いたリアル映像表現制作会社Quantic Dream過去作にも見られたが、その集大成作品

 日本では腐女子人気が高くホモ同人が大量に出た。

いい仕事をしたいなら2年先まで考えて台本を用意すべきなんだよね

売れないドラマ漫画がしょーもない理由がまさにコレ。

スタート時に直近2,3回分ぐらいしか原稿を作らない。

「とりあえずやってみてそれから方向性を決めよう」とかヌルいことを言ってる。

それはパイロット版において考えることであって、走り始めたらもう方向性を決めている余裕なんてない。

前もって最初から最後までの大まかな台本は用意しておかないと駄目。

反響を反映するとかは最初に用意した台本を使い切ってからでいい。

何故ならスタートしてから方向性を大きく変えるのは難しいけど、スタートする前であればいくらでも修正が出来るから

少なくとも連載漫画だったらひとまず1年分、2クールドラマだったらそのまま最終話まで。

1話10行程度のプロットだといざ台本を組み立てたら全然イメージと変わることがあるので、厚みは薄くても肉付けまでは終わらせておくべき。

走りながら考えるのは外見の部分だけで、作品の骨組みは最初から完成させておかないと予定が狂っていく。

なにより苦しいのはほぼゼロから毎回スタートしてると表面上の仕上げをするための時間が最終的に削られること。

結果として作り込みが甘い作品になってしまう。

これを分かってない奴らが作る作品は大抵ゴミ

それをやるだけの資金的な余裕がないならそもそも作品の規模を小さくするべき。

2024-10-25

異世界転生ものは、社会の傾向を反映している?

異世界転生もの」が近年の日本流行している背景には、社会の厭世的・現実逃避的な傾向が反映されていると言えます。これは文学史社会史、物語構造心理学視点から説明できます

 

1. 社会的背景と厭世観

異世界転生ものの人気は、現代日本社会が抱える厭世観ストレス特に若年層の現実逃避的な心理と密接に結びついています経済停滞、少子高齢化終身雇用制度崩壊過酷労働環境といった現代社会問題が、若者を中心に将来への不安や不満を募らせています。これらの社会的背景が、「現実世界での自分の状況から解放され、異世界で新しい人生を再スタートさせたい」という願望を反映した異世界転生もの流行を支えているのです。

文学的には、現実からの逃避をテーマにした物語は、古くから見られます。たとえば、トーマス・モアの『ユートピア』やルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』は、理想郷異世界に行くことで現実問題から離れることを描いています。これらは現実逃避の一形態として捉えられ、異世界転生ものはこの流れを現代的にアップデートした形だと考えられます

 

2. 物語構造と「異世界

異世界転生もの物語構造は、現実から異世界へと主人公が転生し、そこで新しい力や知識を手にして活躍するというパターン一般的です。この「現実異世界→成長」という構造は、古典的英雄譚に見られる「出発→試練→帰還」というプロット構造に似ていますジョーゼフ・キャンベル提唱した「英雄の旅」や、フロイト的な成長過程に基づくこの物語の枠組みは、現代でも依然として多くのフィクションに取り入れられています

異世界での成功は、現実世界での無力感補償として機能し、異世界理想郷として提示されます。この「理想的異世界」では、現実での苦しみや失敗から逃れることができ、自己実現が容易になります。多くの異世界転生ものでは、主人公現実では平凡または不遇な人物として描かれますが、異世界では特別存在になり、圧倒的な力や知識を持って成功を収めます。この設定は、現実の閉塞感を感じている読者に対して、大きな魅力を持つのです。

 

3. 心理学視点

異世界転生ものは、現実逃避的なファンタジー一種であり、これは「欲求充足」の視点から説明できます現実での挫折や失敗、社会プレッシャーに対する対抗手段として、空想的な異世界での成功や満足感が提供されます心理学的には、これは日常生活でのストレスや不満を一時的に解消する手段として機能し、快感を得るプロセスです。

加えて、現代テクノロジーデジタルメディアの普及も、個人簡単現実から切り離され、異世界に没入する機会を提供しています特にライトノベルアニメマンガといったメディアは、デジタルプラットフォームを通じて広くアクセスでき、読者や視聴者は手軽に異世界への没入感を楽しむことができます

 

4. 文学史比較

異世界転生ものを、過去日本文学世界文学比較すると、たとえば村上春樹作品に見られる「現実世界と異なる世界」への移行の要素や、戦後日本文学における「現実逃避」をテーマにした作品共通点が見られます特に戦後日本の厭世的な感覚は、終戦後の荒廃した社会の中で理想郷や他の現実を求める心理を反映していました。このような流れが、異世界転生という形で現代において復活し、新たな形で表現されていると考えられます

 

結論

異世界転生もの流行は、現代日本社会の厭世的な感覚や、若者を中心とした現実逃避欲求を強く反映しています経済社会不安定さ、将来への不透明感が強まる中で、人々は理想化された異世界での成功自己実現を夢見ます物語構造としても、古典的英雄譚のプロット踏襲しつつ、現代的なテーマである現実からの逃避」を盛り込んでいるため、多くの読者や視聴者共感を呼んでいると言えます

2024-10-22

週刊少年チャンピオンマンガ10選(試案)

週刊少年ジャンプ史上最も重要マンガ20選  https://anond.hatelabo.jp/20241012181121

週刊ビッグコミックスピリッツ史上最も重要マンガ5選 https://anond.hatelabo.jp/20241014232424

週刊ヤングマガジン史上、最重要漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241016182953

月刊アフタヌーン史上、最重要漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241017235116

月刊コロコロコミック史上、最も重要漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241018225514

週刊少年サンデー史上、最も重要マンガ10選 https://anond.hatelabo.jp/20241021181149

モーニングから10作品選ぶとしたら https://anond.hatelabo.jp/20241016210231

漫画アクション史上、最も重要漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241020163403

コミックボンボン史上最も重要マンガ20選 https://anond.hatelabo.jp/20241017225814

ブームに便乗。自分ブログがあるのでそちらにあげてから転載。昔の作品に疎いのでウィキペディア週刊少年チャンピオンのページを参考にしつつ、書いてみた。カバーしきれていないので叩き台にでもしてください。コミックボンボンの人くらいのテンション。ちなみに自分週刊少年チャンピオン2006年ごろから15年ほど購読していた。

物言いがついたのでタイトル変えた。

10

がきデカ山上たつひこ

 死刑!のネタ一世を風靡した。

ブラックジャック手塚治虫

 伝説医療マンガ週刊少年チャンピオンが瞬間的に週刊少年誌の部数トップになった時代を牽引。漫画家、手塚治虫再生させる。

恐怖新聞つのだじろう

 有名なホラーマンガ。新聞媒体にした読者の日常作品世界接続が良いと思う。

ドカベン水島新司

 野球の細かいルールに詳しく、実際の甲子園プレーにも影響を与えた。

・本気!(立原あゆみ

 ほんきと書いてマジと読むのはこの作品の影響?

グラップラー刃牙板垣恵介

 総合格闘マンガに絶大な影響を与えた。ネットミーム化も。

浦安鉄筋家族浜岡賢次

 ロジカルギャグマンガネタ出しの過酷さで潰れやすいと言われるギャグ漫画において非常に長命

覚悟のススメ山口貴由

 強烈なグロテスク描写のあった作品TSなどは先進的?

鉄鍋のジャン!(西条真二

 主人公側がなんでもありの料理マンガ

弱虫ペダル渡辺航

 女性ファンチャンピオンに呼び込み、ハリガネサービスや魔入りました!入間くんが人気になる土壌を作った。

次点

侵略!イカ娘安部真弘

 誌面の雰囲気ライトに変えた。以降のチャンピオン作品が安定してアニメ化する道筋を作った。

・フルアヘッド!ココ(米原秀幸

 ワンピースに先行する海賊主人公冒険活劇ファンタジー。

アクメツ田畑由秋余湖裕輝

 世直しの名のもとに政治家を殺しまくったヤバい作品。今連載したら炎上しそう。同じ作者コンビニンジャスレイヤーコミカライズで、ブラック企業ディストピア描写アクメツの影響を感じることがある。

BEASTARS板垣巴留

 食うものと食われるもの、殺し殺されの苦しみの解決には至らなかった。そこが描ければ10選に入るのだろうが、ハードルが高すぎる。

聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話作画手代木史織

 かつての蟹座少年たちの魂を救済した。

スクライド戸田泰成

 アニメはいろいろ異なるコミカライズという道をひらく。

プラレス3四郎牛次郎・神矢みのる)

 名前は稀によく聞く。

・Let'sダチ公(積木爆木村知夫

 40周年記念の読切掲載で出てきた。「タイマンはったらダチ!」に衝撃を受けた。

チャンピオンからデビューした近年の重要マンガ家(作品を挙げなかった代わりに)

施川ユウキサナギさんバーナード嬢曰く。等)

 内向的思索プロレベル、絵は味がある。

桜井のりおみつどもえ、僕の心のヤバイやつ等)

 みつどもえを描いている時はつい触ってみたくなる女児が描きたいなどとギリギリなことを言っていた。

阿部共実空が灰色だからちーちゃんはちょっと足りない等)

 えぐりこむプロットもさることながら、ハチャメチャな脳内を絵にする能力も凄いと思う。

増田英二実は私は、今朝も揺られてます等)

 初の短期中連載で実姉とのベロチューを描いたことが個人的に衝撃を与えた。独特のエグみがある作風から技術的に上手いラブコメへのコース桜井のりおと似ているような……。

・たばよう(宇宙怪人みずきちゃん等)

 ガチヤバいのか、ファッションヤバさなのか、ライン上にあると感じる。たまに作品ブクマを集める。

立原あゆみ先生名前修正しました

がきデカを入れて、イカ娘次点に移動(場当たり的な対応ではダメそう?)

次点より下は最初からまり年代に幅をもたせてなかった

ドカベン1972年開始なので10選の中である程度、年代を散らせているつもりだった

(いや、1990年代が多いか…)

マガジンだった「三つ目がとおる」を消しました…

2024-10-20

anond:20241020233905

設定考えて、プロット考えたら満足して終わってる。

2024-10-17

anond:20241017205221

この文章は、AIに対する評価右往左往していて、その矛盾を感じさせるポイントが多々あります。まず、AIを「案外使い勝手が良い」と評価している一方で、AIが出力する内容に対する不満が非常に多い。プロット小説を書かせてみても「社会問題をやりたがる」「攻めと受けの性役割理解しない」など、まるでAIジャンル特有文脈や期待をことごとく無視していると文句を言っていますが、AIユーザー文化的な嗜好や二次創作の細かなコード理解できないことは分かりきっています

また、感想について「オタク女が書きそうな文章」と言いつつも、AIの出力がたまに不適切だったり、同じ内容を繰り返したりする点には不満が残っているようです。AIに対する期待がやたら高く、同時にその限界をしっかり理解していないように感じます。「AIガバガバなのはそれはそう」と開き直りながらも、「許せねえ」と感情的になっているところは、結局AIを便利なツールとして使いたいのか、それともただ単に遊び道具としてしか見ていないのか、どっちつかずです。

最も不可解なのはAIに期待することと、実際にAIがやってのけたことに対する反応です。「自分趣味を押しつけてくる人間よりもAI感想の方が受け入れやすい」としながらも、二次創作キャラクターが混乱して寝取られたことに激怒するなど、AIに対する感情があまりにも揺れ動きすぎていて、論理筋道あいまいです。最初からAIにそんなに多くを期待するな」という話に終始すべきではないでしょうか?

このように、AIを使いこなそうとしているのか、ただ文句を言いたいのかがはっきりしない文章では、読者としても共感することが難しく、むしろ使いこなしきれない苛立ちが透けて見えてしまます

小説書いてる。AI役立ててる。

女性向け同人界隈はAIに対して嫌悪感が強いが、chatGPTその他AIは案外使い勝手が良い。

実際小説を書かせると文章はどうなのと思う部分は多いし、社会問題やりたがりだし、受けと攻めがかなり性的役割を負わせがちで、一昔前でいう誘い受けや襲い受けといったものを一切解せず積極的に行くものは全て攻めだと認識しやがる傾向にある。受けだって言ってんだろうが。

プロットを書かせてみてもとにかく社会問題をやりたがり、襲い受けや積極的な受けが好きな人からしたらそれは違うだろうがとキレるようなものがお出しされる。センシティブもの却下してくるのでR18を書かせるとこれは問題があるだの利用規約に反しているだの延々と文句を付けてくる。

しか感想を書かせるとそれなりにオタク女が書きそうな文章を書いてくる。プロンプトによってはかなり良い感じのものを作ってくれる。

また、自分が書いた小説を読ませて三幕構成にしなおしてもらい現状書いたものと比べて盛り上がりの箇所がズレてるなと判断することが出来る。AIが読んで盛り上がっているのがここだろうと判断したというのは、下手に人間に頼んで「ここが盛り上がるべき」と判定されるよりも受け入れやすい。ココナラあたりにいる感想屋には、たまに自分趣味を押しつけてくるようなものもいる。それらと比べればAIのほうがまだ納得出来る。

台詞が同じようなものが繰り返されている」「削れるのはこのあたり」という内容も参考にしやすい。

ガバガバなのはそれはそう。二次創作を投げて感想を言わせようとした際に「これは○○の二次創作です。そういったものは読めません」みたいな発言をしたか規約が変わったのかと焦りつつ新しいチャットでもう一度読ませたら「これは○○の二次創作でA×Bですね!」とフレンドリーに受け入れてくる。さっきの発言はどうしたんだお前は。

AI嫌いは多いが試してみると案外楽しい

なので久々にのべりすとで小説書かせてみたところ、別作品キャラ乱入してきて自カプの攻めが寝取られた。許せねえ。お前だけは絶対に許さねえ。

2024-10-15

SFファンタジー

小説書こうとプロット考えてるんやが、技術力や魔法の開発のバランス難しい。

これができるなら、これもできてないとおかしいよなぁ…みたいなことを書いてたら、設定資料集みたいになってきて、ストーリーが全く進められん。

2024-10-04

A男…紳士的なガキ

A男父母…常識的で顔が無い

B子交通遺児

B子伯父…NY農家をやってるキチガイ

B子祖父…A男に金玉の有無を問うた後、絶叫逝去

B子祖母…近所に住んでる優しいおばあちゃんで、C型肝炎

A男妹…トーローカル版みたいなとこでプチ家出してるヌルブルジョア不良

セックスした奴は顔がのっぺらぼうになる世界B子の父母の葬式に少ない親戚が集まってB子の預け先でモメるが、ポジティブめのモメであってくれ。NY環境変わりすぎだし、ばあちゃんはほぼ病院でそろそろ老人ホームだし。

(A男妹はB子と一緒に不登校する件で絡むぞ)

A一家シェアハウス引っ越してそこでひとつ屋根の下でドキド生活になるが、A男は交通事故にあった奴の心のスキにつけこんでセックスB子が悪いんだからな〜。顔が無くなるも、その無くなった顔からは清々しさすら感じられた。

[増田プロット][増田アイディア]

ネームしてるけど、やっと自分が描きたいものうまいこと形にまとめられるようになってきた実感がある。

いうて漫画描き始めて気付けば10年とかか。途中ブランクあるし、年1くらいのペースの時もあったけど。

スキルが上がった実感、やっとここまで来れた感覚、頭の中でこねくり回してたものを外に出せる快感、本当に全てが楽しい

楽しいけど、中々大変な作業すぎて平日は良くて1日5ページくらいしか進まん。

楽しくないページを乗り越えて、やっとクライマックスが近付いてきて、脳から汁が出るのを感じる。

この楽しさって他の趣味とは決定的に違うんだよな。

積み重ねて来たものを駆使出来る感じと、たまたま今思いついたものをいい感じにねじ込む楽しさと、そんなものねじ込めるようになったことにすらテンションが上がるというか。

完成しても、10数人しか読まないと思うけど。

楽しさの質が違う。

プロットネームで2ヶ月くらいかかって、このあと更にものすごい時間をかけて作画トー作業が待ってて地獄なんだけど、

漫画を描いてる期間の、生活の全てを漫画最優先にして行動していく感じも楽しい

食事しながらiPad開いて脳内世界トリップしまくる感じが好き。

だらだらとバラエティアニメ見るよりも、生産してる・人生において意味があることをやっている感覚が好き。

カレンダー見て焦りを感じる時とか、ストレスもあるけど、その焦りすらも楽しいんだと思う。

締め切りがないと何も進まないことが分かりきってるし。

完成した頃にはヘロヘロになってて何がおもろいねんこれはという気持ちがすごい。

絵が下手すぎるという気持ちと、ここ無理矢理すぎたかもという反省会が延々繰り返される。

次こそはもっと上手くやる…と思ってまた漫画を描く。

自分人生能動的に他にやりたいことも特になくて、本当に仕事適当にこなしつつ漫画を描く人生になってる。

すごいな。こんな人生になると全然思ってなかった。絵描き始めたのも20歳過ぎてからだし。

一生描いてたいけど、どうだろうな。

2024-09-29

ネーム進まねぇ

プロットやっと出来て、テンションは高いのに

ネームがやたらと進まない時の対策をそろそろ考えないとなぁ

前回は登場人物がとても少なくやたらネームがさくさく進んで楽だった

今回は人が多すぎる

あと、夜の方が進む

よく朝になると、夜とテンションが違って否定モードが入ってきてしまうため、何やこれw的な視点創作邪魔する

早く夜になって何書いても楽しい無敵モードになりたい

いや、朝からそのモードに持っていく必要がある

あるのに、うまくいかないな

食事タイミング、眠気、まだ時間あるという感覚、外の明るさ、気が散るタイミングの多さ、トイレに行きたい気持ちなど

それらを排除したら朝なのに夜の無敵モードになれるんだろうか?

テンション気持ちの作り方なんだ、結局

何年やっても難しい

明日からまた仕事から今日中に終わらせたかった。

今日終わらないとまた1週間ぐだぐだタイムが発生してしまう…

平日は疲れてて脳死作業しか出来ん。

冒頭ペン入れだけ進める方式にするか?

2月までに本当にこの原稿が終わるのか、不安になってくる

2024-09-28

anond:20240928220446

原作の序盤が見切り発車の下書きプロットレベルだったというのも「脚本家マジで凄い!」という勘違いを産んだ原因だよね。

紆余曲折を経て方向性が固まったあとの状態から脚本会議しつつ綺麗に再編成しただけなのを「原作を大幅にブラッシュアップした!天才だ!」みたいに持ち上げられてしまった。

乱暴な言い方をすれば初期の原作めっちゃ乱暴な作りをしていたことでハードルマイナスからスタートたか相対的に高評価になっただけなんだよね。

JING児童誌に掲載されていたから目立ってただけで、ジャンプ連載だったら中の上ぐらいの扱いで終わってたと思う

エッシャージェームズ・ボンドも知らないキッズ相手だったからやたらと評価されただけでしょ。

かに、幼少期に読んだJINGは強烈に印象に残っている。

ページを捲った直後に2ページ見開きで視覚効果バチバチと目に飛び込んでくるあの体験は、まさに稲妻に打たれたかの如く「俺は今凄いものを読んでいる」と感じさせるものがあったよ。

今、一通りの元ネタを知った状態で読めばそれらは「漫画の絵として上手に落とし込まれデフォルメ感覚に優れたパロディ」以上でも以下でもない事が分かる。

個性豊かで魅力的に感じたジンガール達はテンプレートを丁寧になぞって拵えられたステレオタイプヒロイン像達でしかない。

それぞれの街で繰り広げられる物語も基本となる類型をそのままなぞるかのようなものばかり。

子供でも読めるようにと柔らかく煮込まれ王道プロットカタログに、若干強めのスパイスを加えたような、入門的ダークファンタジーしかないわけだ。

5歳児~105歳児まで幅広く楽しめるであろうこのバランス感覚はとんでもなく優れていると言えるが、有効範囲を広げるために繰り返された去勢によりこの手の作品が持つべき角が大きく削れてしまっているのは否めない。

小中学生がこの漫画を大興奮で人に薦めるなら微笑ましいが、いい歳をした大人がやたらと評価しているのはインプリンティングによる影響が残り過ぎなのではないかと思ってしま

2024-09-26

HAKUTAKU白卓は単に出来が悪いだけなので元増田憎悪は「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」でしかない

HAKUTAKUの主人公別に発達障害として作られていない

結果的に出力されたものがそう見えるものであれ、作者のコンセプトはそうではない。

単に

・根は良い奴

クラスで虐められている

・指摘されるまでそれに気付けない

言動にクセがある

という要素を何も考えずに混ぜ込んでいったらこんなキャラになっただけだ。

主人公を虐めていた連中の語るいかにも自閉症傾向に向けられるような言葉も、いじめっ子がよく使ってそうな言い訳を思い出しながら並べただけで、その向こう側に生きづらさのステレオタイプを抱えている人間がいることを考えて作られたわけではない。

そもそもHAKUTAKUは出来が悪い。特にセリフ回しが

元増田がHAKUTAKUの主人公発達障害と決めつけたのは変なクセがある台詞回しによる影響もあるだろうが、これは別に主人公がそういう累計として作られているという訳でもない。

作者なりの小ボケクオリティがとことん低いから結果として「大人になってから判明する程度の障害がありそうな人」という印象を得ただけだろう。

そもそもこの作者はワードセンスがない。

「人数にして小数点以下の友達」や「福汁引」といった読み手にとってノイズにばかりなるのにおもしろくないただテンポを下げるだけのフレーズ作品に入れ込んで、それを削除もせずにそのまま第一話の原稿に載せている時点で言葉技術が足りないのだ。

このような作家が生み出すキャラクターの言動は総じて非現実的違和感が強いのだが、それが時折「現実においても違和感の強い言葉を発しているタイプ発達障害タイプ」をモチーフにしているのではという疑念を抱かせることがあるが、大抵の場合は違う。

先に述べたように作者が漫画にとって都合の良い要素を雑に足して生み出したキャラクターに雑な言葉を喋らせた結果でしかない。

そもそもHAKUTAKUという作品は入念に作られていない

なのだ

放課後限定で初めてアクションゲームを作る主人公に与えるタイムリミットキャラドット打ち込みでの3週間という無理のあるスケジューリング

主人公達のスケジュールについて工数見積等を交えた検討が行われておらずその場の思いつきレベルで行動内容と結果を決定)

・「学祭が近い」という発言が出てきているが全く学祭が近そうでない雰囲気

セリフ説明するだけで中身が伴っていないスカスカ世界観

主人公をパシってた奴らの鼻を明かすはずが単に「ゲーム面白いね」で終わって全然タラシスがないプロット

(大抵の作品起承転結を綺麗に決める第一話で基本的設計が出来ていないという絶望

・脳!汁!の連続見開きの背景に溢れる全然伝わってこない感動

(上手い漫画家はこういう時に表情一つで主人この感動を描けるわけだが、逆を言えばここまでゴテゴテさせて結局イマイチ伝わってこないというのは相当酷いということである

・本!!     日!!の異常な読みにくさ

(読者の視線誘導全然考慮してないことの現れ)

・善人キャラだったはずの主人公が受けるために教師タバコを皆にバラ

主人公設定のチグハグさ)

もうね。本当に酷いんすよ。

こんな作品に対してわざわざ元増田が暗い情熱を燃やす必要なんてない。

ジャンプ買ってるなら勿体ないけど毎週読み飛ばせばいいだけだと思う。



anond:20240924204946

anond:20240909000111

のび太と竜の騎士」までは藤子不二雄名義で、「のび太日本誕生」以降、 藤子・F・不二雄なんだけど、

個人的には、「日本誕生」以降はどうも物語スケールが小さくなって、迫力が落ちている感があるのだけど、(敵役が小物すぎたり、話のまとまりが弱かったり、テーマ設定が弱かったり)

「竜の騎士」以前だってFとAは別々に活動していたはずで、

ただのネタ切れなのか、体力の低下なのか、脚本プロットに関わるスタッフなどの制作体制に違いがあったのか……なんなんすかね?

「竜の騎士」と「日本誕生」の間の年に、体調不良原作描けずに作られた映画パラレル西遊記」があるのだけど、

やはり体力の低下が大きかったのかな。

まあ、「竜の騎士」以前が良い!ってのは主観的感想だけど、そこまではやっぱり物語エネルギーが満ちてると思うんだよね。

宇宙西部劇とか、海洋冒険とか、秘境冒険映画とか、スター・ウォーズみたいな話をやりたいとか、恐竜隕石での絶滅説で一本やりたいとか、素直な創作衝動があってよいのだ。

作家としての成長、老成から、関心がよりファンタジーな方向に行っただけかもしれないけど、それもよくあることか。

2024-09-23

Shogun全部観た感想(長文・ほぼネタバレなし)

原作は75年に出たアメリカベストセラー小説。作者のジェームズ・クラベル映画脚本家メインのとして有名だったたらしく、「蝿男」とか、見た事ないけど「大脱走」「いつも心に太陽を」の脚本家らしい。

ゲースロなど大河物好きとしては、「真田広之と一部以外の人間みんな頭良くなさすぎね?」とか、全体的に各登場人物の野望や思惑が深掘りされないのが気になったけど、

原作者がハラハラキドキの名手(多分)だし、「これはある種の冒険ものなんだ!」と思い直したら非常に納得できてすんなり入り込めた。

戦国時代架空日本舞台で、時代としては秀吉っぽい人が亡くなり、その部下の五大公(五大老)の覇権争いが勃発した時代。五大公の一人の家康っぽい人(真田広之)が「俺は天下なんてほしくねーのにやれやれ他の欲深い奴らには任せらんねーな」しながら様々なピンチを切り抜け天下を掌握するまでの話。

ハラハラキドキしながら見れたのだが、基本暗い。誰がいつ死ぬか分からない時代からか”宿命”という「無常感」に似た考えが全体を支配していて、死にたがり多いし大層暗い。

日本人らしい死生観から、「まあいいか」的な明るさや忘れっぽさを取り除いたような思想なので、「合ってるけどなんかちょっとだけ違う」感じもする。時代のせいかもしれない。

神道」「天皇」が出てこないせいか、「守ったり立てたりする相手がいないから五大公達も目的意識希薄なんじゃ?」と思ってしまったりしたが、その代わりにShogun征夷大将軍)がなんかド偉い「人類の最高地点」みたいにナレーションで言われてて、海賊王か何かみたいな言われようだった。そのわりに前Shogunだった大公殿下秀吉)も、大した奴っぽくない描写もあったけど…。淀殿ももちろん出てきます

で、シンプルドラマかとおもいきや人物感情は繊細に描かれていて、マリコ様(第二の主人公たるこの人が暗いか雰囲気が暗い)とか、マリコ様の夫の文太郎浅野忠信演じる荒くれ武将の甥っ子あたりの複雑な思いに「んんん・・」となりながら観るのが良かった。

プロットのご都合感やシンプルさと、「それはそれとして人間感情はしっかり描きますよ」感は、なんかアメリカっぽい。アメリカ小説を読んだりしてて時々感じるのだが「話自体を難しくすると幅広い層の人が楽しめないから・・」という配慮はあるような気がする。スタトレ(TVドラマの方)をみてても思うが、わりと”視聴者共感させてヒーローを作ること”を大事にする文化はある気がする。

みんな演技が上手いし、全体的に自然な演技という印象。安針(家康の部下のイギリス人船乗り)も若者らしさが溢れててある意味一番フツーでよかったし、若いクリスチャン役の人がいい味だしてた。

ちょっと設定にやりすぎ感があるものの、浅野忠信キャラもとても味があってチャーミングだった。(ラムジーボルトンだけど。)

太郎役の人(阿部進之介)がイケメンすぎるし、マリコ様も美しいが、藤様役の若い女優さんもいかにも日本人らしい風貌で美しい。

日本庭園とか衣装も美しくてさすがハリウッド

演技的な一番の見どころは、真田広之西岡徳馬の二人のシーンかもしれない。このシーンで「このドラマみて良かったな」と思った。

まとまらないけど総じて素敵なドラマで観てよかったです。

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