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はてなキーワード: 国立民族学博物館とは

2024-09-03

おお、岡本太郎批判にそのまま使えそうだ。本来万博会場全体の予算であったもの太陽の塔ひとつに使ってしまい、途中で発覚し慌てて止めようとしたが時すでに遅し。あの塔が完成した

[B! 万博] サクッと調べたので間違えてるかもしれんが 万博会場の建ぺい率は70%な..

  

id:tapi423さま、コメントありがとうございます

上記コメント太陽の塔内部の展示資料パンフレットを読んだ私の記憶をもとに書いたのですが、改めて調べたところ

万博会場全体 → テーマ館の展示全体 

の間違いだと思います。いい加減なことを書いて申し訳ありません。ブコメ修正しておきます

 

ただ太陽の塔建設は当時大変揉めていたこと、岡本太郎勝手暴走したこと事実のようです。

以下、参考になりそうなページをまとめておきます

 

岡本と丹下の対立

会場計画プロデューサー丹下健三氏と岡本太郎の取っ組み合いの喧嘩がさまざまな記事言及されています

中でも堺屋太一氏による「地上最大の行事 万博博覧会」は当事者による記述として興味深いので引用しま

 

計画が出されたとき、万国博開催期間は梅雨の時期も含まれるため、人を集めるには「屋根」が必要だという意見が出た。しかし、これほど巨大な建造物屋根をどのように作るのか、技術的な解決策は見えてこない。建設省や通産省から安全性危惧し、縮小変更を訴える声が強かった。

  

(中略: ここから大屋建設の苦労が語られますが省略します)

 

お祭り広場建築軌道に乗り始めたと思った矢先のことだった。展示プロデューサー岡本太郎氏が、お祭り広場大屋根の真ん前に、塔をつくると言い出した。これが、かの「太陽の塔である

岡本氏の発言を聞いた丹下氏の顔色が変わった。

「すでにシンボルタワーは菊竹清訓氏が設計していますあなたは展示プロデューサーなのだから、展示に集中してください」

菊竹氏が設計した蜂の巣状のシンボルタワーは、会場の南端に建てる予定で計画が進んでいた。しか岡本氏は一歩も引かない。

「万国博の展示の中心には、一眼でわかるような造形が必要です。一番目立つ展示を私は考えました」と言ってスケッチブック4冊ほどを取り出した。そこには「太陽の塔」のスケッチが200枚くらい描かれていた。(中略)岡本氏の熱弁を聞いたところで、もちろん丹下氏は納得しない。丹下氏の口調は次第に厳しくなり、

「お前にそんなものを造る権利はない」「造るとしても、目立つところにあるのは許さない」

どうしても造るなら、お祭り広場屋根設計を変更して、太陽の塔屋根で囲って見えないようにする、とまで丹下氏は言った。

すると岡本太郎氏は烈火の如く怒り、関係者のいる前で2人は取っ組み合いの喧嘩を始めた。互いの弟子たちは喧嘩を止めるどころか加勢し、手のつけられない状態になった。慌てた私はいったん通産省が引き取りますと2人を制したが、「引き取るとはどういうことだ」と、今度は私が2人に罵倒される始末だった。結局、大屋根の中央に大きな丸い穴をあけて「太陽の塔」を突き抜けさせるという妥協案に落ち着くまでに1ヶ月かかった。

(「地上最大の行事 堺屋太一 万博博覧会」 p269~p280)

 

このように「太陽の塔」はもともとシンボルタワーとして造られたものではなかったが、結果的に二つのタワーが万国博に登場した。岡本太郎氏は「自分太陽の塔と、菊竹氏のタワー、どちらが真のシンボルタワーかは大衆審査に委ねるべきだ」という考えを示した。と同時に「自分には自信がある」ということを盛んに表明した。この勝負岡本太郎氏に軍配が上がったことは歴史証明している

(「地上最大の行事 堺屋太一 万博博覧会」 p282)

 

なお、著者である界屋太一氏は通商産業(現経済産業)省の方であること、出版2018年であることは注意が必要です。

まるで仲介役をしていたような書き方ですが、以下の小松左京氏の著書によれば通産省も強固に反対していたようです。

当初の見解とは大きく異なり太陽の塔歴史シンボルになってしまったせいで不都合なことはみんなちょっとずつ伏せている感じはありますね。

 

小松左京ライブラリ

予算といえば、あの「エキスポの顔」といわれた高さ六十メートル名物太陽の塔」があやうく消えかかったことがある。テーマ展示の、総予算は前にもいったように建設費こみのあち見つもりで三十億は必要だと、岡本氏のスタッフははじき出していた。(この金額理事会説明する時、岡本氏はテーマ展示には「最低三十万円」必要だ、とやってしまった。石坂会長の「明治四十五年の万国博」とともに万国博の二大迷言とされている)

 大蔵省筋はこの規模を内々に承認していたが、監督官庁の通産側は、あまり正面に大きなものを建てられると、ホストカントリー日本政府館が目だたなくなる、という理由強硬に反対した、テーマ展示の稔予算はせいぜい三、四億でいい、というのだ。モントリオールテーマ予算百億と大変なひらきだ。そんな予算ではとてもテーマ展示はできないとプロデューサー側がいうと、もともとテーマなんてものは万風博にはいらないものだ、とまで極言した。

(中略)

 予算の三倍にふくれ上った見つもりをむりやり削るのは大変な作業だった。業者サイドと一項目ずつ検討し、全体の仕様をかえ、やっと予算の倍ぐらいまで削った。だがそれをさらに半分にするのは、背筋の寒くなるような作業だった。

場合によっては、石を一つころがしておいても、これが「根源の世界」だとひらきなおってみせると豪語していたものの、当初のイメージが、はなはだしく萎縮してしまうのはさけられなかった。それに私は平野氏と話しあって、第三スペース「心の世界」に展示する、海外民俗資料収集のための、予算千万円は、最初からおさえて、絶対手をつけないことにしていた。一・五倍にまできりつめる時、展示構想を基本からやりかえなければならないところにまできた。

テーマ展示に関わった小松左京氏が予算で苦労する様子が書かれています現在国立民族学博物館小松左京氏と平野氏が守ったのですね。知りませんでした。

 

 

余談ですが、調べていて個人的面白いと思ったところ:

  

 

追記:誤字修正しました

丹下健三郎氏 → 丹下健三

id:ryotarox さんありがとう!)

  

id:tapi423 さん、こちらこそどうもありがとう

色々知ることができて面白かったです。ブコメも興味深く読ませてもらいました。

2024-06-30

関西ミュージアム巡り

関西に限ってみるぜ! 行ったことがある中で、特に印象に残ったところ(あるいは定期的に足を運んでるところ)をリストアップ増田は今は阪神間在住なので行きやすいところがどうしても多くなる。

京都府

京都国立博物館
企画展もいいし、コレクションとしても優品たくさん持ってるんだけど、いかんせん明治古都館の耐震工事の目処が立たないので常設展企画展どっちかしか開催できないのが痛い。近世歴史的遺構(方広寺)の上に近代歴史的建築明治古都館)建てるんじゃないよ全く。
京都市京セラ美術館
ここもMUCA展とかキュビスム展みたいにいい企画展がどんどん回ってくるけど、やっぱりコレクションも見たいので、コレクション展やってないとちょっと落胆する。年パスコスパよくて、ミュージアムズ・フォーが割引になるのも嬉しい(特にかいのMoMAK)。
京都国立近代美術館
ここもコレクションがいい。でもMoMATみたいなところかと思って行くと小ささにびっくりするとは思う。
京都鉄道博物館
さいたまに劣らず展示は充実してると思う。京都水族館が近い。
宇治市源氏物語ミュージアム
鳳凰堂行くついでに寄りたくなる。最近大河ドラマで混んでるのかな。
神社仏閣の宝物館
これを入れると、もう京都市なんかどれだけ行っても尽きない。まずは延暦寺は当然。あと、広隆寺とかもいい。

大阪府

国立民族学博物館
大正義首都圏ミュージアムが集積してることに対する嫉妬を「吹田には民博あるもん!」って収めることができる。とにかく面積広くて収蔵品が多いだけじゃなくて、ビデオテークとかでみれるAV資料も充実してる。先日は仮面展のついでに、桃太郎の各地方言の朗読聴いて、「地元にはこんな綺麗な方言しゃべる人いなくなっちゃったなー」って物寂しくなってた。タクティクスオウガ聖地としても知られる。
JT生命誌研究館
小さいけどかなり展示がしっかりしてる。入館料無料も嬉しい。
大阪市立東洋陶磁美術館
油滴天目もいいんだけど、なんというか、コレクション全体を通じてかつての大阪経済の力を感じる。
中之島香雪美術館
近くにいっぱい公立ミュージアムあって、しか中之島とか年パスコスパがいいので、比べると高いなーとか思っちゃうんだけど、つい企画展に行っちゃう
大阪市立中之島美術館
市の持ってる現代美術駐車場に置いてるくらいなので、企画展しかやってないのが気に食わないが、結構いいのが回ってきたりしてる。テート展もとても良かった。TRIO展楽しみ。
国立国際美術館
企画展もいいが、関西現代美術常設展見るとしたらまずはここ。と思ってメキシコ展帰りに常設展見てきたが、気づいたら常設展中之島美術館との間の橋作る工事のせいの雨漏りのため突然中止、会場閉鎖になってた。いつ開くのだろうか……?
大阪市立科学
現在改装中でもうすぐ開く予定。科博とか名古屋ほどじゃないけど、関西随一の科学館としての格はある。神戸市青少年科学館が改装でどんどん壊れた実験器具捨てて映像ばかりの展示になってるのが誠に遺憾なのだけど、大阪がそうならないことを願ってる。
海遊館
わざわざ大阪まで水族展示見に来る価値はあるよね。環太平洋っていうテーマ設定も良い。
大阪歴史博物館
ここも江戸東京博物館ほどではないにせよ、難波宮大極殿復元とか、大阪歴史博物館として一度は見てみていい。
大阪市立美術館
来年春まで休館中。ここもかつての大阪経済の力で成立。中之島と市立美術館2館体制になってどういう感じで棲み分けるんだろう。
あべのハルカス美術館
中之島香雪に同じ。
大阪市立自然博物館
ちょっと展示の古さが気になるし(キャプション更新されてる)、子どもが多いけど、関西一の自然史系博物館。今度はクジラ骨格標本作らせてもらえて、しか費用も半額以下で済んでよかったね。
堺市博物館
堺も歴史ある街だし、しかもここに来ると必然的大仙古墳も一緒に見ることになるのでいい。大仙古墳は外から一周回って「デカっ!」って言うだけだけど。

兵庫県

伊丹市昆虫
阪神間には結構特色ある小規模ミュージアムがいくつもあって良い。
西宮市大谷記念美術館
小さい美術館だけど、日本画が充実してて個人的にはすごく好き。
芦屋市美術博物館
上に同じ。芦屋は「具体」の聖地なので、こっちは現代美術大谷記念から2kmないので、増田はよく歩いてハシゴしてる。
灘の酒造資料
菊正宗とか白鶴とか各社色々ある。入館料無料楽しい
兵庫県美術館
ここもキース・ヘリングみたいにいい企画展たくさん来てる(ゴッホアライブみたいにクソなのも来てる)が、やっぱりコレクションがいい。
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター
元祖災害伝承館。増田震災後に阪神間移住したけど、何年かに一回は行かなあかんなあと思った。県美のすぐ近く。
竹中大工道具館
増田神社仏閣とか城郭かに行くのも好きなので、なるほどこんなふうに作ってるのかとすげえ面白い
神戸市博物館
リニューアル前は大英博物館展みたいな大型企画展がたくさん来てたけど、リニューアルして歴史展示が微妙になった気がする。企画展も、洋物は今度のデ・キリコ展くらいから?
明石市天文科学
テーマ系の科学館としてはここもいい。プラネタリウムが実働機で日本最古だとか。

奈良県

大和文華館
ハルカスと同じく近鉄系列だけど、ハルカスよりもオタク向け展示でよい。
奈良国立博物館
正倉院展はやっぱり毎年行くよね。解説読んでると、ちょっと仏像見方が分かってくる気がする。京博とか行くとだいたい曼荼羅展示してあるけど、こないだ空海展に行って初めて曼荼羅見方が分かった。
平城宮跡の展示施設
いくつかある。京都と違って一旦都の跡が忘れ去られたおかげで色々掘り出せて良い。
奈良文化研究所資料館(平城宮飛鳥
平城宮上記かぶる。考古資料が見たくなったらとりあえず奈文研行っとき安心感はある。
神社仏閣の宝物館
とりあえず南都七大寺春日大社鉄板。定期的にしか開かないけど、彫刻好きなら北円堂の無著・世親像は一度は見ておくべきだと思う。法隆寺は混んでても、隣の中宮寺は空いてるので、教科書の半跏像を気が済むまで堪能できる。

その他

京阪神奈良以外は日頃の行動範囲に入ってないので、だいぶ適当

滋賀県立琵琶湖博物館
公共交通機関でのアクセスはとても悪いけど、自然から人文から水族展示まで、琵琶湖を題材に色んな角度でまとめてて秀逸。
伊賀流忍者博物館
展示は古いが、面白かった。近くに芭蕉翁記念館があるのも良い。
神社仏閣
高野山吉野三井寺あたりは外せない。石山とか粉河とかも気になるけどまだ行けてないのでなんとも。熊野はなおのこと。

こんなところからなあ。MIHOミュージアムは興味はあるが、遠くて行けてない。

疲れたので、また思い出したら追記する。

anond:20240629060352

2024-06-29

anond:20240627230739

いいよね! 西日本美術館博物館! 関西というくくりからは外れちゃうけど、ワイは以下が好き。

SSR滋賀県立琵琶湖博物館滋賀県草津市

琵琶湖の「生活の場」としての人文的側面と古代湖としての自然的側面を両方堪能させてくれる超贅沢な博物館琵琶湖湖畔で営まれた長い年月にわたる人々の暮らしを堪能したあとに、古代湖という環境で育まれ多種多様な固有種が展示されていて、歴史生物も好きなワイは大歓喜だった。ビワコオオナマズとかイワトコナマズとかホンモロコとかワタカとかニゴロブナとかの琵琶湖固有種、どれもここで初めて見たし、水槽での遊泳の展示だけじゃなくて固有種を使った郷土料理についての展示もあるのがもう文理融合って感じで素晴らしいのよ。さらさら古代湖繋がりで世界各地の古代湖の生き物が展示されていて水族館としても楽しめる最高の施設。マラウィ湖の色とりどりの熱帯魚キレイ~~~~~バイカルアザラシかわいい~~~~~!!1!!! ……あれ? ヴィクトリア湖の展示には1種類の魚しかいないぞ? あっ……(察し)

SSR大塚国際美術館徳島県鳴門市

言うまでもないやつ。1日じゃ足りない。早足で回っても6時間以上かかったんだけどどうなってるんですかね。日本にいながらにしてこれだけの美術品の原寸大レプリカを見ることができるの、最高すぎますわ。おいおい西欧だけじゃなくてウラジーミル生神女とかの正教文化圏のやつまであるのかよ。世界史の資料集で見たことある名画が勢揃いしすぎていて興奮せずにいられない。しかレプリカから傷めないように大事に遠いところで保管されてる本物と違って鼻がくっつきそうな距離でまじまじと見れるというのも良い。西洋美術史を一望できる素晴らしい美術館ありがとう大塚製薬

SSR国立民族学博物館大阪府吹田市

これも言うまでもないやつ。山奥の宗教儀式から現代アフリカ都市生活まで幅広く世界民族文化が扱われていて最高。ヨーロッパから南米アフリカまで、はたまた朝鮮琉球から日本山村まで、ありとあらゆる地域カヴァーされていてまったく飽きない。あと途中にある世界の様々な言語で書かれた『はらぺこあおむし』とか、日本各地の方言で読み上げた『桃太郎』とか面白い

SR四国ミウゼアム(香川県高松市

ここほんとすき。四国各地から移設した伝統的な建築物が立ち並んでいて、海沿いの漁村から山奥の秘境である四国という島の多様性体感することができるし、そもそもの「日本家屋自体地域性を感じられるというか、気候生業階級によって家屋の形って違ってくるんだよなぁっていう当たり前かもしれないけど忘れちゃいがちなことを思い出させてくれるというか、いやー、良い博物館です。日本文化について勉強してますっていう海外学生さんにはぜひここを訪れてほしい。源氏の君や富嶽三十六景とはまた違った日本文化多様性を目にすることができるので。

SR島根県古代出雲歴史博物館島根県出雲市)

銅剣の展示がすごすぎる。圧巻というほかない。荒神遺跡しゅごい……他にも、出雲神話についての展示が充実していたり、石見銀山の展示があったりと、神代中世くらいまでの出雲国の歴史を知る上ではすごく良い。タタラ体験コーナー良かったです。あとワイが行ったときはちょうど隠岐についての企画展やってて、なかなか知る機会のない隠岐諸島の歴史勉強することができて大満足だった。明治維新とき松江藩郡代追放して島民が自治政府を結成した(隠岐騒動)とか、もうたまらないよね。わぁい離島自治政府あかり離島自治政府大好き。

R:岡山市オリエント美術館岡山県岡山市

日本古代オリエント研究拠点を整備したかった某皇族が県立美術館に対抗して市立美術館を持とうとした岡山市に声をかけてできたという由緒のある美術館古代メソポタミアからペルシャ美術まで、各地域時代中近東美術品が並べられていて目の保養になる。えっペルシャに影響受けた中央アジア陶器デザインめっちゃ好きなんですが……

R:源氏物語ミュージアム京都府宇治市

平安文学世界に入り込める博物館。ここ古文の授業でやったところだ! とか、古文の授業でやったあれってそういうことだったんだ! とか、えっ何それ知らない……みたいなのがいっぱい押し寄せてきて楽しい。あとトイレマークが平安装束なのオシャレでいいよね……女子トイレ十二単で、男子トイレはどんなんだったっけ? 直衣? 狩衣?

R:京都国際マンガミュージアム京都府京都市

京都精華大学の本気を見た気分。日本が誇るマンガ文化についての圧倒的な展示。『キャンディ・キャンディ』とか、超レアなやつじゃん……オタクなら一度は行っておきたい博物館っすね、はい

R:松江歴史館(島根県松江市)

城下町だけあって武家屋敷を模した建物(そして敷地内には実際に家老屋敷現存している)で大変よい。やっぱ博物館は展示品だけじゃなくて雰囲気大事っていうか、西洋博物館が靴のまま上がりこむのが普通な日本博物館では靴を脱いで畳の上で展示を見るんだよ! っていうコンセプトを感じられて好もしい。そして中世後期~近世以降の松江歴史が丁寧に展示されていて、たぶん古代出雲歴史博物館とセットで見てまわることで出雲国の通史がわかる構造になってるんだと思う。面白かったです。

R:UKIYO-E KURASHIKI / 国芳館(岡山県倉敷市

美観地区高台にある旅館改装した美術館和風の町並みの真ん中にある和風建築浮世絵を見るの、雰囲気があってとてもよいし、展示されてる絵がどれも贅沢。さらキャプションが完全な日英バイリンガルなので「インバウンド狙ってます」感が強く(なおオープンしたのはコロナ禍の真っ最中だった模様)、実際外人さんにはウケると思うので日本に行く人には紹介してあげたい。ミュージアムショップも充実しててよき。相馬の古内裏Tシャツ買っちった。

R:妖怪美術館香川県土庄町

小豆島の町中にある古い家屋改装して美術館にしたやつ。1つの家屋じゃなく、ご近所に点在する複数家屋が1つの美術館になっているので、順路に沿って巡るイコール小豆島の街歩きになるという、一石二鳥美術館。実際ワイも順路に沿って見て回ってる最中に美味しそうな和菓子屋さん見つけて名物大師まんじゅうとか『からかい上手の高木さん』とのコラボお菓子とか買っちゃったもんな……。注意点としては、あくまで「博物館」ではなく「美術館」、つまり妖怪アートを展示しているところであって妖怪学術的展示をしているわけではないということ。なので現代作家が考えたオリジナル妖怪とかSDGs妖怪(何だよそれ)とか妖怪コンテスト入賞作とかも展示してあるんだけど、いや現代美術の展示として見るとめっちゃ楽しいなこれ。妖怪に仮託したイマジネーションを楽しむ施設です。上の国芳館と同じくインバウンド外人さんに強くオススメしたい。あと入館方法ハイテクで良い。

R:MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館香川県丸亀市

この規模の美術館にしては立地がパーフェクトでは。マジでJRの駅の真横とかにあるぞ。そして外観がまず目を惹きつけられるし中に入ると濃厚な現代美術空間で、日本のあまり広く知られているとはいえない現代美術作家作品が色々あるし、瀬戸内国際芸術祭で展示された作品なんかもあったりして(そういえば丸亀市市域にはけっこう離島があるんだよな)、いや自分の知らない文化っていっぱいあるんやなと。夭折した作家認知症にかかった作家特別展とかもやってて、作家人生込みで味わえる美術館になってるなぁ。

R:夢二郷土美術館岡山県岡山市

小さくてすぐ見終わってしまうけど、竹久夢二の絵に包まれ大正ロマンに浸ることのできるプチ贅沢な美術館でしゅき。ミュージアムショップ夢二グッズが充実していて何を買おうか悩んでしまう。クリアファイルとか普通に普段遣いできるオシャレさだわ。猫のイラストのやつ買っちった。

R:金陵の郷(香川県琴平町

日本酒の作り方に関する展示がすごい丁寧な上に、酒蔵直営からミュージアムショップという名の酒屋がめっちゃ充実してて良き。酒が飲める飲めるで~酒が飲めるで~♪ いや本来意味でのミュージアムショップもいいんだけどね。日本酒グッズがいろいろ置いてあって楽しい

N:豊島美術館香川県土庄町

展示品が1つでも美術館を名乗っていいんだ、っていう勇気をもらえるよね!

N:坂の上の雲ミュージアム愛媛県松山市

小説世界現実世界が渾然一体となった感がすごい幻想ミュージアムとして見るとなかなか面白いよね!

N:竹島資料室(島根県松江市)

小学生が書いた竹島についての学級新聞とかが飾ってあってドン引k……いやいや、日本領土を守ろうとする姿勢に好感が持てるし、アンケートに答えると無料竹島が描かれたエコバッグをもらえるから松江城とか松江歴史館とかを観光する前にここに立ち寄るとついもらって荷物なっちゃパンフレットとかを持て余さずに済むから便利だよ! めっちゃオススメ

追記

千里市じゃないよ吹田市だよ。恥ずかしい。訂正しときました。いや知ってたんですよ? 吹田市だっていうのは知ってたんですよ? でもなぜか書くとき千里市とかいう謎の自治体が出現してしまったんだ……

あと、分類を、SSRSR・Rの3段階からSSRSR・R・Nの4段階に変更しますた。

2024-06-27

関東もいいけど関西美術館博物館の話もしようぜ

とりあえず国立民族学博物館が最強だと思う

他にも万博記念公園ミュージアムがあっていいよね。太陽の塔も中入れるようになったし。

中之島美術館京都マンガミュージアム京セラ美術館もいい。

灘の兵庫県立美術館もなかなか良い企画やってる。車じゃないと少しキツいが滋賀佐川美術館もいいよね。

出張ときにいろいろいきたいので教えてほしいな

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想像以上にオススメが集まってありがとうございます特に国立民族学博物館が好きなのでそこに似た施設も知れてよかった。関西以西の徳島とか島根も知られてホクホクです!集合知最高!

2023-08-10

anond:20230806181014

ミュージアム色々見てきた感想を以下に列挙。だいぶ昔に行ったところは記憶が歪んでるかもしれないけど。

東博以外なら、なんとなくキャプションだけ読んでおしまいにするならどれも半日あればなんとかなる。が、それだとミュージアムにわざわざ来てる意味は一体何だ、ということにもなる。

東京国立博物館台東区
圧倒的優勝。本館だけで他と十分張り合える量なのに、東洋館・法隆寺宝物館・平成館まである
国立科学博物館台東区
とにかく生物鉱物の標本がたくさんあるので、一つ一つ観察してたらどれだけ時間があっても足りない。
国立西洋美術館台東区
美術館ならやはりここ。この3つが上野公園にあるので、まともに廻ると上野公園だけで3連休つぶせる。(他にも常設展はないが東京都美術館上野の森美術館もある)
国立民族学博物館吹田市
首都圏以外なら最大。これも収集品の民族による微妙な違いとか見てたら全然終わらない。
国立歴史民俗博物館佐倉市
個人的には民博よりやや早く廻れる気がするが、それは自分くずし字史料を読めないのでキャプションに頼ってるからかもしれない。
九州国立博物館太宰府市
歴史系だと歴博に並んでここも超充実。歴博よりも文字史料でない展示が多い。
名古屋市科学館名古屋市
自然誌系じゃない科学館だとたぶん日本一
東京国立近代美術館千代田区
国立西洋と比べるとだいぶ少ないけど、近現代日本美術ならやはり展示品が多い。企画展と併せると結構時間きつい。
東京都現代美術館江東区
現代美術だと日本一コレクション。ここも企画展複数やってたりするので結構時間がきつい。
沖縄県博物館美術館那覇市
沖縄というかつて「一つの国」であった地域の「国立」たる気概あふれる展示。ここも結構へとへとになる。

ほか、Honorable mentionsとして、東北歴史博物館多賀城市)、科学技術館(千代田区)、日本科学未来館(江東区)、滋賀県立琵琶湖博物館草津市)、大阪市立科学館大阪市)、大阪市自然博物館大阪市)、奈良国立博物館奈良市)、福岡市博物館福岡市)あたりは思いつく。

(挙げようかと思ったけど悩んで外したのが京博。これは出品数はそこまででもない気がする。大原は出品数こそそれなりだが一般イメージと異なりほとんどが民芸品。ウポポイは野外の展示は広いんだけど、展示品だと北海道博物館旭川市博物館網走北方民族博物館のほうがしっかりしてるのでは。)

徒歩圏内のをまとめてだと、北海道博物館北海道開拓の村(札幌市)、筑波宇宙センター・地質標本館・サイエンススクエアつくば市)、金沢21世紀美術館石川県美術館国立工芸館・いしかわ赤レンガミュージアムほか多数(金沢市、なお兼六園金沢城も全部徒歩すぐ)、京都市京セラ美術館京都国立近代美術館細見美術館京都市京都市動物園平安神宮もすぐだが平安神宮には宝物館はない)、神戸市博物館(ただし企画展やってるとき常設展はさほどない)・神戸海洋博物館神戸市)、平城宮跡歴史公園(奈良市)あたりは相当時間使う。あと大阪市科学から中之島美術館国立国際美術館大阪市東洋陶磁美術館現在閉館)が、奈博から東大寺興福寺春日大社の宝物館がそれぞれ徒歩圏内もっともこのまとめ方がアリなら前述の通り上野公園が最強。

言及されてる大きなところだと大塚足立いのちのたび、明治村リトルワールドあたりは行ったことないので分からない。そのうち行ってみる。動物園植物園系はあまり行ったことない。最近行ったのだと国立科学博物館実験植物園つくば市)はすごいと思った。美ら海水族館・熱帯ドリームセンター海洋文化館ほか(本部町)も全部合わせれば1日がかりか。

追記)すいません、大阪中之島ミュージアム群すっかり忘れてたので上に追加しました。中之島金沢兼六園界隈と並んで文化地区。ただ個別で言えば、国立国際の出品数は京博よりも少ないと思うし、中之島美術館常設展やってないしなので、複数併せて廻るのがいいかと思う。岡山後楽園界隈もたぶんそうなんだけど、オリエント美術館しか行ったことないので上には書けなかった。

東博資料館すみません、入ったことないです。いつもミュージアムに行くたびに附属図書館っぽいの外から眺めて出口に行くんだけど、利用できたらもっと面白いんだろうなと思いつつ楽しみ方がまだわかってない。

旅行するたびに各地のミュージアム巡ってるけど、当然ながら日本全国行ったことのないところのほうが多いので抜けてるのは多々あると思う。都道府県レベルでもまだ2割にも満たないし、私立とかアクセス悪いところも多いのでほとんど行けてない。指摘してくれたら今度行ってみる。本当はロンドンとかパリとかニューヨークとかのミュージアムも1週間位ずつ滞在して廻りたいんだけど、国内調子で廻ってたら破産するので来世に期待。

2023-08-05

大阪文化

じゃあ大阪文化ってなんだ?って生まれも育ちも今も大阪人の俺が考えてみる。

大阪文化というと俺は美術館博物館の多さだと思う。

まず最近出来た中之島美術館

いまのところ所蔵しているものを展示していく感じで美術館の特色というのはあまりよくわからない。ただ、大阪という街にちなんだ展覧会がちょくちょくあるという印象。

有名どころだとみんな大好きミュシャ大阪堺市に専門美術館があるくらいなのでその関係展覧会やってた。

その近所にある国立国際美術館

こっちの特色は前衛芸術展覧会が多い。ダンボールが落ちてる と思ったら展示品だったみたいな尖った企画をする。

前衛って意味わからんと思ってたけど生で見ると迫力があって意味わからんけど面白いという感想になると思う。

中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館

来年春まで休館中。

名前の通り壺とか皿とかの展示会が多いけどそれ以外にも竹細工とかモノに特化した展覧会が多い。

昔の壺とかシックものを見せたと思ったらたまに竹細工で2階まで吹き抜けをぶち抜いて覆うような糞でかい展示があったり、前衛的な展覧会をやっていたりするので飽きない。

国立民族学博物館

吹田市にある万博跡地に作られたでかい博物館

世界中民族日常品や信仰されて得る神様の像とか祭りの道具までいろいろなものを常設してる。これだけでも見る価値あり。

特別展示会も呪い儀式に使うための道具だけを集めたとか刺激的な催しをやってくれたりする。

かにフェルメール展とかメトロポリタン美術館展とか王道企画をする大阪市立美術館

コアなファンの多い大阪市立自然史博物館

大阪歴史博物館中之島香雪美術館あべのハルカス美術館…と色々ある。

大阪文化 というとパットかぶのは大阪城、吉本新喜劇串カツだったりするけど文化と言うか観光資源なきがする。

大阪民は大阪城は小学校の頃に一度行ったきりだし串カツも飲むのが好きは人は行く とかだし。

俺も含めてまわりに吉本劇場に行ったことのある人っていない。普通は行くものなんだろうか?よくわからん

2018-01-30

予告編感想

今日映画見てきた。その時に流れた予告編感想を覚えてるだけ書く。

マジで予告編しか見てないのでゆるふわ感想です。

※見に行った映画本編(新参者 加賀恭一郎 祈りの幕が落ちる時)の感想ではないです。

ラプラスの魔

原作未読だけど、東野圭吾だったら話はそこそこ面白いのかな。

でも、予告編だけで既に櫻井くんは演技きつい。学者感が全然感じられない。

櫻井くん主演の謎ディナ完走は結構苦行だったし、広瀬すずもあまり興味ないし、見ないだろうなあ…

羊の木

今回の予告編では一番面白そうだった。

増田試写会感想書いてる人もいたし気になる。見るかも。

錦戸くんはどこかバイオレンスな感じのする作品でよく見かけるな。アイドルなのに。

原作未読だけど読んどいたほうがいいのかな。

ポスタールックが愚行録とか怒りっぽい。

いぬやしき

原作未読なので面白不明だけど評判いいんだろうか。

木梨憲武さんはあまり興味わかない。佐藤健高校生はもうきついのでないか

面白そうだったらレンタルとか配信で見そう

不能犯

ミステリサスペンス好きだし、サイコ犯罪者は大好きだけどあまり面白くなさそうだぞ?

なんか…ちゃっちい感じがする。勘違いだったら申し訳ないけど

空海―KU-KAI―

今回の予告編で気になったその2。原作未読。

染谷くんに興味が無いのであまり気にしてなかったが、予告編見ると結構楽しそうなので見るかも。

日本人以外の役者中国の人なんだろうか、台湾香港韓国の人なんかもいるんだろうか

女優さんみんな美人やったなあ…

阿倍仲麻呂阿部寛がやるのはちょっとダジャレ感ある

◇のみとり侍

というか阿部寛仕事しすぎじゃない?

◇北の桜守

また阿部寛出てる…

坂道のアポロン

アニメ結構評判よさげだった記憶(見てない)

ということは内容はそんな悪くないんだろうけど…

(予告だけだけど)知念くんの演技はちょっと滑舌の怪しいジャニーズ注意報出ましたよ。大丈夫か。

なんか撮影中に事故とかあったやつだよね?大丈夫だったんだろうか。

リメンバー・ミー

国立民族学博物館でみたメキシコのカラベラ人形思い出した。あの人形可愛かったなあ。

いや、多分それがモデルなんだろうけど。

カラベラ人形モデルで言うと、グリム・ファンダンゴという海外アドベンチャーゲームおすすめです。

ペンタゴン・ペーパーズ

こういう海外の実話モデル系の映画めっちゃ見たいともならないけど作業中に見るのに結構いいので

配信にきてくれたら見る気がする

以上。また映画見たら書くかも。

2010-07-27

[]a-haha 関連

http://anond.hatelabo.jp/20100720133936 の続き。

どうみてもソックパペットです

# takashi1976takashi1976 2010/07/27 10:16 はい、僕もルールを守り、みんなの辞書品質を維持向上させながらる多くのユーザに知ってもらう機会を与えるものだと思います。説明内容についてのガイドラインキーワード編集・削除などの全てのルールに当たるものですよ。それと失礼ですが、「造語」・「自分が作った造語」と「自分勝手に作った造語」を混同されているのではありませんか。新語は全て個人が作る造語から始まります。例えば、ユニークな着想で有名な今月3日に亡くなられた国立民族学博物館(民博)顧問梅棹忠夫さんの造語で有名なものに「情報産業」があると聞きます。そこで、逆にどの点が勝手(他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと)に扱っていると思われる点があれば具体的に教えて下さい。具体的な理由を知って、はじめて品質・維持向上の対応ができます。お手数ですが、このあたりの説明がないと、逆に嫌がらせ目的編集ではないかと思われてしまいます。いっしょに「はてな」を向上させましょう。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%BF%C5%DE110?kid=299172&mode=edit

# a-hahaa-haha 2010/07/23 14:39 失礼ですが、「造語」・「自分が作った造語」と「自分勝手に作った造語」を混同されているのではありませんか。新語は全て個人が作る造語から始まります。例えば、ユニークな着想で有名な今月3日に亡くなられた国立民族学博物館(民博)顧問梅棹忠夫さんの造語で有名なものに「情報産業」などがあります。そこで、逆にどの点が勝手(他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと)に扱っていると思われるか知りたく待っていました。具体的な理由を知って、初めて適切な対象ができます。一旦、内容を元に戻します。お手数ですが、不審に思われ削除したい理由となる点をご指摘くださると助かります。また、伝えようとしていることが現在行われている事実なら嫌でしょう。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%A2%C6%B0%A5%EA%A5%D4%A1%BC%A5%C8?kid=288936&mode=edit

2008-08-29

人間は共食をする動物である」

民博石毛直道館長2003年退官講演より

人間は火を使う動物である」、「人間言語使用する動物である」、「人間は道具をつくる動物である」・・・・など、文化をもった動物である人間を他の動物から区別するキャッチフレーズがあります。

もっとも、霊長類学研究の進歩にともない、霊長類人間の行動が文化のあるなしで判然と区別されるものではなく、現在では霊長類にも文化の萌芽状態が存在することが承認されています。

動物と比較して、人間の食の文化を特徴づけることはなにかと考えてたどり着いたのが、人間料理をする動物である」、「人間は共食をする動物である」という二つのテーゼです。共食とは「共に食べる」ということであって、「共食い」と読まれたら困るのですが。

(中略)

さて、「人間は共食する動物である」というテーゼについて考えてみましょう。それは、食料の分配に関わることです。

親鳥が餌をくわえてきてヒナ鳥に食べさせることをします。しかし、ヒナ鳥も成長して巣立ったら、自分で餌を探し、見つけた餌は自分で食べてしまいます。動物は原則として、成長したら、個体が食物を獲得し、それを個体単位に消費してしまいます。

チンパンジーの食物分配について、霊長類学者たちの報告があります。オスのチンパンジーが、狩りをして幼獣をつかまえたとき、おねだりをしたメスなどに、その肉を分配することが観察されているのです。しかし、いつも分配して食べるのが原則というわけではないし、固定した分配相手という関係確立しているわけではありません。

それにたいして、世界中どの社会でも、人間の食事は共食が原則となっています。もちろん、旅先の食事や、単身生活をしていて一人で食べることはいくらでもあります。しかし、食事は一人だけで食べるものではなく、他の人と一緒に食べるものだというのが、世界民族に共通しているのです。その、普遍的な共食集団は家族です。

(中略)

1961年に今西錦司さんが『民族学研究』に発表した[人間家族起源」という論文があります。そこでは、インセストを回避する社会単位であると同時に、食物分配の単位として家族が成立したと論じています。つまり、性と食が人間家族をつくりあげたのです。

人類祖先狩猟をするようになったことに、食物分配と、それにともなう共食がはじまったのだと思われます。狩猟男性仕事とされることは世界民族に共通します。初期の人類狩人になったとき、男性がとった獲物を独り占めにせず、肉を持続的な性関係を結んだ特定の女性と、そのあいだに生まれた子供に分配するようになった、それが家族起源と考えられるのです。

共食のさい、限りある食べ物を共食するとき、強い者が独り占めにしないように、食物を分配するルールができます。この食物分配のルールがもとになって、食事における「ふるまいかた」の規範が成立します。それが発展して食事作法となります。食物分配が食事作法の起源であると、わたしは考えています。

このような家族と食に関する研究としては、民博の共同研究井上忠司さんと編集した報告書、『現代日本における家族と食卓−−銘々膳からチャブ台へ』があります(国立民族学博物館研究報告別冊16 1991年)。

http://www.minpaku.ac.jp/research/pr/030319_ishige.html

http://anond.hatelabo.jp/20080829053234

 
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