はてなキーワード: 広辞苑とは
専門用語じゃなくても何でも良いんだけどさ。
人に何かを教えるときは「一般人が理解できる言葉」を使うべきだと教えられている。
ただ、先輩がどうにもやっかいだ。
「○○は××です」という説明をしてくるが、背景も何も知らないから「あ、そうなんですか」としか思えない。
後で「あれ、これは何でするんだ?」と思って聞くと、意味不明な単語がわんさか出てきたりする。
リベラル?フェミ? 分かるけどピンと来ないんだよ。日本語使えよ。
略語も嫌い。「りょ」とか「り」とか誰が得するんだよ。ちゃんとした日本語使えよ。
「これは、ガウチョって言います」知るかよ。スカート風ズボン、で良いよ。面倒くさい。
トップスだとかボトムスだとか、何だかんだ色々あるけど全然全然覚えられないよ!そもそも興味ないし!
知ってて当然みたいに言うな!興味ねぇから!!
それで、「知らない」っていうとドヤ顔して見下してくんのやめろ。
初めから欠けたコンテキストを呈してるんだから、そこから根本のコンテキストまでないし少し遡ったコンテクストまで読めないなら想像力の不足だろうよ。
例えば「ワタミメソッド」って用語が出た場合にその用語そのままでぐぐるのまではまあいいとして、「ワタミ」って用語が関係していると推論して「ワタミ」が「魔神英雄伝ワタル」のtypoであると気づくまでが想像力をフル活用するってことじゃん。
さすれば、「ワタミメソッド」なんていう広辞苑の最新版に載ってない言葉でも、なんとくなく「オモシロかっこいいってこと」だと気づける訳だろ。
そこを、どこまで辿れたのかもはっきりせずに「分からんかった」って正直言うとアホかやる気が無いかのどっちかだろ。でも後者ではないだろ。別に根が深い言葉でもないんだから。
やから、真面目にそういうこと言ってるならキッツイぜえとは思う罠。
<背景>
広辞苑、台湾を「台湾省」 20年前から記載 「日本の代表的な辞典としては瑕疵と言わざるを得ない」(1月26日)
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260004-n1.html
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260003-n1.html
今回の広辞苑第七版ではLGBTやしまなみ海道の記述の誤りが指摘されている。しかし、台湾については触れているメディアをほとんど見かけていない。
私はまだ広辞苑第七版を見ていないが、広辞苑第六版その他の辞書の記述について気づいた点を記す。
<私の結論>
1)広辞苑第六版の「中華人民共和国」にある〔中華人民共和国行政区分〕は日本で刊行する辞書としての中立性に欠ける。
2)広辞苑以外も日本の国語辞典は総じて現在の中華民国に冷たい。現在の中華民国は「名称」であり、台北は首都ではなく主要都市なのだ。
<画像>
1 産経新聞より
http://www.sankei.com/smp/life/photos/180126/lif1801260003-p1.html
2 広辞苑第六版より
https://pbs.twimg.com/media/DTTEa_YVwAAJM6J.jpg
<本文(長い)>
きっかけは昨年秋、広辞苑新版がニュースになりはじめたころの、1つの記事だった。
http://www.mag2.com/p/news/333476
ただし、この記事は有料メルマガの抜粋であるため、詳細を確認することができなかった。
そこで、近くの図書館に行き、台湾関連の記述を確認することにした。
まずは「台湾」を引いてみた。
たいわん【台湾】(Taiwan)中国福建省と台湾海峡をへだてて東方二〇〇㌖にある島。台湾本島・澎湖諸島および他の付属島から成る。総面積三万六〇〇〇平方㌖。明末・清初、鄭成功がオランダ植民者を追い出して中国領となったが、日清戦争の結果一八九五年日本の植民地となり、一九四五年日本の敗戦によって中国に復帰し、四九年国民党政権がここに移った。六〇年代以降、経済発展が著しい。人口二二八八万(二〇〇六)。フォルモサ。→中華民国。➖・あひる【台湾鶩】(以下略)
まぁ、こんなもんかな、と思った。
他の辞書も見てみることにした。
【2】「大言海」新訂版第四刷(昭和五十七年十二月一日)故大槻文彦、大槻清彦
たいわん・ぼうず(タイワン・バウズ)(名)臺灣坊主〔明治二十七八年戦役ノ際、臺灣に出征セシ兵士ノ、此病ニ罹リ、つるつる坊主ニナリテ歸國セシ故ニ云フト〕(以下略)
「台湾」自体は見出し語になく「台湾坊主」という禿頭病の説明だけだった。
【3】「角川国語大辞典」初版(昭和五十七年十二月二十日)時枝誠記、吉田精一
たいわん【台湾】中国福建省の東方にある島。面積三万五六〇〇平方㌖。明(みん)末、清(しん)初のころから中国人が多数移住して中国領であったが、日清(にっしん)戦争後、日本領。第二次世界大戦後、中華民国に返還され、一九四九年以降は蔣介石の国民政府がこの地によっている。中華人民共和国は台湾省という。
続いて【台湾海峡】【台湾総督府】【台湾泥鰌(どじょう)】【台湾パナマ】【台湾坊主】と続いた。
【4】「広辞林」第六版第一刷(一九八四年三月一〇日)三省堂編修所
これだけの辞書もあった。続いて【台湾征討】【台湾総督】と続く。
【5】「岩波国語辞典」第7版新版第1刷(2011年11月18日)西尾実、岩淵悦太郎、水谷静夫
「台湾」はなく、【台湾坊主】のみ。禿頭病のほか、低気圧の意味も載っていた。
【6】「旺文社国語辞典」第十一版(2013年10月13日)山口明穂、和田利政、池田和臣
たいわん〔台湾〕沖縄諸島の南西方、中国大陸の福建省の東方に位置する島。中心都市は台北タイペイ。➖ぼうず【ー坊主】(以下略)
【7】「国語大辞典 言泉」第一版第一刷(昭和六十一年十二月二十日)尚学図書
たいわん【台湾】日本列島の西南方にある紡錘形の島。島のやや東寄りに高峻な台湾山脈が南北に縦走し、西側に平野がひらける。気候は亜熱帯モンスーン気候。原住民はインドネシア系とされる高山族であるが、人口の大部分は華南省から移住した漢民族が占める。明末・清初から中国領。日清戦争後日本領。一九四五年中国に返還され、四九年中国国民党政府がここに移った。略称は台タイ。タイワン。
高山族が出てきた。
【8】「新明解国語辞典」第六版第一刷(二〇〇五年二月一〇日)山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄
【9】「大辞林」第三版第一刷(二〇〇六年一〇月二七日)松村明、三省堂編修所
たいわん【台湾】中国、福建省の東方に位置する大島。台湾本島とその属島からなる。米・サトウキビ・茶・バナナなどを産する。製糖・製紙・機械・セメント・造船などの工業が発達。先住民は高山族であるが、住民の大部分は漢民族。一六八三年から中国領土。日清戦争後日本の植民地になり、一九四五年中国に返還されたが、四九年国共内戦に敗れた中国国民党がここに移った。主要都市、台北。面積三万六千平方㌖。人口二二七五万(二〇〇五)。
かなり詳しいが「中華民国」とは書かない。以下【台湾海峡】【台湾兜虫】【台湾銀行】と続く。
【10】「日本国語大辞典」第二版第八巻第一刷(二〇〇一年八月二〇日)日本国語大辞典 第二版 編集委員会、小学館国語辞典編集部
たいわん【台湾】中国の南東方にある紡錘形の島。本島のほかに澎湖島などの付属島を含み、台湾海峡を隔てて中国の福建省・広東省に対する。島のやや東寄りに高峻な台湾海峡が南北に縦走し、西側に平野がひらける。ほぼ中央を北回帰線が通り、亜熱帯モンスーン気候を示す。先住民はマライ・インドネシア系とされる高山族であるが、人口の大部分は華南から移住した漢民族が占める。明末・清初から中国領。日清戦争後の一八九五年から日本領。一九四五年中国に返還され、省制がしかれたが、四九年中国国民党政府がここに移った。面積三万五九八一平方キロ㍍
台湾については大体こんな感じだったが、「中華人民共和国」と「中華民国」も引いてみることにした。
➖・じんみんきょうわこく【中華人民共和国】中華民国国民党政権を革命によって倒し、一九四九年一〇月一日、中国に成立した共和国。中国共産党の指導のもとに、全国人民代表大会を国家権力の最高機関とする。社会主義体制を標榜しつつ、七〇年代末から経済改革・対外開放を推進、近年発展著しい。面積約九六〇万平方㌖。人口一二億九六〇〇万(二〇〇四)。首都北京。
本文にさして問題は感じないが、問題は〔中華人民共和国行政区分〕なる地図である。
(1)北京市に始まり(34)マカオ特別行政区まで掲載されている中に、しれっと(26)台湾省が何の説明もなしに入っているのは、非常に違和感を覚える。
➖・みんこく【中華民国】辛亥革命の結果清朝が倒れた後、一九一二年中国最初の共和制政体として成立した国。初代大統領袁世凱(えんせいがい)。二八年中国国民党が国民政府を樹立、全国を統一したが、第二次大戦後共産党との内戦に敗れ、四九年本土を離れて台湾に移った。
【3】「角川国語大辞典」初版(昭和五十七年十二月二十日)時枝誠記、吉田精一
➖・じんみんきょうわこく【ー人民共和国】
➖・みんこく【ー民国】
中国大陸の南東海上、台湾島を中心とする共和国。辛亥(しんがい)革命により一九一二年中国大陸に成立。のち、蔣介石の率いる国民党によって統一されたが、第二次世界大戦後、国民党は共産党に敗れ、一九四九年台湾に移った。首都台北タイペイ。面積三万五九六一平方㌖。
【6】「旺文社国語辞典」第十一版(2013年10月13日)山口明穂、和田利政、池田和臣
中華人民共和国のみ見出し語にあり。中華民国や台湾については特筆すべき点なし。
【7】「国語大辞典 言泉」第一版第一刷(昭和六十一年十二月二十日)尚学図書
➖・みんこく【中華民国】(一)辛亥革命後の一九一二年から中華人民共和国が成立した四九年まで、中国を代表する政府が採用した国名。(二)一九四九年、中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れた国民党政府が使用している名称。
最も正確な気がした。
【9】「大辞林」第三版第一刷(二〇〇六年一〇月二七日)松村明、三省堂編修所
➖じんみんきょうわこく【中華人民共和国】アジア大陸の東部を占める国。中国革命の成功により一九四九年一〇月一日、毛沢東を主席として成立。中国共産党の指導の下で、土地改革、農業の集団化、数次の五か年計画などを遂行し、文化大革命による混乱を克服して「四つの現代化」を掲げ、社会主義国家建設を目指している。国家の最高機関は全国人民代表大会。首都、北京。面積九五九万七千平方㌖。人口一三億一五八〇万(二〇〇五)。
➖みんこく【中華民国】辛亥革命の結果、中国に誕生した共和制の国。一九一二年孫文を臨時大総統として南京(ナンキン)に政府が樹立されたが、袁世凱が政権を奪って政府を北京に移した。のち、中国国民党は国民政府を樹立し、北伐をおこない全国を統一したが、日中戦争・内戦を経て、四九年中国共産党の中華人民共和国が成立。台湾に移った国民党政府は、中華民国の国号を使用。
【10】「日本国語大辞典」第二版第八巻第一刷(二〇〇一年八月二〇日)日本国語大辞典 第二版 編集委員会、小学館国語辞典編集部
ちゅうか-じんみんきょうわこく【中華人民共和国】ユーラシア大陸の東部にある人民共和国。東部はやや湿潤な平野からなり、内陸部は乾燥気候で、山地・高原・盆地が多い。大多数を占める漢民族のほか、チワン族・蒙古族・ウイグル族・チベット族など五五の少数民族からなる多民族国家。北京・上海・天津の三直轄市と、二二省、五自治区、ニ特別行政区(香港・マカオ)に分かれる。中国国民党との内戦に勝利を得た中国共産党の全国統一により一九四九年一〇月、毛沢東を主席として成立。中国。
広辞苑第六版の地図と比較すると、この時点では重慶は直轄市ではなかったようだ。そして台湾省は「二二省」には含まれていないと思われる(広辞苑の「省」は23ある)。
ちゅうか-みんこく【中華民国】(一)辛亥革命後の一九一二年から中華人民共和国が成立した一九四九年まで、中国を代表する政府が採用した国名。一九二七年を境として、前半の軍閥組織を背景とした北京政府と、後半の中国国民党による国民政府時代とに分けられる。首都は前半は北京、後半は南京。(ニ)一九四九年、中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れた国民党政府が使用している名称。
【11】「国語大辞典」第一版第七刷(昭和五十七年二月十二日)尚学図書
➖・じんみんきょうわこく【中華人民共和国】
誰も不幸になっていないのに訳が分からない。
国の介入を許したら、今後もアレやコレやと難癖付けてくることは目に見えているというのに。
五輪が終わる頃には広辞苑から「エロ本」が消え去っていることは既に既定路線だ。
ガチャを規制すれば他のゲームを規制しやすくなるんだから日本のゲーム産業は間もなく終わりを迎えることだろう。
大体ガチャに文句を言っているのは無課金か微課金という何ら被害を被っていない連中ばかりである。
廃課金勢のおかげで無料でゲームが出来ているのに、文句を垂れている。
高額納税者のおかげで厚すぎる社会保障を受けられているのに、金持ちをやたらと批判している無知な衆愚と同じことをしているのに彼等は気付いているのだろうか?
我々金持ちにしてみれば、金持ち批判すら金儲けの道具に出来るので何ら不都合もないのでドンドンやってくれとしか思わんけどさ。
まんことは、女性器のことを指す。英語ではcunt、pussy、riseのスラングが相当する。接頭語「お」を付けて「おまんこ」と表現されることも多い。
以下については特記無き場合には、女性器そのものでなく、日本語における「まんこ」と言う語について解説する。 以下に詳しく表記されているように、テレビやラジオなどの公共放送媒体においては放送禁止用語の対象であり、ゲームなどにおけるプレイヤーの命名においては入力禁止用語に設定されていることが多い。これに対して男性器の俗称である「ちんこ」「ちんちん」などの語は放送禁止用語にされていることは少ない。「ちんちん」は物質そのものを指す用語であるのに対し「まんこ」は性行為を行なうことを指す用語でもあるため、特に女性軽視の象徴的な言語と定義されている。 同等の語としては、古語や日本語の方言に於いて、福岡県博多地方を中心に現在でも用いられる「(お)ぼぼ」[要出典][1]や、近畿地方から瀬戸内地方で広く用いられている「おめこ」や「おちゃこ」、沖縄県で現在でも用いられる「ホーミー」[要出典]等が挙げられる。
1921年に発行された『言泉』では、「まんこ」は陰門の小見出し扱いだった。しかし、現在では知名度が逆転し『広辞苑』第六版に収録された。また、斎藤光ら『性的なことば』では、まんことの単語が全国区のものとなったのは比較的近年のことであり、1972年に大阪で紅萬子がデビューしていること、1978年に京都大学のレガッタ大会において、「夕焼けのおまんた」というチームが出場したが大した騒ぎにもならなかったこと、更に1984年には1966年(昭和41年)生まれ、香川県出身であるタレントの松本明子が全国放送で、「おまんこ」と発しテレビ局を出入り禁止になる事件もあり、以上を根拠に、少なくとも関西圏では、めこはともかくまんこは周知されていなかったとし、全国に「まんこ」の影響が及ぶのは1988年頃の事ではなかったかと結んでいる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%93 より引用
ここにただの「こ」になったのに対して「ちん」をつける
yahooニュースの「鳥谷の流血死球に虎ファン「くたばれ読売」コール ネットで違和感が出たワケ」をみて言いたくなったのでかきたい
事の顛末はこう。5/24に甲子園で行われた阪神巨人戦で5回裏一死三塁で吉川の投げたボールが鳥谷の顔面を直撃し、吉川は危険球退場となった。
鳥谷は鼻骨骨折だったらしいが故障につながらなかったようで、一安心。
その後、スタンドからは試合で間が開いた時に流れる「くたばれ読売」コールが流れてきた。
阪神戦ではよく見る光景だが、鳥谷の死球直後ということもありお気に召さない人もいたようで
「自力で立ち上がった鳥谷を心配して、そして応援するのが先じゃないの?怒るのは分かるけど」
「ファンの総意は、くたばれ読売じゃない。頑張れ鳥谷、でしょ」
「鳥谷が倒れてるのに『くたばれ読売』コール…そこは『がんばれ鳥谷』じゃないのかい?」
さらには阪神ファンというユーザーからも「普通に鳥谷心配しろよって阪神好きだけど思う」「くたばれ読売コール 現地いるけど気分悪い」などと疑問が出ている。
なにそれ。みんなでの「がんばれ鳥谷」コールがなかったことにたいしての疑問は理解できるが、「くたばれ読売」への非難は理解できない。
ネットをおつかいになる高貴な人たちは「くたばれ」という下品な言葉は使わないらしい。
ヤジとか下品な言葉は野球の試合では何十年も昔からあるし、ましてや「くたばれ読売」という言葉が本当に巨人というチームがなくなってほしいという意味で使っているとは私には思えない。
結局言いたいのはみんな野球が好きで見に来ているし、その愛情の表現の仕方として、応援とか、ヤジとかそれこそこの言葉があるということ。
それは昔から変わらない。先日のあのコールは両軍に檄を飛ばす意味で使われた、そして今までもこれからもそうだろう。
だからその表現のやりかたの一つである「くたばれ読売」はそこまで非難の対象にするべきだとは思わない。
字面通り理解すればそりゃ非難の対象にはなるだろうし非難自体は自由だが、それは自分の野暮を明らかにしているということをお忘れなく。
(広辞苑 第六版)
前回ここでリスニングの学習法を書いたところ思いのほか反響を得ることが出来た。
http://anond.hatelabo.jp/20170522214348
今回は実際のところどうやってリスニングしているかをまとめてみようと思う。
リスニングは無意識下で行われる実に精妙なプロセスで、自分でもどうやっているのか正確にはわからないが、注意して観察すれば大まかなところは分かってくる。
まず単語について。日本語は「交渉、高尚、考証、公傷、公称」のように同音異義語が多い言語だ。「こうしょう」は広辞苑で50の見出し語を持っているという。対して英語は単語の意味が時代とともに付け加わり多義的になっている。Random HouseでTakeを引くと126の意味が登録されている。
どちらにしても、音を聞いただけでは単語の意味を特定することは出来ず、文脈から単語とその意味を導く必要がある。
文脈が分かっているということは、あらかじめ相手のいいたいことが予想できているということだ。現在のトピック、話の向かっている方向、相手のいいたい結論がわかっていれば、リスニングは格段に楽になるが、我々学習者はそれを簡単に見失ってしまい、リスニングは著しく困難になる。
相手の表情や身振り、口調などは文化的な差が大きいが、これに慣れることで相手の話したい内容が事前に予想できるようになり、リスニング力が上がる。
文脈を踏まえ、相手の言いたいことを察知した上で、相手の話の最初の数語を聞く。そこで出てきた単語や文法構造を元にして、その後に続く文を人の脳は予測することができる。
正確に言えば、英語を学習した脳において、文の最初の数語、動詞が出て来るまでを聞けば、その後の展開として考えられるさまざまな可能性は、あらかじめ学習によって脳の回路に刻みこまれているので、その回路が後に続く文を効率的に解釈してくれる。
我々は学習によって脳の回路を育て、「始めがこうなら、文の続きはこうなる」という様々なパターンを繰り返し刷り込んで、文を解釈するために必要な脳の回路を作り上げている。そのおかげで、音を聞いてリアルタイムに文として解釈することが可能な脳が構成できている。
あまり適切な用語ではないが、これを便宜的に脳による予測と考える。あらかじめいろいろな展開に備えた準備を入念にしているので、「その展開は俺の予測の範囲内だぜ!」といった返しが、どんな文の展開が来ても出来るような状態にあるということだ。
予測の中に正解がなかったら、リスニングは失敗する。文のパターンを大量に仕入れて、最初の数語を聞いただけで引き出せるようにしておくことが必要だ。
相手の話が進むにつれて、予測された文の解釈の候補が次々と脱落していき、相手の話す一文の終わりにはその解釈も一つに定まる事が多い。
詩的な文では、それが何を意味しているのか一つに絞りきれないことがある。そういった場合複数の解釈が渾然一体となって聞き手の脳内に残り、深い味わいを残すことになる。
日本語と英語では思考の順序がまるで違うので、英語を最初から順番に解釈していくのは多大な困難を伴う。しかしそれが出来ない限りリスニングは不可能だ。このときに頭のなかで何が起きているのかできるだけ詳細に追ってみようと思う。
英語は単語ごとに区切りがなく、滑らかにつながって発音される言語で、それが日本人による聞き取りを著しく困難にしている。
ただ、最初の一語に関しては前に繋げるものがないので、ネイティブにとって少し無理をしたような発音になり、変な音が漏れることがある。これを単語と誤解しないようにしなければならない。
また、変な音の発生を避けるために一瞬「ウェ」という音が入ることがあり、これは喋ることを考えている時に文頭に出てくる単語"Well"とされ、日本語で言うと「ええっと」とか「まあ」にあたる。しかし実際は最初の一語をスムーズに発声するための準備運動という意味合いが強い。
最初は主語としてのHeとかIとかTheyとかWeのような、非常に出現率の高い単語が出てきやすい傾向がある。
日本語では主語の省略が頻繁に起こるが、英語では発音の省略が起こる。日本語では言わなくても分かることは言わずに省略するが、英語では言わなくても分かりそうなことは発音がいい加減になる。
文頭のTheyやWeなどは一瞬th音やw音が聞こえるだけということも珍しくない。一般的に、出現率が高い単語ほど発音がいい加減になる。
文頭が聞き取れないとその後も何を言ってるのか分からなくなってしまいがちだ。最初の語が聞き取れなかった場合、主語は重要でなかったのだと考え、とりあえず先に進んでみるのが重要である。
ちなみに英語でもIt isは省略されて全く発音されないことがある。しかし英語字幕の中では、ないと不自然なため補われていることがあり、学習者からすると「字幕と言ってることが違うぞ!」という困った事態になる。
英語字幕では話し言葉としては自然だが文法的に間違った表現が直されていることがよくあるため、注意しなくてならない。
主語の次は動詞か、あるいは助動詞がくる可能性が高い。その中でも、一般動詞ははっきり発音されるので聞き取れるはずだ。
助動詞、あるいはbe動詞は非常に出現率が高いため、ほとんど発音されないことがよくある。
w音が来た場合はwillかwouldである。ほとんど聞き取れない一瞬の休符を感じたらそこにはcanが入っている可能性が高い。r音を感じたらYou're, They're, We'reの'reの部分だ。
そういった出現率の高い音を覚えて一瞬の音を聞きのがさないことが重要だ。
助動詞の後には動詞がくる。その後に来る文のパターンはそれぞれの動詞によって変わってくる。
動詞はその次に目的語をとるもの、補語として形容詞も取れるもの、go toのように前置詞を置かないと目的語が取れないもの、目的語が二つ取れるもの、二つ目の目的語の前に前置詞が必要なもの、二つ目の目的語の位置に動詞の原形が入るもの、ing形が入るもの、to+動詞が入るものなど、様々なものがある。一つの動詞に様々な使い方があり、句動詞と言って動詞の後に続く前置詞や副詞のコンビネーションにより意味が大きく変わるものも多い。リスニングを成功させるためには、動詞ごとの文の展開の全パターンを把握し、脳に刷り込んでおく必要がある。
ちなみに、前置詞の後にくる目的語は、動詞の目的語と考えず前置詞の目的語と考えるのが正しい文法用語のはずだが、私は区別していない。正しい文法用語で思考している人には不便だろうが、ご容赦願いたい。
目的語の中には自分の言いたいポイントになる目的語と、そうでないどうでもいい目的語があり、どうでもいいものは弱く、ポイントになるものは強く発音される。
目的語を二つとれる動詞giveで説明すると、「I gave him a ○○」私は彼に○○をあげた、という場合は、何をあげたかに話の力点があり、彼にあげたというのは話の流れから明らかな場合が多い。
このhimのように、「出現率の高い単語の発音はいい加減になる」というルールに当てはまり、話の力点も乗っていない単語は、音が省略され聞き取りは非常に困難になる。例を挙げると、himは「イム」、herは一瞬「ァ」themは「エム」itは一瞬「ィ」といった発音になる。
前置詞も非常に出現率が高く、話の力点が乗ることもあまりないので発音が省略されやすい。ofは一瞬のv(ヴ)音、withは一瞬のth音といった感じになる。
thやvは日本語にはない音なので、聞き取るのが難しいが、注意して聞いていれば分かるようになってくる。正しい発音の仕方を覚えて、音読時に実践していると、さらに聞き取りやすくなる。
それでもやはり、日本人にとって、音から単語を正確に識別するのは難しい。それに英語にも同音異義語はある。
それが母国語であれ外国語であれ、単語は「音、文の形、文脈」の3つの要素から、無意識下で総合的にリアルタイムに判断される。
たとえばwantとwon'tの違いが音から分からない、という事が私にもある。この二つはそもそも発音が異なるので、ネイティブなら区別は容易なはずだ。しかし日本人にはなかなかそうは行かない。
助動詞は本来弱く発音されるが、否定形のcan'tとかwon'tのようなものは否定であることを強調するために比較的強く発音されるため、普通の動詞との判別が難しい。また、I want you to ~のように「君に~をして欲しい」の~の部分に力点が置かれる場合、I want you toの辺りはゴニョゴニョと発音されて弱くなるので、won'tと区別がつかないといった事が起こる。
しかし、ウォントの後にtoやyouが来れば「さっきのはwantだった」動詞が来たら「さっきのはwon'tだった」と判断し、名詞にも動詞にもなる単語が来たら、文脈やリズムから名詞か動詞か判断する、といったことで区別が可能だ。このように、様々な情報を無意識下で総合的に使うことでリスニングは成り立っている。
これは実は母国語でもそうで、日本人の話す日本語でも、発音が曖昧だったり、失敗していることは結構ある。注意して聞いていると、聞く側が自然に補って意味を汲み取っていることが分かる。音から言葉が分からなくても、他で補って総合的に判断するというのは、人の脳が持っている能力だ。
日本語と英語の発音は大きく異なり、日本人には英語の音を判別するのは難しい。けれど周りの情報を使うことで弱点を補うことが出来る。
たとえば一瞬しか発音されない前置詞を日本人が聞き取るのは難しいが、動詞から現れる前置詞のパターンが予測できていれば、一瞬の音でも聞き取りやすくなる。たとえ聞き取れなくても、予測した文の形に当てはめてみることで、文脈から前置詞を補い文を完成させる事もできる。
英語は動詞によって文の形のパターンが大体決まっていて、文の展開の予想を立てやすい。もちろん動詞を副詞で修飾したり、toやed形,ing形などを介して名詞を修飾することで文章を飾ったりもするが、修飾部は文の屋台骨である主語動詞目的語とは発音のリズムが変わるので区別できる事が多い。
それでも問題になってくるのは関係代名詞who、that、それと「関係代名詞の省略」のパターンである。
関係代名詞who,thatは出現率が高く、発音が省略されるので聞き取れないことがよくある。一瞬のh音やth音を聞き逃さないことが大事だ。
関係代名詞の中は修飾部なので、文のメインとなる主語、動詞、目的語よりも一段弱い感じで発音することが多いが、区別は難しい。話の力点が関係代名詞の中にある場合もあり、その場合は同等かより強く発音されることもある。
ちなみに英語において、弱く発音されるということはゴニョゴニョと、速く発音されるということであり、聞き取りにくくなる。英語は重要度が低い部分は聞き取りにくく、速くなり、重要なことははっきりと、遅く発音することで、文の構造をリズムで表現する。
主語や目的語のあとにいきなり主語動詞が出て来る、つまり「主語、主語、動詞」や「目的語、主語、動詞」の形が出てきたら、関係代名詞が省略されているか、あるいは関係代名詞が聞き取れていない。
関係代名詞が主語を修飾している場合は、その後でメインの動詞が来ることになるので、それを忘れないようにしなければならない。「主語 who 動詞」や「主語 that 動詞」で関係代名詞を聞き逃すと、ただの「主語、動詞」と認識されるので、その後に動詞が出てくると激しく混乱することになる。
関係代名詞を聞き逃さなかったとしても、文の途中で他の文を処理して前の文と頭のなかでつなぎ合わせるのは難しい。そういう複雑な文の構造を使いたがる人は、さらにandで繋ぎたがる傾向があり、そうなるとお手上げということになってしまいがちだ。
一文が長くなってくるにつれて、何の話かわからなくなるのは誰にでもあることだ。それが外国語であれば避けては通れないように思う。
文全体の構造を見失ったとしても、今いる部分の意味を追い続けることが重要だ。文脈、話の向かう方向さえ追えていれば、その先の話を聞き取るのに不都合が生じる可能性は低い。混乱しても立ち止まらずに話を追い続ければ、言いたいことの要旨は分かる可能性が高い。
関係代名詞whatや関係副詞where, whenなども弱く発音されるので聞き逃しやすい。I know where you live(あなたの住所を知っている)と言った時にはwhereとyouが弱くなってウェユリヴ、what it is(それが何であるか)といった場合はwhatもitもisも頻出語のため全部ごちゃっとなってワリリズといった感じになる。
英語において「場所、時」は文末にいきなり現れる。なのでwhere,whenはどんな文でもいきなり出てくる可能性がある。
さまざまな場面で、w音は聞き逃すと話を見失う原因になるため、注意して聞く必要がある。
英語において音の省略はインフォーマルな、友達や職場の同僚との会話の時などに起こりやすい。目上の人との会話や、フォーマルなスピーチでは、いい加減な発音は起こりにくく、日常の何気ないところでは発音が崩れて、聞き取りの難度が格段に増す。
これも結局のところ、フォーマルな会話は重要なのではっきりゆっくりと喋り、プライベートは重要な話ではないので発音がおろそかになって、ゴニョゴニョと早く喋っているということだろう。
私は英語があまりできない日本人が「日常会話ぐらいなら出来ます」といってるのをよく見かけるが、あれはおかしな表現だと思う。日常会話を聞き取るのはかなり難しい。
フォーマルな場では、日常使われるような基本単語を用いた分かりやすい表現は避けられ、婉曲で難解な言い回しが知的な感じがして好まれる。これはこれでとても難しいのだが、インフォーマルな場では砕けた発音やスラングが出てくるので、これもすごく難しい。そういった英語の癖を掴んで、そういうものとして受け入れてやっていくことが大切だ。
さて、いろいろ書いてきたが、実際のリスニングの場で意識してこれらのことを実践することはできない。リスニング中にゆっくり考えている時間はなく、全て反射的に無意識に行えなければいけない。
英語の理解を反射にまで高めるためには、音読や、集中して繰り返し聴くことを行い、反復して脳に刷り込んでいくことが必要になる。
頭の中で黙読している時でも、英文が自分のモノになっておらず、反射にまで至っていない場合、スルッと頭に入らず、引っかかる感覚がある。それに出会ったら、繰り返し音読したり黙読したりして、スムーズに頭に入るようにする。その積み重ねによって刷り込みが行われ、文が反射的に理解できるようになり、リスニングや、返り読みなしのリーディングが出来るようになっていく。
リスニングの上達は基本的に無意識レベルの刷り込みによるものだが、注意すべきポイントを理屈の上で意識していれば、脳内の処理も効率化されやすく、上達も早くなるように思う。
また、これらのポイントが意識できていれば、「何だこの発音は! 全く聞き取れないじゃないか! 納得いかない!」といった混乱をすることが少なくなり、学習がスムーズに行くのではないかと考えている。
私の英語学習は混乱の連続だった。日本語と英語がなぜこんなにも違うのか、私には今でも納得いかない部分がある。怒りと諦めがないまぜになったような感覚と、それでもいつか理解できるんじゃないかという希望が私を英語学習に駆り立てている。
それでも、納得できないうちは頭に入ってこないので、なんとか納得して折り合いをつけて、受け入れて学習をすすめなければならない。
字面と全く意味が違うイディオムを受け入れ、ゴニョゴニョした発音を受け入れ、増えていく単語の意味と勝手に作られていくスラングを受け入れ、知的すぎて難解な言い回しを受け入れ、優秀なキャリアウーマンが話す信じがたいほどの早口を受け入れなければならない。