はてなキーワード: 身分とは
第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
最高法規だぞ
◎書いた人の背景
・待ち合わせ時間は守る方。
・周囲は遅刻癖のある人間が多いが、付き合いが長いやつに関しては諦めている。
・子供の頃は3分早く友人宅に着いてもその場で待ち、申告した時間丁度にインターホンを鳴らすことに愉悦を感じていた。
・とはいえ自らも時折遅刻する。結婚式でも危なかったことがある。
◎案件
日中、Twitterで遅刻常習犯からの言い分が炎上していた。
個人叩きや感情論につなげたくは無いのでリンクは貼らないが、下記のようになる。
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・+30分はデフォなので許してほしい
・あと何分で着くか聞かれるけどとりあえず100%到着するのは確実なので安心してほしい
・最終的には時間じゃなくて「到着したか否か」で評価してほしい
""
これを受けて私のTLでもあれこれ言われていたが、基本的に感情論に根差しているように見えたのと、「遅刻常習犯は何故繰り返すのか」について冷静な分析が行われていなかったので個人の見識でここに書く。
なお、なるべく感情論を抜いて書いたつもりだが、タイトルにある通り比較的遅刻しない側なので、どうしてもバイアスがかかってしまうことをお断りしたい。
また、文面から友人関係かそれに準ずるフランクな関係と判断したので、「じゃあ退勤時刻も守れよ」という遅刻派閥の言い分は労働問題としてよそでやっていただきたい。
まずこの点を押さえておきたい。
対面でなら口頭で、LINEなどのメッセージサービスなら既読が付くかメッセージを送ることで相互に了解したことになるだろう。
これは形式的には口約束だが、民法上は口約束も契約に含まれる。
(参考:http://www.shinginza.com/keywords/kuchiyakusoku.htm)
書面が無いと言った言わない論争になるので重大な案件に関しては書面に残すというだけの話だ。
定義としては「当事者の合意によって結ばれる法律的行為」とのことだが、日常的には「互いの行為のやり取り」といった具合になる。
「作業の分担を依頼する」「店で金銭を支払って商品を受け取る」「所定の手続きを踏んで認可や証明書を得る」など、「ある行為に対して一定の行為で返す」といった営みが日々繰り返されている。
代金を支払ったのに商品が渡されない、代金を払わずに商品を持っていく、というのはどちらも社会的に問題視されるが、これは当人が無意識であっても契約違反だからだ。
我々は意図せず、契約が履行されることを前提として行動している。
この観点からすると遅刻は契約不履行ということになり、社会一般的には悪とみなされるだろう。
「社会一般的には」と但し書きしたのは、互いに遅刻を咎めないコミュニティに生きる分には問題ないからである。
ただ、本案件は異なる文明の衝突によって生じた炎上であり、広く認知された以上は社会一般的な見地から分析するのが妥当だろうという話である。
なお、「そもそも集合時間を了承していない」と述べる人物も想定されるが、LINEで既読をつけるなどした上でこう主張する輩は真正のクズなのでもうかかわらない方がいいと個人的には思う。
◎遅刻の原因はどこにあるのか
今回の件で個人的に最も気になったのはこの点だ。
遅刻という結果には必ず原因がある。
遅刻しない人間がいるということは、遅刻する人間には何か違う行動をしているはずだ。
私のTLや当該ツイートのリプライ欄にはあまりここに言及したものが無かったので、私個人の遅刻経験談を元に分析してみる。
様々な原因が挙げられたが、これを3つに大別することができると考える。
A:不注意
集合時刻を勘違いしていた、電車の到着時刻を勘違いしていた、集合場所をよく確認しないで赴いたら思いほか遠かった、などが該当する。
個人的にはこれが最も頻度として高い。
B:準備不足
着る予定だった服が見つからない、持っていくつもりのアイテムが見当たらない、財布や鍵が見つからない、などが該当する。
C:過小評価
バス停や駅まで案外時間がかかった、荷物の準備や身だしなみに予想外に時間をもっていかれた、などが該当する。
もう少し早く辿り着けるつもりだった、準備できるつもりだった、という想定の甘さは、「自分ならこれくらいでできるだろう」という自己評価の不用意な高さと表裏一体だ。
これは後述する人物的背景の考察に深く関わってくるが一旦置く。
遅刻する際、ABCそれぞれの要因が複雑に、かつ多段階的に関与することで約束に間に合わなくなると考えた。
待ち合わせまでのルートも様々だが、今回は公共交通機関を利用して目的地へ至るモデルを考えたい。
具体的には「自宅⇒最寄りのバス停⇒最寄りの駅⇒電車の乗り換え1回⇒目的の駅」というルートだ。
このモデルは待ち合わせパターンの最低限な多様性を含んでいるので、目的地が遠ければ乗り換え回数を増やせば対応できる。なんなら電車の乗り換えも無くてよいくらいだ。
徒歩圏内や自転車・自家用車での移動はシンプルなので、上記モデルで検証する問題点で対応できる。
ではこのモデルを詳細に分解してみる。煩雑になるがご容赦願いたい。一部は順不同になる。
・起きる
・着替える
・歯を磨く、髪形を整える
・鞄に物品をつめる
・トイレを済ませる
・家を出て鍵をかける
・バス停に向かう
・バスに乗り、最寄りの駅に着く
・電車に乗り、乗り換え駅に着く
・乗り換えを行い、目的の駅に着く
・目的地に着く
列記してみて今分かったことだが、私が想定する行動プロセスは過半数が家を出るまでのものになった。
一つ一つのプロセスについて、上記のABCで落とし穴を想定すると下のようになる。
・起きる
⇒AC:前日夜更かしする、起きられるつもりで起きられない、アラームセット忘れ
・着替える
⇒BC:服を用意していない、当日何とかなるつもりでいざ当日に悩む
・歯を磨く、髪形を整える
⇒C:もっと早く終わるつもりでいる
・鞄に物品をつめる
・トイレを済ませる
・家を出て鍵をかける
⇒BC:思ったより便の出が悪い、トイレでスマホを使っていつの間にか、持ったつもりの鍵がない
・バス停に向かう
・バスに乗り、最寄りの駅に着く
・電車に乗り、乗り換え駅に着く
・乗り換えを行い、目的の駅に着く
・目的地に着く
⇒ABC:バス停までの歩行時間を過小評価する、事前に交通機関の時刻を調べない、乗り換え時間を甘く見積もる
現実にはもっと多種多様な段階を経る人がいると思われるが、段階が増えるほどリスクも増える。
そして、このシンプルなモデルでも私が想定できていない落とし穴がもっとあると思う。
遅刻する原因は、上記の落とし穴のどれかに嵌まり、時間をとられることで発生すると考えられる。
従って、遅刻しないためにはこれらを逐一つぶしていく(もしくはすっ飛ばす)必要がある。
どのように改善するかは個人の資質と、対人関係に依存するので一般的に論じることは難しそうだ。
ただし、遅刻が本質的に契約不履行であることを考えると、契約履行のために改善コストを支払う気がないという人物像は見えてくる。
前述の落とし穴箇条書きを見ると、Cが多いことに気づくだろう。
このことから、かかるコストの過小評価、裏を返せば自分の能力に対する過大評価をしがちな人物が遅刻の常習犯になりやすいのではないか、という推測が湧いてくる。
より穿った表現をすれば、「自分なら何とかなる」「自分が正しい」というやや傲慢で事項中心的な人物ではないだろうか。
ここで元のツイートを再掲する。
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・+30分はデフォなので許してほしい
・あと何分で着くか聞かれるけどとりあえず100%到着するのは確実なので安心してほしい
・最終的には時間じゃなくて「到着したか否か」で評価してほしい
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待ち時間を適当に過ごしてくれという主張は、相手に時間をロスさせているという想像力が欠如している。
実際リプライ欄を見ると、「遅刻する人は趣味など自分の時間を大切にする人」というリプライにいくらか賛同がなされているが、相手にも「大切な自分の時間」があることを忘れて「適当に過ごして」などと表現している辺りが根深い。
最終的には時間じゃなくて到着云々は、そう主張するならそもそも約束する時点でそのような契約内容にして同意を得るべきだ。
ちなみにリプライ欄の他の意見としては「時間に余裕を持っても結局アレコレ始めて遅刻する。相手は待っていてくれるから大丈夫。」「時間守るくらいでマウント取れていい身分ですね」などがあった。
邪推に邪推を重ねるが、恐らく実際に何か秀でた部分があって自己評価が高かったり、一目置かれているおかげで黙認されるなど「何とかなってきた」という経験がこういった人格を醸成するのではなかろうか。
リプライ欄を見る限りでは強ち間違っていない気もするが、わざわざ炎上案件に飛び込む人物にはそういうバイアスがかかっているだろう。
◎ではどうすればいいのか?
この浮世の地獄を脱出するのに最も良いのは互いに関わらないことだが、残念なことにそれは現実的ではなく、だからこそ地獄の様相を呈している。
よくある案としては「1人だけ30分前を伝える」というものがあるが、これは30分前を提示した人間が30分前に現れない場合やはり契約不履行なのでお勧めしない。
「こっちが15分前に来てるんだからお前もそうしろよ!」などとキレている定刻派もいたが、それは契約内容に含まれない。重要なのは約束した時刻にその場にいるというその一点のみだ。
・ものごとには原因があること。
これらを前提として、後はそれぞれの関係性の中で落としどころを模索するしかないだろう。
とくやりてむ。
はじめて匿名記事を書く。身バレ防止のためフェイクが入っているが、僕の悩みを聞いてほしい。本当に困っている。
自分は最近ある業界に興味を持ち、その業界でも結構有名な企業の会社説明会に行くことにした。
偶然、その企業には自分の知り合いが働いていた。その知り合いとは1年前くらいに知り合った。最初は普通に連絡を取っていたが、最近は疎遠になっていた。
最近たまたまその知り合いのSNSを見たところ、何と僕の悪口が書かれていたのだ。
「しょうもない人間のくせに。面白くないのにしゃしゃり出てくるな」
「図々しくて大嫌いだ」
等々。
自分からの応募メールを見て、他のスタッフの前で僕をこき下ろした様子が書かれていた。
僕はビックリしたし、とても悲しくなった。僕はその知り合いを友達だと思っていたし、好きだった。
だが、少し経つと不信感でいっぱいになり、やはりそのようなことを社内の人間に話すのはおかしいと思った。思うのは勝手だが、誰でも見える形で書いている事も不快だった。残念なことに「嫌いだ」と言った時にウケたとも書いていた。
僕は色々考えた結果、その会社へこの件を報告することにしたのだ。
まずは、その部署のトップへ連絡しようと思い、トップの人へ直接メールした。
メールの内容は、知り合いがSNSに記載していた内容と行動についてどう思うかだ。その知り合いの名前は出していないし、SNSのアドレス等も記載していない。僕の身分は明かした上で送った。
その会社は特殊な事を売りにしており、人の個性を大切にしている印象だった。だからトップが、ある意味人の個性をこき下ろすようなことを言う人間についてどう思うのか知りたかった。
しかし、困ったことに返事が来ない。見た様子もない、忙しいのはわかっているが段々と辛くなってきた。更に上に報告するか迷っている。
もうその会社と関わらない方が良いとも思うが、自分の職業的になかなか難しい。しかも、その会社はわりと大手だ。(知り合いはバイトのようだが…)
会社説明会の応募は済んでいるし、断られてもいない。今は行くかすら迷っている。ただ、行って直に見てみたい気もする。
この記事を見た方、もし良ければ知恵を貸して欲しい。本当に困っている。
某通販サイトへの会員登録に自分のメールアドレスが使われてた。商品が購入されて、発送しましたメールも届いた。
送られてきた送り状番号からするとちゃんと配達されたようす。(これ不正アクセスになりますか?)
少なくとも手元に届いているメールを見る限り、踏まないと登録が完了しないリンクはなし。
そういう会員登録ができちゃう仕組みなのね。それを分かった上での攻撃なのかな。
とか勘繰りを深化させる。
問い合わせ窓口は、名前・電話番号など必須項目だらけのメールフォームと、電話代要負担のナビダイヤルだけ。
もったいな。
完全に貧乏思考に染まってて、余裕のある生き方を拒絶するのな。
この人は結婚できても、わざわざ自分が苦労する人しか選ばなさそう。
「苦労しないといけない」というのは日本人の美徳なのかもしれんけど
苦労なく同じだけの価値を提供できる能力や身分を持ってることも十分評価されるべきなのに、
能力や身分の無さを労働時間や苦労で補おうとか言ってるから日本の生産性は上がらんのだよ。
みんなが楽に生きれる社会を作ればいいのに、わざわざ苦労する生き方を選んでジリ貧になる人多すぎ。
まぁ、その人は「苦労を知らない人」に写ってるんだろうけど、
その人も苦労や努力でやっとつかんだ立場だっていうのを見てないならただ残念だな。
まぁ、逆境の時にどういうことをする人かは見た方がいいけどな。
最近またバカッターとかの炎上が見られるけど、確かに悪いことだとは思う。
ただ、それをネット上に晒して炎上の種を撒くのはちょっと違う気がする。
日本国内だったら人を裁くことができるのは「法」なわけで、それを行使できるのは「司法」ってワケ。
netgeekとかが率先してtwitterで晒し上げてるけど、それって本当に正しいことなのか?
一度の過ちで人が生きていけなくなるのを阻止するために保護されるべきものがネットを通じて住所とか学校とかが公のものにされがち。
こういうことを書くと「お前はそういう人間を擁護するのか」とか言われるけど、ただただ「正義」という名目を持っているだけで他人の住所や家族構成や学歴を暴露していい身分になれるのか?
別にそういうのを探すのをやめろというわけではない、見つけたとしたらお客様専用窓口にて匿名で通報するなりするのが正義なのでは?
ひどいゴリ押しだ。そんなに余裕がないのか?そんなにサプライズとやらで集客し期待をたかめないと、集金もできない程に古くてガタガタの屋台骨だって気づいてるんだろうし、これからも搾れるだけ絞るんだろうさ。別にそいつはかまわんが、その出汁に彼女を使わないでくれ。
接戦の末負かした連中に混ざって笑う姿があまりにもみじめだ。お綺麗な連中だから本人も周りもそんなこと思っちゃいないんだろうが、見る側からすればたまらなく無様でみじめだ。おこぼれで喋って歌まで歌って満足か?あの子は「頑張っていたらいつか不幸でも頂点に行ける」と思っていたんじゃあないのか?泥をすすって生きてきた強みじゃあなくって、突然渡された札束で喜べと?そんなもの求めちゃいなかった。彼女はずっと俺と同じラインで二人三脚でいてくれるって信じてたのに、真面目になれば元からあの女は俺とは一切無関係の人間だったってことじゃあないか。逆境に一緒に耐えてくれると思ってた。派手なゴールで一緒に万歳三唱したかった。現実がつらくてもどこかでこの子も頑張ってると思えばなにくそと根性で耐えられた。
こんな形で奪っていくなんて、ゲームコンセプトの全否定じゃあないか。そこまでして金が大事だったか。俺も大事だから気持ちはわかる。お金は何よりも欲しい。俺たちみたいな馬鹿なヲタクはなんて貧層な金鉱だ。
一歩一歩を一緒に歩いてきて、拠り所を突然天上に持ってかれたとき、怒りより呆れがあった。脱力した。ここまでしないと回らないのか?と、そこに彼女を使われてしまって、そんな真似をするならもう金輪際縁を切ろうと思った。アカウントを消した。画像も削除した。あらゆるSNSで、彼女が関わってた部分から逃げた。ここから先の彼女は解釈違いの嵐を身にまとうだろうと思って、全力で逃げた。関わり合いになりたくなくて全てを断った。
でも奴らは最低だ。どれだけ身を潜めても活躍が聞こえてくる。サプライズなんてものをありがたがってる妄信者どもが、ゾンビ仲間を作りたくて仕方ない奴らが、どこに行ってもそのご威光を光らせてくださる。そんなに広告下手な運営の為に無償で働いて、いいご身分なことだ。さぞや楽しかろう。外から眺めて嘲笑して気を紛らす程度はできる。そんな考え方が同レベルと言われようが、関わらなければ済む話だった。事実今までは影に怯えつつも平和だった。
多分、逃げ方が半端だったんだろう。結局のところ、彼女はこれからの時代を担う客寄せパンダにされてしまったのだ。大勢に響く声で叫んでなんぼ、場末で身を縮めている程度でどうにかなると思っていた俺が間違いだった。これからもピエロと化した彼女は狂信者やイナゴたちに寄ってたかって祭り上げられるのだろう。そのたびに、俺は元からどこにもいなかった「ふたりで頑張ってきた少女」の幻覚で勝手に自傷するんだ。勝手に信じて、勝手に裏切られて、誰よりも屑なのは間違いなく俺だ。誰も何も間違っちゃあいない。あの女は最高にいい女なんだ、きっと誰より激しく燃え上がる。俺なんかと隣にいるほうが間違いだ。頂点に立てばいい、それだけの器がある。そうして全部燃やし尽くして、何もかもくたばってしまえばいい!世の中はネームバリュー目当ての太鼓持ちで溢れているが、この先あの子はそんなくだらない連中に食らい尽くされるだろう。ざまあみろ、そうなりたかったのはお前自身なんだ!俺の知らないどこかで輝いて失せてくれ。
きっと名前を見ないなんてささやかな願いは絶対に叶うまい。そうしたい奴らの下で働いてるんだから。なにか重篤な不具合でも起こしてサ終してくれないかな。身勝手な話、できれば一緒に喜びたかったんだけど、ここまで見てる部分が違うなんて思ってなかった。この世に味方なんていない。
誤字ではない。
居眠り「した」のではなく「されて」受験に落ちた人がいる。この理不尽さを誰かに吐き出したく、殴り書きさせて頂く。
身分はぼかして書くが、とある国立大学の大学院における選考会議の様子を把握できる者だとだけ言っておこう。
言うまでもなく選考過程を漏らすのは御法度である為フェイクも多々入れるが、多めに見てほしい。
詳細を記す前に、まず大学院の選考方法を説明する。といっても甚だ単純で、基準は基本的に「教授が忙しい間を縫って面倒みてやってもいい論文が書ける学生と判断したか」の一点に尽きる。こう書くと随分いい加減に思えるかもしれないが、基本的に研究というのはプロ同士であっても「こんなの研究と認めたらこの分野崩壊するわ!」とか平気で批評しあう世界なので、ましてやペーペーの学生の研究に価値があるかなど真剣に議論しても満場一致の答えなどでない。よって、直接面倒を見て博士論文指導をする教授に一任されるのである。無論、ある程度外国語技能や専門分野の知識のチェックはされるが、レベルの高い大学ほど論文が全てという傾向は強い。何か国語話せようが知識が凄かろうがあまり関係なく、教授に「この研究は自分、ひいては業界の役に立つ」と思わせるのが肝要である。当然、コネによる入学や担当教授の暴走を防ぐ為に「副査」と呼ばれる、一緒に論文をチェックする人もいるが、副査は指摘すべき点がない場合はまあ無難な点数を出す。担当教授(主査)と違って、専門分野ではないから評価が難しいし専門家が採るといってる者を落とす理由がないからだ。よっぽどのことがない限り、主査が入れる気があるかどうかで可否が決まる。
特に、この大学は絶対博士号をとらせる大学(学生向けのキャッチコピーではない。国がそういう事業の一環として認定し、補助金も多く出している)である。博士課程というのは卒業すれば博士号がでるわけではなく、むしろ在学中にとれない人の方が多く、所謂「満期退学」になりその後何年も経ってから博士号をとるのがスタンダードなのは有名な話だが、この大学は殆どの生徒にとらせるべく指導するというわけだ。これが何を意味するか。めんどくさいのだ。博士号とらせなきゃいけないからといって、基準が緩くなったりはしない。日本ではなかなか貰えない博士号を、確実に取らせなければ怠慢と言われるのである。当然、教授の負担は大きく、できれば採りたくないとさえ考える人も多い。そのうえ、この大学は方々から国にスカウトされてきた研究者が教授になっており、それぞれ現役で研究に励んでいる。というか、研究所に大学がくっついているという状態なので、教授はそれぞれ優秀故に「自分は研究者」という意識が強く、彼らにとって学生の指導は副業である。職人と丁稚奉公みたいな関係、というと分かりやすいかもしれない。本来自分の研究だけでお金を貰える人が、そんなにできるなら学生も見てよといわれるわけである。当然給料はいいし研究費もたんまり貰えるが、まあやりたくない。大学側も研究でも成果を出してほしいので、毎年わずかな生徒しか入れず、教授たちはそれぞれ数年に一人担当すればいい方だ。つまり、採ったら最後責任が重いし採らなくてもそんなに怒られない。故に、プライドが高く研究意欲のある教授がと重い腰をあげた時点で合格というわけだ。だいたいこんな風にして合否は決まる。
長くなってすまない。本題に入ろう。
居眠りしていたのは主査(実際に面倒を見る予定の人)ではなく、副査(担当しないが論文チェックはする人)だった。
長々と書いた通り、この大学で学生を採るというのはめんどくさい。しかし、おとされた学生は幸運にも主査に合格点を出された。何人かいる副査も無難な合格点、人によっては少し高めの合格点をつけたりもして、問題なく入れるはずだった。しかし、一人の副査が、法外に低い点数をつけたのである。理由は定かではない。何故なら、点数を発表した会議でその教授は爆睡しいたからである。
これがもし、何がおかしいという顔で鎮座していたならあるいは、合格を出した主査の姿勢を問い直す必要もあったかもしれない。
自分が採るわけでもない生徒にとんでもない低い点数をつけた、まではもしかしたら研究へのこだわりであったかもしれない。いくら自分が面倒を見なくても、こんな学生を入れては国立研究機関の名が廃る、とかそういう信念のもとの行動だったのかもしれない。主査の教授のメンツに泥を塗ったと嫌われても、他の教授に非常識な奴と白い目を向けられても、研究のレベルの低い生徒を入れるわけにはいかない。ありえない行為に騒然となる会議室で、それでも己の信念に基づいて何が合格に足らないのかを雄弁に語ろう。そういう覚悟と純粋さ故の頑固さがこのような事態を招いたのかもしれない。もしそうだったなら、研究所内での自分の立場など顧みない、人間関係など研究においては関係ない、そういう研究者としての誇りある人物だといえるのではないだろうか・
しかし、そんな一抹の擁護の可能性を吹き飛ばす爆睡。一般企業なら上司から爆弾を落とされるレベルの、爆睡。ヤバいと思った隣の席の教授に、つついても声をかけても、起きないと確信される、爆睡。一切の説明責任を拒否する、爆睡。
採る予定だった学生を予想外に落とされ愕然とする主査、ドン引きする他の教授、眠り続ける副査。
あまりにあまりな顛末に、良心的な教授の間では「あれは狸寝入りだったのではないか」説まで出始めた。「本当は私情で落としたので、何故こんな点数をつけたのかと追及されるのを逃れる為に、あんなことをしたのではないか」「学生の論文の出来に嫉妬し、しかし無理に難癖をつけるのはプライドが許さず、苦肉の策だったのではないか」「本当は気が小さい人で、主査のメンツを潰すのがしのびなかったのではないか」という憶測が飛び交ったが、定かではない。個人的には、そんな深い事情はなく、なんか気に入らなかったからじゃないかと思う。学生も
気の毒だが、寝てた人の点数でも考慮せざるを得ないのが、寝てた人を怒れないのが、寝てた人でも教授になれちゃうのが、国立研究所である。一例だけで申し訳ないが、国費をかけて研究者を増やそう!という研究所でこういうことが起こり得るのが今の研究者の現実の一端である。