2008-06-30

俺と友達のユウキは、今年の海水浴を楽しむべく水着バーベキューのための

設備を色々買い込むことにした。幸いにもバイトで貯まった金があるので、

今年こそは彼女いない歴=年齢のお互いが浜辺で女の子たちと仲良くなって

いいひと夏の思い出を作ろうぜ、と張り切っていた。

格好つけて濃い黒色の、タモリが普段使ってるようなサングラスをかけて

俺たちがデパート水着売り場まで行った時(当然その売り場でばったり

いい女の子と会ったらナンパでもしてみるか、と思っていたのだけど)、

ユウキが「おい、あれ見てみろよ!!」と指差した。

そこには等身大女性マネキンが立っていた。

大体マネキンというのは手足が途中から切り落とされてトルソーに頭を

くっつけた状態のものしかないのが定番だ。手足があればそれだけ

衣服を着させるのが面倒だからだ。

しかしそのマネキンは手足も揃っていて、眩しい笑顔が印象的なものだった。

多分手足を外して着せてまた手足をくっつけたのだろう。

着せられているのはどうやらどこかのスクール水着のようだ。

スクール水着特有の質感に少し息を呑んでしまう。

「随分マニアックな店だなここって。おい、あれの横に立ってみ?」

俺はそう言われてそのマネキンと並んだところ、ユウキ携帯を取り出した。

「何するんだよ?」と俺が言うとユウキは答えた。

せっかくだからマニアックスク水写真とって友達に送ろうぜ」

「お前そういうヘンタイ趣味あんのかよ。相変わらずだな」

「だってスク水だぜ? 萌えないか?」

「分かったよ」と俺は言ってマネキンと並んだ。全く、こういうオタク趣味

あるからユウキ敬遠されるんだよな、と思いながら。

「いくぞー」ユウキ携帯を取り出して俺たちの写真を撮影した。

「一応お前の知り合いにも送るわ」

「いーよ、そんなことしなくってさ」と俺は答えたが

ユウキスク水に興奮している。

ったく、ビーチでスク水なんか着てる女がいるかっての。

次の日ユウキと俺の友達からメールが届いてた。

ユウキってマジでスク水好きなんだな。マニアックっつーかアホというか。

 でもさ、折角の写真送ってもらって悪いけど、目瞑ってたぞ。間抜けだなー。

 大体一緒に泳ぎに行くんだろ? それなのにスク水ってってどんだけー

俺はふと寒気を感じて返信した。

「その写メール、俺ユウキからもらってないから

どんなのか見てないんだ。こっちに送ってくれ。出来るだけ早く。頼む!!」

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