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はてなキーワード: イソップとは

2024-10-01

三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。気がついて見ると、濁ったと形容するよりほかに形容のしかたのない色であった。三四郎が何か答えようとするまえに、女はまた言った。 「重いこと。大理石のように見えます」  美禰子は二重瞼を細くして高い所をながめていた。それから、その細くなったままの目を静かに三四郎の方に向けた。そうして、 「大理石のように見えるでしょう」と聞いた。三四郎は、 「ええ、大理石のように見えます」と答えるよりほかはなかった。女はそれで黙った。しばらくしてから、今度は三四郎が言った。 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」 「どういうわけですか」と美禰子が問い返した。  三四郎には、どういうわけもなかった。返事はせずに、またこう言った。 「安心して夢を見ているような空模様だ」 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲をながめだした。  菊人形で客を呼ぶ声が、おりおり二人のすわっている所まで聞こえる。 「ずいぶん大きな声ね」 「朝から晩までああいう声を出しているんでしょうか。えらいもんだな」と言ったが、三四郎は急に置き去りにした三人のことを思い出した。何か言おうとしているうちに、美禰子は答えた。 「商売ですもの、ちょうど大観音乞食と同じ事なんですよ」 「場所が悪くはないですか」  三四郎は珍しく冗談を言って、そうして一人でおもしろそうに笑った。乞食について下した広田言葉をよほどおかしく受けたかである。 「広田先生は、よく、ああいう事をおっしゃるかたなんですよ」ときわめて軽くひとりごとのように言ったあとで、急に調子をかえて、 「こういう所に、こうしてすわっていたら、大丈夫及第よ」と比較的活発につけ加えた。そうして、今度は自分のほうでおもしろそうに笑った。 「なるほど野々宮さんの言ったとおり、いつまで待っていてもだれも通りそうもありませんね」 「ちょうどいいじゃありませんか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは前句の解釈のためにつけたように聞こえた。  ところへ知らん人が突然あらわれた。唐辛子の干してある家の陰から出て、いつのまにか川を向こうへ渡ったものみえる。二人のすわっている方へだんだん近づいて来る。洋服を着て髯をはやして、年輩からいうと広田先生くらいな男である。この男が二人の前へ来た時、顔をぐるりと向け直して、正面から三四郎と美禰子をにらめつけた。その目のうちには明らかに憎悪の色がある。三四郎はじっとすわっていにくいほどな束縛を感じた。男はやがて行き過ぎた。その後影を見送りながら、三四郎は、 「広田先生や野々宮さんはさぞあとでぼくらを捜したでしょう」とはじめて気がついたように言った。美禰子はむしろ冷やかである。 「なに大丈夫よ。大きな迷子ですもの」 「迷子から捜したでしょう」と三四郎はやはり前説を主張した。すると美禰子は、なお冷やかな調子で、 「責任をのがれたがる人だから、ちょうどいいでしょう」 「だれが? 広田先生がですか」  美禰子は答えなかった。 「野々宮さんがですか」  美禰子はやっぱり答えなかった。 「もう気分はよくなりましたか。よくなったら、そろそろ帰りましょうか」  美禰子は三四郎を見た。三四郎は上げかけた腰をまた草の上におろした。その時三四郎はこの女にはとてもかなわないような気がどこかでした。同時に自分の腹を見抜かれたという自覚に伴なう一種屈辱をかすかに感じた。 「迷子」  女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。 「迷子英訳を知っていらしって」  三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。 「教えてあげましょうか」 「ええ」 「迷える子――わかって?」  三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間である自覚している。  迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。 「私そんなに生意気に見えますか」  その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れればいいと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。  三四郎は美禰子の態度をもとのような、――二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片づかない空のような、――意味のあるものにしたかった。けれども、それは女のきげんを取るための挨拶ぐらいで戻せるものではないと思った。女は卒然として、 「じゃ、もう帰りましょう」と言った。厭味のある言い方ではなかった。ただ三四郎にとって自分は興味のないものあきらめるように静かな口調であった。  空はまた変ってきた。風が遠くから吹いてくる。広い畑の上には日が限って、見ていると、寒いほど寂しい。草からあがる地息でからだは冷えていた。気がつけば、こんな所に、よく今までべっとりすわっていられたものだと思う。自分一人なら、とうにどこかへ行ってしまったに違いない。美禰子も――美禰子はこんな所へすわる女かもしれない。 「少し寒くなったようですから、とにかく立ちましょう。冷えると毒だ。しかし気分はもうすっかり直りましたか」 「ええ、すっかり直りました」と明らかに答えたが、にわかに立ち上がった。立ち上がる時、小さな声で、ひとりごとのように、 「迷える子」と長く引っ張って言った。三四郎はむろん答えなかった。  美禰子は、さっき洋服を着た男の出て来た方角をさして、道があるなら、あの唐辛子そばを通って行きたいという。二人は、その見当へ歩いて行った。藁葺のうしろにはたして細い三尺ほどの道があった。その道を半分ほど来た所で三四郎は聞いた。 「よし子さんは、あなたの所へ来ることにきまったんですか」  女は片頬で笑った。そうして問い返した。 「なぜお聞きになるの」  三四郎が何か言おうとすると、足の前に泥濘があった。四尺ばかりの所、土がへこんで水がぴたぴたにたまっている。そのまん中に足掛かりのためにてごろな石を置いた者がある。三四郎は石の助けをからずに、すぐに向こうへ飛んだ。そうして美禰子を振り返って見た。美禰子は右の足を泥濘のまん中にある石の上へ乗せた。石のすわりがあまりよくない。足へ力を入れて、肩をゆすって調子を取っている。三四郎こちら側から手を出した。 「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の足に、からだの重みを託して、左の足でひらりこちら側へ渡った。あまり下駄をよごすまいと念を入れすぎたため、力が余って、腰が浮いた。のめりそうに胸が前へ出る。その勢で美禰子の両手が三四郎の両腕の上へ落ちた。 「迷える子」と美禰子が口の内で言った。三四郎はその呼吸を感ずることができた。

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 ベルが鳴って、講師教室から出ていった。三四郎インキの着いたペンを振って、ノートを伏せようとした。すると隣にいた与次郎が声をかけた。

「おいちょっと借せ。書き落としたところがある」

 与次郎三四郎ノートを引き寄せて上からのぞきこんだ。stray sheep という字がむやみに書いてある。

「なんだこれは」

講義を筆記するのがいやになったから、いたずらを書いていた」

「そう不勉強はいかん。カントの超絶唯心論バークレーの超絶実在論にどうだとか言ったな」

「どうだとか言った」

「聞いていなかったのか」

「いいや」

「まるで stray sheep だ。しかたがない」

 与次郎自分ノートをかかえて立ち上がった。机の前を離れながら、三四郎に、

「おいちょっと来い」と言う。三四郎与次郎について教室を出た。梯子段を降りて、玄関前の草原へ来た。大きな桜がある。二人はその下にすわった。

 ここは夏の初めになると苜蓿が一面にはえる。与次郎入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。その一人が一人に向かって、口答試験都々逸で負けておいてくれると、いくらでも歌ってみせるがなと言うと、一人が小声で、粋なさばきの博士の前で、恋の試験がしてみたいと歌っていた。その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ引っ張り出す。三四郎はその歴史与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎俗謡で pity's love を訳すはずだと思った。きょうはしか与次郎がことのほかまじめである。草の上にあぐらをかくやいなや、懐中から文芸時評という雑誌を出してあけたままの一ページを逆に三四郎の方へ向けた。

「どうだ」と言う。見ると標題に大きな活字で「偉大なる暗闇」とある。下には零余子と雅号を使っている。偉大なる暗闇とは与次郎がいつでも広田先生を評する語で、三四郎も二、三度聞かされたものであるしか零余子はまったく知らん名である。どうだと言われた時に、三四郎は、返事をする前提としてひとまず与次郎の顔を見た。すると与次郎はなんにも言わずにその扁平な顔を前へ出して、右の人さし指の先で、自分の鼻の頭を押えてじっとしている。向こうに立っていた一人の学生が、この様子を見てにやにや笑い出した。それに気がついた与次郎はようやく指を鼻から放した。

「おれが書いたんだ」と言う。三四郎はなるほどそうかと悟った。

「ぼくらが菊細工を見にゆく時書いていたのは、これか」

「いや、ありゃ、たった二、三日まえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたもの標題でわかるだろう」

広田先生の事か」

「うん。こうして輿論喚起しておいてね。そうして、先生大学はいれる下地を作る……」

「その雑誌はそんなに勢力のある雑誌か」

 三四郎雑誌名前さえ知らなかった。

「いや無勢力から、じつは困る」と与次郎は答えた。三四郎は微笑わざるをえなかった。

「何部ぐらい売れるのか」

 与次郎は何部売れるとも言わない。

「まあいいさ。書かんよりはましだ」と弁解している。

 だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。なるほどそうだろう。三四郎は今はじめて与次郎文壇との交渉を聞いたくらいのものであるしか与次郎がなんのために、遊戯に等しい匿名を用いて、彼のいわゆる大論文をひそかに公けにしつつあるか、そこが三四郎にはわからなかった。

 いくぶんか小遣い取りのつもりで、やっている仕事かと不遠慮に尋ねた時、与次郎は目を丸くした。

「君は九州のいなかから出たばかりだから中央文壇趨勢を知らないために、そんなのん気なことをいうのだろう。今の思想界の中心にいて、その動揺のはげしいありさまを目撃しながら、考えのある者が知らん顔をしていられるものか。じっさい今日の文権はまったく我々青年の手にあるんだから一言でも半句でも進んで言えるだけ言わなけりゃ損じゃないか文壇は急転直下の勢いでめざまし革命を受けている。すべてがことごとく動いて、新気運に向かってゆくんだから、取り残されちゃたいへんだ。進んで自分からこの気運をこしらえ上げなくちゃ、生きてる甲斐はない。文学文学って安っぽいようにいうが、そりゃ大学なんかで聞く文学のことだ。新しい我々のいわゆる文学は、人生のものの大反射だ。文学の新気運は日本社会活動に影響しなければならない。また現にしつつある。彼らが昼寝をして夢を見ているまに、いつか影響しつつある。恐ろしいものだ。……」

 三四郎は黙って聞いていた。少しほらのような気がする。しかしほらでも与次郎はなかなか熱心に吹いている。すくなくとも当人だけは至極まじめらしくみえる。三四郎はだいぶ動かされた。

「そういう精神でやっているのか。では君は原稿料なんか、どうでもかまわんのだったな」

「いや、原稿料は取るよ。取れるだけ取る。しか雑誌が売れないからなかなかよこさない。どうかして、もう少し売れる工夫をしないといけない。何かいい趣向はないだろうか」と今度は三四郎相談をかけた。話が急に実際問題に落ちてしまった。三四郎は妙な心持ちがする。与次郎は平気であるベルが激しく鳴りだした。

「ともかくこの雑誌を一部君にやるから読んでみてくれ。偉大なる暗闇という題がおもしろいだろう。この題なら人が驚くにきまっている。――驚かせないと読まないからだめだ」

 二人は玄関を上がって、教室はいって、机に着いた。やがて先生が来る。二人とも筆記を始めた。三四郎は「偉大なる暗闇」が気にかかるので、ノートそば文芸時評をあけたまま、筆記のあいあいまに先生に知れないように読みだした。先生はさいわい近眼である。のみならず自己講義のうちにぜんぜん埋没している。三四郎の不心得にはまるで関係しない。三四郎はいい気になって、こっちを筆記したり、あっちを読んだりしていったが、もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も双方ともに関係がわからなくなった。ただ与次郎文章一句だけはっきり頭にはいった。

自然宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。またこ宝石採掘の運にあうまでに、幾年の星霜を静かに輝やいていたか」という句である。その他は不得要領に終った。その代りこの時間には stray sheep という字を一つも書かずにすんだ。

 講義が終るやいなや、与次郎三四郎に向かって、

「どうだ」と聞いた。じつはまだよく読まないと答えると、時間経済を知らない男だといって非難した。ぜひ読めという。三四郎は家へ帰ってぜひ読むと約束した。やがて昼になった。二人は連れ立って門を出た。

「今晩出席するだろうな」と与次郎西片町へはい横町の角で立ち留まった。今夜は同級生の懇親会がある。三四郎は忘れていた。ようやく思い出して、行くつもりだと答えると、与次郎は、

「出るまえにちょっと誘ってくれ。君に話す事がある」と言う。耳のうしろペン軸をはさんでいる。なんとなく得意である三四郎承知した。

 下宿へ帰って、湯にはいって、いい心持ちになって上がってみると、机の上に絵はがきがある。小川かいて、草をもじゃもじゃはやして、その縁に羊を二匹寝かして、その向こう側に大きな男がステッキを持って立っているところを写したものである。男の顔がはなはだ獰猛にできている。まったく西洋の絵にある悪魔を模したもので、念のため、わきにちゃんデビル仮名が振ってある。表は三四郎宛名の下に、迷える子と小さく書いたばかりである三四郎は迷える子の何者かをすぐ悟った。のみならず、はがきの裏に、迷える子を二匹書いて、その一匹をあん自分見立ててくれたのをはなはだうれしく思った。迷える子のなかには、美禰子のみではない、自分ももとよりはいっていたのである。それが美禰子のおもわくであったとみえる。美禰子の使った stray sheep意味がこれでようやくはっきりした。

 与次郎約束した「偉大なる暗闇」を読もうと思うが、ちょっと読む気にならない。しきりに絵はがきをながめて考えた。イソップにもないような滑稽趣味がある。無邪気にもみえる。洒落でもある。そうしてすべての下に、三四郎の心を動かすあるものがある。

 手ぎわからいっても敬服の至りである。諸事明瞭にでき上がっている。よし子のかいた柿の木の比ではない。――と三四郎には思われた。

 しばらくしてから三四郎はようやく「偉大なる暗闇」を読みだした。じつはふわふわして読みだしたのであるが、二、三ページくると、次第に釣りまれるように気が乗ってきて、知らず知らずのまに、五ページ六ページと進んで、ついに二十七ページの長論文を苦もなく片づけた。最後の一句読了した時、はじめてこれでしまいだなと気がついた。目を雑誌から離して、ああ読んだなと思った。

 しかし次の瞬間に、何を読んだかと考えてみると、なんにもない。おかしいくらいなんにもない。ただ大いにかつ盛んに読んだ気がする。三四郎与次郎の技倆に感服した。

 論文は現今の文学者の攻撃に始まって、広田先生の賛辞に終っている。ことに文学文科の西洋人を手痛く罵倒している。はやく適当日本人を招聘して、大学相当の講義を開かなくっては、学問の最高府たる大学も昔の寺子屋同然のありさまになって、煉瓦石のミイラと選ぶところがないようになる。もっとも人がなければしかたがないが、ここに広田先生がある。先生十年一日のごとく高等学校に教鞭を執って薄給無名に甘んじている。しか真正学者である。学海の新気運に貢献して、日本の活社会交渉のある教授担任すべき人物である。――せんじ詰めるとこれだけであるが、そのこれだけが、非常にもっともらしい口吻と燦爛たる警句とによって前後二十七ページに延長している。

 その中には「禿を自慢するものは老人に限る」とか「ヴィーナスは波からまれたが、活眼の士は大学からまれない」とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月田子の浦名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれよりほかになんにもない。ことに妙なのは広田先生を偉大なる暗闇にたとえたついでに、ほかの学者を丸行燈比較して、たかだか方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすにすぎないなどと、自分広田から言われたとおりを書いている。そうして、丸行燈だの雁首などはすべて旧時代遺物で我々青年にはまったく無用であると、このあいだのとおりわざわざ断わってある。

 よく考えてみると、与次郎論文には活気がある。いかにも自分一人で新日本代表しているようであるから、読んでいるうちは、ついその気になる。けれどもまったく実がない。根拠地のない戦争のようなものである。のみならず悪く解釈すると、政略的の意味もあるかもしれない書き方である。いなか者の三四郎にはてっきりそこと気取ることはできなかったが、ただ読んだあとで、自分の心を探ってみてどこかに不満足があるように覚えた。また美禰子の絵はがきを取って、二匹の羊と例の悪魔をながめだした。するとこっちのほうは万事が快感である。この快感につれてまえの不満足はますます著しくなった。それで論文の事はそれぎり考えなくなった。美禰子に返事をやろうと思う。不幸にして絵がかけない。文章にしようと思う。文章ならこの絵はがき匹敵する文句でなくってはいけない。それは容易に思いつけない。ぐずぐずしているうちに四時過ぎになった。

 袴を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、晩食を食っていた。そば与次郎かしこまってお給仕をしている。

先生どうですか」と聞いている。

 先生は何か堅いものをほおばったらしい。食卓の上を見ると、袂時計ほどな大きさの、赤くって黒くって、焦げたものが十ばかり皿の中に並んでいる。

 三四郎は座に着いた。礼をする。先生は口をもがもがさせる。

「おい君も一つ食ってみろ」と与次郎が箸で皿のものをつまんで出した。掌へ載せてみると、馬鹿貝の剥身の干したのをつけ焼にしたのである

「妙なものを食うな」と聞くと、

「妙なものって、うまいぜ食ってみろ。これはね、ぼくがわざわざ先生にみやげに買ってきたんだ。先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる

「どこから

日本から

 三四郎おかしくなった。こういうところになると、さっきの論文調子とは少し違う。

先生、どうです」

「堅いね

「堅いけれどもうまいでしょう。よくかまなくっちゃいけません。かむと味が出る」

「味が出るまでかんでいちゃ、歯が疲れてしまう。なんでこんな古風なものを買ってきたものかな」

「いけませんか。こりゃ、ことによると先生にはだめかもしれない。里見の美禰子さんならいいだろう」

「なぜ」と三四郎が聞いた。

「ああおちついていりゃ味の出るまできっとかんでるに違いない」

「あの女はおちついていて、乱暴だ」と広田が言った。

「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」

イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっと乱暴といっても、普通乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」

里見のは乱暴の内訌ですか」

 三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それから第一不思議であった。

 与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、

ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。

先生里見お嬢さん乱暴だと言ったね」

「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」

先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか

「うん乱暴だと言った。なぜ」

「どういうところを乱暴というのか」

「どういうところも、こういうところもありゃしない。現代女性はみんな乱暴にきまっている。あの女ばかりじゃない」

「君はあの人をイブセンの人物に似ていると言ったじゃないか

「言った」

イブセンのだれに似ているつもりなのか」

「だれって……似ているよ」

 三四郎はむろん納得しない。しかし追窮もしない。黙って一間ばかり歩いた。すると突然与次郎がこう言った。

イブセンの人物に似ているのは里見お嬢さんばかりじゃない。今の一般女性はみんな似ている。女性ばかりじゃない。いやしくも新しい空気に触れた男はみんなイブセンの人物に似たところがある。ただ男も女もイブセンのように自由行動を取らないだけだ。腹のなかではたいていかぶれている」

「ぼくはあんまりかぶれていない」

「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって陥欠のない社会はあるまい」

「それはないだろう」

「ないとすれば、そのなかに生息している動物はどこかに不足を感じるわけだ。イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠をもっとも明らかに感じたものだ。我々もおいおいああなってくる」

「君はそう思うか」

「ぼくばかりじゃない。具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

 と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

先生はなんと言った」

先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさなおもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。だから匿名にしてある。どうせ今は準備時代だ。こうしておいて、ちょうどいい時分に、本名を名乗って出る。――それはそれとして、さっきの用事を話しておこう」

2024-03-05

anond:20240305124457

自分20代後半女だから参考にはならないかもしれないけれど、少し高めなハンドソープ貰うとテンション上がるから好き。もし匂いが嫌いだったらキッチン用にしちゃうとか、高校生の子どもに使ってもらうとかできるかな?とも思う。

shiroとイソップ以外だと嬉しいかも。shiroは偏見申し訳ないが個人的には大学生感があって、イソップはなんか自分を見てくれていない気がしてしまって。相手がそのブランドが好きとか理由があるのなら良いと思うけど。

個人的ニールヤードハンドソープが好き。いい匂いから。でもランキングとか見ると知らないブランドハンドソープもいい匂いそうで全部欲しくなった!お相手さんのイメージに合わせてブランドを選ぶのも楽しそう!あとデパ地下の魚の西京焼も好き。

2023-12-19

anond:20231218234524

いや SNSとか関係なくまともな人間ならその上司と同じだよ。だいたい、なんで牛丼屋のメニュー陰キャが結びつくねん。陽キャだってチーズ牛丼注文するだろ。って思って今調べたら、ある特定の「チーズ牛丼を注文してる男性の絵」が陰キャっぽかったから、らしい。なんじゃそりゃ。それその絵だけだしそれ知らない人は「なんでチーズ牛丼?」って思うに決まってるだろ。「イソップ物語のアリとキリギリスキリギリスみたいに痩せてるからイソップ』」と同じ位ワケのわかんない由来だな。ていうかその由来ならイソップじゃなくて『キリギリス』じゃね?

2023-12-14

自分文章が難解だと言われるぽよ

溢れ出るパトスそのままにここに書き捨てていく。自分文章が難解だとよく言われることへの愚痴だ。

難解というかまず読まれない。これがとても虚しい。読まれようとしていないのもあるが、普通に書くとますますまれないわけだ。

したがって非常にいろいろと精査して簡潔にしたり具体的にしたりぶつぶつ文句を言いながら改稿を繰り返す。これによって遅筆と化す。

思うがままに書いていくとねじれ文だのすっ飛ばしだのが表れて、自分では完全に把握できるのだけど周りにはなんじゃこれと思われるような文章爆誕する。

そして読まれない。屈辱である

人はよく言う。

北風と太陽のように、人に読んでもらうには風のようにびゅうびゅうと人に読ませそうとするのではなく、さんさんと照りつける太陽のように母性もつのだと。

それで読んでもらえるのだと。

バカイソップがよ。

人間は読みたいものしか読まないのではないかというのが自分の考えているところだ。

だいたい必死相手のことを考えてお膳立てしても、概念が難しいときはあらよっととスルーされることが多々ある。それは見事なものだ。親の心子知らずとでも言ってやろうか。

まるで恋愛のようなものだ。相手のことを考えて相手の欲するものをひたすら提示し続けても別に相手は振り向かない。

外見としてクールファッショナブルモテモテでいなければいけない。

コンテンツではなくアピアランスなのだオーソリティなのだコンフィデンシャルさも重要である

見るがいいこの黒々と生い茂って、ときどきカタカナ語で色味付けがされている、一見するとおもしろそうにない我が文章を。マグロタマゴばかりでなくイカヒラメも食ってみろ。

シンプルな文を作りあげるのに時間を要することが憎い。そして可能なまでにシンプルにしたほとんど芸術とでも言えよう我が作品をなんの変哲もないゴミのように扱うそのさま、憤怒で死にそうになる。

貴様ら恥を知ってくれ。なぜ自分文章が読まれないのか。それはこの俺が悪いのではない。俺はAIとともに生きる。カス地球人野郎どもめ。ファックユー、リードミー

2023-08-27

anond:20230826234950

誰も消防車を呼んでいないのである!!はフィクションだったんだ。ちゃんと呼ぶ人は重複しても呼ぶ。

 ← そりゃそうだw  あれは単なる寓話からな。イソップみたいな。  

2023-04-27

anond:20230425234705

そしてある時なんとしても守りたい人ができて初めて気がつくのは自分キリギリスだったということなのです。(イソップ

2023-03-27

子供にドギツイ画像を見せて洗脳するメディアプランは進んでいるのかな?

それならグリムだろうけど、グリムの原文は法律的哲学的要素が濃いか

おそらく宗主企業たちは、日本人逆切れバカにしておくために、正訳など与えないつもりだろうね

戦前翻訳リムもどきなど、原文にない罵詈雑言が挿入されており、じつに日本軍らしい

https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/60125_72100.html

金田鬼一ドイツ語学者学習院高等科教授

しか上記リム英語原文が、イソップパクリ

数年前までは、女性教師が作ったらしき、ミロ・ウィンターズ画本の英訳イソップ全訳サイトがあったのに、今見たらすっかり消えているようだ

一方で、プラゴミくさいタウンゼント版のイソップ関連書籍やら論文が、あらゆるメディアから出ていて検索上位を占めている

またどこかの海軍どもがオンナの仕事を消したがってるらしい

ていうかグーグル検索結果もおかし

2022-12-27

5年前の日記を読んで

面白すぎて、最も面白コンテンツって過去自分が書いた日記だよなと思ったのでふたたび今回は2022年の総振り返りとして書いてみる。

まず昨日の出来事だが、ほぼ好きになりかけていた相手に実質振られ、前もって用意したイソップハンドクリームを渡さずに自分用のクリスマスプレゼントにしたのが面白すぎて笑える。笑えない。今日絶対飲み会話題にしたら面白かったのにしなかった。偉い。笑えない。正直午前中は涙目だったのにひさしぶりに皆に会えたから帰り電車でひとりになるまで忘れてた。頭ハッピー野郎

はじめてブランドものクリスマスギフト買いにいったのに。ルミネギフトになりそうなショップに軒並み行列ができていて、皆同じこと考えるんだ、ああ、私もついにクリスマスのために事前にプレゼント調達する人達の一員になったんだと思った。

そんなこと思いながら買いに行ったのに、自分のものにしたハンドクリームはまだカバンの中にあって、翌日平然と笑っている自分に伸びしろを感じる。話したら絶対その日1番破壊力のあるエピソードだけどあとで傷つくから自虐と笑いのために話すのやめておいた対処が偉すぎて涙が出る。今年度1番の成長。自虐エピにするのはそのエピに傷つかなくなった頃で良い。

そもそもハンドクリーム買いに行った時点で、告白いたことをしてOKっぽくなかったら気持ち的に重いし癪だし渡すのやめようと踏んでいたし、イソップ店舗にはじめて行ったら、お姉さんが吹きかけてくれる香水がいい香りすぎて「え?私が欲しいが?あげるけど持ってないんだが?誰かプレゼントしてくれ〜〜〜〜〜」と思っていたくらいなので結果オーライです。嘘です。半分嘘です。書いてて若干薄れていた気持ちが戻ってきてしまったのでこのへんでやめておこうと思います

そもそも5年前だったら、いやつい最近まで、皆がするようなベタプレゼント自分がすること自体が恥ずかしいし、相場とか選ぶもの間違っていないだろうかという羞恥心。(だがその迷いはどれが、というよりある程度高いブランドプレゼントしようとしてくれる気持ちのほうが嬉しいという経験により減った。)オシャレなブランド釣り合わないと思っていたし、お店すら怖かったのだが、並びながら皆も同じこと考えてるんだな〜(同じではないだろ、きっと)と微笑ましくなれた心の健康拍手したい。

2022-09-25

anond:20220925164441

イソップオリジナル版では「夏にせっせと働く俺らをさんざんバカにしてくれたよな? おまえは冬も歌って踊ってろ」とドアを閉められて、キリギリスはその場で凍死だよ。

2022-05-26

童話じゃなかったダム

イソップは無邪気

リムは不幸な話、怖い話、気味悪い話、犯罪的な話

アンデルセンはクソ理想的な話だな

 

海賊デンマークかぶ改まったな

上の者どもが高い税金引き受けてるから世界一幸福な国になった

 

日本デンマークは、豊田頭首工壊れて水不足

2022-04-10

Twitterで香害を叫ぶ人たちってなに?

新しい香水欲しいな〜(イソップのタシットめちゃ良い匂いだった!)って思ったときに、ふと「わたし香水が好きだけど、香害を受けてる人たちとどう折り合いをつければ良いんだろうな」って思って、Twitterで「香害」って検索してたんですが。

出てくるツイートほとんどが、陰謀論者にありがちな文体(伝わって)で、内容も怪しいものばっかで、しかほとんどの人が反コロナワクチンで、ドン引きしてしまった。

コロナ後遺症といわれる味覚障害嗅覚障害は、これって香害の症状ですよね!?」「柔軟剤合成洗剤マイクロカプセルは毒入りの微粒子で、鼻腔から体内に入り込む毒😫」

3件隣の家の洗濯物の柔軟剤が匂ってきて、まともに生活できなくなるらしい。どんな嗅覚してんの?犬以上じゃん…。柔軟剤かに入ってるマイクロプラスチックが発達障害の原因とか言ってる人もいる。

こういう人たちのせいで、本当に困ってる人が偏見に晒されてくんだね 

つけすぎない範囲普通に香水使お…もういいや

2022-03-05

タイザン5の名前の由来

大山鳴動して」からタイザンとmay5月)を抜くと、「どうして」が残る

どうしてっていうような理不尽な話ばっかり描くから

みたいなことを考えたりした

泰山鳴動かと思っていたけれど、中国ことわざじゃなくてヨーロッパことわざなんだって

コトバンクイソップが由来だと書かれてた

2021-05-20

anond:20210520012252

原作黒執事一話とおなじで出落ち紹介がけっこう重要なので映像に馴染みにくそ

 たとえば先代のとこなんかCVも体型もかえないと不自然からカメラワーク糞不自然にしないと一発でネタバレじゃん

 サザエさんドラえもん的なタスキルりセットをちょくちょく挟んだ話でアニメはあるけどさ

アニメ化:未見だがやるなら四畳半神話みたいだろうとおもってた 中途半端ラノベとしてもりあげようと失敗するだろう

というかブギーポップ自体ラノベだとはおもえない イソップの古きから続く童話正統派後継者だとおもう

から二次創作アニメとして世界観以外監督に全部おまかせのアニメ独自のモーフィングとかいれまくったネタ

スペースダンディとかパンストとか○○回みたいに自由にやってもらゃよかったんじゃねえの

やっててコケたんならごめんね

2021-05-11

anond:20210511122033

甲子園下りがすっ飛んでるのに球団から指名を受けるA君。

話としては非のない人間が周囲の影響でおかしくなって行き、周囲と同じように腐ってゆく。

さて一体誰が悪いのかという、イソップだの何だのみたいなアレ。

普通にTwitter話ででっちあげたほうがドラマが作りやすかった気がしなくもない。

あとA君以外の登場人物池沼って。

喪月之夜みたいに顔に池沼って刻まれてんのかと思っちゃったよ。

2021-01-10

COVID-19がもたらした寓話的状況

事実小説よりも奇なりとは言うものの、こんなイソップもびっくりの状況ってあるか?

2020-11-15

anond:20201115183346

すごいイソップみたい。

子供が知らないうちにブレインウオッシュされてその道を忌避するのはあるよなあ。確かに

2020-07-31

セックスレスから妊活について

私は戦えていない。

いばらの道で戦っている人には賞賛を惜しまないし

最大のエールをおくりたいと思っているので

戦えてない人間がこういうことをいうのは

イソップのすっぱいぶどうみたいなとこもあって

それは十分わかってるけど吐き出させてほしい。

私の尊敬する仕事家事も女も完璧にこなす

超人的な先輩が

子供出来たらほんとに何もできなくて

辛くて大変だった。

親とか旦那の助けがなかったら

無理だった」っていうのを聞いて。

子供別にどっちでもいいよ、の旦那

私が「お願いして」子供つくるのが正しいのか

悩む。

私は、はっきりいって家事仕事

それほど完ぺきではないし、些細な事で悩みやすいし

大量のタスクをこなせるような事務処理能力も持っていない。

そんな中で、私の希望子供産んだんだよね?

って旦那が、赤ちゃんまれる前と変わらない生活

望むのであれば、もしかしたらものすごい不和

破綻を招くのではないかと恐れている。

(現状稼ぎは五分五分家事は七割わたし。)

恋愛時の惚れたもん負けじゃないけど

子供欲しがったほうが、責任とれよ

みたいな感じだとうまくいかないんじゃないかと思ってる。

女性は確実に一時的に働けないし、うちはペアローンだし

育児お金も当然かかるし、私のメンタルだってどうなるかわからないし

物理的な健康状態だってからない。

それを自分で望んだんでしょ?って、突き放される可能性が

ゼロとも言えないから…

(いや、旦那は仏のようにやさしく、基本親切ではある。

ただ、現時点で子供をすごく欲しているわけではない。)

しろ私は子供まだ欲しくないけど、旦那がすごく望んでるので

くらいのほうが妊婦として大切にされそうだなってすごく打算的に思う。

理想は二人ともが同じように待ち望むこと。

それこそ妊活だって

受精するまではほぼほぼ男側の仕事

モチベーションだったり体調維持は

男側にこそ必要

おたまじゃくしの数や運動能力を極限まであげるべく努力すべき。

着床後は蚊帳の外っていうか蚊帳なんだから

蚊帳としての矜持くらい持っててほしい。

たとえ現実がそうじゃなかったとしても

貴女が動けないときは僕がすべてのお金も払うし

すべての家事を担う」くらいの心構えは欲しい。

下手したらこっちは死ぬんだぜ。サウナアイコスやめて亜鉛飲め。そんくらい自発的にしてくれ。ただ顔は好きよ、ふとした優しさも大好きよ。

34歳の私は旦那に「子供がほしいです、セックスしてください」と

年一回の現状の中、お願いすべき?

ふとしたことから私と似たような境遇

戦ってる人の話を聞いて

それは文字でのやりとりだったけれど

とても美しく。

傷つくかもしれないけれど

覚悟を決めた

彼女の前にどうか茨ではなく

お花の道がありますように。

そして大好きな彼女幸せ

手放しで喜べる

健全な心を私が保てるように

切に願う。

https://jp.pornhub.com/view_video.php?viewkey=ph5eff10d4d8705

理想的にはこんな感じのを

10日に一度くらいしたい。

マツケン深キョン妊活ドラマあったよね。

あれも色々あったな〜。

ということで

マツケン好きの34歳168cm52kg年収600万は

筆を置く。

2020-07-28

anond:20200728112958

イソップ寓話ギリシャ語原典は失われている。のちのラテン語の本では狼が食べたのは「羊」であり、ギリシャ語を含めて多くは狼が食べたのは「(羊の)群れ」もしくは「羊」となっている。タウンゼント版、チャーリス版、ヒューストン版などでも喰われたのは「羊」となっている。

日本ではイソップの話であるとして、狼に食べられるのは羊ではなく「羊飼い少年」とする寓話がいくつも存在する。

羊が殺されるのなら村人も罪とそれに対する罰を受けてることになるでしょ。

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