はてなキーワード: 交通警察とは
テレ東の警察24時が遂に終了との事だが、これ系の番組の初期はまぁ本当に酷かった。
1990年代の後半あたりに始まったのだが、なにぶんにも報道の訓練も体制もない部署の下請けが撮るので問題だらけの映像をそのまま流してしまうというトンデモ状態。
番組終了の理由に撮影に時間が掛かる事、時間掛けても空振りのことも多くてそれで無理をして捏造的な場面を作ってしまうなどが挙げられていたが、まぁそうだろうね。
最初期の番組は兎に角「撮影側が警官と一体になりナレーターで悪を断罪」というモチーフで撮られていた。
このモチーフの元はズバリ時代劇だろう。「この紋どころが目に入らぬか!」「余の顔を見忘れたか?」「おぅ、この桜吹雪が全てお見通しなんだよ!」と悪を断罪!悪人は「へへぇ!」と平伏して視聴者はカタルシスを得る。
だが警察24時で映しているのは近代法が支配する現代の日本である。
もう一つの問題はそんなに判り易い事件は起きないという事だ。フィクションの遠山の金さんや将軍様も数日~数週間に亘る地道な取材や潜入捜査の末に処断してるのに、複雑な現代社会で偶然舞い込んだ事件をその場で処断できるわきゃない。
そこでやはりというか、一番多い交通事故処理を撮影するのが専らとなる。そしてその交通事故をナレーションで「断罪!」してしまうのであった。
例えば首都高で3台ほど絡んでしまった事故処理であれば、「スピード違反が招いた悲劇である!」という風に。
地方の人や免許がない人には判りずらいだろうから説明すると、首都高というのは大部分が60キロ制限になっている。だがこの速度を守って走っている車というのは皆無なのだ。制限速度が遅いのは高度成長期に低い規格で作ったためで仕方がない。道路規格によって制限速度の縛りがあるので自動的に60キロとなってしまうのだ。
それで直線区間では全部の車が速度違反して走っているという状態になっている。路線バスでさえ守っていない。
そこで事故が起きたら警察は原因の一端に速度違反を挙げるのは当然で、それが主原因とは言えないわけだ。
これ以外の事故でも「確認の不注意が招いた事故であった!」とナレーションが次々に断罪していくのだが、事故の原因なんて複合的で、事故処理の警官の確認遺漏で後からひっくり返る事もあるし、その為に当事者はかなりの労力と時間を使う。それをその場のノリだけで断罪しまくっていた。当事者が見たら憤怒間違いなしだ。
当時、日産がスカイラインGT-R(BNR32型)という車種を出していて、これはアウトバーンでも300キロ出る、ガチで早いスポーツカーだった。
そこで交通機動隊や各県警の高速道路交通警察隊がGT-Rのパトカーを導入した、というのが車好き向け媒体のみならず一般ニュースでも取り上げられていた。「GT-R」からは逃げられない、という威嚇効果も大きい。
そこで当然のように24時のカメラマンは高速隊のGT-Rの後部座席に乗り込む。すると通報が入り、現状へと急行するGT-R! 景色は飛ぶように流れ、速度計は190キロを指している。国産車ECU(エンジン制御コンピュータ)のリミッターカットだ!
…という映像を流した。
ところで道交法上の緊急自動車の最高速度というのはご存じだろうか?一般道では80キロ、高速道路では120キロである。但し例外があり、速度違反者を追尾計測するパトカーはそれ以上出しても良い。そうじゃないと速度違反検挙できないからね。
この高速隊GT-Rは追尾計測中ではなくて臨場する為の緊急走行であるから190-120キロで、70キロ超過となり、赤切符+一発免停で、刑罰も6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金となる。現行犯人だ。
別に増田はパトカーや消防が速度違反して緊急走行していても構わんのだが、証拠映像を電波に乗せて流してそのままで済むわけがないな。
報道畑じゃ無い奴がカメラ持って取材の真似するといこういう事をやるというリスクの典型例だし、後ろでカメラまわしてるのにマッドマックス1のインターセプターみたいだろー的にアクセル踏んでRB26DETTをぶん回してる警官もアレだし両者色々アホすぎるとしか言いようがない。
ドキュメンタリというのは今では真面目なものだが、昔はいい加減で捏造まみれのものだった。ディズニーが『白い荒野 』というインチキ動物ドキュメンタリ映画で、レミングスは増えすぎると入水自殺する、というインチキ映像を撮る為に崖の上からレミングをポイポイ放り投げて殺していたというのが有名だ。
60年代に『世界残酷物語』という、エログロインチキドキュメンタリ映画がヒットすると、次々に同じような映画が作られ、エスカレートしていった。世界残酷物語の原題は『Mondo Cane』なので、この手の下世話なインチキ映画はモンド映画と呼ばれるようになった。
最初は世界の習俗と題して未開部族の残酷処刑や残酷儀式をでっち上げたものを繋げていたのだが、やがて観客の「リアルな死や本物の死体が見たい」という欲求に応えて、事故や暴動で実際に人が死ぬ映像を繋げたショッキング系映画が作られるようになった。因みに実際の映像だけでは尺が足りないのででっち上げたインチキ処刑シーンとかも紛れ込ませているのが多い。
やがてモンド系もショッキング系もTVが番組化するようになる。モンド系のインチキ成分だけを掬ったのが『川口浩探検隊』などだ。ショッキング系は苦情が来る事を恐れ、人体が千切れる場面や脳が飛び出すシーン等はカットして直前で映像を途切れさせたり、人体破壊の瞬間だけカットして死体を映すなどの手法が取られた。番組名はそのまま「ショッキング映像!100連発」等。
またこれら番組には顕著な特徴があり、必ず番組最後は消防隊や救急隊の訓練シーンで終わる。基本的に下世話な欲求に答える番組であって、その後ろめたさを誤魔化す為に取ってつけた映像を入れるのだな。
警察24時系も必ず最後に交機の訓練映像で終わるであろう。つまりはモンド~ショッキング系の系譜に則ったフォーマットなのである。正義の行使のカタルシスは時代劇から、番組ターゲットが野卑な欲求ではないかとの疑問はモンド系の〆映像のフォーマットで誤魔化し。それが警察24時系の構造だった。
因みにこんな取ってつけたような訓練映像付加手法だが、それを見て正義だと考えるリテラシーの人間もちゃんと居るのだ。今ニコ動が全部落ちていてURLを貼れないが、ニコ動には例えばアメリカで精神に問題がある人間が刃物を手放さず警官隊に射殺される、というようなショッキング映像があるのだが、それには映像最後に州警察の訓練風景を入れてある。単に事件現場で殺人映像が撮れただけなのだが、モンド系フォーマットで最後に訓練風景を取ってつけると正しさが保証されると考えているのだ。あれを本気にする者もいるというのがモンド系ドキュメンタリ的でありますな。アメリカに赴任してて厨房の心根は侵されずと言ったところか。
警察24時系は結局モンド番組なのだが、元のモンド系が虚実入り交じりのインチキ映画だったのは製作費と製作日数の問題でもあった。真面目なドキュメンタリは撮るのに時間が掛かりすぎて一部の意識高い人しかみてくれないからペイしない。だから人目を惹くエログロインチキ映像を撮る。
警察24時も最初期にかなり問題になった筈だ。同乗させてもらった警官が免停とか色々だ。すると地道に長時間警察に同行するしかない。歩留まりが悪くなる。しかも映像にパンチが無い。
ヤクザ事務所ガサ入れとか映像的にパンチがある事件はある。でもそういうのはマジな方の報道部門が呼ばれてモンド系バラエティの取材班は呼んでもらえない。カメラ持ってても素人なんだから。報道マンの暴力性に負けてゴミ扱いされて追い出されてしまう。
そんな状態で視聴率上げようとしたら数多のワイドショーがやらかしたように捏造っぽい方向に行っちゃうのは仕方ないね。
んでもこの手の番組が培養してしまった視聴者は「報道番組がモンド系と違う」ので報道を信用しなくなり、「川口市でクルド人が傍若無人で治安崩壊!」とか「安芸高田市の市長が論破!」というショート動画をクリックしてモンド系の毒に身をうずめるのでした。なんつーかペニシリンが必要だな。
エプシロン階級が連日の様に大麻の所持で逮捕されている。そして、彼らの知能では秘密を隠しきれないので、(彼らの逮捕は)警察組織にとっては「交通標識の違反ポイントで待ち構えている卑怯な交通警察」を連想させるようなイージーゲームとなってもいる。それでChatGPTに質問してみた。
私:アルコール(酒)、タバコ、大麻の危険性の違いについて比較して教えて。
ChatGPT:アルコール、タバコ、そしてマリファナの危険性について比較すると、以下のような違いがあります。
アルコールは、摂取量によっては死亡する可能性がある危険な薬物であり、肝臓や脳などの器官に損傷を与えることがあります。また、アルコール中毒による交通事故や他人への暴力行為も起こりうるため、社会問題となっています。
タバコは、がんや呼吸器系の疾患など、健康に重大な影響を与えることが知られています。また、副流煙によって他人の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。タバコは非常に中毒性が高く、禁煙が非常に難しい場合があります。
マリファナは、健康上のリスクは他の薬物に比べて比較的低いとされていますが、それでも中毒性があり、長期間の使用によって記憶力や認知能力などに影響を与えることがあるとされています。また、精神病を引き起こす可能性があるとも報告されています。
以上のように、アルコール、タバコ、マリファナの危険性は、それぞれ異なる側面があります。健康に悪影響を及ぼすことがある点では共通していますが、それぞれに独自の問題があることがわかります。治療法については、個人や施設、プログラムによって異なるため、カウンセリング、薬物治療、サポートグループ、治療施設の定期的な訪問などが考えられます。
私:アルコール(酒)、タバコ、大麻の人体への有害性を的確に比較して。
ChatGPT:アルコール、タバコ、大麻はいずれも人体に有害ですが、その効果やレベルは異なります。
アルコールは抑うつ作用があり、時間が経つと肝臓、脳、その他の臓器にダメージを与える可能性があります。長期のアルコール乱用は、アルコール依存症、肝硬変、がんのリスク増加などの健康問題を引き起こす可能性があります。また、アルコールは傷害、暴力、死亡の主要な原因であり、判断力や運動能力を低下させ、事故やその他の危険な行動のリスクを高める可能性があります。
一方、タバコはニコチンを含み、肺がん、心臓病、脳卒中、その他の深刻な健康問題を引き起こす可能性のある、中毒性の高い物質である。また、タバコやその他のタバコ製品を吸うと、肺気腫や慢性気管支炎などの呼吸器系疾患を引き起こす可能性があります。副流煙も有害で、それにさらされる非喫煙者の健康被害を引き起こす可能性があります。
マリファナは、アルコールやタバコに比べれば害は少ないものの、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。大麻を吸うと呼吸器系の問題を引き起こす可能性があり、長期間の使用は、うつ病、不安、精神病などの精神衛生上の問題のリスク上昇と関連しています。しかし、アルコールやタバコとは異なり、マリファナには薬効があることが分かっており、慢性疼痛、吐き気、てんかんなどの特定の病状を治療するために使用されています。
全体として、3つの物質はすべて、さまざまな方法で人体に害を及ぼす可能性があります。これらの物質が引き起こす可能性のある害を最小限に抑えるためには、責任を持って適度に使用すること、あるいは完全に避けることが重要である。
予想通りというか、大麻よりも酒・煙草の方が健康に害がある、という回答となった。だからこそ、アメリカでは大麻の合法化が進んでいるのであり、タイでも合法化されているのだ。
それでは、どうして日本では大麻を所持していると逮捕されるのだろうか?
それは、日本では大麻の所持が違法だからだ。犯罪であり、「日本で大麻を所持していると犯罪者」なんだよね。そして「違法な薬物を扱っているのは暴力団などの犯罪組織」だから、売人から大麻を購入している人間は、自覚していなくても「犯罪組織が活性化する手助けをしている」ことになる。まさに犯罪者だ。
それでは、思考実験として、大麻と煙草の法的位置づけを入れ替えたらどうだろう?
たばこ屋やコンビニは、煙草は肺がんになるので売るのをやめて、代わりに大麻を売り始めるのである。JTは日本大麻に社名変更して大麻の栽培と販売を開始。大麻を合法化することにより、大麻を暴力団などの犯罪組織の資金源にすることを阻止することができる。そして、健康への害は酒や煙草のようには大きくない。
一方、法的に禁止された煙草は犯罪組織が取り扱い、密売人が販売することになるだろう。そもそも、依存性が強くて大麻よりも麻薬というワードと親和性が高い煙草を、政府が胴元となって国民に大々的に蔓延させてきたこれまでの経緯が異常だったのだ。これまで煙草というヤクをバラ撒いて税金をたっぷり吸い上げてきたのだから、煙草をやめられない依存症に対しては税金で更生プログラムを提供しなければならないだろう。
なお、大麻が他の薬物に手を染めるきっかけになるという主張は、たばこ屋やコンビニが大麻を扱い始めた場合「煙草は他の薬物に手を染めるきっかけになる」と主張するのと同義となる。
以上。現状、大麻は違法であり、「大麻を所持している人間は犯罪者」だという前提で書いた。
2024.01.22追記
私:アメリカではマリファナ(大麻)は健康に無害だと言われていますが、日本では有害だと言われています。結局のところ、マリファナは健康に無害なのでしょうか、それとも健康に有害なのでしょうか?
ChatGPT:マリファナの害の有無ついての認識は、文化的、法的、医学的背景によって異なる場合があります。娯楽目的と医療目的を区別し、個人の健康状態を考慮することが重要です。以下にいくつかの視点を示します。
アメリカ:
米国の一部の州では、娯楽用および/または医療用としてマリファナが合法化されています。多くの支持者は、鎮痛や特定の病状の管理などの薬効がある可能性があると主張しています。しかし、合法な場所であっても、特に長期にわたる娯楽目的での使用、精神的健康への影響、依存症に関連した問題など、潜在的な健康リスクについて議論があり、現在も研究が行われています。
日本:
日本では大麻は厳しく禁止されており、その所持や使用は法的責任を問われる可能性があります。マリファナに対する文化的および法的立場は一般に保守的です。
日本ではマリファナが有害であるという認識は、純粋に医学的な理由よりもむしろ法的および社会的規範に関連付けられていることがよくあります。
医学的観点から見ると、マリファナは完全に無害というわけではありません。特に特定の病状においては治療の可能性がありますが、その使用には潜在的なリスクが伴います。これらのリスクには、認知機能の低下、精神的健康上の問題(特に素因のある人)、喫煙による呼吸器系の問題、依存症などが含まれます。
まとめると、マリファナが有害か無害かという問題は複雑で、状況に依存します。医療への応用が可能であり、その安全性を主張する人もいるが、他の物質と同様、潜在的なリスクがないわけではありません。特定の地域におけるスタンスは、法律的、文化的、医学的な考慮事項の組み合わせを反映していることが多くあります。大麻の使用を検討する場合は、その地域の合法的な状況を把握し、健康歴に基づいた個別のアドバイスを医療専門家に相談する必要があります。
当方29歳男性、東京在住の中肉中背サラリーマン。年末休暇を利用して岡山に一泊一人旅に来ていた。
で、岡山に着いて早々に財布を落とした。現金も、カードも、すべて財布に入っていた。
気づいたその時から、この状況をサバイブし如何に東京に帰るのか、その手段を見つけることがこの旅の目標になった。
予め断っておくが、えっちなご都合展開とかは全くないので、そういう展開を期待する読者諸賢は、この段階でブラウザバックすることを強く推奨する。
まずもって幸いだったのは、事前にホテルの宿泊料金はwebを通じて支払い済みだったことだ。
師走の末に野宿は命に関わる。一泊5,000円のシティホテル故、問題解決に向けての協力は全くしてくれなかったが、それでも夜露をしのぐ屋根を提供してくれただけで御の字だった。
そして、一文無しとは言ったが、普段使っているSuicaには3,000円近い残高があり、コンビニでおにぎりやお茶を問題なく調達することが出来たので、飢えることもなかった。
電子マネー創成期は様々な規格が乱立しており、関東ローカルのSuicaが岡山でも問題なく利用できるに至るまでは、関係各社の粘り強い改善があったはずだ。その努力をしてくれた無名のヒーローたちに、私は心からの敬意を表させて頂く。
さて。財布を落としていの一番にすることは、カード会社への連絡と警察への連絡だ。
全ての連絡を滞りなく済ませてから、やはり一番の問題は如何に明日東京に帰るのか、という点にあると思い定めた。
未成年のころに自転車で2ケツしていたのをこっ酷く叱られたり、北海道旅行で前にも後ろにも一切車がいない一直線の道路を快走していたら、茂みに隠れていた交通警察の餌食になったりと、とかく良い印象がないのだが、最後の最後市井の味方になってくれるというのが警察というものであろう。
お金を落として警察に借りた的な逸話は何度か聞いたことがあったし、今回は岡山→東京の16,640円という金額の高さがネックではあるものの、窮状をしっかりと伝えれば何とかなろうとの思いで、先ほど遺失物届を出した交番に改めて連絡をした。
返ってきた答えは「警察はお金の貸し出しはしていないんですよ」だった。無情である。
曰く、確かに警官がお金を貸し出すケースはあるが、それはあくまでその警官の善意で、ポケットマネーでやっていることであって、警察として制度として運用しているものではない、とのことである。
私としてもさすがに今日初めて話した岡山の警官に、16,640円分の善意を強請るのは酷であろうと判断し、素直に引き下がることにした。
この時点では私はまだ、誰か知人に頼ることなく現状を切り抜けられるならそうしたいと考えていた。旅行先で財布落として無一文となって助けを求めるというのも、なんとも恥ずかしい話であるから。
次に思いついたのは消費者金融でキャッシングするという手である。
人生を堅実運営している私が彼らと接するのはテレビCMくらいなものではあったわけだが、「審査は30分で終了、即キャッシング!」とか、「初回借り入れは30日間利息無料!」とか、けたたましく主張していたのを思い出し、お、これはもしかして良い手かもしれないと思い、さっそく某P社のホームページにアクセスし、必要事項を記入し審査依頼を出した。
そういえば今期の住民税を期限内に払っていないことを思い出し(人生を堅実運営とは…)、クレジット履歴に傷がついていることを一瞬不安にも思ったが、よくよく考えてみるとこの程度の傷で貸し出し拒否していたらあんなに全国ネットでCMをアホほど流せるような事業規模になるわけがない。これはイケると思っていたら、さっそく担当者から電話がかかってきた。
通り一辺のやりとりを経て、お、こりゃこのまま問題なさそうだ、と思っていたのだが、
という質問から状況が暗転する。面倒くさくて免許証の住所の切り替えなんてしていなかったのである。
「いや、住所は前住所のままでして…」
「なるほど、ではこの場合2重チェックが必要ですので、健康保険証か、公共料金の支払いの控えはありますか」
保険証は財布とともに闇に消えた。公共料金の支払いの控えは、東京の自宅にはあろうが、困っているイマココは岡山である。
「いや、それはちょっと準備がむずかしく。。。」
「左様でございますか。大変申し訳ございませんが法律上のルールになっておりまして、条件が満たせない場合、お貸出しをするわけにはまいりません。お力になれず誠にもうしわけございません」
「いえ、こちらこそ、お手間を取らせまして。。。」
彼らは以前、法的にグレーゾーンな金利をとったり、無茶な貸付/回収をしたりして社会からバッシングを受け、金融庁にボコボコにたたかれ、巨大銀行グループの軍門に下り、今やすっかりお役所のような、丁寧でコンプラ意識の高い組織に生まれ変わっているようだった。
これが良いことなのか悪いことなのかといったら、多分良いことなのであろう。私はまた、日本社会の小さな改善を目の当たりにした気分であった。
さて。こうなってくるといよいよ手がなくなってくる。この段階からやむなく、誰か知人に頼ることを前提に考え、また調べ始めた。
そうしてみると、何より厳しいのが、今は年の瀬、しかも東京に帰らなければならない31日は土曜日という点である。日本が誇る金融ネットワークが悉く停止しているのだ。
もしも明日が普通の平日ならば。ゆうちょ銀行のサービス「電信現金払(窓口)」がベストソリューションであろう。
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_densin.html
「送金人の振替口座または総合口座から預り金を払い出し、送金人が指定したゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で、受取人が現金を受け取る送金方法」である。
ただし、ゆうちょ銀行の窓口機能が停止しているため、これは今回に関しては使えない。
知人に宿泊しているホテルに必要金額を振り込んでもらい、それを確認してもらってホテルから現金を受け渡して頂くことも考えたが、なんせ明日は入金の確認が出来ない。ボツである。
考えあぐねた結果、私は恥も外聞も投げ捨て、ソーシャルネットワークの力に頼ることにした。現状を整理し、友達が327人登録されているフェイスブックにヘルプ要請を投稿した。
今は21世紀。集合知を以て問題に立ち向かう。これが現代的なソリューションである。
そうしたらまぁ、実に多くの方から、心配/励ましのお言葉と、こういう手は使えないかな、というご提案を頂いた。感謝に堪えない話である。
一切観光していない岡山のシティホテルで、私は自分の豊かさを神に感謝した。そして、その中の一つの提案が実り、私は無事東京に帰れることになった。
①知人に最寄りのJR駅に行ってもらって、事情を説明したうえで、新幹線料金をその場で支払ってもらう。
②その最寄り駅の駅員から岡山駅の駅員に連絡してもらい、支払いが済んだ旨を報告してもらう。
③そうしたら、新幹線の乗車券の代わりとなる「業務連絡書(乙)」を発行してもらえる。これがあれば、新幹線に乗車することが出来る。
業務連絡書(乙)は、「運賃・料金の収受による便宜乗車について」定めたもので、「この業務連絡書をお持ちのお客様は、所持金不足ですが、○○駅に運賃・料金を支払われたことが確認されていますので、便宜乗車の取り扱いをお願いします」と記載してある。
要は、JR各社間で、私が今回直面した事態は事前に想定され、その対応策に至るまでしっかりと制度化されている、ということである。
さすがにイレギュラー対応であるし、現場の駅員さんは、私が最初に尋ねた際はその制度を正確に理解されていなかったが、おそらく後からマニュアルを確認し、迅速に対応くださった。
代金の立替は姉にお願いした。窮状を発信してから直ぐに連絡をくれて、最後まで力になってくれた。
終わってみればどうということもない話であるが、こちら側から「こういうことが出来ると思うのですが」と提案することなく空手で相談しに行っていたら、岡山駅の担当者がこのソリューションに思い至らず、未だ岡山をさ迷っていた可能性もある。
そういう意味では、私のソーシャルネットワークがもたらしてくれた情報には、大きな意味があった。
今回は最終的には使わなかったが、他にもソリューションとなり得る案がいくつかあった。
一番びっくりしたのは、ビットコインを用いた解決提案だった。曰く
②知人から新幹線代金相当のビットコインを送金(アプリケーション上で出来るらしい)
③ビットコインATMで換金(岡山駅周辺にも2か所あるらしい)
世の中はやれFintechだ、C2C金融だ騒がしいなと思っていたが、こういうことが出来るようになるのだと肌で感じた。世界は進んでいっている。
また、一番レガシーなやり方だが、直接お金を届けるよ、と言ってくれた方も2名いた。うち1名は香川に住んでいて、それでも岡山駅まで40分だからすぐだよ!と申し出てくれた。本当にうれしかった。
今回私は岡山に財布を落としに行ったようなものである。金銭的には大損だし、まぁ2度はやりたくないとは思う。
しかし、この2日間の体験は、単なる旅気分でぼーっと過ごすよりかは、きっと意義あるものになったとも感じる。
普段は見えない社会システムの裏側が、何だかんだ健全に稼働し、日々進歩していることを知ることが出来た。
ソーシャルネットワークの問題解決能力を、改めて知ることが出来た。
岡山に、行ってよかったな。
さて、新横浜駅を超えて、そろそろ東京に近づいてきた。年末年始は家族とゆっくり過ごそうと思う。
皆様、今年もお疲れ様でした。
【追記/2017-0101_11:10】
新年あけましておめでとうございます。朝起きてはてブ見たら、この記事がいきなり表示されててびっくりしました。お年玉ですかね?
とりあえずブコメで指摘されていた誤字は修正しました。新幹線の中でベタ打ちした文章をろくに推敲せずに投稿してしまったので...まさかこんなに多くの方にお目通しいただけるとは思っておらず、お恥ずかしい限りです。
以下、お正月で暇なので、いくつか気になったコメントをピックアップしまして、ご返答しますね。
・wdnsdy 財布をなくしたことがないので、財布をなくした話を聞くと一体どういう原因で財布をなくしたのか詳しく知りたくなるのだが、大体そこは誰も詳しく書いてくれていない。原因を知って完璧に備えたいんだがなあ
→ダウンジャケットのポケットに財布を入れていて、そのダウンジャケットを手で持って歩いていて、ふと気づいたら財布がなくなっていました。。。単なる不注意ですね。
・h5dhn9k 公衆接遇弁償費は使えるのでは?このケースでは使ってもどうしようもないけども。
→ほかの方のブコメにもありましたが、各都道府県警察ごとに、公衆接遇弁償費の制度があったりなかったりするようです。恐らく岡山はなかったのだろうと思います。
・outalaw SNSをやっていないからヒッチハイクしか思いつかない……。実際財布落としたらそれしか無いからトラックの運ちゃんに事情を話して乗せていってもらう。
・boymeetsgirlsorezoreno 面白かった。自分だったらヒッチハイクかな。とにかくお疲れ様でした!良いお年を!
→小賢しく頭を使うよりも、これが出来るコミュニケーション能力がある人が最強だと思います。私は見知らぬ他人と10時間近く運転席と助手席の関係になることが耐えられんだろうなと思いました。。。
・turione スマホ使えるなら新幹線のネット予約出来るんじゃ
→クレジットカード決済でネット予約したとしても、チケットを引き取る際にその決済したカードの実物が必要なので、今回はこの手が使えませんでした。
・keshitai おサイフケータイかiPhone7があればSuicaとクイックペイが使えるので何とかなる感がある
・kaitoster 自分だったらモバイルSuicaにクレカか銀行口座から2万円チャージしてサクッと新幹線で帰宅するかな・・・。モバイルSuica用のクレカは家に置きっぱなしで普段から持ち歩かないので紛失リスクがない。
・shoutatani スマホにポストペイ型電子マネーと、モバイルSuicaにクレジットカードを登録しておくだけで食には困らないし、宿泊もWebで登録済みカードがあればイケると思う。クレジットカードを一枚は持とう
・MrA-Z 思いついたのは…モバイルSuicaにキャリア決済で入金かな。
→私はPHS+ipod+wimaxのポケットwi-fiというセットで使っているので、モバイル端末に決済機能を持たせていなかったのです。リスクヘッジという面では、やはり様々な決済手段を分散して持っていたほうが良いと今回思い知りました。
・sanam おお、良かった。でも“北海道旅行で前にも後ろにも一切車がいない一直線の道路を快走していたら”これで急に動物が飛び出してきて事故る人も多いので気を付けてね。
→なるほど、そういうことなのですね。。。勉強になりました。まぁ、トラウマもあるので、次北海道でレンタカー借りる際は十分注意します。
・shngmsw ビットコインATMは六本木、渋谷、岡山、鹿児島にしかないらしい。東京と岡山の大都会間だからできたソリューションでしたね。 http://bitcoinjim.com/bitcoin-atm/
→そのサイトを運営している人がまさに、今回のソリューションを提案してくれた人でした。普通は思いつきすらしないですけど、もしかすると5年後にはこんなことも当たり前になっているのかも。。。?
・raic レガシーな方法から最先端のビットコインまで色々な解決策があるみたいだけど、その情報を収集できるスマホが手元にあったのが一番の要因だね。
→これはですね、本当にその通りです。私の場合はPCを持ち歩いていたので、専らPCを使って調べもの、連絡をしていましたが。とにかくインターネットすごい。
・mujou03 なんでまた岡山へ旅行したのか気になった