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2023-10-09

ラグビーW杯2023 10月8日第4週 日本 vs アルゼンチン レビュー

ラグビーW杯2023 フランス大会が始まって早1ヶ月。

秋も深い10月の第1週に、日本は予選突破をかけて南米の強豪アルゼンチンと対戦する。

おはようございますこんにちは、こんばんは。

レビュー増田です。


予選リーグラウンドは今週が最終週だが、これまでにほとんどのプール突破の2チームが決定しているような状況で、まだ2位が確定していないプールCでも、勝ち点計算としては順位の変動がありうるが、実力差を勘案すればほとんど逆転はないという状況になっている。

そんな中、今日行われる日本 vs アルゼンチン勝敗帰趨予測しづらい一戦で、最終週の試合としてはもっとも注目度と緊張感の高い試合と言える。


アルゼンチンといえば、国際リーグスーパーラグビー代表クローンチームを送り込む手法で強化を図ったチームの草分け的存在であり、参戦チームのハグアレスは参加当初こそ南半球最強リーグで苦戦していたが、2020シーズンにはファイナル進出するほどに成長。

その手法が実を結び、代表世界の強豪の一角として定着した。


自分が見るアルゼンチンボールを持った時の選択肢サモアより豊富だ。

ランもあるしエリアを取るキックもあるしアタッキングキックもある。

日本としては、ボールを持たれたら裏へのキックリスク承知で早いディフェンスアタックを潰して切り返すより攻めに転じる機会が無いように思う。


前進から始められるので原則として有利な自ボールキックオフ時でも一筋縄では行かなそうだ。

キックオフからボールの保持をやりとりして、相手陣まで入っての自ボールセットプレーまで落ち着けられたらしめたものだけど、そこにたどり着くまでに手前に蹴っても奥に蹴ってもアルゼンチンコンテストキックカウンターのランを仕掛けてきそうだ。


「この攻め方がハマれば相手を封じられる」というような戦略が立てづらく、常にリスクをとってチャンスを掴みに行かないといけない。


日本代表は今大会キック主体とした戦術試合を組み立てている。

日本が蹴るキックオールファン批判が多いが、現代ラグビーではディフェンスが整備されていて、突破きっかけを見出せないままボールをもってフェイズを重ねすぎても、相手からプレッシャーを受けてボールを失うリスクが高くなる。

なので自分キック戦術批判的ではない。

とはいえアルゼンチンとしては日本キックからカウンターを狙っていることだろう。


日本代表はPL稲垣が侍の生死をかける抜刀にこの一戦を例えたが、まさに緊張感を表したような発言だと思う。


日本はこの一戦でどう言った戦術をとるのだろうか。


ところで全くの余談だが、アルゼンチンのHCを務めるマイケル・チェイカ氏がファッションビジネス大成功を収めたビジネスマンであることは国際ラグビーファンの間では有名な話で、このことについて、チェイカ氏は「お金のことを考えずに意欲だけで仕事ができるのが自分の強みだ」とコメントしている。

なんとなく余裕を感じないでもない発言だが、南米の強豪の代表監督ともなれば、成果が振るわなかった時の批判想像を絶するものであろうことを思うと、お金心配どころではないもっとヤバめの心配別にあるのかもしれない。

とはいえ生活資金で追い詰められる心配をすることなく、名誉と使命感と情熱だけで勝敗が全てを決する世界に臨めるのは、職業人として羨ましい限りである


選手たちもまた、激しい衝突を恐れることなく、その腕の中に使命をしっかりと握りしめて戦う。

国歌斉唱では姫野は涙を流し、アルゼンチン選手は周囲の気温が上がるような闘志を発している。

情熱的な空気の中、アルゼンチンキックオフで試合は始まった。

前半

アルゼンチンは自ボールキックオフから松田の返しのキックを蹴らせて、日本陣内のラインアウト獲得でリスタート

この冒頭にとった非常に有利な展開で、日本は一度攻めをストップさせたものの、モールを組まれて崩された後に、抜けだしたサンティアゴチョコレスに2分で先制トライを許してしまった。

日本 0-7 アルゼンチン


日本キックオフでのリスタート、蹴らせたキックラインアウトを獲得したのはアルゼンチンと同じ展開だったが、ここでのラインアウト日本FWは確保できず、アルゼンチンボールとなってしまった。

攻撃のチャンスはそう簡単にこないので最大限に活かしたいが、ラインアウト日本代表W杯に入っても修正が間に合わなかったポイントで、貴重な機会が安定していないのが痛い。


この展開で日本は22m付近まで侵入を許した位置スクラムになったが、こちらは素晴らしいスクラムとなり、組み勝った日本PKで陣地を挽回した。

スクラムは結果によってラインアウトにつながる可能性がある重要セットプレーなので、優位性が見えるのは大きい。


再び攻め込んでくるアルゼンチンに対し、日本は粘り強くディフェンスをする。

何度かお互いに小さな反則を獲得しながら、日本齊藤スペシャルプレー、背面に向いてのハイパントから敵陣深く侵入し、トライ目前まで迫るがノックオントライならず。

引き続き、ボールを回して攻める。

日本としては、できるだけ長く相手陣でプレーしたい。


14分にアルゼンチンボールスクラムから日本切り返しリーチラインブレイク、このボールを繋いだロックのファカタバがまさかチップキックキャッチから快走をみせトライ

日本 7-7 アルゼンチン


アルゼンチンとしてはすぐさまキックオフからやり返したいが、せっかくの有利なシチュエーションノックオン

また、エリアをとりにきたキックミスになり、日本攻撃継続させてしまう。


前半20分というのはここでどちらが取るかで、中盤までの試合の流れが大きく動く時間帯だ。

22分、日本ディフェンスピーター”ラピース”ラブスカフニの頭が当たってしまい、イエローカードとなる。

このペナルティアルゼンチンPG選択

日本に攻められ続けて乗り切れなかったので、まずスコアを狙うのは良い判断のように思えたが、これをボフェリが外してしまう。

さらに脚を痛めたFLマテーラが負傷で交代。

アルゼンチン歯車がずれたような感じで、リズムを掴み切れなくなってきた。


相手調子を出せない間に畳み掛けたい日本だが、攻撃の中で蹴ったキックがクレメルのチャージあいボールを取り返したアルゼンチンに一気にゴールラインを越えられた。

29分日本 7-12 アルゼンチン

アルゼンチンはボフェリのキックが当たっていないので、コンバージョンで突き放し切れない。

日本が1人少ないのは絶好の得点チャンスなのに、5点しか取れないというのはアルゼンチンとしては納得できない結果だが、ラピースが帰ってくる直前にやっとボフェリのPGがきまり、苦労しながら1トライ差以上に突き放す8点差とした

日本 7-15 アルゼンチン


それでも均衡は簡単に崩れない。

日本はライリーフィフィタと繋いだボール齊藤が受け、これこそが彼のアビリティといえるフォローランで前半も残り少ない37分にトライ

日本 14-15 アルゼンチン とし、決定的な優位を見せられないアルゼンチン日本が食らいつく形で前半が終了した


前半のスタッツ

キャリーメートル

日本 235m - 272m アルゼンチン


キックゲイン

日本 308m - 306m アルゼンチン


テリトリー

日本 46% - 54% アルゼンチン


日本はこの一戦でもキックを使っているもの今までの3戦と比較するとやや少なく、ランで前進できている。

逆に数字が似通っているアルゼンチンボールを持っての攻めがディフェンスに捕まったりミスで停滞している印象を受け、結果日本攻撃時間が長くなっている。


ハイボ、ラインアウトで機会が取れない日本と、単調な攻撃ミスで決定機を掴めないアルゼンチン

どちらがより上手に修正して後半を自分達の形にできるのだろうか。


後半

日本キックオフで後半のスタート

ほとんど点差がない中でなんとか後半最初得点相手プレッシャーをかけたい。

長い攻防でお互いスコアできない時間帯が続くが、アルゼンチン試合冒頭で優位性を見せたものの、使っていなかったモール日本を押し込み、45分にトライ


自分達の強みに立ち戻ろうとするようなプレーで、単なる7点以上に大きな影響を感じさせるものだった。

ハーフタイム修正が入ったのかもしれない。

日本 14-22 アルゼンチン


離されたくない日本は49分にアルゼンチンキックミスで深く侵入しての松田ショットで追い縋り、日本 17-22 アルゼンチン

国際映像2度目の登場となるラグビー芸人しんやガッツポーズフランスからシーソーゲームの熱気を伝える。


後半に入ってからも、アルゼンチンボールを持ってのランでなかなか前進できない。

日本ディフェンスがいいのか、アルゼンチンがまだ自分達の強みを発見しきれてないのか、どうも両方のように見える。


アルゼンチンが未だ調子を掴み切れない中、56分にはレメキが意表をつくドロップゴールを決め、日本 20-22 アルゼンチン勝敗帰趨がまだ全く見えてこない。


しかし、ここでアルゼンチンキックオフは、キャッチ時に正面の日光が目に入った姫野がノックオン

22mセンター、絶好の位置で獲得したスクラムから、59分にアルゼンチンがチャンスを生かしてトライ

日本 20-29 アルゼンチン


60分は非常に重要時間帯だ、ここでどちらが加点できるかで試合が終わるか、終盤までもつれるか決まる。

少しでも点差を詰めたい状況で日本ペナルティキックを獲得する。

3点でもあとワントライで逆転までの点差内にとらえるが、トライを狙いに行く日本

このリスクをとった選択があたり、65分にタップキックから攻撃で交代出場のナイカブラがゴール右隅に飛び込んでトライ

松田が脅威の正確性で難しい角度のコンバージョンキックも決めて、日本 27-29アルゼンチン


残り時間は15分、こんな時間になってまでまだ勝敗が朧げにも見えてこないのは全く驚きだ。

日本は追いつきたいし、アルゼンチンは突き放したい。

ここでアルゼンチンキックオフから今まで結果としてつながっていなかったランでの崩しがついに成功し、トライ

日本 27-36 アルゼンチン


70分をすぎても終盤まで続くペース争い、80分がすぎてもボールがつながっている間はプレーが続くラグビーにあって、9点差は未だ逆転の可能性がある点数だ。

しかし残り時間が刻々とすぎていく中で、点差の意味が徐々に変わっていく。

最後可能性にかける日本

しか勝利を確実にしたいアルゼンチンが75分についにPGを獲得、1トライ1ゴール1PGでも追いつけない12点差をつけることに成功した。


78分、2分で2トライというほとんど不可能にも見える可能性をまだ捨てず、相手陣深く侵入する日本

ここでトライできるかどうかは勝利への最後のチャンスと言っていいが、無情にもアルゼンチンがこのボールを取り返す。

80分、アルゼンチンボールを蹴り出して試合終了。

日本 27-39 アルゼンチン

張り詰めた80分の末、勝利は青と白のジャージ選手たちが掴んだ。


試合後、SNSタイムラインには「やはりアルゼンチンは強かった、差があった」という感想が踊った。

かにアルゼンチン圧力は強く、点差も1トライ以上離されたが、では内容までアルゼンチンが圧倒していたかというと、実態全然違う。

日本代表の戦いぶりは素晴らしく、アルゼンチンは終盤までペースを掴めていなかった。

最後の瞬間まで日本勝利可能性を追い、アルゼンチンが突き放すために死力を尽くすという、見る側にまで強度を要求するようなゲームだった。


試合の細かい点をふりかえると、アルゼンチン試合冒頭ではモールの優位性を見せた割に、前半をランの単調な攻めに固執してペースを掴み損ねていたものの、後半になってから思い出したようにモールパントを織り交ぜた攻めを見せてきて、そこから日本は失点した。

不調時にあって見事な修正力が効いた形になったように思う。

これが底力というものなのだろう。


日本としてはラインアウトが悪かったのは、試合支配できなかった大きな要因だと思う。

数字上では8/9で1本しか失っていないが、プレッシャーさらされクリーンに攻めにつなげられた機会は少なかった。

この点はW杯前に完成度の粗が指摘されていた面でもあり、予選の最終盤でそれが結果として跳ね返ってきてしまった。

同じく心配されていたスクラム完璧に近い形で修正成功していただけに悔まれポイントだった。


8年前、日本代表世界最強のチームの一つである南アフリカを破って、日本中、ラグビーファン以外にまで広がるインパクトを届けた。

4年前には自国開催W杯欧州の強豪を次々と破って史上初となる予選リーグ突破を成し遂げた。


それでも自分はまだ日本代表の実力を信じきれていなかった。

一時のピークなのではないか自国開催が実力以上のパフォーマンスを出させたのではないか


大会は強化への道のりも平坦ではなく、遠いフランスへの遠征地の利もない。

3敗、4敗があったとしても不思議ではないとさえ感じていた。


しかし、初出場の勇敢なチリを降し、前評判の高かったサモアプランが見えるような試合で封じ込めた。

負けた対イングランドアルゼンチン戦でも、流れに入っていけず一蹴されたような試合ではなく、むしろ少し違っていれば勝てるかもしれないというような見事な内容だった。


礎を作ったエディー・ジョーンズと今回で勇退するジェイミー・ジョセフは、日本を真に強いチームに押し上げた。

そして、日本代表選手たちは強豪国の選手というのにふさわしい戦いぶりを見せてくれた。

すばらしい1ヶ月、そして10年以上にも及ぶ戦いだった。


これで日本代表2023年W杯は終わり、大会を去ることになる。

日本中を巻き込むようなインパクトの再来がならずとなったのは残念だ。

でも、今大会日本が見せてくれたたしかな軌跡は、4年後にも確実につながっていくことになるだろうと思う。


4年前、南アフリカに敗れて流は泣き、今日アルゼンチンに敗れて松田が泣いた。

また4年後涙が流れるかもしれない、でもその涙が、次の日本代表戦士の喜びの涙となると、僕は信じている。


anond:20230930035211

2020-12-02

地方田舎には中国製格安超小型電気自動車必要

田舎に住んでます。さて、anond:20201201184650 を読んで、この記事を思い出した。

田舎に足がないのは本当で、みんな16になれば原付免許は取るし、家に一人1台の車があるのは当たり前なんだけど(昔から住んでいる人たちは農家なので車を止めるスペースはある)、それが無い人は詰んでしまうよね。かと言って、独り身で引っ越してきた人が車を買うのは負担が大きいし、原付以上軽自動車未満の手軽な乗り物必要だと痛感している。

検索すると電気自動車は以前から話題になっていたみたいで、こんな記事が引っかかってきたし

ブコメアリババリンクを貼っている人がいたので、検索すると値段も記事の40万円から下は10万円までの原付を買うのと変わらないぐらいの値段帯で種類があることがわかった。この値段帯でそこそこの物ならニーズはあると思うのだけど、どこかで輸入して販売してくれないだろうか。

電動キックボードの話もあるけど、あれも妙な規制そのままでは使えないけど、この田舎は人も通らない道で規制をかけなくてもぶつかる物もないのだから、そのまま使わせてくれればいいんだけど

2020-01-04

成田山初詣伊東2020年快走

B5編成6両(成田側6号車。よって座席番号は伊東側が1番、南側がA列。中間車の1番と反対端の窓は固定、6号車は端も開閉可能

東京駅を通過するという珍列車横須賀線飛ばします来年185系で是非!

2017-09-26

自転車好調な売り上げと健康増進効果

https://anond.hatelabo.jp/20170925155940

高額自転車、売れ行き快走 電動は10万~12万円が主流  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO03491970Q6A610C1000000/

気軽に乗れる暮らしの足というイメージが強い自転車で、高額品の売れ行きが好調だ。

一般的自転車だと数千円から3万円で買えるが、電動アシスト自転車10万円以上する商品が一気に普及した。

趣味として楽しむ自転車10万円以上が当たり前になった。圧倒的に高い自転車にはどんな魅力があるのだろうか。

■電動車、スポーツ車市場が拡大

電動アシスト自転車の快進撃 ついにバイクの年間出荷台数を追い抜く

http://diamond.jp/articles/-/11028

二輪市場の新スター、電動自転車 出荷台数バイク抜く

http://cyclist.sanspo.com/8483

電動アシスト自転車原付バイクの2倍売上 存在感高まる

http://thutmose.blog.jp/archives/45444067.html

バイクよりエコな「電動自転車時代の到来か 出荷台数上回る

http://gmmi.jp/press_news/news/item/914

原付バイク需要が激減…電動アシスト自転車に人気の座を奪われる

http://news.livedoor.com/article/detail/12114894/

2016-12-31

【追記しました】岡山旅行中、財布落として無一文になった。

当方29歳男性東京在住の中肉中背サラリーマン年末休暇を利用して岡山に一泊一人旅に来ていた。

で、岡山に着いて早々に財布を落とした。現金も、カードも、すべて財布に入っていた。

気づいたその時から、この状況をサバイブし如何に東京に帰るのか、その手段を見つけることがこの旅の目標になった。

予め断っておくが、えっちなご都合展開とかは全くないので、そういう展開を期待する読者諸賢は、この段階でブラウザバックすることを強く推奨する。

まずもって幸いだったのは、事前にホテル宿泊料金はwebを通じて支払い済みだったことだ。

師走の末に野宿は命に関わる。一泊5,000円のシティホテル故、問題解決に向けての協力は全くしてくれなかったが、それでも夜露をしのぐ屋根提供してくれただけで御の字だった。

そして、一文無しとは言ったが、普段使っているSuicaには3,000円近い残高があり、コンビニおにぎりお茶問題なく調達することが出来たので、飢えることもなかった。

電子マネー創成期は様々な規格が乱立しており、関東ローカルSuica岡山でも問題なく利用できるに至るまでは、関係各社の粘り強い改善があったはずだ。その努力をしてくれた無名ヒーローたちに、私は心からの敬意を表させて頂く。

さて。財布を落としていの一番にすることは、カード会社への連絡と警察への連絡だ。

この辺りはさすがに29年も生きていれば手慣れたものである

全ての連絡を滞りなく済ませてから、やはり一番の問題は如何に明日東京に帰るのか、という点にあると思い定めた。

最初に思い浮かんだのはやはり、困った時の警察頼み。

未成年のころに自転車で2ケツしていたのをこっ酷く叱られたり、北海道旅行で前にも後ろにも一切車がいない一直線の道路快走していたら、茂みに隠れていた交通警察の餌食になったりと、とかく良い印象がないのだが、最後最後市井の味方になってくれるというのが警察というものであろう。

お金を落として警察に借りた的な逸話は何度か聞いたことがあったし、今回は岡山東京の16,640円という金額の高さがネックではあるものの、窮状をしっかりと伝えれば何とかなろうとの思いで、先ほど遺失物届を出した交番に改めて連絡をした。

返ってきた答えは「警察お金の貸し出しはしていないんですよ」だった。無情である

曰く、確かに警官お金を貸し出すケースはあるが、それはあくまでその警官善意で、ポケットマネーでやっていることであって、警察として制度として運用しているものではない、とのことである

私としてもさすがに今日初めて話した岡山警官に、16,640円分の善意強請るのは酷であろうと判断し、素直に引き下がることにした。

この時点では私はまだ、誰か知人に頼ることなく現状を切り抜けられるならそうしたいと考えていた。旅行先で財布落として無一文となって助けを求めるというのも、なんとも恥ずかしい話であるから

次に思いついたのは消費者金融キャッシングするという手である

人生を堅実運営している私が彼らと接するのはテレビCMくらいなものではあったわけだが、「審査は30分で終了、即キャッシング!」とか、「初回借り入れは30日間利息無料!」とか、けたたましく主張していたのを思い出し、お、これはもしかして良い手かもしれないと思い、さっそく某P社のホームページアクセスし、必要事項を記入し審査依頼を出した。

そういえば今期の住民税を期限内に払っていないことを思い出し(人生を堅実運営とは…)、クレジット履歴に傷がついていることを一瞬不安にも思ったが、よくよく考えてみるとこの程度の傷で貸し出し拒否していたらあんなに全国ネットでCMをアホほど流せるような事業規模になるわけがない。これはイケると思っていたら、さっそく担当者から電話がかかってきた。

通り一辺のやりとりを経て、お、こりゃこのまま問題なさそうだ、と思っていたのだが、

免許証の住所は現住所となっていますか」

という質問から状況が暗転する。面倒くさくて免許証の住所の切り替えなんてしていなかったのである

「いや、住所は前住所のままでして…」

「なるほど、ではこの場合2重チェックが必要ですので、健康保険証か、公共料金の支払いの控えはありますか」

保険証は財布とともに闇に消えた。公共料金の支払いの控えは、東京の自宅にはあろうが、困っているイマココ岡山である

「いや、それはちょっと準備がむずかしく。。。」

「左様でございますか。大変申し訳ございませんが法律上ルールになっておりまして、条件が満たせない場合、お貸出しをするわけにはまいりません。お力になれず誠にもうしわけございません」

「いえ、こちらこそ、お手間を取らせまして。。。」

消費者金融でのキャッシングの道も潰えた。

彼らは以前、法的にグレーゾーン金利をとったり、無茶な貸付/回収をしたりして社会からバッシングを受け、金融庁ボコボコにたたかれ、巨大銀行グループ軍門下り、今やすっかりお役所のような、丁寧でコンプラ意識の高い組織に生まれ変わっているようだった。

これが良いことなのか悪いことなのかといったら、多分良いことなのであろう。私はまた、日本社会の小さな改善を目の当たりにした気分であった。

さて。こうなってくるといよいよ手がなくなってくる。この段階からやむなく、誰か知人に頼ることを前提に考え、また調べ始めた。

そうしてみると、何より厳しいのが、今は年の瀬しか東京に帰らなければならない31日は土曜日という点である日本が誇る金融ネットワークが悉く停止しているのだ。

もしも明日が普通の平日ならば。ゆうちょ銀行サービス電信現金払(窓口)」がベストソリューションであろう。

http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_densin.html

「送金人の振替口座または総合口座から預り金を払い出し、送金人が指定したゆうちょ銀行または郵便局貯金窓口で、受取人が現金を受け取る送金方法」である

ただし、ゆうちょ銀行の窓口機能が停止しているため、これは今回に関しては使えない。

知人に宿泊しているホテル必要金額を振り込んでもらい、それを確認してもらってホテルから現金を受け渡して頂くことも考えたが、なんせ明日は入金の確認が出来ない。ボツである

考えあぐねた結果、私は恥も外聞も投げ捨て、ソーシャルネットワークの力に頼ることにした。現状を整理し、友達が327人登録されているフェイスブックヘルプ要請投稿した。

今は21世紀集合知を以て問題に立ち向かう。これが現代的なソリューションである

そうしたらまぁ、実に多くの方から心配/励ましのお言葉と、こういう手は使えないかな、というご提案を頂いた。感謝に堪えない話である

一切観光していない岡山シティホテルで、私は自分の豊かさを神に感謝した。そして、その中の一つの提案が実り、私は無事東京に帰れることになった。

解決はいたってシンプルだった。

①知人に最寄りのJR駅に行ってもらって、事情説明したうえで、新幹線料金をその場で支払ってもらう。

②その最寄り駅の駅員から岡山駅の駅員に連絡してもらい、支払いが済んだ旨を報告してもらう。

③そうしたら、新幹線乗車券の代わりとなる「業務連絡書(乙)」を発行してもらえる。これがあれば、新幹線に乗車することが出来る。

業務連絡書(乙)は、「運賃・料金の収受による便宜乗車について」定めたもので、「この業務連絡書をお持ちのお客様は、所持金不足ですが、○○駅に運賃・料金を支払われたことが確認されていますので、便宜乗車の取り扱いをお願いします」と記載してある。

要は、JR各社間で、私が今回直面した事態は事前に想定され、その対応策に至るまでしっかりと制度化されている、ということである

さすがにイレギュラー対応であるし、現場の駅員さんは、私が最初に尋ねた際はその制度を正確に理解されていなかったが、おそらく後からマニュアルを確認し、迅速に対応くださった。

代金の立替は姉にお願いした。窮状を発信してから直ぐに連絡をくれて、最後まで力になってくれた。

終わってみればどうということもない話であるが、こちら側から「こういうことが出来ると思うのですが」と提案することな空手相談しに行っていたら、岡山駅担当者がこのソリューションに思い至らず、未だ岡山をさ迷っていた可能性もある。

そういう意味では、私のソーシャルネットワークがもたらしてくれた情報には、大きな意味があった。

今回は最終的には使わなかったが、他にもソリューションとなり得る案がいくつかあった。

一番びっくりしたのは、ビットコインを用いた解決提案だった。曰く

①私がビットコインアカウントを取得する(すぐ出来るらしい)

②知人から新幹線代金相当のビットコインを送金(アプリケーション上で出来るらしい)

ビットコインATMで換金(岡山駅周辺にも2か所あるらしい)

世の中はやれFintechだ、C2C金融だ騒がしいなと思っていたが、こういうことが出来るようになるのだと肌で感じた。世界は進んでいっている。

また、一番レガシーなやり方だが、直接お金を届けるよ、と言ってくれた方も2名いた。うち1名は香川に住んでいて、それでも岡山駅まで40分だからすぐだよ!と申し出てくれた。本当にうれしかった。

今回私は岡山に財布を落としに行ったようなものである金銭的には大損だし、まぁ2度はやりたくないとは思う。

しかし、この2日間の体験は、単なる旅気分でぼーっと過ごすよりかは、きっと意義あるものになったとも感じる。

普段は見えない社会システムの裏側が、何だかんだ健全に稼働し、日々進歩していることを知ることが出来た。

ソーシャルネットワーク問題解決能力を、改めて知ることが出来た。

家族、友人の暖かい心遣いを感じることが出来た。

岡山に、行ってよかったな。

さて、新横浜駅を超えて、そろそろ東京に近づいてきた。年末年始家族ゆっくり過ごそうと思う。

皆様、今年もお疲れ様でした。

【追記/2017-0101_11:10】

新年あけましておめでとうございます。朝起きてはてブ見たら、この記事がいきなり表示されててびっくりしました。お年玉ですかね?

とりあえずブコメで指摘されていた誤字は修正しました。新幹線の中でベタ打ちした文章をろくに推敲せずに投稿してしまったので...まさかこんなに多くの方にお目通しいただけるとは思っておらず、お恥ずかしい限りです。

以下、お正月で暇なので、いくつか気になったコメントピックアップしまして、ご返答しますね。

・wdnsdy 財布をなくしたことがないので、財布をなくした話を聞くと一体どういう原因で財布をなくしたのか詳しく知りたくなるのだが、大体そこは誰も詳しく書いてくれていない。原因を知って完璧に備えたいんだがなあ

→ダウンジャケットポケットに財布を入れていて、そのダウンジャケットを手で持って歩いていて、ふと気づいたら財布がなくなっていました。。。単なる不注意ですね。

・h5dhn9k 公衆接遇弁償費は使えるのでは?このケースでは使ってもどうしようもないけども。

→ほかの方のブコメにもありましたが、各都道府県警察ごとに、公衆接遇弁償費制度があったりなかったりするようです。恐らく岡山はなかったのだろうと思います

・outalaw SNSをやっていないかヒッチハイクしか思いつかない……。実際財布落としたらそれしかいかトラックの運ちゃんに事情を話して乗せていってもらう。

・boymeetsgirlsorezoreno 面白かった。自分だったらヒッチハイクかな。とにかくお疲れ様でした!良いお年を

→小賢しく頭を使うよりも、これが出来るコミュニケーション能力がある人が最強だと思います。私は見知らぬ他人と10時間近く運転席と助手席関係になることが耐えられんだろうなと思いました。。。

・turione スマホ使えるなら新幹線ネット予約出来るんじゃ

クレジットカード決済でネット予約したとしても、チケットを引き取る際にその決済したカードの実物が必要なので、今回はこの手が使えませんでした。

・keshitai おサイフケータイiPhone7があればSuicaクイックペイが使えるので何とかなる感がある

・kaitoster 自分だったらモバイルSuicaクレカ銀行口座から2万円チャージしてサクッと新幹線帰宅するかな・・・モバイルSuica用のクレカは家に置きっぱなしで普段から持ち歩かないので紛失リスクがない。

・shoutatani スマホポストペイ電子マネーと、モバイルSuicaクレジットカード登録しておくだけで食には困らないし、宿泊もWebで登録済みカードがあればイケると思う。クレジットカードを一枚は持とう

・MrA-Z 思いついたのは…モバイルSuicaキャリア決済で入金かな。

→私はPHS+ipodwimaxポケットwi-fiというセットで使っているので、モバイル端末に決済機能を持たせていなかったのです。リスクヘッジという面では、やはり様々な決済手段分散して持っていたほうが良いと今回思い知りました。

・sanam おお、良かった。でも“北海道旅行で前にも後ろにも一切車がいない一直線の道路快走していたら”これで急に動物が飛び出してきて事故る人も多いので気を付けてね。

→なるほど、そういうことなのですね。。。勉強になりました。まぁ、トラウマもあるので、次北海道レンタカー借りる際は十分注意します。

・shngmsw ビットコインATMは六本木渋谷岡山鹿児島しかないらしい。東京岡山大都会間だからできたソリューションでしたね。 http://bitcoinjim.com/bitcoin-atm/

→そのサイト運営している人がまさに、今回のソリューション提案してくれた人でした。普通は思いつきすらしないですけど、もしかすると5年後にはこんなことも当たり前になっているのかも。。。?

・raic レガシーな方法から最先端ビットコインまで色々な解決策があるみたいだけど、その情報を収集できるスマホが手元にあったのが一番の要因だね。

→これはですね、本当にその通りです。私の場合はPCを持ち歩いていたので、専らPCを使って調べもの、連絡をしていましたが。とにかくインターネットすごい。

・Sediment 岡山で何を観光するつもりだったのか

・mujou03 なんでまた岡山へ旅行したのか気になった

→これはですね、秘密です(笑)

 
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