はてなキーワード: タブーとは
昔の職場で、Windowsの画面がいわゆるハイコントラストになっている人がいた。
「〇〇さんの画面はハイコントラストなんですね」と上司に言ったところ、「うん、そういう理由は考えないでいいから」と言われた。
はあ?ハイコントラスト使ってますね、って言っただけなのだが・・・
馬鹿でもないかぎり色覚障害とかそういう知識は常識としてあるはずで、中卒みたいにそんなことでいじったり叫んだりするわけねえだろ。
「それを話題にすること自体がタブー」みたいな扱いは障碍者に対しても失礼だろ。
バイト女子をナンパした客をストーカーして自宅までついていくみたいな事件起こすんだろうな、と思った。
ハイコントラストの社員もバイト女子もお前の家族じゃねえよ豚。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20220130134113
確かに子供だけを避けても意味あるか?とも思うけど、ノーマスクの子供はこの時期怖いからコメ主の気持ちもわかる
なのに、ボロクソいう書き込みがある。
関わりを避けるのもダメなのか?
学校のコロナ対策が進まないのもツイフェミみたいなお気持ちヤクザが暴れてるせいだと考えると本当に先生がかわいそう
まあ妄想であって欲しいけど
これを書いた者です。
https://anond.hatelabo.jp/20220120142843
まず、様々な意見を頂き、ありがとうございます。
専門家のような方からのトラバも頂き、それも反響が大きかったようで、
元の記事を書いた私としては嬉しい限りです。
一方で、思うことが多くあります。
その多くは「自分で考えろ」など、ロジックを持たず中身のない批判でした。
例を示します。
id:hajimaritoowarini 触れちゃいけない人だ
id:death_yasude このとぼけた感じ
id:poppo-george この手の「なんで?」増田には都度「専門家がめちゃめちゃ研究・議論してるのになんで本を読まないの?」と問いたい。そして大抵本当に聞きたい/言いたい本心は別にある。自覚してんのかはわからないけど。
id:mangabon 聞く前に本読めよ。知ったかぶりのアホばかりのネットで聞いてどうするよ。
id:iiefujii 大前提が欠けてる人って感じ。
id:harusyo 現代っ子。わからないことはネットで単語検索し、Yahoo知恵袋や増田で知らない人から正しいかわからない情報を聞き、知った気になろうとしてる。いくらでも書籍あるわけだし、本当に知りたいならここで聞くのは間違い
id:ghosttan こういう「タブーに疑問を持っちゃう俺ww」みたいな質問定期的に現れるが、そのたびに共感性羞恥が発生する…。「なんで人を殺しちゃいけないの?」みたいなやつ。「本読めや」で終了。
id:carios 自分は調べてないけど、まずそういう本があると思うのだけど、、、こういう層が中田敦彦の動画とかYouTubeの断言する人を見て「なるほど!」ってなるのかしら
id:morita_non ある特定の能力だけ残せるとか伸ばせるとかお花畑にも程がある。
id:djsouchou 「どうして殺人は良くないの?」と聞いて回る小学生メソッドだ
いくつか抜粋しただけですが、このような感じです。質問に答えることもなく、文献をポイントすることもなく、ただ批判的なことだけを書く方が多いです。
これを見てわかったのですが、「優生学について知りたい」などの優生学関連の発言をする人に対し、
「優生学について発言してる!それは駄目だ!」と批判したい人が多くいる 、ということです。
理由は本人もよくわかっていないものの、優生学はタブーらしい。
そのような、ポリコレ棒の道具として使われている風潮があるのだと思います。
しかしそれでも愚かな批判があるのは、SJW が愚かなのと同じ構図でした。
私が愚かだとしても、理由もなく私を批判した人も同じように愚かです。
「本を読め」系の批判は理解はできますが、ではあなたは何か疑問があったら
すぐ本を読むほど暇なのですか、と問いたい。
知りたいことなどたくさんあるし、インターネット上に記事もたくさんあるのだから、まずは低コストなインターネット上の記事などに期待するのは当然だと思うのですが、いきなり初手から本を読むべきなのですか?読む本もわかっていないのに?
優生学について知らないから質問したら「お前は馬鹿か、本を読め」という批判は真っ当なものですか?
id:siesind id:casa1908 id:takeshiketa id:ghosttan id:shiroikona333 id:oka_mailer
あなた方は知りたいことがあればまずインターネットで調べることもなく、まず本を読むのですか?
本の選び方も何もわかっていないのに?それは愚かじゃないですか?
ここまでの流れを自分なりに整理したくなったのでまとめてみた
増田A...…どうして優生学がタブーとされるのか知りたい増田。すべての始まり。
増田B...…集団遺伝学の視点から優生学に意味がないことを諭す増田。この議論の流れを作る。
増田C...…増田Bの議論に科学的に怪しい点を多数発見し指摘。人の手の介入により人間は遺伝的に強い生物になれるという立場。ちょっと口が悪い。
増田D...…かつて集団遺伝学の論文の投稿経験もある実力派。増田Cの反論に対して、より現実的な立場からの意見を述べる。
某ミュージシャンの「国がスーパースターの遺伝子を管理して、スーパースター同士で子供を作らせればより強いスターができるじゃない!」という発言が炎上したことに対し、増田Aが違和感を抱く。
「個人レベルでは優秀な遺伝子でパートナーを選別するのはみんな当たり前にやっているのにどうして?」
これをはてな匿名ダイアリーに投稿したところ、「なにをいまさら……」みたいな感じで軽く盛り上がってしまう。余談だが、ここで増田Aが「優生学」と「優生思想」という言葉を混ぜて使ってしまったことで議論が少しややこしくなった気がする。
反応の多くは倫理的な批判だったが、その中で目を引くトラックバックを投稿したのが増田B。ゲノム科学者と名乗るBは、集団遺伝学的な以下の点から優生学は突出した人類を生み出すことは不可能と述べる。(私はここでちょっと納得しちゃいました)
拍手喝采!増田Aも「こういうのが読みたかった!」と追記し、物語は終わりを迎える……。ように思われたが、よくよく調べると増田Bの言っていることは科学的に怪しいということがわかってくる。
その代表が増田Cの投稿だ。CはBの投稿を精査し、一文一文について真偽を確かめていった。
Cが「間違い探し?」と言っているように、指摘の多くはBの自論を補強するための根拠に誤りがある、というものなので割愛するが、最も大きな意見の違いは以下のBの意見が完全に誤りだと述べている点だろう。
動植物の育種に代表されるように、遺伝的に有利な集団を作り出すことは人間でも可能というのが増田Cの意見である。
そこで現れたのが増田Dである。当初は増田Cと同様、増田Bには反対する立場だったが、トラバを眺めてるうちに「意外と合ってるんじゃね?」となってCの議論に意を唱える結果となったらしい。
個人的な感想だが、増田Dはより「ヒト」という種全体での形質について着眼しているように感じた。
増田Cの意見としては、「背の高い人同士で子供を作らせて、背の低い人は子供を作らせないようにすれば種全体として平均身長が上がる」って話だと思うんだが、増田Dの意見は自分は以下のように解釈している。(間違ってたらゴメンナサイ)
Cの意見はBの意見を否定する材料としては十分だが、以下の理由から優生学的に人類を選別するメリットはあまりないというのがDの意見かなと思う。
淘汰圧に上限を設定するというのが増田Dの意見の大きな根拠かと思いました。集団遺伝学は難しいですね。
Aさんの「ほんとに優生学って悪なの?」という疑問に集団遺伝学的な面からメスを入れるという議論が見られて面白かったです。この流れを作ったBさんに感謝ですね。
増田Cさんはかなり議論を具体化してくれたんのですが、立場がいまいちわからなかったのがモヤモヤポイントでした。増田Bさんの誤りにイライラして投稿したのは伝わってきたのですが条件設定が非現実的で、ちょっと極端な思考実験的にも感じました。あと思想として優生学的な手法を是とするか否とするが気になったところです。(もう少し優しい感じのサイエンスコミュニケーションを見たいかもね……)
Cさんの意見がその他の条件を一切排除した場合の考察に対し、増田Dさんは現実的な条件設定のもと選択圧を適用したという仮定について考察されてよみやすかったです。
たしかにこういう議論になると極端な設定を考えてしまいますが、絶滅しても淘汰圧かけるぞ!とはなりませんもんね。勉強になりました。
結局のところ優生学がなぜ悪か、という一番知りたかったテーマにはたどり着けていないのですがいろんな人が取り上げてた本を読み漁ってみます。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、その他のみなさん、ありがとうございました
日本だけではなく、ヨーロッパの平和ボケサヨクも同じように終わると思う。
第二次大戦の反省か何か知らないが、あっちは日本以上に戦争についてタブーだと考えているフシがある。
EUの軍事力を増強するとなると、必然的にドイツ一国の軍事力に頼らなければならない。
EUの戦力増強を進めれば進めるほど、ドイツの影響力が増すことになり、それが「ドイツ封じ込め」という戦後レジームと矛盾することになる。
作物や家畜やペットで行われていることを、「人間」を対象にする、ということに違いがあると思います。
現在、中国がウイグル族というオオカミを従順なイヌ化させようとしている、ことがありますね。
この行為自体の正当性は国家制度や文化に依存するもので、これが日本ではNoであるのは人類平等と基本的人権にからくることです。
ただ、できるかできないか、と、タブーにするかどうか、というのは少し違っていて、タブーなのは批判することも危険だから、ではないでしょうか。
現実にやっている/うけいれる国(や文化)とやっていない/うけいれられない国(や文化)がある以上、双方を上手にいなせながら(安全に)議論するのは相当難しいです。
オミクロンについては休園休校がてき面に効くと言われてるが全く動きがない。
正直五類などのノーガード戦略をしないにも関わらず何もしないのは奇怪に見える。
疑問に思ってたところ、この記事を見つけた。どうも休校にして家で子供を見てもらうというのは社会のタブーのようだ。
鳥取県平井知事「実は全国の知事がみんな言うのは学校のことなんですね。それで、なかなか政府も、ここはタブーなのかあんまりおっしゃらないんですが、やっぱり学校の対策というのは非常に重要だと思います。それで、今、学校での感染が本県でもクラスターが相次ぎまして報告をされているところです」
週末になるとみんなでビラを折るんだ。そこでビラをただ折りを手伝っていた。
小さかったので、折り紙の容量でどんどん折っていった。
他の友達は子ども会とか習い事をしている中で、自分は親に連れられて政治関連の大会に出ることもあった。
小さかったので、何かぼーっとお茶とお菓子を食べる場所として過ごしていた。
高学年くらいになると、段々自分の家と周りの家の違いが分かるようになってきた。
選挙時期になると親は土日は会議、平日も仕事終わりに会議に出かけていくし、電話かけとか選挙カーとかにのって、街頭ではチラシを配る。
そんな親たちと鉢合わせしたくなくて、逃げるようにその場を去ったこともある。
選挙ポスターも貼ってあるし、友人らにその意味を理解されたくなくて家に呼びたくなくなった。
大量の政治関連の新聞記事のスクラップや政党支持のチラシを広げて、テレビ番組のゴールデンタイムはBSのニュース番組がずっと流れてる。
社会問題に対する認識をずっと植え続けられることに拒否反応を起こしていた。何で自分は家に帰ってきてもずっと、社会に目を向けなきゃいけないのと感じていた。
それで親は家事は任せ、夜は再び会議に行く。政治家じゃないよ、一般の政党支持者の話だよ。家庭の事を省みない態度に思春期は辟易したが、もう諦めた。
大学を卒業し、社会人になって結婚とか色々考える時に、ますます親の事が気にかかった。
相手の家にどう思われるんだろう。家には絶対呼べないと思った。自分と親は違うけど、明確にある政党を支持してるって思想をもった家は繋がりをもてるのか?
だから、政治のことを半端に分かってる人じゃなくて、なんかよく分からないくらいの人が相手にいいなと思ったし、気にしない人がいいという願いもある。
何だろうな。政治が大事だと思うし、親の事は否定できない。けど明確に、指示政党の立場示す行為を続けることって何かタブーなんだよ。自分的にだけど。
すげー卑屈になってくんだ。親が必死になってる様を見てかっこいいなと思うより前に、狂信的な態度におびえちまったというか。それが与党だったらまだ許せたのかな?
とにかくすごい閉塞的な気分になってくんだ。親が政治活動やってるってことが。周りからどう思われてるのかすげー怖い。早く家を出ろって話なのかもしれないけど。
自分もその親の子どもだから、若手として期待されるような声をかけられることがある。ジェンダー?SDGs?貧困?・・・社会問題を一緒に解決しようという眼差しが自分にはすごく、辛い。
疲れた。もう何でもいいそんなの。
進化生物学を学べば優生学が理にかなわない事はすぐ理解できますが、如何せん優生学は人間のもつ社会性と直感的に結びつくようデザインされていますので、時代が変わっても何度でも掘り起こされてしまいます。
進化生物学を学べば優生学が理にかなわない事はすぐ理解できますが、如何せん優生学は人間のもつ社会性と直感的に結びつくようデザインされていますので、時代が変わっても何度でも掘り起こされてしまいます。
「優生学が倫理的な問題を抱えていることは知っているが、なぜタブーとされているのかわからない」って問題提起してるのに、科学的的な立場からの解説に「こういうのが読みたかった」って納得するのは増田本人も何が聞きたかったのがあやふやだったのかな…
それか増田自身が優生学は良くないって思える具体的な理由が欲しかったのか
そもそも聞きたかったのは国家プロジェクトで優秀な遺伝子を保護しようぜ!って思想が倫理的に受け入れられないのはなぜかってところだと思ってるし、俺もそこ気になってる
「ナチスドイツが振り回して大量に人が死んだのでアレはもう抹殺です」っていうなら、例えば共産主義なんか、もう永遠に「次の機会」なんて与えちゃダメだと思うんだけど
なぜかそういう話にはならないんだよな
「人の能力なんて遺伝子じゃわかりませえええん!」っていうおなじみのアレにしたって、科学は嫌でも日々進歩しているわけで、明日どうなるかなんて誰にもわからない
「確かに今までは失敗しましたが、それはやる側が不完全だったからで優生学自体が間違ってたわけじゃありません、次の優生学はきっとうまくやるでしょう」
と、そういう奴が出てきたっておかしくはない
まあそれはそれでいい
でも↑の優生学を共産主義に置き換えると、今でもマジなノリでそんなこと言ってるのがいる
どうなんだあれは
問題は100問、満点は1000、調べる時間は取れても30分程度、人名地名会社名は漏れなく、各国家の歴代指導者の名前レベルまでは押さえておきたい、600点を下回ると他教科での挽回は難しい
音声入力はひらがな固定、トップ校以外では問題ない(トップ校は漢字変換必須)、速口記は佐藤2000式も可
定番問題は何度も説明があるだろうから省く、読解のミスが一番痛いので落ち着くこと
用語説明問題は20字×5文×5段落をめやすに、数式や図表は別タブで添付、タイトルの設定は各自で行う、直近のものより廃ったものが出やすい
展望問題は論旨を明確に、白書の内容だけでは点がもらえない、答えが無いと思われがちだが事実誤認をしているなどは大幅に減点となる、自身の経験もインパクト小
群衆心理問題は過去問で十分、スピードを重視、ただしアジテーションに関するものは要注意で政治やスパイに絡めるのは誤解を招くリスクが大きい
資金調達問題は知識問題でもあるがプレゼン能力が問われている、試験なので突破の仕掛けがある、泣き落としはタブー
異文化理解問題は宗教周りがマスト、各国に特異の制度はそこまで出ない、毎年どこかの学校は逆に複数国に共通の制度や、その成り立ちの説明問題が出る
所作問題は20点、時間もかからないので肩慣らしとして一番最初に解くのがお勧め、出題者が取らせる問題、正装着用でなりきって過ごすのは1度やれば十分
序列問題は難しく考えすぎない、意味深長な動画の演出に惑わされない、倍速再生の受験生は名前の間違いが多いので注意
義務権利問題は教科書で十分だが余裕があれば判例の講義(大学)に目を通す
独占業務問題は各専門家にどこまで任せられるかをあからさまに示すと減点されない
総合問題は最後に、問題を確認したら解く前に他各小問の見直し、3ページずつ表示だと見やすい、コピペでの入力は長い単語を繰り返し使わざるを得ない場合以外は極力控える、15分は余らせておきたい
まあ、なんちゅうか、トラバも盛大に伸びているので、私の書くここまで、元増田は辿り着かないかもしれませんが・・・
私はゲノム科学者ですが、元増田の持つ疑問は、別に自然なものだと思うんですよね。というより、ゲノム配列決定が非常に身近になっている昨今、ちゃんと向き合っていかなければならない疑問だと思っています。私は私の持つ知識の範囲で、疑問にお答えしたいと思います。倫理は専門外なので扱いません。タブーとか扱いません。裏の意図を読もうとしているブコメが多数ありましたが、理系なのでよくわかりません。
まず、元増田の挙げているような、運動能力、将棋の能力、見た目の美醜とか、学歴、といったヒト個人ごとに異なる特徴を「形質」と言います。形質を遺伝学の観点から見ると大きく分けて二つあり、単一遺伝子型(メンデル型)と多遺伝子型(多因子型)です。
おそらく優生学にせよ遺伝にせよ、専門外の人が通常頭に思い浮かべるのは単一遺伝子型です。この場合、メンデルの法則により顕性(優性)または潜性(劣性)のモードで、親から子に形質が伝達されます。単一遺伝子型の形質として最も簡単に思い浮かべられるのは遺伝病です。あと、お酒飲める飲めないもギリギリそうです(これは本当は少数遺伝子+多遺伝子型だけど)。あと、耳垢が乾いてるか湿ってるかとか。親指が90度以上後ろに曲がるかとか。
そして、この遺伝病に対して優生学政策を行ったのがナチスドイツというわけです。遺伝病の人を断種させようとしたんですな。流石に元増田はそんなことが良いと思っているわけではないと思いますが。
遺伝病の断種は、遺伝病の根絶について特に有効ではないと考えられています。まず、潜性遺伝病の場合はどうでしょうか。これは、両方の染色体に、多くは遺伝子機能欠失型の遺伝子変異があると起こります。親は、片方しか持っていなければ健康なのですね。すると、両方の遺伝子変異を持つ遺伝病患者を断種させたところで、片方だけを持つ親が世の中にたくさんいるわけです。どれくらいの数いるか?実はね・・・地球上の全人類で、これを持ってない人はいないと考えられています。今、個人の全ゲノム塩基配列決定とか普通にできてますからね。観察的にそうです。さてそれでも、両方の遺伝子欠失を持つ遺伝病の人を断種させれば、徐々に遺伝病は減っていくでしょうか?実はね・・・そうならないと考えられます。ハーディ・ワインベルクの法則って言うんですけどね。
さてそれでは、顕性遺伝病の場合はどうでしょうか。これは、染色体の片方にでも遺伝子変異があれば発症するもので、つまり、遺伝病を発症している人を断種させれば理論的に根絶できます、が、実はね・・・ヒトゲノムには突然変異が起こるのです。もちろんこれが進化の原動力なわけですが、これにより、顕性遺伝病も発生します。つまり、両親が健康で、遺伝子変異を片方持つわけではない場合でも、子に突然変異が発生して顕性遺伝病は起きるのです。デノボ突然変異って言います。
ただしね・・・現在では、人工授精の際、受精卵の染色体やゲノム配列を調べて、遺伝病になるゲノムを持つ受精卵を選択しない、という医療、これって、実現化してるんですよ。ダウン症はすでに一般化してますが、単一遺伝子疾患もできます。この、遺伝病の子になるなら産まない選択・・・これは優生学的判断ではないのか?これってめっちゃ難しく、元増田を多くの人が簡単に批判しているほど単純な問題ではないと思います。私は、個人の選択は優生学とは言わず、個人の自由であるとは思うものの。倫理の専門家ではないので理論武装がしっかりしているか、自信はありません。受精の時点で人権が生じるという考えからすれば、これは殺人であり、虐殺です。ただ一つ言えるのは、ナチスドイツの断種法と異なり、この受精卵選択は、科学的に有効な医療であると言うことです。
さて、ここまで読んでくれば読者は気づいたでしょうが、運動能力、見た目の美醜、学歴、といったものは、これは単一遺伝子型ではありません。もし、学歴を問わない父親と、東大卒の母親から生まれた子の1/2が東大卒になると言うなら、これは単一遺伝子型の顕性遺伝と言うことになりますが、そんなわけはありません、経験的に。誰も行かないこともあるし、佐藤ママみたいに4人全部行くこともあるでしょう。単一遺伝子型なら、こういうばらつきは起きません。ばらつきが起きるが、一定の遺伝性はあるように見える形質、これは多遺伝子型です。
単一遺伝子型は、確かに、遺伝情報を調べると病気になるかどうかかなり高い確率がわかって、この事実だけを見ると、遺伝子決定論を信じたくなります。ところがですね、幸いなことに、遺伝病ってとっても稀なんです。世の中のほとんどの病気は多遺伝子型です。あなたのコレステロール値すら予測が難しい。多遺伝子型は、遺伝的変異が多数関わるだけでなく、環境によって大きく変化するんです。学歴も、運動能力も・・・そして見た目もです。
この多遺伝子型の形質には、単一ではないとするならどれくらいの数の遺伝的変異が関与するでしょうか。これはここ10年くらいで確定してきた最新のところではあるのですが、どうも最低数千あるようです。それぞれの形質に、それぞれ数千です。こんなにたくさん因子があるとどうなるかというと、中心極限定理により正規分布します。多遺伝子型の形質は、正規分布するのです。すると何が起こるでしょう?
平均への回帰です。
いみじくも優生学の創始者ゴールトンが明らかにしたのが、親の身長とその子の身長を比較すると、極端に身長の高い親の子は、どちらかというと平均側、普通っぽい身長の方にシフトする、と言う現象です。それで回帰というわけですね。平均に戻る、ってことです。どういうことでしょうか。メジャーリーグMVPの大谷翔平の子は、みんなメジャーリーグとかよりもずっと普通っぽい才能になるだろう、ってことです。ええ、皆さん、知ってますよね。長嶋茂雄の子もそうだった。野村克也の子もそうだった。あれが理論通りなんです。教育環境がいいから、それでも普通よりはいい方に行くわけですけど、親と同じような超絶スーパーエリートにはならなくて、それは統計学的に予想通りでして、確率統計の基礎の基礎、正規分布の性質により説明できます。大体さ、大谷翔平の親はどうなのよ。メジャーリーガーだったわけじゃないわけですね。
まあ、それでも、意味があるじゃないかっていうかもですね。平均への回帰って言っても極端だったのが極端でなくなる、ってわけで、身長が高い親の子の平均値は、身長が低い親の子の平均値よりは高いです。平均だけの話で、大幅にオーバーラップしますが。それでも平均を徐々に上げていけばいいじゃないかと。ところが、多遺伝子型には数千もの遺伝的変異が関係するというのはどういうことかというと、単一遺伝子型のように、どれか一つの遺伝的変異はどれか一つの遺伝病に対応する・・・ということになりません。重複しちゃうんです。ある遺伝的変異は、ある形質にも、別の形質にも、関係する。多面的関連と言います。例えば身長を高くする遺伝的変異は、同時にがんになりやすくする多面的関連を持つことが多いことがわかっています。するとどうなるか。身長を高くするように、集団の結婚相手を操作していくと、がんが多くなって寿命が短くなるでしょう。では学歴はどうか?学歴を高くする遺伝的変異は・・うつ病になりやすくすることがわかっています。どうでしょうか。基本的に優生学というのは、国家の文脈で語られます。学歴の高い国民をより多数生み出し、国家の生産性を上げたい、というわけです。しかしどうでしょうか。うつ病が増えると、生産性はどうでしょうか。私はうつ病の人は生産性が悪いと言いたいわけではありません。しかし、優生学論者のロジックは成立しますか?(明示的に成立するとは言えないのではないですか?)と言いたいのです。
多遺伝子型の遺伝構造はまだわかっていないことも多く、「優生学的操作」をしてどうなるかすらわかっていないんですよ。形質に遺伝的因子があるなら、優生学的操作をすれば人類は必ず優秀になる・・・というのが元増田の議論の開始点だと思いますが、そこ、すでに間違ってるんです。