はてなキーワード: サイエンスコミュニケーションとは
医者・医師会はこれまでコロナウイルスについて「正しく恐れる」ことが重要だとして、様々な啓蒙活動を行ってきた。
この「正しく恐れる」ための情報発信は、社会全体の感染抑制に資するものであり、重要な役割を果たしてきたと思う。
ただ、「医療崩壊」についても同様の明晰さと誠実さを兼ね備えた情報発信がなされているかというと、かなり怪しいと感じてしまう。
政府・経済側は「医療崩壊」の定義が曖昧だから良いように使う、といった批判があるけれど、同様のことは医療側にも言えるのではないか。
あいまいな定義で利益相反を無視して無駄に煽っているのは、お互い様なんじゃないか。
この辺りを整理すれば、もっと有益な議論や判断ができるのではないか。
論点を例示すると、
何かよく判らないけど「医療崩壊」とかするんですよ!
それが怖かったら愚民どもは俺たちお医者様の言うことを聞けよ!
と言うなら、それはコロナに関する無責任な情報発信と同様、利益相反の煽りでしか無い。
「正しく恐れる」ための情報発信を、それぞれの専門性のもとで貫いてほしい。
そうでなければ、専門家への信頼は地に落ち、誰も望まない混乱が今後も続いていくだろう。
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https://anond.hatelabo.jp/20210110030830
いくつか内容の理解に役立ちそうな情報をメモしておきます。...
https://anond.hatelabo.jp/20210110113704
いろいろ議論はあるけど、一つ重要な切り口は「公的病院」(公立病院、国公立大学病院等)と「民間病院」(医療法人経営の病院、開業医院)の性質の違いかな。...
一つの観点としての公的病院と民間病院の対比。どのあたりを変えると今後の効率化につながりそうか。
たくさん議論をいただいたけれど、定量的な全体の状況把握はやはり難しそうか。本当は厚生労働省あたりに頑張ってほしい。
「コロナウイルスとは」あたりまでは純粋なサイエンスコミュニケーションの問題であり、個人や行政から良質な情報提供があった。
あるいは、足りない部分は英語サイトを自分でたどれば議論もデータも豊富にあり、状況把握にも行動指針策定にも支障はなかった。
これが「医療制度とは」「医療崩壊とは」になると、やたらと強い言葉で根拠不明なことを言う人が増えて、よく判らなくなった。
しかも日本のことなので日本語の情報をたどるしかなく、もうちょっと何かないかと増田に書いた次第。
全体的なことは判らないままだけど、上記のようにもうちょっと効率的にできる要素はありそうということは判った。
煽るなと言いつつお前が煽ってるだろ、というのはそのとおりで、正直すまんかった。
が判らないと解釈できなくない?ということ。個別事象ではなく全体像を踏まえないと、状況や医療者の提言、また為政者の行為(あるいは行為しないこと)を評価できない。
日本国民は残念ながら上記のような定量的な考え方で意思決定を行う訓練を受けておらず、副作用かもしれないエピソードをニュースで見たからといってHPVワクチンを撲滅して喜ぶ人たちなので、あまり大きな期待はしていない。ただ、(あるいは左記のような国だから順接として、)個人的にはもう少し全体像を知りたいと思う。
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追記1・みなさんの反応
tobalno1 全身麻酔での手術後は数日間呼吸器管理になってICUに入室することも多いから、コロナで呼吸器や病床が埋まるとあらゆる科での重症の手術をストップしないといけなくなるんで全ての科で医療崩壊するよ。
これは公立病院については今ある脅威。一方で、コロナを受け入れていない医療法人経営の病院は大丈夫なのではないか。あるいはICUを持つような医療法人経営の病院はほとんどコロナ対応をしているということなのか。その辺の定量的な情報もあまり発信されていないように思う。
noho-sibe コロナ関係の対応が逼迫するだけでも十分医療崩壊だと思う、今コロナに感染するリスクが高くなっているわけだし
コロナに関してはそうだけど、それ以外の医療についても崩壊するというイメージ作りが行われているので、その確度が知りたい。「コロナが大変」と「コロナとその周辺が大変」と「もう何でも全部大変」はかなり違うのに、その辺りを混ぜて定性的に煽るのは不毛。
skgctom というか医療に限らず、自粛で仕事なくて死にそうな人とコロナで仕事増えまくって死にそうな人が同じ国の中で別々に苦しんでるのがほんとやるせない。中国みたいな共産国なら簡単に人員のやりくりが出来るんだろうか
一文目について同意。煽り合っている場合ではない。中国がどうなっているのかはよく判らないけれど、日本とは制度も規模も違いすぎるのであまり参考にはならないのではないか。
furseal コロナに割けるリソースが限界を超えることを医療崩壊と呼んでるのは明白。そうなると、高度医療から提供が難しくなる。医療者はそれを避けたいが、どの病院も機能しなくなるまで崩壊してないと言いたいならどうぞ
このコメントのように、「どの病院も機能しなくなる」ことまで示唆する人がいる一方、本文にも書いたようにそこにいたる機序があまり説明されていないのが問題。専門性の壁があるので全員コロナ医師・全部コロナ病院には出来ないなら、どの病院も機能しなくなるというのは単なる煽りではないか。
nmcli きのう都内では透析患者の病床が満床というニュースが出た。今日以降は透析を受けられずに死ぬ都民が出てくることになる。コロナ以外の死者が増えたらもうこれは医療崩壊だと思うが、その視点がないのはなぜ。
このニュースかな。
コロナ感染透析患者 都内は満床 https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210108/1000058672.html
基礎疾患のある人がコロナになると大変というのはよく知られているし、その近隣の医療機能が飽和するといった影響はあるだろう。ただ「どの病院も機能しなくなる」といった発言が散見されるので、もう少し粒度の高い情報発信が、建設的な議論のためには必要と考える。
yzkuma 「それは医療崩壊ですか?」そんなの今定義しても意味ないし議論してる暇もない。今どんどん「通常診療を切り崩して」コロナに充ててる。ベッドも人も資源も結構限界だって言ってる。とにかく外に出ないでください。
推奨行動指針としては「とにかく外に出ないでください」で良いのかもしれない。ただ市民としてはどのような根拠や予測の元にそうなっているのか知る必要がある。その議論や情報共有が無意味とするのは危険だし、現状の課題把握にも将来の改善にもつながらない。あなたは全知全能の独裁者か何かか?
a8888 今必要なのは公的病院の急性期病床とその人員で、私的病院の慢性期病床がいくらあっても意味がないからねぇ。そういう意味では、ずっと病床を削減してきたせいだという批判も的が外れているのよね。
このコメントのように、単なる病床数ではなく、病床の性質も踏まえた議論も必要、というのが、医療者が市民や為政者に発信できる重要な情報。これを踏まえて今後の制度改善が行われれば良い。煽りは不毛。
医療崩壊がバズワードなので、それを「否定しようとする」とか言われてもよく判りません🦁
soratansu 第1波時よりも少ない病床数で乗りきれると思っていた医療体制側は非難されて然るべき https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG041BM0U1A100C2000000
本文と少し視点は違うけど、この辺もしっかりしてほしいと思う。
ツイッターとかで、小学校の算数で掛け算を逆にしたらバツというのはおかしいとかドヤ顔で騒いでるじゃん?
馬鹿?
バツに決まってる。
そうじゃないと、将来大人になってさ、
Aさんは、常にエクセルファイルを、物品名、金額(円)、個数(個)、合計金額(円)の順で管理していました。
たとえば、ペン、50、60、3000みたいに。
Bさんは、常に、物品名、個数、金額、合計金額の順で管理していました。
でも、どちらだとしても数学的に誤りではないので、上司も誰も何も言いませんでした。
ある4月、AさんはBさんの部署に異動になりました。Aさんはいつものように、エクセルファイルを立ち上げ、今日購入する分を……。
確かに、異動して新しいところに来たんだから、ちゃんとファイルの項目名確認して慎重にやれよっていうのはわかる。
1日目は、慎重にやるかもしれない。でも、時間が経って、何も考えずルーチン的にやるようになると、習慣って馬鹿にならないよね。
日本全国で、色んなミスが多くなれば、少なからずそれって損失になる。
誰が悪いかはさておき、どうすべきか、パッと思いつく効率いい方法って、たぶん今思った事と同じっしょ?
それが、義務教育であって、社会で生きていくための教養だと思う。
んなこと、小学生でもわかるし、わかるからこそ逆にしちゃうの。
気になるなら、物理学科に行ってから、可換かそうでないかとかそういうの議論すりゃいい。
そういうセンセーとか自称科学リテラシー高い人に限って、逆にしただけでバツつけんなとか言ってるけどさ、
「サイエンスコミュニケーション」って、「科学的素養の無い愚かな一般人に正確な科学的考え方を啓蒙しよう」じゃないっしょ。
方向性として、たとえば、「科学的知見を、わかりやすく社会に役立つ形で提供して、より良い社会にすること」でしょ?
だから、算数の順番は、それが数学じゃなくて算数で、社会で生きるための義務教育である限り、
なるべく統一されるべきであって、それが本人の役に立つと思う。
いくら、科学が出来ても、社会に出て、○○さんの書類はぐちゃぐちゃで作り直さないと使えない、とか、
そこの「ルール」よりも自分のルールにこだわってスムーズにいかない、とか、
誰だって言われるの嫌じゃん? 頑張って勉強したのに、そういうことで批判されるの悲しくない?
研究職にはついていない。
論文はある程度読み取れる。
stap関連のあれこれはそれなりに追っている。
とにかく声を大にして言いたいことは、これはサイエンスコミュニケーションにかかわる問題だということです。
科学者コミュニティ(だいぶアバウトなまとめ方ですが、便利なので使っていきます)からすれば、
小保方さんが随分と悪質な捏造を行ったことはほぼ確定ルートと言って良い状況と思います。
ここで修士を出た程度の僕があれこれ書き散らすまでもなく、
理研や有志の方々がいずれ粛々と事実を明らかにしてくださることでしょう。
そしてその結果得られた見解が科学者コミュニティ共通のものとなることに、
(そこまで専門性の高い知識がなくとも判断できる程度の捏造があるので)それほど困難はないはずです。
少なくとも小保方晴子という人の科学者としての信用は既に地に落ちていて、再び浮上することはないでしょう。
しかし巷の人々に聞けば、
「よくわからない」「結局stap細胞があればOK」「佐村河内は悪いけど小保方さんはかわいそう」「理研の偉い人に利用されて、尻尾切りね」
と言いますよ。尋常ではない割合の高さでこのどれかが返ってきます。
それこそがこの問題のすべてといっても過言ではない。
だからこそ僕たちはこんなにもこの件に関して憤っているのではないですか?
この問題がここまで広がったことの一因は、最初の時点での広報戦略でしたが、
理研が疑義についての会見を開いた後、あれだけ不利な状況で弁護士を雇って反論会見を開くなどと、
度肝を抜かれたのは僕だけではないはずです。
小保方さんという人は一般の人々に対する訴えかけが本当に上手だった。
一方で理研の会見から、一般の人々が何か読み取ることができたでしょうか?
僕はそう思いません。
小保方さんが不正をしたんだぞって雰囲気が、理研の会見にはほんとになかったな…。
これだけわかりやすい不正を、これだけ沢山の人々が認識できずにいることは、
わからないことを印象だけで判断し信じこんでしまう人々にも問題はありますが、
仮に分野外の人がこの問題に感心をもち、実際何が起こっているかを独自に調べ始めたとして、
この件に関して発信される情報のほとんどが、一般の人々に対する意味をなしていないのです。
例え話を使って上手に解説してくださっているブログ記事もいくつかありますが、数が少ない。
とにかく科学者の皆さんは、慎重で、控えめで、それは本当は素晴らしいことなのですが。
そりゃ、根拠となる資料は沢山公になっていますよ。
今回問題になった小保方論文だってオープンアクセスになっているし。
けれど真にフェアに問題を議論するためには、生命科学や論文作成、実験作法についての教養を身につけ、
論文を始めとする膨大な資料に全てあたってから論じなければならないわけです。
「あれだけ堂々とstap細胞あります!って言い切ってんだからたぶんあの子悪くないよ」って、なりますよ。
だから、科学者コミュニティが今しなければならないことは、ただ事実のデータを列挙することでも、
専門用語を駆使して不正を検証していくことでも、他の研究者の不正を洗っておくことでもなくて、
自分のフィルターを通して、この問題を一般にもわかる言い方で伝えていくことだと思っています。
小保方さんばかり追及してないで他の研究不正も、という主張の方もいらっしゃいますが、
内容のお粗末さもさることながら、
著名人にも小保方さんを的外れに擁護している方が散見されます。
挙句山中さんにまで飛び火して、科学そのものに対する信用の崩壊にさえつながろうとしている最中に、
悠長に他何人もの論文を調査して、「悪意のある捏造」の定義を詰めている場合ではないです。
ただそれを丁寧にやればやるほど専門化が進んで、コミュニティ内部でのみ効力を発揮することになっていくはずで、
少なくとも結果わかったことをそのまんま発信する意味はほとんどないと思います。
正しく正確であればいいってものじゃない。
もちろん、
研究不正を防ぐため、あるいは明らかにしてこれを罰するために何をすべきか。
研究ができればいいというものではない、研究者間の人間関係、権力争いのあれこれ。
など、
今回の件が提起する問題は山とありますが、研究不正はこの件に限った話ではないです。
ことstap論文問題について特筆される問題は、一般に対する訴求力です。
これに尽きます。このことをもっともっと問題視していただきたいと考えます。
僕の拙い文章で、うまく伝わるでしょうか。
理系離れ対策は「サイ活(サイエンス活動)」から——。政府は近く、若者と研究の現場との橋渡し役となる「サイエンスコミュニケーター」を募集する。
これまで地域や大学単位でサイエンスカフェなど科学の普及に取り組んできた国内の大学・NPO、市町村などが互いに連携する「にっぽんサイエンス応援団+(プラス)」(仮称)を、国が新たに組織。そこでサイエンスコミュニケーターが情報を集約し、将来ある若者と研究室との「出会いの場」づくりをするという構想だ。
サイエンスコミュニケーターはNPO法人に雇用してもらう。「視野が広く、柔軟な人になってもらいたい。年齢や性別、既婚未婚は問わないが、博士号取得者に期待する。ただし予算には期待しないでほしい」と国の担当者。
国によると、国内の大学の理工系学生の割合(平成20年)は男子12%、女子7%。いずれも文系学生の割合を大きく下回っており、10年前と比べると男性は2ポイント、女性は1ポイント減っている。また、博士号取得者の就職率は63%(平成20年)で、博士の就職問題が深刻な問題になっている。大学院重点化政策尻ぬぐい課の担当者は「博士の就職の場をサイエンスコミュニケーションの場にも広げることで、これまで接触のなかった人どうしが出会え、博士の就職問題および理系離れ解消にもつながる」と安易に期待している。(多重杏奈)
Inspired by 「お見合いおばさん、ならぬコーディネーター 山形で募集http://www.asahi.com/national/update/0618/TKY200906180321.html」
*これはフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。
*統計資料:平成20年度学校基本調査http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/08121201/index.htm、
BTJジャーナル2008年9月号http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0809