はてなキーワード: 審査員とは
ショパンコンクールで、有望視されていた牛田さんが3次予選に進めなかったことでざわついている。
ピアノ演奏の基本的な技量がトップクラスであることは疑いようが無い演奏ができており、「なんで?」という声があがるのも当然だ。
減点要素としては、これは素人の感想だが、他のコンテスタントが自分の限界に挑戦するようなギリギリの演奏をしているのに対して、牛田さんはやや守りに入った無難な選曲に見えてしまった。それで審査員の心証を悪くしてしまい、厳しい採点になってしまったのではないかと思った。致命的だったのは英雄ポロネーズ。よく言えば個性的な演奏だったが、審査員の判断が分かれる演奏をしてしまうと、つまり一部の審査員は厳しい点になるわけで、そこが敗因になったのではないかと感じた。
なぜ牛田さんが落ちて角野さんが通るんだ、という批判は一理ある。確かに角野さんは他のコンテスタントの平均的なレベルと比較して、ミスタッチがやや多かった。しかし、それ以上に、カンのいい、スター性のある演奏が出来ていたと思う。ショパンコンクールは「次世代を担うスターピアニストの発掘・育成」も目的の1つと言われており、コンクール開催者にとって、角野さんは望ましいピアニスト像を持った人の1人に写ったのだろうと思われる。
twitterで話題になっていた例の高専プロコンの審査員の発言と態度の件
「言い方が悪かったのは明らかだが、発言の主旨は正しくて、これはハラスメントと言うほどではない」というような旨の発言をしていて意外だった。
なんとなく読み解くと、「態度と内容は直交している」というような発言もあったので、表題を思いついた。
ハラスメントを定義するためにハラスメントの程度を表すハラスメント度を考えてみる。
ある発言に対してハラスメント度を算出する関数を考えるとする。
この前提のもとにハラスメントであるとはハラスメント度が一定の閾値を超えた発言の事である。と言えそうな気がする。
とすると上の発言を正当化するにはハラスメント度は態度と内容の線形和で表せて、
件の発言は態度としてはアウトだけど正しさを足してみるとトータルハラスメント度としてはセーフという理屈に(発言者にとっては)なるのではないか。
でもその主張(ハラスメントではなかった)に異議を申し立てる人としては、正しさによって下がるハラスメント度はそんなに大きくなくて、「これはハラスメントでしょ」と言ってるように見える。
なんならハラスメント度と内容(正しさ)は直交していると言いたげなぐらいの人も居そう。つまり人それぞれに独自の係数を持っている。
ここからは個人の意見だけど、線形和で書いていくとしたら緊急性とか公益性とかとかも入りそうだなあと思った。
例えば何か工事現場のようなところで大きなものが倒れてくる時に、人間うっかり手で支えようとしたりしちゃう習性がありそばで見てる人が「馬鹿野郎!逃げろ!」みたいな事は割と現実にある気がするけど、これをハラスメントと言うことはそんなにない。
緊急性がめちゃめちゃに高く、内容としても正しいので態度を凌駕してハラスメント度が上がらないのである。
リアルタイム性のある仕事って割と傍から見ると怒号が飛びがちなイメージもあり、そういうもんかなと思う。
あと公益性を思いついたのは名誉棄損罪みたいなものの例でも良いし、あるいは感覚的な「ここで放っておくと冗長する」から「怒る/叱ることが必要」という主張をしてる人たちを正当化しそうなパラメーターだなと思ったからだ。
それでいて個々人の差が大きそうなパラメーターでもあると思う。
最初の例の人も言外にそんなニュアンスを感じたので、コミュニティに貢献するタイプはむしろこういう使命感が高めだったりするんだろうか。
ハラスメント度を表す線形和に組み入れたい要素、ほかに何か思いついたら教えてください。
「双方の合意」みたいなのは客観性が薄いのと、一方だけが合意してると勘違いしてるパターンが多そうなので(それが割とハラスメントの本質っぽくもある)別次元かなあと思っています。
今日のキングオブコントの審査員は松本人志のみ発表されていて、それ以外の四人は当日に発表されるらしい。
願望も織り交ぜつつ、本気で審査員を予想してみた。
<予想した四人>
コンビ・トリオ・ピンをすべて揃え、コントなので新喜劇も入れた。そして関西・関東が半々。文句を言わせない経歴とネタを持っているし、全員現役感がある。
去年の優勝者がいきなり審査員っていうのも話題性があっていいと思う!
<候補として考えた人と、雑感>
東京03飯塚:めちゃくちゃやってほしいけど。。断りそうだなぁ
アンガールズ田中:ありそうだけどThe Wが盛り上がってるからそっちで活躍してほしい
バイきんぐ小峠:ありそうだし、あったらめちゃくちゃ面白くなりそう
野生爆弾くっきー!:かなりちゃんとやりそうだし、番組としても盛り上がりそう。でもロバート秋山を入れたから外した
大竹まこと:希望枠。シティボーイズはコントを評価してほしい!でも、なさそう。。
イッセー尾形:希望枠。一人コントの元祖だからぜひ入ってほしい!でも、なさそう。。
ラーメンズ小林賢太郎:この人は見たいよ!いろいろあったけど、実は可能性が高そう。
おぎやはぎ矢作:実はやりたがってそう。「地球儀の選び方」とか、「クレーマー」とか超面白いもんなぁ。
内村光良:要望がかなりありそうだけど、他局でネタ番組の司会をやってるから、なさそうだなぁ。
くりぃむしちゅー有田:この人が出たら一番ワクワクするかもしれない。。TBSでネタ番組をやっているから、可能性もゼロじゃないかも。
宮藤官九郎:文化人にも審査してもらおうという考えで入りかねない。芸人活動もやってたから、ありえそう!
Twitterで面白い芸人さん、面白いネタ、動画については積極的に呟いてるけど、面白さが分からない、好みではないと思ったものは呟きづらいからここを使わせてもらいます
ただ、自分にその人やネタの面白さがハマってないだけかもしれないし、その芸人さんやネタを面白いと思う人の意見を否定したい訳ではないです
ネタを見た上で個人的にもやもやしたところを吐き出したいだけなので、審査員気取りでもないし、これを見てもつっかからないでもらえるとありがたいです
今、過去のキングオブコントを2015から2018まで見てて、その中で一番ついていけないなと思ったのがGAG
2017と2018に連続で出場してて、二つネタを見たけど、どちらもノリが古すぎてそこが気になってしまった
ネタ自体は面白いし笑えるんだけど、何か全体的に古いのが気になっちゃって彼らのコントの世界観にハマりきれない
昭和のノリにハマったらもっと好きになれるのかもしれないなとは思う
2019も2020も出てるみたいだけど、スタイルが変わってたりするのかな?
ザ・ギースの2015のネタは匠の力で生まれ変わらせた後のコント自体に無茶があるような気がしてモヤモヤが残っちゃった
匠の力でこんなにも生まれ変わりましたよという部分だけに集中できればもっと笑えたのかもしれないなと思う
2015のロッチの二本目のネタは既に有名だと思うけど、私もあまり面白くないかなと思った
多分だけど、あのコントがそこまで面白く感じられない理由はコカドさんにボクシング王者の役があまり合ってないからじゃないかなと思った
ボクシング王者が試合に行きたくないと駄々をこねるという設定自体は面白いと思ったけど、ボクシング王者役があまりピンと来なかったから、どことなく違和感があって最後までコントの世界観に入りきれなかった
これも有名だけど、一本目は面白かった
2015のさらば青春の光のネタはスベってたけど、個人的には面白かったと思う
ただ、最初の種明かしの時の「兄ちゃん、まだ一枚も絵描いてないやん」をサラッと言い過ぎてそこで笑い損ねる感じがあった
この言い回しをちょっと変えるだけでウケ具合が変わるんじゃないかと素人ながら思った
2016のラブレターズの歌ネタは多分私の好みの問題であまり面白くなかった
2016のライスのネタは面白かったけど、何故かあまり印象に残らなかった
2016のかもめんたるの2本目は後半からの展開がめっちゃ面白かったけど、「冗談どんぶり」の語感が微妙だなって思った
2017のパーパーは男の人の滑舌が気になってコントの世界観に完全に入り込めなかった
2017のにゃんこスターはもう流行りが終わった後だからかもしれないけど、あまり面白さが分からなかった
流行ってた当時もあまり笑った記憶がないし、どちらにせよ自分の好みではないんだろうな
2017のアキナのネタは怖い系のネタだったから笑うポイントがいまいち分からんかった
深刻な状況でご飯の心配ばかりするという面白さ、こういう駄目なやつもいるよねというのをネタでやっている面白さがあるのは分かる
でも、母親をメシ扱いというネタではもやもや感が拭えなくて笑えなかったな
2018はGAGの昭和ノリはやっぱり気になったけど、チョコプラの二本目以外はGAGのネタも含め、面白いネタばかりだなと思った
全く面白くない訳ではないけど、決勝であのネタなのは拍子抜けだったというか
あと、横文字連発で置いてきぼりにされたような感じもあった
一本目は面白かった
M-1予選の動画で初めてトム・ブラウンの漫才を見たんだけど、ツッコミの人が大声を張り上げすぎてて、好みのツッコミじゃないなと思った
いつもああいうツッコミならトム・ブラウンのネタにはついていけんなって思う
頭をつかむみたいな叩き方と漫才のつかみは好き
他のネタは見たことないし違う感じのツッコミもやってるならネタ全体も好きになれるかもしれんけど
ゆりやんはバラエティ番組に出てるときは面白いと思うけど、ネタはついていけない
ただ、一周回って好きになってくる感じはある
ドリフに挑戦みたいな番組をちょっと見たけど、やっぱり昭和の"痛がること"を笑いに変えるコントは心の底から素直に笑えないなって思った
相手にやり返す方法がどんどんエスカレートしていくネタは痛がってるしもうやめてあげてって思うラインをさらに超えて痛そうなことをやるから見てて辛くなってくる
キングオブコントを連続で見て、痛いことをしなくても、とんでもなく面白いネタはたくさんあると再認識してたから、ここまでひどいことをやる意味ある?って思っちゃったんだよね
https://news.careerconnection.jp/news/social/125328/
自分のラーメン屋で評論家お断りとするに至った梅澤さんがその原因について語ってる記事みたけど
まぁはんつ遠藤のやってる事は論外だし審査対象の店主にラーメン奢って貰ってるAもネットでは問題扱いされるからいい
でもSの件については例えばはてブだとかなり擁護されそうな経緯だなと思った
ラーメン雑誌にも関わっているSは完全予約制で時間が区切られているラーメン屋に入った時に客が既にいた事に疑問を持って
「味以前に案内の仕方に疑問や謎がいろいろと。」とtwitterに書いた
梅澤さんはそれに対して
ご来店ありがとうございました✨ラーメン雑誌の審査員さんなのですね、また当店の案内に疑問や謎がおありとのこと、
お聴き頂ければ何でもお答えさせて頂きました😌もし当店が審査対象で疑問など残ったまま審査されるのは心外ですので審査対象外でお願い致します
と返して更にDMのやり取りをしてSは勘違いをしている根拠を伝えた上でtweetの削除をお願いした
自分は梅澤さんが上記のプロセスを踏んだ事に反対は全くしないが…
でもこれって日頃はてブで勘違いや憶測に基づくコメントを繰り返しながら削除は殆どしないブクマカ達は
「単なる意見に店主が削除の要求をするとは何事だ」って憤慨する可能性のある案件だよね
もしはんつ遠藤がいなくてAがラーメン屋に奢って貰って無いけどSみたいな言いたい放題の人達だけは多い状態だったら…
その場合は梅澤さんをはてブで批判する人が現れてスターを集めエコーチャンバー現象によりやがて批判が多くなってた可能性もあった
梅澤愛優香さんはバイトAKBのあと、名古屋地下アイドルへと転身、ロマンティックシェリーというグループに在籍。
https://stacole.net/area/chubu/2013
ロマンティックシェリーと名古屋アイドル倶楽部を運営していたシンデレラプロモーションについて、地下アイドルまとめではこんな記事が
http://tikaidolmatome.blog.fc2.com/blog-entry-819.html?sp
こういうのも
https://twitter.com/mossberg835/status/1263997885781143553?s=19
アイドルだけでやく、唐揚げ店やラーメン屋のプロデュース歴もあるそうです。
件のラーメン評論家まわりで、意味ありげにほのめかしをやってる人たちの情報源はだいたいこんなところだと思います。5chのスレにもこれらのことは書いてあるので。
でも、いずれも「だからなに?」の範疇でしかないですねー。そのうえに「フードジャーナリスト」さんの釈明文の破壊力が強すぎるので、なかなかどうにも
だがそうであったとしてペットボトルのラベルに巻かれるほどの何かは感じない。
・夕立が凄い
・象を洗った
・すぐ終わった
夕立が強いときでも象を洗わなければいけないという雇われの身の立場の弱さ、はたまた夕立が凄いので象を洗ったことにして今日の仕事はやめにしたという飼育員という仕事の適当さの表現なのか。
一つ言えるのはこの川柳には人の感情を揺さぶる何かはないということだ。
これでは駄目なのだ。
曖昧な情景が浮かぶのならば曖昧が情景が浮かぶべきであるという結論で川柳は問題ない。
分け入っても分け入っても青い山という有名な川柳がまさにそれであり、どんな山をどう分け入ってるのかは分からんがとにかく分け入っても分け入っても青い山であるという情景を誰もが浮かべるのでそれでいいのだ。
とにかく夕立が降っていて象が洗われていることは分かるが、それがあっという間に終わったことに対して何を思えばいいのかが分からない。
数ヶ月に1回の頻度で繰り返し見てしまう「なんとなく」お気に入りの動画。
もう何年も見続けてる気がする。
「早い鰹のさばき方 how to clean a bonito quickly」
https://www.youtube.com/watch?v=gvaVsnO8JiQ
おじさんがカツオを捌くだけの動画。気持ちよくて3ループはできる。
「笑う赤ちゃん」
https://www.youtube.com/watch?v=okH3TiGPDtk
「Bianca America's Got Talent Audition」
https://www.youtube.com/watch?v=_CxhKtcqzdE
この女の子の歌がとにかくうまい。審査員の大げさな演技に笑える。
「【サッカー】小野伸二 ん・・どうやってトラップしたんだ・・何度みても理解できない」
https://www.youtube.com/watch?v=D5KtoRCadZs
ニューヨークからフロリダへとヒッチハイクの旅はトラックを経由した。光り輝くフロリダオレンジの太陽が私の帽子を貫く。木漏れ日に目を細めるとトラック運転手は荷台へ向かって大声を張り上げた。
「おまえさん、こんななにもない場所へどうしたんだい!」
私のうまく起こせない上体はトラックの端にある紐で結ばれている。少し前運転手はバスケットコートのカメラから見るボールみたいに目を大きくした。私の身体は動かず、車椅子に支えられていたからだ。あんたそんなのでどうして遠出しようってんだ、と運転手は感嘆の声を上げた。それが二時間ほど前のことだ。
私は運転手に家族の集会があることを伝え、その用事がバーベキューであることを教えた。それからフロリダ州の看板が見えたので、コントラストを強く投射する景色を風に流しながら、私の名前を伝える。そうかい、メグっていうのかい、と運転手は陽気に答えた。林立するビルを縫って突き抜ける青が歯科医に飛び込んでくる。フロリダはオレンジの国じゃない。避暑地だ。だからバーベキューには都合がいいのだ。多分そうだし、そういうことにしよう。うちの家族に振り回されたことは忘れて。<溶け出しそうな>夏の頃が思い出されたとしても。そういえばあの日もこんな風に感想した風が髪の毛をさらっていったものだ。サングラスが反射する光のその先に目的地があった。
◆
「どうしてそんな事を言うの」
電話の向こう側でケンがなにかの言い訳をしている。言い訳の仕方はまるで父そっくりだ。もうそんなところばかりだ。わたしときたらそんなケンに向かっていつもは冷静なのだけど、彼が父のように逃げ続けるさまを見ていると、どうしても声を張り上げてしまう。ケンはそんな時に決まって「メグはママにそっくりだよ」と吐き捨てるようにいう。全く美味しくないチリソースをアスファルトにぶちまけるようにだ。理由はこうだ。本当はここで開催される予定だったバーベキュー大会が、父の会社の都合で大きな話になり、他企業を巻き込んだバーベキュー大会に発展したらしい。それも開催地は何故か日本。私はケンに、肉よりも寿司の日本でなぜバーベキューなのかと問い詰めたが、頭に血が上っているのかケンは日本だって神戸牛があるし、開催地としてアメリカとは違った面白さが出せるんだといい始めた。違う、そういうことじゃない。少なくとも久しぶりの家族のバーベキューが行われ、とってもプライベートなものだって聞いていたのに、どうしてそれがお父さんの会社と関わっているのか聴きたいのだ。しかしケンはこれは日本と米国の絆を結ぶためのものなのだ、と主張してやまない。ALS-CoVζ+が未だ収まっていない時期になぜそんなに話を大きくしてしまうのだろうか。そんなことはどうだっていい。それよりも、家族の一致団結できる機会が失われた事実が私にとってショックだった。素晴らしい日差しの下でトロピカルフルーツソーダの飲みながら、サンオイルで日焼けをしている人達もいるのに。
◆
「やあケン。今回は会社から大会の趣旨が発表されてね。ぜひ神戸牛とアンガス牛の対抗戦をという事になったんだ」
「それで、勝った方には?」
「純金製のメダルが贈呈されるだけだよ」
「だけ?」というケンの声がスマートフォンの不協和音とともに響いた。父のノキア製は日本ではマイナーだと聞かされて、その音質に少しだけ疑いを持ち始めたばかりだ。父はケンの懸念事項がバーベキューの開催予定地のことばかりだと思っていたが、どうやらそのノキアで聞く限りそうではないらしいことが理解された。ケンは明らかに家族の集会が壊されたことを怒っており、主催は誰だと問い詰めてきたのだ。父はやむなくドビュッシー会長という人物だと述べたが、俺はクラシックの名曲よりも古いラップが好きなんだと皮肉交じりに父の言葉を投げ捨てた。まるでそれじゃあ、ダディはまたしても「お山」の大将「だ」ろうとまでいう。ダディーはクールじゃないとまで言い放った。それは一体何のジョークだいというと、日本版の4chのセリフさ、と返すばかりだった。ゼータ株はあの頃の僕たちのキャンプを奪ったが、父は僕たちから家族の有り様を奪おうとしているのではないか、そんな懸念がケンの頭をもたげた。そのくせゼータ株は活発に人々を結びつけようとしていやがる。ニューヨークからメグを追いかけるケンはハンドルを回しながらそうつぶやいた。
◆
ケンがメグと合流して数時間後、隔離が完了して未感染者のみが利用できるビーチで突然人が溶けた。その液体は灰色と真っ黒な血をビーチに滴らせ、バーベキューの肉のようにビーチの砂を汚した。それとは関係なく海鳥は通り過ぎ、メグは声にならない声とともにジーザスという単語をピンク色のリップを塗った唇から漏らした。到着したばかりのケンは目の前で人々が弾けて溶けてゆくさまを見て、エボラか何かかと目を疑い、それが数年前に起こった悪夢の再来であることを知覚した。フロリダ州に緊急事態宣言が敷かれ、州知事は政府の圧力によって州ごと隔離されたことを発表した。通信網は途絶え、父との国際連絡も取れなくなったメグとケンは、暴徒鎮圧用のゴム弾を装備したSWATたちに誘導されて収容施設へと向かった。発電の電源はかろうじて発電機型のバッテリーとして供給され、被災地には水が運び込まれた。しかしそのどれもが決死の覚悟で運ばれてくるものであり、運転手は全身防護用の白い服を着て入念な消毒を経た後にフロリダへと入り、そして出てゆく際にも消毒を行わなければならなかった。ひとまずイントラネットとして暫定的に繋がれた外との通信によりニュースだけを見ることができた。
そうして避難所での生活が進む中、ウィルスで隔離された人々の間に奇妙な一体感が生まれようとしていた。それはヒステリックな怒りであったり、それを鎮めようとするものであったり、また話し合いによって解決しようとする者達や、殴り合ったあとで肩を組み合うレッドネックたちなどによってだ。彼等はお互いをファミリーと呼び合い、外にいる連中をウォーキング・デッドだと笑いとばした。正気が保てない人々は、普段忌み嫌っている低所得層のレッドネックたちの話をよく聞いた。富裕層たちは臨時の学校を開いて塾を作り、黒人たちは放課後と称して子どもたちにバスケットボールを教えた。そうして閉鎖空間は小さな社会になった。ケンもメグもよく話し合った。とりわけ、ゼータ株のことについてだ。彼等は先日の家族のことを思い出して悲憤慷慨し、やがてウィルスによって僕たちの絆が深また奇妙さと、ウィルスによって人々がばらばらになった悲劇を語り合った。
その頃からメグの夢枕には、なくなった叔父の姿が映るようになった。叔父は家族の異事で何かをいいかけていたが、そのたびに消えてしまう。そんな夜が繰り返された後のある朝、フロリダの海岸にある変化が起こった。その変化はイントラネットTVに映し出されると、やがて通信の全てが回復した。日本の企業ソフトバンクが提供する緊急ブロードバンド回線につながったメグたちのスマートフォンは、あるものものしい人物たちを映し出した。それは水陸両用車両のようにも見え、中から防護服をつけた人が降りてくるのが見えた。車両には見慣れない文字が書かれており、不意にケンがそれを見て叫んだ。まるでパーティーが始まったかのような喜びようだった。見なよ、あれは"セルフ・ディフェンス・フォース"だぜ! ケンの指差す画像の向こうにあったもの。それは自衛隊の揚陸艇であった。第十七小隊、フタマルマルこれより状況開始。という声とともに彼等は海岸に落ちた血や散らかった廃棄物、まるでタイフーンにやられた風に映るカビの生えた建築物を撤去し始めた。そんな作業が一週間もつづくと避難場所の衛星問題はすっかり快適になり、自衛隊の面々と記念写真すら取れるまでに改善した。ケンはその時彼等にどうして来たのが十七小隊なんだいと問いかけたが、ある隊員は、十七小隊は俺達のメダルみたいなもんさ。と笑って返すのみだった。ケンはそれを聞いて、じゃあ俺たちはあんたたちに助けられたから十六小隊でいいさ、と破顔した(筆者注:2021/08/01)。
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日本にいる無責任な父は流石に心配な顔をして息子たちを迎えた。ただし父は両名が無事であることを確認すると1、バーベキュー大会は玉石混交のパトルロワイヤルでありジャパニーズヤキニクとチンギスハーン、バーベキューの三つ巴の戦いだったと熱く語り始めた。勝敗の決し方があまりに不透明な競技だが、メグにとってそんな話はもはやどうでも良かった。怪しげなバーベ審査員のことにも興味がなかった。父がミヤゲに持って帰ったネギマをケンは頬張っていたが、メグはどうしたって騙されることはなかった。クールビューティーと目される荒川静香のイナバウアーが見たかったというわけの分からい答弁を無視して、メグは今回の隔離事件の顛末を事細かに語った。父はそんな事知ってるさと遮ろうとするが、メグは人差し指を父の唇に当てると子供を諭すように父と目を合わせた。彼女は、「それで今回の事件でとっても頼もしいステディな人ができたのよ。自衛隊員の人なの」、という。父は喋りかけていた口を閉じると、目を白黒させた。あのフロリダオレンジの目を見開いたトラック運転手のようにである。
しかしやはり父は普通の人間と少し違った。それなら早く紹介しなさい。次のバーベキュー大会があるんだ、と彼を巻き込もうとし始めたのだ。メグは両手を上げて首を横に振ると、やはりちょっと前の出来事を少しだけ回想しながらジーザス、と小声でつぶやいた。
ケンはそんな様子を見て、口の中のネギをすっかり胃袋の中に押し込めながら、こいつにケチャップをかけると日本人とも仲良くできるかもね、と一人で口角を上げた。ゼータ株が運んだ全ての問題は、まるでその性質のように全てを溶かして人々をつなぎ、父子は空港で呆れながら仲良く語り合った。避難所のメンバーのメール着信がなり響いてメグがその知らせに目配せする。
※別作者です。おしまい。