「60粒で12万円の若返りサプリ」内科医がタダでも飲まないと断言するワケ 効果も副作用もよくわからない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
記事については自分もその通りだと思うんだけど、自身の老化って正常な判断を狂わせるんだよねえ。
誰かが言ってたけど、老化って「坂を下るのではなく階段状で落ちていく」んだよ。
今まで100出来ていた作業が、90、80、……とできなくなるのではなくて、ある時急に半分もできなくなる。
https://top.dhc.co.jp/contents/other/kuji_about/
やけくそくじの由来
浅薄な学識をもって「ヤケクソとはいかにも汚らわしい」と短絡的に思う人は多いようです。やけくそは「焼け糞」ではなく「自棄くそ」であり、「下手くそ」というように自暴自棄を強めて言うと「やけくそ」になるのです。
DHCのサプリは国産の原料を使用し、どこよりも配合量が多く、どこよりも廉価であることから日本で最も愛用されている実質NO.1のサプリです。サプリの売上動向を専門に調査する矢野経済研究所では、その商品が何人の人に買われているかの調査は一切行わず、売上金額の多寡でのみ優劣を決めているため、売上金額ではDHCはサントリーに負けていることになっています。しかし、どれだけ消費者に愛用されているかの調査ではDHCはダントツNO.1の結果を残しています。
少し前ですが、経済産業省で「利用している(利用したい)機能性食品メーカーはどこか」と消費者にアンケート調査を実施していますが、DHCはサントリーの3倍強の支持率を獲得しています(別表)。矢野経済研究所にはなぜ売上個数で市場浸透率を発表しないのかと抗議をしましたが、聞き入れてくれません。DHCでなら500円で売れるものを5,000円近くで販売しているわけですから、売上金額の集計では、多くなるのは当たり前です。消費者の一部は、はっきり言ってバカですから、値段が高ければそれだけ中身もいいのではないかと思ってせっせと買っているようです。
サプリの摂取はあまり勧めない医者も中にはいますが、その大半の理由が「医薬品に比べてサプリは配合量が少なすぎるから効かない」というものです。ただし彼らの多くは「サプリを飲むのならDHCが一番」と言ってくれているようです。他社のサプリに比べて圧倒的な配合量の違いがあるからです。
すべての面でこれほど良心的に誠意をもって長年取り組んできたサプリ製造販売会社はDHC以外どこにも見当たりません。なぜ消費者はわかってくれないのかというのが私たちの切なる思いなのです。原価ぎりぎりで販売をしているDHCでは当然ほとんど儲けがありません。これだったら買ってくれるかと、もう自棄くその気持ちで「ヤケクソくじ」を始めることにしました。消費者に還元したいのなら、売価をさらに安くしたらどうなのかという考えもあるでしょうが、そうすると安いから買いたくないというサントリー種族をさらに増やすことになります。過去の売上から推測して、これくらいは売れるだろうという予想売上高の1%をくじの形で還元することにしました。大きな出費であり、大きな賭けなのです。売上が増えると全体の還元額も増えていくという仕組みです。
商品の見栄をよくするために有名なタレントを次々と多用して、そちらに多額のお金を湯水のように使っている会社よりは、よほど良心的だと思いませんか。
サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です。まもなく創業50年を迎えようとしている老舗の会社です。今、雨後の筍のように出てきた幾多数多の同業者とも一線を画しています。まだまだ残っているはずの賢明な消費者に私たちは一縷の望みを託しているのです。名称は少々ふざけているかもしれませんが、思いは真剣なのです。創業以来ずっと消費者の動向を見続けてきた私のやけくそな気持ちをわかっていただけたと思います。
マルチ商法。耳なじみの良い言い方をして最近ではネットワークビジネスなんて言うらしい。合法だけれど聞いてあまり気分の良いものではない。
私はどんなメーカーが「それ」に当たるか知っていたし、中学高校の消費者の授業でもやった。
大学時代、社会人になっても周りにそんな人はいなかったし、近づこうとも思わなかった。
だからいざ勧誘される状況になった時、断ることができなかった。
■はじめに
自分が趣味きっかけで付き合った友達がマルチ商法の関係者だったら。もしも巻き込まれてしまったら。相手がどんな手を使って断りにくくしてくるのか。優柔不断で情が出てしまうタイプの人間がどうやって縁を切ったのか。
自分と同じような人が今後生まれないように、巻き込まれて本当はやめたいなってちょっとでも思っている人のふんぎりがつくようにここに書くことにした。2020年も終わり掛け。ストレスな人間関係は清算して、浮いたお金を好きなことに使いませんか。
■会員になってしまった経緯
今年の春先…コロナで外出自粛が続いていた折、ツイッターの趣味アカウントで面白いツイ―トをするA子に出会った。聞けば歳も近く話しやすい。すぐに意気投合しリプライを送りあう仲になった。
プライベートの話もするようになり、お互いの仕事の話をちょっとだけ聞くようになった。A子は駆け出しではあるものの美容系の仕事をしていると言った。その内容がオンラインでカウンセリングできるモノ(これ自体はマルチも何も関係ないよくあるサービスである)だったため、興味があった私はカウンセリングを受けた。その時は勧誘なんてなかったが、会話の中で私は自分の肌悩みであったり、ダイエットをしたいんだよね、という今後の予定をそれとなくしゃべっていたりした。当時の私はA子の「有資格者」「プロ」としての仕事をみてすごいなあとただただ思っていた。
少し日がたつとA子から、『こないだ肌荒れとかダイエットで悩んでるって言ってたよね?話聞いてもらうといい人がいるんだけど紹介しようか?』と連絡が来た。そりゃあこの類の話は専門家に聞いてもらったほうがいい。そう思って私は承諾してダイエットに関する勉強会(ネット会議)に参加した。そこには私やA子以外にもいろんな年齢性別の方が参加しており、必死にメモを取っていて少し面食らったが、有名大医学部卒の人が話をしてくれた。で、最後に出てきたのがサプリメントとプロテインの紹介だった。
そこでやっと、少しだけカネのニオイを感じとった。なんか違和感がある。そう思って商品名を検索すると、マルチ商法で有名な企業(X社)が出している商品だと分かった。(パッとブランド名や商品名、ロゴマークを見ただけでは、その社の商品だとはわからないようになっている)
まじか…と天を仰いだがもう遅い。なぜならもう一人のマルチ商法関係者(A子でもなければセミナーの講演者でもない)に直接会う約束を取り付けてしまっていたからだ。
週末出会った女性はエステ経営者だといった。自分の肌悩みを話しそれに対してなぜ起きているのかメカニズムを説明される。くそうなるほど納得できる気がしてしまう。そして、X社への会員登録と美顔器・基礎化粧品の購入を勧めてきたのだった。(A子が友人として紹介してくれている手前、彼女が尊敬している人とのスケジュールをドタキャンするほどの勇気はなかった)
マルチ商法の会員と聞くと、商品を買い込み、在庫が出ないように人に売りさばき、あるいは自分の子、孫の会員に買わせ売りさばかせ…という「ビジネスの会員」を思い浮かべていたし、私もそういう認識があった。が、勧誘されたといっても私の場合はビジネスをする会員ではなく「商品を買うだけの会員」であった。
“人に迷惑がかからず、自分がイチ消費者として判断して支払うならいいかな…”
そうして私は購入を決めてしまった。しかしながら商品を購入するには、すでに会員になっている人間からの紹介による会員登録がいるようで、私も紹介者番号を入力するようにいわれた。
おそらく…これはおそらくなのだが、紹介料、マージンのようなものがA子に入っていく仕組みなのだと察した。その時、対等だった友人としての関係が捻じれたような気に襲われたが、気にしないようにしていた。もちろん一度A子にも、これはマルチ商法で有名なところの商品だよね?怖いんだけど。と問うてみたが『私はいいモノだと思って使ってるんだ!使い続けてたら調子もよくて後悔してないし』とハッキリ言われてしまう。彼女自身に辞める選択肢はなさそうだった。
結果「A子自身は共通の趣味の友人としてはいい子だし」「商品が粗悪なわけではないし」「使い心地も悪くないし」…私は自分にそう言い聞かせて商品を使用し続けることにした。
■人付き合い疲れ、拭えない疑念
商品をただ買って使用するだけならば、(カネを支払うというより取られる感覚なのでもちろんいい気分のものではないが、)私とA子とマルチ商法の会社(X社)の3つしか関係者がいない。問題は…私が嫌悪感を覚えたのはネットワークビジネスの名前の通り、マルチ商法のあらゆる人脈、界隈から(縛り付けるように、つなぎ留めるように、辞めにくいようにするため)声がかかることだった。
・健康系のセミナー:一回料金○千円だけどそのあとはタダでカウンセリングしてくれるよ!と言われたが、初回のカウンセリング以降相手からの連絡はナシ。
・美容系のセミナー:X社の商品を正しく使ってもらい効果をあげてもらうためのセミナーがあり、X社のビジネスを行っている人間がスタッフとして参画している。その会社の各地方都市の拠点ないし、間借りした賃貸の一室(外向きにはエステと称している)で行われる。内容はいたって普通、必要なのは購入している商品だけで教えてもらうのはタダ。(私の場合は)強引な勧誘はされない。
・新商品の発表会やパーティー:日頃の感謝を利用者さんにお伝えするためにやるんだけど、どうかな?と誘われる。言ったことはないけどこれもタダらしい。
しかもこれらに参加させるためにLINEが来るのだが、決まって必ず『〇〇ちゃん、▲月●日ってあいてるかな?』とだけ連絡がくるのだ。要件を言ってくれ要件を。参加するかどうかは他の参加者と中身によるんですよね。断るのも傷つけずに断る理由つくるのもめんどくさいんだから…。私はだんだんこの類の誘いにイライラしはじめて、最後のほうには都合が悪いことをにおわせて返信したり、今月は忙しいので無理、で乗り切るようになっていた。
ちなみに私はこの中だと健康系のセミナーに1回と、美容系のセミナーに複数回参加したのだが、美容系のセミナーに行ったときがものすごく疲れた。
―『え~〇〇さんめっちゃいい感じ!写真とってインスタにあげてもいいですか?』(彼らはそれぞれセミナー活動をUPするマルチ商法界隈専用のインスタグラムアカウントを持っていて、そこに活動内容を投稿するためのもののよう。)さすがにこれは断ったら引き下がってくれた。(ちなみにフォローしているだけでハイパーキラキラアカウントのごとく商品を使っているところやいい感じの場所でのディナーがアップされる。受動的にいい生活を見せつけられるのは疲れる。)
―『わ~!汚れが沢山取れましたね!』
「は、ははは~そうかも~」(いや、大量に顔面に塗った薬剤が美顔器についてるだけですよね…大して色も変わってないし)
―「使い続けて○か月たつんですけど全然よくならないです…疲れちゃったな…」
『私もそうでした!でもある程度“念”みたいなのって大事で、心に言い聞かせるんです…これ使ってれば肌荒れも治るんで!…ってこんなこといっちゃいけないんですけど~笑』
「あ~もう少し頑張ってみますか~」(は?言っちゃいけないことをわざわざ言うなよ…てかこれ薬機法違反なんじゃないか?)
とまあこんな感じで、心の中に疑問符が大量発生する話を毎回されるうちに、疑念はどんどんどんどん大きくなっていった。この頃になると、好きな化粧品を気軽に使えないことや、旅行に行く時・友達が遊びに来た時・実家に帰省する時に商品をコソコソもって帰らなくてはいけないことに、段々不自由さを感じるようになっていった。
■退会の引き金
彼女のカウンセリングを受けた後かつマルチがらみだと気づく前の時期に、私はリア友にA子の話をしていた。彼女も以前からその類のカウンセリングを受けたいと言っていたので、年齢も近くて話しやすいよとA子を同期に紹介していたのだ。
友人からはA子と直接会ってカウンセリングを受け、その後プライベートでもあったと報告を受けた。その時はマルチ商法をすすめられたなんて話は聞かなかったし、私が商品を買っていると知られるのもなんとなく嫌だったので、彼女に「A子がマルチ商法の商品をすすめてくるかも」とは伝えなかった。
「A子ちゃんのカウンセリングに無料エステがセットになってて、そのエステに今日行ってきたんだけど、そこで進められたのがマルチ商法の商品だった…」
…血の気が引く思いがした。これは正直に言わなくてはいけない、怖い思いをさせてしまった。自分にとってよりリアルな、より付き合いの長い人間関係を侵食されたのである。当初私が会員登録した時の「私以外には迷惑がかからない」が崩れた瞬間だった。
幸い彼女は意志が非常に強い人間だったので、当日の勧誘を断ってきたが、住所や名前などを記入したことを後悔していたようだった。話を聞けば聞くほど、A子との友人関係は続けたいが、X社の会員でいることをやめたい、とハッキリ思うようになった。
先程も書いたように、リアルな人間関係を侵食されたことが許せなくて、私は本格的にX社からの退会のタイミングをうかがうようになっていた。しかしながら、問題点が3つあった。
これについては、A子以外のX社関係者を全員ブロックして、最後にA子だけと1対1で話をすればいい、と考えた。
友人としての関係性を続けるか、彼女もろともブロックしてしまうかは私個人として一番悩ましい点であった。ブロックするにしても、こっそりやるかきちんと相手に宣言するかも迷うところであった。
これは完全に自分が油断していた。名前は致し方ないとして、住所はいずれ引っ越すのでそれまで落ち着いて過ごせればいい。(こうならないためにもやはりマルチ商法には巻き込まれるものではない)仮に何かされても裁判をおこせば自分に勝ち目があるし、相手方も自分のビジネスの評判をわざわざ落としことはしてこないはずと判断した。
そのうえでまずは出会った関係者全員をブロックした。とりあえずこれで変に部外者に加勢されて、変な取り込まれ方をされる心配はない。
問題は②だったが、ひとりで考えていてもしょうがないし、踏ん切りがつかなかった。冷静な、客観的な他人の視点が必要だと考え、私は昔から仲良くしている地元の友人に久方ぶりの電話をかけ、事の経緯を洗いざらい話しどうすべきか意見をもらうことにした。
地元の友人の回答は「“マルチ商法やってること以外はいい子なんだけど…”ってことは、マルチ商法やってるから不快だと思ってて、付き合いにくいってことなんでしょ」「このままダラダラ続けるなら何も変わらないし、またつけ込まれる可能性が否定できないよ」「タダで何かしてもらったりしてるけど、そのたびに情が出ちゃったり辞める申し訳なさが蓄積されてくよ。続ければ続けるほど辞めにくくなる」「A子ちゃんとも直接あってないんだし、今が辞め時だと思うよ」「思い切って全部切りな!」とのことだった。私は深く納得した。この数か月で受けた勧誘とは比べ物にならないくらい、私を知っている人間が私のためにかけてくれた言葉と感じたからだ。その後友人は、私が彼女に退会の旨と別れの言葉を送信し、ブロックしたことを報告するまで通話を続けて背中を押してくれた。もちろん友人としては好きな相手だからブロックするのは心苦しかったけれど、リアルな友人関係ではなかったのが救いだった。これは心を鬼にするしかない。今回の件をきっかけに友人を失うリスクに気づいて、マルチ商法から足を洗ってくれたらそれでいいと思った。これはお互いのための勉強料なのだ。
こうして、11月に別途X社の退会処理を終え、私の数か月間のマルチ商法巻き込まれライフは幕を下ろしたのである。
■おわりに
この文章の目的はマルチ商法やX社の商品の批判ではない。この件に関してはいろんな意見があって、そのような文章はこの世にあふれているからそれぞれが読んで判断すればよいと思う。(しかも私はビジネスで破産したわけでもない、序の口で折り返した人間である。)
ただ、マルチ商法って案外近くに潜んでいて、いつの間にか忍び寄ってくるものだってことを知ってほしくて書いた。ここに書いた内容がビジネス勧誘の入り口かもしれないし、自分のより大切にすべき人間関係や、純粋に余暇として楽しんでいたい趣味をいつの間にか侵食してきていたら、これほど不幸なことはないと思うからだ。
自分のお金が搾取されていると感じながら付き合う友人は、本当の友人と言えるだろうか?
趣味を純粋に楽しめなくさせてくる相手は、本当の友人と言えるだろうか?
ちょっとでも継続を迷っていたり、後ろめたさを感じている会員の方はこの文章を読んで「相手を知り」、そのうえで身近な信頼できる相手にぜひ打ち明けてほしいと思う。
もしも友人や娘息子からそういった相談(マルチ商法に関わっているがやめたいんだよね、と本人が思っているケース)を受けた周囲の方は、怒らず責めず論理でへし折ろうとせず、まずは本人の話を聞いてあげてほしい。自覚があること、やめようと思えたことを肯定的にとらえて、退会に向けて背中を押してあげてほしい。
少しでも多くの人が、望まない、不自由なお金の使い道から解放され、しこりのある人間関係から解放された状態で、新年を迎えられることを願って。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aed019c5635dceef7dcf77b596ff105c5708cd59 ここよんでね
錠剤が臭くて飲めない人もいるしそもそも本当に鉄分が必要なら出産時に医療機関にかかった状態で出血経験してるんだからすでに適切な処方がされてるはずだろ
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
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00 | 78 | 12527 | 160.6 | 51.5 |
01 | 74 | 6860 | 92.7 | 42 |
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04 | 15 | 5682 | 378.8 | 55 |
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c73(4), 小島慶子(14), しわしわ(30), QP(3), 私立中(10), バラモン(5), 料理研究家(7), 600点(5), Z会(4), メリトクラシー(3), 中大(3), 公立(121), 動物園(53), 私立(50), 絡ま(29), 中学(64), 国立(15), 中学校(21), 受験(43), 生徒(33), 専門学校(11), 荒れ(22), 多様性(34), 大卒(20), 塾(17), 二度と(31), 出身(33), 高校(47), 都内(25), 上位(21), 東大(29), 地方(47), 動物(23)
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昨日開封した、Amazonで19980円のクロスバイクが、今朝みるとブラックフライデーとやらで16980円になっていた。
体感24時間もたたないうちに、15%引き、3000円の損である。
悶絶のあまり、風呂に1時間以上つかり、この感情の激しさを抑えるべく増田に吐き出すことを決めた。
近くのイオンでその名のセールを知り、「金曜日に安売りセールするのかな。リキ入っているなあ」などとイオン特売セールだと思っていた。
その後商店街の靴屋でもロゴを見かけ「もうちょっと広範囲なキャンペーンかなと」ぼんやり意識したのが昨日。
ブラックフライデーが、アメリカでの感謝祭にむけた年一の大大的なお祭りセールであることを数分前にwikipediaで知った。
amazonのブラックフライデーが2020年は11月27日、つまり今日始まることは前から決まっていたことも、1分前に知った。
ダイエットのために2か月近く毎日自転車で1、2時間ほど走っている。だが所有しているのは14インチの折り畳み自転車のみ。
軽いのはいいのだが、シフトギアもないので速度は普通に漕いでママチャリに劣る。電動なら前後に子供二人のっけた状態でも抜かれる。
ましてやサイクリングロードではロードバイクやクロスバイク、20インチの折り畳みバイクにも抜かれる。
最弱である。
気にしないつもりでも、鬱積は弱く静かに淀みとなって残る。
検討の末、20インチの9段ギア付きの軽量(8.9kg)折り畳み自転車をネットで7万で注文した。10月頭のことだ。
しかし取り寄せということで11月に入っても入荷せず、ついには12月の中旬以降というお知らせまで来た。
同じ製品がamazonでも販売されていることは知っていたが、ポイント割引など踏まえると1万円ほど高い。
この差は大きい。その時はそう思っていた。
入手まで一か月以上この状態に耐えることはもはや苦痛であった。
今の注文をキャンセルし、割高でもamazonで買う選択肢もあった。
しかし安ければ700Cホイールのクロスバイクを別に買うのもよいなと考え始めていた。
通りすがりのスポーツサイクリング車の店でパンク修理をお願いした際、後輪の外のタイヤが破れていると指摘された。
最安の品で、あまりの固さに交換に手間取ったが、その際の、タイヤを外したり調整した経験が自転車欲を高めた。
もともと学生時代はクロスバイクで休みにはテントを担いで数週間ツーリングをしていたぐらいには自転車が好きだ。
そのころのものは手放して久しい。安いクロスバイクを買っていろいろいじってみるのも楽しそうだ。
1万円高いものを慌ててamazonで購入するぐらいなら、1万円のクロスバイクをメンテ能力をあげる踏み台として使おう。
そもそも5万以下の製品は自転車好き視点では見かけだけがクロスバイクの「ルック車」と呼ばれる。
すぐ壊れて危険、重い、パーツが独自で修理できない、実質ママチャリ、ロードバイク乗りからはすれ違い様侮蔑される、など散々な扱いである。
まあだが、だからこそ安いほどいい。
極端に評価が低くなく、購買者が多いもので、できれば1万円台。
そして注文したのがamazonで19980円の3x7段シフト、13.5kgの格安クロスバイク(ルック車)であった。
5日前のことである。
到着した日は仕事で開封できず、翌日、つまり昨日の午後に開封した。
想像よりでかい、重い、ブレーキハンドル・グリップ・サドルが安っぽい。
タイヤの細さもロードっぽいというより軽さと安さのためではとうがってしまう。
空気バルブはママチャリと同じ英式の虫ゴム形式。試しに抜いてみると臭いガスのにおいが漏れる。
前輪はクイックレバーで自力でつなげる必要がある。後輪にはクイックレバーはなく接続済。
同封のマニュアルは汎用らしく、無いパーツや折り畳み自転車用の詳細なメンテ情報が記載してある。
室内でビニールシートを引き、前輪・サドル・ハンドル・ペダル・ライト・チェーンロックをつける。
泥除けは面倒なので今はつけない。ボルトのカバーキャップは一応つける。
もう日も暮れかけのころ、表で数十メートルだけ回ってみる。
前の3段ギアが2段しか動かない。ブレーキの利きは遊びが弱く固い。ライトは見た目がダサい。
でも走れないことはない。
大き目な公園まで行ってみようと車道で坂を下りギアチェンジしたとたん、後輪のタイヤが止まった。
後輪が左に傾いており車体に完全に押し当てられている。もはや前にも後ろにも動かない。
後輪をあげ、前輪だけで運ぶ。
すれ違う下校中の女子学生の群れを抜け、街灯の下、夜道を10分かけて帰る。
「君」を部屋に再びあげる。
後輪をまず外そう。
ボルトキャップを外し、レンチをあてると明らかに、一脚スタンドがついている側が緩い。
力を入れるまでもなくすぐに回転する。
おそらく最後の工程でスタンドをつけるとき、手抜きして締めたのだろう。
両方のボルトを緩め、タイヤを一度外し気味にして差し込みなおす。
車体をさかさまにして、タイヤを回転させながら、フレームの中央で回るようにタイヤを調整する。
ずれがないようにボルトを左右、少しずつ締める。
そもそも後輪については説明書にも記載がない。補助輪のつけかたの説明はあるのに。
2)ワイヤーの張り直し
3)ギア調整ネジでの調整
1では治らず、3で調整。本当は2を先にやるほうがいいようだ。
説明書にも「1速に入れらない症状の5割以上はワイヤーの張りが原因です」と記載がある。
ワイヤーの初期伸びとして最初から調整が必要なことが織り込み済なのだろう。
ネットの評価コメントでも自転車屋での調整必須という声が散見された。
説明書の記載も、別の個所だがボルトの強度(トルク目安)の記載がある。百円均一の工具ではわかりようもない。
ブレーキは効いている分には問題はなさそうなので、再び外に出る。
折り畳み自転車と比べると車体は重く、振動時に足とグリップへの緊張が高くなる。
そのグリップもカバーが薄く、すぐ手が痛くなる。これは要交換だ。
足が伸び切らないからか膝が痛くなる。
サドルの高さも少しずつあげてゆく。
速度は折り畳み自転車の倍、とまではいかないが1.5倍は出る。
その分、脚への負担は大きい。サドルで尻が痛い。そしてやはり車体が重い。
だが、2万円だし、こんなものだろう。
そして朝を迎えて、ブラックフライデーによる値引きを知る。
amazonの返品は条件つきで30日以内にできる。クーリングオフでも7日以内なら可能だ。防犯登録もまだしていない。
返却して買いなおしという選択肢もある。
自由がかえって心を悩ませる。
自由からの逃走、はエーリッヒ・フロムの言葉だったかと、風呂場で苦悩しているときに思い出す。
お年玉をあげる立場として、1000円だと子供も渋い顔をするだろう。5000円なら喜ぶだろう。1万円なら親が恐縮するかもしれない。
だが3000円だった場合。ぽち袋も微妙に膨らみ、もらいがいもあるだろう。小学校中学年までなら喜ぶかもしれない。
Uber Eatsは一件あたり500円、ドライバーは得るという。6件分である。
時給980円で3時間分。
先日、本屋で、間違えてすでにもっている「クトゥルフ神話TRPGサプリメント クトゥルフ2010(3800円)」を再購入したこともあった。
返却してすべてなかったこともできる。合理的とはそういうことだ。いや経験の分だけ得したかもしれない。
梱包して、コンビニで集荷して、amazon返却手続きすればいい。
自らの愚かさはそれで証拠もなく消える。
だがそれを今、自分は信じ切れていない。
このまま事態を受け入れることもできる。
3000円で動揺した自分の小物ぶりはすでに強く味わった。
合理的な行動により何かを得たようで、その合理性に過ちがあり、何かを失った。
とにかく、もう一度だけ、あれに乗って、それから考えようと思う。