はてなキーワード: 焦燥感とは
流行っていないお店を見るのがすごく苦手だ。
色あせたメニューや手書きのポップが表に出ていて中はガラガラなんて店を見かけようものなら、胸に希望が溢れ笑顔で開店準備を進めていたであろう店主を想像してしまい、いたたまれなくなり焦燥感に追われ動悸が激しくなって体調を崩してしまう。
でも自分でそこを利用することはない。
通勤に使っている駅には、いつも決まった場所に年配の女性のホームレスがいて、ニット帽をかぶりジャケットを着て、土嚢を椅子代わりにして座っている。
いつもじっとしていてあまり動くことはないけれど、一年以上も餓死していないのだから、何か収入があって生活を成り立たせているはずだ。
毎日そこを通るたびに、祝福されたであろう彼女の誕生や可愛らしかったであろう子供時代を想像してしまい、いたたまれなくなり焦燥感に追われ動悸が激しくなって体調を崩してしまう。
私はその気になればいつでも、彼女の手をとってユニクロへ行き肌着や上着を買って、漫画喫茶でシャワーを浴びせて食事を取らせ、着ていた服はコインランドリーで洗ってしまい、新宿連絡会にでも連れて行って住まいを確保することが出来たはずだが、今現在に至るまで何もしていない。
その度に嫌われたらどうしようとか楽しめるかな、楽しませてあげられるかな、と思って
でも行けば楽しいことはまぁわかっていて、なのに
なんなんだろう、これ
相手がだれであっても陥る
ただ一人こうならない人がいるけど彼には彼女がいる
ここ1年半わかってたことだけど私は彼が好きだ
私には彼がいる、なんて有りもしないことを思って、目の前の男性から逃げている
彼と会うのは二回目
なんでこの流れになったのかよくわかんないな、めんどくさい
楽しませてあげられるかなー
顔がとにかくタイプだった。
向こうも気がありそうなそぶりを見せていたし、フリーというのを聞いて、思い切ってご飯に誘った。
1軒目でお酒を結構飲んで、2軒目のお店で彼の腕に何度も触れた。帰りの駅でキスされた。
間をおかず2度目のご飯、前回キスしたことが無かったかのように、特に盛り上がるわけでもなく、友達とするような話をして淡々と時間は過ぎた。
でもこの後どうしよう?という話になったとき
「そういうとこ行きましょうよ、そういう感じですよね?」と言われた。
驚いたけど断れなかった。
セックスした。
上手いという感じもないけど、変なプレイを要求することもない、小さくもなく大きくもなく早くもなく遅くもなく本当に普通。教科書通りの内容。特別気持ち良くはなかったから、濡れるか不安だったけど、相手が興奮してるのを見たらこちらも興奮した。
好きとか付き合おうとかそういう言葉はないし、求めたこともない。さらに噂では彼にはキープと呼ぶ女の子が数人いるらしい。これ、いわゆる都合のいい関係になってくのかな。
顔の皮膚を剥がせば、ただの肉の塊なのに、みんなと同じ肉の塊なのに、彼のその整った顔を見るとなぜこんなに惑うのだろう。その目で見られると、焦燥感でいっぱいになる。この人の一番になりたいって焦る。
自分はもっと中身で男性を選ぶことのできる堅実な人間だと思ってた。
でもとにかく顔がタイプなんだよ。
顔だけで好きになって顔だけでほいほいセックスさせるとか、バカだなと思うけど、だめなんだよ。
自分でコントロールできない場所の感情がまた彼に会いたいという。
どうしたらいいんだ。
以下、「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!」の3話「命短し腐れよ乙女」から。
(桂美々が腐女子であることがバレる。雀花が桂美々にBL小説を書いてもらったのがのめりこむきっかけという話になり……)
イリヤ「美々をその道に引きずり込んだのあきらかに雀花じゃない!」
イリヤちゃんひどいけどここらへんはまだ軽い。
BLエピソードやギャグがいくつか入ったあとで雀花の姉が乱入。雀花の姉は貴腐人(腐女子の上位種)。
お、この姉がまともなこと言ってくれる流れかな?と思って見ていると……
雀花姉「おい美々、友バレした気分はどうだ」
美々「その……すごく恥ずかしいです……でもBLが好きなのはどうしようもなくて……!」
イリヤ「やっぱり男の人同士なんて普通じゃないし、BLはやめてほしいっていうか……」
雀花姉「ふーん、そっかそっか。そんじゃ簡単な話だ。お前ら、友だちやめろ」
雀花「ちょっ、お姉、それは……」
うんうん。
雀花姉「わかってるよ、そんなことは美々も私も、言われなくたってわかってる」
うん?
イリヤ「だったら……」
うん……?
雀花姉「親にも友だちにも言えない趣味だよ、けれど、それを好きだって思う気持ちは止めようがないんだ。だってのに、変だからって干渉するのが友だちなのか?理解できないからって否定するのが友情なのか? 糞食らえだ。友だちなら相手の恥くらい笑い飛ばせ! それができないなら、せめて見て見ぬふりくらいしろってんだ」
雀花姉以外一同「……ぷっ、あははははは」
雀花姉「な、なんだよ、笑うところ違うだろ」
雀花「要はそっとしといてってことだろ?(笑)」
雀花姉「そ、そうだよ! それの何が悪い!」
イリヤ「美々、勝手なこと言ってごめん。あたし美々の気持ち無視してた」
雀花姉「なんだ? 仲直りエンドか?」
雀花「お姉、いいとこもっていったなあ」
クロ「まあ、そうは言っても隠したい趣味なんでしょ? だったら美々はもう少し、抑えたほうがいいんじゃない?」
雀花「そうそう、私らはまだ子供なんだからさ。美々にはもっとゆっくり、BLと付き合っていって欲しいんだよ」
美々「雀花ちゃん……!」
もうとっくにダメなのにダメなことに気づいてないのが自分だけなんじゃないかという不安がある。
医者にでも相談してみるべきだろうか、でもうまく状況を説明できる自信がないし、心療内科の医者は毎度5分ほどで部屋を追い出そうとする。
長くなりそうな話を振ると次の診察の予約があるといわれてしまったこともある。大病院だから仕方ないとは思うけど、クソ医者め。とつい毒づいてしまう。
それに、なんか医者に話すときは外行きの顔になるのか、取り繕ってカッコつけてしまって、そのまま話せない。
自問自答するにつれて、どうしてこんなになるまで放っておいたんだっていう詰み感だけが付きまとってきて、
開き直ってとりあえず前に進むこともできない精神状態がここ数ヶ月続いている。
考えすぎてもう何年も前からそう考えてたような気分だ。断片的に増田に書いて整理を試みたこともあるけどあまりうまくいかなかった。
考えを覚えておくために書き連ねたテキストファイルがどえらい量になっている。これだけの思考エネルギー、ほかの事に使えばもっと楽しく生きられるだろうに。
どんどん頭や思考が硬直しておかしくなっていってる気がして、それも不安で仕方ない。
ジワジワ気が狂っていってると、こんな気分なんだろうかという感じがするけど、狂いきってしまってからでないと助けとかはないんだろう。
このままだともう何もかも限界なんだと感じているのに、それがなぜかを説明するのが難しい、なんでだ。
自分の思考がどこかでループにはまったり、なにかを決め付けて勘違いしているだけのような気もするのに、それも見つけられない。
とりあえず、投げ出してもいいんだと誰かに言われたいだけなんだろうというところに着地して、甘えるなバカめと自分を叱咤して会社に行って無為に時間を過ごすんだろう。
ロクに働けもしないくせに、こんなことを続けていても給料泥棒だからさっさと辞めてすっきりしたいけど、お金もないから即食い詰めるのでそうもいってられない。
離婚して退職して田舎の実家に帰るっていうワイルドなリセット方法が最後の手段的に残っていると思っているから、目の前の問題への対処が常に遅れているような気もする。
あーもうなんかだめだ。
何もまとまらないし、頭だけあせって空回りしてる感じがものすごい。
早く寝てしまわないといけないのに、もう三時半。
自分で自分がわからない、俺にどうしろっていうんだこん畜生、俺は俺に何をさせたいんだ。
結局ベッドに行ったけど眠れないまま朝を迎えてしまった。
大学も院まで出てこの会社に就職したが,「院まで出てここか…」と言われること一度や二度ならず。
野球好きで地元志向の人間が多い,所謂マイルドヤンキー的人間が多い人間関係に辟易。
耐えられないと思い抜けだそうと数年間も四苦八苦してきたがうまくいかず。
とは言え,自分自身も大して頭が良い訳ではない。
むしろ知識が使えない仕事は苦手な部類。身の丈に合った就職先であるとは思われる。
また,大学もランク的には大したこと無いが,見た目の学歴だけは悪くないので,人事上優遇されている感はあり,
このまま何事も無ければ,順調に出世し,安穏とした人生を終える見込みはある。
もし,この悩みを他人から打ち明けられたら,このままここにいることを勧めると思う。
しかし一方で,冒頭の理由や,院まで出たつまらないプライドによって,自分はここにいて良いのかという,不安感や焦燥感に苛まれる日々だ。
少なくとも自分は勉強を頑張ってきた時期はあったし,そのために我慢もしてきた。
だから報われなくてはいけない,というのは幼稚な考えだというのは理解しているが,感情の根底にある自尊心や,人間関係のミスマッチが
どうしてもそれを納得させてくれない。これが自分の今までの人生の答えということを受け入れることが出来ない。
でも,もうそれを数年やってきて,若い時間を無駄に費やしていることに疑問を感じてきた。
どうすればいいのか…最近身を固める友人も少なくない。
いっそ受け入れてしまえと思えないのが苦しい。
最近,趣味――同人誌を作るにせよ,新しい魚を飼うにせよ,詳しいやり方を調べる前にまず最初に予算を試算するようになってしまった。「諦めるための理由」を金銭面に求めて,粗探しをしているみたいに。
趣味だから当然なのに、「こんなことやっても一銭の価値にもならない」とか「こんなことやっても履歴書には書けないし経歴にもならない」みたいなことが常に頭によぎってしまって。やっている最中は確かに多少は楽しいけど,終わった後にその数十倍の虚無感に苛まれる。なので必死に,この趣味を通して自分が培ったかもしれない「何か」を言語化して探そうとする。
趣味人の考えじゃないよなあ,と思う。
労力に比してわずかな承認しか得られなくても,基本的に赤字の一方でも,その趣味を通して建設的なものが得られなくても,ただ自分が楽しいと,そう思えたなら情熱と金銭を注げるわが子のような存在。それこそが趣味であったはずなのに。かつてはそうであったはずなのに。
現在の職場が非正規雇用であるせいなのかもしれない。任期があと二年(今年度を含めて)という微妙なモラトリアムであることが微妙な自由と微妙な焦りを生んでいる。
将来のことを考えると、趣味にうつつを抜かしている場合でもない(時間面でも、金銭面でも)という焦燥感が、たぶん原因なんだろうなあと思う。
趣味する暇があるなら仕事をしろ貯金をしろとわたしの中のゴーストが囁くのよ。
結局私が根性なしなんだろうか。
引きこもっていた頃は焦りと、社会から取り残された孤独感、酷い鬱症状で毎日自殺しか考えてなかったけど
結局はまた違う別の苦しみが襲い掛かってくるだけ。
昔から仲の良い人達とはことごとく離れ離れになり、関係を続けられるほどの能力も無かった私は結局ひとりになってしまった。
もう誰も社会的に魅力的な立場にいるわけじゃない私と友達になってくれるはずがない。
親は軽い発達障害みたいで、引きこもっていた頃から発狂したり死にたい死にたいと泣き叫んでいた。
それを聞くとイライラして何度も何度も殺したいと思ってしまう。
それが親に対する殺意だけならいいのだけど
次第に周囲の人間、よもやテレビ画面の中の人間にさえ殺意を持ってしまうようになると
これは遠くない将来、殺人犯として名の残してしまうようになるんじゃないかとおびえた。
いじめられていたわけでもないし、勉強についていけなかったわけでもないし
友達も居たようだけど、とにかく毎日が辛くて自殺しか考えてなかった。
だけど、だけどたまに夢をみてしまう。
そんな未来最初からなかったはずなのに、うらやましくて虚しくて泣きそうになってしまう。
2年弱引きこもっていたけど、正直得られたものなど何もなかった。
わりと調子が良いときは朝起きて絶望感、昼に自己嫌悪と焦燥感で息が苦しくなり、夜は頭の中で自分を拷問して殺すような妄想をする毎日だった。
もう、あんな思いはしたくない。
だから引きこもるのをやめたのに
今度はなんだ?
社会と繋がりを持ったらもったで、今度は自分の能力の無さを実感し、周りと比べて酷く落ち込み苦しむだけ。
勉強は好きだから、朝勉強して昼予備校行って、夕方帰ってきて晩御飯食べて自習室に行って、22時まで勉強している。
でも周りの予備校生は、みんなちゃんと学校行って暖かい家庭に恵まれた人達だから
昼に親が作ってくれたであろうお弁当を食べ
週末に行ったライブのイベントや将来の遊びの約束などを嬉しそうに話している
今住んでいるこの県に知り合いや友人は誰もいない。
実家も帰れる距離じゃないので、
誰かが助けてくれるわけでもないから
せめて周囲の人間に迷惑をかけないようにと身だしなみに死ぬほど気を遣わなきゃいけない
その為だけに勉強している
でも毎日朝起きた瞬間から家事をやって、予習して予備校行って復習して24時過ぎに寝る。
そんな風に過ごしていたら今日とうとう熱が出て
不登校でろくに学校行けていないから勉強も死ぬほどやらなきゃいけないことがあるし
自分の時間を削いで削いで勉強ばっかりしてもまだ普通の人たちには追いつけない
絶対来るとは限らない明るい希望のためにここまで努力する意味は何なんだろうと
家でも予備校でもひとりだからせめて友人が欲しいと話しかけた予備校の子達は
なぜ?
私は孤独でいるべきということか
身体が全身だるくて重い。
こんなこと書いてどうにか整理していかないと本当に来月生きているかどうかもわからない
ひとりがつらい
虐待もいじめも受けていなくて、少し強く親に怒られたからという理由で自傷行為をしていたのは
なんだかすごくショボい感じがしてしまう。
いや実際ショボい理由で腕を切っていたのだけどね、
でも怒られて言い返す言葉が出なくて内に溜まってしまってストレスの発散方法がそれしかなかった。
ある漫画で知った自分を傷つけるストレス発散の行為を真似し始めたという理由もこれもショボい気がする。
病院に行くほどでもない。
急に変な焦燥感に襲われて焦って焦って涙が出るってこともあったけれど、そんなものたいしたことでもない。
どんなことがあっても寝てしまえば忘れられる。
そう言い聞かせる。言い聞かせてれば本当にそうなるから。
苦しいことも悲しいことも忘れられる、
悲しかった時に書き殴った日記の文字の解読に時間が掛かる。怨念のような愚痴の数々
それがなければもうほとんど覚えていない。
一度に数回傷つけることがあったけど
つまらないことで傷つけることがあったけど、
傷つけた理由の半分も覚えていない。
辛い苦しい嫌いという感情は、その理由を忘れる代わりに憎悪に変わった。
それだけが残る。
薄っぺらい憎悪をもって死んでしまえと願って、死んでしまおうと今でも思う。
外的にも内的にも今はとても穏やかだ、辛いこともない。
今、私はとても良い環境にいる。
甘やかされている。
やりたいことをやらせてもらっている。
期限は4、5年。
やりたいことの芽が出なければ私もやりたい事を諦めなければならない。
いや、4、5年経っても今と同じような状況ならそれこそもう諦めた方が良いとわかるだろう。
中学の頃から、私立に入ることになったら死のう。と思っていて都立に受かった。
卒業できなくっても死のう、と思ってたら卒業ができてしまった。
専門学校を、やりたい事を仕事にしたい、今の学科じゃ時間とお金を無駄にするだけだと話し合いをして、中退を許してもらった。
でもこの4、5年で無理だったら、今度こそ死んでしまおうと思ってる。
早く死ね、と思ってる方、まだ私は死なないぞ、うふふ
もうずっと前に覚悟は決めたのにまだ生きてる、余生のつもりで楽しんでやりたいことをやる。
あわよくば私のやりたいことの夢が叶うといいと思っている。
写真の中の高橋圭一には、今も手錠で作られた鎖ががんじがらめに絡まっている。もう一方の鎖の先は、共犯者に繋がっているものだと思っていたが……
「冤罪、か」
翌日、俺は全国に展開している喫茶店でコーヒーを飲んでいた。高橋圭一の勾留されている警察署に面会を求めに行って、門前払いされた帰りだ。
「面会できれば、何か分かったかもしれないのにな……」
美味くもないコーヒーをすすりながら、俺はつぶやいた。西織あいかの話では、彼女は憧れの先輩である高橋圭一を追って『光の華』に入信したらしい。その後一年ほどは何事も無く過ごしていたが、最近良くない噂を聞くようになったとか。
子供の信者なんて滅多に見なかったのに、最近やけに子供の姿を教団内で見る──
誰の子供か、知っている人は居ない──
話を聞いてみると、知らない人に連れて来られたと言っていた──
いつの間にかその子供は居なくなり、二度と姿が見えなくなる──
数日すると、違う子供が代わりにやってくる──
もしかして、信者の中に子供を誘拐して施設に監禁している人が居るのではないか? そんな噂が誠しやかにささやかれていたそうだ。そして報道される女子児童に限った連続誘拐事件と、高橋圭一の劇的な逮捕。信者達は噂の真相を知ることになった。
しかし彼の人柄を良く知る西織あいかは納得しなかった。憧れの先輩である高橋圭一がそんな犯罪に手を染めるはずがない。また、忙しい芸能活動のスケジュールをぬって誘拐事件を起こすなど、客観的に考えても不可能だった。にも関わらず、誰も高橋圭一の犯行に疑いを持たず、しかもそれを裏付ける物的証拠まで上がるに従って、彼女は教団が組織ぐるみで高橋圭一を陥れたのだと悟ったのだった。そして彼女は、手練手管を駆使して教団の幹部に接触して内実を探っていたらしい。今のところ、これと言った情報は得られていないそうだが。
彼女の話を全面的に信じたわけではないが、教団を探るという共通の目的がある俺達は、お互いに協力しあおうという事になった。俺達は連絡先を交換し、俺は彼女を、彼女のマンションまで送り届けたのだった。
図らずもアイドルの個人的な連絡先を手に入れた形になった。嬉しいような、どうでもいいような。思春期の子供じゃあるまいし。だいたい、俺は別に西織あいかのファンじゃないしな……
「続いてのニュースです。昨夜、タレントの西織あいかさんが帰宅途中に男に連れ去られ、行方不明になっているとのことです」
喫茶店に置いてあるテレビからそんなニュースが流れてきた瞬間、飲んでいるコーヒーを吹き出しそうになった。
「警察によりますと、あいかさんを連れ去ったのは渋谷区在住の佐々木誠也容疑者26歳」
テレビの画面には俺の顔写真がはっきりと映っている。冗談じゃない。いや、確かに誘拐まがいのことはしたが、でもなんで警察が動いている?
「警察は男を指名手配とし、市民からの情報提供を募っています」
西織あいかはちゃんと自分の家に帰ったし、おそらく今日も問題なく仕事に出かけたはずだ。行方不明になんてなっているはずがない。となると、考えられる可能性は一つ。
テレビの中ではどこから手に入れたのか、俺の小学校の卒業文集が晒されていた。画面にデカデカと、拙い文字で書かれた『お笑い芸人になって天下を取る!』という子供の頃の俺の夢が映っている。ああ、懐かしい。そんな事を考えていた時代もあった。俺の感慨をよそに、コメンテーターが芸能界への憧れが犯行へ繋がったのではないかとか、勝手なことを言ってる。うっせえ黙れ。お前になんの権利があって、純粋な子供の夢を汚すんだ。
その時、隣を喫茶店の店員が通り過ぎていった。俺はとっさに顔を伏せた。卒業文集がどうのこうの言ってる場合じゃない。俺は指名手配中なんだ。しかも全国ニュースで写真が公開されているんだ。
店員の様子を伺う。俺の事を不審がっている様子はない。誰も、自分の喫茶店に今しがた放送されたばかりの指名手配犯が居るなんて思わないだろう。ニュースをちゃんと観ていたかどうかも怪しい。しかし、俺はひどい不安に駆られた。今にも警官が大挙して俺の元に押し寄せて来る気がする。顔を隠さなくては。
俺は、いつも持っているサングラスをかけて目元を隠した。これだけで焦燥感が三割減した。慌てて喫茶店を出る。外に出ると、人、人、人。全員が俺を見ているような錯覚を覚える。
「ごほっ! ごほっ! あー! 風邪だ!」
誰も聞いていないだろうに、俺はわざとらしく咳をしながら近くのコンビニに入った。ごほごほ言いながら、口元を押さて顔を隠してマスクを買った。会計の瞬間、店員に気づかれやしないかと肝が縮み上がった。コンビニを出てすぐさまマスクを付けようと、包装のビニールを破ろうとするが、顔を隠すために片手が塞がっているので上手く開けられない。もどかしさのあまり、口でビニールを咥えて包装を破った。取り出したマスクをつけ顔を完全に隠すと、俺はやっと落ち着きを取り戻した。
さて、これからどうするか。俺は指名手配中の身だ。外に出ていてよかった。おそらく事務所には警察の捜査が入っているだろう。しばらく事務所には帰れない。とにかく西織あいかに真意を問いただす必要がある。俺は携帯を取り出すと、昨日交換した彼女の番号にかけた。数回呼び出し音が鳴った後、回線がつながった。
「おい、どういうつもりだ」
無機質な音声案内の声だった。
* * *
6年前に元エントリを読んで「うわー子供作りたくねー」と思ったものだが、これ見ても全く同じ感想であった…。
俺みたいなのが「幼稚」で、みんなが「大人」だとみんなは言うけど、それは元々の性格傾向の違いじゃないか?と思う。
みんなはもっと肉体的に幼稚であったくらいの頃から利他性を獲得しているように見える。なるべくしてなっているというか。
その違いはどこから来るのか。俺がサイコパス的に精神異常なだけなのか…。
しかし6年か…。
6年前は違う会社にいて色々もがき苦しんでいたなあ。
一足飛びにやりたいことをやるのは不可能だったので、2段階のステップでいく計画を立てた。7年ほど前の話だ。
1段階目をなんとか着地させ、全く新しい環境(それまでとは業界も職種も仕事内容も何もかも全く違った)で暗中模索していたのが6年前だった。
今は2段階目を終え(2段目のステップでどの方向性にいくか物凄く悩んだ)、当初の計画にかなり近いところに来ることができた(内容は当時は想像すらしなかったものだけど)。
と言っても、当時は完全に不可能であったような目論見であったわけで、マンガのように劇的に上手くいくなんてことは全然無い。
そもそも、すでに俺の生来の能力や生きてきた環境から来る常識的な分相応ラインは越えてしまっているのだろう。試行錯誤しかない日々だ。本当に辛いが、楽しい。
でも色々なものを見てきて世界が広がればやりたい事はどんどん出てくるもので、今度は海外に行くことになった。
辛いこともたくさんあるだろうが、きっとまた新しい世界を見ることができるだろう。
まだまだやりたい事がたくさんある。(自分の基準で)最低限の成果すらまともに出せていない。
そんな状態で子育てと両立など無理だとしか思えないし、「子育てに当事者意識を持っていない!」などの女性側の意見は全て理解しているから作れない。
作らなければいけないのだろうな、という焦燥感や、作らないことに対する罪悪感はある。
きっといつか裁きを受けるのだろう。それは覚悟している。
本当におめでとう。
と同時に焦燥感の様な気持ちがざらつく。
自分には特に結婚願望があるわけでもないし、結婚なんて公開処刑みたいなことシたくないと思ってるくらいなのに。
周りはどんどん結婚していて自分は生まれてこの方26年間彼女がいた事がない。
異性との付き合いがこのくらいの年齢まで無いってのは、男として欠陥ありと思ってしまう。
結婚する親友2人の話を聞いていると「こいつ、こんなしっかりしっかり考えてたんだ」と思わされる。自分の思考ロジックの深みのなさが情けなく思う。
具体例が挙げられないのでなんとも言えないが、2手3手先を考え、次に繋げられる思考ができるのは凄いと思う。
見習わねば。
(おそらくコミュ症気味なのもこのへんに鍵があると思うが・・・)
別に同じ歳の芸能人とかが結婚しても何も感じないが、友人、特に10年来の付き合いの親友となると話が違う。友人関係なんてのはつまるところ、価値観の共有だと思っている。
価値観がほぼ同じステージの人間が、1ステージ上の価値観を手に入れてしまったという、羨望・嫉妬を感じているんだろう。
結婚なんてシたくないと言っている反面、結婚が価値観として要素を持ってしまっているあたり、自分の価値観の矛盾を感じる。
今回の場合、親友たちが結婚することで、新しい価値観を得られているのに、自分だけ一つ上の価値観のステージに行けなくて置いてけぼりを食らったと言うことと、
自分の精神年齢の低さに改めて絶望した、の2点でなんとも得ない感情になっているのだろう。