はてなキーワード: 迎撃とは
冷戦時代、ソ連各地に配備されたICBMが日本上空を通過するという説明が
メルカトル図法を用いて「丁寧」にされていた
必ず情報の取捨選択が行われていることになかなか気付きにくいらしい。
地図はあくまでも2次元であって現実ではないし、縮尺1/1の地図も使えないのだが、どうも世の中ではなんでも万能でないと気が済まないらしい。
あともうひとつ、「日本上空」とはいうが「領空」といわないところがミソである。
お前らはそろいもそろって情報弱者だな
ミサイル迎撃システムっていうのは、落ちる直前にしか打てない、そういうもんなの!!
空中飛べる選手がいたとしても、速度のピークで捕獲しにくい瞬間を狙うより、
着地予想地点で待ち受けて速度落ちてきたあたりで捕獲したほうが安定するだろうが
僕が北朝鮮の将軍だったら、福島の帰宅困難地域の空き地に半径数百メートルが吹っ飛ぶくらいのごく小さな核弾頭を失敗に見せかけてぶち込みますね。発射後すぐに失敗であると発表、着弾後、速やかにお詫びのコメントを出します。これで犠牲者を出さずに核弾頭を正確に撃ち込めることは証明できるし、最初から失敗だと詫びてる人を追求するのは日本人の美意識に反するし、そもそも放射能汚染されてる地域なのであんまり強く非難できないし、日本が迎撃できないこともわかるし、いいことしかない。
板門店の警備兵が南側に亡命しようとした。彼を北朝鮮側の一隊が連れ戻そうとし、そのまま銃撃戦となった。
この事件をきっかけに、これまで居丈高な姿勢を取り続けていたトランプ・金正恩両者の応酬がもはや常軌を逸したものとなり、
次に発生した局地的な砲撃戦が開戦の合図となった。
西海岸の復興と戦力再編のためにかかった費用は天文学的な数字で、焦土となった統一朝鮮を勢力下に収めたものの完全に持て余している。
韓国は文字通り火の海になった。火砲によりソウルが消滅、釜山や仁川といった主要地域も壊滅的な被害を受けた。
統一朝鮮の負担には各国から援助も出ているが、民族の悲劇が再現されてしまった。
日本は放射性物質によるテロの標的になった。直接の死者2,000人。佐世保、福岡、横須賀、東京は人が住めない土地になり、
大阪と京都で経済と行政を分離する方向で調整が進められている。住む場所を追われるなど、影響を受けた人数は1000万人を超える。
債権を大量放出した影響でアメリカ経済を致命的に悪化させ、同盟を維持できないほど関係が冷え込んだ。
中国は東北部が核汚染され、大量の難民流入もあり財政的に破綻した。
アメリカが後退したいま第二列島線への進出を狙っているが、肝心の軍を維持できなくなりつつある。
人民解放軍による難民虐殺の噂も出ているが、共産党の強権でなんとか政権を維持している。
国際体制は第一次世界大戦後のヴェルサイユ体制のようになった。
不安定で、いつ崩壊してもおかしくない危うい均衡を保っている。
真の勝者など誰もいない。
だがそうだろうか?
米国を攻撃したら報復攻撃されて北朝鮮が終了するのは疑いない。
米軍は日米安保情弱に基づき集団的自衛権を行使し発射されたミサイルを迎撃するための行動は起こすだろう。
でも、それ以上のことをするのか?すなわち北朝鮮本土を攻撃するのか?
「するに決まってる」と信じてる人は多い。
けれども迎撃ミサイル発射したことをもって義務を果たしたとすることもできるのではないか?
北朝鮮の核ミサイル開発を阻止するために軍事的オプションも排除しないとトランプは言うけれど
今に至るも行使しないのは、それをしたら日本と韓国に甚大な被害が出るからだ。ソウルは即座に火の海になる。
大気圏とは上空100km程度なので、ミサイルが飛行した高度500kmは「領空」と考えないのが普通。「日本を跨いだ長距離の…」という理屈は、各国のロケットや人工衛星等にも適用されるので、意味がないです。
いやー、イージス艦によるミッドコースでの迎撃はそもそも大気圏外を想定してるんで
大気圏外(上空100km以上)は領空じゃないから通過しても撃墜しない、って言うのは無理があるわ。
核実験、ミサイル発射実験、軍事力の行使に言及を繰り返してる国から飛んできた大陸間弾道弾に
各国のロケットや人工衛星等とおなじ理屈が適用されるとか言ってるのも、ちょっとおかしい。
現在の状況下で北朝鮮が発射した大陸間弾道弾は、ただの「日本の上空飛ぶもん」ではないし
「どうせ着弾しないなら20億使って迎撃したくないな」っていうのはずいぶんフワフワしてるけど、まぁ理解できる。
でもそういう選択をしたことで
「日本には落とさないよ」と匂わせておけば、日本跨いだ長距離ミサイルの実験し放題。技術向上ウマウマ
「日本には落とさない」という情報を事前に流しておけば迎撃されずに日本本土攻撃できんじゃん!
ということを北朝鮮側に示しちゃったんじゃないの?20億節約した代わりに。
それって悪手じゃね?
Jアラートが出た時点で、日本本土に着弾する可能性は否定できなかったんでしょ?
何で迎撃されなかったの?
1)日本政府はミサイルが本土に着弾しないという情報を「発射以前に」入手していたが、そのことは公にされなかった。未だにされていない。
2)日本には北朝鮮から発射されて日本本土に着弾するミサイルを迎撃する装備がない。(そもそも迎撃なんてできない。)
3)日本政府は北朝鮮のミサイルが本土に着弾しても「まあいいか」と思ってる。少なくとも一発目は。(迎撃できるけどしない。)
4)迎撃したんだけど失敗した。(ナイショだょ!)
さぁ、ドッチ?
たとえ上空通過の可能性が大だったとしても、本土着弾がありえるなら迎撃する正当性があるし
迎撃すれば「日本政府は日本に被害を及ぼす可能性のある軍事行動を、たとえ実験目的でも容認しない」ということと
実際にそのような行為を阻止する実行力があることを示せる。
じいちゃんに聞いた戦争の体験話。特別感動的でもないし、奇跡的でもない。
だけどもうじいちゃんは死んだので俺しか知らない話になっている。だからここに残す。
* * *
小学生の頃、寝る前とかにじいちゃんに
「怖い話をして」
とねだると必ず戦争の話になった。
子どもの俺は口裂け女とか人面犬の話がして欲しいのに、じいちゃんは必ず戦争の話をした。
話は大体決まっていて、「船の甲板にいて戦闘機が襲ってきたら跳弾が危ないから伏せろ」だとか「射撃台が打たれるからちかづくな」というような使いようのないTipsだった。
子どもながらにじいちゃんは歳だから気の利いた怪談話とかを知らないんだなと渋々聞いていた。
* * *
俺が社会人になって家を出て数年したある日、じいちゃんから突然電話がかかってきた。
なんと田舎から出て来て、一人暮らしの俺の家の前まで来ていた。
平日だったので仕事中だったが早退してじいちゃんに会った。
じいちゃんは俺の家に上がるわけでも、観光をしたいというわけでもないというので、仕方なく一緒に近所の喫茶店に行った。
適当に世間話をした後、なんとなくじいちゃんに戦争の話を聞いてみた。俺が大人になって戦争の話を聞くのはこれが初めてだった。
聞くと、じいちゃんは当時18歳で西日本の港の練習艦に乗っていたそうだ。
そして、練習艦での日々を教えてくれた。
なんでも戦争末期には毎日のように戦闘機が飛んで来て襲われていた。そこで辛かったのが迎撃するための射撃手を決める方法。
戦闘になれば射撃手は最初に狙われるためほぼ確実に死ぬので誰もやりたくない。しかし上官が当日の射撃手を募れば率先して手を上げなければ気絶するまで殴られる。
死ぬのがわかっていても手を上げなくてはならない。選ばれた戦友は必ず死ぬという毎日が本当に辛かったそうだ。
じいちゃんは運がいいことに声がでかいために伝令係に選ばれることが多く、射撃手には選ばれなかったらしい。運がいいと思いつつ、相当なうしろめたさがあったと言っていた。
最終的に練習艦は港で撃沈され、泳いで陸まで逃げて生き延びた。
じいちゃんの声がもう少し小さかったら俺は生まれてなかったかもしれないかと思うと当時の人の命の儚さ、不安定さのようなものを感じた。
最後に俺が練習艦とはいえ艦船に乗ってたなんてすごいねというと、じいちゃんの目つきが変わってこう言った
「違う。わしが練習艦に乗っとったんは落ちこぼれだったからだ。学校で頭が良くて成績のいい奴らは先に選抜されて大和や武蔵に乗ってみーんな死んだ。わしより優秀な奴らみんな笑顔で『さよなら』と言って死んでいったんじゃ。だからわしはあれから一度もさよならと言ったことはない。さよならなんて言ったらいかん。」
* * *
別にその日は戦争の話をしにきたわけじゃないだろうけど、俺はじいちゃんにとって戦争がどういうもので、「怖い話をして」というとなぜ戦争の話をするのか少しでもわかってよかったなと思った。
じいちゃんは、その後ガンが見つかり、突然の訪問の日から半年以内にあっさりと死んでしまった。ガンは告知しなかったそうだが、じいちゃんなりに残りの時間は感じていたのだと思う。
もうじいちゃんが死んでから何年も経つ。
他の戦争体験の話に比べたら大した話じゃないけど、俺のじいちゃんの話をなんとなく世の中に流しておきたかったので書いた。
おしまい。
追記:たくさん読んでくれて嬉しいです。ブコメで指摘があるように一人称は「わし」と言っていなかった。じいちゃんの一人称は「わっち」だったのだけどこれは地元の言葉なので書き換えました。
体験会に合計2時間参加してわかった。格闘ゲームは面白かったんだな。
俺は格闘ゲームがもう本当に、壊滅的に下手で、格闘ゲームそのものに嫌悪感を抱くレベルにまで達してしまっていたが、今回やっとわかった。格闘ゲームは面白いんだ。
おそらく、ARMSは立ち回りと駆け引きを楽しむということを純粋に求めたゲームだと思う。
今までのストIIスタイルの格闘ゲームは、コマンドを覚え、適切なタイミングでミスなく使うことが要求されていた。これはバーチャも鉄拳もそうだ。で、これのハードルがとても高い。俺はこの段階で躓いたクチだし、同様の人も多いだろう。それで結局、格闘ゲームの醍醐味である、「相手の行動に二拓をかける」とか、「相手の戦術を予測して立ちまわる」という段階まで到達できなかった。
ARMSで言えば、最初にわけもわからず両手が前に出てしまって投げばっかりやってる、みたいな状態だ。これじゃ絶対勝てないし、醍醐味も味わえない。格闘ゲームの衰退(本当にしてるかどうかは置いといて)は、初心者狩りだとかそういうことじゃなくて、「そもそも面白い段階まで行く人が少ない」んだろうと思った。
で、ARMSの場合、いわばコマンド技はアームという形で最初からセットされている。腕を前に出せば技が出る。強弱二種。それに加えて投げがあり、ボタン一発で発動するコンボがある。毎回、対戦相手を目の前にしてアーム(技)を選んでバトルがスタートする。つまり、事前に技を決めておいて、あとはそれをどうやって適切なタイミングで使うかのゲームだ。
相手のキャラ特性を見て、昇竜拳と波動拳と竜巻旋風脚から二つ選ぶ、みたいな感じ。もちろん相手も選んでくるので、予想が当たるかどうかはわからない。相手はデカブツだから、確実にダウンさせる炎タイプを選ぼう。でも手持ちの炎タイプのアームは軽量だから、重量アームには叩き落されてしまう。ならアームをカーブさせて打たないとダメだ…みたいな立ち回りを考える楽しさを初めて体験した。逆にデカブツ視点では、相手は素早くて炎アームも持っているから、重量アームで正面を、曲がるアームで側面を防御しようみたいに思考が進む。で、それをさらに…という感じで尽きることがない。これを格闘ゲーマーはずっとやっていたのか!そりゃハマるわ。俺がARMSを最高に楽しんでるように、彼らもずっと前からそうだったんだな。
で、アーム(コマンド技)が限定されているから実際の試合は面白くないかと思うかもしれないが、そんなことはもちろんない。このタイミングで投げを放つと危険だから相手をまずは崩そうだとか、このキャラは回避からすぐに投げ技を撃ってくる可能性が高いから常に迎撃用のアームは残しておこうだとか、多分これが立ち回りだろうと思われることを常に考えながら殴っている。すごい楽しい。
俺は格闘ゲームは反射神経でやるものだと思っていたが、どうやらそうではなかった。そりゃ反射神経がものをいう場面はあるけど、それよりも戦術の組み立てが大事だ。そして、ARMSはそれに特化した作りになっている。
伸びるパンチで戦うバトルは、反射神経の戦いになりにくい。反応もできずにやられた、ということが少ない(もちろん、試合展開はとってもスピーディだ)。自分の動きも相手の動きもよく見える。だから相手にやられても「あそこで敵に誘われてしまったから負けたんだ」みたいに敗因を自分の反射神経、つまり肉体的な能力に求めなくて済む。これが自分にとってはとてもよかった。「なんか知らんうちにやられた」よりも「見えていたのに!」って負け方のほうが気持ちいい。ARMSが距離をとった格闘ゲームなのは、「敵のパンチが来るのが誰にでも見える」からなのではないだろうか。敵のパンチが来る、でも俺のパンチはもう両手とも撃ってしまっていて、対処ができない、だから食らったんだ!という分析がすぐにできる。相手の動きの選択肢を狭める動きも多種多様だ。スーパーコンボをあえて見せて相手の投げを誘う、みたいなことを頭で考えて、あとは腕を適切に振るだけでできるという感動。ストIIスタイルのようなフレーム単位の戦いではない分、思考の時間があって理不尽を感じにくい。
それと、個人的にバレーボールが好きだ。ちゃんとレシーブ、トス、アタックと順番を踏めばうまく攻撃できるし、タッグマッチの場合、相棒がそれをわかってくれているとまさにバレーボールの動きができる。きっと今後は、1ポイントを奪いあうバレーの試合が増えて行くと思う。ミニゲームじゃなく、純粋に楽しいよこれ。
自分の中では、スプラトゥーンよりも革新的なゲームだ。自分の意識を変えてくれたゲームだから。スマブラでさえ覚えることが多くて難しかった自分にとっては、ARMSは最良の格闘ゲームになりそうだ。そして、今後はストIIスタイルの格闘ゲームへの偏見もなくなりそうだし、改めてやってみようかとも思う。
手を動かしてゲームするのはなんかダサい、と敬遠してる人にこそ触ってほしいゲームだと思う。
任天堂がSwitch専用ソフトとして初めて出した(追記:二番目でした)のが格闘ゲームだった、というのはなかなか面白いね。格闘ゲームは衰退したり死んだわけじゃなく、そのコアになる面白さは普遍のものだということが分かった。とてもいい機会だった。
■追記
なんかちょっと誤解されてるようなので追記を。ちょっと偉そうな書き方になったのは反省してる。
別に格闘ゲームの本質はこれだ!とか言いたいわけじゃなくて、ストII時代からずっとあったんじゃないかと"俺が思う"、格闘ゲームのおもしろさにやっと気づいたよっていう話なんだ。もちろんこれ以外に格闘ゲームの魅力は沢山有るだろうし、それらにも今後気づいていけたらきっと楽しいと思う。事実、ブコメでおすすめされたポッ拳はやってみたいと思うようになったし、ウルIIも買ってみようかなと思っている。
音楽にしてもスポーツにしても、「楽しみ方」「鑑賞の仕方」を知っておいた方が断然楽しい。だから格闘ゲームもきっと同じで、"俺が思う"楽しみ方に今回やっとたどりついた気がするんだ。
他のゲームを貶める意図はない。でもそう感じられたのだとしたら申し訳ない。冒頭に書いた「格闘ゲームは面白いんだ」は、ストIIスタイル含めて全ての格闘ゲームを指していた。ARMSが最高!とか言う話じゃない。ブコメで「青二才」とか言われてるけど(それはそれでいいんだけど)、それでは格闘ゲーム熟練者が考える「格闘ゲームの本質」を教えてほしいと思う。初心者、素人がわからないような面白さの本質があるのだとしたら、それを知りたいから。そうすればもっと楽しめると思う。
もちろん、ARMSもどんどんレベルが上がっていってついて行けなくなる日がきっと来るだろうけど、その頃にまた"俺が思う格闘ゲームの面白さ"を備えた別のシステムのゲームが出てくれたらなと思うよ。
1-2 Switchは素で忘れていた…。
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2046年。東京オリンピックの年に生まれた人間が三十路に差し掛かる頃。
餃子チェーン店のテーブル席で、野暮ったい女がビールを飲みながらノートパソコンに何か打ち込んでいる。ひどいクマと死んだ魚のような目はまるで亡者だ。亡者がスウェットを着て餃子をつまんでキーボードを叩いている。
老紳士が現れる。ボウシを取り、くすんだ色のトレンチコートを脱ぎ、女の対面に当然のように座る。老紳士は老いているからか、挙動がぎこちない。
「やあ、赤坂くん」
女は答えず、画面を見ながらチャーハンをゆっくり口に入れ、咀嚼する。
女、赤坂は無視し続ける。ポッケからイヤホンを取り出し、耳にはめ込む。無言の意思表示だ。老紳士はしばらく黙っておいて、それから何を思ったか、半分衝動的に赤坂のパソコンをパタンと閉じてしまう。
「おい」
乱暴に、短い抗議の意を示す赤坂。老紳士はとぼけて、それを意にも介さず用件を切り出した。
「ロシア上空に、GPS衛星と偽装されたアメリカ軍の偵察軍事衛星がある。それにちょっと侵入(はい)ってきてほしい」
手に折りたたまれたコートのポケットをさぐり、メモリードングルを取り出す老紳士。赤坂はそれをむしり取って、小さな機械に差し込み、それを有線でパソコンに繋いだ。
「あいかわらず厳重だな」
「パソコンに直接差し込むのは、信用できる機器だけにしてるんです。教授、あなたからそう習ったはずですけど」
呆れる老紳士に皮肉を返すと、赤坂はメモリードングルに入った資料を開いた。
「5ページ目にリストされているETN-G-129がそれだ。表向きは、商用オフザシェル化の一環として宇宙関連企業のパラジウム社が受託し打ち上げたBlockⅢ代替のGPS衛星だ。しかし、実態はちょいと違う」
ある資料には、膨大かつ一般人には意味不明な数列が延々列挙されていた。2桁の16進数が大量に連なっている。しかし、彼女にはこれらの意味が分かる。
「そうだ。しかも、暗号化されていたものをご丁寧に平文にして転送している。NSAも随分と腑抜けたものだよ」
注文を取りに来た店員にお冷を頼んで追い返す老紳士。彼がひどい下戸であることを赤坂は知っていた。
「まあそうだな。依頼主はアメリカ側からのアクセスを止めさせろと言っているがな、それじゃあんまりつまらんだろ」
店員が会話を中断させ、水を置いていく。老紳士は一口、いかにも老人といったしぐさで飲む。
「赤坂くんの好きにしていい。おそらくコントロール系統はNORADに接続されている。君の腕ならば、衛星を踏み台に使うのも良かろう」
「それだったら、もう少しマシな手があるし、だいたい軍やら何やらに侵入するのはあなたの持ってくる依頼のせいじゃないですか」
「はて。ワシはバス接続の危険性以外にもこう教えたはずだがな。『君たちは楽しい楽しいオモチャを手に入れたのだ』とな」
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帰る途中。コンビニに立ち寄り、ソフトクリームを食べるための座席に座り、キーボード付き携帯端末を公衆無線ネットに繋ぐ。会員登録をしろとせがむ画面を消し、スクリプトをいくつか走らせると、すぐに管理者権限が手に入る。
いくつかプログラムを自動インストールさせ、オニオンルーティングとVPNで秘密の回線を作り出す。これで発信元の特定が困難になる。
そこから接続するのはとあるアメリカ軍人の個人端末だ。以前とあるショッピングサイトから流出した情報を使って、たやすく乗っ取る。今、アメリカはだいたい朝の10時。運が良ければ、軍人は軍施設内にいるはずだ。果たして、軍人は施設内におり、乗っ取った端末から施設の無線ネットに接続出来た。
軍用のシステムはちょっと頑丈で、コンビニのサーバほど簡単に侵入らせてはくれない。辞書攻撃を仕掛けつつ、母校たる東京電波大学の誇るスーパーコンピュータを使って秘密鍵の推測を行う。
20分程度かかって、なんとか秘密鍵を割り出した。同じ公開鍵が無線ネットの接続に使いまわされていたのはラッキーだった。こうして米軍のシステムに侵入できた。
しかし、いくら同じ米軍のシステムと言えど、見たところこの施設はただの空軍基地。件のスパイ衛星のコントロールシステムはそこには無いようだ。
そんなことは赤坂も最初から分かっていた。赤坂の狙いは、空軍基地にある衛星通信用のアンテナだ。これを使い、標的の衛星の近くにいる衛星にアクセスし、乗っ取り、そこから標的の衛星にアクセスするのだ。
これをやってみると上手くいかない。アンテナから衛星が遠すぎたのだ。仕方なく他の米軍基地をまた乗っ取り、やっと標的にアクセスできた。早速データベースを覗きこむ。
中身は、ロシアと米NSAの秘密鍵などでギッシリだった。これだけ色々あれば、次また教授が何か言ってきても楽になんとかなるだろう。
『衛星はーーNORADに接続されている。ーー踏み台にするのも良かろう』
教授のほざいたことをふと思い出し、コントロールシステムへの信号に偽装フレームを紛れ込ませてみる。偽装パケットには小さなフレームが仕込んであり、相手システムが受け取ると即座に実行され、こちらに諸々の情報を返してくる。すると米空軍の心臓を掌握したも同然である。
いささか満足し、帰る準備として証拠の記録であるセキュリティログを隠滅しようとして気づいた。セキュリティログが明らかに不自然だ。誰かが一部を消したのだーー赤坂が今やろうとしているように。
「私以外に、誰かが侵入っていたんだ。しかも、私とほぼ同時に」
少し気味が悪かったが、適当に証拠を処分し、衛星は傍受したデータではなくランダムに生成したデータを送信するようにしておいて、その場は終わりにした。
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レジに座り、大きなあくびをした。普段、赤坂は平成商会でアルバイトをしている。平成商会は新横浜にある、電子パーツの問屋だ。マニアと業者だけがやって来て、一般人にとってはガラクタにしか見えない物を買い漁る、知る人ぞ知る店である。
声をかけられ、顔を上げた。教授だった。ふざけている。そんなもの、彼が探しているはずもない。依頼の成果物を取りに来たのだ。
「これ、衛星のコンソールへのリンクです。米軍施設にあるコントロールシステムの電源が付いている限りは、自由に例の衛星をコントロールできます」
事も無げに言い、携帯端末に二次元コードを表示して差し出す。教授はうなずき、コードを写真に撮る。
「報酬はこれだ」
教授は提げてきた紙袋から何か取り出した。大きくて古臭い、中世のコンピュータの周辺機器だ。
「ずいぶん探したんだぞ」
「そうそう。ウチの大学のスパコンあるだろ。あれが短時間何者かによって不正利用されてたらしくてな。学内大騒ぎだ」
「ワシの研究室にもちょっと来てね、誰がやったか調べてくれって言うもんだから見てみたら驚いたよ。RAMに公開鍵がたっくさん入っておったよ。あれがNORADの鍵かね」
「いや、あれはどっかの米軍基地の鍵でした。NORADの鍵は私が大事に保管してます」
「鍵は大事に保管ね。当然だ」
教授が帰った後。店主の勧めでペケ86kを店頭に展示すべくパソコンに繋いでいる時。
「あの……すみません」
どこかから女の声がするではないか。嫌だな、怖いな、と思いながら声の方向をたどると、一つの端末が音声通信をしていた。
これだからP2P通信は。無視して通信ソフトを落とす。が、何度やっても立ち上がる。
「ちょっとお尋ねしたいんですが……」
電源を落としても、もう一度つく。コンセントを引き抜くと、別な端末に移る。
「もう、やめてくださいよう。ちょっとぐらい話きいてくれたっていいじゃないですか。ひどい」
「いやいや、あなたこそ誰なんですか……?米空軍の迎撃システムに侵入したの、あなたでしょ」
「私はただのバイトだ。消えろ」
キーボードを叩き、スクリプトを走らせて回線を遮断しようとするが、文字が入力できない。
「ネット切ろうとしてますよね。それはボクが困るので、キーボードの接続を切りました。ははっ」
ここで赤坂は確信する。こいつがあの不自然なログの正体だと。赤坂と同時にNORADをクラックしたハッカーだと。
「気持ち悪い」
「心外だなあ。ボクはあなたに興味があってはるばるここまで来たんですよ。ちょっとぐらい相手してください……」
「よっと」
後ろで声がする。メイドロボだ。やつは消えなかった。それは淡い期待に終わった。やつはメイドロボを乗っ取った。
ここの店主はメイドとレトロPCが大好きだ。置いてあるロボは無駄に美形の機種を買い、無駄にフリフリでクラッシックでステレオタイプなメイド服を着せられていたのだった。
本当は戦争状態にあるけど、世論がうるさいから黙っているだけなんじゃない?
北朝鮮のミサイルが失敗したらしいけど、ホントはアメリカのステルス戦闘機やステルス無人機が北朝鮮上空を飛んでいて北朝鮮のミサイルを迎撃したんじゃない?
北朝鮮の能力ではアメリカの無人機の存在に気づかずに、「アレレレ~失敗したニダw」って感じ?
北朝鮮の中でも、ホントは米軍機にミサイルと撃ち落とされたことは現場レベルで分っていても、将軍様に「アメリカにミサイル打ち下ろされっちゃったテヘペロッw」なんて報告したら将軍サマが逆上して報告した幹部を処刑するからみんな黙ってるんだぜきっと!
日本では戦争状態にあるところへ自衛隊が行くのは問題が出るから交戦状態であることを黙っている。
こんな感じ?