2017-05-29

Nintendo Switchの「ARMS」でやっと格闘ゲーム面白さがわかった

体験会に合計2時間参加してわかった。格闘ゲーム面白かったんだな。

俺は格闘ゲームがもう本当に、壊滅的に下手で、格闘ゲームのもの嫌悪感を抱くレベルにまで達してしまっていたが、今回やっとわかった。格闘ゲーム面白いんだ。

おそらく、ARMSは立ち回りと駆け引きを楽しむということを純粋に求めたゲームだと思う。

今までのストIIスタイル格闘ゲームは、コマンドを覚え、適切なタイミングミスなく使うことが要求されていた。これはバーチャ鉄拳もそうだ。で、これのハードルがとても高い。俺はこの段階で躓いたクチだし、同様の人も多いだろう。それで結局、格闘ゲーム醍醐味である、「相手の行動に二拓をかける」とか、「相手戦術予測して立ちまわる」という段階まで到達できなかった。

ARMSで言えば、最初にわけもわからず両手が前に出てしまって投げばっかりやってる、みたいな状態だ。これじゃ絶対勝てないし、醍醐味も味わえない。格闘ゲームの衰退(本当にしてるかどうかは置いといて)は、初心者狩りだとかそういうことじゃなくて、「そもそも面白い段階まで行く人が少ない」んだろうと思った。

で、ARMS場合、いわばコマンド技はアームという形で最初からセットされている。腕を前に出せば技が出る。強弱二種。それに加えて投げがあり、ボタン一発で発動するコンボがある。毎回、対戦相手を目の前にしてアーム(技)を選んでバトルがスタートする。つまり、事前に技を決めておいて、あとはそれをどうやって適切なタイミングで使うかのゲームだ。

これは格闘ゲーム挫折組としては革命的にうれしい。

相手キャラ特性を見て、昇竜拳波動拳竜巻旋風脚から二つ選ぶ、みたいな感じ。もちろん相手も選んでくるので、予想が当たるかどうかはわからない。相手デカブツから、確実にダウンさせる炎タイプを選ぼう。でも手持ちの炎タイプのアームは軽量だから、重量アームには叩き落されてしまう。ならアームをカーブさせて打たないとダメだ…みたいな立ち回りを考える楽しさを初めて体験した。逆にデカブツ視点では、相手は素早くて炎アームも持っているから、重量アームで正面を、曲がるアームで側面を防御しようみたいに思考が進む。で、それをさらに…という感じで尽きることがない。これを格闘ゲーマーはずっとやっていたのか!そりゃハマるわ。俺がARMSを最高に楽しんでるように、彼らもずっと前からそうだったんだな。

で、アーム(コマンド技)が限定されているから実際の試合面白くないかと思うかもしれないが、そんなことはもちろんない。このタイミングで投げを放つと危険から相手をまずは崩そうだとか、このキャラ回避からすぐに投げ技を撃ってくる可能性が高いから常に迎撃用のアームは残しておこうだとか、多分これが立ち回りだろうと思われることを常に考えながら殴っている。すごい楽しい

俺は格闘ゲームは反射神経でやるものだと思っていたが、どうやらそうではなかった。そりゃ反射神経がものをいう場面はあるけど、それよりも戦術の組み立てが大事だ。そして、ARMSはそれに特化した作りになっている。

伸びるパンチで戦うバトルは、反射神経の戦いになりにくい。反応もできずにやられた、ということが少ない(もちろん、試合展開はとってもスピーディだ)。自分の動きも相手の動きもよく見える。だから相手にやられても「あそこで敵に誘われてしまたから負けたんだ」みたいに敗因を自分の反射神経、つまり肉体的な能力に求めなくて済む。これが自分にとってはとてもよかった。「なんか知らんうちにやられた」よりも「見えていたのに!」って負け方のほうが気持ちいい。ARMS距離をとった格闘ゲームなのは、「敵のパンチが来るのが誰にでも見える」からなのではないだろうか。敵のパンチが来る、でも俺のパンチはもう両手とも撃ってしまっていて、対処ができない、だから食らったんだ!という分析がすぐにできる。相手の動きの選択肢を狭める動きも多種多様だ。スーパーコンボをあえて見せて相手の投げを誘う、みたいなことを頭で考えて、あとは腕を適切に振るだけでできるという感動。ストIIスタイルのようなフレーム単位の戦いではない分、思考時間があって理不尽を感じにくい。

それと、個人的バレーボールが好きだ。ちゃんとレシーブ、トスアタックと順番を踏めばうまく攻撃できるし、タッグマッチ場合相棒がそれをわかってくれているとまさにバレーボールの動きができる。きっと今後は、1ポイントを奪いあうバレー試合が増えて行くと思う。ミニゲームじゃなく、純粋楽しいよこれ。

自分の中では、スプラトゥーンよりも革新的ゲームだ。自分意識を変えてくれたゲームからスマブラでさえ覚えることが多くて難しかった自分にとっては、ARMSは最良の格闘ゲームになりそうだ。そして、今後はストIIスタイル格闘ゲームへの偏見もなくなりそうだし、改めてやってみようかとも思う。

手を動かしてゲームするのはなんかダサい、と敬遠してる人にこそ触ってほしいゲームだと思う。

任天堂Switch専用ソフトとして初めて出した(追記:二番目でした)のが格闘ゲームだった、というのはなかなか面白いね。格闘ゲームは衰退したり死んだわけじゃなく、そのコアになる面白さは普遍のものだということが分かった。とてもいい機会だった。

■追記

なんかちょっと誤解されてるようなので追記を。ちょっと偉そうな書き方になったのは反省してる。

別に格闘ゲーム本質はこれだ!とか言いたいわけじゃなくて、ストII時代からずっとあったんじゃないかと"俺が思う"、格闘ゲームおもしろさにやっと気づいたよっていう話なんだ。もちろんこれ以外に格闘ゲームの魅力は沢山有るだろうし、それらにも今後気づいていけたらきっと楽しいと思う。事実ブコメおすすめされたポッ拳はやってみたいと思うようになったし、ウルIIも買ってみようかなと思っている。

音楽にしてもスポーツにしても、「楽しみ方」「鑑賞の仕方」を知っておいた方が断然楽しい。だから格闘ゲームもきっと同じで、"俺が思う"楽しみ方に今回やっとたどりついた気がするんだ。

他のゲームを貶める意図はない。でもそう感じられたのだとしたら申し訳ない。冒頭に書いた「格闘ゲーム面白いんだ」は、ストIIスタイル含めて全ての格闘ゲームを指していた。ARMSが最高!とか言う話じゃない。ブコメで「青二才」とか言われてるけど(それはそれでいいんだけど)、それでは格闘ゲーム熟練者が考える「格闘ゲーム本質」を教えてほしいと思う。初心者素人がわからないような面白さの本質があるのだとしたら、それを知りたいから。そうすればもっと楽しめると思う。

もちろん、ARMSもどんどんレベルが上がっていってついて行けなくなる日がきっと来るだろうけど、その頃にまた"俺が思う格闘ゲーム面白さ"を備えた別のシステムゲームが出てくれたらなと思うよ。

1-2 Switchは素で忘れていた…。

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