はてなキーワード: プリントアウトとは
https://anond.hatelabo.jp/20230901202633
俺も反ワク親を持つ者だ。ワクチン接種券を奪われたり、荒唐無稽な話をひたすら説かれたりしたよ。
「世界の黒幕がいるなら、現状でせっかくみんなから搾取できてるのに人類削減なんてしたくないよね?」
という旨の反論、俺が自分の反ワク親にしたものと同じで笑ってしまった。
もちろん何の効果もなかったwひょっとしたらさらに意固地にさせる効果はあったかもしれないが。
「そのAとBは両立しないよね?」
みたいなシンプルな指摘、流石にこれなら伝わると思って、つい言いたくなるけど通じないものは通じないんだよね。
何ならうちの反ワク親は医者を「金のために患者の命を売り渡す製薬会社の犬」「権威主義で考える能力がない」
「そもそもあんな汚れ仕事が地位が高いこと自体おかしい」「今後は注射に何を混ぜられてもおかしくない」なんて罵倒する一方で、
「コロナなんて存在しない」と「ワクチンを打ったほうが感染しやすくなる」も同時に主張していたし、
「接種後のお前がブルートゥースのリストに表示されないのはプラセボだったから」と「体から悪いものが出ていて臭いから早く解毒しろ」も同時に主張していた。
自分の言ったことの整合性が取れてなかったり、間違っていたら自分の信憑性が下がる、という考え方自体が存在しないのかもしれないと思う。
とにかく数打ちゃ当たる方式でいいと思っているのかもしれない。
「過去にあなたが危険だと言ってきたものも、色々間違ってたでしょ?なぜ俺より正しい判断をしてると言えるの?」と言っても、
「そのデータは政府による捏造だ!実際は危険だ!あの地域も汚染されてるんだ!」と言って聞く耳を持ちやしない。
向こうからしたら、こちらこそ「凝り固まって聞く耳を持たない馬鹿」らしい。
しかし俺からしたら、クラクラするようなデマ記事を見せられても当初は真面目に取り合っていたし、指摘するにしても
「この情報はここが怪しいよ」「危険とか煽ってるけど定量的な話がないよね」「どうも関係ない写真を持ってきてるみたいだ」と普通に喋っていた。
しかし毎日毎日繰り返しボケ老人のように、同じようなデマを訴え続けられて時間を奪われることに苛立ってこちらの態度もどんどん悪化し、関係性も険悪になっていった。
そういったプロセスもあいつらの脳内では捨象され、最初から拒絶して聞く耳を持たなかったことになるらしい。
「自分は反ワクなどではなくおかしいものをおかしいと言っているだけ」というのもお気に入りだったな。
政治的な主張が強い人がなぜか右でも左でもない普通の日本人を名乗りたくなるようなものだろうか。
「そうだな、お前の言う事もそれもわからん。どっちが正しいか分からんけど、とにかくワクチンは打つな。数年様子を見てから決めればいいだろ」という嘘のポーズで中立ぶることもあったな。
返事で「そうやって様子見している間にコロナにかかって重症化したり後遺症になった場合の責任をどうやって取ってくれるのか?」というと、
「ワクチン打ったら寝たきりになって死ぬって言ってるだろ!!罰当たりの親不孝が!」などと返ってきて、嘘のポーズをしてくる卑怯さを呪ったものだよ。
そもそも俺は「接種が始まってしばらく経って出てきた多くのデータに基づいて益が害を上回ると判断してワクチンを打つ」という決断をしてるのに、
「この騙されてる子が信奉してるナントカ先生を批判すれば正しい道に戻せるはず!」とか勘違いしてるのが反ワク親というもの。
アホみたいな何度も説得をされたよ。
「ひょっとして何とかいう大阪大学の教授のこと信じとるのか?アレはアカンぞ!聞くならxx先生かyy先生にしろ!」みたいなね。
あなた達が信じてる主張をしてくれる教祖様は限りがあるから一人一人否定していけばいいと思うのかもしれないが、こっちの根拠はいわば医者の意見の平均やぞ。医者の99%を否定するまで続けるつもりか?と言いたくなったな。
怪しげなものを飲んで病気が治った個々の体験談を信じるような人間は、エビデンスレベルみたいな発想自体がそもそもないのだよな。
あと実家に有料動画サイトを導入しろ、みたいなアドバイスをやけに得意げに言うやつがいるから言っておきたいが
実家がそういうの普通に見れる環境にあってもスルッと陰謀論ハマりましたよ?
インターネットに10年以上触ってる親でも普通に陰謀論ハマりましたよ?
というか普通に生きてたら実家の全てのデバイスを自分が管理し続けられるわけないんだから、
親がそういうのにハマる素養さえあれば、デマをどこかでたまたま見かけたり、誰かに聞かされて、気になって検索した時点でアウトだ。
無数のSNSでもニコニコでもユーチューブでも、怪しげな個人ブログでも、いくらでも入り口はあるんだから。
別にそういう工夫が全く無意味とか、その方法に言及するなと言いたいわけじゃないが、「ダメ元で効果あるかもしれない」くらいのノリでやってほしい。
得意げに「こうしたら?」と言ってしまう事には、末期がんの患者に怪しげな代替医療を勧める親戚とか、介護問題に外野から口出ししてくる厄介な親戚にも似た、無邪気な残酷さがあることは指摘しておきたい。
陰謀論ズブズブの状態の人間とのやり取りは、もうこちら側には連れ戻せないだろうと思わされる本当に絶望的なものなので。
プリントアウトされた大量の陰謀論記事の束を机の上にドンと置かれる気持ちがわかるか?
支離滅裂で相互矛盾した主張を聞き続けると気が狂いそうになるのがわかるか?
俺はなぜエセ科学批判やデマのファクトチェックが追いつかないのか、よーーーーくわかるようになったぞ。
「明らかにおかしいと俺は分かってるんだから聞いてるくらい平気だ、子供の戯言と同じだ。俺は大人だ」なんて自分に言い聞かせても、
「磁石がくっつくようになるの」「実際に試したら接種者がいる時だけ謎デバイスがブルートゥースで検出される」「検証した。この目で見た」「無数の有害成分が入ってる」「何の成分が入ってるのか公表されてない」「政治家だって分かってるからほとんど打ってないの」「ファイザーの元役員だって告白してる」「打った人からは毒が出る」「打つと寝たきりになる」「打ったほうが感染しやすくなる」「打つと血管がこの画像みたいにボロボロになる」「打つと免疫がゼロになってエイズになる」「この教授もあの教授もいってる」「名誉教授が」「この医学博士もいってる」「逮捕歴あるからダメってそれもどうだか、真実を言ってるから捕まった」「自己決定権?命のほうが大事。命を守るために言ってるから」「反ワクチンなんかじゃない」「おかしいものをおかしいと言ってるだけ」「どちらが正しいかなんてわからない」「あんただってわからないはず」「とりあえず5年待てばいいじゃないか」「10年と経たず死ぬ」「お願いだから考え直して」「ちゃんと話を聞いて」「どうしてそんななの」「どうしてわかってくれないの」「罰が当たるぞ」「前回平気だったのはプラセボに当たっただけだ」「治験が終わっていない薬だぞ」「大勢死んでいる」「まだ打とうと思ってるんじゃないだろうな」「どこへ行くつもりだ」「安全性も確認されてないものをこんな風に大勢に流れ作業で打っておかしい」「どうしてこんな事がまかり通っている」「なんで誰もやめさせないんだ」「お前の友達はみんな打ってるのか。自分で考えられないやつしかいないんだな」「お前SNSでこんな事書いてただろ。海外行きたいから打ちたいんだろ。打てば死ぬのに」「命とどっちが大事だ」「人類削減計画って知ってるか?」「ハァーーー……(ため息)」「世界人口5億人に減らそうとしてるんだよ」「自然免疫が一番なんだから不自然なことをするべきじゃない」「コロナなんて実在しない」「コロナワクチンの画像はビルゲイツが適当に作った」「ビルゲイツなんてただの手先」「もっと上の黒幕がいる」「早く解毒せなあかん」「悪いものが体から出ている」
自分なら聞けるというなら、あなたは本当に忍耐強いんだろう。並の人はそうではないと思う。
確かにマクロ的に見たら教育レベルが高いほうが騙される確率は低いんだろうが、大卒理系でも騙されてる人はたくさんいる。
結局おかしなことを信じるのには多くの要因が混ざり合ってるから、もっと頭がよかったら回避できたはずとか、たらればを考えても本当に仕方がないことだと思う。
たとえば「論理的思考能力」「知識量」「幸福度合い」「精神の健康」「政府や権威を信頼する度合い」どれも少なからず影響があるだろう。
一説によったら、陰謀論者には「自分の頭で考える傾向」自体はあったという話もある。「思いて学ばざればすなわちあやうし」とその対句はよく出来た名言だよな。
うちの親も片方はアホで片方は中堅大学理系学士だが、程度に差こそあれど、どちらも普通に反ワクに騙されている。
逆に俺は幼少期からキチガイ親にモラハラを受けるなど色々あって一度挫けたため大学すら行けてないが、エセ科学に騙される親への反感でエセ科学批判の類を読み続けて耐性があったため、初期から反ワクチンデマを垂れ流しにされて脅され続けてもビクともしなかった。
昔から親がクソだと分かっているなら反ワクになる以前から縁を切っていろという話だが、僅かでもしおらしい部分があれば、過去の間違いを埋め合わせてくれるかも、と思ってつい関わってしまうよくある愚行だよ。
モテる技術の解説記事では、はてブはいつも「女目的で趣味のサークルに参入するな」と言っている。
趣味の場所に恋愛関係を持ち込むのは嫌われていて、つい最近でもこんなコメントが人気だった。「増田よ、来ただけでむっちゃ褒めてくれるイケメン細マッチョ兄貴(※年下)がいるスポーツジムに入るのです。増田が女性なら姉貴で。」
はてなブックマークの人たちの意見が統一されてない事自体はなんの問題もないんよ。
言論プラットホームの側面がある場所だから、多様な意見があるのはむしろ好ましい。
だけど今回の話では、明確に趣味のコミュニティを利用するのが奨励されているのに
537users のブクマ記事で、その批判は一件。スターはなし。
増田本人を傷つけたくないとて、「でもまあ趣味の場で恋愛をするのはどうなの…」とクギを指すくらいはできるはずだし
そこにスターをつければいいだけだ。しかし実際は、たった一言だけで総スルー。
いいか、例の増田はしばらくの期間、ホッテントップだったんだよ。
「恋愛を動機にするな派」は夏休みで、たまたま全員はてブを見てなかったとでも言うのかい。
邪な気持ちを趣味に持ち込む人々が増える危険をどうして見過ごせる?
「恋愛を動機にするな派」はマジョリティを気取り、自分らの考えが世間の常識のような顔をしているが
しかし実際は単なるカルト宗教に過ぎず、しかも旗色が悪いとダンマリを決め込む。
都合が悪いと引っ込めるくらいの本気で信じてはいない、思いつきのアイデア。
それをただ流行のファッションのように着飾って皆に合わせたいだけのくせに。
あたかも当たり前の常識のように粉飾して、恋愛を望む孤独な誰かに同調圧力で押し付けるな。
xevra そうですね。おっしゃる通りですよ。コレをプリントアウトして病院で診てもらいませんか? お大事に
kkcibo こういう増田って何と戦ってるんだろうな。ジェンダー系の話は普段ミュートで弾いてるからこの界隈久々に見たけど、他人の集団に一貫性を求める感性は統合失調の一歩手前なのでは。
元記事のブクマを調べもせず、集団に一貫性を求めてるなどと全体の問題に擦り替えた挙句、他人を勝手に診断して精神病予備軍呼ばわりする野生のお医者様こそが正気ではないのでは。
https://anond.hatelabo.jp/20221225142418
の続きです。これまでは幸運も手伝ってか合格を続けることができましたが、ついに落ちてしまいました。午前I免除、午前II88、午後I84、午後IIDでした。最初にお断りすると、事務屋が高度試験の論文分野を受験するに当たっての参考としては、topisyuさんのプロマネ合格体験記の方が本駄文よりよほどお役立ちかと思いますので、ぜひぜひお読みください。こちらは、こうすれば失敗するぞ、という反面教師にしていただければ。
1 準備
いわゆる経営学系の問題が多いのがITストラテジスト試験なので、高度試験の中ではもっともわたくしの本職が活かせる試験であるわけです。実際、午前II、午後Iは去年の過去問を眺めただけで楽勝だろうと察しがつき、午前IIはこれまででもっとも少ない4年分の過去問をプリントアウトして解き、間違えた問題のみ何度か解き直しておしまい。午後Iに至っては、過去問を解くこともしなければ、参考書を読むこともしませんでした。
準備のほとんどすべては、午後II対策に費やしました。用意したのは、翔泳社の『情報処理教科書』のITストラテジスト2022~23年版と、アイテックの『ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集(第5版)』の2つ。最近はDX関連が必ず出ていて、自分の本業でもそれっぽい経験(ただし、非システム側からのもの)があったことから、その経験をシステム側に寄せて論文を書きました。本番までの間、それを実際に手書きもしましたし、何度も読み返して(たまには音読もして)、準備万端だ、と思っていたわけです。
あと、この手の体験記で明示的に触れられることが少ないのですが、論文で取り上げるシステムについてのアンケートがあります。規模等についてのものですが、このぐらいのシステムならこの程度、という感覚がわたくしには一切ないので、これについてもきちんと調べて書くべき内容を整えておいたわけです。
2 本番
午前II、午後Iは順調に終わり、いよいよ午後IIとなったわけですが、開始とともに冊子をめくって愕然としました。DX関連の問題がない! 問題の選択からして、どれを選んでも書ける気がしませんでしたが、相対的に絶望度がもっとも小さそうな大問1、システム改修を選びました。昔いっちょ噛みした複数部門で使っている業務システムの改修事例(ただし、自分の所属部門ではそれを使っていなかった)を必死で思い出しながら、設問で問われている事項は形式的にはすべて対応する記述を盛り込み、字数制限も満たして何とか書き上げることができました。
しかし、書いた内容というのが、結局は(1)ユーザ部門と緊密にコミュニケートしました、(2)使用頻度の低い機能を廃止してコストを削減しました、の2つしかなかったのがD判定につながったのだろうな、と自己分析しています。こんなことを話し合いましたとか、こんな機能を廃止しました、といった具体例などをあれこれ書いて字数を稼ぎましたが、水増し以外の何物でもなかったわけですし。事前に作った論文が改修ものだったらある程度転用もできたのですが、まったくの新規プロジェクトだったのでそれも叶わず。適当な旧システムをでっちあげて改修ネタにすればよかったかな、と後からは思うものの、その場では頭が真っ白になり、そんなことを考える余裕はなかったですね。アンケートも適当に書きましたが、規模の見当もなく、論文の内容ともさぞかし齟齬があったことでしょう。
3 今後
とりあえず秋は監査を受けようと考えています。来年の春には再チャレンジを考えていますが、シラバスが変わっちゃうんですよねえ。論文の大問のひとつが組込みで固定されることになるので、それ以外の出題内容は振れ幅が大きくなってヤマをかけるリスクは大きくなってしまいますし。いっそのこと技術的な話を詰め込んで組込みで勝負する? それなら秋にエンベデッドシステムスペシャリストを受ける? もう少しゆっくり考えてみます。。。今回受かるつもりでシラバス変更をちゃんと読んでませんでした。組込みがエンベデッドスペシャリストに集約されて、ITストラテジストでは出なくなるんですね。やっぱり秋はシステム監査技術者受験で。
山一證券に内定が決まってた同級生がいた世代。なので、記憶がちょっと曖昧なところもあるかもしれないが許してほしい。
山一廃業のニュースが流れた日、内定をもらっていたその人は大学に姿を見せなかった。翌日青白い顔をして現れ就職相談課へ向かったが、状況はどうにもならないようだった。
10人に内定を出していた企業は、2月になって1人を除いて内定取り消しを知らせてきた。そんなことがあちこちで起こった。
内定を取り消された者への補償など、誰も何も言わなかった。だってそれは仕方がないことだから、不況だからね。山一が倒れるくらいだから他の企業も潰れてもおかしくないだろう? そういうリスクがあるのはわかってるんだから、なんで公務員試験を受けなかった? そんな空気だった。もっとも公務員試験も教員採用試験も受けたところで採用される確率はとても低く、強いコネでもないと決まらない時代でもあった。
当時の空気感は今と全く違うし、知らない世代には通じないものがあると思う。そんな話をしていきたい。
まず、当時はインターネットがそんなに普及してなかった。地方に行くほどその傾向は高く、他所で何が起きているかを把握するまでに少し時間がかかった。一番早くてテレビ、それから翌日届く朝刊。口コミの伝播も遅かった。東京で流行っているファッションやアイテムが地方に届くまでにも、半年くらいかかっていた。
就職のための情報収集もとにかくアナログで、ホームページのある企業はまだ少なかったし、あっても用を成さないものと見做されていた。だからリクルートがくれる分厚いカタログについてくるハガキで資料請求。
そんなことをしてると部屋中企業案内のカタログだらけ…になると思うだろ? 企業はハガキにある大学名を見て送ってこなかったりもしたから、そんなに増えないのだ。そして応募しても当たり前のように落ちるし、酷いところは結果も知らされない。絶対電話で結果は連絡しますといっても、かけてこない企業の方が圧倒的に多かった。電話代もいちいちかけるには高いもんな。当然封書での不採用通知もほとんどくることはなかった。履歴書も戻ってくることはほとんどなかった。
パソコンよりワープロのほうが普及していたけど、増田のいたゼミは卒論を手書きで出してた割合の方が高かった。そして履歴書は当然手書き。当時はそんなソフトもない。(頑張れば履歴書も作れたかもしれないが、当時の手書き文化の前で認められることはなかっただろう)そんな手書きの履歴書を何十、何百枚と書いて各企業に郵送していた。当然、コピーなど許されなかった。ペンだこができるまでボールペンを握り続けた。ちなみにボールペンも昔はたいして種類がなくてソフトグリップなんてものはまだ多くなかった。だから履歴書も手を真っ黒にして書き続けるしかなく、その多くが徒労に終わった。
ちなみにあの頃ケータイは高すぎて、学生は皆ピッチ(PHS)かポケベルを持ってた。田舎住まいだと実家に帰ると電波が入らなくて、履歴書にも家電の番号を書いていた。
しかしながら増田の周りの女子大生、特に短大生の内定率は高かった。まだ腰掛けが当然の時代で、30歳前、早ければ25歳くらいで女性社員は結婚を理由にどんどん退社していく。つまり常に会社には若い女性が入れる隙間があった。そして企業がそんな若い女性に求めるのは、「将来的にいいお嫁さんとして最適な時代に辞めていくこと」でしかなく、学生側もそれを良しとしていた。総合職を目指す女子大生は求められていなかったのだ。そこは厳選された男子学生の席だった。
男女雇用均等法はまだ、あってないようなものだった。インターネットが普及していないかったから、今のように誰でも気軽に告発するようなこともできなかった。そういったことは共産党に相談するしかなく、それはとても高いハードルだった。
氷河期世代を理由に今も不遇をかこっているのがおじさんばかりなのもそこに理由がある。あの当時、女子大生、短大生はサクッと内定を獲得し、数年働き、そのほとんどが結婚を機に職場を去っている。そして家を建て、車を買い子供を産んだ。
もちろん、そうはいかなかった女もいる。これを書いている増田だ。中学生の頃から母がフルタイムで働いていて、自分でもそうするのが当たり前だと思っていた。だから分不相応にも就職活動ではキャリアを目指したいなどと言ってしまった。
結果、どこにも決まらなかった。そんなものはまだ必要とされていない時代だったのだ。
内定先を見つけられないまま卒業式を迎えた。求人誌で見つけた大手企業のアルバイトに応募したら案外あっさりと決まった。社員登用もありなんて書かれると人は弱い。そんなことは結局起きなかったが。
アルバイトながら4月1日に勤務開始。仕事は主に伝票計算。社保も厚生年金も入れず自分で払うと最低時給の給料は吹き飛んだ。そしてその職場には、同じく就職できなかった女子がいた。卒業した大学は増田よりはるかに上のランクだった。こんな人でも決まらなかったのか。彼女はやはり25歳になる前にお見合いをして職場を去った。
増田も30前にしてやっと手に職をつけることができた。アルバイト先を辞めて実家を出て、なんとか就職できた。
数年働いた後、昔のバイト先が消滅したとバイト仲間から知らせを受けた。紙と手でチェックしていた伝票計算の仕事が無事にすべてIT化され、施設自体が閉鎖、アルバイトも全員解雇されたのだ。
だが昔の仲間を労っている暇はなかった。キャリアも何もないアラサーの女は多少のことで辞めはしないだろうという激務につぐ激務で、体を壊した。
転職しようと就職支援の会社に行くと「年齢とキャリアがミスマッチですね」と言われ、紹介できる会社はないと遠回しに言われた。ずっとこの言葉はついて回るのかと思いながら、別の会社を経由して無事に転職した。このときにはもう、履歴書を手書きで出す必要はないと言われた。いつのまにか時代は変わっていた。ネットに落ちているExcelの履歴書をダウンロードして入力して、プリントアウトして提出した。あっさりしたものだった。
無事に転職した直後に、リーマンショックがきた。暮れのテレビでは派遣村のニュースをやっていて、自分もいつそこへ行ってもおかしくないと痛感した。当時付き合っていた人は不況の煽りを受けて職場が倒産し、その後変な山師みたいなおっさんについてベトナムに行くと言って連絡が取れなくなった。風の噂で今は日本にいると聞いたが、どうしているのかまでは知らない。
それから震災やら大コケするビッグプロジェクトやら家族との別れなど、色々なことに遭遇しながら、今も一人で生きている。会社は辞めたが、仕事はしている。久しぶりに自分で健康保険と国民年金を払ったら、思った以上に高くなっていた。この先もずっとこんな感じで生きていくと思う。職をつけてよかった。
増田には今、大学の同級生たちとのつながりがほとんどない。世の中にSNSが普及したころ、彼女たちは子育ての真っ最中でそれどころではなかったのだ。Facebookで卒大のグループを見てもそれらしいアカウントは見つからなかった。かろうじて繋がっている数少ない友人たちもLINEをやるくらいで、SNSで積極的に発信することはない。特に言うべきこともないからだ。
暇空茜@himasoraakane 5月20日
おれが高校中退して建築事務所で埃かぶってたPCのCADソフトの3d完成図出力機能で3dの外観出力してプリントアウトするだけでパソコンの先生扱いされるわ施工主は喜んでチップくれるわで美味しかったの思い出した
建築事務所でバイトっつーけど、高校中退未経験のガキ雇ってくれるなんて親戚のコネ入社しかないっしょ!
で、調べたら、水原さんがやってる建設会社が奈良市内に一社だけあった!
https://www.pref.nara.jp/secure/293069/gyoushameibo20230331_3.pdf