はてなキーワード: 秘密とは
男性にとってうんこ漏らしは日常的ではないが、いつ起きてもおかしくないイベント。
中山秀征も、
意外と我慢出来る。
セックスがしたいけど、相手がいないからゼルダで遊ぶ、みたいな性欲と別の欲の相互変換が可能。
夢中になれば全て忘れられる。
専業主婦は男性に負担が大きいだけじゃなく、女性にリスクが大きい。
と思いつつも、それを言い出せずにいる。
30代でも1/4が童貞。
男性はビタミンC以外のビタミンは十分に肉から取れると思ってる。
一部のミネラルについては植物性のものから取る必要があるが、貝類などで代用出来ると思ってる。
女性は「野菜」という栄養素があると思ってるのではないだろうか。
食物繊維?これ以上お通じよくなったら困るよ。
身内主義・秘密主義体質のヤオヨロズに対して製作委員会の面々に不満が溜まる。
2期を制作するにあたってIP窓口KADOKAWAが代表して体質改善を要求。
身内・秘密主義のヤオヨロズ(福原P)にとって要求された「情報共有の正常化」は、身内主義にとっての外部からの干渉であり、身内主義・秘密主義(制作体制そのもの)の否定である。
けものフレンズ以降も現在の制作を維持、むしろ身内主義を強化したいヤオヨロズはけものフレンズを降りる選択をする。
たつきには残っている仕事への影響が出ないよう考慮して、ひと段落ついた9月末に降板を説明した。
まず、ヤオヨロズは秘密主義・身内主義をよしとする会社である。
伊佐作画監督・白水美術監督の対談[1]によれば、けものフレンズのメイン制作はたつき・伊佐・白水の3人で回している。ヤオヨロズ自体がアニメ会社としては少人数であり、背景美術
も内製のものである。その利点として放送直前での作り直しや追加注文、各自の判断で最適な描写を選ぶことができる。ヒットした要因としてよく挙げられる。
そのような制作体制なので、内部での資料は少なく、当然ヤオヨロズ外部へと出す事前資料も異常に少ないのは、「福原・細谷対談インタビュー」[2]で漏らしている。
提出されるものがあらすじ3行だけということもあったらしい。
制作体制に対して委員会内部で不満がなかったかというと、前述のインタビュー[2]でもあるように、色々言われたようである。
当然関係者各位は不満を持つが、福原P・吉崎観音[3]・梶井斉(KFPリーダー)らヤオヨロズ内部をよく知っているものたちがなんとか説得。
人気が出ることによってうやむやになっていった。
アニメけものフレンズは結果的に社会的な大ヒットを樹立した。これに関してはソースを示す必要はないと思う。
放送中はなんとか許容されていた情報共有の無さ。では、放送後はどうか。
まず12.1話「ばすてき」である。テレビ東京細谷Pが最終回見逃し上映[4]で「無声のgifアニメ程度の物かって思って」と語っているように、ヤオヨロズが持っている素材(3Dモデル等)のみの使用を想定されているように、ここで連絡の不備があったのは明らかである。
登場しているキャラクターもアライグマ・フェネック(ジャストプロ)、アフリカオオコノハズク(青二プロダクション、ワシミミズク(キャトルステラ)と、ヤオヨロズ(ジャストプロ)以外の委員会の声優事務所は使っておらず、極力外に漏れないようにしたように思われただろう。
「ばすてき」が問題なかったという論では、絵的な素材はヤオヨロズのものであるし、プロの声優を同人作品もよくあることだ。というのがあるが、楽曲に関しては、ヤオヨロズ(irodori)に同人での使用権があったのかは疑わしい。
ただ、「ばすてき」のサプライズはファンからは大好評を博し、ボイスドラマでは明らかに繋がりがあるシナリオ作ったりフェネックとアライグマのセットのフィギュアは「ばすてきコンビ」と名付けられるなど公式的に追認され、これの問題もまたうやむやになった。
誰もが知っているミュージックステーション。
ファンは湧いたが、一方でMステ出演が発表された4月7日同日にブシロードカオスTCGもふもふブースターパックのお渡し会延期が発表された。4月14日、Mステとブッキングしたのである。
延期発表前は、お渡し会の告知があまりなくお渡し会を不安する声もあった。Mステとブッキングしたことが判明すると「Mステなら仕方ない」という声も多かったが、お渡し会に合わせて有給を取るなどスケジュール調整をしていたファンからはブシロードの延期発表の遅さが批判されることとなった。
遅くとも3月9日には日程が発表されていた[4]お渡し会、Mステの話が来たのが3月15日〜22日[2]あたり、Mステ出演とお渡し会延期が4月7日でだいぶ間がある。
連絡が遅れたのか、Mステブシロとの調整に手間取ったのか。
なんにせよ先に日程が決まっていたはずのブシロが折れて、延期を発表したのは事実である。
趣旨としては事務所に未所属の声優を発掘し、通ればヤオヨロズの制作する作品に出演を約束する、というものである。
どのタイミングでかは忘れたが、「けもフレに出す」という趣旨だった時期もあった。応募返信メールで「けもフレオーディション」と売れたものがすぐに「けもフレ」部分を消して再送信されたようである。
1期(2期はないかもしれないが)のオーディションを主催したのはAge Grobal Network、他の製作委員会の領分を犯す行為である。
ちなみに、クレジットから名前が消えることになった脚本の田辺茂範はAgeの所属である。
オーディションの発表が遅くて5月13日[6]、田辺氏のクレジット削除がガイドブック3巻発売同日の5月26日。
3巻に田辺氏のクレジットが載っていることから、クレジット削除の話が出たのは3巻のデータが印刷所に納品された後であろう。
Vコンテに制作方針が変更され田辺氏の仕事が少なくなったのと、声優オーディションで揉めた結果なのかもしれない。
各種関係者からの不満は幹事社とIPの管理者であるKADOKAWAの担当者に伝えられていただろう。
表に出ているだけでもこれだけ製作委員会との摩擦を引き起こしていれば、普通は制作のヤオヨロズを下ろす以外の余地はない。
しかしけものフレンズは大ヒット作品である。ファンの間でも「ヒットしたのは(ヤオヨロズの)たつき監督のおかげ」と認知されているわけで、そう簡単に下ろせない。
2期の制作を始めるにあたって委員会の代表者として、KADOKAWA担当者が「情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れ」を提案。
1期のクレジットにも名を連ねている工藤大丈が「通常のアニメ制作体制」をよく知る者として同席していたかもしれない。
通常ならありえない選択であるが、ヤオヨロズは身内主義・秘密主義を是とする会社である。
さらに今後の福原Pの方針は、「アニメに関わる業務を全てやれるようになる」である[7]
irodoriチームでもやっているような「出来るだけ関わる人数を絞り、最小限かつスムーズなコミュニケーションとフレキシブルな制作」をより多くの業務に適応させようとしている。
これに対して委員会代表者のKADOKAWAの申し入れは、ヤオヨロズが目標とする体制からヤオヨロズを遠ざけるものでしかない。
元々製作委員会の参加企業の多いKFPAはヤオヨロズでは調整が難しい。ヒットしてさらに多くの企業が関わることになればより困難は大きくなる。
けものフレンズがヒットしたからこそ、けものフレンズを続けることがヤオヨロズにとってデメリットになってしまった。
けものフレンズのヒットでヤオヨロズの名が売れた。ラブ米もけものフレンズではないにしろ2期が作られるほどには順調だ。
ヤオヨロズは制作体制を曲げてヒット作の続編を作るよりも、より自分たちのやり方が通りやすい新しい企画を作ることを選んだ。
さて、当のたつき監督自身はこのことをツイートの直前まで知らなかったであろう。
福原Pは「気を使って」残っていたけものフレンズ関連の仕事が終わるまでたつきに降板を黙っていたのだろう。
福原Pはてさぐれが1期の途中で連続2クールになることが決定した時もしばらく黙っていた過去があった。[8]
委員会は自身は2期をなんとかヤオヨロズを再登板するか、別の会社に任せるか思案していた最中だった。
たつきが「けものフレンズから降りることになりました。カドカワ方面のお達しみたい」とツイートを投稿。
カドカワが名指しされ、KADOKAWAの"過去の実績”からKADOKAWAが乗っ取りを企てたのではないかという邪推が生まれ、炎上した。
KFPAが出した声明文は「ヤオヨロズがヒット作を蹴るわけがない」「あのKADOKAWAアコギな条件を出したのではないか?」との思いから火に油をそそぐ結果となり、委員会の企業だけでなくコラボ先企業まで波及する大炎上に発展した。
ヤオヨロズは「自社の都合で辞退した」と言えば手の下ろしようのなくなったファンの矛先が自分たちに向かう。担当者不在で通さざるをえなかった。
委員会の各社はヤオヨロズの体制改善を求めた当事者であり、KFPAの声明にも相違はなかった。
そうしているうちに一週間が経ってしまった。
[1]けものフレンズBD付きオフィシャルガイドブック2巻18P~21P
[2]http://otapol.jp/2017/05/post-10509.html
[3] けものフレンズBD付きオフィシャルガイドブック6巻16P~29P
[4]https://twitter.com/bushi_teamchaos/status/839783633242107905
[5]https://togetter.com/li/1155928
[6]https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/863227405137096704
[7]http://biz-journal.jp/2017/09/post_20424.html
[8]http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1392328242
昔、姫と付き合っていたことがある。心の中で姫と呼んでいた彼と。半年くらい一緒にいて、四年くらい、想い合っていたと思う。
彼は幼馴染だった。必要な日数をこなせば、あとはあまり学校に来ないような男だった。別段仲良くもなかったけれど、ある機会に偶然仲良くなった。姫、なんて呼んだことはただの一度もなかった。いつも彼の名前をもじった普通のあだ名で呼んでいた。ただ心の中ではよく姫と、そう呼んでいた。なぜ彼を姫と呼んでいたのかという話は、複雑で理解されないだろうと思うので伏せておくことにする。彼のことを姫と呼んでいたのは、おそらく心の中ですら私くらいであったろうと思う。逆に彼のことを王子様だと思っていた人間は、少なからずいた。私と出会った頃姫が好きだと言っていた女の子は、確かに姫のことを王子様だと思っていたことを私は知っている。私は彼女のことを話す姫が好きだった。ニコニコと彼女の話をする彼は、やはり姫だと思った。誰かに恋をする姫の顔が好きだった。
好きな人ができたのだとある日姫は言った。彼女とは別の誰かに恋をしたのだと。こんなに人を好きになったのは初めてかもしれないと。私は驚いたけれど、心から喜んだ。見たことのない姫の表情。私しか知らないのかもしれないと思うと胸が高鳴った。誰なのと尋ねたけれど、姫は答えなかった。代わりにゲームをしないかと提案した。受験生の私たちは新しいゲームを持っていなかったから、一昔前に流行っていた対戦ゲームが選ばれた。私は大のゲーム好きで、それは私が一番好きなゲームだった。無論承諾して彼と対戦をした。彼はあっさりと負け、私の名前を呼んだ。何、と尋ねたら、質問に答えているのだと姫は告げた。それでしばらくしてから、私も好きだと告げると、彼に付き合ってみないかと言われた。うん、と頷いたら彼は嬉しそうに笑って目を伏せた。笑った後に目を伏せるのは、彼の癖だった。
それから卒業から少し先まで、姫と付き合った。特別なことは何もなかった。手を繋いだりもしなかった。今まで通りの生活の中に、時折好きだというニュアンスの言葉が混じるくらいだった。お互い受験生であったからというのもあったと思うが、そうでなくても変わらなかったような気もする。淡白だと友人には言われた。しかし私はそうは思わなくて、とても濃密な半年間だった。卒業して姫と共に上京した。私は都内の大学に、彼は私立の美大に行った。それでほとんど終わった。
姫との別れはあっさりしたものだった。お互い学校が分かれると会う機会もなかなかなくなって、向こうは美大で忙しくて。全くお互いの生活に影響を与えないような、そんな日々が一ヶ月か二ヶ月くらい続いて、それで結局そういうことになった。具体的な言葉はなかったけれど、仄めかすような言葉がお互いから出たからそうなんだと思った。例えば、新しい恋人できたか、とかそういう言葉だった。私たちはお互いに全く違うようでどこか似た者同士で、一番大切な部分を言葉にしないような、察してくれという気持ちを強く持ち合わせたような人間同士だった。互いの進路も、これからの未来への希望も、夢も、何も知らなかった。二人で上京したのも示し合わせたものではなくて、ただの偶然だった。ただそういう意味で、私たちは変に運命めいた何かに導かれているのではないかと考えさせられるようなことは、度々あった。例えば連絡を取らなくなって半年くらいしたとき、この広い東京のある街で偶然姫と出くわした。髪型も服装も丸っきり変わっていたけど、すぐに彼だと分かった。連絡を取り始めてからも、決して毎日メールをしたり、SNSのIDを交換したりしたわけでもなかった。たまにポツリポツリと気が付いた時に連絡するくらいだった。それでも、今新宿にいるんだ、とメールすると、俺も新宿にいるんだ、と返ってくるというようなことは、一回きりではなく何度かあった。運命かなと笑い合うこともあった。
別れてから四年間、お互いに想い合っていたとは思う。姫はよくそういったことを仄めかした言葉を口にしたし、私もそれに似た言葉を返すこともあった。家に呼んだこともあったし、同じベッドで眠ったこともあった。私はその時眠りにつけないくらいドキドキしていた。その先何も起きることはなく、長い夜は明けて朝が来たけど、私が眠ったフリをしていたことはこれから先もずっと秘密だ。同じかそれ以上のことを他の人ともしているのかなと考えていたけれど、それは私にとってあまり重要なことではなかった。共通の友人から新しい恋人はいないと教えられていたが、正直どちらでも良かった。少し脱線したけれど、そういうこともまた何度かあった。
物理的距離というのは、ことばや語り口、ジェスチャーなんかのコミュニケーションを通じて、初めて超えられるものであると思っている。遠ざかれば遠ざかるほど、人はことばに依るより強固な結び付きを求めるものだと。出逢うことでしかその信頼を知り得ない人間同士にそれはできない。ましてそのことばにするということがいかに難しいかを知っている人間にとっては、物理的距離を超えようとするその行為自体が不可能であった。
この関係が終わったのは、姫の選んだ会社が大阪にあったからだ。決して会えない距離ではないのは知っていたけれど、それでも終わらせることを選んだ。故意にしろ否にしろ、もう運命めいたことが起きることはないだろうなと思ったし、実際あれきり、もう姫に会うことはなくなった。
別れの日、新幹線の入場券を買った。姫は新幹線の切符で、私は入場券で、新幹線のホームに向かった。別れ際に姫は、結婚は運命の相手とじゃなくてもできるよと言った。友達とも、恋人ともできるよと。私はそれに、それでも結婚はしないよと返した。俺は結婚するけどね。姫は笑った。私はそういうところが、とても彼らしいと思った。私は最後に姫に伝える言葉を決めていた。
君って一人でいると早死にしそう。
早く新しい恋人を見つけて幸せになって。やっぱり最後までそうとは言えなかったけれど、似た者同士の彼ならきっと分かってくれると思った。姫は笑って目を伏せた。その仕草はやっぱり彼らしかった。姫が新幹線のAの席に座ったのを見届けて、新幹線が動き出して、涙を流す暇もないくらいに一瞬で彼を乗せた列車の姿は豆粒みたいに小さくなって、見えなくなった。新幹線のホームで連絡先のア行の中から彼の名前を見つけ出して消した。もう昔のことだからあまり詳しくは覚えていない。ただ姫から貰った言葉はどれも大切な宝物だから、ちゃんと覚えている。これから先も絶対に忘れない。
全く後悔はしてないけど、もっとちゃんと言葉にしていたら違った未来があったのかなと思うこともある。だから今こうやって文字に起こしてみた。彼を姫と呼んだ理由だとか、一度別れたあともう一度姫と付き合わなかった理由だとか、その後私がどうなったのかとか、色々と書かなかった部分はあるけれど、このあとも敢えて書くことはしない。自由に考えてもらえればいいと思う。
今思うのは、最後くらい、ずっと好きだったのだと伝えても良かったなということ。そうしたら最後に姫のとびきり驚いた顔が見られたかも知れない。ま、そんなのはもしもの話なんだけど。
『男の娘が実は女性だった(!)ことが判明してファンが激怒!!!!』
そのニュースを見た時は「ふーん。バカだな。皆。バカばっか」としか思わなかった。
それから12時間ほどして、私の頭に突如として稲妻の如き電撃がスパークしてライトニング。
なろう原作商業アニメが何故こうも残念な子扱いをされるのかと、男の娘が実は本当に女だった事件の類似性に気づいてしまったのだ。
恐ろしい。
「まてよ……それだ!凄いぞ相棒!ナイスナイス!違うよそういう話じゃねーよ!わかったんだよ……犯人が。」ってアレだ。
なろう原作商業アニメが叩かれる真犯人、それは『アマチュア扱いとプロ扱いのギャップ』だったんだ。
プロが書いてることも結構あるし、面白い作品は書籍化されるんだからアニメ化される頃には全員プロなんだが、あくまでWEB小説投稿サイトというフォーマットはアマチュアの遊び場だ。
その中で輝いてる作品ってのは、いうなればアマ十段の作品なんだ。
プロの世界に行けば、段持ちになれるかどうかも怪しくても、アマチュアの世界では十段なのだ。
それは単なる実力不足よりも、アマチュアの世界で戦い抜くのに特化した戦略を取っていることに起因する。
本物の女性がプロの女性であるのに対して、男の娘がアマチュアの女性であり、「アマチュアの女性なのにプロ並なんて凄いね!」と褒めてもらっているのが男の娘人気の秘密だ。
そして、その人気は「本当は男なのに」という前提を活かした戦い方をすることで加速するのだ。
それを叩き壊したのが今回の本当に女だった事件だ。
前提が完全に崩れた。
アマチュア限定の大会にプロが参加していたんだからそりゃ荒れる。
なろうは一応プロの参加もオーケーになっているが、アマチュアのノリに合わせられないプロはノーサンキューの世界だ。
そして、なろうで人気が出た作品は基本的にアマ十段的なポジションとなる。
そんなアマ十段をプロの世界にいきなり投げ込んで十段として戦えるか?
ノーだ。
先程も言ったが、戦術がアマチュア同士の戦いに特化しているのでプロと戦うとメタゲーム的にボロクソに負ける。
だけど、たまーに地雷的な感じでメタゲームをぶち壊して勝ってしまうのがある。
そういう連中になれそうなのを掘り当てて瞬間的な勝利を狙ってばかりいるのが最近のなろう原作アニメだ。
半端な美人同士なら男の娘の方がインパクトがあるという滅茶苦茶な戦法でなんとか戦っているのだ。
恐ろしいほどのバイタリティ。
そんな事してコケたらただのカマ野郎をプロデュースしたアホで終わるというのに。
というか実際に、カマ野郎をプロデュースしたアホが如き扱いを受けているアニメ制作は沢山有る。
それでもロマンを求めるギャンブルプロデューサーたちは、今日もなろう小説というアマチュアカマ野郎の尻を視聴者に向けて差し出してくるのだ。
一度だけ、私にだけ、それを言った
弟がちょうど反抗期で夫婦仲も微妙で、家全体がぎすぎすしていた時のことだ
他の家族の居ないところで言ったのは母の最大限の遠慮だっただろう
弟に対してはきっと言ってないと信じているが、どこかしらそれを弟が感じ取っていたとしたら辛い
私がいなければ弟がもっと母に愛されていたのかもしれない
その母ももう亡くなったが、未だにあの言葉は私だけの秘密にしている
弟よ、ごめん
不公平の分の埋め合わせも何もできていない
俺はカン先輩に頼まれて、夏祭りの会場で綿菓子売りの手伝いをしていた。
カン先輩は人格者とは言えないが、俺に労働のイロハを教えてくれた人だ。
多少の恩義は感じているので断れない。
何より、そんな先輩から「ウマい話がある」と言われれば尚更だ。
「マスダよー、つまらん粗探しやめろや。本場でコテコテな喋りするのは少数なんやから」
カン先輩は持ち前の愛嬌で売り子として働き、俺はというと綿菓子を作ることに専念していた。
綿が出始たら、濡らした割りばしをタライの中でクルクルと一定のリズムで回して絡ませる。
ある程度の大きさになったら、ソレを袋に突っ込む。
せいぜい気をつけるべきことは、ほんのりと漂う甘ったるい匂いに頭をやられないようにする位である。
俺はそれを埋めるように、カン先輩に疑問を投げかけた。
「カン先輩、なんで綿菓子がこんなに高いんですか。これ材料は砂糖だけでしょ」
それに出来たての方が美味いのに、わざわざ袋に入れて時間のおいたものを提供するってのも奇妙な話だ。
そんなものに高い金を出して買う奴らがいるのも理解に苦しむが。
「チッチッチ、甘いなマスダ。綿菓子より甘い。お前そーいうとこやぞ、ホンマ」
「どういうことです?」
「物事は、必ずしも本質ばかりに目を向けていて解決できるものじゃないんや」
カン先輩お得意のやり口だ。
自信満々に袋を差し出されて、俺はとりあえず念入りに触ってみる。
「目ン玉ついとんのか。この絵や」
俺の薄い反応にカン先輩は苛立ち、袋に描かれた絵を指差す。
アニメのキャラクターがプリントされており、確か『ヴァリアブルオリジナル』の登場人物だと思う。
「つまり、この袋が高いってことや」
たぶん、それを踏まえてなお割高だと思うのだが、俺はひとまず納得して見せた。
「なるほど。プリントの特注、そしてキャラの使用料というわけですね」
「そ、そうやな。後は綿菓子機のレンタル代とか、ショバ代とか……」
カン先輩の目が泳ぐ。
どうやら、どこかの過程でチョロまかしているらしい。
これは深く切り込んだら面倒くさい案件だな。
周りの出店を眺めてみる。
子供の頃は気づかなかったのか、それともここ数年で様変わりしたのか、阿漕な商売ばかりが目につく。
「何だかすごくグレーなことをやっているような印象が」
俺にとっては至極真っ当な疑問だったが、カン先輩にとっては愚問であった。
やれやれと、溜め息を大げさ気味に吐いてみせた。
「マスダ。こういう所で楽しんでいる客はな、“積極的に騙されている”んや」
「積極的に騙されている?」
「そうそう。夢と希望の国みたいなもんや。愛くるしいキャラたちは実際には着ぐるみで、その中では愛くるしくない人間が汗水たらしとんねん」
「そうや。タネが分かってても楽しめるってことが言いたいねん」
「分かっとるやないけ。つまりはそういうことや。夢と希望なんてもんはな、見たい人間が見れるようにできとんねん」
先輩の言う「積極的に騙されている」っていうのはそういう理屈らしい。
なんだかもっともらしいことを言っているようにも聞こえるが、俺たちがその実やっていることは割高な綿菓子を売っているだけだ。
仮に先輩の言う通りだとしても、人を騙して楽しませる代物としては些かお粗末に思えて仕方なかった。
「この綿菓子袋に、騙されても良かったと思えるほどの夢や希望が詰まっていると? 傍から見ればバカみたいに見えるんですが」
「傍から見てアホだと思われるくらいの方が、楽しんでるって感じせえへん? なんにでも言えることや。ゲームでめっちゃ課金しまくるヤカラおるやろ。ああいうのも積極的に騙されに行ってるから楽しめるんやで」
「楽しもうとする気概が大切、ということですか?」
「そうそう、要は“楽しんだもん勝ち”ってことや」
そもそも勝ち負けで語ることなのか、仮に語るならば明らかに負けていると思うのだが、それ以上は何も言わなかった。
俺たちはそんな人間から利益を得ているので、案外悪い気はしなかったからだ。