はてなキーワード: 召喚とは
1つ目は、身体が役目を終えるとき。これを「物理的な死」としよう。
2つ目は、その人のことを皆が忘れてしまうとき。こちらは「認識的な死」だ。
どちらが先に来るかは人それぞれだが、ほとんどの人が「物理的」→「認識的」の順番で死ぬだろう。
みんながその人のことを覚えていてくれるから、葬式ではその人を悼んで泣くのだ。
身体は死んでも、誰かが覚えているかぎり、その人は未だ完全に死んではいない。暴君や独裁者すらも例外ではない。
それをある青年が名乗り出て、迷宮に踏み込み、殺した。そして、青年は英雄となった。
という神話が残っている。私の推しーーアステリオスもまた、皆に存在を忘れられる前に、物理的に死ねた。
もし、彼が物理的に殺される前に、皆から存在を忘れられてしまったとしたら?
2018年4月4日、私のもう1人の推しが死んだ。というか私が殺した。
ロシアというギリシャ神話とは全く関係のない地で、私は彼に出会った。
同じようにアステリオスが好きな人達と同じく、私も衝撃を受けたことを覚えている。
一般的に語られている神話通りの「怪物」といえる恐ろしい相手だった。
最期に「向こう側=主人公たちの世界が羨ましい」と呟きながらも、笑顔を見せて、死んでいった。
FGOでは大抵、こういうセンセーショナルな出番を与えられたキャラクターが、主人公の味方として召喚できるようになる。
私は、彼にまた会える日を待っていた。
ずっと待った。
ずっと、ずっと待った。
誰も彼の話をしなかった。
誰も彼の絵を描かなかった。
絵を描いた人も、「ネタバレだから」と自粛ムードで絵を削除してしまった。
雑誌に載った、2部1章のキャラクター相関図には、彼は載っていなかった。
ならば、どうして出した?
そのうち、毎月増えていく可愛らしい☆5サーヴァントたちがプレイヤーたちから「可愛い!」「好き!」と言われてチヤホヤされている様子を見るのに嫌気が差した。
ギリシャが舞台の2部5章「神代巨神海洋 アトランティス」に微かな望みを懸けていたが、新規実装サーヴァントはどれも私の心を惹きつけなかった。
エウロペがアステリオスから見て義理の祖母にあたるのは知っていたけれど、そんなことはどうでも良かった。
アステリオスはモーション改修されなかったし、ミノタウロスも(いつも通りだが)いないことがショックだった。
読むのに十数時間かかる重厚なシナリオにはもう興味がなくなってしまった。
でも、ギリシャが舞台だ。もしかしたら、万が一でもミノタウロスに関する情報が得られるかもしれない。だから私は、ネタバレだけ検索した。
宮本武蔵やカルデアの者といった人気者や、実装されま新キャラに比べたら圧倒的に情報が少なかったが、なんとか事の全貌が見えてきた。
ミノタウロスは、誰かによって召喚されたサーヴァントではなく、ギリシャ異聞帯から「輸出」された、「まだ生きている怪物」だったこと。
現地住民は、とうの昔に怪物と関わるのをやめて、名前すら忘れていたこと。
そして、ある一つのスクショを見て、私はFGOを見限ることにした。
迷宮に主人公とともに踏み入ったと思しきシャルロット・コルデーが、
「汎人類史のミノタ……アステリオスはどんなお方だったのですか?」
と主人公に聞いた。
その台詞に対する主人公の返しの選択肢が私の精神を抉ったのだ。
「大きかった……と思う」/「優しかったよ」
私はアステリオスのことを人一倍知っているつもりだったが、FGOの主人公は違ったらしい。
私はアステリオスのことを忘れてなんかいない。勝手に殺さないでくれ。
主人公≠プレイヤーなのは重々承知だが、私はこんな主人公に感情移入できない。
つまり、公式からも主人公からも現地住民からもプレイヤーからも存在を忘れられたミノタウロスは、サーヴァントとしては未来永劫召喚できないということだ。
それだけ知れて、私は満足した。
私が物理的に殺す前に、彼はすでにギリシャの人々から忘れられて「死んで」いた。
でも少なくとも、私が彼のことを認識し、覚えている。
それだけで、彼は生きている。
○ご飯
朝食:なし。昼食:チャルメラ。夕食:サイゼで豪遊(豪遊といっても2000円もいかないの、最of高。
○調子
むきゅーはややー。早起きして散歩するつもりが朝食食べてからの二度寝を決めてしまった。
てへりんちょですね。
なので今日はダラダラとYoutubeのよゐこチャンネルを見ながらスマホゲ。
……あ、あれ? 俺、ループしてね? 金曜日と全く同じことを書いてるような?
まあ、まあ、まあ、いいじゃないですか、こういう何もしない日こそが休みの日の本質で、僕はかなり人付き合いで疲弊するタイプなので、去年の教育係のお仕事でとても疲弊していたんだと思う。
ちゃんとこの休みはノベルゲーをプレイするって目標もこなしてるし、大丈夫大丈夫。
いい休みだよ、まだ一日あるし。
スマホRPGの方ばっかりしてたので、こっちを今日はガッツリプレイ。
とはいっても、ペコリーヌに天むすを上げるための編成を練ってた時間がほとんどで、進捗はそれだけ。
色々練ってたけど、結局、ムイミがてんろうはざんけんして、ネネカがミラーミラーするいつものやつ。フェス限ってまじで強いな。
割と苦労した甲斐があって、天むすペコリーヌは相当強くていい感じ。めちゃめちゃ硬い上に、攻撃力もそれなりに出るようになってますます頼れるタンク役だ。
星6でこれだけパワーアップするのはワクワクするね。来週にはコッコロも星6にできそうなので、コッコロも楽しみだ。
星6の進捗具合は、コッコロがあとピュアメモリピース4個、キャルがあとピュアメモリピース16個、リノがあとピュアメモリピース37個とプリンセスオーブ22個。
ユカリさんはまだ星4なので星上げ中。星4で止めてて、ダンジョンコインをクウカに使ってたら星6実装されたから、年明けぐらいから使い先をユカリさんに変えた。そのせいで、クウカが星4専用装備なしっていう中途半端な状況。
キャルと
結果は、キャラが水シルヴァ、水ユエル。石が魔鯛(二匹目)。ゴムーンが七個。あとSR加入でヴェリトール。
魔鯛は、四凸実装までは短期戦で並べて使う運用か、ルリア使うときにダブル真鯛とかしたら良いのかしら。ダブル真鯛強そうだな、あとで試してみよう。(まあ召喚って2ポチ分ぐらい時間かかるから、2召喚って実質4ポチだから微妙そう)
サプチケどうしようなあ、シトリ取る気満々だったんだけど出禁なの忘れてたせいで、誰にするか決めないとだ。
戦力的な意味では杖パを作り出してるので、水のリリィか、風のユリウス、光クラリスあたりが欲しいかも。特に風は杖得意がアンチラ、バイヴ、ペトラ、μ’s1年しかいないので欲しいな。水はフォリアとエウロペがいるからもう形にはなってる感じがしてる。(と思ったけど、リリジカタログスペック見るだけでも強さが伝わってくるな)光クラリスはさすがに型落ち感するかなあ。
あと、石か。無凸でも使えるのだと、アルバハHLにもっていくらしいトール、ゴブロ連戦が捗りそうなフレイあたりかしら。
凸るの前提だと、ゴリラ、サテュロス、アヌビス、プロメテウスがあと2枚で三凸できるんだよね。サテュロスはかなり良さそうなんだよなあ、火の石って強いの多くない? サンはアーカルム石の中で飛び抜けてるし、サテュロスとデビルでデバフが石だけで終わるし、シヴァは言わずもがなだし。まあ、どれも持ってないし凸れてないから関係ないけど。
キャラなし武器だと、この年末年始でアグニスを引いたので火の神石用武器…… クリムゾンフィンガー? ううむ、いや、たしかに火ユイシスいるから背水はいいかもだけど…… まあないでしょ、どんだけ並べるんだって話だし。
キャラ的な意味では、クリスマス限定を引けたナルメアさんが気になるな。超大作アニメRPGの方で(M・A・O)さんを重宝してるのもあるし。
あと、ユエルとソシエの二人を揃えるってのも面白そうかな。水ソシエ、火ソシエ、水ユエル、イベ SRユエルを持ってるから、火ユエルと風ソシエ、それと浴衣ユエルの三体。うーん、季節限定あると集めよう欲が阻害されるな。
○ご飯
○調子
むきゅーはややー。
クソ忙しくなって来た。
なんか、今までは教える仕事は一人だけだったんだけど、増えて二人になった。
さすがにもう手が回らなくてあっぷあっぷし始めた。SOSはあげてるのだけど中々……
もう……
もうやだなあ……
何が嫌って、まずこの何で俺がプロパーの教育係をやらないとならんのだって話ですよ。
もうさあ……
ガチャピン。20連。じゃんけんグーで敗北。クリスマスウェルダーとクリスマスナルメア。クリスマスナルメアは大当たりで嬉しい。
嬉しいけど、ゲーム部分は遊べてない。辛い。あとお姉ちゃんキャラよりお母さんキャラの方が今の心の持ちようには必要だから、お母さんキャラ引きたい。
幼女キャラをママと呼ぶのじゃなくて、本当のお母さんキャラをすこりたい。エキドナって実装されてたっけ? エキドナ引きたい。召喚石にないの? ないか。
はあ……
当たり前に見かけるのに意外とどれが何かぱっと見わからなかったので
◆CpSバフ
BS……Building special (Golden Cookie)
DF……Dragonflight (Golden Cookie/Dragon training)
養蜂家……Sacrifice garden (Garden)で砂糖を集めること
◆その他
CF……Click frenzy (Golden Cookie)
HC……Heavenly chips (Legacy)
FtHoF / 召喚……Force the Hand of Fate(Grimoire)
円……Cyclius(CpS↑↓)
書きたいキャラが思いついたので、せっかくなので異世界転生みたいなテンプレートにして、そいつの冒険みたいな話を自分むけに書こうとおもった。
でも書いてみると、異世界転生って冒頭のツカミつくるのがなかなか難しいな。
まず召喚じゃあなくて転生にはしようと思った。
あと急速成長する様がやりたいので、最初はクソ弱い。
だからどこかのフィールドにいきなり冒険者lv1?が突っ立っているイメージかな。
もしくは赤ん坊スタートで、母親にだっこされて体が動かない!とか言うのかな。
ヒロインがゴブゴブ襲われているところにちょうど乱入してきて助けて……いやだから最初はクソ弱いんだよな。
じゃあ逆に、転生直後にゴブゴブ襲われてヒロインに助けられる……悪くないけど、やっぱ見たことあるか。
転生してくるって時点で、主人公にはバックボーンが何もないんだから、単なる偶然でなにか事件が起きるか、何も起きないかの2択になっちゃうんだな。
売れてるあの話やあの話はどうだったかなー?
最近なにか二次元の女が露出したり必要以上の巨乳になったとき、すぐ「女性蔑視」だの言う奴がいるだろう。
何故なら女である自分が蔑視とかなんだとは思わず、その二次元を楽しんでいるからである。
最近流行りに乗じて鬼滅の刃を読み始めたが、例えばあのいかにもお色気女子っていう恋柱の子がいるだろう。
あれなんか大好きだ。
ただ現実にあの女がいたとしたら間違いなく確実に、ドン引きする。そもそもあんな女はいない。
このように二次元にいれば好きですらあるのに、もし三次元に同じものが居たら受け付けない。こういうキャラクターは多い。
勿論これは女性キャラクターに限らず、男性キャラクターも同様だ。
特に女性をターゲットにした作品であればあるほど、男性像はフィクションに近づいていき「こんな男はいない」になってくる。
自分は物心ついたころからそこに既に二次元があった世代だ。テレビをつければ何かしらのアニメは放送していた。
そんなアニメネイティブな世代だからこそ、二次元と三次元が全く別物である事を理解している、いやせざるを得なかった。
ソースが周囲だが、アニメネイティブ世代はかなりの割合一度はアニメの登場人物に憧れた経験がある。
プリキュアや仮面ライダーに変身してみたかった。遊戯王のカードでモンスターを召喚してみたかった。ポケモンを携えて旅をしてみたかった。
少女漫画みたいな恋をしてみたかった。少年漫画の特殊組織の一員になり厨二な武器を持って夜を駆け抜けてみたかった。
しかしどこかの段階でそれが現実で出来ない事に気が付くか、あるいは実際に起こったところでそれ程良いものかどうかの疑問に直面する。
二次元と三次元は違うものなのだ。神の視点から見ているだけで、実際の世界と重なる事はない。
冒頭の女性蔑視の話に戻る。
フィクションの女性が三次元の女性蔑視と結びつく、まず二次元と三次元を混同する事が、自分には感覚的に理解できないのだ。
現実に程近い所にあるフィクションばかりを見ているという事なのだろうか。
それともドラマのような恋が現実的ではない事にまだ気付いていないのか。
フィクション女性が巨乳であるとき、何故現実の女性は傷付かなくてはならないのか?
同じ女に歩くポルノとしてラベリングされるのだろうか。それこそ失礼では?
そこに自分のコンプレックスや胸に対して何か言われた過去のエピソードは、本当に計算に挟まっていないか?
自分も女性なので、男性からの加害を気に掛けるのはとてもよく理解できる。
でもそもそも「フィクション女性を性的に消費している男性」と「性犯罪など実際に危害を加えてくる男性」は本当にイコールだろうか?
被る事はあるかもしれないが、イコールではないと思う。
むしろ現実に行えない事の捌け口として、フィクション女性が実被害の身代わりになってくれている事はないだろうか?
二次元にしか興味のないオタクであれば、それとどこもかしこも全く違う三次元の女性に同じ事をしたいものだろうか。
長々と御託を述べたが、結局言いたかったのは「てめーらは二次元と三次元の区別もつかないのか」という事である。
胸が大きく、非常に性的な言動をするフィクション女性がいたとして、それは一体三次元の女性のどこと重なるのだ。
もし重ねて襲ってくる馬鹿がいるのなら、まず二次元にとやかく言うよりも、そいつを捕まえて罰する方法を考える方が先ではないか。
二次元の女が好きだ。胸丸出しの明らかなお色気キャラも水着回も好きだ。
女が二次元の女を性的に消費する事は事はいけない事なのか。ちなみに同性愛者ではない。
いけない事だともし言うのであれば、フェミニズムとはそれはそれは女にとって窮屈な考え方だと思う。
そういえば事前登録していたな、と思い出してやってみたidola
ファンタシースターシリーズは結構好きだし、作品単品の雰囲気も悪くないので、事前登録段階ではなかなか期待していた
…が、チュートリアル時点でもう「金だけはかかってるけど何もわかってない馬鹿が作ったゲーム」だとわかってしまって辛い
調べてないけど、おそらくあんまり売上よくないんじゃなかろうか
例えば、大抵のなかなかおもしろいアプリは、ゲームと「ガチャ」という集金装置の距離感をちゃんと意識している
ゲームに組み込まれていたり(ゲームの中に存在している、ランダム性のあるコマンドが実質ガチャになっている)、
ゲームの外にあるがシナリオの中に組み込まれていたり(ガチャにシナリオがある。キャラを戦闘要員としてスカウトするとか、自陣に召喚するとか)
まったくゲームに関与しないメタ要素になっていたり(あくまで「ガチャ」でしかなく、ゲーム本体とは一切関わらない)
idolaは、上でいうと二番目と三番目の合いの子になっている
つまり、「なぜかシナリオで話しているのにガチャると他人のふりをして騎士団に加入の挨拶をしてくる」という状態
何となく「他のゲームがこんな感じだから」でなんとなく模倣した結果がこれなんだろう
このゲームは随所がこんな感じで話にならない。見た目は明らかに金がかかってるのに
メタ発言とストーリー内発言がチュートリアル中にデタラメに並ぶし、本当になんにもわかってない
こういう「それっぽいけど辻褄が合ってない」ゲームを見ると悲しくなる
金のかかった粗製乱造
ファンタシースターシリーズは正直PSU以降死んでると思うけど、idolaはもうちょい頑張ってほしかった
■半年前の日記 https://anond.hatelabo.jp/20190615163022
盲の人が叫んだらしい。いわゆる障害者部屋で。相手は職場のありとあらゆるすべて。同じ障害者の人からそれを聞いた私は、はははとしか言いようがなかった。そりゃそうだ。何の疑問もなくそう思った。
今年の4月、うちの会社は急遽障害者部屋を作った。障害者の雇用率が全く達成されておらず、世間からぼこぼこに叩かれて急遽作らさせられた障害者部屋。何十人という人間を詰め込んで、雑務に近い定型作業をただひたすらにやらせる。よくある特例子会社を社内に作ったような部署だ。
私はそこに4月から障害者枠の正社員で採用された。中途の社員もほとんどいない中、障害者雇用率は大幅に未達。障害者がほとんどいない、新卒プロパー純粋培養の環境。そこに大量の障害者。はっきりいって、一切歓迎されてないということだけはビシビシに伝わった。山のように障害者がいる障害者部屋に、管理者と呼べる人間はいない。あえて管理者だというのなら、急遽外から雇った福祉士とかそんな感じ。誰一人プロパーのいないこの部屋で、一応名前だけは責任者ということになっているプロパーは、障害者が障害者同士でサポートしてくれればいいな~と苦笑しながら部屋に来ることもなく言っていた。私は新人なので会社のことはわかりませんが、誰も関わりたくなんてないのだけはよくわかります~。そういう状況だ。
4月に入ってから今月に至るまで、半年以上の間、目の見えない彼女には仕事が与えられなかった。
盲の人にできるような仕事が切り出せない。切り出せないからやりようがない。正確には、切り出そうと思えば切り出せた。考えるだけでいくつか仕事は存在した。だが切り出す人間がいなかった。新しく入った社会福祉士は、それ以外の業務に追われたのか彼女を放置した。完全には放置してはいなかったのかもしれないが、明確な手は打たなかった。理由はわからない。忙しいからなのかスキルが足りないからなのか。単純にやる気がないのかもしれない。とにかく彼女は半年以上職場で放置されていた。
彼女は盲なので、当然目が見えない。PCがあてがわれているが、画面が見えることはないので、文字を読み上げてくれる音声読み上げソフトを頼りに操作する。ただそのソフトの仕様が厄介だった。PCが立ち上がっていなければ当然ソフトは起動しない。だがログインするにも工夫が必要だった。IDカードを当て、おそらく立ち上がったんだろうなという勘を頼りに、多分そこにあるんだろうなという場所にパスワードを打ち込んでログインする。ログインできたかどうかはわからない。ただログインできたら、何分かたった後に音声が聞こえるようになる。何も見えない中、彼女は手探りでPCを立ち上げる。しかしPCを立ち上げても仕事はない。新品のテレワークもできるそれなりのノートPCは、社内ネットワークの仕様上ネットが見れない。正確には見れるのだが、ネットを音声読み上げソフトが読み上げてくれない。彼女はyahooすら「聞く」こともできず、一日中デスクに座り、何の作業もないPCの前に座り、一日中キーボードの上に手を置いて8時間を過ごす。座敷牢以外の何物でもない。
私は4月に障害者部屋に配属された後、障害者の採用担当業務をあてがわれた。ほかの障害者の面倒を見つつ、障害者を採用する。格闘の連続だった。同僚も福祉担当者もなんだかよくわからない。正直頼りにはならない。そんな発狂しそうになりそうな中、雇用率達成のため無理くり突っ走り採用を続けた結果、私は本社の人事として召喚された。結構な規模の大企業で、本社の人事。そこに障害者を入れる。モデルケースか何かにしたいのだろう、そう私は察した。うちの会社は障害者も健常に混じって業務をさせています!そういうやつだろう。わかるわかる。きれいごとって大事。ただ、その移動は私の希望ではない。そもそも私の希望なんてものは汲み取る気はないから関係はない。
私が異動するときに気がかりだったのは盲の彼女だった。隣の席で、3か月にわたり業務があてがわれていない。雇用率達成のためにそこに座っていることだけを求められている彼女は、私がいなくなった後誰と話すのだろう。
本社の人事に召喚された私に与えられた仕事は、雑多な採用と同時に、障害者の今後の管理方法についてだった。いかに重要な仕事であるかととくとくと説明された。なるほど。重要ですね。当事者が作成することに意義がある。最も重要な点は、表向き批判されないものであること。そして、会社として手間がかからないものであることだ。障害者当事者にとって実用性があるかどうかは重要ではなく、主体である障害者の扱いは羽毛のように軽い。このプランを作るために、私は障害者の未来を売ることにした。
与えられた席は誰も座りたくない導線のハブのような場所にある席。そして、私には同僚も上長もいない。まあわかる。障害者ですし。誰も一緒に働きたくないだろう。うちの会社はブラックだからOJTしかねえとかいう愚痴を聞く中、私にはOJTという概念もなかった。それでもお金をもらっている以上、仕事はしなければならない。露骨に関わりたくなさそうな人たちに、ニコニコしながら頭を下げて聞いて回る。途中で、別に与えられた業務は前任者がぶっ倒れてしまったので誰もわからないということに気が付く。まさかそんな仕事をあてがわれるとは。だがそんなことを言っても仕事は存在する。
人事管理プランは最初皆が望んだものとはかけ離れていった。皆の期待が失望に変わっていくのも感じた。わかる。君たちは合理的配慮を受けながら普通に働きたいんだよね。わかる。でもごめんここにその環境はない。申し訳ない。私はそのプランを作ってあげることはできない。ただひたすらに、会社が希望する内容にわずかな障害者の意見を混ぜ込むことで精いっぱいだ。精神が削られていくのが分かった。
上長もおらず、同僚もいない環境で、一人黙々と仕事をしながら、ふと思った。このクソの塊のようなプランを投げ出したらどうなるのだろう。やっぱり障害者は使えなかったね。そういわれるのだろうか。とっくに倒れた障害者がいた。本社の人事は嘲笑交じりにその話題が飛び交う。やっぱり障害者はすぐ辞める。私も障害者なのですが。
健常の職員に押し付けられた職場にたまったゴミを集積場に運び、私は満面の笑みでゴミを指定のコンテナに投げ込んでいた。今日の仕事は、このゴミ出しと、上からの承認を待つこと。そして新しく私が採用した20代の初任給を相手にお伝えすること。算出した給料は、私の給料を上回っていた。私は笑顔でおめでとうございますといいながら説明するだろう。障害者が不機嫌そうに歩いて回っていたら周りのテンションはがた落ちだ。入念にチェック済みのこの顔はそうやすやすと解除はされない。常にニコニコ快適に過ごしていますということをアピールすることも私の仕事だ。クローズドで、健常と混じりながら十年以上専門職として働いてきた私に与えられた業務は、そういう業務だ。上長もおらず、同僚もおらず、新人と同じ給料しかもらえない中、働きながら取った心理の修士号を活かして障害者への福祉ができると聞いて入ってきたこの会社で、私は笑顔で不平不満を言わずにゴミを出し続ける。
同じ障害者の同僚から、叫びをあげた障害者部屋の彼女の話を聞いた。あれから四半期以上、彼女は結局何の仕事も与えられていなかった。
同時期に入った障害者部屋の同期は、とっくに休職していた。福祉担当者に見守られながら、怒りで辞めた人間も出ていた。そりゃそうだ。障害者だからね。辞めやすいもんね。わかる。定着率は低いのがこの業界。致し方ない。
「わが邦十何万の精神病者は実にこの病を受けたるの不幸の他に、この邦に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし」。
クローズドからこの枠にきた同期が、福祉の担当者に現状の改善に関する陳情に行った。回答は、転職をお勧めしますという内容だった。私は乾いた笑いしか出なかった。
今月、私の勤怠は乱れた。私は一体何のための戦っているのだろう。障害者の採用をしていたときはまだマシだった。職を得ることのできない障害者に職を与える。最低限、福祉といえるような業務だ。だが今は一体何なんだろう。月末までに私が出社しなければ進まない業務がいくつかある。でも上長もいなければ同僚すらもいない私の業務は、すべてのデータが私のローカルにしかない。組織なんてものは誰かがいなくなっても回る。そういうもんだ。わかる。組織なんてそんなもんだ。そして私の業務は果てしなく軽い。だが本当にそうなのだろうか?大して重要度も高くもないのに、期限だけはある。そして私に裁量がないためにスケジュールはコントロールができない。このタイミングで私が出社できなかったら、一番困るのは取引先でも上長でもないだろう。おそらく同じ障害者枠で同じように戦ってる同期が、より一層針の筵になるのだ。障害者やっぱり使えなかったね。陰口が飛び交うこの環境で、そういう話が飛び出てくるたびに精神が削られるのは私だけではないはずだ。
盲の彼女は結局どうなったのだろう。訴えたのだろうか。それとも辞めたのだろうか。それとも諦めて座っているのだろうか。職場で導線が集中する席に座ったまま、私はひたすらに間食を続けた。私たちはもう、とっくに限界だったのかもしれない。