はてなキーワード: 労働供給とは
遠回りになるが経済をよくする以外に答えはないと思うよ。
不景気だと労働需要と労働供給で労働需要が少なくなる。すると労働者の立場が弱くなる。
景気が良くて労働需要が高い時に、労働者をゴミみたいに扱っていれば、ほかのところに転職されて自分の商売はつぶれてしまう。だから労働者を大切に扱う。扱いづらい人間も何とか使えるように工夫する。
すると労働需要がやや高めの時に、人手不足倒産を恐れて待遇や給料が上がる。
いかんせん日本は30年デフレを続けていたから悪い。特に新自由主義で不景気を続けたのが悪い。
安部の時にリフレで少し人手不足倒産が起こり始めてブラック企業が淘汰され始めたが、消費税増税でダメにした。
安部の次も「何か経済と関係ない問題で政府や誰か敵を叩いていれば政権を奪える」って連中が跋扈するが、経済をきちんと上げる奴を選び、労働需要を高くしてこそKKOは救われる。
だから、自分が何を大事にしてて、どう見てほしいかと、相手が何を大事にしてて、どう見てほしいか。
完全なものはないけど、それが極力すり合わせられる相手を見つけるというのが色恋ではあるとは思う。
けどね、確かにかわいそうではあるけど、人間関係がいろいろすさんできたのはそういう他人との人間関係の築き方がわかんないから「すべてを受け入れてくれる人を求める」
後、単純に多くの国民が貧乏ってのはバブル崩壊した後の経済失策で、労働者が弱くなったことだな。
好景気で労働需要が多く、労働供給が少ない時、労働者の立場が強い。
不景気で労働需要が少なく、労働供給が多い時労働者の立場が弱い。そして、後者を30年続けてる。
リフレでちょっとだけ労働需要が多くなって人手不足倒産が見えた時があったじゃない。あの状態がずっと続くのが望ましい。消費税増税でダメにしやがったが。
バブル崩壊や、リーマンショックの後、企業はビビッて金をため込むばかりで設備・研究投資をしなくなったんよ。
景気は不景気基本。また設備・研究投資をしないから産業の競争力もおちる。
そこに財政均衡論と新自由主義と構造改革が合いまうと失われた30年になる。
1990年バブル崩壊は日本だけの現象で、ゆえに1990年以降に発展したITについて、日本は完全に競争力がない状態になってしまった。資金過不足統計で企業が資金余剰に転じた。
ただ海外もリーマンショックの後資金過不足統計で企業が資金余剰に転じてる。
何もしなければ長期不況が起きて再びブラック企業が栄えだす。ブラック企業は労働需要低、労働供給高で、労働者を買いたたけるときに栄えるから。
肝心なこと忘れてた。何もしなければ激しい不況が継続する。ブラック企業が栄え、岡村の言うような女は売春をしないと食っていけないようになる。
この記事は少し前置きが長いが読んでくれ。NY市場の歴史的株価下落により、世界的なリセッション入りは近い、多くのアナリストはそう考えている。しかし、長期金利上昇以上に問題なのが(2つは関連しているものの)失業率だ。アメリカではもう失業率は下がりそうにない。ギグエコノミーなどの構造的要因によってNAIRUが上昇している可能性がある。U-6失業率を見ると、アメリカ経済は完全雇用に近いが、以前の水準から言うに、ケインジアンは完全雇用ではないと言うだろう。原油価格は上昇しており、ギリシャ危機当時のインフレ対策としての緊縮(当時ほど過激ではないにしても、ギリシャはやりすぎたが、ベルギーなどは適切だった適度な緊縮)が必要になるかもしれない。スタグフレーション対策としてだ。中国の経済統計は悪化しており、グローバルな貯蓄バランスの不均衡によって国際通貨市場の不安定化、新興国(途上国)からのドルの逃避(アジアは比較的貯蓄率が高いためリスクは低いだろう)、構造改革の余地の減少、石油、穀物価格や株価下落に伴うコモディティへの投機により、中央銀行はスタグフレーション回避のためにさらなる引き締めが必要になるかもしれない。全世界でレジームチェンジが必要になりそうだ。具体的にはシムズ理論による財政出動(拡張的緊縮論にはシムズ理論で対抗)、投資減税(資本の利潤率低下の法則と金融緩和の代わりにリスクプレミアムに働きかける政策)、穀物投機を減らすための利上げと新興国(途上国)への一時的な融資、バイオマス燃料の規制、トービン税、中小企業の金融円滑化のための財政支出としての支援が必要だろう。また、国有化された金融機関の役員報酬の規制法も必要だ。政府は、学資ローンを買い入れるべきだ。新卒者の消費が増えないバランスシート不況を阻止するためだ。投資減税、雇用補助金によるリストラ阻止、長期的には過剰資本解消と合理化計画、(アメリカ民主党の主張するしかもインドで実験された)雇用保障制度と福祉分野での雇用創出、ワークシェアリングの柔軟な対応(所得税などの控除なども盛り込まれるかもしれない)を行い、長期的成長に配慮するコーポレート・ガバナンスの推進(ドイツ型に改革)、401kやヒラリークリントンの主張していたプロフィットシェアリングを支援する必要がある。また、国際的な穀物およびエネルギー支援の枠組み協定も必要だろう。IMFのSDRのような制度かつ現物に裏付けられたIMFの保証する国際仮想通貨ベースで現物で短期融資するのだ。インフラ投資を推進し、石油を(あまり)使わない分野での雇用創出(製造業の国際分業による世界的レベルでの石油生産性の向上)、おもに途上国への石油生産性向上のための技術支援、投資ファンドの設立、一帯一路の推進によるグローバルサプライチェーンの再編、輸送の効率化、現地雇用推進と輸送コストを抑える手段としての薄く広い国際合意に基づいた関税によってコモディティ価格上昇によるコスト・プッシュ・インフレおよびスタグフレーションを阻止できるだろう。(特にアメリカではトランプ減税の延長ともに)株式の所有構造の再分配、株式保有への課税もおそらく必要だ、金融のイノベーションと金融市場のダイナミズムを維持し、債務を持続可能性を高めるには、資産や貯蓄の不均衡の是正が必要だからだ。とくにアメリカでは、貯蓄率が低すぎる。家計のバランスシート改善と不況のクッションとしての貯蓄が必要なため、定額給付金という画期的な政策は必要である。底辺層への支給は、再分配にもなる。合理的期待形成論によれば、消費は生活必需品のみで消費を減らし貯蓄を増やす(逆に言うと、必要以上の消費が抑制されるので資源や食料価格が低下し、貧困層には良い)(有効需要の下限を管理し、スタグフレーションを防ぐにはちょうどよい)。また、貯蓄率上昇による金利低下や穀物価格上昇のリスクはトービン税や金融引締めで対応すべきであり、自営業者向けなどの金融円滑化、地方自治体の債務負担軽減のための補助金も必要だ。政府の進める生産性向上促進税制や障害者の労働参加率上昇のための支援(スウェーデンのサムハルのような)、職業訓練プログラム拡充により、生産性向上(潜在成長率上昇)で、世界的人口増とオイルピークと戦う必要がある。また、サブサハラアフリカでの農業生産性向上への国際的支援、土地なし農民などへの国際的な支援策、先進主要国はアフリカなどの農民を失業させないように、棲み分けなどで農業生産性を向上させるための各国の強み、地形や気候にあった政策を国際的協調のもと、行なうべきだ。過度の農業のグローバル化はサプライチェーンの冗長性を損なうため長期的には東日本大震災のようなサプライチェーンの分断、気候変動による凶作などによる飢饉の発生など、長期的には政治的安定性の低下(それによる経済政策の整合性低下)、グローバルな秩序の不安定化、長期的な潜在成長率の低下や、構造改革の遅れなどの問題が生じるため行うべきではない。また、牛肉などの需要抑制のための消費税の見直しや石油税についても国際協調をもって行うべきだ。ニート対策として、欧州諸国などは徴兵拒否の対価としての労働をふやし、労働供給の安定化、人手不足の解消を行うべきだ。韓国のように、中小企業に就職した場合、補助金を支給することもよい。役に立たない職業訓練をへらし、見習い雇用を支援し、正社員化による精神的安定や安定的な消費拡大を目的とした正社員化促進税制、ESOPの推進、また、雇用拡大として内部留保を減らすため法人税を大幅に増税、そして、社会保険料をかなり軽減(廃止)により中小企業の負担を減らすといったことも重要だ。また、投資減税や401k年金の推進などにより資本市場の活性化と(過度な内部留保によるゾンビ企業)淘汰も行うべきだ。間接金融と直接金融はゼロサムゲームではなく、補完し合うように政策的に金融機関再編をすすめるべきである。投資のための内部留保も課税し、資本市場により調達することを税制上促進し、投資の効率化や過剰投資抑制(不良債権抑制)、時限的な消費税、投資税の減税により、消費と投資のリバランスをすすめ、マクロ経済環境の安定化をすすめるべきである。R&D予算には競争的メカニズムを導入し、政府の研究所ではなく民間のR&D控除を推進すべきだ。特許などが会社に帰属するような改革は働き方改革(ポストフォーディズム的労働需給の柔軟化としてのフリーランス化)に逆行し、インセンティブやマクロ的な労働生産性向上に悪影響を及ぼすため、行うべきではない。教育のきめ細かな支援と、ゾンビ大学の淘汰や整理、合理化が求められる。航空宇宙産業は民営化すべきである。(予算を減らせとは言ってない)安定的な消費がなければ(消費期待)、企業経営の消極化により潜在成長率が低下するため、好ましくない。産学連携や起業家育成を推進すべきである。(社会的流動性の保全)消費税増税と保育無償化は一見矛盾するように思えるが、インフレや労働需給、国債金利(金融抑圧)、消費の安定化にともなう企業投資の安定化(そして民間委託による消費の国有化)としては一定の合理性がある。小泉進次郎の言うように、ゼロサムゲームではない(幼児教育無償化)。高齢者就労控除制度を創設し、高齢者障害等就労不能最低保証年金制度を創設し、いまある年金制度をマクロ経済スライドのアルゴリズム見直しにより、年金給付の実質抑制を図るべきである。失業手当(給付期間を延長し、給付額が段階的に減少)に職業訓練や就労インセンティブを課し、失業用貯蓄口座を創設するべきである。手厚く細かい職業訓練プログラム(生産学校など)とそれよりも強い雇用インセンティブ(見習い雇用)拡大、再就職や新卒者の就業祝い金支給、給付付き税額控除(EITC)を推進し、大学や専門学校を無償化(もしくはかなりの低料金)(予算の少なすぎるリカレント教育、いわゆる生涯学習の拡充)、社会的包摂のための協同組合などへの税優遇強化なども必要である。職業訓練はブッシュ政権で試みられたバウチャー方式がインセンティブ強化のために一般的に良いと考えられるだろう。わたしはローレンス・サマーズとおなじバブル必要論者なので、ドットフランク法廃止を支持する。わたしは完全雇用は履歴効果を阻止し、労働力を維持し、長期的な労働生産性向上と潜在成長率向上を引き起こすと信じる。また、マイナス金利や量的緩和などの金融緩和策が失業率を低下させ(賃金は下がるだろうが)、心理面の改善や消費拡大による雇用拡大、最終的には家計所得押上げに繋がると信じる。最後に
日銀は株価ターゲット政策を採用し、ETF、国債買い入れ額を増やすべきだ。貸し渋り貸し剥がし防止のため金融機関に法人税などを特例として減税(免除)し(ただし免除の条件として役員報酬の上限を法律で定める)GPIFは民間投資家と日銀や産業革新機構、預金保険機構などを株主とした機械化自動化AI開発投資ファンド(仮称)に投資し、技術革新の果実を年金の原資とする富の再分配(現役世代には保険料や消費税負担の軽減)をおこない、リスクマネー供給策とあわせて行うべきである。また、ベンチャーキャピタルの投信などに所得制限付きの税額控除を行い、持ち株政策と富の再分配、市場形成を推進すべきである。なにが言いたいかって、政府はこの内容を盛り込んだ経済緊急安定化法を成立させるべきだ。ありがとう、広めてくれ。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20161024/Its_the_demography_stupid
このエントリーにあるように人口動態は自然利子率に影響を与える。人口動態で自然利子率が下がってしまうと金融政策の効果に制約が掛かるのでこれは大きな問題である。
日本のデフレはその結果であり、藻谷浩介大勝利!・・・ということなのだろうか?どこの国においても人口動態は自然利子率に影響を与えるにしても、先進国の中でも特に人口動態の問題が深刻な日本では自然利子率への影響が巨大だったのだろうか。
日本では1990年~2000年にデフレに嵌まり込み、そこからの脱却に苦労している。このような状況は日本だけである。自然利子率が大きく下がったのもこの時期だと考えられている*1。では、この間の日本の人口動態は他に類を見ないほどの大きな影響を自然利子率に与えたのだろうか。
そこで、実際のデータを見てみよう。
まず元のエントリーの2.依存人口比率である。生産年齢以外の人口を生産年齢人口で割った依存率は1990年に43.5%だったのが2000年に46.9%と上がっている*2。65歳以上の人口を生産年齢人口で割った場合は1990年の17.3%から2000年の25.5%までもっと顕著に上がっている。依存人口比率が高くなると経済の貯蓄率が下がり、自然利子率は上昇することになる。
次に3.平均寿命を見ると年々安定的に上がっている。このことは長い老後に備えての貯蓄が増えるので、経済の貯蓄率が上がり、自然利子率は下落することになる。
この2.依存人口比率と3.平均寿命の効果はどちらも貯蓄を通じたものである。そこで家計貯蓄率のデータを見ると1990年から2000年にかけて日本では下がっている*3。家計貯蓄率が低下した人口以外の理由もあるだろうがその下落が大きいことからすると、2.と3.の効果を合わせたものでは自然利子率は上昇している可能性が高い。
つまり人口動態が自然利子率を下げてしまったという場合、1.労働供給の伸び率の効果がとても大きく2.と3.を合わせたもの以上になっている必要がある。
では生産年齢人口はどうであったか?1990年は86,140千人、2000年は86,380千人である*2。増えている。つまり、生産年齢人口の変化は自然利子率にプラスに働いていた。
よって1.2.3.トータルで人口動態は自然利子率にプラスに働いていた、マル、終了。藻谷浩介残念!
・・・とは、もちろんならない。
確かに人口動態は1990-2000年にかけて自然利子率にプラスに働いていた可能性は高いものの、それ以前の人口動態がもっと大きなプラスに働いていれば、その大きなプラスの効果が剥げ落ちてしまった分だけ自然利子率は低下する。
では何を見れば良いのか?それは、1.については1990年から2000年にかけて15-64歳人口が増えたか減ったかではなく、15-64歳人口の増加率が高まったか低くなったかである。人口が何%変化したかではなく人口増加率が何%ポイント変化したかである。
たとえば生産年齢人口が年10%で増えていたのが年3%にまで増え方が下がった人口増加社会ではそれが理由で自然利子率は下がるが、年1%での生産年齢人口減少が続く人口減少社会ではそれだけなら自然利子率は下がらないのである。
1980-1990年の間の15-64歳人口の平均増加率は年0.88%であったのが1990-2000年にはこれが年0.06%となっている*4。増加率は0.82%ポイントも下がっている。これが他で類を見ないほど大きな低下であれば、15-64歳人口の動きによって日本では他の国よりも自然利子率が大幅に低下し、日本だけがデフレに嵌まった可能性が高まる。藻谷浩介大勝利なるか?
さっそく他の国の15-64歳人口の平均増加率を見てみよう。
おお、これらの国と比べると日本は比較にならないほど急速に劇的に人口動態が悪化していると言えそうだ。やはり藻谷浩介大勝利か?
ところが、
と増加率の変化幅で見れば日本以外にも劇的な人口動態の悪化が見られる国がある。しかし、これらの国ではこの間にデフレにはなっていない。
しかも、何もこの時期だけが人口動態でデフレになるわけではないだろう。日本がデフレになったときと同じ程度の劇的な人口動態の悪化があればデフレになるのであれば、他の時期に人口動態が悪化した国ではその時期にデフレになっている可能性が高い。ところが、15-64歳人口の増加率が0.5ポイント以上という劇的に低下する経験をした国は数多くあるのである。
先進国に限らなければ
かように人口増加率が低下して自然利子率を引き下げたケースは多数あり、その規模も日本だけが急速に劇的に悪化したとは言えないものである。
2.依存人口比率の上昇は日本が劇的であると言えるがこれは元のエントリーにあるように自然利子率を引き上げるものであり、3.平均寿命はどの国でも長くなっていて日本だけが特徴的な動きはしていない。
つまり人口動態は、こと自然利子率への影響という点においては、日本だけが特に急速で劇的なわけではなく問題が深刻なわけではない。なのに日本だけがデフレに長く嵌まり込んでしまった。
これはデフレの原因として、人口動態の悪化が決定的な要因であったわけではないということである。藻谷浩介残念!
http://www.jcer.or.jp/j-fcontents/report.aspx?id=10KYE8ASWCENXJDAI8125N3CI51I8NV1
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2014np/pdf/gaiyou2.pdf
*3家計貯蓄率
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html
https://esa.un.org/unpd/wpp/DVD/Files/1_Indicators%20(Standard)/EXCEL_FILES/1_Population/WPP2015_POP_F15_1_ANNUAL_POPULATION_BY_AGE_BOTH_SEXES.XLS
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20161024/Its_the_demography_stupid
このエントリーにあるように人口動態は自然利子率に影響を与える。人口動態で自然利子率が下がってしまうと金融政策の効果に制約が掛かるのでこれは大きな問題である。
日本のデフレはその結果であり、藻谷浩介大勝利!・・・ということなのだろうか?どこの国においても人口動態は自然利子率に影響を与えるにしても、先進国の中でも特に人口動態の問題が深刻な日本では自然利子率への影響が巨大だったのだろうか。
日本では1990年~2000年にデフレに嵌まり込み、そこからの脱却に苦労している。このような状況は日本だけである。自然利子率が大きく下がったのもこの時期だと考えられている*1。では、この間の日本の人口動態は他に類を見ないほどの大きな影響を自然利子率に与えたのだろうか。
そこで、実際のデータを見てみよう。
まず元のエントリーの2.依存人口比率である。生産年齢以外の人口を生産年齢人口で割った依存率は1990年に43.5%だったのが2000年に46.9%と上がっている*2。65歳以上の人口を生産年齢人口で割った場合は1990年の17.3%から2000年の25.5%までもっと顕著に上がっている。依存人口比率が高くなると経済の貯蓄率が下がり、自然利子率は上昇することになる。
次に3.平均寿命を見ると年々安定的に上がっている。このことは長い老後に備えての貯蓄が増えるので、経済の貯蓄率が上がり、自然利子率は下落することになる。
この2.依存人口比率と3.平均寿命の効果はどちらも貯蓄を通じたものである。そこで家計貯蓄率のデータを見ると1990年から2000年にかけて日本では下がっている*3。家計貯蓄率が低下した人口以外の理由もあるだろうがその下落が大きいことからすると、2.と3.の効果を合わせたものでは自然利子率は上昇している可能性が高い。
つまり人口動態が自然利子率を下げてしまったという場合、1.労働供給の伸び率の効果がとても大きく2.と3.を合わせたもの以上になっている必要がある。
では生産年齢人口はどうであったか?1990年は86,140千人、2000年は86,380千人である*2。増えている。つまり、生産年齢人口の変化は自然利子率にプラスに働いていた。
よって1.2.3.トータルで人口動態は自然利子率にプラスに働いていた、マル、終了。藻谷浩介残念!
・・・とは、もちろんならない。
確かに人口動態は1990-2000年にかけて自然利子率にプラスに働いていた可能性は高いものの、それ以前の人口動態がもっと大きなプラスに働いていれば、その大きなプラスの効果が剥げ落ちてしまった分だけ自然利子率は低下する。
では何を見れば良いのか?それは、1.については1990年から2000年にかけて15-64歳人口が増えたか減ったかではなく、15-64歳人口の増加率が高まったか低くなったかである。人口が何%変化したかではなく人口増加率が何%ポイント変化したかである。
たとえば生産年齢人口が年10%で増えていたのが年3%にまで増え方が下がった人口増加社会ではそれが理由で自然利子率は下がるが、年1%での生産年齢人口減少が続く人口減少社会ではそれだけなら自然利子率は下がらないのである。
1980-1990年の間の15-64歳人口の平均増加率は年0.88%であったのが1990-2000年にはこれが年0.06%となっている*4。増加率は0.82%ポイントも下がっている。これが他で類を見ないほど大きな低下であれば、15-64歳人口の動きによって日本では他の国よりも自然利子率が大幅に低下し、日本だけがデフレに嵌まった可能性が高まる。藻谷浩介大勝利なるか?
さっそく他の国の15-64歳人口の平均増加率を見てみよう。
おお、これらの国と比べると日本は比較にならないほど急速に劇的に人口動態が悪化していると言えそうだ。やはり藻谷浩介大勝利か?
ところが、
と増加率の変化幅で見れば日本以外にも劇的な人口動態の悪化が見られる国がある。しかし、これらの国ではこの間にデフレにはなっていない。
しかも、何もこの時期だけが人口動態でデフレになるわけではないだろう。日本がデフレになったときと同じ程度の劇的な人口動態の悪化があればデフレになるのであれば、他の時期に人口動態が悪化した国ではその時期にデフレになっている可能性が高い。ところが、15-64歳人口の増加率が0.5ポイント以上という劇的に低下する経験をした国は数多くあるのである。
先進国に限らなければ
かように人口増加率が低下して自然利子率を引き下げたケースは多数あり、その規模も日本だけが急速に劇的に悪化したとは言えないものである。
2.依存人口比率の上昇は日本が劇的であると言えるがこれは元のエントリーにあるように自然利子率を引き上げるものであり、3.平均寿命はどの国でも長くなっていて日本だけが特徴的な動きはしていない。
つまり人口動態は、こと自然利子率への影響という点においては、日本だけが特に急速で劇的なわけではなく問題が深刻なわけではない。なのに日本だけがデフレに長く嵌まり込んでしまった。
これはデフレの原因として、人口動態の悪化が決定的な要因であったわけではないということである。藻谷浩介残念!
http://www.jcer.or.jp/j-fcontents/report.aspx?id=10KYE8ASWCENXJDAI8125N3CI51I8NV1
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2014np/pdf/gaiyou2.pdf
*3家計貯蓄率
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html
https://esa.un.org/unpd/wpp/DVD/Files/1_Indicators%20(Standard)/EXCEL_FILES/1_Population/WPP2015_POP_F15_1_ANNUAL_POPULATION_BY_AGE_BOTH_SEXES.XLS
最近欧米では、移民政策に反対する”右派”と緊縮財政に反対する”左派”が台頭していると聞く。右派の例を挙げると、トランプやフランスの国民戦線。左派の例を挙げると、サンダースやスペインのポデモス。
でも経済的な観点でいえば、移民政策に反対するのも緊縮財政に反対するのも両方”左派”じゃないの?
だって移民政策って結局のところ、より安い労働力を国内に供給するための政策でしょう?
それってつまり、労働市場の価格破壊つまり賃金破壊を起こして、国民と移民の間で職の奪い合いをさせるってことだ。
労働供給が増えて労働者同士の競争が激化すると賃金は下がり、結果的に労働者全体が不利益を被る。逆に経営者は人件費を安く抑えて利益を得る。
つまり移民政策は、企業による労働者の搾取を悪化させるものだ。っていうか完全にネオリベ、つまり右派の政策だよねこれ。経営者にとってはまさにウハウハ(右派右派)
だからメディアがよく言う「移民政策に反対する極右〜」という表現は違和感を覚える。
経済的に見れば、明らかに移民政策が右派でそれに反対する労働者勢力が左派じゃないか。
だからそろそろ「移民政策と緊縮財政の両方に反対する左派政党」というのが現れても良い気がする。二つの潮流を独り占めできて労働者にとっては良いことづくめの勢力だ。
最近欧米では、移民政策に反対する”右派”と緊縮財政に反対する”左派”が台頭していると聞く。右派の例を挙げると、トランプやフランスの国民戦線。左派の例を挙げると、サンダースやスペインのポデモス。
でも経済的な観点でいえば、移民政策に反対するのも緊縮財政に反対するのも両方”左派”じゃないの?
だって移民政策って結局のところ、より安い労働力を国内に供給するための政策でしょう?
それってつまり、労働市場の価格破壊つまり賃金破壊を起こして、国民と移民の間で職の奪い合いをさせるってことだ。
労働供給が増えて労働者同士の競争が激化すると賃金は下がり、結果的に労働者全体が不利益を被る。逆に経営者は人件費を安く抑えて利益を得る。
つまり移民政策は、企業による労働者の搾取を悪化させるものだ。っていうか完全にネオリベ、つまり右派の政策だよねこれ。経営者にとってはまさにウハウハ(右派右派)
だからメディアがよく言う「移民政策に反対する極右〜」という表現は違和感を覚える。
経済的に見れば、明らかに移民政策が右派でそれに反対する労働者勢力が左派じゃないか。
だからそろそろ「移民政策と緊縮財政の両方に反対する左派政党」というのが現れても良い気がする。二つの潮流を独り占めできて労働者にとっては良いことづくめの勢力だ。