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2024-10-11

マザコン同士で結婚したらうまくいった

アラサーの超マザコン

母が好きすぎて母が死んだら後追い自殺しようと思ってたんだけど

死んだらきっと天国の母が悲しむと思い、母が心配しないように+自分自殺しないように結婚することにした(※母はまだまだ元気です)

婚活して出会ったのが、顔よし収入良しのいわゆるハイスペだがマザコンで避けられていることが分かる男だった

自分を棚に上げまくってマザコンキモいな…と思ってしまったのだけど

「この人なら私の気持ちをわかってくれるし、私もわかってあげられるのでは?」と考えた

その思惑は当たり、お互いにお互いの親をとても大切にするようになった

「お母さんに喜んでほしい」という気持ちが分かるので、私は夫から義母さんの好みやされたら嬉しいこと、かけられて嬉しい言葉地雷などを聞き完璧マスターし、お義母さんを幸せ気持ちにするよう心がけ完璧な嫁を演じた

夫も全く同じようにしてくれた

どっちの母も孫が見たいなど口にするタイプではなかったけど、産んだら可愛がるだろうと思い+私も夫も子供が嫌いではなかったので子供を産んだ

子供はすごい

母もお義母さんもこんなに喜んだの見たことないってくらい幸せそうな顔をいつもしている

その姿を見て私も夫も幸せになっている

マザコンということを除けば私も夫もそこそこまともな大人で、なんとしてでも子供不自由させないという意思があるので

Win-Win-Winだと思った

母たちだけではなくもちろん父たちも、みんな仲良しで私たち2人が結婚してよかったと言ってくれている

自分自分がこんなに幸せな状況になると思ってなかったのでかなり驚いている

ちなみに夫とは恋愛的な感じは薄いけど、母を愛しお互いの母が亡くなった時は必ずお互い寄り添い励まし合うと決めている心強い仲間、話が合う親友、何より子供を幸せにするため頑張る相棒のような唯一無二の存在である

キモいマザコン同士の結婚おすすめはしないが悪くはないかもしれない

2024-10-10

苦労せずに生きてきた

地方都市だけどそこそこ裕福で文化的な家庭に生まれ

家族仲は良く、とても大切に育てられて、不自由な思いはしたことがない

地方都市だけど、歴史が古く文化人も多く輩出している地域で、多様な文化にも触れられたし、大都市にもすぐ出られたので、小さい頃から博物館美術館にはよく連れて行ってもらっていた

特に母親実家名家だったので、そっち経由で触れる文化の水準は高かった

能力的にも恵まれていて、小さい頃から勉強で苦労したことはない

コミュ障だけど見た目と成績が良かったお陰で一目置かれていじめられることもなく高校まで普通に過ごせた

大学特に苦労せずに地元国立大学に進学

就職氷河期だったけど、特に苦労することもなく就職できた

就職先は地元では誰もが知る優良企業

収入は多くはないが、生きていくには十分だし、なにより安定している

結婚就職して1年後に、大学一年から付き合ってる彼女とした

人生最初に好きになった人だけど、特にトラブルもなく仲良くなって付き合って、普通に結婚した

相性は最高で、喧嘩もしない

今は結婚して20年経つけど、やっぱり喧嘩しないし今も本気で好き

最高のパートナー

仕事は忙しくはなく、だいたい6割くらいの力でこなせる程度

それでも周囲よりは効率よくこなせていたらしく、すぐに特別存在扱いされるようになった

おかげで礼儀とかよくわからないコミュ障でも咎められることなく、快適に過ごせている

結婚してから5年後に子どもが産まれ

妻は強い国家資格を持ってるので、いったん仕事を辞めて専業主婦になった

おれの仕事も余裕があるので、子育ては全力でサポートした

子どもが一歳になったころ、実家敷地に家を建てた

しっかり情報を集めて、じっくり話し合って建てたので、なんの不満もないいい家が建った

それから1年後に二人目の子どもが産まれ

子どもたちは二人とも可愛くて賢い

塾には行ってないが、これまでのところ勉強で苦労したことは一度もない

子どもたちの手が離れた今は、妻も仕事を再開して、経済的にも安定している

こうして人生を振り返ってみると、何ひとつ苦労をしてないことがよく分かる

毒親に苦しめられたり、地方出身文化に触れられなかったり、学校いじめられたり、不登校になったり、就職できなかったり、受験に失敗したり、ひどい失恋したり、ブラック企業に苦しめられたり、夫婦喧嘩したり、子ども障害に悩んだり、そういうドラマが一切ないまま生きてきた

苦労しなくてすんだのはいいことだと思うんだけど、なんか、こう、人間としての厚みが得られてない気がする

増田には色んな苦労話が描かれているけど、おれの人生には無かった

順風満帆で常に幸せで、辛かったことなんて本当に小さいこしか記憶にない

これはなんかすごく薄っぺら人生な気がする

そして、これから大きな苦労に直面したら生きていけない気がする

親が認知症になるとか、会社が潰れるとか、妻や子ども事故事件に巻き込まれるとか、そんなことがあると耐えられない

こんなに弱い人間のまま中年になってしまって良かったんだろうか

まあ、いまさらどうしようもないから、このまま死ぬまで順調に人生が続くことだけを願っている

2024-10-08

anond:20241008164448

貧乏生活じゃ子供可哀想」とか言いながら、結局は自分優雅自由暮らしたいだけなんだよな

子供がかわいそうだから」とか「子供に十分な環境を用意してあげられないから」とか言う人多いけど、本気でそう思ってるのか?っていつも思うわ。

うちも子供いないけど、理由として「子供がかわいそうだから」なんて一度たりとも考えたことない。何不自由ない十分な環境なんて用意したらクソボンになるだけだろって思うんだけどな。

意外と人生の旬って短いよね

(ここで言う旬とはやりたいことを何の不自由もなくやれる時期のこととします)

学生時代時間無限にあるけどお金が圧倒的に足りない

子供を持ったら子供中心の生活に変わり、休み子供の行きたいところに行き、行ける飯屋も子供が行きたいところに限られ…

この時期は家を買ったりすることもあるので住宅ローンのしかかり金の余裕もなくなるからかなりしんどい

子供独立した後はだいたい50歳中盤、仕事でそこそこの立場になっており金はあっても忙しい

定年退職後に希望を見出そうとする人も多いけど、親の介護が始まり時間場所が制約され、なんなら自分介護も始まり身体自由も無くなる可能だってある

となると人生の旬は大卒直後から家族を持つまでの10あるかないかくらいになるのかな

人生100年時代10年だけ

しかも旬が過ぎてから70年くらい人生が続く

世知辛ぇな

なら独身のままで良いのではないか、と思ってしまうが独身を貫くと今度は暇が多すぎる

旬が長く続いてしまうと旬の価値がなくなってしまい抑揚のない人生になる

それはそれで良いのかもしれないが、いよいよ親の介護が始まるとか旬が終わる瞬間に冷静に人生を振り返ると「俺何やってたんだろう」となってしまうような時間の使い方をしてしまいそう

怖い

ではDINKSDINKS希望はないのか!?

何もない日々を二人で生活する

良いと言えば良いが、相手のことを好きじゃなくなったら突然地獄のような日々に変わりそう

なんで好きでもない奴に生活合わせないといけないんだ、ストレスしかない

てか好きならなんかやっちゃってハプニング出産ちゃうよね?

パイプカットワンちゃん去勢手術健康になってもらいたいという愛があるけど、子供産みたくないから手術しろっていうのは愛なのか?

あと普通に離婚やすいよね、子供とか2人をつなぎとめるものがないから嫌なことがあったらバイバイってなりそう

まぁ誰かと生活したという人生の1ページがあれば独身人生の旬が終わった時に「俺何やってたんだろう」ってならないかもしれないけど

うーむ、結局なんと言えばいいかからないのだが、とりあえず資本主義ってクソ

あと二十代三十代の増田民は今のうちにちゃん人生楽しめ

NTUYのSEGAWASHIN、中国でのBL人気に無言を貫く

「中国に帰りたいと思うこともあるけど、日本にいればBLが読める…」重く響く言葉。(日本の月はまるく見える)【漫画小ネタ集】

中国、厳しい検閲下でBLブーム 日本や欧州、世界に進出

検閲があってもBLを描く真摯創作者がいるように、本邦でも著作家の恥を知らずな者もいる。

だいたい日本に中国並みの検閲があったところで今の我々の創作がどの程度不自由被るのよ?

自分コメント責任ももてないこの男はナチス親衛隊歴史修正主義 パウルカレル擁護した小林源文賞賛したり大阪戦術核を落としたいと述べるなどネオナチトランプ支持者のごときレイシストだ。

id:segawashin 一切の文脈無視するなら、これぐらいの歳の大御所が変に萌えに媚びるよりはこれぐらい分からず屋であってくれた方がまだ好感が持てる。もちろん若い世代は大いに反発すればいい。

id:hhasegawa #ところで艦これ厨は滅ぼされねばならない #艦これ亡国ストパン天魔ガルパン無間とうらぶ国賊 事例。相変わらず、どんな内容に対しても判で押したように萌え絵をくっつけねば気が済まない連中がいるわけである。

なお長谷川氏はドイツ関連の学者である。嫌いなものを叩くためならナチス擁護

こんな男が左派だのリベラリストとして語られるのが恥ずかしくてならない。

自称蝦夷末裔らしいが、それが真実なら彼は陸奥ウヨとか蝦夷ナチとでもいうのが正しいだろうか?

2024-10-07

京都市内の物件が高い

市内中心部かつ烏丸線沿線だと高いよね……

地下鉄沿線じゃなくても普通に高いけど、不自由のないレベルバスが走りまくってるから、駅チカはそこまで考慮されてないのか

京都駅より南になると、ガクッと下がるけど、それでも駅チカだと高いぞ。あと京都駅より南になると、バスの本数が極端に減るから駅チカじゃないとしんどい

羽束師や久世まで行くとクソ安いけど、電車もなけりゃバスも少ないし不便すぎる。せめて竹田伏見あたりか。丹波橋まで行くと京阪近鉄特急が停まるから高いな。

洛西ニュータウン限界ニュータウン呼ばわりされてるけど、バスも多いし、イオンモールも近いから言うほど悪くないんじゃないのと思って調べたら、それなりの値段するやん。限界ニュータウン呼ばわりすんなよ。

東西線醍醐辺りまで行くと安いけど、醍醐って何も無いからな……。終点六地蔵まで行くと、再開発が進んでるせいで高い。

北の方……松ヶ崎辺りまでは高いけど、終点国際会館の辺りは安い。でもこの辺りもバスほとんど無いし、駅チカじゃないとしんどいな。それに山の上だからチャリの移動も面倒くさそう。

ということを考え出すと、そらみんな滋賀とか向日町長岡京に逃げるよな……と思ってしまう。

子供に残せる最も大きなものって

介護になる前に死んで不自由を与えない事だよな

anond:20241007084851

不自由を楽しむ事が出来るかどうかってセンスなんよ。

キャンパーアウトドア趣味に出来る人は、それがないと無理。

車中泊も一緒で、そこに楽しさを見出せないで先にお金と手間注ぎ込むと全部無駄になる。

2024-10-06

婚活のために転職活動している

電力会社で働き5年目、30歳

年収もかなり貰って田舎不自由暮らしをしている

婚活しようにも人が居ない

こんな山の中じゃ鹿か熊かカモシカくらいしか居ない

婚活するために街中で働ける仕事転職しようと思う

善は急げ、マジで急げ

anond:20241005215239

俺もまあまあ似た方向性。そこまで暗い感情はないが。

俺が死ぬときまとまった額の遺産が多分あって、それで残された年下の彼女が残りの人生不自由なく暮らせるようにはしたいが、

子がいないと遺産の大部分は、最終的には接点の希薄な遠い遠い親族かにしかしたらいってしまうのかな?となると、どうすりゃいいのかなーと思った。

本来そうならないよう、親戚づきあいを年一でもいいからやるんだろうなと思うが、そこは(多くの現代人の風潮と同じ)個人自由の快適さを謳歌した人生に対する、払うべき負の側面なのだろう)

でも金のあるなしと、人柄の高潔低俗はそこまでそこまで関係ないと思うけども。

まあ普通に死の前後赤十字かなんかにでも寄付ができればいいと思う。資産の何割とか指定で。

とは言えもしかしたら老人ホームとか終身療養とかで思いのほか金かかるのかもしれないしなあ。

あとは養子取るとかは可能性としてないのかな。

2024-10-05

(追記あり)仕事ができないADHDを助けて欲しい

正社員として入社して1年半経つがものすごく仕事ができない。

今の仕事簡単に言えばデータ入力のようなもので正直誰でもできるし、そこまで難しくないと思う。

でも上司が満足するクオリティに仕上げられない事が多い。

チェックリストは作ってくれるし要領書や参考資料もある。

けれど見落としたり、思い込みで動いたりして変なものを作ってしまう。

手順を抜かしたり忘れたりはよくあるし、質問リストを作って管理してもよく考えず衝動的に質問してしまうので同じことを聞いて怒られたり。

何度か繰り返していれば慣れることもあるが、慣れる頃には案件が終わる時期だったりすることもよくある。結構案件によって細かい部分が変わるため新規案件のたびに1週間はごちゃごちゃとミスを繰り返している。

なんか私にだけあたり強いな……いじられキャラと思われてるのかな……と思ってたんだけど私の仕事ができなさすぎるからかも!と最近気づいてきた。遅すぎる。

あと人間関係の面でも、思い込みの激しさとプライド攻撃性の高さからすぐに言い返したり言い訳をしてしまう。否定されるとヒスってしまい、その後私が悪いと気づいても口に出してしまってるしもう終わり。

衝動で動いて「あっ!やらかした!」となる事が多い。

同期は私よりも年下の人が多いが、とてもしっかりしていて、頭も良く、字が綺麗で羨ましい。私もどうにかしたい。

これまでの人生友達は少ないもののそこまで不自由せず大学院までスムーズに進学したが、所属したラボ結構ブラックなところで適応障害を起こし、精神科受診。その際発達障害検査を勧められADHDと判明。

鬱の時は受けられないからと知能検査は受けてないんだけどワーキングメモリ低そうだよねとその時の主治医には言われた。

鬱がなんとなく治った気がしたのと、働いてないとおかしくなりそうだったか就職して、引越したから今は通院してない。

一番最初派遣社員として働いてた時は遅刻とか社員証忘れが多いのを注意されてたもの業務特に問題なく勧められていた(と自分の中では思っている)

その時は検査員をしていた。

その後正社員として今の会社にいるが、仕事内容があってないのか私が無能すぎるのかいつも怒られてるし誰とも仲良くないし早く辞めたいと思ってしまっている。

今の会社では遅刻しなくなったし社員証忘れる頻度も減ったので働くコツは掴めてきていると思うけれど、とにかく仕事ができない。

どうしたらいいんだ〜

まずはきちんと通院して服薬かな。でもちゃんとした保険入りたいか精神科通院歴作りたくないよ〜

助けてくれ


こっぴどく叱られて勢いで書いた文だけど色んな人に見てもらえたようで嬉しいです。

よくある反応に答えていきます

・なんで通院&薬飲まないの?

適応障害ADHD診断受けてからまだ5年経ってなくてちゃんとした保険入ってから通院しようかなと思ってます

あと生活圏内精神科心療内科は評判悪いところ以外初診受け付けてなかった。

データ入力ADHDに向いてないよ

学生の頃は結構黙々と作業するの得意だったのでいけるかな〜と思っちゃいました。

あと一応技術職として入社してて、色々と体制が変わり当初の予定よりもかなり事務っぽい仕事なっちゃったのはある。

配信者やれば?

昔やってたことあってそれなりにいい思いもしたけど今からやるのはレッドオーシャンすぎない?

営業向いてそう

性格カス&不注意強めなので免許更新のたび違反者講習受けています社用車事故るの怖い!

結婚しちゃえば?

一人暮らししてると、よくうっかりでボヤ起こしたり死にかけたりしたのでリスク管理としてかなりあり。

でもそれに巻き込まれても許してくれるような人はもっとちゃん幸せになって欲しいか結婚はないな〜

ラバーダックデバッグ

これめっちゃやってます。心の中でやってるけど側から見るとぼーっとサボってるやつなので最近はわーっと書き出してる。

あと「何か忘れてることを忘れる」ので毎日なんでもない時間アラームかけて行動振り返るようにしてます。ほんのりマシになっている気がする。続けよう。

会社の人たちやばいよ!

これに関してはタイトルに「仕事ができないADHDを〜」って書いた私が悪いが、多分会社の人に嫌われてるのは注意欠陥によるミスの多さより性格に難があるからだと思う!

機嫌のいい人を心がけたいけど快不快関係なくリアクションがでかいのでフラット対応ができない!あと多分被害妄想とかも酷い!本当はADHDよりも先に認知の歪み直したり思考を変えないといけないんだろうな〜とは思う。本とか読んでみます

アンガーマネジメント

読もうとしてはあらすじに出てる「筆者の自我」にイライラしてあまり読めないかいつまでもアンガーのマネジメントができない。今度腹括って読んでみます

以上!

書き出したりみなさんの意見聞くことで「このままでもいいか」と思えた部分もありましたが、やはり人に迷惑をかけまくってるな〜と実感できたので、高くてもいいから現状で入れそうな保険探して、保険に入れても入れなくても半年以内には通院(とできれば服薬も)できるように環境整えようと思います

ありがとうございました。

2024-10-02

石破内閣法大臣のお言葉

 三四郎は、その不思議な事を、すぐ話せばいいと思うのに、与次郎は平気なもので、一人でのみこんで、一人で不思議がっている。三四郎はしばらく我慢していたが、とうとう焦れったくなって、与次郎に、美禰子に関するすべての事実を隠さずに話してくれと請求した。与次郎は笑いだした。そうして慰謝のためかなんだか、とんだところへ話頭を持っていってしまった。 「ばかだなあ、あんな女を思って。思ったってしかたがないよ。第一、君と同年ぐらいじゃないか。同年ぐらいの男にほれるのは昔の事だ。八百屋お七時代の恋だ」  三四郎は黙っていた。けれども与次郎意味はよくわからなかった。 「なぜというに。二十前後の同じ年の男女を二人並べてみろ。女のほうが万事上手だあね。男は馬鹿にされるばかりだ。女だって自分軽蔑する男の所へ嫁へ行く気は出ないやね。もっと自分世界いちばん偉いと思ってる女は例外だ。軽蔑する所へ行かなければ独身で暮らすよりほかに方法はないんだから。よく金持ちの娘や何かにそんなのがあるじゃないか、望んで嫁に来ておきながら、亭主を軽蔑しているのが。美禰子さんはそれよりずっと偉い。その代り、夫として尊敬のできない人の所へははじめから行く気はないんだから相手になるものはその気でいなくっちゃいけない。そういう点で君だのぼくだのは、あの女の夫になる資格はないんだよ」  三四郎はとうとう与次郎といっしょにされてしまった。しかし依然として黙っていた。 「そりゃ君だって、ぼくだって、あの女よりはるかに偉いさ。お互いにこれでも、なあ。けれども、もう五、六年たたなくっちゃ、その偉さ加減がかの女の目に映ってこない。しかして、かの女は五、六年じっとしている気づかいはない。したがって、君があの女と結婚する事は風馬牛だ」  与次郎は風馬牛という熟字を妙なところへ使った。そうして一人で笑っている。 「なに、もう五、六年もすると、あれより、ずっと上等なのが、あらわれて来るよ。日本じゃ今女のほうが余っているんだから風邪なんか引いて熱を出したってはじまらない。――なに世の中は広いから、心配するがものはない。じつはぼくにもいろいろあるんだが、ぼくのほうであんまりうるさいから、御用で長崎出張すると言ってね」 「なんだ、それは」 「なんだって、ぼくの関係した女さ」  三四郎は驚いた。 「なに、女だって、君なんぞのかつて近寄ったことのない種類の女だよ。それをね、長崎へ黴菌の試験出張するから当分だめだってわっちまった。ところがその女が林檎を持って停車場まで送りに行くと言いだしたんで、ぼくは弱ったね」  三四郎ますます驚いた。驚きながら聞いた。 「それで、どうした」 「どうしたか知らない。林檎を持って、停車場に待っていたんだろう」 「ひどい男だ。よく、そんな悪い事ができるね」 「悪い事で、かあいそうな事だとは知ってるけれども、しかたがない。はじめから次第次第に、そこまで運命に持っていかれるんだから。じつはとうのさきからぼくが医科の学生になっていたんだからなあ」 「なんで、そんなよけいな嘘をつくんだ」 「そりゃ、またそれぞれの事情のあることなのさ。それで、女が病気の時に、診断を頼まれて困ったこともある」  三四郎おかしくなった。 「その時は舌を見て、胸をたたいて、いいかげんにごまかしたが、その次に病院へ行って、見てもらいたいがいいかと聞かれたには閉口した」  三四郎はとうとう笑いだした。与次郎は、 「そういうこともたくさんあるから、まあ安心するがよかろう」と言った。なんの事だかわからない。しかし愉快になった。  与次郎はその時はじめて、美禰子に関する不思議説明した。与次郎の言うところによると、よし子にも結婚の話がある。それから美禰子にもある。それだけならばいいが、よし子の行く所と、美禰子の行く所が、同じ人らしい。だから不思議なのだそうだ。  三四郎も少しばかにされたような気がした。しかしよし子の結婚だけはたしかである。現に自分がその話をそばで聞いていた。ことによるとその話を美禰子のと取り違えたのかもしれない。けれども美禰子の結婚も、まったく嘘ではないらしい。三四郎ははっきりしたところが知りたくなった。ついでだから与次郎に教えてくれと頼んだ。与次郎はわけなく承知した。よし子を見舞いに来るようにしてやるから、じかに聞いてみろという。うまい事を考えた。 「だから、薬を飲んで、待っていなくってはいけない」 「病気が直っても、寝て待っている」  二人は笑って別れた。帰りがけに与次郎が、近所の医者に来てもらう手続きをした。  晩になって、医者が来た。三四郎自分医者を迎えた覚えがないんだから、はじめは少し狼狽した。そのうち脈を取られたのでようやく気がついた。年の若い丁寧な男である三四郎は代診と鑑定した。五分ののち病症はインフルエンザときまった。今夜頓服を飲んで、なるべく風にあたらないようにしろという注意である。  翌日目がさめると、頭がだいぶ軽くなっている。寝ていれば、ほとんど常体に近い。ただ枕を離れると、ふらふらする下女が来て、だいぶ部屋の中が熱臭いと言った。三四郎は飯も食わずに、仰向けに天井をながめていた。時々うとうと眠くなる。明らかに熱と疲れとにとらわれたありさである三四郎は、とらわれたまま、逆らわずに、寝たりさめたりするあいだに、自然に従う一種快感を得た。病症が軽いからだと思った。  四時間、五時間とたつうちに、そろそろ退屈を感じだした。しきりに寝返りを打つ。外はいい天気である。障子にあたる日が、次第に影を移してゆく。雀が鳴く。三四郎はきょうも与次郎が遊びに来てくれればいいと思った。  ところへ下女が障子をあけて、女のお客様だと言う。よし子が、そう早く来ようとは待ち設けなかった。与次郎だけに敏捷な働きをした。寝たまま、あけ放しの入口に目をつけていると、やがて高い姿が敷居の上へ現われた。きょうは紫の袴をはいている。足は両方とも廊下にある。ちょっとはいるのを躊躇した様子が見える。三四郎は肩を床から上げて、「いらっしゃい」と言った。  よし子は障子をたてて、枕元へすわった。六畳の座敷が、取り乱してあるうえに、けさは掃除をしないから、なお狭苦しい。女は、三四郎に、 「寝ていらっしゃい」と言った。三四郎はまた頭を枕へつけた。自分だけは穏やかである。 「臭くはないですか」と聞いた。 「ええ、少し」と言ったが、べつだん臭い顔もしなかった。「熱がおありなの。なんなんでしょう、御病気は。お医者はいらしって」 「医者はゆうべ来ました。インフルエンザだそうです」 「けさ早く佐々木さんがおいでになって、小川病気から見舞いに行ってやってください。何病だかわからないが、なんでも軽くはないようだっておっしゃるものから、私も美禰子さんもびっくりしたの」  与次郎がまた少しほらを吹いた。悪く言えば、よし子を釣り出したようなものである三四郎は人がいいから、気の毒でならない。「どうもありがとう」と言って寝ている。よし子は風呂敷包みの中から蜜柑の籠を出した。 「美禰子さんの御注意があったから買ってきました」と正直な事を言う。どっちのお見舞だかわからない。三四郎はよし子に対して礼を述べておいた。 「美禰子さんもあがるはずですが、このごろ少し忙しいものですから――どうぞよろしくって……」 「何か特別に忙しいことができたのですか」 「ええ。できたの」と言った。大きな黒い目が、枕についた三四郎の顔の上に落ちている。三四郎は下から、よし子の青白い額を見上げた。はじめてこの女に病院で会った昔を思い出した。今でもものうげに見える。同時に快活である。頼りになるべきすべての慰謝を三四郎の枕の上にもたらしてきた。 「蜜柑をむいてあげましょうか」  女は青い葉の間から果物を取り出した。渇いた人は、香にほとばしる甘い露を、したたかに飲んだ。 「おいしいでしょう。美禰子さんのお見舞よ」 「もうたくさん」  女は袂から白いハンケチを出して手をふいた。 「野々宮さん、あなたの御縁談はどうなりました」 「あれぎりです」 「美禰子さんにも縁談の口があるそうじゃありませんか」 「ええ、もうまとまりました」 「だれですか、さきは」 「私をもらうと言ったかたなの。ほほほおかしいでしょう。美禰子さんのお兄いさんのお友だちよ。私近いうちにまた兄といっしょに家を持ちますの。美禰子さんが行ってしまうと、もうご厄介になってるわけにゆかないから」 「あなたはお嫁には行かないんですか」 「行きたい所がありさえすれば行きますわ」  女はこう言い捨てて心持ちよく笑った。まだ行きたい所がないにきまっている。  三四郎はその日から四日ほど床を離れなかった。五日目にこわごわながら湯にはいって、鏡を見た。亡者の相がある。思い切って床屋へ行った。そのあくる日は日曜である。  朝飯後、シャツを重ねて、外套を着て、寒くないようにして美禰子の家へ行った。玄関によし子が立って、今沓脱へ降りようとしている。今兄の所へ行くところだと言う。美禰子はいない。三四郎はいっしょに表へ出た。 「もうすっかりいいんですか」 「ありがとう。もう直りました。――里見さんはどこへ行ったんですか」 「にいさん?」 「いいえ、美禰子さんです」 「美禰子さんは会堂」  美禰子の会堂へ行くことは、はじめて聞いた。どこの会堂か教えてもらって、三四郎はよし子に別れた。横町を三つほど曲がると、すぐ前へ出た。三四郎はまったく耶蘇教に縁のない男である。会堂の中はのぞいて見たこともない。前へ立って、建物をながめた。説教掲示を読んだ。鉄柵の所を行ったり来たりした。ある時は寄りかかってみた。三四郎はともかくもして、美禰子の出てくるのを待つつもりである。  やがて唱歌の声が聞こえた。賛美歌というものだろうと考えた。締め切った高い窓のうちのでき事である。音量から察するとよほどの人数らしい。美禰子の声もそのうちにある。三四郎は耳を傾けた。歌はやんだ。風が吹く。三四郎外套の襟を立てた。空に美禰子の好きな雲が出た。  かつて美禰子といっしょに秋の空を見たこともあった。所は広田先生の二階であった。田端小川の縁にすわったこともあった。その時も一人ではなかった。迷羊。迷羊。雲が羊の形をしている。  忽然として会堂の戸が開いた。中から人が出る。人は天国から浮世へ帰る。美禰子は終りから四番目であった。縞の吾妻コートを着て、うつ向いて、上り口の階段を降りて来た。寒いみえて、肩をすぼめて、両手を前で重ねて、できるだけ外界との交渉を少なくしている。美禰子はこのすべてにあがらざる態度を門ぎわまで持続した。その時、往来の忙しさに、はじめて気がついたように顔を上げた。三四郎の脱いだ帽子の影が、女の目に映った。二人は説教掲示のある所で、互いに近寄った。 「どうなすって」 「今お宅までちょっと出たところです」 「そう、じゃいらっしゃい」  女はなかば歩をめぐらしかけた。相変らず低い下駄はいている。男はわざと会堂の垣に身を寄せた。 「ここでお目にかかればそれでよい。さっきからあなたの出て来るのを待っていた」 「おはいりになればよいのに。寒かったでしょう」 「寒かった」 「お風邪はもうよいの。大事になさらないと、ぶり返しますよ。まだ顔色がよくないようね」  男は返事をしずに、外套の隠袋から半紙に包んだものを出した。 「拝借した金です。ながながありがとう。返そう返そうと思って、ついおそくなった」  美禰子はちょっと三四郎の顔を見たが、そのまま逆らわずに、紙包みを受け取った。しかし手に持ったなり、しまわずにながめている。三四郎もそれをながめている。言葉が少しのあいだ切れた。やがて、美禰子が言った。 「あなた、御不自由じゃなくって」 「いいえ、このあいからそのつもりで国から取り寄せておいたのだから、どうか取ってください」 「そう。じゃいただいておきましょう」  女は紙包みを懐へ入れた。その手を吾妻コートから出した時、白いハンケチを持っていた。鼻のところへあてて、三四郎を見ている。ハンケチをかぐ様子でもある。やがて、その手を不意に延ばした。ハンケチ三四郎の顔の前へ来た。鋭い香がぷんとする。 「ヘリオトロープ」と女が静かに言った。三四郎は思わず顔をあとへ引いた。ヘリオトロープの罎。四丁目の夕暮。迷羊。迷羊。空には高い日が明らかにかかる。 「結婚なさるそうですね」  美禰子は白いハンケチを袂へ落とした。 「御存じなの」と言いながら、二重瞼を細目にして、男の顔を見た。三四郎を遠くに置いて、かえって遠くにいるのを気づかいすぎた目つきである。そのくせ眉だけははっきりおちついている。三四郎の舌が上顎へひっついてしまった。  女はややしばらく三四郎をながめたのち、聞きかねるほどのため息をかすかにもらした。やがて細い手を濃い眉の上に加えて言った。 「我はわが愆を知る。わが罪は常にわが前にあり」  聞き取れないくらいな声であった。それを三四郎は明らかに聞き取った。三四郎と美禰子はかようにして別れた。下宿へ帰ったら母から電報が来ていた。あけて見ると、いつ立つとある

anond:20241002010446

2024-10-01

anond:20241001174859

https://anond.hatelabo.jp/keyword/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB

リベラル最高😆

リベラルに会えてよかった

リベラルになれてよかった

17:48

リベラルはなぜ最高なのか

考えたことはあるかい

15:11

リベラル最高😆

14:47

リベラルってフェラ好き?

きらい?😊

12:50

anond:20241001104952

リベラル合同結婚式やってるってマジですか?

12:32

anond:20241001082959

でもリベラル結婚できませんよね

10:49

リベラル最高😆

08:56

リベラル最高!😆

リベラルになれてよかった😁

08:29

anond:20241001075934

リベラル正義です

リベラルのもとに行われる行為もまた全て正しいのです

リベラル表現不自由言論不自由思想不自由職業選択不自由恋愛不自由、あらゆる自由否定しま

焚書検閲を推奨しま

08:01

リベラル

おいリベラル

07:59

anond:20240930224522

夫君はあなた他人として乱れているのをただ見たいの?

それとも自分もその隣で別の誰かとしたいの?

別に普段からより良い性交渉の探求に不自由のない間柄の夫婦なのに

片方が偏った性的志向を持っていると破綻やすいから程々にね。

anond:20241001092221

高収入女性は、大学に通わせてくれたり、習い事させてくれたり、学生時代友人と遊ぶお金を出してくれた両親、両親の老後も金銭的な援助をしないで済む環境感謝しており

夫婦2人力を合わせて、自分の子供も金銭的に不自由させず育てたい、自分たちの老後資金も十分貯金したいと考えているので

収入男性とはマッチングしません。

2024-09-29

anond:20240929081720

不自由ない人生を送ってきた優しい人なんだろうなと思うよ

反吐がでます

みんな子育てはどう捉えてるの

自分は、楽しい事も不自由もどっちも大きくて肯定否定もし辛い

かといって子供いなかったら退屈を持て余してただろうし、どういう感情なのか自分でよくわからない

日中スポーツしたりとか出来なくなったからそれは辛い

anond:20240929122717

「傾向がある」と言われていればそれで正しい

ただし主語が大きい罵倒100%で捉えられるので、反例1つ挙げるだけで論破になる

「◯割」ならそう書くべき。だがそれだとクリックベイトとして弱いから大きな主語を使うのだろう。強調のレトリックとして逃げれるから

しかもまとめて罵倒することでその属性全員に不愉快な思いをさせことになる

反論者が日本語不自由なのではない

最初に言った人物曖昧にどっちにもとれるように使っているから、どっちともとれるように反論しているわけだ

それに「日本語不自由」という考え方は、自己中心性を内包している。なぜ内包しているといえるのか?これはお前が解くべき宿題としておこう

直線的に自由を求めると、長期的には不自由になったりするんだよな

フリーターニート時間自由満喫しても、お金立場がなくてでかい買い物ができなかったり、人付き合いが限られたりする

かと言って小真面目に働いていても、金や時間自由が手に入るとは限らない

何らかの飛躍ができるだけの能力判断力、根気や運を持ち合わせている必要がある

2024-09-27

anond:20240927121547

非モテでも生活不自由ないしなあ。

見たいアニメもやりたいゲームも一生かかっても消費しつくせない程あるから、お1人様最強よ?

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