はてなキーワード: 幽霊とは
すげえ昔からある話だし関心を持ってる人の数も相当多いはずなのに、いると言い切れるような説得力のあるエピソードがひとつもない。
強い思いを持って死んだら幽霊になれる、っていうんだったら「死んだらうまいこと化けて出て幽霊の存在を認めさせてやる」みたいなことを思って死ぬやつもこれまでに相当数いたはずで、そういう科学目的の幽霊が一切出てきてないことをどう説明するのか?
地球はものすごい勢いで回転しながら太陽の周りをギュンギュン回ってるし、太陽系っつうか銀河そのものもえげつないスピードで動いてるらしい。
幽霊はどうやって付いてきているのか?重力にだけ縛られるのか?じゃあ宇宙船には乗れないのか?
未だ竹○平○とかが生きてるのはおかしい
コールドスリープから目覚めた私に、30代のアフロヘアの友人は楽しそうに語っている。
右手には30年前も見かけたシェイクが握られている。この時代では黒人であるか否かは、差別であるか否かを問うことと同様に意味がない。
ただし30歳年上になってしまった友人に知識量で負けているという落差はあるような気がしてならないが。
「だからね、お前の時代にあったストレージなんて今の世の中にはないんだよ」
右手のシェイクはすっかり空になり、彼はフライドポテトを口の中へと放り込む。塩か粉かが宙を舞った。
「いやそうじゃない」
窓の外の手すりを猫が歩いている。
「このケーキのようなんだ、ちょうどね」
彼は私が目覚めた際に用意したホログラフィックVRケーキを4等分すると言った。
「これが俺」
とケーキを指差す。
「つまり、どういう?」
「ある日人の思考をデジタルデータ化する方法が編み出されたんだ。こいつは面白い技術でね。そこからあらゆるコンテンツや映像が生み出された。するとそこから自然とイメージをどう保存するかという問題にもさしあたる。イメージは大量のデータ容量を消費した」
話を遮ってしまったが彼は口角を上げると口笛を吹いた。
「良い質問だ。大量のイメージは妄想も含んでいた。そこからイメージを調律する学校もできたし、東洋的なメディテーションの技術も科学的に研究されるようになった。ただ、これは人間側の努力にすぎない」
目線を一時だけ窓にやると、窓際の猫が群れをなして規則的な動きをしている。思えば妙な動きだ。色は真っ黒で統一されている。
「イメージはやがて機械的な手段で"間引き"されるようになった」
「それとケーキはどう繋がるんだ」
「まあ待てよ。それでもデータは膨大なんだ。するとお前の生きた時代じゃストレージなんてものが必要になってくる」
持って回った言い回しに僅かな違和感を感じる。そして窓際の猫はまるで蟻のように同階のマンションへと消えていった。
「俺たちの時代にはこう考えた。いっそ全てのマシンをつないで、そう、トレントやブロックチューン、それの人間版といったところさ。そいつに全てを共有させる。フィルタリングは各人の無意識の脳の領域と顕在意識の2つを使って最適化された。つまりつながれば繋がるほど最適化される」
「それじゃマイノリティは大変だな」
猫がまた列をなして下の階から上がってくる。そうかと思えば彼らは急にバラけて別々にマンションの窓へと飛び込んでゆく。
「マイノリティ。ずいぶん古い概念だな。少なくとも今そんなやつはいないさ」
「そんなはずはない。社会が最適化されてもニッチは消えないし、マイノリティはますます先鋭化されるはずだろう」
各マンションですべての猫が一斉に鳴く。それはまるでハーモニカとクラクションを混ぜた音に聞こえた。
「だからケーキの一部なのさ。あらゆる動物も含むイメージが連結されて、各人がそれぞれの存在でいながら全てが共有される。あらゆる性的指向も暴力も好きなタイプも優秀な頭脳も全てだ。フィルタはグローバルフィルタとプライベートフィルタリングで制御される」
「それじゃプライベートなんて」
鳴き声が一斉にやんだ。
「あれってなんだい」
「猫さ」
彼はまた口笛を吹いた。
「ああ、俺にゃ見えないね」
「もう一つ疑問が。こちらはその、なんでイメージが繋がってないんだ。コールドスリープから目覚めたばかりだからか?」
「それも少し違うかな。その質問に答える前に、お前に話しておきたいことがあるんだ」
「もう何年も前になる。俺にはお前に似た友人がいてね。コールドスリープするってきかないものだから、俺りゃ友人として何度の止めたのさ。何しろコールドスリープなんて未来になんの担保もない技術だ。あいつはそれでも聞かずに冬眠に入っちまった。そこから数年後に冷却装置が故障、契約者の大半の脳は凍傷を起こして死亡した」
部屋の隅から白と黒の二匹の猫が入り込んできて、くわえたネズミを床に落とすと去っていった。ネズミはたちまちシェイクへと姿を変える。
「ところが我が友は幸運だった。やつの脳だけは無事だったのさ。そこからイメージを再生するのもね。今だって自由にイメージの世界を行き来してるさ」
「そいつは願いがかなったのかな」
「特定のデバイスがあれば幽霊じゃねえけどよ。そうじゃない限り、そうだな、お前が見ている猫みたいなもんさ」
黒猫たちに混ざって白猫もたくさん見えるようになった。私は窓の外へと飛び出すと、今まで味わったこともないスピードで彼らを追いかけていた。
何に怒ってるのか?の観点で整理
⇒内訳が出ており、ほとんどみずほ銀行の手数料。後述のように精算払いなので不当な利益は取れない。
・振込手数料が770円は高い
⇒みずほだけではなく少なくともメガバンクは他行も同水準。ここを入札で安くできるのかは知らない。
⇒管理費は全体で10%で、再委託して何重にも利益を乗せるのは禁止されているらしいので何回も10%は抜けない。
⇒確定検査の際に人数や勤務実態まで含めて検査されてから事後精算。不当に利益を載せていれば確定検査でバレる。
⇒1社でできる話ではないのでジョイントベンチャー(JV)で請けている。
また、巨大な給付金がBSの預り金に載ると監査対象になり工数が増え、国際会計基準だとROAも悪化する(上場企業は四半期に一度の開示義務)
加えて、振込名義は変えられるが、振込審査後の結果通知書類の送り主が電通になると事業者からの問い合わせが増える。
⇒決算はしている。公告はしてないが、している企業は数パーセント。罰金もあるが適用例はない。この法人だけが特別におかしいわけではない。
だからと言って許されるわけではないが、疑惑の証拠としては弱い。
https://www.sankei.com/west/amp/180511/wst1805110002-a.html
⇒提案内容への評価でなく、あくまで法人への評価。過去からの実績でランクが上がるだけ。
JVなので歴史が短く評価が低いのは仕方ない。内容が良ければAでなくCの方が選ばれるのは普通。
等級だけで選ぶのは、面接の出来が良かったFランより面接がクソだった東大を選ぶべき、みたいな話。
⇒デロイトにも渡している。かつ、前例のない案件でオリエンをするのは当然のこと。
⇒受託者は守秘義務があるので勝手に情報を出せない。調整に時間がかかっていたのでは。
⇒ひな形を使いまわすと良く起きることなのでこれだけではなんとも。
ただこの答弁は良く分からなかった。
https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2020/20200602001.html
でもグエー死んだンゴさんは幽霊だろ?
だが中の人々も、いまいちわかってない人が一部いそうで恐ろしいので書いておく。
GoogleでAI研究する人も、SESとして古いシステムのメンテしている人も、
最新のハイエンド3Dゲームで新しいエンジンを評価する人も、孫請で決まったテストをやらされてる人も、
webの標準を策定する人も、cssでflexboxをようやく理解した人も、
料理で例えよう。
水準で言うなら、
幅で言うなら、
用途で言うなら、
それを一緒くたにしないこと。
あとこの業界の特色として、早い。
(これは端的に、人のが遅いからだろう)
そして日本の業界構造として、SIerと仲間たち、という、その速さを欠く人々がマジョリティだ。
この人達は速さを欠くのだ。(だから水を空けられていて、世界の名だたるtech企業に日本の会社はない。任天堂さんは神だが。)
その人らが多い状況で、つまり日本で語られるIT系あるあるは、差っ引いて考える必要がある。
もちろん、対抗勢力的な「webを覚えた若者」もたいした見通しで語ってる訳ではない。
(web畑ネイティブの人の欠点は、社会における比重の小ささを、いまいち肌でわかっていない点だ。知る必要性はないが、こういう話題を扱うには、自然には知りえない部分が広いと自覚すべきだ。)
というか、この30年、特にiphone以降の10年、ITにというのは拡大が急速だ。
(自分も偉そうに言ってるが、)どの個人が見る景色も、全体像からは遠くなってしまう。
だからはてな風に言うなら、「IT」も「プログラマ」も主語が大きく、観測範囲に依存しがちだ。
インターネッツの基本、のような話になってしまうが、リテラシーをこそ問われている。
職に関して。
拡大するのだから人は求められ続ける。
他業界の閉塞感が蔓延し、同時にITが拡大している現実がある。それらがマッチした当然の現象。エンジニア転職は拡大されるだろう。
なりたい人が見ているなら、いいチャンスだと思う。上記の通り、こうした場でのアドバイスはブレがある。そこそこに。
職の有無だけで言えば、あるだろう。
適正があれば職につくのは簡単だ。よほど不適正じゃなければなんとかなる。
(不適正な人はいる。多分概念的な思考力だろう。一対多・多対多、抽象化とか代数への適正だと思っている)
ただ、中の人的にマウント的に願望を言うなら、求められるのは優秀なエンジニアだ。
速さを欠く個人は先端についていけない。
業界があるから生きられるにせよ、ついていけていないことに気づく機会すらない。
食べ物が、出来を問わず毎日一定量求められているのと違い、エンジニア仕事は人のレバレッジが大きい。
それは社会全体の格差の拡大と相似形だ。要するに、IT・ICT環境がもたらす必然的な帰結だ。
そこはただのスパルタで辿り着ける領域ではない。自律的なら辿り着けるほど低くない(勿論、自律的でないなら話にならない)。
そういうグラデーションの中で、もちろん能動的であるほうが、より重宝される状態を保てるだろう。
一方で、低い側を言うなら、少なくとも当面のあいだ、職はあるだろう。どんなのでもだ。
受動的では職がないなら、これまで見てきた酷いエンジニア(?)たちが幽霊だったことになる。
私が違和感を覚えたのは、こんなに重たいシーンを描きながら、物語のラストにほとんど関係ないことだった。
例えば、「この世界の片隅に」の場合は、天真爛漫なすずさんが…となるのをターゲットにしてその伏線として話が進んでいくが、「若女将は小学生!」では、ラストが成仏する前の幽霊と一緒に舞うというシーンなので、小学生が親が死んだ事故の加害者を赦すというあの重たいシーンは、単なる成長の一挿話としてしか機能していない。つまり、あの重すぎる赦しは、なぜ物語に必要だったかわからない幽霊以下の扱いになってしまっている。
だから私の場合、赦しのシーンそのものよりも、単なる挿話としてあんなに重たいシーンを描いてしまう、そのこと自体に強い衝撃を受けたのだった。「オッカムの剃刀」的に不適切というか、重要度に比して内容が重すぎる。
私も似たような感想を持った。
概ね絶賛の評価が多かったので、???となったのが正直なところだ。
全編通して、良作だとは思うのですよ。
作画はいい。今どきの評価の高いアニメ映画を見ると、場面場面で「おおっ」てなるショットがあってそれだけで楽しい。
物語のテンポも良く、作画の良さも相まって退屈することなく最後まで楽しく見ることはできた。
小学生キャラの造形がいわゆる「萌え」系に寄りすぎかなとも思ったが、今どきはこれがスタンダードな少女の表現なのかな、とも。
いくらなんでもご都合主義が過ぎるだろうなストーリー展開とか、この内容で小学生設定は無理がないか?せめて高校生だろうリアリティ的に考えて…とか、意味深に現れたわりには賑やかしとしかストーリーに絡んでない幽霊たちとか、幽霊以外は比較的リアリティのあるキャラ設定なのになんでピンふりさんだけこんなアニメチックな造形なんだ、とかいろいろ引っかかるところはあるんだけど、そのへんはまあ細部だ。
少女は悲しみを乗り越えて一歩成長しました、というのがストーリー上の帰着点なんだろうけど。
肉親の死に直接関わった人物と対峙して、即座に気持ちを切り替えて受け入れる、というのは無理だ。説得力がなさすぎる。
相手男性も悪い人とは描画されてないので、すべての事情を知った少女が散々涙するのを見たうえで、受け入れました。残ってください。と伝えられるのホラー以外の何者でもない。さらに事情を察せず無邪気にここに残りたいという男児。地獄じゃないの。
こんなエグいエピソードを一番の山場に持ってきて、サラリと感動話として展開するのに心がついていかなかった。
このテーマにするにも違うエピソードにするか、少女男性双方が受け入れていくさまをもう少し丁寧に描画してくれないと、物語が腑に落ちんのよ。
このように心が明後日の方向に揺さぶられたまま、感動した、泣ける、美しい、尊いっていう多数の感想を眺めながら、バグっているのは私だけなのか、と惑っていたらトラバブコメ含め似たような感想を持っている人も多く、ちょっと救われた。ありがとう。
「理不尽は突如やってきて、乗り越えれようが乗り越えれまいがお構いなく、都合も考えずにとんでもないのぶっ込んでくるのが人生だ」
というところ
幽霊2人も理不尽に死んでいるし、登場人物のほとんどがわけありだけど、だからかわいそうとか、だから人生イージーにしてやれよとかではなく、みんな理不尽を受け入れて暮らしている
春の湯は誰も拒まない、というのは、理不尽にあらがわないという意味でもある
最後のおっこの、「私は被害者の少女ではなく、ただの若女将です」というセリフは、「過去を乗り越え加害者を許した言葉」ではなく、「過去の理不尽と今の暮らしを断絶させる言葉」であるのよ
おっこの心は完全にぶっ壊れていて、トラウマでパニックになれば親の幻覚もみるレベル
それが、許しをこう怪我人を前にしたら急に受け入れられるようになるなんて有り得ないわけ
それでも、ぶっ壊れた心を持って、これからの人生を生きていかなきゃいけない
そこで出たのが、事故のことはキャパオーバーです、という表明の言葉だと理解している
おっこは過去を、受け入れず、忘れて生きていくんだよ
あれだけの経験は、乗り越えて強くなってハッピーなんてなるわけなくて、一生彼女の人生に影響を与え、影を落とすわけ
いやー、色々リアル過ぎる話
昔々の夏休み
誰よりも大きいカブトムシやクワガタを捕まえる事に兄弟で執着していた。
前日に砂糖水を仕掛けラジオ体操が始まるまでに虫を回収して回る。ラジオ体操の後に行く奴もいたな。
子どもが自転車で行ける範囲のカブトムシがいそうな場所は全て網羅していたが、昭和のベビーブーム二世だから昆虫採集キッズ人口は多く競争率はとても高かった。
これもあるあるだと思うが、行ってはいけないと言われる所も皆各所にあったと思う。俺の近所では捨てられたような無人の小さな神社だった。
いかにもおどろおどろした、初期のゲゲゲの鬼太郎ばりの神社で昼間でも暗い。その辺りは国道だけが新しくできて開発は進まずほったらかしの土地にその神社だけが残っていた。行ってはいけない理由は、今思えばヤンキーが集まったり、浮浪者が寝泊りしていたのだと思う。
あんな恐ろしい所にカブトムシがいようが誰も近寄らないに決まっている、という事で俺たち兄弟はカブトムシ欲しさにその神社に行く事にした。
兄が言い出した事だ。畏怖の念と言うのはまさにこれで、兄ちゃんすげえと心の底から尊敬した。後にも先にもこれ一回だが。
恐ろしさと期待と今まで味わった事のない高揚感で2人とも落ち着かなかった。
最大のカブトムシ。
その高揚感はすぐ親にバレた。何を企んでいるのかと父に詰められ兄は速攻で口を割った。
親に黙って、子どもだけで行ってはいけないと言われる場所に行く事がどれだけ危険か、と言う事を真剣に説教された。両親の前で悪巧みがばれ項垂れる子ども2人に笑いを堪えながら父は言った。
よし、じゃあお父さんも一緒に行こう。
うそ!もう百人力だ!すげえ!
お母さんお弁当作って!
お父さんと兄ちゃんがいるならもう何も怖くなかった。
次の日の夕方がやって来た。その日は言われなくても宿題をやり、母の言う事も聞き、いつもより多めに入れてますの砂糖水を用意して父が帰って来るのを待った。母は蚊取り線香を用意した。
父が帰って来て思い出したように、ああそうだった、よっしゃ、行くか。と言うと俺たち兄弟は戦地に向かう兵隊の様に緊張した。
5分で着いた。
あまりの近さに子どもの俺でも拍子抜けしたが、暗くなりかけた夕方の神社はコウモリが飛んだりカラスが泣いたり、充分に子どもを震え上がらせた。
あっという間に蚊に刺されれる。父のすぐ近くに隠れドキドキしながら砂糖水を仕掛ける。
そしてそのドキドキはあっという間に、地面に落ちているエロ本に向けてのそれに変わっていた。
見た事のない体勢の裸の女の人の写真や、きゅうりを持った物凄いおっぱいの女の人の絵。きゅうり??
帰りの車ではあの女の人の写真や絵で頭がいっぱいで、カブトムシや鬼太郎神社の事はどうでも良くなっていた。兄も黙りこくっていたからそうに違いない。
それでも家に帰れば、明日のカブトムシへの期待が膨らんできた。ラジオ体操前に行って、捕まえたカブトムシをみんなに見せたい。エロ本ももう一度見たい。
父が、ラジオ体操前って朝早すぎるだろと難色を示し、まぁ朝だし思ったほど荒れている訳じゃないしと母に言い、結局明日の朝は兄弟2人だけで行く事になった。
兄も俺もエロ本の事は口に出さないものの、エロ本をもう一度確認したい気持ちは同じで、カブトムシもいっぱいいるかも知れないし早く起きて行こうぜと張り切った。
エロ本とカブトムシの力は強く兄が俺を起こしたのは4時。両親は熟睡中。コソコソと着替えていると母が寝ぼけながら、え、もうそんな時間?ご飯は?と聞いて来た。帰って来てから食べる!と言い残し2人で自転車を立ち漕ぎして神社に向かった。
まだうっすら明るいだけの神社はやはりおどろおどろしていたが、エロ本とカブトムシには勝てない。
神社の前に自転車を止める。2人とも黙って早歩きで神社の敷地に入って行く。
奥の方からコンコンと何かを叩くような音がした。兄と顔を見合わせる。幽霊がでるとか、怖い人がいる感じの恐ろしい音ではない。キツツキ?
少し進んで覗き込むと、砂糖水を仕掛けた木の前に着物を着たおばあさんがいた。普通ならここでひっくり返るところだが、俺たち兄弟にはそれが岩崎(仮)のおばあさんだとすぐに分かった。
岩崎のおばあさんとは近所の駄菓子屋岩崎のおばあさん。いつも着物を着ている。令和平成の着物と違って、昭和のおばあさんの着物はマジもんだ。生まれてからずっと着物を着ている人だ。何色とも言えない、茶色いような緑のような灰色のようなよれよれした着物をいつも着て、駄菓子屋岩崎で俺たちにお菓子を売るおばあさんだった。絶対にオマケをしない、騒ぐと怒る、商品に触ると怒る、子ども相手の商売には向いてないおばあさんだった。
岩崎のおばあさんはぶつぶつ言いながら白い人形を木に打ち付けていた。
岩崎のおばあさんにはビビらなかったが、その人形を木に打ちつけている行為が訳がわからず、恐ろしくなって兄とまた顔を見合わせ黙って逃げ帰った。
家に帰ると両親が起きて来て、早いね。カブトムシは?と聞かれたので、岩崎のおばあさんがぶつぶつ言いながら白い人形を木に打ちつけてたからカブトムシは採れなかったと素直に言った。
母が父に、あそこ新しいお嫁さんとすごい仲悪いらしいからねぇーとニヤニヤして言ったのを覚えている。
エロ本には後ろ髪を引かれたが、なんとなくその神社に行く事もなく夏が終わった。