全体として良い映画だとは思うんだけど、クライマックスシーンでどうにもノリきれなかった感じがあって、その理由について考えていた
クライマックスシーンというのは主人公が両親を亡くした原因になった人物が旅館に泊まりに来るってところだ
主人公から見て対向車線でまず事故が起きて、それを咄嗟に回避しようとした後続のトラックが中央分離帯を乗り越えて突っ込んできたことで主人公は両親を失うことになる
つまりそのトラックの運ちゃんが避けてなかったら主人公の両親は死んでなかったってことで、親の仇であるということもできる
客がそのトラックの運転手だと知ってはじめ取り乱した主人公だが、若女将としてやってくる中で身につけた寛大さのようなもので赦して大団円、って感じだった
俺がノリきれなかったのは、多分そのトラックの運ちゃんを加害者と見ることができなかったからだ
彼自身腎臓を摘出するくらい大怪我を負ってて、食事は塩分と油分を抑えたものしか食えない状態になってる 反省というか後悔もしている
「目の前で事故が起きたから咄嗟に避ける」ってのは「躓いて頭から転けそうになったから咄嗟に手を付く」みたいなもので、なんとかしようとしてなんとかなるものじゃない
俺はどうしようもない事故に責任を見出すことを可能な限り避けたいと思っていて、その価値観だとあのトラックの運ちゃんは被害者ではあっても断じて加害者ではない マジで何も悪くない
「事故被害者がもうひとりの事故被害者に出会うシーン」としてしか見られていなくて、赦しなんかが介在するようなものなのだと気付くまでにラグがあった
まあ気持ちはわかる 結果的に両親を殺したようなものと解釈できる人に対して複雑な感情を抱くのは当然だし、それも結構すぐ引っ込めてるんだから本当に偉いと思う
俺だって同じように両親を亡くしたらそりゃ相手のことを恨めしく思うかもしれない いまでさえそうなんだから小学生ならなおさらだ
なんというか、事故への考え方のせいで物語の解釈が滞ってクライマックスシーンを受け止めきれなかったのがかなしい
トラック運転手のおじさんが事故について語るところで「親の仇やんけ!」となるのが正常で、「へーこの人も同じ事故の被害者か」となってしまったのが全ての敗因
シュッと解釈ができる男になりたい
(追記)
なんか伸びてら!
なるほどなあ、「赦しがテーマ」みたいなこと書いてる人がけっこういたからそうなのか〜と思ってたけど、やっぱあれ許す許さないの話じゃないよね!俺の感覚が間違ってたってことでもないのか
つかおっこちゃんの立場つらすぎるんだよな でも現実的にはあれでも相当いい形に落ち着いてる トラウマで引き籠り続けるとか心療内科に通い続けて生きるってよりは奮起して若女将やる方が社会的にも経済的にもいいって世の中なのは確かなんだよな 世の中がクソって話か?
あの話じゃ子供に多くを背負わせすぎだとは思うんだけど、じゃあ背負わせないであれより幸せになれるルートがあるのか?と思うとなかなか…
別に自分自身の考え方・受け取り方・価値観を作品中に割り込ませる必要はない ただ作中の人物が成長して変わったという事実だけが大事なんだから そもそも現代風の舞台だと分かりづ...
ネタバレすんなや がっかりするわ
あまり関係ないかも知れないけど 自分はリアルでヤクザに脅されたことがあるので 「瀬戸の花嫁」の魚人ヤクザに主人公が脅されるギャグシーンは素直に楽しめなかったな。 でもまあ...
>>「事故被害者がもうひとりの事故被害者に出会うシーン」としてしか見られていなくて<< いやその通りでしょ。どっちも被害者として描かれているし、 赦す赦さないとかいう...
加害者と被害者なんて描き方はされてなかったと思うぞ 物語に通してある理念が、 「理不尽は突如やってきて、乗り越えれようが乗り越えれまいがお構いなく、都合も考えずにとんでも...
根本的に考えがおかしいんだよな。自動車に乗ってるだけで人はすべて潜在的加害者。未必の故意だよ。被害者ぶってんじゃないよ。
おっこちゃんは好きで望んで覚悟を持って女将やってるんだから児童労働云々言うのは的外れ! っていうならセックスワーカーも認めろよ。 anond:20200517004907
そういうしょうもない話だったのか 絵柄嫌いだし見ることはなさそうだ
俺も乗り切れなかったんだけど理由はおそらく少し違ってて あれは実際「赦しの物語」だと思うけど、それだとおっこが「女将」という役割を与えられて成長して、故意ではなかったと...
私も似たような感想を持った。 概ね絶賛の評価が多かったので、???となったのが正直なところだ。 全編通して、良作だとは思うのですよ。 作画はいい。今どきの評価の高いアニメ...
私が違和感を覚えたのは、こんなに重たいシーンを描きながら、物語のラストに何も関係ないことだった。 例えば、「この世界の片隅に」の場合は、天真爛漫なすずさんが…となるのを...