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はてなキーワード: 判例とは

2024-02-27

anond:20240227152951

そうなんだ。じゃあエロ絵はその時点で違法というわけなんですね

でも、現状の運用だとモザイクの有無が警察裁判判例から基準になっているわけですよね?

即売会や各サービスもこれを必須にすることで問題にならないようにしてるわけだし

エロを一切描けなくなるのは困るので、これを一応の基準としてみなして慎重に活動するのはどうあっても重要というところは変わらないね

しろ恣意的警察判断が掛かってくるなら、なおさらモザイク海苔を無しにしてる絵師咎められないと危ないんでは?

anond:20240227035206

刑法175条は、「わいせつ」な表現は罰する、としか規定していません。

モザイクが有れば合法などということは全く関係ないです。モザイクが有ろうが無かろうが「わいせつ」ならOUTです。

モザイクが有ろうが無かろうが警察が「わいせつ」だと決め付ければ、そのままOUTになるのが現状です

モザイクガッツりかけていても「わいせつ」だと判断された例もあるし、逆に無修正でも(芸術から)「わいせつ」でないと判断されて無罪になった例もる。


法律で「わいせつ」とは何かが全く示されておらず、警察恣意的運用されてるけれど、

一応わいせつとは何かは最高裁判例

わいせつとは、徒らに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの

とある

一方、着衣の上からの無断撮影が「羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」行為迷惑行為防止条例違反逮捕されたりしてるから

例えば普通の服を着てても性欲を興奮または刺激せしめ=エロい絵なら、わいせつに該当する可能性がある


刑法175条に関して一切のエロ絵を上げないが正解

モザイクが鬱陶しいからではなくあいまい恣意的運用されている法律罪刑法定主義に反しているか刑法175条は

2024-02-25

憲法には公開裁判原則というのがあるが、判例情報当事者名は記号化されるので、実際は非公開

戦後から英米と異なった、根拠は何なのか誰も知らない

相続事件で勝訴した記号の人はもしやヤクザ?)そう見える判例もある

から公開裁判機能担保されているかは謎だ

2024-02-23

趣味絵描き自分が生成AI規制派(反AI)を嫌いな理由

はじめに

自分二次創作漫画イラストお小遣い稼ぎを兼ねた趣味にしている。

個人的好き嫌いで言えば生成イラストAIは好きではないし、自分でも使おうとは思わない。

でもSNSおすすめタイムラインに頻繁に流れてくる生成AI規制派(以下反AI)の主張には頷けないし正直嫌いだ。

自分が彼らを嫌いな理由を書いてみようと思う

  

1.生成AI規制した場合に生身の人間が受ける影響を過小評価しすぎ

一番がこれ。端的に言って反AI理屈表現の自由にとって危険すぎる。

インターネットで活発に発言している反AI派は「無断」学習禁止や固有の絵柄の保護を謳うけど、そんなことをしたらどうなるかは火を見るより明らかだろう。

自分が楽しんでいる二次創作分野も焼け野原になる可能性が高い。成人向け二次創作やってる連中はだいたい反AIだけど、生成AIは駄目でも人力のパロディOKなんて線引きが可能だと本気で思っているのだろうか。

  

彼らは違法コンテンツダウンロード規制騒動をもう忘れてしまったんでしょうか?警察刑法175条をどのように運用しているのか知らないとでも言うのでしょうか。

そういった懸念を踏まえた上でなお生成AI規制すべき、と主張するならわからないでもないけど、だいたいの反AIリスク過小評価しすぎている。

  

生成AI問題純粋経済的労働問題として取り扱うべきだったと思っている。

著作権著作者人格権を中心に据え、学習されない権利だの言い出した時点でオタク絵師の多い反AI派は巨大な弱点を背負ってしまったように見える。

  

2.運動をする気がない

正直言って今の反AIは負けている側だ。絵師の仲間内オタク層の多いSNSではどうだか知らないが、行政立法を見ると普通に負けている。

なのに反AI派は心を守るためだとか話が通じないだとか言って議論拒否してブロックする人が多すぎる。オープンな場での議論当事者以外のその議論を見ている人のためのものでもあるのだが。

負けている側がすべきことは味方を増やす運動であって、既に反AIとして結束している仲間内で盛り上がることではない。

現時点では生成AI規制するべきではないと思っている人を心変わりさせなければならないのに、反AIではない人との議論対話拒否していたのでは先は無い。

  

3.ルールや手順を守る気がない

この国は法治国家なので、損害を受けたと思ったら法的手段回復する必要がある。

現時点で合法(もしくは指針となる判例がない)とされている、AIによるイラスト生成を行った個人企業泥棒呼ばわりしたりネットリンチを行う人が多すぎる。

合法的にAIイラストを楽しんでいる人を泥棒と呼んではいけません。

  

上にも書いた通りこの国は法治国家なので、損害を受けたと感じたら裁判を起こして判例を作る必要がある。

その結果、反AI派にとって不本意判例が生まれたとしても、現行法では対処しきれない被害が発生していると感じるなら立法法改正運動に進むべきだろう。

AI派はそうした地道な活動拒否する人ばかりに見える。アニメ調のイラストを燃やして表現規制している人たちと何が違うんだろう。

現在違法でないもの規制したいのであればそれ相応の行動をとりましょう。

  

個人的には生成AI問題現行法対処できないという理屈理解出来ない。

依拠性と類似性が認められると思ったら粛々と法的手段を取ればよいし、類似性が認められないのなら、そのAIイラストあなた作品は似ても似つかぬ別物ってことで大騒ぎすることでもないだろう。

人間だって他人イラスト酷似したイラストを出力することは可能不可能で言えば可能だし、AIによって何らかの権利侵害しそうなイラストが出力された場合は都度対応したら良いだけの話に思える。

学習だけでも許せない、泥棒だと呼ぶ人がたくさんいるが、学習されたところであなた画力も絵柄も失うわけではないのに、何を盗まれたんですか?ちょっと繊細すぎやしないだろうか。

  

4.好き嫌いと良い悪いを混同している人が多い

AI派には「自分が気に入らない=悪いもの!」という思考スタイルを持つ人が非常に多い。

・嫌いだけど認めなければいけないもの

・好きだけど禁止されるべきもの

いずれもあり得る話です。

  

自分はこんなに嫌な思いをしたのに現行法では対処してもらえない!悪が野放しになっている!

しかしたらあなたが受けた被害というのはそもそも悪でもなんでもなく、あなた勝手に嫌な気分になっただけで規制必要が無いのかもしれませんね。

    

雑記

画力は他の能力保証しない

有名な絵描きには信者みたいなファンがたくさんつく。その絵描きが白と言えばカラスも白くなる。

普通の人が社会活動勉強に費やす時間を絵に投入してきた絵描きは多い。その結果得られるのは絵の能力であって、他の能力一般人未満ということはあり得る。

  

そもそも人間お絵描きAIによるイラスト生成を隔てるものって何なんでしょうか

我々人間お絵描きだって視覚インプット神経細胞ネットワーク構造として保存し、そこからまた出力しているだけでしょう。

性能の差があるにせよ、人間お絵描きAIによるイラスト生成を本質的に分ける理屈が思いつかない。本質などというものも多分無いし。

2024-02-22

anond:20240222182823

馬鹿質問ですまんが、民事判例刑事でどう判決されるかの参考にもなるんだっけ?

2024-02-21

日本裁判例でも「高額すぎる訴訟SLAPP認定される」の事例として「幸福の科学事件」というのがあるよ

https://anond.hatelabo.jp/20240220153725

https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/law/law_88_3/each/17.pdf

東京地判平成13年 6 月29日判タ1139号184頁(幸福の科学事件

違法訴訟提起に関する判例法理スラップ訴訟加藤)従来のこの種の訴訟における請求額の実情を考慮したとしても不相 当に高額であることが認められるとし、さらに本訴提起に至った経 緯などを考慮して、「本訴提起についての意思決定は、仮にそれが A 自 身によるものではないにしても、A の意図を決現した X の組織的意思 決定としてされたものというべきである。そして、特に本訴が献金訴 訟の提起からわずか 七週間程度の短期間で提起されていることに照ら すと、本訴提起の主たる目的は、献金訴訟を提起した Y 1 及びその訴 訟代理人である Y 2 に対する威嚇にあったことが認められる」「よって、 X は、主に批判原論を威嚇する目的をもって、 7 億円の請求額が到 底認容されないことを認識した上で、あえて本訴を提起したもので あって、このような訴え提起の目的及び態様裁判制度の趣旨目的に 照らして著しく相当性を欠き、違法ものといわざるをえない」とし て、この訴えにより Y 2 が被った「甚だしい精神的苦痛」に対する慰 謝料として100万円を認定した

本件は判例ではないのだけれど2億円が妥当かどうかと言うのは結構微妙範囲

もちろん十分に認められる余地はあるが、「相当に悪質な名誉毀損行為」と認識したということを示せないとSLAPP認定を受ける可能性はある。

なお、今回の件はあんまりよく知らんけど「開示請求してみたら住所が偽物だった」とかの情報を見るととかなり悪質なパターンのように思える。

東京地判平成17年 3 月30日判時1896号49頁(武富士事件

本件提訴が「請求が認容され る余地のないことを知悉しながら、あえて、批判言論を抑圧する目 的で行われたものであり、裁判制度の趣旨目的に照らして不相当なものというべきであり、違法提訴であると認められる」と判示した。

部分的真実性の 立証が欠けているにすぎず、かつその部分についても相当性の立証は されているような場合には、表現の自由民主主義体制の存立と健全 な発展のために必要な、憲法上最も尊重されなければならない権利で あることに鑑み、全体的に見れば損害賠償請求権の不存在が明らかで あって、訴えの提起等が違法となる余地があるものと解される

基本的SLAPP訴訟武富士のようなパターンですね。 表現の自由名誉毀損関係でも重要裁判例です。(真実性と真実相当性の違い)




まぁ一つだけ言えることは、法律専門家じゃない人間断言的な口調でありえないとかいうのは「バカ」しか言いようがないので黙ってろ成り行きを見守ってろってことだな

https://anond.hatelabo.jp/20240221172935

興味もないのに適当に騒いでる外野は…まあどうでもいいけど…どの方面に対してもやっぱり誹謗中傷はやめたほうがいいと思う。

俺は黙って経緯を見守りながらサッカー観戦するつもりだ。

サッカーはやっぱり好きなんだ。

anond:20240221112055

中3の頃、話の中でやたらと法律の条文を持ち出すTってやつがいた。

例えば「ノート貸して」というと、

「あ、これね。いいけどこれって契約だよね?

こういうのは民法236条によれば~」 と、何かにつけて条文持ち出してた。

ある日、この話を姉貴(当時、大学法学部生だった)にしたところ、

Tの言ってる条文は全て間違ってるということが分かった。

正直、Tの行動をうざく思ってた俺は、どうしたらいいかと姉貴に尋ねた。

姉貴は、「だったら刑法199条って何って聞けば?

法律知ってるなら答えられるはずだから」 と答えた。

(ちなみに199条殺人罪)次の日、

Tに「刑法199条って知ってる?」と尋ねると、

Tは「お前も法律に興味を持ってくれて嬉しい」とか何とか喜んだあと

「でもその条文は解釈が難しくて学者の間で意見割れてるんだよ。

昭和51年判例によれば・・・」 とか言い出したので、俺は言ってやった。

「いや、199条って殺人だろ?解釈意見割れるほどのもの?」

あの時のTの顔が忘れられない。

2024-02-14

フィクトセクシャルが少数派だからって迫害まがいの法律を残し続けないでほしい

ネットがあるから無修正が見放題というが、これは結果論

ネットがなかったとしてもいまだに無修正解禁してないだろどうせ。

三次元で抜けるやつだけが合法的恋人婚姻関係ソープ()で三次元の裸体を見ることができる。

二次元の裸体は微妙だが結合してるシチュ修正なしには見られない(ことになっている)。

これはおかしい。フィクトセクシャル迫害してるとしか言いようがない。

なぜわいせつ物陳列罪だというのか。なぜわいせつ頒布罪だというのか。

公然わいせつ」の言葉の通り、公然でないわいせつ存在する。

ようするに我々自身はみな歩くわいせつ物であって、衣服を着ることによってその公然性をなくしているだけだ。

(公然局部露出した一点で公然わいせつ罪で裁かれた判例があるのがいい証拠だ。局部はそれ自体わいせつであってそれを持ったわれわれは元来わいせつなのだ。)

ではその程度で公然性が否定されるのなら、わいせつ物にあたるエロ漫画だってゾーニングしっかりしたうえで包装もして買わないと中が見れない、表紙等もともと見える部分にはわいせつにあたる表現がないようにしてるなら、違法性がないようにすべきじゃないか

なぜ、人間が服で裸体を覆うことと、エロ漫画わいせつではない表紙で覆うことを、同等として扱わないのか?そこ論理的説明できるのか?できねーだろ?

はっきりいって、わいせつ頒布なんかと比べちゃえば、セフレという関係のほうがよっぽど公序良俗を乱してるだろ。恋愛関係の先のセックスというわけではない、抜くためだけのセックスを堂々としてるなど、それこそわいせつだろ。

フィクトセクシャル迫害するのやめろや。

2024-02-11

anond:20240209050731

法学者一生懸命過去判例とか論理とか照らし合わせてる中で、すかっすかの知識自分の中の感情だけで論理構成してるの見ると吐き気がして来るな

anond:20240211131154

当然なことだけど自然科学は人の法を超越する

それを無視した法律判例はいっぱいあるしそういうのをバカにするのは十分な正当性があるに決まってるだろ

司法には司法の言い分があるしそっちも正当性はあるけどバカにされるのは仕方ない

anond:20240211125423

裁判って結局「みんなが納得できるかどうかの判決内容を出せるかどうか」だからね。

から司法関係者って真実とか科学技術とか二の次にしてるしそういう判例がいっぱいある。

それを憲法とか法律とか言って理屈並べて煙に巻いてるだけなんだよ。

まあ人類がこれまでに作りあげてきた物理的な争いを防ぐ方法から悪いとは思わないけど、科学技術系の人からしたら裁判結果がバカみたいに見えるしバカにする事にもそれなりの正当性があるんだよね

2024-02-10

日本では著作権法のせいで検索エンジンが生まれなかった的なデマ

あれに関しては「判例もなく合法可能性が高くとも明言されていないグレーゾーンなせいで国民性的に手が出しづらかったのだろう」って意見が散々法学者弁護士から出てるのだけど

肯定派も否定派もなんか極端なのはなぜ

https://anond.hatelabo.jp/20240208193546

今回の件については著作人格権は保持されていると考えられる。

著作人格権著作者の精神を守る権利

改変するも、同一性を保持するも、著作者の意志次第

ある著作者は原作を守るように伝えて、別の著作者は好きに改変するように伝えた

どちらのケースも原作使用の許諾を与えることで人格権を保持していると言える

NHK講談社に敗訴 小説ドラマ化の契約成立認められず

https://www.star-law.jp/news/nhk.html

NHK側は,平成23年11月講談社との間でドラマ化の契約を締結し,

平成24年5月連続ドラマとしてスタートするため,脚本執筆出演者

一部内定などの準備を進めていたところ,平成24年2月講談社から

白紙にする」と一方的契約を破棄された撤回されたと主張し,

ドラマの準備に要した費用等が損害にあたるとして6000万円余りの

損害賠償を求めていました。


これに対し,東京地裁は,「原作者が,意に沿わない脚本のまま

ドラマ化されてしまうと心配したのも無理はない。脚本承認されていない以上,

ドラマ化の契約が成立していたとは言えない」として,NHK請求

退ける判決を下しました


この判例に準じるならば、

脚本が出来上がって、承認された上で、脚本通りにドラマが作られるとしたら、

著作人格権は保持された上で、原作二次利用の許諾されたことになる。

ドラマセクシー田中さん」の件について言うと、

原作者が脚本にチェックを入れて直しをしている、

また原作自身脚本執筆している以上

著作人格権云々ということにはできないと思われる。

から日テレ原作者の承諾を得た脚本制作をしていることを強調している。

小学館は「著作人格権」の尊重を表明している

本気でそう考えているなら編集部原作者に脚本を書かせるべきではなかった。

あくま脚本家に脚本を書かせて、ダメ出しをする、NGを出すのみにして、

原作自身で手を入れさせることはないようにしなければいけなかった

そして脚本が完成した時点で、原作二次利用を許諾する


締め切りが迫っていようが、放送日が迫っていようが、

脚本原作者の思いどおりに上がらない限り、許諾するべきではなかった

上記判例に従えば脚本もできていないうちにドラマ化の契約は成立しない


出版社放送局は別方法である以上、ガバナンス契約によるしかない

今後、出版社が本気で原作者を守りながら作品映像化したいと考えるなら

このことを前提にして、放送日程スケジュールより先に脚本をもってこいと言い

脚本がてきていなければ許諾しないことを明確にして進めるべき


もちろん、脚本通りに制作されることも大前提である

anond:20240208193546

今回の件については著作人格権は保持されていると考えられる。

著作人格権著作者の精神を守る権利

改変するも、同一性を保持するも、著作者の意志次第

ある著作者は原作を守るように伝えて、別の著作者は好きに改変するように伝えた

どちらのケースも原作使用の許諾を与えることで人格権を保持していると言える

NHK講談社に敗訴 小説ドラマ化の契約成立認められず

https://www.star-law.jp/news/nhk.html

ーーーーーー

NHK側は,平成23年11月講談社との間でドラマ化の契約を締結し,

平成24年5月連続ドラマとしてスタートするため,脚本執筆出演者

一部内定などの準備を進めていたところ,平成24年2月講談社から

白紙にする」と一方的契約を破棄された撤回されたと主張し,

ドラマの準備に要した費用等が損害にあたるとして6000万円余りの

損害賠償を求めていました。

これに対し,東京地裁は,「原作者が,意に沿わない脚本のまま

ドラマ化されてしまうと心配したのも無理はない。脚本承認されていない以上,

ドラマ化の契約が成立していたとは言えない」として,NHK請求

退ける判決を下しました

ーーーーー

この判例に準じるならば、

脚本が出来上がって、承認された上で、脚本通りにドラマが作られるとしたら、

著作人格権は保持された上で、原作二次利用の許諾されたことになる。

ドラマセクシー田中さん」の件について言うと、

原作者が脚本にチェックを入れて直しをしている、

また原作自身脚本執筆している以上

著作人格権云々ということにはできないと思われる。

から日テレ原作者の承諾を得た脚本制作をしていることを強調している。


小学館は「著作人格権」の尊重を表明している

本気でそう考えているなら編集部原作者に脚本を書かせるべきではなかった。

あくま脚本家に脚本を書かせて、ダメ出しをする、NGを出すのみにして、

原作自身で手を入れさせることはないようにしなければいけなかった

そして脚本が完成した時点で、原作二次利用を許諾する


締め切りが迫っていようが、放送日が迫っていようが、

脚本原作者の思いどおりに上がらない限り、許諾するべきではなかった

上記判例に従えば脚本もできていないうちにドラマ化の契約は成立しない


出版社放送局は別法人である以上、ガバナンス契約によるしかない

今後、出版社が本気で原作者を守りながら作品映像化したいと考えるなら

このことを前提にして、放送日程スケジュールより先に脚本をもってこいと言い

脚本がてきていなければ許諾しないことを明確にして進めるべき


もちろん、脚本通りに映像化されることも大前提である

2024-02-08

小学館に何か言えっつっても無理じゃないかな(追記した)

今回の芦原先生事件をとても悼ましく思っている。

それはそれとして、小学館への「もっと作家に寄り添え」の大合唱については、小学館しんどいだろうな…とも思う。

この辺の感想の内訳を、出版業界の端っこ(非漫画系)から自分知識に基づいて書く。

 

今回の原作脚本問題は、つきつめれば著作者人格権問題だと考えている。

仕事上、著作権について多少は調べているが、法律専門家ではないことは先に付言する)

 

著作権は、大きく「財産権」と「人格権」に分けられる。

財産権」とは、そのまま、著作者財産利益を守る法律である

著作物を複製すること、上演・上映・展示・頒布すること、

そして、今回でいうドラマにあたる「二次的著作物」を作る(翻案)/利用することなどは

すべて著作権者の権利であり、第三者が行う場合は許諾が必要だ。

 

対して「人格権」とは、著作者の「精神利益」を守る法律である

公表権・氏名表示権・同一性保持権、つまり著作物公表するかどうか、名前を出すかどうか、作品の改変を容認するかどうか。

これらは著作者本人のみに決める権利がある。

 

このふたつの違いは何かというと、

財産権」は譲渡相続もできる(著作者でなくても、著作権者にはなりえる)が、

人格権」は、だれにも譲渡相続もできない、「著作者本人のみ」にある権利だということだ。

 

個人的に「精神利益」とは、ネットスラングで言う「お気持ち」と同義であると考える。

軽んじる意味で言うのではない。

公表するか、名前を出すか、改変してもいいかどうか。つまり自分著作物が、自分の納得のいく形で扱われているかどうか。

それによって守られる作者の「気持ち」こそが、法律で守る価値のある、大切な「精神利益なのだと思っている。

 

以上を踏まえて今回の件を見ると、

今回、原作者がドラマ側に繰り返し要望したのは、自身著作者人格権尊重だと考える。

もちろんそれ以外にも、著作者には二次的著作物作成/利用の許諾を行う権利があるのだが、

ドラマの結末を自分に決めさせてほしい」「キャラクターを変えないでほしい」という要望は、作品世界のものを守りたい、言い換えれば「同一性保持権」を守りたいという願いのもとに出されたように、私には思える。

そして前述の通り、それは著作者本人の「精神利益」を守る重要権利だ。

してみると、小学館が出すべき声明は一つである

 

小学館は、クリエイター著作者人格権を最大限に尊重する。
そして、取引企業にも同等の尊重を求める」

 

 

法律で決められた権利をあたりまえに尊重する。

ごく当たり前のことである簡単じゃないか

 

 

簡単じゃないのである

 

ここまで書いた通り、著作者人格権とは作者の精神利益を守る大切な法律だ。

よくわかる。

しかし、出版物の種類によっては、

それ言ってると仕事が回らねえのである

 

今回のように著作者一人で本が一冊出来るような漫画単行本であれば、先生の納得を大切に

進めましょう、といえるだろう。

けれど、たとえば、子供向けの学習ドリルをつくることを想像してほしい。

問題文、解答解説文、ページ内のイラスト、すべて著作物であり、それぞれ著作者がいる。

たとえば「公表権」は著作者人格権ひとつだ。

なので、理屈上は、ドリルカットイラストを描いたイラストレーターさんが、あるひとつイラストを指して「このイラストをもう公開したくない」といえばそれは尊重されるべき、となる。

著作財産権ならばお金解決…つまりイラスト自体権利を買い取るという交渉もできるが、著作者人格権譲渡できない。著作者ダメと言ったらダメである

 

公表したくない…それは、どこまでの話なのか。もう印刷して積んである在庫は、書店に出回っている在庫は。シール対応か? 断裁か? 絶版か?

 

もちろん、そんなことになった例を私は知らないし、たいていのクリエーターさんはこちらの状況を汲んで、たとえば改訂するときに外してください、などの常識的要望におさめてくれる。

互いの常識良識のなかで私たちはどうにか仕事をしている。

 

ところで出版系は契約ルーズだなんて言われるが、最近結構まじめにやっている(少なくとも私の周りは)。

さて契約書を結ぼうとなると、この著作者人格権については悩ましいところがある。

何せ字義どおりに捉えたら強力すぎる。

 

著作者人格権を盾に、出版物全体に影響を及ぼすような運用ができるのか、それは判例が出ない限りわからない。わからない以上、我々は会社員なので、裁判沙汰になる芽はできるだけ摘まなければならない。

かくして契約書に、「著作者人格権行使しない」なんて文言を盛り込む羽目になる。

 

著作者人格権の不行使」は契約書では案外よく見る言葉である

たとえば会社ポスターパンフレットDM発注したとして、取引先の「公表権」で取り下げさせられたり、「同一性保持権」で修正できなかったりする可能性がある…となると、必要性が想像つく人もいるのではないか

 

個人的にはこんな文言できれば盛り込みたくない。

クリエイター本来持つ権利制限する契約は、誠意に欠けると思っている。

だが、強すぎる権利放置するのも難しいのだ。

 

今回の事件漫画作品なので、カットイラスト1つとはわけが違う…とも思うが、

けが違うか? ほんとうに? すべての著作物は同等に尊重されるべきでは??

という思いもある。

 

クリエイターさんにお仕事をお願いする側のすべての人間が、

100%くもりなく「著作者人格権尊重します!」と言い切れるかというと…権利の強さゆえに、あまり現実的でない、と思ってしまう。

 

今回の問題の根幹が「著作者人格権尊重」をめぐるものだと考えると、小学館全体として声明を出すのは苦しいだろうな…と想像している。

場面や状況によっては制限することさえあるのが現状だからだ。

 

逆に言えば、それ以外の事情……芦原先生小学館に対して寄せていた信頼が裏切られてい

た、というような経緯がないことを祈っている。

---------

ちまちま書いていたら小学館から著作者人格権言及した声明が出ていた。

----------

著作者人格権トレンドに入っている。

言葉けが先走りそうで、そして実際権利としてはかなり強いものなのでちょっと先が思いやられる。

なお「じゃあAI学習著作者人格権侵害なのでは!?」と盛り上がってる人を見たが、機械学習私的利用とかと同じ例外規定やで。

2024-02-07

anond:20240207200900

法的に財産分与せざるを得ない状況での折半は法的・判例的に見ても仕方ないけど、稼いできたのに自由に使えるお金が2~5万程度なのであれば経済的DVといっても差し支えないだろ

anond:20240207115624

根拠伊藤さんのNote

画期的」な判決って書いてあるでしょ。

画期的とは「判例がない判決」または「以前の判例を覆す判決」という意味

から高裁判決はどっちに転ぶかわからない。

地裁がだした「画期的」な判決高裁で覆ることが多い。

 

伊藤さんはそれを踏まえたうえでNoteを出している。

anond:20240207115111

裁判で確実ってことはないので高裁でひっくり返らない可能性もあるんだよな

これが判例として確定するのは確実にまずいのでマジで暇空側の弁護士は頑張ってほしい

anond:20240207112741

Colaboさんの「お気持ち」を受け入れる地裁判決

伊藤さんはこれを「画期的判決」と言っているのだが、じつはColaboにとってヤバイ判決なんだよ。

(伊藤さんは理解したうえでプレスリリースしている)

争点は「暇空にあてたものではない」だったのにColaboが「お気持ち」を追加してしまった。

そして地裁は「お気持ち」を受け入れてしまった。

これはものすごく画期的判決のだが同時に判例のない判決

 

お気持ち」は高裁で確実にひっくり返る。

私信から原告関係ない」の判決にとどまっていたほうがColaboにとってよかったのに。

2024-02-05

anond:20240205152550

ポケモン公式アナウンスには(中略)「パルワールド」上でのポケモン類似キャラクターの創成に対する牽制もしている

日本や米欧で不正競争防止法的なアプローチ差し止め

実態や真偽はともかく,5年後でも10年後でもポケットペアの当時の社員が「社長からパクれと言われて作りました」とか証言ちゃうと一気にお問い合わせが行くリスクがあるやつです。

任天堂を含め,いわゆるゲーム業界ポジションのある人たちが「パルワールド」のモラルのない制作手法に怒っているのはそこかしこから聞こえてきます

 任天堂が今回の「パルワールド」を押さえに行く場合特に「訴えてはみたもののうっかりミスって,パルワールドみたいなパクリなら法的にまあいいんじゃね,と裁判所に認められてしまったら大変なことになる」というリスクを伴いますから,いずれにせよ,すぐには動かないでしょうし,もっとユーザーさんの利益になる方法を考えることでしょう。

ポケモン任天堂からすれば完全に売られた喧嘩

まりにも妄想が激しすぎて腹痛い

あのキャラデザ著作権法上の複製にも翻案にも当たらないか株ポケが訴えられないってだけだろうが

変な記事書く前に著作権訴訟簡単判例見ればいいのに

2024-02-04

制限・非制限用法が無い日本語は不便な欠陥言語

修正されたことによりわいせつ図画に当たらなくなっている本が~ということを言ったら

「最新の判例では「松文館事件」で【修正も必ず猥褻でない根拠ではなくなりました。】」とまるで揚げ足取りみたいな返事が返ってきた。悪気はないのだろうが。

しろ英語なら

修正済みなわいせつ図画に当たらなくなっている本←修正自体わいせつ図画を否定する根拠

修正済みな、わいせつ図画に当たらなくなっている本←そうではない

と、(カンマ)一つで明確に書き分けられるのに、日本語だとこれで意味を分ける機能文法次元担保されてないからね。

猥褻図画だったが、猥褻性を取り除く適切な修正によってわいせつ図画でなくなった本」とでも言わねばならなくなる。

いやこれでも「修正自体がは猥褻性を取り除く根拠」というわけではないとか言われかねないなあ。

ほんと日本語が不便すぎていらぬやり取りをしないようにできるだけ言葉を尽くしても、むしろまりそういうこと考えず書いて事後のやりとりで認識のすり合わせをする手間と大差なかったりする。

2024-02-01

anond:20240201114626

同一性保持権って言葉を知って使いたかったのかな?w

 

自分の意に反して無断で 」なのね

ここんところを自分思い込みじゃなくて判例などで体系的に勉強してごらん

 

こんなもんテレビ局契約合意文書の中で曖昧うまいこと処理されとりますよ

原作ビジネス数十年、無数のトラブルを経て都度アップデートされ抜かり無い文言になってます

原作者側が同一性保持権を持ち出す余地がないようにね

残念w

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