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はてなキーワード: スパコンとは

2024-06-26

anond:20240626004823

当初はGPUとして開発され、事実上開発の失敗からオマケ程度までスケールダウンされたPS3SPEは今のNVIDIAGPU原始的な形そのものだし、

当時すでにGPU存在したし、GPUを他の目的使用する行為(GPGPU)も行われていた。機械学習に使われ始めたのは2010年くらいからだと思うけど。

ちなみに、SPEGPUスケールダウンしたものではなく、計算に特化したCPU複数載せようという設計思想なので、今の膨大なコアで行列演算をぶん回す戦場では勝てない。メニーコアCPUはそれはそれで発展する余地はあったと思うけどね。

ベクトル型とスカラー型のハイブリッド」とはGPU複数機搭載したサーバーのもの。つまりきわめて大ざっぱに言えば基本設計は十年以上先のトレンドを正しく捉えている。が、どちらも実際の開発や予算の都合に失敗しているし、NECベクトルスパコンなど需要ゼロだった。

ベクトルプロセッサGPUアーキテクチャが全く異なる。

日本ハードウェア部門存在感を示すには、GPUの開発に研究費をぶっ込む必要があったわけだが、GPUのような不真面目な分野には研究費が出なかっただろうな(偏見)

anond:20240626113152

相手が「世界一ってロマンがあるやん?」みたいな説明しかしてないので

さすがにそれはアカンやろってことで「もっと他にスパコンの意義がなんかあるやろ?」って聞いとるんや

相手に意義を説明させようと誘導しとる」って意味で助け舟っていうてるわけやな

でもそもそもの前提として「世界一ってロマンあるやん?だけで何が悪いんじゃ!」って思ってる人には助け舟でもなんでもないわけやな

その辺の認識のずれやな

anond:20240626011553

スパコンと言う実用性が1番求められてるものに、おまけ程度のランキング1位を目標にする(でもその割に目標が達成されるように作ってないという大言壮語ぶり)という頓珍漢具合は、いまだに「2位じゃダメなんですか」を腐してるアホな国民にお似合いだったということなんだろうね

anond:20240626101306

そもそもあの後、やっぱスパコン事業大事ということで政府予算付け直してる時点で、あの事業仕分けは不適当だったと認めてるようなもんだからな。

なんか根本的に事業仕分けのことわかってなくない?

当時、当該プロジェクト予算執行正当化する立場から説明していた文科省メンバーは以下の3人。

磯田文雄も倉持隆雄も内丸幸喜も、叩き上げ文科省エリート官僚で、HPC研究者でも何でもないよ。経歴を調べてみればわかる。

この事業仕分けメンバーの中で一番HPCのことをわかってるエキスパートは、評価者の金田康正氏。んで、読めばわかる通り、文科省側の説明適当さや誤魔化しの部分に対して、一番厳しい評価をしていたのも金田氏。蓮舫金田氏のツッコミに対し、文科省側に助け船を出すという立場だった。

追記

なお名前が出ていない「説明((独)理化学研究所) 」は、平尾公彦とされている。この人は専門が理論化学計算化学なので立派に研究者ではあるが、当時すでに63歳の大御所で、論文も何年も前からlast authorとして関わるものばかりになっていた。

2009年当時は東大理事・副学長普通の副学長より2ランク上)から転じて理化学研究所特任顧問・副本部長と東大名誉教授就任2010年には理化学研究所計算科学研究機構機構長に就任している。つまり増田が言うところの

あの場には事業側の人を呼ばなくちゃだめだったんだよ。

研究の一線から退いて、お金の配分とかプロジェクトの座組の調整とかをメインの仕事でやってる人いなかったのかなあ。

という想定に最もフィットしていた(はずの)人間だと言える。本人もHPCwire Japanというサイトhttps://www.hpcwire.jp/archives/16547)で

東大を定年退官する際に、ある私立大学から声を掛けて頂いていたのですが、契約書にサインをする直前に、理研から新たにスパコンセンターを立ち上げるので、来てくれませんかと話が来ました。私自身は計算機を専門にやっているわけではなく、計算機を使って様々なサイエンスを展開する、計算科学人間でしたので、果たして私に務まるのかと躊躇しました。

述懐しており、理化研がHPCプロパーではない人間管理責任者として招聘したということがわかる。

anond:20240626075144

「2位じゃダメなんですか?」は研究者にとってなんだったのか

議事録読むとわかるんだけどさ、あれは単に噛み合ってないんだよね。

呼ぶ人を間違えた感じ。100%研究者マインドの人を呼びつけてヒアリングしちゃだめだよ。

研究者に対して、研究の意義、科学の意義を国民に伝わる言葉説明してください、って言ったらああなるよ。

研究費の内訳とその根拠有効性について専門的な言葉を使わず説明してくださいって主旨をわかってないんだもん。

研究者なんて、費用対効果意識する脳内スイッチをあえて切って没頭する訓練を受けている人だしさ。

まともな人間なら百億以上もコストをかけて、成果がでるかどうかわからない人類初の取り組みをするなんてプレッシャーおかしくなるからね。

そりゃ「2位じゃダメなんですか?」は「新規性がなくちゃダメなんですか?」って捉えちゃうよ。助け舟なんて思えないって、研究者なら。

学生の頃から新規性がないかダメだ」って言われ続けてきたのに、真逆のこと言われたら面食らうって。

スパコン研究であるとともに事業でもあるのは間違いない。

から最初から最後まで事業視点で書かれているトラバ元の増田は正しいと言えば正しい。

あの場には事業側の人を呼ばなくちゃだめだったんだよ。

今は研究の一線から退いて、お金の配分とかプロジェクトの座組の調整とかをメインの仕事でやってる人いなかったのかなあ。

それかメーカー側の人をあの場に呼んでたらまたちょっと違ったかもね。

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9283589/www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov13gijigaiyo/3-17.pdf

anond:20240625172343

anond:20240625172343

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4627b3a33b31bf006f884870d2aec3f7d8506d17

結局あの発言は的を射たものだったとする解説。あの発言以後日本スパコン路線を変更してスピード勝負から使いやすさ・性能を追求するようになったとのこと

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221112-OYT1T50227/

自民回覧板であり反立憲の読売新聞ですら科学者の「あの質問はグッドだった」という発言を乗せ、やはりその発言以降自問を続け使いやすさ・性能を追求しその分野で世界一位になった経緯が書かれている


な?蓮舫日本のためを思って厳しいことを言ったまでなんだけど、将来のことを考えたうえで苦言を呈されることすら「日本貶める(笑)」と捉える精神成熟バカジャップ共ががママに怒られた気分になった結果蓮舫たたいてるだけなんだよな

結局こういうバカが多いせいで安部がずっと政権を取ってたしその結果日本が没落したんだよね

ネトウヨバカガキは蓮舫や今のヤトー(笑)が嫌いだから1bit脳で判断して蓮舫とか立憲をたたいてるんだろうなあ。統一教会のツボでも磨いて韓国土下座でもしとけよ

anond:20240625224440

自分認識をだらだら書くとこうなる。

結局のところ2003年から2011年頃までいちばん延べ計算量が必要だったのはリアルタイム3Dグラフィックスレンダリングだったんだ。そこではNVIDIAって会社PCゲームプラットフォームを握ってしまっていてそこで技術開発をめっちゃ進めてしまったんだ。

結果的PlayStation2までは純日本設計だったグラフィックチップが、PlayStation3ではNVIDIAGPUになってしまったんだ。そこで負けが確定してしまった感じだ。PlayStation3CPUCELLに内蔵されているSPUは、世代をどんどん進めていったら最終的にレンダリングもできるグラフィックチップ進化する可能性があったのかもしれないけど次世代が出せなかったのでそこで終わりになってしまった。

NVIDIAは先端を走っているユーザーが何を求めているかをめちゃくちゃちゃん調査して、彼らがちゃんと新しいことを効率よくできるようなチップを開発してくるんだ。だからハードウェアTLが必要になってきたときGeForceを出してきたし、その後ポリゴンへの複雑なマッピングを駆使してリアルグラフィックスを構築しだしたらシェーダアーキテクチャ提案してきて、そのシェーダプログラミングレイマーチングを遊びでみんながやりだしたらリアルタイムレイトレをハードウェアサポートしたRTXをリリースしてきたしAIもそうだ。いまコンピュータを使っているユーザがどのようなことをやって、次に何が求められているのかを見極めるのが上手なんだと思う。

京の事業仕訳けの議事録を再度読み返したけど、確かにそこにはスーパーコンピュータユーザーを見ておらず「国民夢を与える、あるいは世界一を取ることによって夢を与えることが、実は非常に大きなこのプロジェクトの1つの目 的 」などとボケたことを言っている説明者たちと、いやいや実際のユーザはそんなのを求めてるわけないだろという金田先生議論がつづいていて、そのへんが日本が負けた原因なんじゃないかなあーって思うんだよ。

ただ運も味方していて、NVIDIA計算能力バカみたいに使うグラフィックス提案して微妙な感じになってたところに、ビットコインマイニング需要があって、そのあとにAIが盛り上がった。計算能力をうまく価値にしてくれる応用がいい感じに出てきていまに至ってるんで、とりあえずやってみて一位とってみろよ、みたいな話が必ず悪いわけではないかもしれない。

Intelは偉くて、GPUNVIDIAATI(現AMD)に完全に負けていて後塵を拝していたにもかかわらず、じわじわCPU内蔵のグラフィックチップの性能を上げていきディスクリートGPUも作るようになり、昨年ちゃんとその成果が世界2位のAuroraスーパーコンピュータとして実稼働を始めてたのですごいなと思ったよ。そのAuroraGPUCPUIntel製で2位、1位のFrontierGPUCPUAMDなんだけどね。結局のところ一般用途で台数が出てない状態ではスパコンを作れるような技術養成できないってことだったんだろうと思う。

当時の日本では携帯電話向けのプロセッサしか数が出るものがなかったから、そこに全力投球して、でもガラケーではグローバルに売れないかPDA販路を広げてiPhoneAndroid採用してもらう、みたいな流れができれば最高だっただろう。でもそんな戦略説明して実行に移せるトップ日本家電メーカートップには居なかったんだ。だってあいつらテレビブルーレイをどう売るかしか考えてなかったんだもん。PocketPCに載ってたIntelXScaleが没落したときを狙ってちゃんチップを出せてればチャンスがあった。でもそこに載ったのはSamsungやTI、そしてQualcommチップだった。TIは撤退してしまったけどSamsungはまだプロセッサを作り続けている(これはGalaxyという大きな需要があるからできているのだと思う)。

anond:20240625224440

NVIDIAみたいに売れてれば間違いなく勝てた。売れる物を作らない、作った物を売らないから負けた。当時の日本の常として外部要因や部外者、つまり売上と顧客効率的排除たから滅んだ。

当初はGPUとして開発され、事実上開発の失敗からオマケ程度までスケールダウンされたPS3SPEは今のNVIDIAGPU原始的な形そのものだし、「ベクトル型とスカラー型のハイブリッド」とはGPU複数機搭載したサーバーのもの。つまりきわめて大ざっぱに言えば基本設計は十年以上先のトレンドを正しく捉えている。が、どちらも実際の開発や予算の都合に失敗しているし、NECベクトルスパコンなど需要ゼロだった。

いま「時価総額世界ナンバーワン」を標榜しているNVIDIAスパコンと、NECが当時作っていたスパコンはまったく同じものなのに、00年代末期の日本が作ればそれは「失敗の象徴」にしかならない。そしてそのことを誰も知らない理解しない。つまり日本問題はそこにあって、その差について反省ができていない所にある。

2024-06-25

anond:20240625204943

1人でプログラミングしてたらいい時代が終わったのも大きい。求められることが変わってる。機械計算させるのではなく、人間が利用するUI重要になってきた。

 

いやでも今でもスパコンとか研究してるところはあるんだから。そっち行けばいいのにな。

 

プログラム高速化って

そっちの分野の方が活躍できそうだし

はてな民蓮舫シンパ記事に釣られすぎ

https://shueisha.online/articles/-/250836

この記事で、「実は蓮舫氏はスパコン事業に助け舟を出していた」と書かれているが真っ赤な嘘(憶測である

まず第1前提として、予算を決めるような大事な話ほど文書のやり取りにすべきである。あの事業仕分けはただのマイクパフォーマンス芸であり、言った言わないを避ける方法がないことを思い出してほしい。例示としては、科研費である科研費予算決めをマイクパフォーマンスにしたら成立しないのは想像に難くないだろう。

以下、蓮舫氏のあの発言=助け舟というのはかなり怪しいという証拠を記していく。

上手くいかなかった助け舟をタイトルにした本を普通出すか?

事業仕分け後の2010年蓮舫氏は本を出している。

タイトルは「一番じゃなきゃダメですか?」である

https://www.amazon.co.jp/dp/4569779646

上手くいかなかった助け舟をタイトルにした本を普通出すか?本当にそう考えてたなら、それをタイトルに本出す奴はサイコパスやろ、という話である

本当に助け舟と考えてたなら、”予算要求通り”と評価するのでは?

あのスパコン事業仕分けでは、”予算要求通り”と評価した人は誰もいなかった。つまり蓮舫氏もそのように評価したのである

だが、スパコン重要性を理解していて研究大事評価していたなら、マイクパフォーマンスが悪くとも、”予算要求通り”にするのでは?という話である。そのマイクパフォーマンスの悪さ=スパコン研究事業無意味さと帰結主義評価するのであれば、蓮舫氏の取った行動も帰結主義評価すべきである。つまり、”予算要求通り”と評価してない蓮舫氏は、助け舟であの発言をしていないのである

息子のマジコンも知らないのにスパコン重要性知ってました?

蓮舫氏は事業仕分け後の2009年12月Twitterで息子の使ってたマジコンのことを聞き、ネットで物議を醸した。

https://getnews.jp/archives/42755

まずここで確認したいのは、蓮舫氏はTwitter投稿できるようなインターネットを使える環境にあり、その息子もおそらくそマジコンネット購入してるようなネット環境があることである。そういった環境があるにも関わらず、一切調査もせず、Twitterに無邪気に質問投稿しているのである

この調査能力がない人物がはたしてスパコン重要性やどんなシミュレーションに使われてるのか、当時理解してたのか?

目標を1位にしないと実際の順位がどんどん下がっていくという当たり前の話はあの場で必要ですか?

この事業仕分けの一件により、近い界隈の研究・開発・教育現場愚痴のように口酸っぱく言われるようになった。

目標を1位にしても必ず1位にならず下の順位(e.g. 2位, 3位)になってしまう。つまり、2位,3位を目標にしてしまうとさらに下の順位(e.g. 4位,5位)になってしま競争・開発力がどんどん落ちてしまう。だから目標は高いところにしなければならない。」

もしかして蓮舫氏はこの当たり前の話も知らなかったのではないですか?

HPC分野が衰退したあと何かケアしました?

この事業仕分けにより、あの時期のHPC分野は間違いなく衰退した。

仮に助け舟を出したとされる蓮舫氏は、その後HPC分野を改善させる何かをしたかというと何もしてない。

そして、今回の都知事公約にも、これに近い話は一切ない。つまり蓮舫氏はあの助け舟で上手くいかなかった事業仕分けを特に問題ないと考えてるだけである

結論

以上の点を考えていくと、蓮舫氏はあの発言を助け舟とは全く考えておらず、あの事業仕分け、予算削減を特に問題とは思ってないのである

都知事選に出馬する上でのネガキャンを減らすためだけの理由で、後出し歴史修正擁護にはウンザリである

はてな民は騙されないように!

2024-06-20

anond:20240618122917

取材NGでっちあげ偽史放送理由にはならんだろう。

じゃあ富士通自身取材NGだったら畑でスパコンが採れたシーンでも流すつもりなのか?

anond:20240620130415

A64FXがuarchそのまま命令デコーダ差し替えARM化したって話は当時良くネットニュース記事が出てた

論文出したり人材交流があったり何かの下請けしたりバーターで何か売ったといった可能性があるか無いかで言えばあり得る

少なくとも「富士通ARMが〇〇の共同開発スパコン技術提供」といった形で表に出るような明確で大きな貢献は無い

何でもかんでも嘘だ妄想だと認定するのは増田のはじまり

anond:20240620123600

国家威信を賭けてスパコンを作っても、AWSAzureのもってる計算リソースの方が一桁でかいから

もうランキングトップから何?って感じだよな。

anond:20240620122439

富士通ARM黎明期2000年より前からパートナーから、A64FXで協業を始めたわけじゃないでしょ。

後半もだれもソシオネクストCPUの開発をやらなくなったなんて書いてないのに。むしろ次期スパコンCPU開発やってるってリンク張ってあるじゃん

自分誤読しといてそれに自分ツッコミとか、最高にクールですね!愛社精神バッチリ

anond:20240620103607

富士通って他の電機系SIerに比べてこう言う悪評聞くよねえ

はてな界隈だけかもしれないけど

規模だとNTTデータに次ぐぐらいでっかくって、スパコンの件も含めて他が逃げてやらない仕事を引き受けて完遂できる数少ないSIerではあるんだけど。

最近は他が逃げるまえに真っ先に逃げるようにみえるよね。外から見ると。

官公庁案件でもこりゃ無理となったら真っ先に撤退している気がする。たとえばe-GOVの件とか。

撤退後に炎上報道がされたりするから嗅覚は確かなんだろうが、

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01157/042200109/

でもさあ、泥臭いところをちゃんとやるのが利点だった訳じゃん?だけどところ誰が使うの?って言う批判がつきまとうよねえ。

アクセンチュアみたいになるならアクセンチュア使うよねえ。

anond:20240618122917

世界一スパコンはあっても良いかもしれんが国産スパコンは売れないし売る気も無いか無駄っちゅうことやね。

さんざ汎用性の高さが売りと言ってた富嶽が実際にはかなり特化したコードチューニングしないとかなり遅いってのは地名的で、そらミニ富嶽も売れないわなぁ。

2024-06-18

anond:20240618123239

せやろな。

正直、国産スパコンはHPEあたりに頼んで作ってもらった方が安くて早くて使いやすいと思うわ。

富士通自己資本利益率だけを追求する会社に成り下がってるんだから、やりたくないだろうしさ。

プロジェクトX、出演NGなのでは。あるいは富士通半導体の敗北の歴史

富士通忖度してるとか言ってるけど、あれ、普通に取材NGだったんじゃないかな。

当時の経緯を知ってると「私の名前は出さないでください」ってなったとしても不思議じゃないと思う。そうなれば当然NHK富士通も触れないし、本人が拒否したんですなんて発表するわけもないし(例え親族が声を上げたとしても)

コンピュータって、富士通半導体最後打ち上げ花火だったんだよ。

当時の話

京の開発が進み、実際に生産されるころは、経営方針として富士通半導体撤退をするかどうかで揉めていたころだった。

コンピュータは、富士通自社工場で作った最後スパコンであると同時に、国のトップ開発のHPCにおいて、富士通が単体で作り上げた初めてのHPCでもあった。

これは、富士通が優れている、というよりも、逃げ遅れたと表現してもよいかもしれない。HPCプロジェクトからは、NEC東芝が次々と撤退していたのだ。

当時半導体の重い投資に堪えられなくなった電機各社とその銀行団は、自社から半導体部門、少なくとも工場を切り離したがっていた。まさに、それどころではなかったのだ。

しか富士通はまだ撤退決断せず、他社とは一線と画した対応をしていた。

ようにみえた。

富士通撤退戦を開始

コンピュータCPUは、45nmのプロセスで作ると言うことで言っていたためか、富士通はなんとか自社で開発した。けれど、京に乗せたプロセッサ最後になった。次のプロセスは開発されていない。

https://news.mynavi.jp/techplus/article/architecture-467/

さらに、当時、45nmのプロセスは安定して無い状況で無理矢理作ったと言う話もあったはずだ。これは京コンピュータ以降はTSMC委託することが決まっていたため、既に投資が絞られていたためでもある。

(後にTSMC版の進んだプロセス製造されたSPARCを使ったミニコンピュータが何個か作られたのだが、ノード辺りの性能が30%以上アップしたと言う。これはプロセスが細分化された以上の性能向上であった)


富士通が、自社の半導体部門富士通セミコンとして切り離したのが2008年。京コンピュータ用のプロセッサ生産したのが2010年三重工場であった。

その三重工場2013年さらに別会社として切り離され、現在は完全に売却されて富士通に残ってない。

また、同じく半導体工場としては福島県の會津富士通があったんだが、その時の工場撤退エピソードは、今でも大企業黒字でも簡単工場撤退させる事例として有名になった。かなり悲惨事態だったと言える。

そうして重荷になっていたとされる工場を切り離しファブレスに近い業態にしたのは、富士通半導体を残すためだったと思われる。

しかし、そうした建前などなかったかのように2014年にはシステムLSI/SoCの開発部隊分社化を決定。それが現在のソシオネクストであるPanasonicLSI部隊と合弁した会社で、分離した当時、富士通設立当初40%の株式を保持していたが、現在は完全に売却してしまった。

現在富士通半導体部門はFeRAMや光回路用の超特殊ものを除いて完全売却で撤退している。


なお、その後、ルネサステクノロジ(※富士通は合弁に参加していない)が組込向け半導体でほぼ世界首位と同率2位まで上り詰め、国内半導体必要性が新たに叫ばれTSMC国内半導体工場建設。Rapidusという日米政府が関わる半導体企業ができる流れになっている。もし将来、RapidusがプロジェクトXになるときには、大手電機産業からリストラされた技術者達の奮起という文脈が語られそうな気がする。閑話休題

2012年。京が世界一を取ってその後、富士通半導体の敗北が確定した年

件の方がご退任をされたと言う2012年は、半導体さらなる切り離し、売却などの決断と、次期スパコン(つまり富岳)がSPARCを捨ててARMになるという決断が行われた年であったと考えられる。(発表は後になる)

半導体を専門にされてずっとやってきた方には堪えられないもだったのではないかと拝察する。仮に、思い出したくもないし、宣伝にも使われたくないと判断されても仕方がないことでは無いかと思う。(もちろん 出演NGされたと言うのはワイの妄想なので注意)


その後、富士通SPARCを使ったUNIXサーバーを作り続けてはいたが、大きくアーキテクチャ改善する開発は行われないまま(保守設計は続けられていたが)メインフレームとともに撤退が発表された。これはやむを得ないことだろう。

また、ARM化された富岳は、確かに能面や利用面、汎用性では高い成果を出したが、富士通ビジネス的にはさっぱりだったと思われる。


アーキテクチャARMに切り替えた理由は、ビジネス面でもあった。高性能タイプARMを作ることによって、旺盛なクラウドDC需要などに対して食い込んでARMサーバを大きく拡販していくことだったと思われる。

が。富岳に乗せたARMプロセッサを利用した波及製品はみられなかった。

なぜか。それはAWSMS AzureGoogleなど膨大な需要を持つ企業は、需要が巨大すぎてARMが搭載されたコンピュータを買うのではなく、自社でARMIPを購入し独自開発することを選んだためである

彼ら相手には商売にならなかった。それ以外のクラウドベンダーは無きに等しい。ARMなどアーキテクチャが影響しないのはPaaS以上の象徴度を持つサービスだが、寡占状態にある大手以外まともに提供出来ていないため、市場が無いのだ。


ただし、この時富士通ARMの競業によってARMは成果をあげた。アウトオブオーダー実行など、ARMは高性能コンピュータ必要技術富士通から取り込んで現在に至る。

それ故、富士通商売は上手くいかなかったが、世の中的には良かったとは言えるのではあるのだ。そのIP大手クラウド各社は自社向け半導体を作って商売をしているのだから

エピローグ または今後について

今、富岳の次のHPC予算要求の山場を迎えている。

https://newswitch.jp/p/41595

から今のタイミングプロジェクトXに乗ったのだと思うが、綺麗事では語れない話がたくさんありすぎる。


受注はまず間違い無く富士通だと言われている。と言うのは、開発の一部は既に行われているから。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2310/12/news074.html

そして、国内にもう国産HPCを作ることの出来る会社NEC富士通ぐらいになってしまったためである

富士通は新しいHPCは1位を目指さないかもしれないという考えから計算効率の方に大きく振った開発を進めおり、国内トップHPC採用されたという実績を背景に売り出そうというつもりではあると思われる。富岳の夢再び、だ。

しかし、富士通は今年1月ハードウエア会社を分離した

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/1560540.html

この新会社、分離時には綺麗事を書いてあるが、

https://www.fsastech.com/about/

ご覧の通り、富士通ブランドを一切使っていないのだ。既存商品から富士通マークを取り払っている。さらに、会社概要株主欄がなく、富士通名前が出てこない。(他の関連会社はそういった記載がある)

半導体がどうなったかの流れを知っていると、暗い予感しかしない。

そして、HPCレイヤーの低い、ハードウエアに近い部分、さらメカニカル設計や冷却など物理的な部分のノウハウが多く必要とされる。それを富士通分社化して製造能力を失っていく中で、果たしてまともにHPCが作れるのだろうか?

さらに、確かに2010年代半ばのころはワークロード不足に陥ってコンピュータは安売りに陥っていたが、現在AIと言う巨大な需要が生み出され、価格回復ハードウエアが再び重要と考えられ始めている。ハードウエアと同時に提案できる能力が強みになりつつある。

しかし、既に富士通はそれらに対応するための強みを、はした金と決算数字をよくするためだけに売り払った後である案の定、粉飾紛いの異様に高い目標に対して、結果が出ないと言う発表を繰り返している。

富士通アクセンチュアを真似ていると言われる。以下の記事にはこうある

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00848/00049/

目指す先はアクセンチュア富士通が主力工場を総務に移管する理由

時田社長2019年9月に開いた初の記者会見で「開発製造拠点をどう整理するのか」という質問に「既に方向は定まっている。後は状況判断と時期の問題富士通サービスに集中する企業になる」と応じていた。

時田社長方針は「アクセンチュアにないもの富士通もいらない」とみてよい。

そこまでやったのに、ここ3年ほど株価は伸び悩みが続いている。アクセンチュアの真似をしますと言ったときは撥ねたがが、その後は同業他社業界全体の株価上昇率に及ばない状況が続く。
それはそうだ。アクセンチュアの真似をしていてはアクセンチュアには勝てない。まして工場売却を通じ、元々の強みを捨て弱みまでアクセンチュアの真似をしているのだ。富士通この先生きのこるにはどうすればいいのか?


これがプロジェクトXの真のエピローグではないかとワイは思いました。

2024-06-14

anond:20240614125745

なお当時のスパコン研究者たちは2位じゃ駄目な理由説明できなかった模様

2024-06-02

蓮舫批判たからって

急にプロジェクションマッピング擁護したり

事業仕分けだー!って言う人が出てきてるけど

事業仕分けと一緒だと思うんなら、それこそプロジェクションマッピングはこれぐらいの予算をかけてて、これぐらい観光客が増えてて、だいたいこれぐらいの増収になってるから役に立ってるんです、ホームレス支援よりも優先順位は高いんですと数字反論すればいいだけなんだよな。

スパコンみたいにすごく先の未来まで見据えて赤字でもやる、みたいなものじゃないんだし。

2024-06-01

1位どころか2位ですらなかった京

蓮舫都知事選立候補の予定になってから、また「2位じゃダメなんでしょうか」発言が取り沙汰されている

あれから15年にもなる

あれが何だったか確認したい

こちらか指摘したいのは以下



詳細は以下

anond:20221204174030

2024-05-28

あの女が都知事選に出るのか…

新しい薬の開発はスパコンスペック、生成AIの開発や運用グラボスペックが命なので、2位じゃ何がだめなんですか?っていうリテラシー人間リーディングティーの舵取り任せるとか正気ではないわな

蓮舫の「二位じゃダメなんですか?」がまだ擦られてるけど

理研

世界最高峰めっちゃすごいコンピューターをつくる!(んでお金ください)」

って計画で何年も政府から金貰ってたのに、今になって

実用面で言えばぶっちゃけ速度競争が2位とか3位でもいいです。。」

とかあの場面で言えるわけないんだよな

から曖昧な返答でごまかすしかなかった。

そもそも仕分け前の京プロジェクトがそういう「国家メンツ威信」的な物が前面に出てスピード競争で勝つのが主目的になってたから、スパコンでなにをやるかとかあんま考えてなかったし、関連企業撤退なんかで計画が迷走し批判されてもても今更止められなかった。

それでも保守系自民党なら国家メンツ威信って愛国情緒あふれる大型企画に金だしてくれたかもしれないけど、そういう物にノーを突きつけるをアピールしてた民主党じゃ通用しないわけで。

仕分け前の京プロジェクト民主党政権交代した時点で普通に詰んでと思う

まぁ話を戻すと、結果として仕分けされ見直され

「速度競争は二位でもいいよね。それより実用性重視でいこうや」

って話になり大成功したわけで、あの2位じゃダメなんですか?は寧ろ政治が介入することで成功した一例じゃないかと思う

でも未だに「愚かな悪の民主党」の象徴みたいに語られるのみると、なんだかなぁって

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