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2024-06-26

anond:20240625224440

自分認識をだらだら書くとこうなる。

結局のところ2003年から2011年頃までいちばん延べ計算量が必要だったのはリアルタイム3Dグラフィックスレンダリングだったんだ。そこではNVIDIAって会社PCゲームプラットフォームを握ってしまっていてそこで技術開発をめっちゃ進めてしまったんだ。

結果的PlayStation2までは純日本設計だったグラフィックチップが、PlayStation3ではNVIDIAGPUになってしまったんだ。そこで負けが確定してしまった感じだ。PlayStation3CPUCELLに内蔵されているSPUは、世代をどんどん進めていったら最終的にレンダリングもできるグラフィックチップ進化する可能性があったのかもしれないけど次世代が出せなかったのでそこで終わりになってしまった。

NVIDIAは先端を走っているユーザーが何を求めているかをめちゃくちゃちゃん調査して、彼らがちゃんと新しいことを効率よくできるようなチップを開発してくるんだ。だからハードウェアTLが必要になってきたときGeForceを出してきたし、その後ポリゴンへの複雑なマッピングを駆使してリアルグラフィックスを構築しだしたらシェーダアーキテクチャ提案してきて、そのシェーダプログラミングレイマーチングを遊びでみんながやりだしたらリアルタイムレイトレをハードウェアサポートしたRTXをリリースしてきたしAIもそうだ。いまコンピュータを使っているユーザがどのようなことをやって、次に何が求められているのかを見極めるのが上手なんだと思う。

京の事業仕訳けの議事録を再度読み返したけど、確かにそこにはスーパーコンピュータユーザーを見ておらず「国民夢を与える、あるいは世界一を取ることによって夢を与えることが、実は非常に大きなこのプロジェクトの1つの目 的 」などとボケたことを言っている説明者たちと、いやいや実際のユーザはそんなのを求めてるわけないだろという金田先生議論がつづいていて、そのへんが日本が負けた原因なんじゃないかなあーって思うんだよ。

ただ運も味方していて、NVIDIA計算能力バカみたいに使うグラフィックス提案して微妙な感じになってたところに、ビットコインマイニング需要があって、そのあとにAIが盛り上がった。計算能力をうまく価値にしてくれる応用がいい感じに出てきていまに至ってるんで、とりあえずやってみて一位とってみろよ、みたいな話が必ず悪いわけではないかもしれない。

Intelは偉くて、GPUNVIDIAATI(現AMD)に完全に負けていて後塵を拝していたにもかかわらず、じわじわCPU内蔵のグラフィックチップの性能を上げていきディスクリートGPUも作るようになり、昨年ちゃんとその成果が世界2位のAuroraスーパーコンピュータとして実稼働を始めてたのですごいなと思ったよ。そのAuroraGPUCPUIntel製で2位、1位のFrontierGPUCPUAMDなんだけどね。結局のところ一般用途で台数が出てない状態ではスパコンを作れるような技術養成できないってことだったんだろうと思う。

当時の日本では携帯電話向けのプロセッサしか数が出るものがなかったから、そこに全力投球して、でもガラケーではグローバルに売れないかPDA販路を広げてiPhoneAndroid採用してもらう、みたいな流れができれば最高だっただろう。でもそんな戦略説明して実行に移せるトップ日本家電メーカートップには居なかったんだ。だってあいつらテレビブルーレイをどう売るかしか考えてなかったんだもん。PocketPCに載ってたIntelXScaleが没落したときを狙ってちゃんチップを出せてればチャンスがあった。でもそこに載ったのはSamsungやTI、そしてQualcommチップだった。TIは撤退してしまったけどSamsungはまだプロセッサを作り続けている(これはGalaxyという大きな需要があるからできているのだと思う)。

 
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