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2024-04-15

anond:20240415212948

なんだか、うれしく、なっちゃいました。

変ですね。

私も子供には見つめられます。私も何度も振り返って見つめます

 思うんですけど、子供大人と違って目が合えばはなしません。大人なら目が合う前にそらすこともできますが。

 あなたも見ているんだとおもいますが?

多分、人の視線に敏感なところがあり、気づいてそちらを向くと子供が見ている。という感じ、一度あえば、お互いに見詰め合ってる。でわ、ないでしょうか。にこ、っと、笑い、見つめ返して、手を振ってみてください。子供は、びっくりして、目をそらしますよ。そして、あきらかに、警戒して、親の影に隠れてでも、気になってちらって、最後には、すこし、うれしそうに、はにかみながら、親にひっついて、いってしまます

 「かーいいなぁ」って、ちょっと、いいことが、あったような、気がして、うれしです。もちろん、すぐに満面の笑みで答えてくれるこどもも

 子供って、体外、親につれて、こられて、退屈なんです。なにか、変わったことがないか常にぶしつけに、いろんな、モノをじっと見てますから、大き目の光る、イヤリングなんかつけてたら、もう、大スターです(笑)

 子供からすれば、あなたは、気づいて、くれているだけだと、思います。どんどん、見つめかえしてやってください.確かに子供にやさしい、オーラも出ていると思います。すてきな大人なんだろうな、と思いました。

2024-02-19

悲惨旅2

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40万くらいするはずなのよ!だから困るわ……💦💦」

困るって、そういう問題ではないだろう。祖母がそういうちょっとお高めのものを好む人物ということは知っていたが、具体的な値段とかは初めて聞いた。というか、なぜ旅行にそんなに値の張るものを持ってきているの?そんで、なんでそんなのを無くす?

すごい、疑問符オンパレードだ。なんなんだこの人。

「どうしようかしら!どこかで盗られたのかも……」

探し始めて20分ほどで大胆で心配性の彼女の悪い所が出る。

探しているところを見ていたが、ギチギチのスーツケースを撫でるように探すだけで「無いわ…」と言っているがまずその布しか入ってないスーツケースを全てひっくり返す方が先だろう。

でもこれは今の私だから言えることであって、当時その場にいた私はそれなりに焦っていた。ちょうど母方の祖父インドで30万円をすられた話を聞いていたから、もしかしたら…の気持ちがぬぐえなかったのだ。

うちの親戚たちはなぜ旅行に行くのに数十万を迂闊に持ち運ぶのだろう。成金なの?それともマヌケ?まぁ、もうじいさんは死んでるから知りようもないが。かなしいかな、私たちはしっかり両方の間抜けの血を引いている。せめて他人に余計な迷惑をかけずに生きましょう。

それはさておき、見つからなくても旅行は始まる。

とりあえず添乗員さんに知らせるとすごい必死で前日止まった宿に連絡してくれた。申し訳ない。

そんでもってその伝え方がまぁ"繁子(祖母)節"だったから聞いてもらおう。

添乗員さん、あのね、全部で40万のアクセサリーの入った袋が無いのよ…」

「えぇ!」

「もしかしたら昨日の宿に置いてきちゃったのかもしれないから連絡してくれない?40万くらいのアクセサリーが入った黒い袋ね、盗られたのかもしれないわ…」

「わ…かりました。すぐに連絡致します。」

これを早口でまくし立てる。ポイントなのが、「40万」という金額連呼すること。その単語いる?

可哀想添乗員さんはすぐに宿を始めとする各所に連絡してくれた。

その間祖母迷惑をかけたなんてさらさら思っておらず、わりと旅行を楽しんでいた。さらには昼食の席で一緒になったご婦人方に「40万くらいのアクセサリー類が無くなったのよ〜」と話していた。ご婦人方は心配してくれたが、傍から聞くと困りに見せかけた金持ち自慢にしか聞こえない。

さら添乗員は休憩時間に入った時に「すみません、もうクリーニングが入っていて、そういった届けは無いようです…」と報告してくれた。ぜんっぜん悪くないのに「申し訳ございません」と述べる添乗員さんが哀れで祖母迷惑をかけていたたまれなかった。

当の本人は「あら…。じゃあどうしようかしら…」と不安げな表情を浮かべたが、盗られた(仮定)ことには微塵の疑いもなく、金のイヤリングだのバカかいカメオだの、アクセサリー類がどんなものだったか説明していた。それを聞いてさら添乗員さんの顔がますます曇る。そりゃ、自分が引率した客がすられたなんて良い話じゃないだろう。しか祖母いわくかなりの高額商品。あるのかは知らないが保険とかそういう手続きだってある。添乗員さんの皮膚の見える頭頂部はこの心労で抜け毛が増えるんじゃなかろうか。

なんだってそんな高いもんを持ってきたんだ。見栄です。って、理由があまりにもしょうもないでしょ。

結局見つかりそうもないままホテルへ。荷解きをしている時祖母が声を上げた

「あ!あったわ!

「えっ!?!?

例のアクセサリーが見つかった。スーツケースポケット部分に入っていたらしい。真っ先に探すべきところでは?そして、

「なんだ、こんなとこにあったのね。」

一言。こういう時、普通の人ならば「よかった…」とか、「心配かけちゃったわね…」とかの反応をすると思うが、そこは祖母他人迷惑をかけたという発想がない。一日がかりで何人も余計な心配をかけたことに対する謝意とか、そういったことはこの人の頭には存在しないのだ。それに気づいて力が抜ける。

添乗員さんと昼のご婦人方はに無事見つかったことを伝えたが、その時も"繁子節"は圧倒的だった。以下はご婦人方に知らせた時の祖母だ。

「ほら、見てぇ〜!見つかったのよ〜!」

と言いながら早速見つかったブローチを胸元に付けたのを見せつけに行った。昼間に散々「盗まれたかも」とか言って心配してもらってた相手にできることじゃない。呆れを通り越して面の皮の厚さに天晴れだわ。その精神力があれば怖いものなんかないだろう。

こうして、40万アクセサリー紛失事件添乗員さんに余計な苦労をかけただけで幕を閉じた。

余談だが、この話はリアルタイムLINEで共有していたのだが、帰国してから父が「ほら見てぇ〜!」と言いながら胸元を指さすモノマネをしばしばやるようになった。こうしてネタにしてはいるが、もし、当時同行していたのが父だったら海外で最悪の親子喧嘩をして帰ってきていたと思う。

閑話・ボッティチェリに敬意を示して。

さて、前回無くしたアクセサリーが無事見つかったが、次の日はフィレンツェにあるウフィツィ美術館に向かう。ボッティチェリの「春」「ヴィーナス誕生」等某ゼリヤ店内で必ずと言っていいほど飾られている有名すぎる絵が見どころだ。

正直ヨーロッパツアーだと1週間とかでいくつもの美術館を巡るから作品ひとつひとつの貴重さとかよりも人でごった返す中、はぐれないよう頑張ってついて行きーの作品チラ見して説明聞きーの写真撮りーのの繰り返しで鑑賞する風情もへったくれもあるもんじゃなかったけど、そんなもんなのか。

ツアー自体の目玉でもあるこの日、祖母特にオシャレをして臨んだ。あのギッチギチのスーツケースからこの日に着る服を決めていたのだと思われる。毎日服を変えていた祖母ファッションショー写真で残しておけばよかった。当時はそんな余裕もなかったが。

その日のコーデの主役は胸元に付けられたバカデカカメオ。5~6cm程のブローチにしてはかなり大きなそれは真偽は知らないが祖母曰くかなり高級なものらしい。そう、前日無くしたと騒ぎを起こしたあれだ。

同じツアーの客にブローチ素敵ねと声をかけられ祖母の鼻は高々。

「えぇ、ボッティチェリに敬意を示してね。ほら、プリマヴェーラの柄なのよ」

添乗員さんにまで聞かれてもないこだわりを披露する祖母。ああもう、添乗員ちょっと引いてるじゃないか他人のフリをさせてくれ

この話、何がすごいって、祖母別に美術に特段関心がある人でもないということ。美術が好きでボッティチェリの実物を見れるのが嬉しい!という人ならばまぁ、「ボッティチェリに敬意を示して」なんて言っても許されるが祖母絵画の前を結構素通りするような人だから、余計に「んなこと言う!?」という気持ちが大きい。普通に生きててそんなの言う様な人は叶姉妹くらいしか思いつかないのだけど、祖母普通一般人じゃん、ハイソぶってるん?恥じゃん、そんで身内じゃん。勘弁してくれ。

しかボッティチェリの実物を間近見てもまぁサイゼで見たのも同じだなぁという感想になった自分ももしかしたら祖母と似たような感性を持っているのかもしれない。血の繋がりに震える。しょぼい感想しか言えなくて情けなくなるが、貴重なものを鑑賞したこと自体は間違いなく良い経験になったと思いたい。小学2年生並の感想ではあるけど。


5章 ナポリと靴

青の洞窟に行く日、ついに私は限界を迎え、その日の観光を全てブッチして一日ホテルに留まる権利を獲得した。そして、ここまでで祖母性格をなんとなく知っているならばこの権利を得るまでにも戦いがあったことも想像に難くないだろう。

この作戦はまず第一に私とおばあちゃんとの別行動が肝だ。というか、そのためだけに私はわざわざ観光の目玉ともいえる青の洞窟キャンセルしたのだ。

朝食の時間から勝負は始まった。朝食会場に着くと同時に添乗員に駆け込み

「スミマセン、チョットタイチョウガワルイノデ今日観光ホテルヤスマセテイタダキタイデス」

添乗員は当然心配ポーズを取りながらも了承する。

「あら!そしたら私も一緒にいた方がいいかしら!?

間髪入れず飛んできた祖母(謎自信杖無し)の攻撃に、勘弁してくれ!!!叫びたくなる。若干叫び漏れたかもしれない。

大丈夫です!なのでおばあちゃんはぜひ行ってきてください!!!!!貴重な体験ですし!!!!!!

ビックリマークの数は必死さの証。ここで折れたら全部ムダ。白刃戦の火花が散った。

「でも…」

ダイジョウブデスカラ!!!!!!

押し問答を何回か繰り返し、半ば無理矢理一人の休暇を勝ち取った。勝ちました。人生は強引さが必要な時もあって、それは今だった。朝から何をやっているんだろう。

部屋でのことは特に書くともないけど、FGO夏イベをやっていたことと、わりと階数の高い部屋で窓がやたら汚かったことぐらい。

私が一人時間を無為ソシャゲに費やしている間に事件は起こった。祖母は、ウン年前、下手したら二桁年前に買った慣れない靴を引っ張り出してきていたのだった。ツアーについていけなくなったあたりから「靴が悪いのよね!前の奴だから!」と旅行初日から怪しい声を聞いていたその靴が遂にぶっ壊れたという。

身体能力ごまかすような靴への悪態を聞くたびに普通に靴は古いし本人の体力も身体能力も落ちてますよ、の言葉を喉元で押しとどめていた。あたりまえ体操過ぎる。

帰ってきた祖母第一声は「この靴ナポリで買ったの!」だった。足元にはメタリックな輝きを放つパープルの靴が光る。まずなんで洞窟を見に行った人の足元が新しくなって帰ってきてんの?

頭に???が浮かぶ

肝心の洞窟はと言うと「ああ、綺麗だったわよ、うん。」とホントに行った???と思うようなうっすい反応。

その後ろを添乗員さんが「すごかったですよおばあ様。店内でたくさん試し履きをされていて」と伝えてくれた。

すごい、見てないのに光景が目に浮かぶ添乗員さんにお世話を丸投げしたようなもんだ。心なしかげっそりして見えて申し訳なさが募る。ごめん、でも限界だったんだ。

当の本人はケロッとしておニューの靴にご満悦なようだ。きっと気に入るものが出てくるまで沢山試着したのだろうと想像して頭が痛くなる。添乗員さんの様子を見るに多分現地の店員さんにも日本語で「もっと𓏸𓏸なのはないの!?」とかなんとか言ってたんだろうなあと思う。言葉の通じない異国の地で謎に自信に満ち溢れてる(そのくせ心配性な)のはなぜなんだ。

こうして、ぶっ壊れたウン10年前の靴はろくに使われずに外国ホテルに捨てられて行き、おばあちゃんの足元は新しく"ナポリで買った靴"で飾られ、その後の旅路を共にすることとなった。

今回の教訓:靴は履きなれたもの履いて行こう。

間違っても大事しまい込んだ靴を久々に出すもんじゃないよ、旅先でぶっ壊れるからね。

六章 おばあちゃんクレーム

クレームクレーム (クレイム、英語: customer complaint, consumer complaint)は、サービスに対する苦情や改善要求契約あるいは法律上権利請求を指す和製英語。ーWikipediaより

クレームを入れたことはあるだろうか。私はない。大体の人もそこまでのことがなければクレームを入れることは無いと思う。サービス側が悪いこともあるが、客側がかなり無茶苦茶をいうことがある。無茶苦茶クレームを入れる人のことをクレーマーと呼び、さらサービスだけでなく個人的な怒りも乗せてくるような輩は一段昇格して「モンスタークレーマー」と呼ばれる。こうなってくると、もうヒューマンじゃありません。ホモ・サピエンスから新しい生き物への変身だ。

コールセンターアルバイトで実際にクレームを受けたことがあるが、その時は相手の「だいたいお宅はさあ!」との発言に(本当にこんなことを言う人がいるんだ!)と感動したものだ。今まで私が見てきた創作内のクレーマーが言ってたことそのまんまの言葉を受け取って、おお!と今までの答え合わせができた気分だった。まぁ、バイトの内容的に相手の氏名住所生年月日職業家族構成家族情報も全部知っているという圧倒的に有利な立場だったから慌てなかったというのもある。

さて、クレーマー対処には同じ気持ちになって怒ると有効というのがある。自分より起こってる人を見て逆にクレーマー側が冷静になるとか、自分の怒りが認められたと思うことによって満足するらしい。

一方で、対処相手同調してくれたと思い込みさらに怒りがヒートアップするタイプもいる。もちろん祖母後者だった。

悲惨

ツッコミ祖母ファンタスティックで困るって話【不在】

膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断弾丸ツアーに申し込んだ話。

序章 不安しかない出発

一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね

四章 40万()のアクセサリー

五章 ナポリと靴

六章 おばあちゃんクレーム

七章 ローマの夕食

終章 逃げ切った空港バス

サイドストリー

シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

・激重スーツケース

・Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

・自慢話と夏の空

ボッティチェリに敬意を示して。

・嵐ってすげぇや!

序章 不安しかない出発

孫が中学三年になるのに合わせて祖母海外旅行に行きたいと言い出した。

昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。

そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子わたし

おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかたことを私にしてる感じ。

あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。

「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。

当時は何も知らんかったか旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。

祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつ都市に留まってゆっくりしようねって話してた。

それが5月のある日

「孫ちゃんイタリアにしない!?もう申し込んじゃった!」

って。ねぇ、あんた。

パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。

身体爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。

テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。

1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」

まって??

いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。

だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから

ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。

今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分スーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。

「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたか大丈夫かと思ってた。

予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。

でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある

現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。

「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」

なんて??????

現地で買うって?言ってませんでした???

祖母は中肉中背、ヨーロッパ基準の杖はそりゃ合わんだろう

ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。

既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。

オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。

結局杖は買わず観光続行。明らかに膝を気にかけております

miss! 選択 を 間違え た !

地獄ルート に 決定 します !

to be continued

閑話 シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

イタリアに着いて初日夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテル直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。

10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。

ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。

シャワーが出ないのだ。

というか、湯をシャワーから出せないのだ。

普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。

このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。

困った。いちおう先進国なのに世界共通必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある

もういっそこの蛇口で滝行をするしかないのか?とまで考えた。

長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。

しばらく考えて、海外経験豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。

あんたも知らないんかーい

いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人スタッフコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。

それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。

その間も祖母3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。

型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。

蛇口から水を出した状態蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見しか

なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

歩く!歩く!歩く!

弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。

東京の有名観光地を巡るだけのツアーとか作れよ

例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。

老人、己の体力を過信するな。

しかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!

数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生遠足帰りのバスより爆睡率が高い。

寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。

日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。

私はイタリアに行ってまでソシャゲガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterつぶやくだけになった。景色は飽きる

観光地に着くとその場限りの現地ガイドが着くことがままある。

大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。

そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバー早口観光地の説明をするから忙しい。

実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光RTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。

参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。

観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤ガイドで挟む姿勢を取る。

私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。

前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。

「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

追いついた時、祖母一生懸命歩きながら悪態をついていた。

うん、まあ、なんだろう。同情できない。

列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???

ガイドさん、ごめんな。

杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?

閑話 クソ重スーツケース

表題の通りである。おばあちゃんスーツケースバカクソ重いって話。

おばあちゃんスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、

「何も入ってないのよ〜このスーツケースいから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。

重量制限23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。

広げた両側に服が隙間なくギッチリ詰め込まれていた。

ニモ…入って…ない…❓

スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。

ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワイン旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。

旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。

閑話 Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。

一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。

「夕ご飯のメインはステーキです」

ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。

ミスター味っ子存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。

出てきた肉は画像の通りである

第一印象、「左ちっっっさ!!!!」

漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。

記憶のTボーン比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?

まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。

肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた

私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアー参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。

そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母

「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」

と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。

何故。

嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルマウントになる人なのだ純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。

そしてその素直な性格がこの旅行悲惨にした一番の原因である

ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。

言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。

そしてうちの祖母がごめん。

3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」

イタリアといえばベネチア水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。

こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材

祖母の特徴を端的に並べると

お嬢様趣味(メルヘン)気質なとこがある。

・謎の自信を持つ。

・反面、少々過剰に心配性な面もある。

個人的英語のレッスンを習っていた。

介護息抜き海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。

謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソード祖母人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。

話を戻そう、ベネチアである

ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。

わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?

修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。

しかし一番直近でも10年以上前イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正シマシ)に浸り続けている。

ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。

海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパ建築様式で作られたカラフル屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。

水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時

「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」

ここでタイトル発言だ。

見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。

やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝もっとありがたがらせてくれ。

隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。

KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。

これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。

以上、ベネチアでの思い出でした。

まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストア店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40

悲惨

ツッコミ祖母ファンタスティックで困るって話【不在】

膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断弾丸ツアーに申し込んだ話。

序章 不安しかない出発

一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね

四章 40万()のアクセサリー

五章 ナポリと靴

六章 おばあちゃんクレーム

七章 ローマの夕食

終章 逃げ切った空港バス

サイドストリー

シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

・激重スーツケース

・Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

・自慢話と夏の空

ボッティチェリに敬意を示して。

・嵐ってすげぇや!

序章 不安しかない出発

孫が中学三年になるのに合わせて祖母海外旅行に行きたいと言い出した。

昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。

そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子わたし

おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかたことを私にしてる感じ。

あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。

「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。

当時は何も知らんかったか旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。

祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつ都市に留まってゆっくりしようねって話してた。

それが5月のある日

「孫ちゃんイタリアにしない!?もう申し込んじゃった!」

って。ねぇ、あんた。

パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。

身体爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。

テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。

1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」

まって??

いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。

だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから

ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。

今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分スーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。

「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたか大丈夫かと思ってた。

予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。

でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある

現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。

「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」

なんて??????

現地で買うって?言ってませんでした???

祖母は中肉中背、ヨーロッパ基準の杖はそりゃ合わんだろう

ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。

既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。

オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。

結局杖は買わず観光続行。明らかに膝を気にかけております

miss! 選択 を 間違え た !

地獄ルート に 決定 します !

to be continued

閑話 シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

イタリアに着いて初日夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテル直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。

10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。

ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。

シャワーが出ないのだ。

というか、湯をシャワーから出せないのだ。

普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。

このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。

困った。いちおう先進国なのに世界共通必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある

もういっそこの蛇口で滝行をするしかないのか?とまで考えた。

長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。

しばらく考えて、海外経験豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。

あんたも知らないんかーい

いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人スタッフコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。

それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。

その間も祖母3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。

型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。

蛇口から水を出した状態蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見しか

なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

歩く!歩く!歩く!

弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。

東京の有名観光地を巡るだけのツアーとか作れよ

例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。

老人、己の体力を過信するな。

しかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!

数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生遠足帰りのバスより爆睡率が高い。

寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。

日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。

私はイタリアに行ってまでソシャゲガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterつぶやくだけになった。景色は飽きる

観光地に着くとその場限りの現地ガイドが着くことがままある。

大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。

そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバー早口観光地の説明をするから忙しい。

実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光RTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。

参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。

観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤ガイドで挟む姿勢を取る。

私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。

前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。

「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

追いついた時、祖母一生懸命歩きながら悪態をついていた。

うん、まあ、なんだろう。同情できない。

列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???

ガイドさん、ごめんな。

杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?

閑話 クソ重スーツケース

表題の通りである。おばあちゃんスーツケースバカクソ重いって話。

おばあちゃんスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、

「何も入ってないのよ〜このスーツケースいから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。

重量制限23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。

広げた両側に服が隙間なくギッチリ詰め込まれていた。

ニモ…入って…ない…❓

スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。

ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワイン旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。

旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。

閑話 Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。

一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。

「夕ご飯のメインはステーキです」

ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。

ミスター味っ子存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。

出てきた肉は画像の通りである

第一印象、「左ちっっっさ!!!!」

漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。

記憶のTボーン比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?

まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。

肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた

私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアー参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。

そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母

「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」

と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。

何故。

嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルマウントになる人なのだ純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。

そしてその素直な性格がこの旅行悲惨にした一番の原因である

ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。

言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。

そしてうちの祖母がごめん。

3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」

イタリアといえばベネチア水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。

こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材

祖母の特徴を端的に並べると

お嬢様趣味(メルヘン)気質なとこがある。

・謎の自信を持つ。

・反面、少々過剰に心配性な面もある。

個人的英語のレッスンを習っていた。

介護息抜き海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。

謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソード祖母人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。

話を戻そう、ベネチアである

ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。

わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?

修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。

しかし一番直近でも10年以上前イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正シマシ)に浸り続けている。

ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。

海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパ建築様式で作られたカラフル屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。

水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時

「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」

ここでタイトル発言だ。

見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。

やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝もっとありがたがらせてくれ。

隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。

KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。

これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。

以上、ベネチアでの思い出でした。

まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストア店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40

2024-02-12

アクセサリーの使いどころ

数は多くないがイヤリングを少し持っている。が、あまり活用できていない。

普段メガネマスクをしており、そこにイヤリングをつけると「なんか顔らへんごちゃつくな・・・」と感じてしまい外すことが多い。

あと職場アクセサリーつけていいのかよくわからない。多分つけていいのだろうがあまりつけている人がいないので冒険はしない。

かわいいのが好きなのだが服と合わせるのが苦手だ。シンプル長方形とか長めの形が自分の顔に似合うなと思うが、シンプルイヤリング自体に興味がわかず、何を選べばいいのかわからない。

唯一人から「細いね」と言われた首が自分チャームポイントだと思っている。首や鎖骨を出す服はそこそこある。ネックレスをつけたほうが締まるかなという時もあれば、職場で入館所を首から下げるときダブルネックレスは変では?という気持ちもありつけない時も多い。

ピンキーリングが昔かわいいなと思い、つけていたがなくした。別のものをつけていたが指の感覚がなくなってきたので辞めた。

私服はどうでもいい服ばかりなのでアクセサリーもつけない場合が多い。

先日バレッタを買ってしまった。使いこなせるだろうか。

2024-01-28

ゾンビ化した彼氏のもとに特効薬を持って駆けつけたらゾンビ女と浮気している現場を目撃して怒りに震えるアラサー女子向けきれいめ冬カジュアルコーデ【着回しDiary】

https://classy-online.jp/fashion/315697/

昨日急いで彼の家に行こうとすると「今日用事が…」と言われた理由がコレかぁ!ベルト¥23,100[参考価格](アトリエ アンボワーズ/アマン)バッグ¥165,000(ボナベンチュラ)パンプス17,050(ダイアナダイアナ 銀座本店イヤリング¥6,820〈イットアトリエネックレス¥14,850〈エイアッシュ〉(ともにフォーティーン ショールーム

タツノリ]シャツブルゾン¥63,800(デザインワークス/デザインワークス 銀座店)Tシャツ¥9,350(レミ レリーフユナイト ナインパンツ¥19,800(アウール/アウール阪急メンズ大阪)その他/すべて私物

ゾンビ女・モユ]すべて私物

今月の主人公は…

マユ

ブラック企業勤務(30歳)。どんなに辛い仕事も持ち前の超ポジティブ思考で乗り越えてきたものの、残業続きの毎日はさすがに限界…。そんな中プライベートでも、彼氏タツノリ(製薬会社勤務・イケメン)の浮気が発覚。ただ長年付き合ってきた情もあって、別れられず…。好きな言葉は「逆境の時の友が真の友」「睡眠」「激辛」。

2023-12-14

離婚した旦那再婚相手女性最近仲がいい

色々あって知り合い、出張で近くに来たときは必ず会うようになった

お互い、自分立場は全て知っている 知った上で会っている

女性といっても私より7つ下で女の子という感じ

懐に飛び込むのが上手いというか、どこか愛嬌のある雰囲気の人で一緒にいると気分が明るくなる

好きだ 苦しい

もっと世話を焼きたい

旦那に貰ったらしいイヤリングを見て悔しくなる

私ならもっとハイブランドのものを買ってあげるのに マンション地方賃貸じゃなくて分譲に住める 私の家の子になってくれ

2023-12-06

コンビニを出入り禁止になった頃の思い出


思い出を語ってみる。俺はしがない社会人だけど、できるだけ面白くなるよう心掛ける。

あれは確か、2021年秋だった思う。当時も今も、うちの家の近所に老舗のスーパーマーケットがあってさ、朝早くに行ったら居酒屋だと刺し盛り2,000円だろ!! ってレベルの新鮮な刺身パックが売ってた。

それが楽しみで、週に二度通ってた。たまに、生マグロとかウナギ解体ショーもやってたけど、コロナ禍のせいで中止になってしまった。今でも再開されてない。

さて、ある秋の日の午前だった。いつものように刺身パックを買って、あと昼酌のためにビールも買って、そのスーパーマーケットレジに並んだ。そしたら、いつもいる小柄な大学生ほどの女の子レジを打ってたんだが……。

「あっ!!」

つい、驚いてしまった。本音だった。その子はびっくりしてた。

ここまできたら、恥ずかしいけど言うしかない。当時はそう思ったはずだ。

「〇△さん、髪切りました!?」

そんなことを言った。善意でも悪意でもなかった。思ったことを口にしただけだ。

するとさ、その女の子がさ、

はい…切りました…」

って、悄らしい感じで答えるのだ。まごまごしてた。

の子刺身パックとアサヒの缶ビールを手渡して、当時は有料化されたばかりのレジ袋も渡して、お会計で千数百円を出した。

すると、その子が小銭をレジに入れる前に、チャリーンと落とした。すぐに拾い上げた。慌てていたんだろうか、お釣りは受け皿に置いたけど、割り箸レシートもくれなかった。

袋詰めコーナーで刺身レジ袋に入れて、レシートゴミ箱に捨てた後で○△さんの方を見ると、片手を後ろに組みながら、左足?のつま先で床を掘り返すような仕草をしてた。この場面は記憶に残ってる。

正直、気持ちが悪かったと思う。相手にとっても。俺にとっても。俺、そんなに若くもないのに……当時は31だったけど、やはり若くはないと感じる。でも、その時から俺はなんか、変わった気がした。

それから、チャンスがある時はその女性店員S子さんと雑談をした。俺のほかにおじさんやおばさんがレジ店員と会話してるのを聞いて、天気の話とか、メイクが変わったこととか、相手ちょっと褒めるのとかした。

S子さんが喜んでくれるのが嬉しかった。うざそうにしてたらすぐにやめたけど。



でも、俺は調子に乗ってしまった。

ひとつは、その年の冬だった。レジコーナーに行くと、レジ打ちの人の中に、背が高い20代前半ほどの女性と、もう一人レジ係がいた(2人組)。俺がレジに入ろうとすると、背が高い方のT子さんが、両手で無言でブロックサインを作った。

前を見ると、そのレジは止まってた。客と店員の話を聞くに、カード割引の電子決済トラブルがあったようだ。T子さんじゃない方の子マイクスペースに行って店内コールをするんだけど、これは……「聞こえてないな」と思った。

チラッとT子さんを見た。不安そうな顔で立ってたよ。それで、俺は彼女に声をかけたのだ。「今の聞こえてないよ。あなた社員さん呼んできたら」と言った。すると、T子さんは走り出して精肉コーナーの方に向かった。

社員さんがT子さんと一緒にやって来て、レジ操作して事なきを得た。夕方~夜だったはずだ。3割引の刺身を買っていた気がする。

次の来店時から、T子さんのレジに並ぶと会話が弾むようになった。ピアスとか、イヤリングとか、シルバーリングとか、いろいろ付けてる子だった。アクセサリーの話もしたし、進路のことも話したかな。

ある日の夜だった。半額ハンターとしての役目を終えてレジコーナーに向かうと、そのT子さんのレジの隣に、先ほどの背が低い子(S子さん)がいた。俺は何も考えずにT子さんのレジに並んだ。

そしたらさ、それを見たS子さんがどっかに走って行くんだよ。サービスカウンターっていうのか、お歳暮地元土産物が置いてあるコーナーだった。

S子さんに悪いことをした。罪悪感が込み上げてきた。確かに、S子さんとはたまにしゃべってた。会計の時、「こんばんは」「雨が多いですね」とか一言二言くらい。

でも、当時の俺にはそういうのが非常識だとわからなかった。今思えば恥ずかしい。穴があったら入りたいよ。

T子さんとは、それから偶然スーパー駐輪場で一緒になって、そしたら話が弾んで、電話番号を交換して、一緒にご飯に行った。それから何度も、いろんな場所に連れて行ってあげた。いい子だった。

付き合ったのは半年だったけど、いい思い出だった。先日、バッタリと会う機会があった。おいしい物を奢ってあげた。



残りひとつコンビニだ。あの当時、近所のコンビニでも女性店員と話をしていた。どっかの遊戯王キャラクター台詞じゃないけど、「お前、キモイだろ!!」みたいな感じだった。

当時はまだ、T子さんとの付き合いに発展する気配はなかった。というか恋愛に興味がなかった。でも、コンビニ店員に声をかけてみたいと思っていた。愚かだった。

そのコンビニには、姉妹同士と思しき店員が働いてた。一緒にシフトに入っていることが多かった。そのコンビニは、時間が経った店内調理品を値下げするタイプだった。俺がさ、仕事帰りに唐揚げとかカレーパンをまじまじと見てると、姉の方は目の前で割引シールを貼ってくれた。控えめに見て神だった。妹さんは接客がしっかりしてて、とても高校生には見えなかった。

その姉妹とか、ほかの店員さんとも会計の時に話をしてた。十秒以内だけど。天気の話とか、好きなホットスナックとか、見た目が変わったこととか、他愛のない話ばかりだ。

師走の頃だったか。いつものようにコンビニに入ってヤングジャンプを読んでたら、なんとお廻りさんに呼び止められた。「ちょっと来てください」と言われて、パトカーに乗せられた。コンビニ駐車場に1台だけパトカーが停まってるのって、なかなかシュールだったよ。

それで、ポリ公の2名からこんな職務質問を受けた。

(ポリツァイ×2から職務質問

・「女性声かけしてる人がいる」という店から相談があった

・詳しくは言わないけど、ある女性店長さんに言ったんだって

・ほんとに変なことしてないよね?

・もうこんなことはしない方がいい。あなたもいい年なんだから

あなたにとっては気軽でも、相手にとってはそうじゃない

それで、パトカーの中で詰問が続いた。俺が犯罪をやってるみたいな決めつけだった。正直ムカついた。だが、相手お上だ。忍耐しか勝たん。唯一の道だ。

お巡りさん(ポリツァイ・若)に、「あ…そうだ。身分証見せて」と言われた。俺は免許証と一緒に、名刺入れの中から地元町内会子ども会の役員)の名刺を出した。

会社名刺はある?」とお巡りさん(ポリツァイ・老)に聞かれたけど、「土木作業員なんで持ってないです。この見た目でわかるでしょう」と答えた。本当は地元区役所勤め(※時々作業着を着用する事務吏員)だったか名刺を持ってたけど、見せたくなかった。

だって、こいつらは俺のことを犯罪者扱いしてる。それこそ小学生の頃から地元一筋で生きてきたのに。横浜田舎だけど此処が本当に好きで、ずっと地道に活動してきた。子どもながらに地元イベントの手伝いを何度もした。大したレベルじゃないけど地元に貢献してきた。

から、高三の時に区役所試験を受ける時だって祖父や実父が顔を利かせてくれたし、学校先生や、剣道部監督コーチだって学校単位で推薦状を書いてくれた。「できることはやった。試験がんばれ」って応援してくれた。

(以下追記

※誤解があったらよくないので弁明する。地元のために活動してる人が公務員試験で有利になるのはありうる。ルールに書いてないだけで。実際、俺以外の採用者を見る限り、地元枠というのが明らかにある。ルールに定めはないけど、故郷を想う人を優先するのが地方公務員試験のあるべき姿だと思う。国の機関だったら、外務省非公式ながら縁故採用してるじゃん。国にとって大事な家柄や血筋の人を採用してる。それくらい、社会では『つながり』というのが重要視される。

まあ、警察官に疑われたのはいいよ。実際、俺は悪かった。だけども……お巡りさん通報を受けたので仕方ないにしても、問題はあのコンビニ店長だ。一応、顔は知ってるけどさ。

同じ組内(くみうち)なのに、あの人は町内の溝上げにすら参加しない。お前がひい爺さんの代から経営してる商店(コンビニ)の前の水路、俺らがさらってるんやぞ?? と、急に怒りが込み上げてきた。

子ども会の行事での弁当発注とか、イベントが終わった後の飲み会地元店を順繰りに利用してるのを思い出すと、さらに腹が立ってきた。

そんなこんなで、職務質問は15分ほどで終わった。あの時、子ども会の名刺を見せた途端、警察官二名対応が一気に緩くなったのだ。以降は和やかムードになった。

その一人(ポリツァイ・老)は、俺の祖父を知ってるみたいだった。「あー、連合会長さんのお孫さんなんですね」って感じだった。「今は故人です。お世話になりました」と言っておいた。

漸くパトカーから解放されて、警察官に連れられてコンビニの中に入ると店長さんがいた。それで、出入り禁止を告げられた。

「……そういうことなので。今後のご利用はなしでお願いします」

「わかりました。そうします。すいませんでした。ただね、店長さん。そう思ってたんなら、話をしてもらいたかった。いきなり行政ではなくてね、同じ町内なんだから店員さんに話しかけるのが迷惑なら、まずは言ってほしかった」

はい……では、すいませんが。今後はご利用はなしということで。お願いしますね」

「わかりました。もう利用しません」

言うまでもないが、子ども関係発注リストからあのコンビニを無くした。町内会寄り合いでも情報を共有した。利用客とトラブル解決の話し合いをせずに警察通報する店があったことを。俺はあの時、嫌な気分になったし、地元民同士で腹を割って話し合えないような者と付き合いたくない。

子どもの頃を思い出した。昔、俺の爺さんの世代なんかは、何かあるごとに皆で公会堂に集まって、午前中に話し合いが始まって、昼になろうと、日が暮れようと、夜になろうと、ずっとやってた。話すことがなくなった人から家に帰っていくスタイルだ。夜を跨いだ場合太陽が昇った直後だと討論組と雑魚寝組に分かれていた。

あの人達は、とにかくずっと腹を割って議論し続けていた。そういう農民DNA身体に刻まれていた。それが、この組内(くみうち)のしきたりだ。百姓世界の決まり押し付けるみたいで悪いが、腹を割って話し合いができない奴とは仲良くしたくない。

でも、俺が悪いのは間違いないと思う。だって、俺があの姉妹店員に話しかけなければ、こんなことになってない。悪いことをした。申し訳ない。もし祖父が生きてたとしたら、俺はすごく怒られていただろう。「他人迷惑をかけたらいかん」って、絶対に怒られてる。俺が悪かった。反省してる。

今はこんなことはしてない。大人しく買い物してる。あのスーパーは、今でも週に何度か利用する。買う物はずっと一緒だ。新鮮な刺身と、アサヒビールor焼酎を少々。あとは半額総菜。黒烏龍茶インスタントパック。冷凍食品。そんくらいしか買う物がない。実家暮らしからな。

結局、子ども関係コンビニへの発注分は、こっちのスーパーに移ることになった。大資本がやってるスーパーマーケットではあるが、地元税金を払ってるならいい。



いつまで経っても同じ生活を繰り返すのだと思う。今週もいつもどおり、あのスーパーマーケットで何度か買い物をする。それで、日曜日には水路の清掃とか、子ども会の伝統行事とか、ほかの地区と合同で〇△フェスティバルをやったりする(小中学校の校庭でやるお祭りetc...)。

あとは、そうだ。いつか必ず、子ども会の行事として劇団四季ミュージカルツアー企画してみたい。今思ってるのはそれくらいかな。

こんなことをして一生が過ぎていくんだろうな。そして地元死ぬのだ。できれば祖父みたいに、実家死にたいな。朝起きたら死んでいるのがいい。

話は散らかったが、懺悔を聞いてくれてありがとう。すっきりした。増田の皆さんがよい週末を過ごせるように祈ってる。



追伸

あの後、コンビニとは仲直りしました。

子ども会の弁当発注も元通りです。

2023-11-10

個人的きも男

まずチン毛パーマきもい。通じるかな?チン毛パーマで。

とりあえずパーマかけてみたはいいけどメンテナンスしないから目にかかって前が見えてるかもわからない、あの男子大学生4割がやりがちなパーマのことです。

で、チン毛パーマのやつってオーバーサイズTシャツワイドパンツ履きがちだからスタイルの悪さが目立つ。あとなんかおしっこ拭いたみたいな色の布の鞄も使ってるよね。あれなに?

まずは汚ねえ肌を綺麗にしたり服にアイロンかけるとか基礎をやって、プラスパーマだのピアスだの香水だのをするのがいいと思うよ。

で、↑みたいなツッコミどころの多いやつがこっちの見た目にいちいち言及するのやめて。

話題がないけど話しかけたいのは伝わってくる。でも、「今日イヤリングしてないね」「鞄汚れてるよ」「ネイルしないの?」とか。

うるせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。逆効果だわ。細かいことに気づく俺アピのためにいらん指摘をするな。せめて褒めろ。

まあ褒めてられても、好きじゃない男(きもい男)からの褒めはむしろきもいだけなんだけど。

ツイッターでは、「ネイルとか細かいことに気づく男サイコー!」みたいな言説が溢れてるから鵜呑みにしてるのかしらんけど、女の変化に細かく気づく男ってなんかきもくない?どんだけ女見てるんだよっていうか。

たまに気づくとかならいいけど、毎回言われると審査されてる気分になって嫌だな、私は。

2023-10-28

死ねどすスプレーを買った友人と縁を切った話

その日は仕事終わりに旧友と新宿で会う約束をしていた。旧友に会うのは久しぶりで千葉から都内に向かう彼女を待たせまい絶対に定時であがると、前日から”Hi”だか”Helloからだかはじまる、アメリカ人メールを日付が変わる日まで返信していた。結局、別件で上司につかまり仕事は終わらず、約束時間は1時間過ぎ去り旧友に謝罪LINEをいれ、それでも普段就業時間を考えれば相当早い時間仕事を終えた。新宿に到着すると、可憐若草色のワンピースを来た彼女ルミネエストに待っていた。遅れてごめんねと謝る私に気にしないでと彼女はいい、こう言い放った。

死ねどすスプレー買っていい?」

なにそれ。容姿は整っているが放たれる言葉はずいぶん物騒だ。話を聞けば最近流行りのお清めスプレー効果があるとかないとか、最近アルファベットアイコンに変わったSNSでよく見かけていた気がする。いわく、職場看護師をしている彼女は、上司患者に腹が立つため、気休めにでもそれを買いたいのだという。ルミネエスからルミネ1に移動し、キラキラしているコスメショップの中に、それはあった。私が思い浮かべていたお清めスプレーだけでなく、他にもいろいろ種類があるらしい。縁切りとか、氣とか、恋とか。恋人のいる彼女は恋以外の3種類を買っていた。外回り仕事をしている私はその日足が限界を迎え、時間時間だったのもあり、カフェに入った。

上司がむかつく、患者がむかつく、最近歳を感じる、結婚の話。20代半ばの女が集まれ愚痴悪口だ、どんなに綺麗事を言ってもこれが現実。でも時には毒を吐かなきゃやってられない。

彼氏さんとはどう?結婚しないの?私分からないんだよね、最初から結婚前提で付き合ってたか結婚を機に別れる人がいるの」

プロポーズされたことは慎重に話さなければいけない。20代女性にとってそれは時に爆弾になるから結婚するかしないかの問いに曖昧に答えれば、迷ってると感じたのか彼女はそう答える。勘違いされたままも良くないので、プロポーズされたことを話した。

母親の知り合いがね、息子を医学部に入れたの。それで彼女ティファニーをあげたんだって。そうしたら怒ったらしいよ。私だって息子からティファニーもらったことないのに!って」

「そのお母さんすごいこと言うね…」

「そう?やっぱり母親立場からしてぽっと出の女に医学部にまで入れた息子をとられるのは嫌じゃない?」

私の彼氏医者である彼女もそれは知っている。違和感はあった。でも元来良く言えばおっとり悪く言えば鈍感な私は、こうした言葉真意気づきにくい。それでも久々に会う旧友を悪く思いたくはなかった。別れた後のラインにはまた会おうねと連絡をいれる。仕事が忙しくて疲れてるのだろう、彼女学生時代から私にマウントを取ってきたのは幼さ故で、今は違う。そう思って、ほんとうに偶然発見した彼女の裏垢をなんとなく開いた。

「だいたいどんな時でも最高の服を着ていきたいと思うんだけど今日は会いたくない人に会うのに大量の交通費必要なのでマジで大事な服を出したくない」

「すばらしくニュートラルワンピースが一着あってよかった アクセサリー類は途中までつけてって会う前にはずそ」

頭をがつんと殴られたような衝撃を受けた。見なきゃ良かったものを見てしまった罰なのか、心臓が早鐘を打ち冷や汗が流れた。深く物事を考えられず、遅くなるのに各駅の電車に乗りぼーっとしている。

私が褒めた彼女に似合ってると褒めた服も、素敵だねとアクセサリーを褒めればこれも持ってきたと見せてくれたイヤリングも、こんなことを考えていたのか。金持ちだと学生時代に散々自慢していたのに、たかだか片道数百円のお金を大量の交通費という彼女の財力も、バカバカしく思えた。会いたいと私が声をかければ、長く会う必要がない平日夜を指定してきたのも、言葉の端々にマウントをとってきたのもこういうことか。

結婚式あるなら呼んでね。ちゃんと寝てね、体に気をつけてね。またいつでも呼んでね。

こんな言葉の裏で本音は別のところに隠されていた。違和感はあったけれど、そこまで思われているとは気づかなかった。

社会人になるともう喧嘩はできない。ただただ悪意に晒されて怒りを感じないわけではないけれど、わざわざ喧嘩をする労力も、喧嘩をしてまで彼女との関係性を修復したいわけではない。もう二度と会わない。それだけ。

今朝彼女からLINEがきた。お清めスプレーを巻いて数時間で、コロナ蔓延のため病棟への立ち入りが禁止されたという。効果抜群。そう書かれていた。本当に効果抜群だ。私との縁ももう切れたのだから

それでも学生時代嫌なことがあれど良い思い出もある。泣いていた私をずっと慰めてくれたこともある。こんな別れ方はしたくなかった。でも、ここまで言われて関係性を維持するほど、お人好しではなかった。

死ねどすスプレーを買った友人と縁を切った。願わくば彼女にとって私は悪縁で、彼女幸せな道を歩めますように。

…たまには机の角に小指をぶつけてほしいけれど。

死ねどすスプレーを買った友人と縁を切った話

その日は仕事終わりに旧友と新宿で会う約束をしていた。旧友に会うのは久しぶりで千葉から都内に向かう彼女を待たせまい絶対に定時であがると、前日から”Hi”だか”Helloからだかはじまる、アメリカ人メールを日付が変わる日まで返信していた。結局、別件で上司につかまり仕事は終わらず、約束時間は1時間過ぎ去り旧友に謝罪LINEをいれ、それでも普段就業時間を考えれば相当早い時間仕事を終えた。新宿に到着すると、可憐若草色のワンピースを来た彼女ルミネエストに待っていた。遅れてごめんねと謝る私に気にしないでと彼女はいい、こう言い放った。

死ねどすスプレー買っていい?」

なにそれ。容姿は整っているが放たれる言葉はずいぶん物騒だ。話を聞けば最近流行りのお清めスプレー効果があるとかないとか、最近アルファベットアイコンに変わったSNSでよく見かけていた気がする。いわく、職場看護師をしている彼女は、上司患者に腹が立つため、気休めにでもそれを買いたいのだという。ルミネエスからルミネ1に移動し、キラキラしているコスメショップの中に、それはあった。私が思い浮かべていたお清めスプレーだけでなく、他にもいろいろ種類があるらしい。縁切りとか、氣とか、恋とか。恋人のいる彼女は恋以外の3種類を買っていた。外回り仕事をしている私はその日足が限界を迎え、時間時間だったのもあり、カフェに入った。

上司がむかつく、患者がむかつく、最近歳を感じる、結婚の話。20代半ばの女が集まれ愚痴悪口だ、どんなに綺麗事を言ってもこれが現実。でも時には毒を吐かなきゃやってられない。

彼氏さんとはどう?結婚しないの?私分からないんだよね、最初から結婚前提で付き合ってたか結婚を機に別れる人がいるの」

プロポーズされたことは慎重に話さなければいけない。20代女性にとってそれは時に爆弾になるから結婚するかしないかの問いに曖昧に答えれば、迷ってると感じたのか彼女はそう答える。勘違いされたままも良くないので、プロポーズされたことを話した。

母親の知り合いがね、息子を医学部に入れたの。それで彼女ティファニーをあげたんだって。そうしたら怒ったらしいよ。私だって息子からティファニーもらったことないのに!って」

「そのお母さんすごいこと言うね…」

「そう?やっぱり母親立場からしてぽっと出の女に医学部にまで入れた息子をとられるのは嫌じゃない?」

私の彼氏医者である彼女もそれは知っている。違和感はあった。でも元来良く言えばおっとり悪く言えば鈍感な私は、こうした言葉真意気づきにくい。それでも久々に会う旧友を悪く思いたくはなかった。別れた後のラインにはまた会おうねと連絡をいれる。仕事が忙しくて疲れてるのだろう、彼女学生時代から私にマウントを取ってきたのは幼さ故で、今は違う。そう思って、ほんとうに偶然発見した彼女の裏垢をなんとなく開いた。

「だいたいどんな時でも最高の服を着ていきたいと思うんだけど今日は会いたくない人に会うのに大量の交通費必要なのでマジで大事な服を出したくない」

「すばらしくニュートラルワンピースが一着あってよかった アクセサリー類は途中までつけてって会う前にはずそ」

頭をがつんと殴られたような衝撃を受けた。見なきゃ良かったものを見てしまった罰なのか、心臓が早鐘を打ち冷や汗が流れた。深く物事を考えられず、遅くなるのに各駅の電車に乗りぼーっとしている。

私が褒めた彼女に似合ってると褒めた服も、素敵だねとアクセサリーを褒めればこれも持ってきたと見せてくれたイヤリングも、こんなことを考えていたのか。金持ちだと学生時代に散々自慢していたのに、たかだか片道数百円のお金を大量の交通費という彼女の財力も、バカバカしく思えた。会いたいと私が声をかければ、長く会う必要がない平日夜を指定してきたのも、言葉の端々にマウントをとってきたのもこういうことか。

結婚式あるなら呼んでね。ちゃんと寝てね、体に気をつけてね。またいつでも呼んでね。

こんな言葉の裏で本音は別のところに隠されていた。違和感はあったけれど、そこまで思われているとは気づかなかった。

社会人になるともう喧嘩はできない。ただただ悪意に晒されて怒りを感じないわけではないけれど、わざわざ喧嘩をする労力も、喧嘩をしてまで彼女との関係性を修復したいわけではない。もう二度と会わない。それだけ。

今朝彼女からLINEがきた。お清めスプレーを巻いて数時間で、コロナ蔓延のため病棟への立ち入りが禁止されたという。効果抜群。そう書かれていた。本当に効果抜群だ。私との縁ももう切れたのだから

それでも学生時代嫌なことがあれど良い思い出もある。泣いていた私をずっと慰めてくれたこともある。こんな別れ方はしたくなかった。でも、ここまで言われて関係性を維持するほど、お人好しではなかった。

死ねどすスプレーを買った友人と縁を切った。願わくば彼女にとって私は悪縁で、彼女幸せな道を歩めますように。

…たまには机の角に小指をぶつけてほしいけれど。

2023-07-23

化粧品が買えない

肌が弱くて、ファンデーションなるものを顔に塗ると顔がかゆいし赤くなる。そもそも肌が平らでなくていつもどこかに赤い出っ張りがあるし傷跡の凸凹があるし、ガサガサめくれてる。ので、パウダーファンデクリームファンデも塗るとかえって肌が汚くなる。

なのでこれまでファンデは塗らず、産毛剃って眉毛書いて色付きリップしておしまい。だった。それだとあまりにもなので、髪はこまめに切って大きめのイヤリングで誤魔化してた。もう少し化粧感出したい時はまつ毛とチークと白粉付きあぶらとり紙

目鼻立ちが強いせいかメガネからか、若気の至りか諦めか、まあこんなもんでしょってあんまり気にしてなかったんだけど、数年ぶりにマスクなし生活になったら、40歳の肌には流石に肌に何か塗らないと見苦しい気がしてきた。

が、デパート化粧品売り場なら相談乗ってくれるかと行ってみたんだけど、だめだねー。

2件行ってみて2件ともダメだと、二度あることは三度あるでもうどこ行ってもダメな気がするねー。

なんかこう、店員さん? 美容部員さん? と会話が成り立っていない気がする…。

事情説明したら、ボトル3本くらい並べられてこれを順番に塗ってくださいって言われるもんだと思ってたんだけど、

一軒目は何も提案がな買ったのでお話聞いてもらっておしまい、2軒目はファンデ?のサンプル渡してご自宅で試してみてくださいだった。

いや2軒目の方はなんとなくそうなるのはわかるんだが、わし、これがなんだかさっぱりわからん…もうちょっと説明とかないんだろうか…サンプルのパッケージには書いてあるけど、そんなのネット商品ページにも書いてあって、書いてあることがよくわかんなかったか店頭まで来てるんです…というかなんか、こう、サンプル渡して帰ってもらおうと思われた気がする…。

何がわからなくて何に困ってるか伝えられない私が悪いんだろうか。

痒くならないファンデが欲しい→そんなものはない。

ファンデが無理ならなんとなく見苦しくなくするものが欲しい→ポイントメイクに頼るだけなので現状以外に打てる手はない。

ということで、オメーに売れるもんはねーからお帰りくださいってことなんだろうか。

まれてこの方、化粧品売り場で人間扱いされた記憶がない。

写真撮影用にメイクされたことがあって、そんときは一応ちゃんと仕上がったので、絶対どう足掻いても化粧できないってことはないはずなんだけどな。

どう説明したら相談に乗ってもらえるのかわからん

2023-07-10

anond:20230710163210

みんな思ってたで。

俺の母ちゃんでさえ「なに、この人?」とか言ってたで。

(主にイヤリング感想やが)

2023-07-02

anond:20230702130635

ワイの「乾燥ノベルティ」のリストです。

2023-06-27

セミセルフレジで入れ替わる増田酢丸分かれ胃で焦れフルセ見せ(回文

おはようございます

マーケットとかで最近よく見かける

セミセルフレジってあるじゃない。

商品バーコード店員さんが読み込んで何番の台でお支払いお願いしまーすってタイプのやつ。

そんで今朝もそのタイプマーケットでお買い物を済ませて飛び込み前転で案内されたレジに向かったんだけど、

金金金額が私の買ったものトータル違うくて、

買い買い買い物したリストを表示させてみたら

全全全然違うリストが表示されたかレジ店員さんにこれ私のじゃないんですけどって言ったのよね。

結論としては1番と2番のお支払いのところが入れ替わっていて、

私のお支払いを誰かが間違ってしちゃってその人が本来払うべきものが私の案内されたレジに表示されてたの。

私たち入れ替わっちゃった?って

一応ぽこちんがあるか確かめたけど、

なかったので入れ替わったのはレジの支払いだけだったみたいね

そんでそう言ったケース初めてだったのか店員さん少しばかり慌ててて、

店内放送店長呼んだんだけど、

まりにも今まで私がこの時間帯のレジ店長かと思っていた店員さんが店長じゃなかったことが一番ウケたわ!

あなた店長じゃなかったんかーいって。

てっきり店長風貌をしてまったく店長と見分けの付かない店員ってたまにいるじゃない。

それが一番おかしかったわ。

でもさー

間違って私の分を支払った人も金額よく見てないのかしらね

私はその時の会計が500円ちょっと

入れ替わった会計は480円ぐらいであれ?これ安くね?って

思わす私間違って安いの殿堂のお店に飛び込み前前前転で入店してしまっていたのかしら?って思ったんだけど、

違ったみたいでいつものマーケットだったことには変わりなかったのよ。

なので、

あれ?これ私の買い物のレジ金額安すぎ!の私の年収低すぎお姉さんを彷彿とさせる両手で口を覆い唖然とするポーズとかは全全全然してないけど、

安すぎてこれ私の会計じゃないでーすって自己申告した私って偉くない?

まったくもってパンを食べたものけがパンを投げなさい!って謂われを見習いたいほどだと思うわ。

まあ入れ替わった会計も一旦キャンセルしてこれが噂のキャンセルカルチャーなのね!って今流行体験をふんだんに味わった次第よ。

あと全全全然関係ないけどキャンドルジュンさんの耳のイヤリングが気になって気になって何も入ってこないのは彼の作戦なのかしらね

まあよく分からないけど。

でもまた新たに世の中の人がよく分からない職業ひとつとして

ハイパーメディアクリエーターに加えて、

キャンドルアーティストとか

また増えてしまったのよね。

ハイパーメディアってプラネタリウム作ってる人かと思ったらそうでもないみたいで全全全然プラネタリウム関係ないんだって

またひとつ賢くなったわ。

今日の教訓としては

セミセルフレジでは金額をよく確かめましょう!ってことでオーケーよ。

うふふ。


今日朝ご飯

ハムタマサンドです。

いつものパン屋さんじゃない今日の話に出てきたお店で買ったサンドイッチね。

たまには違う角度のサンドイッチとかも食べたいものよね。

いやカタチが違うって意味三角じゃないサンドイッチじゃないって話しじゃなくて、

違うお店のサンドイッチも美味しいわよって話よ。

デトックスウォーター

炭酸レモンウォーラーに氷凍らせたレモンを氷がわりに入れていただく

ひえひえ炭酸レモンレモン入りウォーラーね。

レモン感が少しアップしている気がするわ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2023-06-04

もしもちんちんがあったら

もしもこの身体ちんちんがあったら

どんな感じだっただろう

身体にぶらぶら、ぶらさがるものがついてる

ちんちんも玉もぶらぶら

ゆれるイヤリングをつけることで、身体さらなるぶらぶらしたものを増やすことはできるけど

最初から身体から生えていてぶらぶらしてるものとはまた少し感覚が違うだろう

伸び縮みする玉は、たぷたぷすると楽しいんだろうか

自分の胸を持ち上げるのは、思いのほか楽しいように

そういうパーツがもしも突然増えたなら……

2023-05-30

コンサートMCCMでびっくりした話

ムード歌謡グループ(?)のコンサートに行った。

特段ファンというわけではなく、先月急逝した祖母チケットをとっていたので代理で参加。

祖母形見イヤリングを着け、会場に向かった。

私は草加健康センターホームサウナとしているものの、このグループについての予備知識がなく「つい最近LiLiCo旦那さんがメンバーから卒業し、新メンバーが加入した」くらいのふわっと感だったが

会場に着き、賑わうマダムたちのものすごい熱気を見て、テンションが上がった。

ホールに入場する際にスタッフからあるものを手渡された。健康食品のサンプルだった。高麗人参ゼリーである

同封のチラシにはメンバー写真掲載され、PR動画視聴用のQRコードが載っていた。

ファンの年齢層に合わせてこんなPRもあるのか、と感心していたら、開演。

生演奏とともに華々しく登場するメンバー。歌うめー

2,3曲歌ってMCに入ると雑談?はそこそこに先ほど配られた高麗人参ゼリーの話を始めた。

というかがっつりPRだった。

リーダーの話術でファンサービスも盛り込んでありったが、内容はまぎれもなくPRだった。

…。

これ、観客はチケット7,000円(高い席は11,000円くらい?)払って広告見せられてるの?

その後数曲歌い、ファンサもあり会場の盛り上がりは最高潮

2回目のMCが始まったと思ったら、また高麗人参ゼリーの話が始まった。

プレゼンスライドも用意されていた(A4くらいの紙で物理的にやってたので資料内容は見えなかったw)

いや、話の内容もファンに楽しんで聞いてもらおうという気概は感じるけども。

私はQVCを見ているのか?

もうここで私の気持ち萎えしまった。

物価高だからチケット収入だけではコンサート収益が出ないのだろうか

とか

チケ代上げると売れないのだろうか

とか。

エンタメ利益につなげる難しさを想像してしまい、ひとり世知辛い気持ちになった。

私はここ数年はもっぱらIP知的財産のほう)のオケコン的な音楽イベントしか参加しておらず、アーティストが歌うライブコンサートには10年くらい足が遠のいていた。

最近コンサートはこんな感じなんだろうか。

さて、コンサートも大詰めになりアンコール

このまま終幕と思いきや、ダメ押し番宣

うーん、まぁ番宣メンバー活躍を見れるファン側のメリットがあるものの。

この番宣ファンが参加する仕組みが取り入れられてて、喜ばれている様子に見えたけど。

私は、コンサートって歌や音楽などのパフォーマンスを楽しむ場だと思っていたので、かなり面食らった。

MCもそのパフォーマンスの一環だと思ってて、

メンバー同士の雑談なんかを楽しむ時間で。多少台本はあるんだろうけど。

それが、今日MCがほぼCMだった…。

一緒に参加した両親(本来祖母の付き添い要員)も驚いた様子だった。

父が「純〇は歌える営業マンなんだな…w」と形容していたので、なるほどと思った。

ビジュアルや歌だけでなく、PRスキルがあるので替えの利かない存在なのだろうと。

ファンでない私が「番宣してた番組は見てみようかな」と思ったくらいには面白いMCだったので

ファンの人たちからすると、あのMCCMとして認識しないか、あるいはコンテンツとして満足しているのだろう。

一概にコンサートと言ってもアーティストによって内容は様々なんだな。

さだまさしMCのまとめだけのCD作っちゃうくらいらしいし。

カルチャーショックを受けた1日だった。

2023-03-28

anond:20230328141935

タイトルがそうだから変身シーンのみの話するけど

ひろがるスカイの特徴としてはライブステージの上で踊るように変身するのとラストの縦割りの5枚絵

音楽は素晴らしいだんだんテンションが上がっていく感じがする。変身アイテム文字ステージに浮かび上がるのも良い

変身後にスカイマントを広げるところも、プリズムのあざとすぎるポーズも良い良い

ラストの縦割り5枚絵から予想すると今発表されてる4人に追加の1人が加わるんじゃないかと思う

ちなみにシリーズ通してだと

2人で一緒に変身するバンク最高峰ハートキャッチプリキュア

4人揃った時に左右のイヤリングドレミファソラシドで付くスイートプリキュア

キュアピースが毎回じゃんけんするスマイルプリキュア

変身後にドレスの裾を持ち上げて舞踏会の始まりイメージさせるGoプリンセスプリキュア

歌を歌いながら変身するスタートインクプリキュア

唯一「着地せずに名乗る」キュアラメールがいるトロピカルージュプリキュア

あたりが凄い

20周年記念で公式変身バンクを公開してるハズだから見てみると良い

2023-03-27

anond:20230327192818

あと女の人の趣味に多いのがレディメイド趣味。要するにある程度素材やら何かが用意されていて、マニュアル通り作れば成果物ができるようなもの

アクセサリー作りにこれを感じたのもフェードアウトの一因。結局パーツの組み合わせだなって。レジンにもちょっと手は出したけど。

自分海岸から拾ってきた貝殻にピンバイスで穴開けて作ったイヤリングは今でも自慢の作品(つけないけど)。

2023-03-20

痩せて超絶ブスから美人になったけどずっと容姿コンプ

もともと独り言のつもりで書いたので、ナルシスト表現があるのは大目に見てください。




物心ついた時から私は太っていた。

と言うより、いずれ自分が太ることを予測していた。

初めて体重を気にしたのは小二の頃。

体重計に乗った時の数値が以前よりも大きくなっていることを気にしたのか、その年代平均値よりも大きいことを気にしたのかは覚えていないが、体重計の針が示した数値ははっきりと覚えている。

その時は25kgだった。

BMIというものをよく気にした。


自分が明確に太っているのを自覚したのは中1の頃だった。

周りと同じセーラー服が着こなせなかったのだ。

私の腕は、他の女子生徒が袖からのぞかせるものと同じように細くはないし、なんだかブツブツしている。

体操服もシルエットがダサいし、胸がかなり大きかった。

それに、体育が極端に苦手だった。他の人は軽々と走るトラックが何よりもキツかった。

きっとそんな自分は、他の人の目にはみっともなく映っているんだろうと思った。

ただ、この頃の私はまだましな方だったと言える。

家族もまだそこまで太っていない、普通体型だと言っていたし(それでも太ってはいたが)、何より中学では成績優秀、昔から活発な性格を知っている友人が多かったので、太っていることを何も後ろめたく感じる必要はなかった。

それに、中学生の頃までは私自身美醜の基準がわからなくて、自分容姿が優れていないことを知らなかったのだ。

中3の時に仲良くなった、かなり容姿が優れている男友達は私に対して恋愛感情を抱いているようだったし、それ以外の人からモテた(ただ、この容姿端麗な男友達と比べて私がかなり太っていることに対しては、私自身何か思うところはあった。それにこの男友達は美醜の感覚が壊れているようで、誰よりも男前自分の顔を不細工だと言っていた。その目で見た私に恋愛感情を抱いていたということは、つまりそういうことである)。


言ってしまえば、自分容姿が優れていないのに明確に気づいたのは高校生の頃だった。

高校に入ってからも私は明確に太っていた。

それに、夕方近くの時間になると腹が減ってしまう。

腹が減った以上仕方がないと、食べるのが好きな私は頻繁にホットスナックを帰り道に食べた。

太っている人間が太るものを食べている姿は滑稽なので、隠れながら食べた。

私は時々、自分の体型をいじられた。

脚の長さを測られたり、太っていると言われたり(実際太っているが)した。

それによって、人並みに傷ついた。

顔については明確な言及はなかったが、周囲の人(とくに男子生徒)が私に対してはかなり不機嫌そうに話すのを見ていると、顔も悪く、太っていて、容姿はかなり悪かったんだろうと思っている。

実際、この頃に撮った写真に写る私は、髪も汚く肌も汚く、笑顔は醜くて眉毛が太い、極度に太った姿をしている。


太った人間ものを食べるのは滑稽なのだ

太るものを食べていたら「そんなの食べてるから太るんだよ」と思われそうだし、痩せるものを食べていたら「そんなの食べてんのに痩せてないじゃん、意識だけは高いね」と思われそうである

実際、これは誰にも言われたことのない言葉だが、常に思われているのではないかと怯えていた。

それゆえ、外食をするときは店に知っている人がいないかよく探した。

人が多そうな時間帯は避けて外食した。

他人からどう思われるかなど大して気にしない私でさえ、こうである

それほどまでに、太っているということは自信を失くさせるものなのだ

きっと、太っていて繊細な女の子には、もっと色んな場面で、もっと色んな罵倒言葉が聞こえているんだろうと思う。


高校の3年間は太り続けた。

受験期が近くなったために高3では外で勉強をするようになり、それに伴って休日は基本外食をした。

毎回、ラーメンハンバーガーなど、太るものばかりを食べ続けた。

それ以外の時間も、腹が減れば食べた。

食べることぐらいしかストレスの発散方法がなかったのか、元々食べるのが好きだったからなのか知らないが、とにかくよく食べた。

このままだと痩せられない、ずっと太ったままだから今日で太るものを食べるのはやめようと思っていても、やめられなかった。

痩せる」ということがかなり遠い道筋のように思えて、どうも継続ができなかった。

その時よく見ていたサイトでは、どうやら私はBMI28と少しあって、標準体重よりも16.5キロ重いらしい。

それでも、推奨カロリーほど自分が食べている自覚はなかった。

時々ダイエットを決意しては数日で諦め、熱意を忘れた。痩せなければという意識自分の滑稽な容姿に対する後ろめたさだけが常に頭の片隅にあった。


から覗かせる二の腕はかなり醜くなった。

写真を撮れば、自分の太った体型と汚い顔が強調された。

友達と一緒に写真を撮れば、自分の醜さがよくわかった。

から写真に撮られるのは嫌いだった。

写真に写るときは少しでも痩せて見えるように工夫したし、それでもその後見写真には他の人よりも著しく太った自分の姿が写っていた。

高3の頃に、こんなに太っていても仲が良くなったクラスメイトとの写真にも、太っているから喜んで写ることができなかった。

とにかく、写真に写る自分の姿はひたすらに醜かった。


太っていて、顔も優れておらず、髪も汚い私には、どんな服を着こなすことも難しかった。

まず、「着たい服」ではなく「着られる服」を着るようになる。

「着たい服」など、考えられなかった。

私はまず、普通サイズの服を着ることができなかったのだ。

少しでも痩せて見える服を好んで着た。

どのウエストラインにすると痩せて見えるかばかり気にして、私服を着たときは鏡の前で数分にわたって腰を調節した。

それでも、ふとした時に鏡やガラスに写る自分はかなり太っていて、腕も汚く、特にから見た時の腰の太さが異常だった。

家の暗転したテレビに写る自分も醜かった。

運動もせずに、友達とも遊ばずにテレビなんか見ているから太っていて垢抜けないんだろうと思っていた。


それでも、垢抜けた人のようにオシャレな格好はしてみたかった。

全く垢抜けない容姿でも、綺麗にはなってみたかったのだ。

この汚い顔、太った体でもできるオシャレといえば、髪飾りぐらいだった。だから、髪飾りはよく購入した。

金のピン、青いリボンカラーゴムシュシュなど、あらゆるものを買った。青いリボンをつけた日は、いつもより可愛くなった感じがした。

それでもやはり、あまり変わらなかったが。

ファッション誌も読んだりしてみた。

しかし結局、ファッション誌でさえ遠い世界のように感じられ、誌上の情報を断片的に真似してみては全く垢抜けない、そんな様子だった。


街中では綺麗な人しか見かけないし、綺麗な人はどうしてあんなにも綺麗なのか気になった。

同じくらい太っているのに綺麗な人もいた。あの人たちと自分は何が違うのかわからなかった。

成人式でも、私は醜かった。

成人式の頃にはかなり太っていた。両親と横幅が大して変わらなかったし、下ろせない髪によって隠せなくなった輪郭は、顔の肉を強調させた。晴れ着を着たら多少は綺麗になれると思っても、実際には綺麗になれなかった。せっかくの写真も、何も嬉しくなかった。





転機はいだって急に訪れる。

大学生なってからも変わらず、ウエストラインを調節し続け、周りを気にしながら外食をしていた私は、大学3年生の時に急に思い立ってダイエットを始める。

きっかけは、本当に大したことがなかった。

「暇だから痩せよう」とかの軽い気持ちで、たまたまそう思った日の前日に2万歩近く歩いていたからとか、その程度だ。

痩せるためには食事管理運動だよな、とか思いながら、食事管理アプリで一番ダウンロード数が多いらしい「あすけん」を入れた。

そのまま、忘れないうちに前日と当日の食事入力した。


痩せることは大変ではなかった。

あすけんは、健康的に痩せることをモットーとしているアプリらしくて、(賛否両論あるが)それなりに沢山のものを食べることができる。

ダイエット中でも、世間一般で言われているような「揚げ物は食べてはだめ」とか、「毎回白米の量を半分にして」など、する必要がなかった。

規定値に収めることができれば、ファストフードだって食べられたのだ。

ただ、規定値に収めるために、お菓子を食べることは必然的になくなった。

しろ食事管理を通して自分食生活を数値上で管理できるようになったことで、いつの間にか太ってしまうのではないか想定外のことが起こってしまうのではないかという不安がほぼ全て払拭され、ストレスがなくなった。

このままだと痩せられるはずだという確信があったかである

歩くことも苦ではなかった。

音楽を聴きながらだと、毎日2万歩だって歩くことができた。

脚はかなり疲れた特に大変さは感じなかったし、モチベーションなども保つ必要がなかった。

歩いている途中、どうしてもしんどくなったときは、6月ライブ(のちに10月に延期になる)までに必ず痩せなければいけないことを思い返したり、曲で歌われている美人魔性の女のように自分がなることを妄想したりするなどして乗り切った。もっとも、こんな容姿美人になることを妄想するなど、言語道断であるが。


そうこうして、痩せた。

夏の時期は中弛みなどあったが、合計16キロほど痩せることができた。

ウエストは20cmほど細くなったと思う。

標準体重よりも少し重いが、ダイエット中は体重の数値よりも骨格筋率・体脂肪率などを重視したため、この体重でも見た目は普通の人よりも少し痩せている程度になったのだ。

痩せても大きいままだった胸に対して腰は標準より細く、腕は少し太いもの一般的な太さになっている。


痩せてまず、服を買うのが楽しくなった。

初めて服を買った。大学3年生にして。

黒のスキニージーンズだった。時期は4、5月ごろ。

ジーンズを履くなど、太い脚が強調されてしまって私には絶対無理だと思っていたが、憧れの黒スキニーを履くことができた。

思い返してみれば、その時はまだダイエットを初めて数ヶ月しか経っていなかったため、まだ着こなすことはできなかったが。それでも当時は嬉しくて仕方がなかったのである

家族アウトレットに行くのも楽しくなった。自分表現したいことが、服で表現できるのが何よりも楽しかった。

6月には、以前買ったスーツがあまりにもブカブカになってしまっていた。そのため、スーツを新調する必要があった。それが何よりも嬉しかった。


周囲、特に家族からも褒められた。私自身は大したことをしたつもりはなかったが、母はことあるごとに私のダイエット成功努力結晶だと褒め、認めてくれた。今私は母のダイエットを手伝っている。

遠く離れた祖母も、久しぶりに会った時はずっと痩せたことを褒めてくれたし、それ以降も電話でよくダイエットの話をしては褒めてくれる。認知症が進行したもう一人の祖母も、ふとした時に私が痩せたことに気づいて喜んでくれた。


かなり痩せて、体型も標準に近くなった頃、垢抜けようと思った。

まずは髪型を変えた。10月ごろの話である

眉毛も剃った。3分の1の太さにまで削った。これで丁度よかった。

そして、メイクの仕方を変えた。スキンケアを覚えた。色んなものも買った。パウダーマスカラビューラーグロスコンシーラーアイライナーなど。

特にアイライナーによる変化は凄まじかった。

黒いアイライナーを引くことで、私の強い目力はちょうど良いほどに強調され、かなり化けるようになった。時期は大学3年の12月ごろ。

黒いアイライナーは、たまたまYoutubeで見ていた動画に出てきた女性が黒いアイライナーを使っているのを見て、真似して買った。安物だが、これが私からしたら魔法の道具だった。



メイクをした私は、自分がかなり美人であることに気づいた。

自分で言うのもなんだが、私は美人だったのだ。

もとの顔も、痩せて眉毛を削れば悪い顔ではなかった。少しばかり人中が長いが、その程度大したことはない。

顔の比率理想に近く、肉の取れた輪郭は綺麗な卵型で(若干面長だが)、顔は普通サイズよりも小さい。昔から姉と母に言われていた言葉(太っていたので信じていなかったが)は、本当だった。目の大きさも平均値より大きく、力強い目は目鼻立ちをはっきりとさせ、鼻筋もある程度通っている。目と眉毛距離が近く、口も大きく、芸能人レベルではないがまさに顔タイプエレガントといった形だ。キリッとした顔つきは、周囲の人に賢そう・しっかりしていそう・頼りになるといった印象を持たせる。縮毛矯正をし、アイロンで伸ばした髪は、顔の力強さに負けていない。あの太かった眉毛に伴う長いまつ毛は、私の目の美しさを作り上げている。立体的な造形の顔と長頭の形は横顔の形を綺麗にし、腰の細さを強調させる。


この顔が、さらメイクで化けた。黒いアイライナーはよりはっきりした目へ、書かれた眉毛はより凛とした表情へ変化させ、色白で力強い顔には真っ赤なリップも映える。赤いアイシャドウや濃いチークだって負けず、それどころかより顔を華やかに彩る。マスクを取っても、整った顔立ちは変わらなかった。マスカラではっきりとさせた長いまつ毛は、少し目を細めて現れた奥二重に重なって、憂う表情を美しく彩る。


街を歩けば、通行人が振り返った。周囲の男子学生や男の人が私にだけ優しくする場面だってあった。よく色んな人から眺められた。見惚れられた。彼氏もできた。いつも私の顔を美人だと言ってくれる。ネット上のコミュニティでは、私が美人だという話がよく話題になった。実際に出会ったネット友達は、女慣れしている人でも私の姿を見て固まっていたし、明らかに優しくなっていた。どうやらその後、写真で見るよりもずっと美人だったと言いふらしていたらしい。私の姿を見て美人だと言わない人はいなかった。昔はあんなに綺麗に見えた通行人も、今思えば普通の人だ。

醜く太った、毛深く垢抜けない女から、誰もが認める美人になった私は、お洒落に目覚めた。真っ黒なワンピース、激しいピンクの色、かっこいいベストなど、強い色の服や上品そうな服を身に纏った私は、ミステリアス不思議な魅力を持つ美女とも言えた。イヤリングは顔の煌めきを増大させるし、特殊な色のネイルだって負けなかった。


痩せて美人になってからの私は、よく音楽聴くようになった。聴く音楽対象が変わった。

美しい歌声で歌われる妖艶な曲に自分を重ね合わせたし、繊細さを重ね合わせたような曲のような価値観を持ってみたいとも思った。私の容姿だと、そのような価値観を持っていてもきっと絵になると思ったからだ。私はここ数ヶ月間、美人自分と美しい曲を重ねては、綺麗な自分に酔いしれ続けている。それはもう、異常なまでに。

きっと今までずっと醜く、虐げられるように生きることを続けてきたから、その反動が大きかったのだと思う。もう周りを気にしながら外食をする必要なんてない。大手を振って表を歩ける。私は痩せて美しくなってから、以前のようにこそこそと生きる必要は無くなったのだ。

そしてこれからしばらく、美しくなった自分に酔いしれ続けるのだと思う。綺麗な服を集め、もっと上品になって、周囲の人からは高嶺の花として扱われて生きるのだ。


それでも、つい一年前まで醜かった自分の影は消えない。私が美しくなったのはここ数ヶ月での話しだから、それまでに虐げられてきた記憶の方がずっと長い。目を閉じれば、高校生の頃のクラスメイト男子生徒の、私にだけ雑な扱いをする様子がフラッシュバックする。今だって、太っている人や不細工な人を馬鹿にする言葉には腹が立つ。容姿が優れている友人と扱いが違うことを語った漫画ツイートには、思わず共感して読んでしまう。所詮ここ数ヶ月で綺麗になっただけの私は、外見が変わろうとも中身はほとんど全く変わらないのだ。昔の醜かった自分を見下し、悦に浸りたくとも、浸り切ることはできない。


しかし、やりたいことはある。太っていると周囲の人が本性を表すとは本当のことで、きっと私に対して明確に態度が悪かった人は、そういう人なんだろうと思う。そして、私が太っていた時から仲が良かった人は、本当にいい人なのだ

私のことが、高校の頃から好きな人がいるらしい。もうすぐ4年になる。私は彼に対して恋愛感情はなかったので、ずっと見てみぬふりをしてきたが、もし今の彼氏と別れたら、会いに行こうと思う。

その友人も容姿はそれほど優れていないし、言ってしまえば内気な人だ。きっと、人の容姿などもあまり気にしないんだろうと思う。

それでも、こんなに美人になった私をみてほしい。彼が好きになったのは私の容姿ではないにしても、昔よりも綺麗になった私をみて、感動してほしい。そして、それでも中身は変わっていないことを伝えたい。

2023-03-04

略語は有名だけど正式名称があまり知られてないもの

・ビー玉(ビードロ玉。B玉ではない)

ピアノ(クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ

演歌演説歌)

寒天(寒ざらしところ天)

食パン主食パン

Suica(Super urban intelligent card)

ペペロンチーノ(アーリオ・オリオ・ペペロンチーノペペロンチーノ唐辛子の意)

バスオムニバス映画などのオムニバスは、乗合馬車乗合自動車意味からきている)

首相首席宰相

SOS略語ではなく、何の意味のない言葉

こんにちは今日はお元気ですか?)

ピアスピアスト・イヤリング。穴を開けるイヤリング

ワイシャツホワイトシャツ

プチプラプチプライス)

・&(アンパサンド

教科書教科用図書

グランピンググラマラスキャンピング。華やかなキャンプ)

おならお鳴らし

NG(NO GOOD)

OKAll correct)

切手切符手形

軍手軍用手袋

サックスサキソホン)

・割り勘(割り前勘定

ダントツ(断然トップ

ガチガチンコ。ガチンコは相撲の立ち合いで「ガチン」と鳴ることから

2023-02-16

彼女イヤリングカラーをしたいと言ってきた

嬉しい。

若い子がしてて、可愛くて綺麗だなぁと思ってたけど、美人ですごく可愛くて綺麗な彼女がしてくれると聞いて、すごくうきうきしてる。

アラサーまでどうていだった自分でも生きててほんと幸せを味わっている。

楽しみだ。

2022-12-23

anond:20221223200657

なんかの部族イヤリングがちゃがちゃつけがちな理由がわかってよかった

2022-11-02

anond:20221102101223

イヤリング引っ張れば取れるが。挟んでるだけだし。イヤリングたことないのかしら。

2022-10-12

anond:20221011001223

俺はイヤリングで倒すエイリアンもの

残弾がセーブリロードしてても弾はリロードできない仕組みに負けたよ

あと1つだけの状態で「体調いいときに再トライしよ」つって放置したよ

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