はてなキーワード: ファインプレーとは
膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断超弾丸ツアーに申し込んだ話。
一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね
四章 40万()のアクセサリー
五章 ナポリと靴
七章 ローマの夕食
・激重スーツケース
・自慢話と夏の空
・ボッティチェリに敬意を示して。
・嵐ってすげぇや!
孫が中学三年になるのに合わせて祖母が海外旅行に行きたいと言い出した。
昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。
そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子のわたし。
おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかったことを私にしてる感じ。
あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。
「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。
当時は何も知らんかったから旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。
祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつの都市に留まってゆっくりしようねって話してた。
それが5月のある日
って。ねぇ、あんた。
パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。
身体に爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。
テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。
1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」
まって??
いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。
だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから。
ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばのショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。
今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分のスーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。
「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたから大丈夫かと思ってた。
予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。
でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある?
現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。
「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」
現地で買うって?言ってませんでした????
ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。
既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。
オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。
イタリアに着いて初日、夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテルに直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。
10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。
ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。
シャワーが出ないのだ。
普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。
このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。
困った。いちおう先進国なのに世界共通で必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある
長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。
しばらく考えて、海外経験の豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。
あんたも知らないんかーい
いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人のスタッフとコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。
それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。
その間も祖母は3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。
型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。
蛇口から水を出した状態で蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見殺しか?
なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
歩く!歩く!歩く!
超弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン♡世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。
例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。
老人、己の体力を過信するな。
もしかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!
数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生の遠足帰りのバスより爆睡率が高い。
寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。
日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。
私はイタリアに行ってまでソシャゲのガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterにつぶやくだけになった。景色は飽きる
大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。
そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバーで早口で観光地の説明をするから忙しい。
実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光はRTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。
参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。
観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤のガイドで挟む姿勢を取る。
私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。
前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。
「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
うん、まあ、なんだろう。同情できない。
列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???
ガイドさん、ごめんな。
杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭の10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?
閑話 クソ重スーツケース
表題の通りである。おばあちゃんのスーツケースがバカクソ重いって話。
おばあちゃんのスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、
「何も入ってないのよ〜このスーツケース古いから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。
重量制限は23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。
ナニモ…入って…ない…❓
スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。
ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワインは旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。
旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。
閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。
一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。
ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。
ミスター味っ子で存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。
漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。
記憶のTボーンの比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?
まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。
肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた
私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアーの参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。
そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母が
「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」
と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。
何故。
嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルにマウントになる人なのだ。純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。
そしてその素直な性格がこの旅行を悲惨にした一番の原因である。
ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母は理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。
言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。
3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」
イタリアといえばベネチア、水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。
こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材?
祖母の特徴を端的に並べると
・謎の自信を持つ。
・反面、少々過剰に心配性な面もある。
・介護の息抜きに海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。
謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソードで祖母の人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化に拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否の姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。
ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。
わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?
修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。
しかし一番直近でも10年以上前、イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正マシマシ)に浸り続けている。
ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。
海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパの建築様式で作られたカラフルな屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。
水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時
「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」
見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。
やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝。もっとありがたがらせてくれ。
隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。
KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。
これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母の発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。
以上、ベネチアでの思い出でした。
まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストアの店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間で迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います。
四章 40万()のアクセサリー
「無いわね〜」
「何かなくしたんですか?」
「アクセサリーが入った袋がないのよ」
昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。
「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」
パタパタと探してる最中の爆弾発言に思わず固まった。なんだって?
「あれ全部で40
膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断超弾丸ツアーに申し込んだ話。
一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね
四章 40万()のアクセサリー
五章 ナポリと靴
七章 ローマの夕食
・激重スーツケース
・自慢話と夏の空
・ボッティチェリに敬意を示して。
・嵐ってすげぇや!
孫が中学三年になるのに合わせて祖母が海外旅行に行きたいと言い出した。
昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。
そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子のわたし。
おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかったことを私にしてる感じ。
あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。
「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。
当時は何も知らんかったから旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。
祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつの都市に留まってゆっくりしようねって話してた。
それが5月のある日
って。ねぇ、あんた。
パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。
身体に爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。
テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。
1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」
まって??
いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。
だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから。
ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばのショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。
今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分のスーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。
「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたから大丈夫かと思ってた。
予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。
でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある?
現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。
「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」
現地で買うって?言ってませんでした????
ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。
既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。
オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。
イタリアに着いて初日、夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテルに直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。
10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。
ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。
シャワーが出ないのだ。
普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。
このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。
困った。いちおう先進国なのに世界共通で必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある
長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。
しばらく考えて、海外経験の豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。
あんたも知らないんかーい
いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人のスタッフとコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。
それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。
その間も祖母は3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。
型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。
蛇口から水を出した状態で蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見殺しか?
なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
歩く!歩く!歩く!
超弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン♡世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。
例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。
老人、己の体力を過信するな。
もしかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!
数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生の遠足帰りのバスより爆睡率が高い。
寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。
日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。
私はイタリアに行ってまでソシャゲのガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterにつぶやくだけになった。景色は飽きる
大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。
そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバーで早口で観光地の説明をするから忙しい。
実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光はRTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。
参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。
観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤のガイドで挟む姿勢を取る。
私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。
前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。
「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
うん、まあ、なんだろう。同情できない。
列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???
ガイドさん、ごめんな。
杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭の10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?
閑話 クソ重スーツケース
表題の通りである。おばあちゃんのスーツケースがバカクソ重いって話。
おばあちゃんのスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、
「何も入ってないのよ〜このスーツケース古いから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。
重量制限は23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。
ナニモ…入って…ない…❓
スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。
ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワインは旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。
旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。
閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。
一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。
ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。
ミスター味っ子で存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。
漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。
記憶のTボーンの比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?
まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。
肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた
私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアーの参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。
そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母が
「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」
と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。
何故。
嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルにマウントになる人なのだ。純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。
そしてその素直な性格がこの旅行を悲惨にした一番の原因である。
ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母は理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。
言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。
3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」
イタリアといえばベネチア、水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。
こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材?
祖母の特徴を端的に並べると
・謎の自信を持つ。
・反面、少々過剰に心配性な面もある。
・介護の息抜きに海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。
謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソードで祖母の人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化に拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否の姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。
ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。
わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?
修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。
しかし一番直近でも10年以上前、イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正マシマシ)に浸り続けている。
ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。
海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパの建築様式で作られたカラフルな屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。
水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時
「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」
見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。
やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝。もっとありがたがらせてくれ。
隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。
KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。
これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母の発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。
以上、ベネチアでの思い出でした。
まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストアの店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間で迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います。
四章 40万()のアクセサリー
「無いわね〜」
「何かなくしたんですか?」
「アクセサリーが入った袋がないのよ」
昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。
「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」
パタパタと探してる最中の爆弾発言に思わず固まった。なんだって?
「あれ全部で40
先日、SNSで「Aで○○って珍しくない?」という旨の投稿をしたところ、「そんなこと言い出したらBは××(○○の対極)だよ」と言われた。
多分相手は「○○か××に偏ることくらいよくあるよ」と言いたかったんだろう。俺はなんかモヤモヤしつつも「逆パターンやな」と返した。
だが、それだけのやり取りがずっと引っ掛かっており、あるとき突然このモヤモヤの正体が「だからなんやねん」であったことに気が付いた。
だからなんやねん。俺はあくまで「Aにおいて」○○が珍しいとう話をしたのであって、Bの話は1ミリもしていないのだが?
思い返すと微妙に腹が立ってくる。「逆パターンやな」という安牌な返しをして適当にその場を流したのはファインプレーだった。別に俺はそいつとケンカがしたいわけじゃない。
思い返してみればこいつは今までも俺が「すごいことに気が付いちゃったんだけど!」というトーンで話をすると「まあ△△は□□だしそりゃ当然だろうな」みたいな返しをしてくる奴であった。
人の話題を矮小化してくるのである。指摘がちょっとずれてることも多い(単に俺の発言の意図が伝わってないのかもしれんが)
じゃあ俺はそいつに自分の意見を噛み殺し、内心で「コイツこんなことにも気づかんなんてアホやな」と思われたいのかと言えば別にそういうわけじゃない。俺がそいつの立場でも相手の主張が間違ってるなと思えば訂正したくなることはあるし。
ラグビーワールドカップ・ニュージーランド大会とスポーツアジア大会が始まった。
今回に限らず、世界的なスポーツ大会では、メディアは日本応援一色になるのが常だ。
(ノーベル賞とか海外で活躍する人とかについても同様の傾向があるが、ここでは取りあげない)
毎回のようにこのムードを見せられると、はっきり言ってうんざりしてくる。
嫌なら見るなといわれても、どうやっても目に入ってくるので、どうしようもない。
私が思っていることをつらつらと書いていきたい。
幽谷霧子(の中の人)と同じ日に生まれた(投稿日現在)27歳男。ちなみにアナスタシアの中の人は誕生日が一緒。
個人的にアングラネタ(淫夢、Syamu、オウム、北朝鮮、恒心教)が好き。
面白い人(元首相銃撃の後ろで転んだ女子高生、「私は森の妖精です」の人、優木せつ菜推しの上履きの匂いフェチなど)も好き。
ハプニング(まれに起こるストライキ、皇族のコロナ感染、北朝鮮のミサイルなど)はもっと好き。
シャニマスのキーホルダーが生徒にウケた。デレマスのフルグラフィックTシャツ(二次元コスパ)で授業すればもっとウケた(そのまま退勤したら女子高生にすれ違いざまにキモイと言われたが)。
っていうか、10月のシャニマスのライブ、ゲーム先行と一般抽選両方やって全部外れたんだけど。
せっかく283プロのレッスンジャージにイルミネーションスターズの腕時計、ライブ公式グッズもいろいろ買って準備してたのに。
言いたいことはこれに尽きる。
別にどこが勝とうと自分には何のメリットもないのに、なぜ日本だけを応援するかわからない。
もちろん日本が勝ったら給料が上がるというのであれば応援する理由にもなるし、本気で応援する。しかし現実そうではない。
自国やそこにいる人やチームなどを応援する気持ちは、どうやら昔軍隊がいたころの名残なんだそう。戦勝は自民族の生存に直結するためだからだ。
現在の日本だと、防衛大学校がこれと似たような状況になっているらしい。
というのも、2年次の手漕ぎボート大会で自分たちの宿舎が勝てば、宿舎の雰囲気がよくなり今後の学生生活がぐっと楽になるから、1年生は先輩を本気で応援するんだそう。
でも日本全体が防衛大学校と同じ環境なわけはないし、それに日本人や日本代表チームは軍隊ではない。別に勝ったとしても生存には関係ない。
仮にそれが軍隊だったり、日本戦が戦争に相当するようなもの(結果で自国の未来が決まる)だとしても、そのうち日本は衰退して消えるんだし、あまり応援する意味はないんじゃない。
もし日本が消えても、なんだかんだでどこか別のところに拾ってもらえるんじゃないかしら。なんなら英語できるし。
言い換えると「日本が勝ったからといって、自分が勝ったわけではない」「スゴイのはその選手やチームであって、自分ではない」ということ。
なので、日本が勝とうが自分がすごいとは思わないし、正直日本戦の結果はどうでもいい。
ほぼ毎回のように「感動をありがとう」なんていうメッセージが飛び交う。
しかし私は、なぜ日本代表が勝っただけで感動するのかわからない。
同じ日本人でも、私は日本代表のメンバーではない。自分のことではないのだから勝とうが負けようがどちらでもいい。
日本代表が勝ったとして、自分には何の影響もないのだから、感動するわけがない。
感動がらみでいえば、選手側からの「感動を与えたい(届けたい)」がある。
日本戦で感動しないのは上で書いたとおりだが、その前に感動は自分で勝手にするものであって、誰かに与えてもらうものではない。
というか、「与えたい」とはずいぶん偉そうだこと。
「俺様たちの素晴らしいプレーを見て感動しやがれ」とでも言いたいのだろうか。
「与えたい」もそうだが、「届けたい」もひどさ満点の言葉だ。
だから押しつけがましいつってんの。要らないのに勝手に押し売りするのやめてもらえませんかね。返品していいっすか。
よくテレビで言われる、(日本代表の活躍などに)「日本中が熱狂した」。
自分たちの思っていることをそのままメディアに起こすのであれば、どこかは対戦国を応援していたりしていてもいいはずだ。
まぁ、今のインターネットの状況を見ているとさもありなん、って感じかな。
少し日本を応援しないだけでやれ反日だ、○○人だ(なんかそういうデータあるんですか?)、祖国に帰れ、などと、愛国心しか取り柄のない暇人日本人が騒ぐ。
そういう意図がなくても、誰かの勝手な妄想で尾びれ背びれがつくものだから、ありもしない話が出来上がっていく。
逆にこの炎上を逆手にとって注目を集めることもできるが、マスメディアがやるとリスクが高いのだろう。
それに、スポーツ観戦は結果がはっきりしてる分、自分のパッとしない人生を自分が頑張れない分投影できて人気もいいらしい。
となると、無理やりでも日本を応援して、そういう人たちのニーズにこたえた方が堅実に利益になるというわけか。
もしそのムードに水を差すと思われる発言をした出演者に対しては、他の出演者は軌道修正を図るか、冷たくあしらいなるべく関わらないようにする。
前者はファインプレーを視聴者にアピールし、人気を得るために使う。
後者はこちらに延焼しないようにするためのもの。和田アキ子あたりがやっていたような(こちらはリスクを冒してまで人気を取る必要もないんだけど)。
マスメディアがダイレクトに日本を応援するのはよくあるが、一見中立に見せかけてやっぱり日本を応援するパターンもある。
それは、このように識者や人工知能を使って勝敗を予想するパターンだ。
そりゃそうだ。日本が負けるなんて言えないもんね。
この押し付けがましい応援ムード、どうも裏で金が動いているように感じてしまう。
スポンサーがうるさいから、下品な音とテロップで日本応援ばかりしてるようにしか見えない。
出演者はもっと大変だ。どんなに心にないことだろうが、どんなに勝ち目がなかろうが、無理やりオーバーな声とジェスチャーで日本を応援しないと仕事がなくなるもんな。
多くは雇用契約でなく、メディアや所属事務所との個人契約なので、簡単に切れるし。
一見プライベートを映してそうなSNSも、結局は営業のためのツールに過ぎない。
プライベートでも応援してますって風を装って、オナホアピールをしているだけなんだよな。
しばしば、試合会場で自主的なごみ拾いをしていることから「日本人は世界一マナーがいい」といわれることがある。
だがそれは対外的なもの(国内外に対する宣伝)であり、見えないところでのマナーはお世辞にもいいとはいえない。
・郷に入っては郷に従えを錦の御旗に、外国人を差別(イスラム教徒に豚肉を食べさせたり…)する
・法で認められた権利を主張しようすると、同じ立場のくせして足を引っ張ってくる
・「自分に実害がなければ別に私はいいですよ」というのが理解できずいちいち無関係な他人に干渉する→多様性の阻害
・なによりも匿名や強い立場になると何でも言っていいと思っているし、実際にそうする
…まだまだあるが、全部日本人がやってることだが。これのどこがマナーがいいんだ。
そのくせ、何の合理性もないマナーを放置(上座下座とか)したり、余計なマナー(マナー講師、お前らだよ)を作ったり。
日本は災害が多いが、そのたびにスポーツが出てきて、スポーツの感動で復興みたいはわけのわからない話が出てくる。
そのたびに言われるのが「みんな一緒になって頑張ろう」とか「絆」てきなフレーズだ。
そのくせして、なんで勝手に見ず知らずの人と絆があったことにされ、協力を強制されるのか理解できない。
絆は感じたい人だけで、協力はしたい人だけで勝手にやっていればいい。こちらを巻き込むな。
日本の応援と一緒に、他国(特に韓国)を貶す動きがみられる。特にTwitter(現・X)。
過度な応援ムードだけでも十分気持ち悪いが、他国を貶し負けを願うものはもっと気持ち悪い。
相手を貶して、そして相手が負けたからといって、何になるんだろう。
話を聞いてみると、昔貶されたから貶してやるんだそう。
どこを見ても日本応援一色だ。嫌なら見るなといわれて他を当たろうにも、やはり同じものが目に入ってくる。
スポーツ観戦しようにも、せめて一歩離れて中立に見たいのに、ここまでニッポンニッポンうるさいのは勘弁してほしい。
他のチームの状況を知りたくても、ほとんど取り上げない。それどころか、日本が負けそうになると中継を切ることさえある。
(似た傾向は、ノーベル賞などでも見られる)
どうにかならないのこの風潮。
だが、上に書いたようなことが重なり合うと、過度な応援ムードだけでなく、日本代表そのものにもネガティブな感情しかわかなくなる。
というか、これから先もメディアに取り上げられる前にさっさと負けてくれた方がうるさくなくて済む。
できるなら日本代表には再起不能になってほしい。二度の目の前に現れないでほしい。
色々書いたが、要するに日本応援一色のムードが嫌で嫌で仕方がない。
他のメディアに変えようが、どこへ行こうが、どうやってもこの話題が入ってくるので避けようもない。
どうすればいいんだろう。
任天堂株は株を始めた頃の憧れだったが買うのに200万円程度必要だったので手が届かなかった。
数年後ポケモンGOが出たあたりで任天堂の株価の動きが激しくなったときに、持ち株の何かを売却すれば任天堂株を買える状態だったので、クックパッド株を一部売って任天堂株を買った。
任天堂の株価はSwitchが出たあたりからどんどん上がっていったがクックパッドの株価は下がる一方で、残ってた分のクックパッド株は結局損失になった。
この前クックパッドTOBのお知らせが届いたので見てみたら野村證券に口座を作らなければならないのが手間と時間がかかりそうで非常に面倒だったので、いつも使ってるSBI証券の方で全部売った。
前文に追記
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追記です。
そもそもストライクボールとか基本的なところもわからない方が多い、とのことなのでそこから説明しておきます。
投手がホームベース方向に向かってボールを投げ、それを打者が打ち返して野球のゲームは進んでいくわけですが、投手がどこに投げても構わないというルールなら、バットが届かないところに投げ続ければいい、ということになり、野球は不成立になります。
そこで、投手は打者が打てるところに球を投げ続けなければならなくなるようなルールがあります。
打者が打てないような変なところに球を投げたら、その球は「ボール」と判定され、打者が打てそうな真ん中付近のエリアに球を投げるとそれは「ストライク」と判定されます。
「ボール」は打者が打てないくらい遠かったり高すぎたり低すぎたりする球なので、そんな「ボール」を4球投げたら投手は打者と勝負する気なし、として、打者は無条件で一塁に進んでいいというルールになっています。
対して、打者が打てそうないいところに球を投げ「ストライク」となっているのに、それを3回も空振りしたり見逃したりする打者は出塁する資格なしとしてアウトとなり、次の打者と交代しなければならなくなります。
これが「三振」です。
なので、ストライクは3つでアウトとなり、ボールは4球で出塁できます。
そしてアウトが3つになれば、その回は終わって攻守交代となります。
では、打てるところ、ストライクとなるゾーンはどこか?というのが次にわからないところでしょう。
投手と捕手の間、また、打者のすぐ横に、本塁(ホームベース)と呼ばれる塁があります。
高さの上限は乳首あたり、胸の位置となり、下限は膝の位置となります。
では、本塁の上空に、膝から胸の高さまでの、本塁型の柱があると想像してください。
この空想上の立体に、投手の投げた球の端がわずかでもかすればそれはストライクです。
ただし、ストライクゾーンに入らなかった球でも、打者がバットを振ればそれはストライクとなります。
なので、打ちにくいボール球を振ってしまうのは打者にとってメリットがありません。
ボールは見逃し、ストライクだけを振るのが基本ですが、変化球や目の錯覚を利用して、投手はボール球を振らせようとしてきます。
また、打者が打った球が、一塁と三塁の間のゾーンを通過しなければ、それはファールとなり、打者は進塁できずストライク扱いとなります。
ただし、ファールは何球打っても2ストライクまでしか増えず、三振にはなりません。
ホームベースから一塁に向けて、白線が引かれていると思いますが、基本的にはこの線より外にボールが行けばファールです。
ただし、一塁ベースより投手よりを通った打球がその後ファールゾーンに出ても、それはファールとなりません。
打球が一塁ベースの外側を通ったか内側を通ったかでファールかどうか判定されます。
(もちろん三塁線も同様です)
フライの場合は落ちた箇所がファールゾーンかフェアゾーンかで判断され、ホームランの場合はフェンス際に立っている黄色いポールの内を通ったか外を通ったかでホームランかファールか判定されます。
塁(ベース)は4つあり、走者が一塁から二塁、そして三塁へ行き、最後に本塁を踏めば1点入ります。
走者は塁を踏まずに飛ばしたり、前の走者を追い越したりしてはならず、順番に一つずつ塁を踏んで進塁する必要があります。
追記終わり
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WBCで野球見て盛り上がったけど、いまいちルールわからん?と思った方はいると思う。
そこで、簡単に、初心者が混乱しがち、というか、いまいち納得できてないようなルールを簡単に説明しようと思う。
それがわかると走者の動き、守備の狙いなんかもわかるようになるので、ちょっと見え方が変わるかも?
目新しいことや複雑なことは言わないので、野球よく知っている人は、特に得るものはないエントリだと思いますのであしからず。
まず、出塁と進塁、そしてタッチアウトとフォースアウトの差について説明した後、タッチアウトやケースごとの走者の動きと、それに対応した守備の動きを説明するよ
野球の基礎的なルール、ストライク3つでアウト、アウト3つで攻守交替、走者が本塁を踏めば1点、みたいなのは知っていると思う。
それをもうちょっと深めて考えると、まず走者を塁に出す「出塁」と、走者を次の塁に進める「進塁」という2要素から攻撃が成り立っているのはわかると思います。
出塁に関しては多分みんな知っていて、ヒットを打てば塁に出れるし、打たなくとも四球、死球、エラーなどでも塁に出れますし、これはとても分かりやすいと思います(振り逃げ以外)。
難しいのは進塁のほうだと思うので、進塁についてのルールを解説していこうかな。
走者をアウトにする条件として、基本はタッチアウトです。
ボールを持った野手が、ボールを持った手で走者に触れると走者をアウトにでき、走者を消せます。
ただし、走者が塁に触れている限り、走者をアウトにできません。
塁が安全地帯ということですね。
しかし、タッチをしなくとも走者をアウトにできるのがフォースアウトです。
タッチされない限りアウトにならないのであれば、次の塁にすでにボールが送球されているなら、無理せず元の塁に戻ればタッチされず、アウトにならないはずです。
しかし、打った直後の打者走者は一塁に到達できないならバッターボックスに留まる、などはできませんし、一塁に走者がいる場合は打者走者が一塁に行かなければならないため一塁走者は一塁に留まることができません。
このように、自分の後ろに走者が飽和していれば前の塁に戻ることはできません。
このような場合、ボールを持った野手は走者にタッチせず、ボールを持って次の塁を踏むだけで走者をアウトにできます。
これがフォースアウトです。
一番多く見るのが、打った直後の打者走者は、一塁でタッチされず、一塁を踏んでいる一塁手がボールを捕った時点でアウトになっているケースで、これもフォースアウトです。
一塁走者がいる場合、内野ゴロでダブルプレー(ゲッツー、併殺)があると思いますが、あれも二塁でフォースアウト、一塁でフォースアウトとなるため、タッチプレーにならずに速やかに送球されるのがポイントです。
ここからが本番だよ!
野球初心者のわからないところで一番多いのが、今何で走ったの?今何で走ったらダメなの?だと思う。
結論を言うと、基本的に走者はいついかなる場合でも進塁を試みることが可能です。
しかし、野球の多くの時間では、ボールをフィールド真ん中にいる投手が持つため、むやみに進塁を試みてもすぐさま投手がボールを塁に送球するため、タッチアウトにされていまします。
なので走者は基本的には走れません。
そこで、打者がボールを打って転がし、守備がボールを保持しない時間を大きく作れば、その隙に走者は余裕をもって進塁を試みられます。
しっかり打てば大きな時間を稼げるのでたくさん進めますし、しっかり打たなくともとにかくバットに当てて転がせばそこそこの時間を稼げます。
その走者が進む時間だけを最低限確保するために、ボールをバットに当てる行為が「バント」です。
もちろん隙があれば走者は走れるので、投手の球を捕手が捕りそこなった際にもよく進塁が試みられます。
また、捕手から最も遠い塁が二塁なので、投手が投球モーションに入ってから捕手が捕球、それを二塁へ送球するまでの時間を利用して一塁走者が二塁進塁を試みることがあります。
これが盗塁です。
もちろん二塁走者が三塁へ、三塁走者が本塁へ盗塁を試みることもありますが、難易度が跳ね上がります。
いついかなる場合も走者は進塁していい、と先ほど言いましたが、例外があります。
それはフライアウトの間です。
打者が滞空時間の長いフライを打ち上げた時も走者が走ってよいなら、打者は滞空時間を競うようになります。
そうなるとゲームがバグってしまうため、「フライの間は進塁できない」というルールがあり、もしフライの間に進塁してしまっていたら、一度元いた塁に帰塁しなければならない、という決まりがあります。
しかし、裏を返すと、野手がフライをキャッチした瞬間に元の塁に張り付いていたら、野手がボールを捕った瞬間に「進塁しちゃダメルール」が終わるので、また元の「いつでも進塁していい時間」が復活します。
そこで、フライの間は塁に張り付いておき、フライがキャッチされた瞬間に進塁するのが「タッチアップ」です。
よく見られるのは無死または一死で三塁走者がいる場合、外野フライを打ち上げれば三塁走者がタッチアップでき、本塁に戻って得点になるケースで、これは特に「犠牲フライ」と呼ばれることもあります。
ポイントは、キャッチした外野手から、進塁先の塁が遠いほうがボール到達までの時間が長いので、本塁へのタッチアップが最も簡単で、次にライトフライで二塁走者が三塁へのタッチアップが多く見られます。
二塁は外野から最も近いので、一塁から二塁へのタッチアップはほとんど起きません。
先ほど書いたように、ボールを捕球した野手と、進塁先の塁の距離は直接、走者が走れる時間に結びつくため、大事な概念となります。
得点が入る本塁は外野から最も遠い位置にあるため、外野から本塁への送球が最も時間がかかります。
そこで、二塁に走者がいる場合は、二塁打ほど大きな当たりを打たずとも、内野手の間を転がして抜くようなシングルヒットでも、得点が入るケースが多いです。
そのため、三塁だけでなく、二塁に走者がいる場合も、「得点圏に走者がいる」と言われます。
例えば、無死または一死で二塁走者がいる場合外野にボールが抜けると一点入る可能性があります。
二死であればあとひとつアウトを取れば交代なので、最も守りやすい基本の守備位置となりますが、無死または一死ならば次のプレーでの交代はまずないので、1点を争う場面だと二塁走者の本塁突入を防ぐ必要があります。
そこで内野をぎりぎりゴロで抜くようなヒットで点を入れられないために、外野手は基本の守備位置よりずいぶん前に出て、バックホームで走者を刺せる位置で守ります。
これが「バックホーム態勢」です。
「バックホーム態勢」は二塁走者を本塁に返さないために有効ですが、外野手の頭を超えて長打となるリスクを持ちます。
打球速度の速い鮮やかな外野前ヒットなら、そもそも走者は三塁でとまるため、バックホーム態勢の狙いは本当にゴロで内野を抜いていくヒットを刺す、となります。
これが、3点差で勝っているチームの終盤、とかであれば、1点を防ぐより1アウトを確実に欲しいと考えることもあり、バックホーム態勢を敷かないケースもあります。
一塁に走者がいて、カウントが3ボール2ストライクの時、ボールならば四球で走者は進塁でき、ストライクなら打つため、打者は必ず投球に対してアクションします。
そのため、打者が三振しない限りは捕手が投球をそのまま補球することがないため、一塁走者は少しでも早く次の塁を目指すために盗塁並みのスタートを切ってきます。
通常なら走者一塁で外野前ヒットなら走者一二塁となりますが、フルカウントで一塁走者がスタートを切っており、打球が三塁から最も遠いライト前に放たれた場合、一気に走者一三塁とできるケースが多いです。
走者がぼーっとしてると一二塁で止まってしまうため、このような抜かりのない走塁をする姿勢はとても大切です。
ただ、スタートしても打者が三振してそのまま二塁で盗塁死する三振ゲッツーもありますし、内野ライナーで帰塁できずダブルプレーという不幸なケースもありますが、少なくとも通常よりよいスタートを切るのは間違いないです。
これが2アウトならもっとそうで、三振したりライナーだったりするとその時点で交代となるため、走者が飛び出すことにリスクがなくなります。
外野フライもそうで、無死または一死なら、外野フライを捕球されると走者は塁に戻らなければならないので、リスクを持ったスタートはできませんが、二死ならフライアウトの時点で交代なので、帰塁にメリットはありません。
2アウトならどんなフライでも走者はスタートを切るので、外野フライが抜ければ一塁走者が一気にホームインすることも珍しくありません。
ちょうどWBCメキシコ戦で周東が一塁から一気にホームインしましたが、あれは通常は2アウトからしか起きないようなプレーで、捕球されないことを確信した走りを見せた周東の判断力が、走力以上に光ったプレーでした。
外野手も逆に、捕球できる素振りを見せれば走者は動けないので、明らかに頭を超えるような球でも、捕球できるように見せるため振り返ったり手を上げたりして走者をけん制しつつ、速やかにクッションボールの処理に移ることもあります。
このように、カウントや状況によって走者のスタートがまるで変ってくるので、球場に行けばぜひ見て欲しいところです。
走者はリードを取ってスタートするのに対し、打者走者は打ってから走るので一番遅いですし、一塁はいついかなる場面でもフォースアウトです。
そのため、微妙な打球の時、最もアウトにしやすいのが一塁への送球です。
そこで、確実にひとつアウトを取る時は、三塁走者の本塁突入を無視しても一塁に送球します。
これが基本です。
ただ、走者が一塁にいれば一塁だけでなく二塁もフォースプレイに、走者が一二塁にいれば一塁二塁三塁全てがフォースプレイになりますし、満塁ならば本塁もフォースプレイになります。
なので、走者がたまると失点のリスクは高いですが、フォースプレイにできる塁が増える分、守りやすさも上がります。
走者一二塁の時は、内野手が捕球すれば自分から一番近い塁に走る(投げる)だけでフォースアウトにできますので、送球ミスのリスクが下がります。
1死二三塁の時、一塁があいているため本塁がフォースプレイでなくタッチプレイになりますが、タッチプレイはアウトにできる確率が下がり、ダブルプレーを取りにくくなります。
そのため、二三塁の時にあえて一塁を埋め、本塁フォースアウトからの一塁アウトを狙える満塁策もあります。
特に、同点の裏の回で走者二三塁だと、三塁ランナーが返った時点で試合は終了となりますから、一塁を埋めるデメリットはありません。
無死一塁の場面、打者が送りバントをすると、打者自体は一塁に生還するほどの時間はありませんが、スタートの速い一塁走者を二塁に進める時間は確保できます。
この時、野手がバントを好捕したならば、二塁に送球すれば走者をフォースアウトにできる可能性があります。
仮にバントを二塁に送球しアウトにできればファインプレーなのですが、二塁がセーフになってしまった場合、「野手選択」という送球者のエラーが記録されます。
それほど一塁をアウトにすることは簡単で、その他の塁をアウトにすることは難しいのです。
よく、1死三塁などの場面で内野ゴロを打つと、本塁に投げても間に合いそうなのに、一塁に投げるケースが多く見られます。
それはそのくらい、本塁タッチプレイでアウトにすることは難しく、そのリスクが一塁で確実にアウトを取ることと釣り合わないと考えているからです。
野球はどう頑張っても3アウト×9回の27アウトの間しか攻撃できませんので、ひとつのアウトを確実に取るプレーは実はとても大切なことで、そのために1点を差し出すこともいとわないケースもあるものです。
そのあたりの選手の考え方は、野手の守備位置を見るとある程度わかります。
内野手がベースを結んだ線より投手に近いところにいれば、内野ゴロでも確実に本塁アウトを狙うバックホーム態勢で、通常守備位置なら一
https://ta-nishi.hatenablog.com/entry/2023/02/28/204416
その最大の理由は「集団の暴力性」にある。はてなブックマークでコメントするとき、1人1人の人間は「自分の意見を言っているだけ」という感覚でコメントを書いている。それは批判的なコメントをする時も同様だ。
しかしその1人1人の小さな「敵意」が数十数百数千と集まったとき。それを受け止める1人のブロガー個人にかかる負荷は想像を絶するものとなる。
そりゃそうだろうよ。そういうもんだろうよ、世論ってのはよ。
なんて言ってるけどよ、つまりは称賛される時も一緒だよな。祝福されたり、褒め称えられたり。
そういうポジティブな意見が数十数百数千と集まったとき。それを受け止める1人のブロガー個人の気持ちよさは想像を絶するものなんだろうよ。
だから、なんだかんだと言ってブックマークコメントも開放してるんだろ?
だったら、批判されるようなことを言ったりしたりしたら批判されるのと表裏一体だろうがよ。
ヨッピーも、コメント非表示にしろというのは違う、特定のID(要するに反対意見)だけ出禁にしたい、みたいなこと言ってさ。
都合がよすぎるんじゃねぇの。
スポーツ選手だってさ、結果を出せば世界中から称賛されるわけじゃん。サッカーなんかマスコミはもちろん、ファンの一人一人、日本中どころじゃなく世界中よ。
一つのファインプレーで世界中から称賛が集まる反面、一つのミスで世界中から批判が集まる。規模は違えどそういうことじゃん、有名人とか、表に出るってことはさ。
いいプレーしたときはいっぱい褒めろ、でも調子悪い時は批判しないでね。なんて、クソ甘えた仕草だよ。
ブロガー連中はまだしも、プロライターであるヨッピーまでそんなこと言ってるんだから、話になんねぇなと思う。批判されたくないならそれこそチラシの裏にでも書いてろ。
自分の文章をネットに上げるってことは、世に出すってことは、世論を問うのと同じことだから。何年もブロガーやっててその程度の覚悟すらねぇのか?
もちろん、いわれのない誹謗中傷とか、デマの流布とか、犯行予告とかは別よ。そういうのは明確にやる方が悪いし、まさに民度が悪いと思うよ。
でも一般の、普遍的な意見としての批判が何百コメントと集まったりするのはさ、「集団の暴力性」とかそういうことじゃなくて、単純にそいつの言ってることが的外れなんだよ。
今回のヨッピーの件なんかまさにそうじゃん。あの元記事のブコメ、誹謗中傷なんかほとんどないぞ。単純に、ヨッピーの感覚に疑義を呈するコメントが集まってる。
それを「集団の暴力性がー」なんて今更言って、さもブクマカにイジメられました〜みたいにしてるけど、自分が一般の感覚と乖離していること、気付こうな???
それでも数百件、数千件の異論が集まるとそれだけで数の暴力だ〜ってんならもうネットに文章上げるのやめた方がいいよ。パソコン通信でオタクだけがネットに繋いでいた頃とは違うんだから。
自分はネット上の不特定多数の意見を受け止める覚悟があります、という人だけブコメ欄を開放してください。それがない奴は多数の称賛を受ける権利もない!
一昨日、近所の焼き肉店で1人で酒席を囲うことがあった。道路や河川での土木仕事でさんざん疲れた後の一杯が最高なのだ。
この日は、川に橋をかけるための準備工として土嚢を積んでいた。小さい工務店の代表として、工事費の設計積算も、現場監督も、銃器捜査、肉体労働も兼任している。
体重が2kgは減った! という確信があるくらい今日は働いた。まずは冷えたビールを注文して、牛ロース100gに、上カルビ100gに、豚のハラミ100gに、鳥のもも肉100gに、石焼ビビンバに、韓国風冷麺に・・・単品のキャベツを素手で齧りながら食べ進めていった。
本題に移ろう。
その店にはキビキビと働く女の子がいる。多分高校生~ハタチくらいかと思われる。その日も、私が注文しそうなタイミングで傍に寄って来たり、注文をしようと厨房を見た段階で気が付いたり、トイレに行っている間に私のせいで汚くなった卓を整えたりと、ファインプレーを見ることができた。
それで、さあ帰ろうかと思ったところ、「お皿拭いたら上がっていいよ」という店主の声を聞いた。あの子が上がる時間になったようだ。22時だった。
その子は壁にあった扉を開くと、中の物置から上着を取り出して、賄いを食べに奥の座席に向かったわけだ。すると、私のふたつ隣に座っていた若い男性(30才過ぎかと思われる)が、「~~ください」と、その子を呼び止めた。その際、私は何とも思ってなかったが、その子が「もうアップ……」と小さく呟いたのを聞いた。
私は〆のアイスクリームを食べていた。考え事をしていた。すると、隣から「お前人生ナメとらんか!?」という声が響いた。例の若い男性だった。ちなみに初対面だ。
後で店主に確認したところ、女の子が「もう上がりなので」と説明したところ、奴さんはキレたらしい。うるせえな、と思いながらも彼の主張を聞くことになった。
・お客が求めているのだから、プロの自覚があるなら応えないといけない
といったものだ。
女の子は俯いていた。マスクをしていたが、瞳をまっすぐ地面に向けて、涙目になっていた。「すいません、すいません」と答えていた。
店主の方を見ると、天然パーマの頭だけがカウンター越しに覗いている。一応、こちらの方を向いてはいる。これは、店主がビヤ樽に座って休憩している時の姿だ。私の定位置から見るとそういう眺めになる。
残りの厨房スタッフは我関せずとばかり、肉肉肉、米米米!野菜ィィィッ!!!といった雰囲気で調理に打ち込んでいた。
若い男性の説教が続く中(上の3点目の途中だった)、私は声をかけることにした。メシがまずくなったからだ。「ちょっといいですか」と声をかけると、男性はこちらを向いて、「あんた、なん?」と方言混じりにこちらを向いた。
「その子は賢いんですよ。次は大丈夫です」と言ったところ、「大丈夫じゃないさかい、こうしてる」と息を巻いて私を威嚇してくる。
「おじさん、いちびんなや」
私は、彼の目をちょっと見つめた後で、
「調子乗っとんのはお前じゃボケ。おい、黙れ。〇すぞ!! おい、お前。黙れといったろ。聞こえとるんけ、おい!」
そんなことを叫ぼうとした直前、ハッとなって我に返った。
あれは5年前、私がまだ不惑になったばかりの頃だった。
この焼き肉店で同じようなこと(迷惑客が店員に絡んだ)があった時、そんなことを叫んで、そいつを蹴っ飛ばして、店から追い出して、さらに何発かブチ殴って、店を出入り禁止になったのだ。
その後、私は反省した。暴力に訴えてはならなかったと。店主に何度も謝って許しをもらい、再入店を許可してもらった思い出がある。
私は、彼に向かってできるだけ穏便になるように答えた。
「すいませんが、私は迷惑しています。聞いていると食事がおいしくないんです。そろそろ堪えてくれませんか。店主、あっちで座ってますけど、ほら。すごい表情で睨んでますよ」
と言った。
若い男性は店主の天然パーマの方を見ると、頭を振るようにして手元の手羽先に目をやった。そして焼酎を飲み始めた……解放のサインだった。
女の子は、私の方に会釈した。表情は見ていない。トコトコと奥の座席に向かい、もう1人のアルバイトの男の子と一緒に賄いを食べ始めた。
私の考えを述べていいだろうか。
やっぱり、ああいう勘違いをした御仁は、一度ガンと言ってやらないと効かないんじゃないか。痛い目をみないと反省しないからだ。あの日はどうにかなったが、あいつはまたやるんじゃないか。
だったら、あの時リスクを冒しても、私はあいつを全力で威嚇し、場合によっては店の内外で暴力によって制裁を下してやるべきではなかったのか。彼は若かった。それも愛だと思う。
そうすれば、もうあの女の子が絡まれることはなくなる。私も焼き肉店を出入り禁止になるリスクはあるが、私と店主は10年以上の付き合いだ。謝ったら許してくれるかもしれない。
少しだけ自慢をさせてもらうが、ケンカは強い方だと思う。社会人になってからも合計で30回以上、祇園や木屋町の路上や、飲食店やスナックの中で暴れたことがある。それこそ色んな輩と戦っているが、負けたことは二度しかない。
現行犯で警察に逮捕されたこともある。が、私は経営者だからクビになることはないし、従業員だって私がこういう人間だと知っている。みんなの前で、「また捕まったよ!」と冗談交じりに言ったなら、職場がまた笑いに包まれるのだろう。
別件だが、私が奴さんくらいの年の頃だった。2005年くらいか。先斗町寄りの祇園の端っこにある居酒屋で、深夜に大学生の男が酒に酔っていた。
私は彼の2つ隣のカウンターに座っていて、その間には黒っぽいスーツの男性が座っていた。片見知りだ。彼は私を知らないかもしれない。
「俺は立命館に現役合格してるし、そのうえ~~(よく聞き取れない)~~、△△(京都で一番有名な製作所)に内定をもらっている。いつか天下を取ってやる」「あのサークルの□□さんは俺のことが好きだ。付き合いたい」「人生はこれからも楽に勝てる」、みたいなことを言っていた。
彼が黒いスーツの男性に絡んだのを覚えている。それを確かめて、酎ハイをぐいっと飲んで、卓に置きかけたところで、カウンターの椅子がガッタン!と倒れる音が聞こえた。
怒号があった。あまりに驚いた私は聞き取ることができなかった。すぐ隣を見ると、さっきの大学生が黒いスーツの男性におそらく蹴っ飛ばされて、仰向けで倒れていた。
黒いスーツの男性はまた何か叫ぶと、大学生の脇腹の辺りを鋭く蹴った。うつ伏せ気味になった大学生を、何度も何度も革靴で踏んづけて、首根っこを掴んで引き上げたと思うと、右の拳を彼の顔に何度もぶつけていた(凄まじい台詞だった。そのまま書いたら当日記は削除されるだろう)。
私は周囲を見た。店長と思しき人間を始め、誰一人として暴行を止める様子はない。ほかの客もそうだ。それもそのはずで、スーツの男は本物の暴力団だった。相応の経験を積んでいる。
私もこの業界人を長いこと見てきた。堅気かそうでないかは、怒号の質と、暴力への慣れと、それらへの躊躇のなさで判断できる。
2022年現在、暴力団員が深夜に居酒屋を利用することは減ったし、居たとしても隅の方で大人しくしている。だが、この時代は違う。まだ彼らに勢いがあった。あの当時は、暴力団組員が数人連れで大手を振って繁華街をうろついていた(だんだん思い出してきた。この頃、木屋町の大通りで公衆の面前でのリンチ殺人事件が起きて、急に警察官が増えたのだ。それで反社や半グレが繁華街から消えた)。
この時、居酒屋の店主が警察に通報していたら復讐を受けたのは間違いない。もし、彼らが「〇す」と言ったら本当にやりかねない。いや、やるのだ。本気度が堅気の人間とは違う。
そういうオーラが立ち振る舞いから漂ってくるものだから、店側が「あのお客はもしや」と気が付いたとしても、また情報提供を受けて真実を得たとしても、何も対応することはない。これが、繁華街から反社の影が消えない理由のひとつである。
話が逸れた。大学生を見ると鼻血を流していた。何度も殴られて、男の衣服を掴んでいた片手がぶらんとなったところで、私は止めに入った。男の肩を後ろから触って、「○○の集まりでいた人だよね。店の奥の客が通報しとったで。はよ逃げ」と、彼の面子を潰さないように嘘をついた。その男は、店長と思しき人間を一睨みすると、お金を払うことなく店外に出て行った。
大学生の方を見ると、大泣きで仲間の肩につかまっていた。店員から「料金はいいですから」と説明を受けていた。
災難だったが、彼はいい勉強になっただろう。社会人になってからあまりに調子に乗ったことをしていると、ある意味で今回よりもひどい目に遭う恐れがある。その前に学べたのだから、彼はむしろツイていた。
例の反社の人は、あれから相当に勢いのある人間に育ったが、現在はわけあって娑婆にいない。あまりに男気が強すぎたのだ……。
さて、私もいい年だ。社会常識はわかっている。何事も、説得によるやり方が一番の至上なんだろう。
が、土木の仕事をしていると常々感じる。正しいやり方は、その時々の環境や条件によって変わるのだ。晴天時と小雨の日とでは、現場練りで配合するセメントと水の割合も違ってくる。
初めに戻る。私は、あの時あの状況では、女子店員と若い人(といっても30は超えてるだろうが)の未来のために、ついでに焼肉店のためにはどうするのが最上だったのだろう。またあの店で同じようなことがあった時、私はどうすればいいのか。
増田の人の知恵を貸してほしい。できればなのだが、金髪のダイダラボッチのアイコンの人か、物憂げな青っぽい女性の人か、楽しい雰囲気の黒髪の女の子か、鼻が大きい男性の人か、おたまじゃくしの人のコメントがあったらうれしい。おたまじゃくしの人は最近見ない。元気にしているのだろうか。
一昨日、近所の焼き肉店で1人で酒席を囲うことがあった。道路や河川での土木仕事でさんざん疲れた後の一杯が最高なのだ。
この日は、川に橋をかけるための準備工として土嚢を積んでいた。小さい工務店の代表として、工事費の設計積算も、現場監督も、銃器捜査、肉体労働も兼任している。
体重が2kgは減った! という確信があるくらい今日は働いた。まずは冷えたビールを注文して、牛ロース100gに、上カルビ100gに、豚のハラミ100gに、鳥のもも肉100gに、石焼ビビンバに、韓国風冷麺に・・・単品のキャベツを素手で齧りながら食べ進めていった。
本題に移ろう。
その店にはキビキビと働く女の子がいる。多分高校生~ハタチくらいかと思われる。その日も、私が注文しそうなタイミングで傍に寄って来たり、注文をしようと厨房を見た段階で気が付いたり、トイレに行っている間に私のせいで汚くなった卓を整えたりと、ファインプレーを見ることができた。
それで、さあ帰ろうかと思ったところ、「お皿拭いたら上がっていいよ」という店主の声を聞いた。あの子が上がる時間になったようだ。22時だった。
その子は壁にあった扉を開くと、中の物置から上着を取り出して、賄いを食べに奥の座席に向かったわけだ。すると、私のふたつ隣に座っていた若い男性(30才過ぎかと思われる)が、「~~ください」と、その子を呼び止めた。その際、私は何とも思ってなかったが、その子が「もうアップ……」と小さく呟いたのを聞いた。
私は〆のアイスクリームを食べていた。考え事をしていた。すると、隣から「お前人生ナメとらんか!?」という声が響いた。例の若い男性だった。ちなみに初対面だ。
後で店主に確認したところ、女の子が「もう上がりなので」と説明したところ、奴さんはキレたらしい。うるせえな、と思いながらも彼の主張を聞くことになった。
・お客が求めているのだから、プロの自覚があるなら応えないといけない
といったものだ。
女の子は俯いていた。マスクをしていたが、瞳をまっすぐ地面に向けて、涙目になっていた。「すいません、すいません」と答えていた。
店主の方を見ると、天然パーマの頭だけがカウンター越しに覗いている。一応、こちらの方を向いてはいる。これは、店主がビヤ樽に座って休憩している時の姿だ。私の定位置から見るとそういう眺めになる。
残りの厨房スタッフは我関せずとばかり、肉肉肉、米米米!野菜ィィィッ!!!といった雰囲気で調理に打ち込んでいた。
若い男性の説教が続く中(上の3点目の途中だった)、私は声をかけることにした。メシがまずくなったからだ。「ちょっといいですか」と声をかけると、男性はこちらを向いて、「あんた、なん?」と方言混じりにこちらを向いた。
「その子は賢いんですよ。次は大丈夫です」と言ったところ、「大丈夫じゃないさかい、こうしてる」と息を巻いて私を威嚇してくる。
「おじさん、いちびんなや」
私は、彼の目をちょっと見つめた後で、
「調子乗っとんのはお前じゃボケ。おい、黙れ。〇すぞ!! おい、お前。黙れといったろ。聞こえとるんけ、おい!」
そんなことを叫ぼうとした直前、ハッとなって我に返った。
あれは5年前、私がまだ不惑になったばかりの頃だった。
この焼き肉店で同じようなこと(迷惑客が店員に絡んだ)があった時、そんなことを叫んで、そいつを蹴っ飛ばして、店から追い出して、さらに何発かブチ殴って、店を出入り禁止になったのだ。
その後、私は反省した。暴力に訴えてはならなかったと。店主に何度も謝って許しをもらい、再入店を許可してもらった思い出がある。
私は、彼に向かってできるだけ穏便になるように答えた。
「すいませんが、私は迷惑しています。聞いていると食事がおいしくないんです。そろそろ堪えてくれませんか。店主、あっちで座ってますけど、ほら。すごい表情で睨んでますよ」
と言った。
若い男性は店主の天然パーマの方を見ると、頭を振るようにして手元の手羽先に目をやった。そして焼酎を飲み始めた……解放のサインだった。
女の子は、私の方に会釈した。表情は見ていない。トコトコと奥の座席に向かい、もう1人のアルバイトの男の子と一緒に賄いを食べ始めた。
私の考えを述べていいだろうか。
やっぱり、ああいう勘違いをした御仁は、一度ガンと言ってやらないと効かないんじゃないか。痛い目をみないと反省しないからだ。あの日はどうにかなったが、あいつはまたやるんじゃないか。
だったら、あの時リスクを冒しても、私はあいつを全力で威嚇し、場合によっては店の内外で暴力によって制裁を下してやるべきではなかったのか。彼は若かった。それも愛だと思う。
そうすれば、もうあの女の子が絡まれることはなくなる。私も焼き肉店を出入り禁止になるリスクはあるが、私と店主は10年以上の付き合いだ。謝ったら許してくれるかもしれない。
少しだけ自慢をさせてもらうが、ケンカは強い方だと思う。社会人になってからも合計で30回以上、祇園や木屋町の路上や、飲食店やスナックの中で暴れたことがある。それこそ色んな輩と戦っているが、負けたことは二度しかない。
現行犯で警察に逮捕されたこともある。が、私は経営者だからクビになることはないし、従業員だって私がこういう人間だと知っている。みんなの前で、「また捕まったよ!」と冗談交じりに言ったなら、職場がまた笑いに包まれるのだろう。
別件だが、私が奴さんくらいの年の頃だった。2005年くらいか。先斗町寄りの祇園の端っこにある居酒屋で、深夜に大学生の男が酒に酔っていた。
私は彼の2つ隣のカウンターに座っていて、その間には黒っぽいスーツの男性が座っていた。片見知りだ。彼は私を知らないかもしれない。
「俺は立命館に現役合格してるし、そのうえ~~(よく聞き取れない)~~、△△(京都で一番有名な製作所)に内定をもらっている。いつか天下を取ってやる」「あのサークルの□□さんは俺のことが好きだ。付き合いたい」「人生はこれからも楽に勝てる」、みたいなことを言っていた。
彼が黒いスーツの男性に絡んだのを覚えている。それを確かめて、酎ハイをぐいっと飲んで、卓に置きかけたところで、カウンターの椅子がガッタン!と倒れる音が聞こえた。
怒号があった。あまりに驚いた私は聞き取ることができなかった。すぐ隣を見ると、さっきの大学生が黒いスーツの男性におそらく蹴っ飛ばされて、仰向けで倒れていた。
黒いスーツの男性はまた何か叫ぶと、大学生の脇腹の辺りを鋭く蹴った。うつ伏せ気味になった大学生を、何度も何度も革靴で踏んづけて、首根っこを掴んで引き上げたと思うと、右の拳を彼の顔に何度もぶつけていた(凄まじい台詞だった。そのまま書いたら当日記は削除されるだろう)。
私は周囲を見た。店長と思しき人間を始め、誰一人として暴行を止める様子はない。ほかの客もそうだ。それもそのはずで、スーツの男は本物の暴力団だった。相応の経験を積んでいる。
私もこの業界人を長いこと見てきた。堅気かそうでないかは、怒号の質と、暴力への慣れと、それらへの躊躇のなさで判断できる。
2022年現在、暴力団員が深夜に居酒屋を利用することは減ったし、居たとしても隅の方で大人しくしている。だが、この時代は違う。まだ彼らに勢いがあった。あの当時は、暴力団組員が数人連れで大手を振って繁華街をうろついていた(だんだん思い出してきた。この頃、木屋町の大通りで公衆の面前でのリンチ殺人事件が起きて、急に警察官が増えたのだ。それで反社や半グレが繁華街から消えた)。
この時、居酒屋の店主が警察に通報していたら復讐を受けたのは間違いない。もし、彼らが「〇す」と言ったら本当にやりかねない。いや、やるのだ。本気度が堅気の人間とは違う。
そういうオーラが立ち振る舞いから漂ってくるものだから、店側が「あのお客はもしや」と気が付いたとしても、また情報提供を受けて真実を得たとしても、何も対応することはない。これが、繁華街から反社の影が消えない理由のひとつである。
話が逸れた。大学生を見ると鼻血を流していた。何度も殴られて、男の衣服を掴んでいた片手がぶらんとなったところで、私は止めに入った。男の肩を後ろから触って、「○○の集まりでいた人だよね。店の奥の客が通報しとったで。はよ逃げ」と、彼の面子を潰さないように嘘をついた。その男は、店長と思しき人間を一睨みすると、お金を払うことなく店外に出て行った。
大学生の方を見ると、大泣きで仲間の肩につかまっていた。店員から「料金はいいですから」と説明を受けていた。
災難だったが、彼はいい勉強になっただろう。社会人になってからあまりに調子に乗ったことをしていると、ある意味で今回よりもひどい目に遭う恐れがある。その前に学べたのだから、彼はむしろツイていた。
例の反社の人は、あれから相当に勢いのある人間に育ったが、現在はわけあって娑婆にいない。あまりに男気が強すぎたのだ……。
さて、私もいい年だ。社会常識はわかっている。何事も、説得によるやり方が一番の至上なんだろう。
が、土木の仕事をしていると常々感じる。正しいやり方は、その時々の環境や条件によって変わるのだ。晴天時と小雨の日とでは、現場練りで配合するセメントと水の割合も違ってくる。
初めに戻る。私は、あの時あの状況では、女子店員と若い人(といっても30は超えてるだろうが)の未来のために、ついでに焼肉店のためにはどうするのが最上だったのだろう。またあの店で同じようなことがあった時、私はどうすればいいのか。
増田の人の知恵を貸してほしい。できればなのだが、金髪のダイダラボッチのアイコンの人か、物憂げな青っぽい女性の人か、楽しい雰囲気の黒髪の女の子か、鼻が大きい男性の人か、おたまじゃくしの人のコメントがあったらうれしい。おたまじゃくしの人は最近見ない。元気にしているのだろうか。