はてなキーワード: 愛情表現とは
そんなに好きでもない先輩のあたりが強い。
心を許している証拠だとはわかっていても、好きな作品をディスられたり、知識のなさをなじられたりするのは、ネタだとしてもちょっと辛い。
一生懸命笑ったり、会話を繋げようとしても、途中でポキっと折れてしまうことも多々ある。
これは世に言う「イジり」というやつなんだろうか。
こういうことを愛情表現としてしてくる人は、世の中に少なくないだろうから、「ここで耐性をつけなければ」と思って、折れて、の繰り返しだ。
器が小さい人間でごめんなさい。自己嫌悪をする女も、許容量の少ない女も人間からもてないって、最近胸に刻んだばかりです。
器を大きくするにはどうしたらいいのでしょうか。
http://anond.hatelabo.jp/20111107124425の者です。
いいんじゃない、家族や恋人に普段「愛してる」って言わない文化の中にいるんだもの。
ノンクリスチャンにとっては、父の日や母の日、恋人の日のようなものなんでしょう
クリスチャンの中にもそういう商業主義的な雰囲気をひややかに見てる人がいるけど、
人間関係のためのいいきっかけにでもなれば全然問題ない、むしろ素晴らしいと思ってます。
…でも休日や「○○の日」の由来はちょっと学んでほしいけど(笑)。
聖バレンタインがなぜ聖人になったか知ってる人が少ないのは正直寂しい。
本当は家族や友人への愛情表現が特別なものではなくなればいいんだけど…
やっぱり心の中を見せるのが恥ずかしいんでしょうか。それは、相手を信じてない証拠だと思ってます。
世の中荒んでるなーとため息出ちゃいます。
とある有名はてな民・ブロガー・ツイッタラー(注:1)を見てきた。はてなとツイッターで彼をフォローし、ブログも欠かさず読んできた。
そして、いつの間にか、わたしは彼にいくらかのシンパシーを見出していた。
どこにも言えずに抱えている性嫌悪と性欲を、そして自分を汚れた存在と思ってしまうことを、包み隠さずに話しているからだ。
だが、わたしの性嫌悪は、彼のそれとは起点が大きく異なっている。
そのため、彼からしたら、わたしのシンパシーなど、邪魔なものに過ぎないのではないか、とも思う。
以下に、かい摘んで書いても長文になってしまうが、性嫌悪と性欲の間でもがくことになった経緯を記していこうと思う。
わたしは女性であり、直接の原因は元交際相手からのDVであったからだ。
詳細は諸々の理由(注2)から省くが、それなりに凄惨であった。
家庭にも学校にも居場所がなく、自分の存在価値を見出せない思春期を送っていたわたしは、高校生になった際に携帯電話を所有したことで存在価値を見出した。
当時、わたしの住んでいた地域では、J-PHONEを当たり前に所有しており、わたしのような人間にもスカイメール(注3)でメル友の誘いが来ていた。
そこで女子高生であることを明かし、食いついてきた相手と会うことになった。そして、「体さえあれば、射精するまでの間だけだとしても、必要とされる」ということを覚えてしまった。元々性欲が強かったこともあり、抵抗なくその誤った考えを受け入れてしまった。
スカイメール、出会い系、ナンパ。不思議なことに、淋しいとき、自暴自棄なとき、希死念慮手前のときほど、男はわたしを誘った。決して美人でもなく、醜く太ったわたしを。一瞬の充足感のためだけに、自分を粗末にしていた。
その安っぽい充足感は更に強烈な虚しさと淋しさを呼ぶだけだと知っていても、やめられなかった。
どういった喘ぎ声やフェラチオが相手を興奮させるのかも覚えた。何も感じていなくても物理的刺激さえあれば潮を吹くことも覚えた。男に組み敷かれる自分を、斜め上から俯瞰で見ていた。一度も快感を感じたことはなかった。
セックスは愛情表現、究極のスキンシップ、生殖行為。それは当時のわたしにとっては絵空事で、実際は自傷行為に他ならなかった。後にうつと人格障害でかかったカウンセラーから、「見境のないセックスは、女の子にとっては身も心もぐさっと貫かれる自傷行為なんだよ」と聞かされた。
そのような日々を送っていた中、前述の元交際相手と出会い、DVを受けたことにより、自分自身に、今まで依存してきたセックスに、男性に、つまり広く性というものに強い嫌悪感を持つようになったのである。
それから4年近く経つ今でも、嫌悪感からセックスはおろか恋愛さえ遠ざけて生きており、セクハラ(注5)により心因性失声を起こす程度には立ち直れていない。
性嫌悪だけで済んでいれば、どれほど問題はシンプルだっただろう。
ただ、わたしはさらりと書いたが元来性欲が強いほうであり、ほぼ毎日自慰行為をするような人間でもあるのである。あれほど嫌悪している性に対する欲望は尽きず、手で自分を慰めた後、自分を消し去りたいほどの感情に駆られるのである。嫌悪している自分を、それにも関わらず自分を慰める自分を。
DV以前から、妄想によって自分を慰めていた。しかし、DV後は、SMプレイで責め立てられている自分を妄想し、時にはSMものの動画をネットで探しておかずにすることも増えた。性嫌悪の引き金になった行為(注4)にも関わらず、である。
SMで責め立てられている妄想で自分を慰めて達する、そして絶望的嫌悪感に突き落とされる。その繰り返しの日々である。
最近、母になる友人が増えた。彼女たちの夫と顔を合わせていればいるほど(注6)、彼女たちを汚らわしく気持ち悪く思ってしまう。
同様の理由で、妻と子を携帯の待受に設定している会社の人間も、芸能人夫婦も、汚らわしく気持ち悪い存在に見えてしまうのだ。
どのようなセックスをし、どのようなプレイの後に子を授かったのか。無意識のうちに想像し、そして祝福する感情と嫌悪感との間で押し潰されそうになるのだ。
わたしはこんな自分を赦せないし、肯定することができない。
「いつか全てを愛してくれる人が現れる、そうしたらそんな感情からも解放される」と言われたことがあった。しかしどうして、わたしのような人間を愛することができるのだろう。
全てを愛してくれる人など、その場しのぎの慰めであって、幻想の押し付けとしか受け取れないのである。
おそらく今夜も自分を慰め、圧倒的嫌悪感の中安定剤を飲んで眠るのだろう。
こんな自分を肯定する術は、どこかにあるのだろうか。
性嫌悪と性欲の間、拭えない自己否定と自分を肯定されたい気持ちの間でもがいているからこそ、わたしは勝手にid:y_arimにシンパシーを感じてしまうのである。
注1:id:y_arim
注2:検閲、被DV経験者へのフラッシュバック喚起、自分でも目を背けたくなるなど
注3:1通3円で半角128文字まで送信できるSMS。携帯番号同士でやり取りできたため、適当な番号にメールを送ることで容易にメル友を作ることができた
注4:本義のSMには愛情があるらしいが、愛情がまったくない時点では虐げられるAV嬢と似たようなものかも知れない
増田です。
私のその人格は決して「人格統合の推奨」はしません。そればかりの判断は「主人格であるK(私)が決めることだ」と私を立ててくれています。
つまり、良きアドバイザー役・唯一の相談相手、という「役割」を請け負って存在している人格が主人格を否定して、人格自身が持っている権限を逸脱した言動を示唆するのはなんだか考えにくいです。
ISHは私に常にこういっていました「私(ISH)はこの子(いつもISHは彼女のことを「この子」と呼称してました)のために、良いと思う行動と判断をします」と、常に善意に満ちていて、誠実、冷静な話し方とアドバイスをしてくれていました。ISHは彼女のことを常に心配をしていて、「統合」という結論に達したと話していました。もちろん、ISH独断で決めたわけではなく、他の交代人格と話し合ったと言ってました(反対したISHのことを嫌っている人格には反対されていたようでした)。
演技ではないかとのことですが、私にはなんとも言えません。
彼女は前からカウンセリングや投薬をしている時期がありました。
ISHは主人格を否定しているというより、彼女が幸せに生きていく手段を合理的に優先しているといった感じでした。
彼女にとって不合理なことは一切教えてくれませんでした(前の彼氏の時の状況をきいたことがあるのですが、「あなたにそれを話す必要はありません」とはっきり断られました。)
僕が、もっと彼女のことを愛してあげ、寂しい思いをさせなければ、統合の必要はなかったのだと思います。
彼女は僕から「世界で一番愛して欲しい、自分のことだけを見て欲しい」と常に言っていました。私が前の彼女がいたという事実(付き合い始めのころ、彼女に聞かれたりして
何気なく話してしまったことをずっと引きずっていました)に3年間悩み続けていたようです。私はある女性アーティストのことが昔から好きなのですが、曲を聞いたりライブにいくことが苦痛だと言われ(付き合いはじめは、好きなアーティストだと言って一緒に聞いたりしましたが、だんだん本性がでてきました)、彼女の前で聞かなくし、ライブも行かなくしましたが、彼女はいつも「あの女(女性アーティストのこと)のことを一番愛している、殺してやりたい」といつも
言っていました。僕が「歌声が好きなだけで、顔も性格も好きじゃない」と何度も言っても聞く耳を持ちませんでした。
彼女は「ISH」をはっきりと認識してはいませんか?「ISH」という存在を利用してその真似を行い、彼女は「自分自身に対する貴男の愛」を試したんじゃないかと感じます。
私と、私自身のそのサポート的人格との接点は初め、交換日記のようなところから始まり、小さい頃から見ていた夢の中に顕れる誰かという解釈を得ています。そういう意味ではその人格を認識出来ていますが、実際に他の人とどう接しているのかまでは分かりません。
ISHを含め、他の交代人格のことを主人格は認識していませんでした。
また、交代人格がでてきている間は、記憶が飛ぶので、ISHは経過した時間を常に
気にしていました(丸2日、主人格がこもってしまったことがあったのですが、
ISHになんとか戻してほしいと懇願して、主人格に聞いてもらったことがあるのですが「この子はもう外にでたくないと言っています」とでてきてもらえませんでした)
なので、交代人格がでてきている時間が長くなると、主人格の記憶と時間の概念に
食い違いがでることがありました。私は演技ではないと感じていました。
また、印象的な出来事ですが、彼女はトイプードルを飼うのが昔からの夢だったようで、付き合って半年の時に、お迎えしました。同棲している間は、息子として
お互い愛情を注いでいました。ある時、小さい女の子の交代人格が初めてでてきた
時、女の子は「かわいいワンちゃんだね、おいでおいで」と手を出したのですが、
トイプードルは非常に警戒して後ずさりをしました。私たち二人には普段は
絶対見せない行動だったので、動物には違う人だと本能的にわかるのかと
思いました。
心が「安定する」事はあっても「つよくなる」事はないんじゃないかと。
それに、ケースとして人格統合した結果、主人格だと思われていたメインの人格に安定するのではなく、ごくまれに副人格だと思われていた人格に安定してしまうこともあるようです。後者の場合、「自分は●●だ」と今までと同じ副人格として名乗りをあげることが多いようですが・・。
それを考えると、文中の「彼女」は人格統合した後も主人格として名乗りをあげているんですよね?でも、文中にあるような変わり方は私は聞かないです。
人格統合の話はかなり長い時間話あった(ISHや他の交代人格もふくめ)ので、
「強くなる」とも言われたのですが「安定する」とも言っていました。
彼女は統合後も主人格として名乗り上げています。ただ、統合の時に過去の
虐待の記憶も統合されたようで(統合前は、虐待の記憶の欠落がありました)
文中は「かなり」と表現していますが、私の主観ではあります。ただ、あまり
泣かなくなったのが一番印象的です。
願わくば、貴男が暴力被害の証拠を集めて、「彼女」を警察につきだす事を切に思います。
加えて、貴男もメンタルケアが必要な状態に陥っている可能性が高いと感じました。いわゆる「ストックホルム症候群」に類する状態じゃないかと。
情けない話ですが、未だ彼女のことが好きです。もし、彼女がやり直したいと
泣きついてきたら、間違いなく許します。
ストックホルム症候群のこと少し調べました。たしかに非日常的な毎日と、
激しい愛情表現の快感があったのは確かです。同時に、彼女のことをどうしても
守りたいという一心でした。この3年半、彼女の仕事が終わったら、1日も
欠かさず車で迎にいき、迎に行く時に飲み会があってもお酒は絶対に飲みませんでした。職場でいじめられて、仕事中に泣きながら電話してきたときも、早退して会いにいったりと、あきらかに普通の恋愛ではなかったと思います(今まではこんな恋愛はしたことがありませんでした)。こういうことをする自分に自己陶酔していると言われても仕方ありませんが、自分の頭の中は彼女で一杯で、何を差し置いても、彼女のことを最優先し、自分の時間の大半を彼女に浪費してしまいました。
解離性同一性障害というか境界性人格障害の人は、一度嫌いになると、どんなに
好きだった人でも生理的に受け付けないくらい嫌いになると見たことがあります。
僕の友人の中に、彼女も「Nさんは、博識で素敵な人だね」といっていた友人が
いたのですが(私も彼女との付き合いを差し障りのない程度の相談していました)
Nさんが彼女に「増田くんばっかり攻めるんじゃなくて、自分のことも見直したらいいよ」と冗談ぽく説教されたようですが、それ以後、親の敵のように態度が
豹変しました。私は彼女のことを優先してしまい、大切な友だちを一人、自分から
無くしてしまったのです。他の嫌いな友だちも自分から疎遠にしてしまいました。
今思うとなんて馬鹿なことをしたと思っています。。
カウンセリングには本当に行ってこようと思います。
28歳♀さんのお話を聞くことができ、救われる想いがしました。
もっといろいろな話を聞きたいと感じました。
付き合った彼女が解離性同一性障害だった。結局、3年6ヶ月付き合った結果
振られるという結末で終わった。自分の中でも一区切りが付いたので日記をおこしたいと思った。文章が稚拙だと思うけど、お付き合いして欲しい。
彼女は当時21歳、僕は27歳だった。
彼女と知り合ったきっかけは、あるメイドカフェ系のお店だった。自分はオタクなので、こういう店にちょくちょくいっていた。そこでメイドとして
働いていたのが彼女だった。最初の印象は、しっかり仕事して真面目そうで、声がかわいい子だなと思った。オタクの中ではかわいい方で見た目も好みだった。彼女目当てというわけではなかったが1ヶ月ほどランチを食べにいったりと、少しづつ話をしていく中、明るく可愛く笑う仕草にどんどん惹かれていき、彼女も僕に気があるのではないかという発言が何度かあった。自分は恋愛経験もあんまりないオタクなので(見た目にも自信がない)メアドを教えたり、マイミクになってくださいとも言えずに、メイドカフェの世界の中だけで、彼女との会話を楽しんでいた。
1月に入り、仕事で短期(3ヶ月)の出張が入り、しばらくこれなくなったので、今日が最後だと伝えると、帰り際に「マイミク申請してもらえませんか?」と言われた。正直うれしかった。家に帰って、すぐマイミク申請して、メイドカフェの外でも話しあう仲になった。何度かメッセージを交換していたら、彼女のほうから
「私、〇〇さんのことが好きです」と携帯番号とともにメッセージがきて、恋人同士になった。
すぐに彼女と電話をしたが、仕事中の彼女とか喋り方がものすごくかけ離れてると思ったのが最初の印象だった。緊張しているのか、すごく弱々しく、声もか細かった。彼女はすごく寂しがり屋だった、4月までは遠距離だったので、電話メインだったが、僕が仕事終わってから1日、5・6時間以上は毎日のように電話していた。徹夜で仕事いくこともしばしばだったし、電話代も月10万ちかくかかった。それでも、「寂しい、声聞きたい」と泣く彼女のことを好きだったし、僕のことも「いままで付き合った人の中で一番かっこいいしやさしいし大好き」と何度も言ってくれた、幸せだった。自分も直接会いたかったのもあり、2月に4日有給をとって帰省をした。初めてメイドカフェの外で会い、ちょっとおしゃれなビジネスホテルに泊まり、彼女と初めてセックスをした。彼女のセックスはすごく濃厚だった、すごく求めてきた。
翌日もデートをして、夜は実家に帰ると言っていたが、帰り際に「寂しいからずっとそばにいたい」と言われ、ラブホテルに泊まった。それから毎日そう言われ
毎日ホテルに止まってセックスしまくった。有給が終わり、空港まで見送りに
来てくれたが、ゲートのところで彼女が大泣きをして「行かないで、寂しい」とずっと泣いていた。その時は、すごく愛されてると思い、幸せだった。
出張先に戻り、また電話のみの遠距離が始まったが、彼女はやはり「ずっとそばにいたい」と繰り返すので、「こっちに1週間とかきて3月末に地元に戻るとき一緒に帰る?」と提案して、飛行機代も出してあげて出張先でプチ同棲生活をした。
仕事が終わって帰ると彼女がご飯をつくって待ってくれてるのも、幸せだった。
彼女は自分のみを見てくれないといやだといい、学生時代の女性の友人の番号や、女性のマイミク、女性アーティストの音楽を聞くのを制限してきた。好きだった僕は、束縛も
うれしいと感じていた。今思うとおかしかったんだと思う。
同棲をしてずっと一緒にいるようになり、彼女の発言が、今思うと普通じゃないと
思うことがしばしばあった。「あなたを殺して私も一緒に死にたい」と包丁を首に突きつけられたり、「愛してるから殺したい」など、セックス中も激しく乱れて「首を締めて殺して」と首をしめながらセックスしたり、「あなたを傷つけたい」と背中を血だらけになるほどひっかかれたり。正直、ここまでの愛情表現をされたことがない自分は、おかしいと思えなく、彼女の愛情に溺れてしまった。幸せだった。
出張が終わり地元に帰ってきてからも、彼女はいつも実家に帰りたがらないで、ラブホテルに泊まることが多かった、彼女の実家まで車で送っていっても(片道1時間ほど)「帰りたくない、一緒にいたい」とトンボ帰りしてホテルに泊まることもよくあった。正直、すごくお金も時間も、身体的疲労もあり、疲れていた。「なんで実家に帰りたくないの?」と聞くと彼女は実兄に子どもの頃から、身体的虐待をうけていると言われた。完全に彼女にのめりこんでいた僕は、彼女を守りたいという一心で、実家に一緒に暮らすようになった。彼女は男性を感じさせる人が嫌いと前々から言っていたが、そういう意味かと納得した。
彼女はすごく落ち込みやすく、すぐ泣き、癇癪を起こしていた。メイドカフェのお客さんにひどいこと言われたり、2ちゃんねるでもブスなどアンチがいてちょくちょく叩かれていた。僕の彼女に対する疲弊もあり、きっと冷たくしていたことや、セックスの回数も少し減ってしまった(彼女常日頃から「セックスしてるときが一番愛情を感じると言っていた」)時、彼女の解離性同一性障害(ちょっと意味違うけど、一般的には多重人格)で別の人格がでてきた。
夜中に泣きじゃくって、寝てしまた後、いきなり目を見開き「〇〇さん、はじめまして」と声をかけられた。はっきり言って、びっくりした、演技だと思った。
その人格は自分のことを「私はISH(インナーセルフヘルパー)」と名乗った。
彼女(彼?)は彼女の生い立ちや、自分たちが存在するようになったキッカケや他の人格のこと(4,5人ほどいるらしい)をいろいろと教えてくれた。
1時間ほど話しをしたあと、「それでは彼女を戻します」と言われた瞬間、彼女の主人格が戻ってきた。僕は多重人格はテレビで見ただけで、正直混乱していたが、
喋り方、表情、思考においてすべて、別人格としか思いようがなかった。
それから内緒で図書館にいき、解離性同一性障害の本を読みまくり、24人のビリー・ミリガンも読んだ。すべてにおいて、彼女に当てはまった。
それから辛いことがあったとき、僕とケンカをしたりすると、いろいろな人格がでてきた。小さな女の子、中学生くらいの男の子、乱暴な大人の女性。それぞれに
名前や生育歴があり、声色も言葉遣いも表情も仕草も、化粧の仕方すらも違い、すべてが別の人だった。
不思議と気持ち悪いとかは、全く思わず、彼女を守ってあげたいと思うばかりだった、と同時に、夜もゆっくりと眠れない日々が続き、疲れがたまって別れたいとも思っていた。
しかし、普段は普通の子だったし、また、彼女の深い愛情表現を知ってしまい、完全にのめりこんでいたのは事実で、「今後、こんなに自分を愛してくれる人はいない」という思いから、がんばった。将来はこの人と結婚すると思っていた。
付き合ってから2年がたち、疲弊した自分は自覚はなかったが、彼女への愛情表現も減ってしまっていたのだろう、ISHから「彼女はあなたに愛されていないと感じて、辛いと思っています。彼女の心を強くするためにも、人格を統合することを提案します」と言われた。ビリー・ミリガンでも最後は人格を統合していたので、
それを思い出した。「統合するとどうなる?」と聞いたら「彼女の心が強くなります。ただ、少し性格が変わってしまうと思います。もちろん私も統合されてしまうので、もうお会いすることはなくなりますが・・・」と言われた。ISHにはいろいろとアドバイスを貰っていた、こんなこと人に話せないので、僕の唯一の相談相手だったので躊躇していたが、彼女のためならと思い了承した。
統合以後、彼女の性格はかなり変わった。まず性格がきつくなった、あまり泣かなくなったり、仕方がないと諦めをするようにもなった。
それから1年ほど、以前とは代わり平穏な穏やかに付き合う関係を続けていて、自分だけ満足していた。しかし彼女は満足していなかった。
付き合って3年6ヶ月たった8月頭のある日、彼女の様子がおかしかった。次の日、別れ話をされた。今まで、何度か「別れたい、もう辛い」と言われていたが、すぐに「やっぱりあなたじゃないとだめなの」と泣きついてきたが、今回は違った。冷静に別れ話をしてきた「ああ、本気なんだな」と思った。「好きな人できたの?」と聞くと、「できてない」という。
彼女はコスプレイヤーだったので、カメコと個人撮影にまれに出かけていたりしていたが、僕は浮気とかは疑ったことがなかったし、安心していた。しかし、今回は
明らかに怪しいと初めて思った。彼女が寝ている時、生まれて初めて携帯を見た。
ビンゴだった。浮気相手との赤裸々なセックスのメールや、大好きだよの文章、
絶望した。呆然とした僕は、彼女と撮ったメイドカフェのポラや、手紙、もらったものすぐに捨て、彼女を起こして、「どういうことなの?」と問いただした。
逆ギレされ罵倒された。今までの愛情はなんだったんだというくらい罵倒された「お前みたいなキモイ男と仕方なく付き合ってやってたんだ」「セックスも下手だからずっと演技してた」「付き合ってたのも、実家に帰りたくないから住まわせてくれる大家だと思ってた、セックスもキスもその対価で仕方なくしていた」「お前みたいな男と付き合ったのは人生最大の汚点だ」と今までの僕もすべて否定された。ほんとに悲しくて、なんでこんな人を今まで好きだったんだろうと思った。急激な嫌われっぷりに、愛情と憎しみは表裏一体なんだと本当に思った。
今は実家から引越していて、一緒に同棲している。話かけると罵倒される毎日で、出ていって欲しいといったら「お金がないから貯まるまで無理」と11月までここにいると言っている。「今の男に頼ればいいでしょ」と言ったら「彼のことは本当に好きだから嫌われたくないから迷惑かけたくない」と。
これからの事を話しかけても「うざい、キモイ、そばに寄るな」そればかりで、話をしないため、ちょっと怒ってしまった僕は、「ちゃんと話聞けよ」と腕をつかんで怒った。腕を引っかかれて思い切り噛み付かれ足で思い切りお腹を蹴られた。うんざりした僕は、頭を無理やり引き離した。そしたら彼女は警察に行きDVされたと
被害をだし、警察に事情聴取をされ、「もう一緒に暮らすな」と言われた。しかし、彼女はでていかない。
こんな女性でも、やっぱり好きだった気持ちが強く、僕の前で平気でラブラブ電話をしていたり、家に帰ってこなく、ホテルに泊まってセックスしまくってるだろうと想像するといろいろと辛い。
もう自分の中でも区切りはついているけど、こんな毎日が11月まで続くのは耐えられない。
僕はもうすぐ32歳。この3年6ヶ月はいったいなんだったんだろう。。
彼女がよく笑う。しかし、何か面白いことがあって「あはは」と笑う感じではない。
俺が階段で転びそうになったとき、普通は心配するだろう。彼女も一応は「大丈夫?」と近づいてくる。
だが、その口は大きく横に広がり、目は活き活きと輝いていて、要するににやっと笑っている。
俺が本屋で店員相手に戸惑っていると、彼女は俺を見てずっとニヤニヤしている。
最初は、照れ笑いだと思っていた。公然と人を心配したりするのが恥ずかしいのだ。
そうか、と今ごろになって気づいた。彼女は俺を嘲笑しているのだ。
目の前で嘲笑するのが、他人だったらされた人は怒る。もしくは印象が悪くなる。
だから、人は目の前では他人を嘲笑しない。そうなると、陰口になる。
しかし、それが恋人だとどうだろう。しかも相手が男だったら。
世間的に見て、彼女に怒る彼氏というのは最低な存在である。だから、怒れない。
さらには、それが反語的な愛情表現なのだと主張することもできる。
彼女はそれを知ってて、安心して思う存分俺を嘲笑しているのだ。
この衝撃的な事実から目を逸らすために、俺は何をすればいいのだろう。
今年の春に上京して、少し経った頃に彼女ができた。もともとツイッターで話をしていて、東京に来たのをきっかけに会うことに。すぐに意気投合して、会った次の日には付き合うことになっていた。
笑いのツボも、価値観もとても近くて、お互いの趣味が一緒なのも嬉しかった。彼女が何かを話して、自分が同意をすると、こどものような顔をして喜んで甘えてくれて、それがとても幸せだった。
自分にとって初めての彼女だったから、変だと気づくのが遅かったというのはあったと思う。
半月が経った頃、彼女から「元カレにDVされて、怒られるのがトラウマ」「家族が重度の障害を持っている」「DVの影響でこどもが授かれず、もしも授かっても遺伝的に障害がある可能性が高い」との告白を受けた。今の父は実の父ではないだとか、他にもそういう話はどんどん出ていたので、彼女のことが好きで好きで舞い上がっていた自分は「なんて不幸な生い立ちなんだろう。いや、不幸っていう言い方はよくない。そういうのが幸せだと思っていたんだ。じゃあ、自分が本当の幸せを与えてあげよう」としか考えられなくなっていった。10年20年を考えた付き合いをしようと改めて伝えると彼女はとても幸せな顔をしてから、「あなたが今までの人の中で一番です」と泣いた。
彼女はほんとに些細なことで不機嫌になって、数時間で上機嫌に戻る。不機嫌になると(今思えば都合よく)眠くなったり疲れたり頭痛になったり、でも仲直りするとそんなことなかったかのようにはしゃぎまくる。ジェットコースターみたいな毎日で、刺激的ではあった。JRでお互いの住む地域まで1時間以上かかるのに、一月の7割近くは会っていたと思う。
トラウマに触れないように、自分は徹底して、彼女のわがままな言動に一度も怒らないように接していた。「他の女性とツイッターで会話されるのは嫌だ」「多人数でも他の女性と会われるのがいやだ」と言われたのでやめるようにしたし、「男友達と会った時も浮気だと考えてしまう」と言われたから毎回会っている人の写メールを送った。それでも疑われるのでなるべく会わないようにしていった。夜の十時に「今から(終電まで)会いたい」と言われたら一時間かけて駆けつけたし(無理だとかメールにしようと言うと「会いたくないんでしょ」と怒る)待ち合わせ場所についてから2時間経ってからキャンセルの連絡が来ても怒らなかった。ほぼ毎日深夜に電話を2時間以上したり(たいてい向こうは途中で寝るので切ろうとすると怒ったり、10分出るのが遅れると浮気を疑われたりした)、メールを一日最低30通したり(5分返信がないと「嫌われたかなあ」だとか「メールする気ないならやめる?」と怒られる)。急に激怒されても、嫌な気持ちにさせてしまった自分が悪いと謝った。向こうが元カレとツイッターで会話していたり、自分に課してくる注文と同じようなことを彼女が守らなくても、何も言わないようにした。我慢はできたし、指摘したら「じゃあもういい、ツイッターやめる!」みたいにありえないほど怒るから。怒っていない彼女はとても甘えてくれて好きだったから、怒らせないように必死になっていた。
でも、数ヶ月が経ったある日、彼女に好意を持っている男(彼女はそのことを知っている)と、彼女の友達と、彼女の3人が飲みに行った。ちょうど前日に彼女が不機嫌になっていたこともあり、あてつけとは言えど、好意を持たれているとわかっている人と少人数で会われるのはさすがに嫌だったので「あまりそういうのは行かないでほしい」と諌めると、彼女は「怖い」と言った。次の日、再びその男と一昼夜一緒に過ごした彼女は音信不通になった。数日後にメールで連絡を促すと手の平を返したような態度しか見せず、結果別れるということになった。今は彼女は、その男と付き合っている。
彼女がいなくなった頃、見計らったように境界性人格障害(ボーダー)のことを知って衝撃を受けた。ほぼ全ての項目が彼女に該当していたから。
・見捨てられる不安や恐怖心が強い
・他者を過大に評価し理想視していたかと思うと、急にこきおろしたり激しい攻撃性を向ける
・人と適度な距離感を保てずグレーゾーンのない好きか嫌いかの両極端で不安定な対人関係しか持てない
・感情の起伏が激しく自分で感情をコントロールすることができない
・虚言が多い
・キレやすい
・自己主張する割に甘えが強い
・ダッコなど3、4歳のような愛情を求める
・最も身近な相手を振り回し、相手が自分を見捨てないかを試し続ける
・嫌われたり捨てられるのではないかという恐怖心や猜疑心から攻撃行動をとりやすい
・時に自ら嫌がられるようなことをわざと行ない「ほらやっぱり私を見捨てた」などと相手を困惑させる
あのあてつけは「試し行為」であることを知った。愛されていることを確認するために、相手の嫌がる無理難題を持ちかけて許してもらおうとする。でも、例えそれをクリアしても要求はどんどんエスカレートするから、結局いつか破綻する。ボーダーに「そういう愛情表現は間違っている」と言っても通用しない。彼女はまともな愛情表現を知らない人だから。
一度だけ、音信不通の時に彼女のバイト先の駅まで行った。別れるにしても直接話したかったし、前にこっそりバイト先に訪れた時は喜んでくれたし、不機嫌から上機嫌になるのもこちらから水を向ければ今まではあっという間だったから。でもその日は会ってくれなかった。
後に彼女の共通フォロワー伝いに聞いた話だと、自分は「"毎日"最寄り駅で"待ち伏せ"している怖い人」という扱いになっていた。彼女の頭の中の罪悪感が、嘘にならない程度に誇張され、彼女が悪くない方向に正当化されて、それが絶対の考えとなる。こちらから訂正を求めたくても、ストーカー同然の扱いをされているため、無理に近寄ったら「怖い」と言われる。彼女の周囲の取り巻きには彼女しか近寄れないし、心情的に彼女の味方をするから、当然自分が悪者になった話を真に受ける。元カレが一番距離的に遠くなるのを、無自覚でわかっているのだと思う。浮気や大量のわがままをしてきたのは彼女なのに、全ての罪を自分に転嫁されて、「元カレはひどかった」「わたしは男運が悪い」と周りの男にアプローチ。そういう言葉につられてやってくる男を捕まえて、付き合い始めの楽しく甘い部分だけを吸って、ボーダーの症状が出る頃に次のターゲットを見つけて乗り換えてここまでやって来ていたということを、別れてからようやく気づいた。
詐欺とは違うのだと思う。詐欺は初めから相手を騙すことを考えているけれど、ボーダーは騙す気はなく、好きでいる瞬間は真剣に好きなのだろう。彼女も自身のことを「わがまま」「ツンデレ」「やきもちやき」という風に捉えていた。彼女の中では、恋愛下手なわたし、なのだ。
だけど彼女は反省と学習をできない。反省は自分が悪いと思わないとできないから。彼女は自分に都合の悪いことを全部相手が悪いと正当化してしまう。新しい恋人とも今は楽しいだろうけれど、絶対に自分のような流れで失敗するし、次も、その次も同じことの繰り返しになる。
最近、新しくできた彼氏のツイッターをのぞいてみると、「あなたが今までの人の中で一番です」というようなことを言われた、と舞い上がっていた。時期から何まで、まったく同じパターン。ちなみに、この人が彼女にとって20人目の彼氏。彼女は20代前半。
今考えるとありえない人だったけど、深い仲になった恋人にしか本性を見せないから、周囲の評価はすこぶるいい。真実を知っている恋人はカットアウトして「ひどい人だった」「わたしは断れない性格」とアピール、周囲は「かわいそうに」「あなたは優しすぎる」ともてはやす。本人は悲劇のヒロインとして構ってくれることに喜び、元カレたちだけが割を食う。すごくよくできたシステムだと思う。
DVの元カレも、本当の部分はあれど、それほどひどい人ではなかったのではないか、と思うようになってきた。自分の行動で、ひどいストーカー扱いになるくらいだから。彼女の話もどこまでが本当なのか、今では疑わしい。
ボーダーの人は、初めに恋人を理想化するから、その時の異常なまでの好かれ方がまだ残っていて、たまに思い出すとつらくなる。不機嫌になった時は全人格を否定されるようなことを、彼女なりの正しい論理でとことん突きつけてくるけど、逆に上機嫌の時には、全人格を肯定しても足りない、というほど肯定してくるから、今後あれほど好かれることがあるのだろうかと不安にはなる。
でも、ずっと続いていたら確実に依存になってしまっていたと思うし、友達や仕事も全て悪い方向へ行ってしまったと思う。そして何より、彼女は見切りをつけたらあっさり次へ行く。彼女にとっては構ってくれる人なら誰でもよいから。だから深みにはまる前に別れることになってよかったのかもしれない、と今では思う。覚せい剤みたいなもので、向こうに完全に自分を委ねていたら、いなくなった時に耐えられなかった気がする。自分は彼女を愛していたけど、「ある日いきなり消える可能性を孕んだ二人だけの世界」で生きることは無理だった。一回相手を諌めた程度でなくなってしまう関係は対等ではないことに、ようやく気がついた。
一度彼女が最高潮に怒って(「会いたい」と連絡が来たので、会ったら「疲れてるんだけど」と怒られた)、その時「他人を信じてもどうせ裏切られるだけだから、初めから信じない」「信じているのは自分だけ」と自嘲気味に言ったことがあった。
でもきっと、彼女の中にはちゃんとした自分がないのだと思う。ずっと逃避して生きてきたから精神が途中で止まっていて、それを認めるのがつらいから、正当化するためにカメレオンのように恋人に言動を合わせて、これが自分だと思い込む。指輪をひけらかすように、のろけを強要して、「わたしの彼氏はこんなに愛してくれるのよ」と周囲に見せびらかすことで自己肯定をする。ボーダーの典型的な症例らしい。
「新しい恋人と性格がぴったり」と、まるで懲りていないツイートを見て、そう感じた。自分と彼女の性格が運命的に合っていたのではなくて、実は無意識に向こうが合わせていた、というのが一番悲しかった。
つらいこととかから逃げないで、自分のダメな所と向き合って、じっくり解決していこうと何度も言った。壊れそうな人だから大事にしたい、と思った気持ちに嘘はなかった。
でも相手はもう壊れてしまっていた。
ボーダーであることを教えたい。けれど、今は話を聞いてくれる立場ではないし、他人に戻ってしまった自分の役割ではないのだとも思う。
それにやっぱり、正直もっと不幸な目にあってしまえ、と思っている自分がいる。
部屋に戻って来ても、僕と彼女に会話はなかった。部屋の利用方法に関する質疑応答はあったが、それ以外は本当に何もなかった。パーティの感想すら、なかった。
僕達はシャワーを浴びてしまうと何もする事がなかったので、早々と眠る事にした。まだ23時だった。
僕は彼女に会うのは2年振りくらいで、彼女が大学を退学してから何をしていたのか知らなかった。病気の治療だと噂で聞いていたが、真相は判らなかった。現に、目の前の彼女は以前と変わっていないように見えた。髪型も体型も変わっていない。
彼女の友人らしいが、僕と全く面識のない人物の誕生日パーティに一緒に行こうと誘われたのは一週間前だった。僕は彼女に誘われた事が嬉しくて、何も考えずに承諾してしまった。今、後悔している。彼女と同じ部屋で近い距離で眠る羽目になるとは思わなかったのだ。泊りがけだとは聞いていなかった。全く眠れる気がしない。
遠慮せずにアルコールを飲むべきだったと僕は思った。もともと下戸なのだが、こんな事になるなら悪酔いしていた方がマシだった。
僕は寝返りを打つことすら出来ず、小さく息を漏らした。
「なあ、サツキ」彼女が背後で囁く。背後といっても、勿論1メートルくらい離れている筈だ。「一緒に寝てもいいか?」
「寒い?」
「うん」
彼女はグラスに2杯ほど日本酒を飲んでいた。僕よりは酔っ払っている。酔った振りをして僕をからかっている可能性もある。
彼女は僕のベッドに遠慮なく潜り込んで来た。僕は彼女に背を向けたまま、更にベッドの端に身を寄せる。後ろからくすぐったいような甘い花の香りがした。
「あの、俺は」と僕は言った。いつになく緊張していた。「以前みたいな事になっても責任は取れない」
言ってしまってから、こんな突き放したような喋り方をしたかった訳じゃないと思う。
「私が誘ったらまた抱いてくれる?」
彼女は抑揚のないひくい声で言った。
僕は答えなかった。
2年前、彼女とセックスをしたのは夢だったんじゃないかと半分疑っていた。僕の記憶に残っている、彼女の骨張った体の感触も、それでいて冷たく滑らかな皮膚も、温かく湿った性器も、全部僕が捏造したものだったらいいと思っていた。
僕の方から誘ったなら、僕は僕だけを責めていられただろう。
彼女はその翌日から大学に来なくなった。数週間後に退学したと聞いた。本当に病気だったのか、別の分野を学びたくなったのか、就職でもするつもりなのか知らないが、僕の事が気に入らなくて当て付けに辞めたとも思えるタイミングだった。
2回メールを送ったが、返事はなかった。
「俺、付き合ってる人がいる」
「前も聞いた」
「以前とは違う人だけど」
彼女は黙った。
「君に振られてから、俺は君の事を諦めたつもりだった。君は俺の大切な友人で、それ以上でも以下でもない。そう思ってた。でも、俺は、君を性欲の捌け口に出来る。高校の頃、君に言われた通り、君への好意だと信じていた物は純粋な愛情じゃなくてただの性欲だったのかもしれない」
「愛情も劣情も継続する物ではないから、例えばセックスの最中にお前が私を3分くらい愛してくれたらそれでいい」
「俺をからかって面白がっているんだろう?」
「私はもう十分苦しんだ。そして、諦めた。私は男を愛せない。だが、お前は私が女である限り私に欲情し、それを愛情だと勘違いする。生まれてくる性別を間違えたな、サツキ」
彼女が僕の事を少なからず好いてくれている事は気付いていた。だが、僕達が愛し合うには性別という壁があった。それだけだが、我々には一生掛かっても取り除けない厚い厚い壁だった。
もし仮に僕達が女同士だったとしても、愛し合った末に性行為をしたかもしれない。そして、彼女はそれを自然な事として受け入れるだろう。彼女はただ、男に性欲の矛先を向けられるのがとても不愉快なのだと思う。
僕が彼女を愛する上で、彼女の性的嗜好は正義であり、彼女が不快だと言えば僕は身を引くしかない。
「何で、俺としようって思ったんだ?」
「男とするセックスは気持ちいいと思った事がないが、お前が望むなら我慢しようと思った。今だから言うが、私は愛情表現のつもりだった。お前を独占したかった。たとえ3分でもな」
彼女は僕の腕の辺りを探り、湿った小さな手で僕の手を握った。
僕はどう反応していいものか迷った後、軽く握り返した。自分の掌に汗をかいているのを感じた。
彼女のつるりとした手の甲の感触で、僕はあの日のセックスの一部分を鮮明に思い出す。
今すぐにでも彼女を抱き締めたかった。
「言葉では何とでも言えるけれど、俺は、君の事を愛している」
「言葉は信じない」
彼女はそう言い、ふっと鼻で笑った。
「今の俺には言葉で伝えるしか、術がない。それに、君は今だって俺を独占しているじゃないか」
「うん。その通り。ただ、もっと、満ち足りた気持ちになるんじゃないかって、期待してた。今も、してる」
僕の脚に、彼女の足が触れ、すぐに離れた。
僕は彼女の手を強く握ったまま、ただ、自分と彼女の息遣いを聞いていた。
何度交わっても、彼女を落胆させるだけだと僕は思った。彼女の真意も、今どうするべきなのかも判らなかった。
「おやすみ」と彼女は小さな声で言った。そして、更に声をひくくして付け加える。「有難う。からかって悪かった」
僕は何も言えず、唾を飲み込んだ。握った手を緩める。
彼女は僕が手を離すまで、動かなかった。
「おやすみ」
彼女は手を引っ込めた後も、ベッドから出て行ってはくれなかった。
元増田です。
ありがとう。
きっとそれをやり続けられている人なんだと思う。
励みになった。ありがとう。
とりあえず、もらったコメントに対して回答させてもらうね。
赤ん坊が生まれて、落ち着くまで二年かそこら、
きちんと説明せず申し訳なかった。
妻は付き合ってるときから鬱で、薬の副作用で性欲が0になってしまったらしいんだ。(端的に言うと「感じない」「まったく濡れない」)
だから、そのころから満足にSEXしてない。
たぶん2006年の頭ぐらいからはきちんとできてないと思う。
付き合って1年たたずにそんな状態だったから、正直欲求不満はすごいたまってるんだと思う。
ローション使ったりイロイロやってみたけど、相手の体がまったく反応しないSEXほど悲しいものはないよね。
で、一人目が生まれて、体がリセットされるかと思ったけど。変わらなかったみたい。
副作用が残ってるのか、心が離れてしまったかわからないけど、もう今後一生きちんとSEXはできないと思う。
俺はATM、とかいってるけど、奥さんの方は、
アタシは「生む機械」、性処理の道具じゃないのよ、と思ってるだろう。
お互い様だ。
妻が「生む機械」と思っているのかどうかはよくわからない。
申し訳ないが、なぜそういう表現が出てきたかよくわからない。
あと、家事はありえねーくらい手伝ってるって話、
はなはだ疑問だわ。乳幼児の世話を一通りなんて、働いてる男ができるわけがない。
増田は具体的に、毎日どれだけやってんだ。
うちは妻が専業主婦だから、現時点で毎日全部俺がやってるなんてことはないよ。
俺は平日は朝7時に家を出て、夜7時には帰宅してる。
寝てるとき意外は、子供の世話してるかな。
ご飯食べさせて、トイレトレーニングして、オムツ替えて、お風呂入れて、体拭いて、パジャマ着せて、寝かしつけて。
朝は、起こして、着替えさせて、オムツ替えて、散歩して、ご飯食べさせる。
予防接種は妻と俺で半々ぐらいかな。
ちなみに、乳児時代の夜中の授乳(ミルク)は曜日を決めて交代でやってたよ。
週末は俺が担当してたからきつさはわかってるつもりよ。
俺が子ども引き取ったっていいんだ、とか馬鹿なこといってるけど、
実家にやらせるしかないだろ? 祖母さん過労で死んでしまうぞ。
そんなことないぞ。
保育園に延長保育込みで預ければ、実家に預けなくとも対応可能だ。
今は朝7時-夜7時で働いているが、いくらでも時短勤務可能だし。
甘えん坊の増田に良い解決策を教えてやろう。
毎晩毎晩、奥さんが寝ちゃってからマスを3回かけばいい。
そうすると、もう疲れて疲れて、セックスも何もどうでもよくなるから。
おきてるときにもかいてるから、これは問題ないw
家事育児がどれだけストレスたまるか、ぜんぜんわかってないのが悪い。
奥さん実家に帰して、会社やすんで、一週間くらい子どもの相手ばかりしたら、
ちょっとはわかるかもしれない。俺は女房が入院したので三ヶ月やった。
保育園通わせながらだけどさ。女ってのは、まぁ実に偉いもんだと思ったよ。
増田は、ぐずる子どもを右腕にかかえながら、左手だけで味噌汁つくったことがあるか?
腰に悪いぞ。五年経った今も痛い。そういう有り難みがよくわからないでいて、
とどのつまり「やらせろ」とダダこねるのは、俺も身に覚えがあるけれど、
男としてあんまり格好いいもんじゃないわ。
俺の考えでは、育児の最も大変なところは「気を休める時間がない」ということだと思うんだよ。
一つ一つの作業は、たぶん誰でもできる。
でも、それが積み重なって文字通り24時間続くことが本当のきつい部分だと思うんだよね。
あなたならこれに同意してくれると思うんだけど、どうだろうか?
最後にひとつ。
世の中にはイロイロな人がいて、育児や家事に力を入れている夫がいることも、あなたには理解できるはずだ。
少なくともあなたは家事や育児のつらさをわかっているはずだ(と思う)
そのあなたがなぜ「世の中の男は家事も育児もわかってない」という固定観念を持ってしまっているのか?
そのあたりを俺は知りたい。
奥さん、マタニティブルーなんだろ。
赤ん坊が生まれて、落ち着くまで二年かそこら、
増田がセックスとか愛情表現とか、我慢すればすむことじゃない?
俺はATM、とかいってるけど、奥さんの方は、
アタシは「生む機械」、性処理の道具じゃないのよ、と思ってるだろう。
お互い様だ。
あと、家事はありえねーくらい手伝ってるって話、
はなはだ疑問だわ。乳幼児の世話を一通りなんて、働いてる男ができるわけがない。
増田は具体的に、毎日どれだけやってんだ。
俺が子ども引き取ったっていいんだ、とか馬鹿なこといってるけど、
実家にやらせるしかないだろ? 祖母さん過労で死んでしまうぞ。
甘えん坊の増田に良い解決策を教えてやろう。
毎晩毎晩、奥さんが寝ちゃってからマスを3回かけばいい。
そうすると、もう疲れて疲れて、セックスも何もどうでもよくなるから。
それとね、奥さんの言い分を、もっと真剣に聞く必要がある。
家事育児がどれだけストレスたまるか、ぜんぜんわかってないのが悪い。
奥さん実家に帰して、会社やすんで、一週間くらい子どもの相手ばかりしたら、
ちょっとはわかるかもしれない。俺は女房が入院したので三ヶ月やった。
保育園通わせながらだけどさ。女ってのは、まぁ実に偉いもんだと思ったよ。
増田は、ぐずる子どもを右腕にかかえながら、左手だけで味噌汁つくったことがあるか?
腰に悪いぞ。五年経った今も痛い。そういう有り難みがよくわからないでいて、
とどのつまり「やらせろ」とダダこねるのは、俺も身に覚えがあるけれど、
男としてあんまり格好いいもんじゃないわ。
相手に初めてではないと告げられたとする
きっと、そう告げられたらぼくは、相手をそれ以上踏み込ませないだろう
あなたがぼくに聞かせるその悲鳴も、忙しなく動くその瞳も、苦痛を隠しきれないその表情も
きっと、あなたはぼくの知らない誰かに沢山見せてきたんでしょう
あなたがぼくに伝えたその心も、じっとりと汗浮かぶその肌も、沈むように赤いその血液も
きっと、あなたはぼくの知らない誰かに沢山見せてきたんでしょう
そう、それはぼくもなんです
ぼくがあなたにぼくがあなたに聞かせるこの声も、力を込めた両手首も、愉悦に歪むこの口元も
ずっと、ぼくはあなたの知らない誰かに沢山見せてきたんです
ぼくがあなたに示すこの愛情表現も、抑えきれないこの感情も、抉るように覗き込むこの瞳も
ずっと、ぼくはあなたの知らない誰かに沢山見せてきたんです
あなたがぼくの初めてでなければならなかったように
ぼくもあなたの初めてでなければならなかった
だから、もう二度と恋愛は出来ない
狂気が現実にならないように
普通に考えたら今まで付き合ってきた男たちはみんな、やれ好きだ愛してるから証としてやらせろって言われて応じたら突然手のひらを返されてこちらの都合とか心情とかおかまいなしにセックスばかり求めるだけになるというパターンばかりで、すっかり男性不信になっている、というだけのことだと思うのだけれど。
そういう事情も推測できずに単にセックスに飽きているに違いないと思い込んで「ヤリマン」なんて表現を使っちゃう増田もその1人になる可能性は高い気がする。
そもそも男が「愛情表現の最終形がセックスだと思う」というとかちゃんちゃらおかしいわ。
俺には5年間付き合ってる彼女がいるんだけど、5年の間に遠距離恋愛になったりして、普通に5年間付き合ってるカップルよりも一緒にいる時間が短い。
だから行為そのものを求める機会もあんまりなくて、しかも俺自身童貞で女性経験も皆無だからどう求めていいかもよくわからなくて困ってた。
むこうは男性経験豊富だから、むこうから誘われるというか、俺が求められる空気を作ってくれるのを期待してた。
俺の期待通りに彼女が意図してくれたのかどうかは知らないけど、最近そういうシチュエーションに何度か巡り会った。
夜、ラフな格好でベッド(ホテルじゃなくてどちらかの自宅の)で一緒にゴロゴロするみたいな。
俺はそのとき、思いきって自分なりに求めてみた。
でも、拒まれた。
というか、スルーされた。と言ったほうが正しいのかもしれない。
でも、俺からのアプローチを受け取らなかったのは間違いなかった。
俺はそれを受けて、「彼女とセックスできないなら、性欲なんて邪魔なだけ。去勢しようかな。」みたいなことを考えた。
去勢しないにしても、彼女と会うときは薬かなにかで性欲を抑えつけようと思った。
「あなたが嫌なら僕も僕で辛いから、去勢なりして性欲を抑えようと思うんだ」って。
そしたら、
「そこまでするくらいだったら、全然やるよ?」と言われてしまった。
詳しくきいてみると、一生のうちでこれからもずっと関係を持つであろう男性とのセックスはあまり積極的にできないらしい。
それを聞いて俺は少し喜んだ。
そのあと、こんなことを言われた。
男女関係(の肝)ってセックスじゃないよね。
きっと1回やってみたら「ああこんなものか」って思うと思うよ。
あなたもやっぱり"男"なんだね。
彼女は凄く可愛くて、人気があって、頭もよくて、凄くモテるし、別に好きじゃない(かといって嫌いでもない)男性と2人で一緒に食事にいくことくらいは平気でする性格だから、男性経験が豊富なのは知っていた。
でも、今までの俺との性経験から、セックスに関してはカタいんだろうなと思っていた。
でもなんだか、このはなしが「私はセックスなんて飽きたけど、あなたがやりたいならやってもいいよ?」というふうに聞こえてしまって、至極げんなりしてしまった。
セックスってそういうもんなんだろうか。
俺は本当に好きな人と以外、セックスなんてできないと思ってる。風俗とかマジであり得ない。
「セックスしたい」っていうのは"大好きな彼女"とであって、"女性"とではない。どんなに可愛くても気持ちよくても他の女性とセックスなんてお金をもらってもしたくない。
俺にとっての"性欲"は、本当に好きな人にしかはたらかない。オナニーだって彼女のことを考えてしかできない。他の女性の体をみて興奮して勃起するとか絶対にない。
俺が童貞だから知らないだけなんだろうか。わからないだけなんだろうか。
それとも俺が男として異常なだけなんだろうか。
その流れで「愛情表現の最終形がセックスだと思う。俺が君とセックスしたいと思うのは、君を本気で、全力で愛したいからなんだよ」って言ったら否定されてしまった。
「あなたはそう思っていても、実際は違う。私は男がどういう生き物か知っている。」みたいなことを言われて更にげんなりした。
やっぱり俺が経験不足だから知らないだけなんだろうか。
好きな人と一緒にいたい、手を繋ぎたい、抱きしめたい、キスしたい。
セックスもそういうのの延長なんじゃないの?
ガラス窓の向こうの中庭では音楽系のサークルが一昔前の音楽を演奏していた。
僕は何とはなしにそちらに耳を傾けつつ、次の言葉を発した。
「別にマゾだとか被支配欲とか破滅願望って訳じゃないんだ」
「むしろ、誰かが僕を支配しなければならないという状態に縛られてる状態が欲しいんだ」
「こんなにどうしようもない僕なんかを、ね」
ここまで話して、日替わりラーメンの新作「麻婆ラーメン」に口を付けた。
麺を何口か啜り「これは罰ゲームに使えるな」と呟いた。
「谷倉に食わそうぜ。最近後半組の瑞希さんと仲良いしな」
対して、向かいの席に座った芦原は定食Aのステーキを切り分けながら相槌を打った。
「今度の必修のレポートが終わったらまたやろうか。北森も呼んでさ」
良いなそれ、と言いつつ芦原の視線は配膳に固定されている。
いつもの事だと流して、左で菓子パンを手にこっちを見ている凪川を見た。
「話を戻すとさ、支配されてるのに支配してるって言う矛盾みたいのが良いと思うんだ」
芦原がニヤニヤして横やりを入れた。
「このロリコンが。お前が捕まったらネットで晒し者にしてやる」
はいはい、と流して話を続けた。
「この矛盾はね、結局相手も隷属してるってのが素敵なんだよ」
「犬の散歩で言うなら、縄の付いてる部分こそ違えど、飼い主と犬は繋がってるって事でしょ」
「けど、飼い主は自分から縄を離せる」
凪川は眉根を詰めて言った。
「都合の良い対象として扱われたいのか?」
「いいや、違うよ」
「もし、飼い主も自分で縄を離せなかったらどうする?」
「僕は、その状態が欲しいんだ」
「形としては支配されてる、けどそれは惰性に過ぎない」
「いつ支配され返されるか分からない。それでも支配し続けなければならない、離れられない」
「奴隷となった相手の従順な姿に安心しつつも、時折絶望に浸って欲しいのさ」
凪川は渋い顔をしてこちらを見ている。
場違いだと思いつつ、こいつに倒錯的な性体験をさせたいと思ってしまった。
顔に出ないように取り直しつつ、言い返して反応を見ることにした。
「死にたいと四六時中言っているよりは良いだろ。性的エネルギーは活動の活動源だ」
「方向性が道徳的ではないのは良いのか」
「0°がまともだとして、720°でも傍目には分からなければ良いのさ」
「道徳的であるかどうかは過程じゃなくて結果にあると思うよ」
「その結果が支配関係なら180°だろ。それに、俺らに言ったら過程が分かってるから意味ないだろ」
「依存してるから良いのさ。愛を受け止めておくれ」
「フルメタルジャケットの方だ、良かったな」
「痛いのが好きなら、そうとはっきり言えば良いのに」
「どう解釈すればそうなる変態バイペドフィリア。地獄に落ちろ」
今日も厳しいな、少々古いがツンデレ的愛情表現かね……とにやりとした。
凪川の目にあるはっきりとした嫌悪については、今は深く考えたくない。
芦原は黒檀色の瞳を探る様に向けている。
「…………良いんだ、今さえ楽しければ。どうせ刹那的にしか生きられないし、受け止められないから」
「あっそ、好きにすれば」
「ごめん」
それから3限開始までは何事もなくいつもの日常が戻って、4限に解散した。
銀朱に染まる最寄りのバス停で降り、鍵束でドアを開放する。
その日 友人が一人死んだ。
午前6時、その報せが映ったディスプレイを見つめていた。
7月の初めに、人が死んだ。
読んで頂きありがとうございました。
http://anond.hatelabo.jp/20100411090909
物怖じしたり、ちょっとのことですぐ諦めたりする多重債務者、身の回りにもたくさんいますよね? その根っこには、彼らが取立てに対して臆病になっているという事実があります。逆に言うと、この臆病バリアを取り除いてあげさえすれば、彼らはごく普通に積極的になってくれるのです。今回は、その臆病バリアの上手な取り除き方をレクチャーします。
■多重債務者の本音
一般に、浪費家で臆病な多重債務者たちは、ほんのちょっとのことで、返済できなくなったり、勝手に音信不通になったりもします。彼らが「臆病バリア」の中に閉じこもるきっかけはほんのささいなことばかり!
たとえば、一度メールをして返事がないまま3日経ったら「あ、この子は返す気がないんだな」と思って頭の中から“カモ”としての存在を消したり――
一度取立てをしてその後すぐに「また会おうね」という連絡が「相手の方からなかった」だけで「あ、これで終わりかな」とシャッターを下ろしてしまったり――
メガバンクでもないのに、メガバンク並みの「努力ナシの殿様営業スタンス」を展開するのに驚きます。
勝手にシャッターを下ろされた債権者側はたまったもんじゃありません。「えーっ!なにそれ~」となるわけです。債権者としては手順を踏んで普通に取立てを進めているのに、債務者の方が勝手にさじを投げて、人生の幕を下ろしてしまう。そういう事態が、日本各地で起こっているようです。
彼らの「臆病バリア」をなんとか駆除しないといけません。
彼らが臆病になってしまうささいなきっかけを取り除き、彼らに諦めをつけさせてあげれば、彼らも見違えるように借り入れに積極的になるし、前のめりに返済に取り組むのだと感じます。
さあ、臆病債務者達に以下の言葉をさら~りとかけてあげてください。それだけで彼らの「臆病バリア」は消えてなくなります。ぜひお試しください。
■「毎週会ってもOKだよ」
最初の取立てが終わった後、こう言ってみましょう!迷わずさらりと笑顔で!
「○○ちゃんだったら、毎週回収しても全然オッケーだな。絶対飽きないと思う」
これは、一回の取立てだけでなくその後何回も誘ってくれてOKなんだよというメッセージになります。債務者としては、「2週連続は気まずいかな」「あまり頻繁に誘っても……」などと思っていますから、そのハードルを下げてあげるのです。取立ては1回ではなく、12、13回のセット商品なんだということを、彼に伝えてあげましょう。
■「日課になっちゃったよ!」
「○○ちゃんと電話で話してると、すごく落ち着くな~。なんか、こうして話すのが日課になってきちゃったよ」
ここで重要なのは「日課」という言葉。これは、ルーティンであり、当たり前の行為であり、自分の生活の一部になっているということ。こういうお墨付きがあれば、債務者としてもストレスなく安心して電話できますね。
■「多重債務でも平気」宣言
さらに、こんなメッセージも効果的です。
これも、これから多重債務に落ちこんでいる債務者にとってはうれしいひとこと。臆病債務者は「もう貸せない」「うざい」と思われないかと、常に心配しているからです。
多少重たい借金しても大丈夫なんだ、束縛っぽいことを言っても大丈夫なんだと、彼らが安心すれば、積極的にアタックしてくるというもの。ビクビクしている債務者には、これぐらい言ってあげないと、なにもしてこないというのが悲しい現状です。
■「ずっと一緒」
続いては、ちょっと高度な愛情表現です。
「○○ちゃんの債務、一緒に返済していこうよ」
これは、あなたが相手のことを長い目で見ているというアピールになりますし、継続的な関係を作っていこうねという、告白にもなります。
彼の欠点・クセを気にしないどころか、直してくれるというのは、臆病な彼らからすれば願ってもないこと。「ぜひ、よろしくお願いします」となるでしょう!
■言い訳を褒める
最後は、効果的な褒め言葉。
その人にあまり褒めるべき点がないとしても、これなら誰でも万能に褒めることができます。また、言い訳を褒められると意外性があって、債務者としてはうれしいものです。
もちろん、その結果彼は言い訳しづらくなりますから、会話や取立ての手間も楽になるはずです。
■【まとめ】何回か会ってみてから、ジャッジすべし
これまで見てきた、アクション・メッセージは、最初の1、2回目の取立ての時にかけてあげてください。そうすることで、彼らは逃げることを諦めることができます。結果として、勝手に結論を出して人生の幕を閉じてしまうような行為を彼らがしなくなります。
まずはこうやって子供をなだめすかすようにして諦めさせて、まずは何回か取立てをすることが重要。最終的に、その人がカモとしてアリかナシかは、その後ジャッジすればいいのです。手間を惜しんではいけません。
がんばってトライしてみてください。