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2020-06-27

国立新美術館の「古典×現代2020」に行ったんだけど、現代美術ってつまんねえなといまさら

菅木志雄

宣伝動画で「来る人は美術館に石ころがあると考えませんから」なんて言っているけど、感覚が半世紀くらい遅れてんじゃないのこの人。いまどき美術館に石ころがあった程度で、なんも思わんわな。それとも現代美術ファンは、美術館に石ころがあったらびっくりするの? そんなんだったら、徳川美術館で水石「夢の浮橋」見たら、腰抜かしてしまいそうだな。まして国立新美術館美術館ではなくて、美術館詐称する展示場なんだが。

川内倫子

いい写真だと思うよ。インスタで流れてきたら迷わずいいねを押すだろうね。その程度。

棚田康司

円空と並べて展示してつらくなかったのかな? 作品の持つ力の差が歴然と感じたが。まあ、本人やファンが満足ならいいけど。

鴻池朋子

皮緞帳は粗大ごみしか見えんかったというのは置いておくにしても、刀剣とのスケールの差が大きくて「組み合わせた壮大なインスタレーション」と感じ取るのは難しいな。現代美術ファンは器用だ。なお刀剣展示の照明ダメじゃね。刃文見える?

田根剛

中では唯一作品を展示していなかった。仏像展示の演出お仕事。動く照明と録音された声明だけのインスタントでチープな演出。本物の宗教儀式が、さまざまな工夫を凝らして神秘性を演出しようと努力しているのに比べれば、子供だましみたいなものだ。

しりあがり寿

おもしろパロディではある。こっちはツイッター映えか。アニメーションは途中までしか見てないから何とも言えない。

皆川明

印象うすい

横尾忠則

さすがに力のある作品で見応えがある。ただ、「針のない時計は〇〇(忘れた。時間の超越とかそんなんだった気がする)を意味します」みたいな作品解説を読んで、深いなあなんて思わなきゃならないとしたら、俺には現代美術は無理だ。

古典の方は見応えあるよ。念のため。

追記

古典×現代2020」について、古典側も含めて、もう少し詳しく書いてみる。

仙厓×菅木志雄

仙厓の作品は掛軸1つ。円相図といって単なる○が書かれている。○には悟りや真理、仏性宇宙全体などと宗教的歴史的にいろいろな含意があるようだ。添えられた賛がいい。「これくふて御茶まひれ(これ食ってお茶を召し上がれ)」。

洒脱だねえ。かっこいい。この作品初めて見たんだけど、賛を読んで、ふわっと心が軽くなるような感じがして、ああい作品を見たなあと。

それに比べて菅の作品。それっぽい思わせぶり以上の何かだとは思えないな。解説聞いたら納得や感動するの、これ?

花鳥画×川内倫子

川内写真は数が多くて辟易した。いちいちつきあってられんわというのが1番の感想。前回インスタ云々と書いたけど、でかく引き伸ばした写真とかもあり、それはそれででかい会場で展示する意味はあるのかもしれない。ただちゃん選抜してくれ。花鳥画の方は6幅なんだよ。

花鳥画の方で目を引いたのは、森蘭斎筆/梁田象水賛の牡丹図(神戸市博物館蔵)。背景に大きく描かれた太湖石は伝統的な描法。手前の牡丹西洋画の影響をうかがわせる陰影がついている。でありながらうまく調和していると思う。おもしろい。賛は読めんかった。誰か教えて。

円空×棚田康司

棚田作品には全然目が行かなかったんだよなあ。円空いいなと思ってただけだった。荒々しさというか生々しさというか、そういうのがいいよね。というわけで、棚田作については何も言えない。

いちおう言っておくと、もともと円空あんま好きじゃなかったし、今回で好きになったというわけでもない。それでも円空ばっか見てたのだ。

刀剣×鴻池朋子

mitimasu 冷たいドブをさらって原石を見つけるのが楽しくないなら向いてない/刀剣は手に取って角度を変え光の当て方を変え…という見方ができない以上、どこの展示もそんなもんだと思うけど?国立新が特にひどいのか知らんが

刀剣の展示は、1つ1つに小さなスポットライトが当たっていて、それを刃文のところに乗せるように見ると刃文が浮かび上がるようになっているのよ。そして横にスライドしながら刃文を見ていくと。刀剣博物館でも東博でもなんでも、刀剣展示ってのはそういうもの

今回の展示ではそのスポットライトがなかったはず。だから見えない。

ひょっとしたら俺が見落としていただけなのかもしれない。また、刃文の見えない展示もありだよねってことなのかもしれない。いずれにせよ、日本刀にそれほど興味ないからなんでもいいんだけど。

会場内で配られていた「アートのとびら×作品リスト」なるガイドブックに、別の機会での皮緞帳の展示の写真が載っていて、それで見るとこの作品なかなかよさげなんだよなあ。ライティングが異なる。あと中央にぶら下がって振り子のように揺れていた首がないのがいいのかな。

そのガイドブックには、「同じ部屋に展示されているのは、美術品としてケースに入れられている刀剣です。刀剣はかつては武器、または切る道具でもありました」とある。これ書いた人って、刀剣の展示を見て、自分の体が切られるようなぞくぞくする感覚を味わったことがないのか。もうちょっと古典作品としっかり向き合おうよって思う。

仏像×田根剛

前回子供だましだと書いたけど、ツイッターみると評価高いのよね。意外だ。

他の作家と違って、この人は作品制作せず、仏像の展示演出を手掛けている。演出手法は光と音で、具体的に言えば動き変化する照明と録音された声明だ。

立体物の屋内展示で照明が固定されているということに以前から不満がある。屋外ならば太陽位置で影の付き方が変わって見え方が違ってくるからね。たとえば上野国立西洋美術館に行く楽しみの1つが、今日ロダン地獄の門がどんな表情を見せてくれるのだろうかということだったりする。

から今回の田根の試みのうち、照明を変化させる、動かすという点自体評価したい。ただその変化のさせ方や動かし方については、もう少し考えがあってもよかったのかもしれないと感じた。

正面下方から照明を当てる瞬間があるけど、これはいい、というか正しい。お堂に安置された仏像は、下の方に置かれたロウソクの火に下から照らされる。だから仏師もそれで映えるように仏像を作っているはずだからしかし、仏像の周囲にいくつかのピンライトがあって、それが上下に等速度直線運動してるってのはどうなのって思った。

まあ、しかし照明の方はまだいい。音の演出の方はちょっとひどいのではないか。録音された声明スピーカーで流しているんだけど、音響についての工夫がまったくないのね。仏像向かって右手、部屋の奥の方にスピーカーがあってそこから流れているんだなってのがわかる。どこからともなく聞こえてきて展示室内を包み込むような感じに聞こえるとかそういうの全くないの。音響について完全になめてる。

さらに言うと、仏像の展示位置が低いと思う。立って見ると正対するほどの高さ。一般仏像は高い位置に据えて、仰ぎ見るもの。その下からの角度で見て映えるように造られているはず。この仏像の一番映える角度がどのあたりかは知らない。しかし今回正面から見て違和感を覚えたから、下からの方がいいと推測する。そういった点、たぶんこの人なにも考えてない。

北斎×しりあがり寿

出品しているのが大きく2種類で、うち1つがアニメーション。これは半分くらいしか見てない。なにも惹かれるところがなかった。

もう1つは、冨嶽三十六景のパロディちょっと可笑しなほぼ三十六景」で、いくつかの作品元ネタ北斎作と並べて展示していた。

北斎の冨嶽三十六景は三十六景といいつつ、追加があって全部で46図ある。一方パロディ版が全部でいくつあるのかしらないけれど、きっちり36ではないからなのか「ほぼ」とついている。三十六景といいつつ平気で10枚追加したあげく、三十六景のまますました顔をしているところの江戸っぽさ(前近代っぽさ)と、きっちりでないので気になって「ほぼ」とつけてしま現代っぽさの対比が興味深い。

それはさておき、このパロディけっこういいのだ。うまくて唸らせるし、おもしろくて笑わせる。

でもね、「和紙インクジェットプリンタ」なんだよ。実物見意味なんて全くないからね。前回「ツイッター映え」と書いたのはそういう意味も含んでいる。なんつーか、いろいろ退化してるね。

乾山×皆川明

ツイッターで見かけた感想なんだけど

伝統×現代アートという切り口から伝統的な作品の「もの」性を再発見していく展覧会だと思いました たとえば皆川明×尾形乾山の展示を見て、私は初めて乾山の器の「素材」を認識しました そうか、これは焼き物だったんだ!という新鮮な驚きがありました

ちょっとびっくりしたよね。乾山見て焼き物だとわからないような〇〇〇がありがたがってるのが現代美術ってことなのかな。

このコラボレーションは2種類に分けることができて、1つは独立ケースに乾山作が収められており、その上に大きく平たい円筒状の布(皆川作)がぶら下がっているというもの。6セットあった。これは両作を同時に視野に納めるのが難しく、あまりうまくいっていないように思えた。

もう1つは、小さな様々な端切れが継ぎ接ぎされた数メートルはあるかという布の上に、ところどころ乾山作の陶器陶片が置いてあるというもの。ごちゃごちゃしたものの上だと乾山は映えないなというのが感想だけど、皆川明、というかそのブランド「ミナ ペルホネン」は明らかに自分ターゲットではない(というかそもそも初めて聞いた)ので、これが素敵だという人がいるなら、その感想についてどうこう言うつもりはない。

乾山の作品では「色絵石垣文角皿」(京都国立博物館蔵)がお気に入りモダンな味わいがある。かわいくてすてきだ。

https://syuweb.kyohaku.go.jp/ibmuseum_public/index.php?app=shiryo&mode=detail&list_id=267439&data_id=20219

蕭白×横尾忠則

この展覧会に行った理由蕭白蕭白が4作出てたら行かざるを得ないよね。で、行ってみたら現代美術作品がつまらなくて、ひどい言い方だけど抱き合わせ商法にあったような気分になったわけ。

新出の游鯉図の眼がリアリティあって見事だった。群仙図屏風(東京藝術大学蔵)が、個人的蕭白と言えばこうのって作品で大好き。

宣伝動画のなかで横尾は、人間本質・魂の表現蕭白作品の中にこめられた重要メッセージで、現代人が見失ったものだみたいなことを言っているんだけど、これ賛同する人ってどれだけいるんだろ。まったくピンとこない。

そのほか

kei_ex 増田近代美術館のドイグ展とか行くとどう思うのか気になる(コンテンポラリーだけど、手法比較古典

行ったよ。特に第1部はすてきだなと思う絵が多かった。ただ基本的個展っていまいちよね。いろんな人の作品が見れた方が楽しいな。そのなかに数点ドイグがあったら、より魅力を感じたかもしれない。個人詩集よりアンソロジー読んだ方が楽しいし、好きな詩がより映えるよねみたいな感じ。個展だとその作家をどのように位置づければいいかもわかりづらいし。いまああいった絵を描きつつ評価されているというのは、いったいどういうことなんだろ。

yama_bousi 現代美術自分好きな人は、淺井裕介氏、高松和樹氏、蔡國強氏、ちょっと古いのではキースへリング藤城清治氏、あとドール世界とか凄いなあ、と思う。現代美術とは違うがぴろぴと氏は大好き。

おお、ありがとう積極的に見に行くことはしないだろうけど、いちおう名前は覚えとくわ。

2020-05-19

anond:20200519115158

洗濯物見ておけという支持はかなり謎だなぁ

パンティ泥棒でも警戒してるのかしら?と思っちゃう

anond:20200519110338

洗濯物見といて」と言われたら雨が降り出しても黙って見守るタイプ

2020-04-18

どうでもいいキャラリョナを平然と描くヤツ○んで欲しい

そのくせ自分推しキャラは新婚みたいな夢絵ばっかり描いてるの何なんだよ。

恐ろしいわ。

しかもその絵に対して「ファンアートです!」って言うてるのがもっと不快だし、

なんなら「最高です!」ってリプが大量に付いてるのが恐怖でしかない。

私がおかしいのか?

いつもなら、嫌な物見たら黙ってブロック通報するんだけど、

今回のはさすがに度が過ぎていた。

そのキャラが好きじゃなくなった。

ブロックして暫く経って、原作直視できなくてアプリも消した。

たった1枚の「ファンアート」で、1ユーザーが消えた。

これ、Fateとか有名ジャンルなら本当に些細なことに過ぎないかもしれないが、

今回のはリリースして間もない、まだ大して知名度もないコンテンツだった。

普通に訴えられても文句言えないでしょ???

連日のリモート疲れの中に、癒しを求めてネットサーフィンしてたはずが

こんな爆弾落とされて

精神的に参ってるせいで文章メチャクチャなんですが・・・

そもそも、描かれていたキャラシナリオ上で『磔にされて燃やされた事がある』という設定で

今でもその事で弄られたりする元々かわいそうな子だったんだが・・・

もしかして過去トラウマをバネにして今があるというのがその子の魅力』と個人的に思っていただけで

公式かわいそうな子ファンアートでも死体蹴りしてあげるのが世間一般では良しとされてるのかな??

私がおかしいのかな?

いやぁ〜〜〜〜キツいっす

「ていうか投稿者に言えよ」ってほんとそれな過ぎる

もう、本当に無理過ぎて原作も見れない。そのくらいダメージがでかい

自分応援してたコンテンツを同様にファンと名乗る人がいて

その応援の仕方が単なるキャラヘイトではなく「死体蹴り」だったっていうのが。

しかもそれに賛同する人間がそこそこいる、という現状が。

しかしなくても、その人たちはユーザーのごく僅か一部の人間なのかもしれない

そうだと分かってても、このコンテンツはそこまで知名度も基盤もないわけで

これからこんな不快な人たちと成長を見届けていくのだろうと思ったら

すごく戸惑う。

自衛自衛って言われてるけども、今回の件で痛感した。

まさしく地雷踏んだ。文字通り。しばらく立ち直れない。

基本インドアだけど2,3ヶ月に一回くらい美術館とか行きたいタイプから最近ようやく「出かけられない辛い」って言ってる人の気持ちがわかってきた

オンライン公開とかなんか違うんだよなあ

解像度全然足りないから、「こいつ肖像画描いてるのに一番力入れてるの手やん、絶対フェチやん」とか「遠くから見るとめっちゃ精密に見えるのに至近距離から見ると恐ろしく雑に見えるのだがどこが境目?」とかができない

「あ、意外にでかいわ」とか「思ったより小さいなこの絵」とかも大事なんだけどオンラインだと全然かめない

美術って実物見てなんぼなとこあるんだよやっぱり

VRならまた違うのかな

VRでそこまで見られるようになるなら、保存状態とか考えるとオンラインでも全然かまわないんだけど

2020-04-09

anond:20200409114225

あのTBSの自社広告シリーズは全体的にひどいんだよね。CM作るセンスが無い。宇多丸国立映画アーカイブみたいのは、まだ面白そうな感じにはなっているからいいけど。みみたぶのCM中華街中国人街みたいのを訪れるロケ風景みたいなCMで「あそこの看板に見える字は『蛙』じゃないですか?」みたいに驚いてみせるんだけど、中華料理の蛙なんて珍しくも無いし、誰も中国語文化が解らないから、何の発展性も無い。ただの素人物見遊山になっている。解かる人間連れて行けばいいじゃん。あれは一昔前の西欧人が「えぇ~っ、デビルフィッシュを切り刻んで生で食べるんですか!?」ってやっているのと変わらん。本当にそういう所からしダメ。消しはしないけど「ひどいなぁ、おい!」とはいつも思っている。

100ワニの単行本描き下ろしの有料誤認は言いがかり

物見ると確かに漫画描き下ろし」か微妙だと思われるかもしれないが、漫画っていうもの定義は読者が感じるよりも広い。

句集とか詩集とかオシャレ雑誌とかでたまに空白ガバガバなページありますが、空白込みで言葉とかをレイアウトしたものであるので、単なる手抜きとは違う

100ワニについては燃え始めてしまった以上仕方ないが、実話BUNKAのツイートちょっと無理やりすぎる放火だと思う。

なにより他の作家さんたちが空白とか口絵に引目を余計に感じるようになってしまったらそれこそ悪影響なので、有料誤認とか言うには早い。

2020-03-24

有名人だと誰に似てる?って質問は意外とつらい

答えがなかなか思いつかないことが多い

頑張って答えても実物見た時に「え~、そんなに似てないよ~」とか言われてしまうと凹む

2020-03-15

anond:20200315224607

ほんこれ。うちの新人、失敗の多さにリーダーが見かねてチェックリスト渡すようになったけど、終わってないくせにチェックつけてやんの。

物見ないで記憶でチェックつけてて、したって記憶捏造してんだろうな。

2020-03-12

気になってる本に電子書籍がないと

行きつけの本屋まで行って、置いてありそうな棚を一巡して

見つからないと検索機使って、在庫があるか・どこの棚に置いてあるのか調べて

そんで棚の前まで行って実物見

見るまで行って、なのになぜか買わずに帰ってくる

途中まで完全に買うやつの行動なんだけどなぁ……これ何回も繰り返したのよ……

なんでだろ……本屋は俺の部屋の本棚の延長じゃねぇんだけどなぁ……

2020-02-24

或る神官騎士日記

 緑の月 15日

砦の救援は成功した。

だが砦の守備を任されていたオーガン殿は、すでに矢傷が元で亡くなってしまっていた。

我々が駆けつけるのが今少し早ければ治療可能では無かったかと、悔やむ。

このままでは指揮官が居なくなる為、ひとまず我々が砦に駐留する事になった。

早急に食料を手配せねばならない。

 緑の月 20日

近隣の村は既にゴブリン共に襲われていた。

生き残った村人達を救出し、物資と共に護衛の兵を付けて王都避難させる。

食料を得る当てが無くなってしまったばかりか、さらに減らす事になってしまったがやむを得まい。

村を襲ったゴブリンは先遣隊だ。

敵の軍勢は既に近くまで迫っていると見るべきだろう。

 青の月 13日

住民避難に付けた兵達の帰還が遅れている。

もしや逃散してしまったのかもしれない。

だが仮にそうだとしても責める気にはなれない。

友も言っていたが、辺境の砦の防衛など貧乏くじではあるのだ。

私達の様に義務を課せられた者ならばともかく、召集されただけの兵達にそこまで求めるのは酷だろう。

 青の月 19日

巡回の兵の報告に受け、砦から討って出る。

敵の主力はまだゴブリンであり、難なく蹴散らす事ができた。

敵の戦力集結が完了し、オークやダークエルフ主体であれば厳しかたかもしれない。

幸運だった。

襲われていたのは王都より帰還する途中の兵達だった。

なぜ帰還が遅れたのか問うと、馬車の積荷がその理由だという。

荷台を覗いてみると食料が満載されていた。

我が友が、自ら市中を走り回ってかき集めた食料を兵達に持たせたのだという。

「必ず救援を送る。それまで持ちこたえて欲しい」との伝言もあった。

兵達が逃げたのではないかと疑った事を恥じる。

そして友に心よりの感謝を。

物見の報告では敵の軍勢はあと3日というところまで迫っている。

 赤の月 23

砦に籠もって既に一月が経過した。

兵達は皆、懸命に戦っている。

敵に水源である隠し井戸はまだ見つかっていない様だ。

あれに毒でも投げ込まれれば我々は一網打尽となるが、今の所は渇き死ぬ心配はせずに済んでいる

だが食料はすでに心許ない。

食料庫が空になるのは時間問題だろう。

それまでに救援が間に合えばよいが、それは難しいだろう。

どこも兵力不足だ。空の壺をひっくり返しても何も出ない。


 黒の月 10

いよいよ食料が尽きた。

ほぼ水だけで飢えに耐えている。

それでも戦い続ける兵達の姿には感動すら覚える。

せめて彼らだけでも逃してやりたい。

いざとなれば我らが血路を開くしかあるまい。

飢えた体でどこまでやれるか、不安は尽きない。


 黒の月 13日

奇妙な出来事に遭遇した。

敵の襲撃をなんとか凌いだ後、少し仮眠を取ろうとした矢先だった。

突然、何も無いはずの場所に扉が現れたのだ。

何事かと呆然としていると、扉が開き、中からたことも無い様な服を着た一団が現れた。

頭目と見られる男がいきなり「オソクナーモウワケアッセーン」と大声で叫んできた。

用語ともこの地域言葉とも蛮族共のそれとも違う。聞いたことも無い言葉だった。

困惑する私に頭目の男はつかつかと歩いて近づくと、今度は流暢な共用語自分の持つ書類に私の署名を求めてきた。

手早く署名を済ませると「アザース。これどこまで運べばいいッスか」と問うてきた。

流暢ではあるが独特の訛りがある共用語だ。やはり遠い異国の民なのだろう、と推測した。

男たちは荷運びを依頼されたらしい。荷の中身は分からなかったが、空になった食料庫に運び入れて貰う事にした。

駆けつけた部下達と共にその作業を見守っていると、男達の一人が咳き込み蹲った。

叱り飛ばす頭目を宥めつつ、蹲った男を観察する。どうも風邪を拗らせてしまった様だった。

そこで浄化魔法を掛けた水を飲ませておいた。

この様な風邪の時は直接魔法による治療を行うよりも、水や酒などを用いた方が良いと師から学んでいた。

どうやらこの異国の一団はこの手の神聖魔法には馴染みが無いらしい。

急に体調が回復して戸惑う男に「薬の様なものだ」と説明すると納得した様だった

念の為、他の男達にも浄化の水を飲ませておいた。

戦場での病は蔓延やす重症化しやすい。警戒して、し過ぎる事はない。

一団の面々は口々に「アザース」と言い頭を下げてきた。どうやら「アザース」というのは感謝言葉らしい。

荷物を運び終えると一団は扉の中へ帰還していった。

最後頭目が「シッツレーサース」と呪文を唱えて扉を閉じると、扉はスーッとかき消えていった。

異国には一子相伝の秘術を伝える一族が居ると言うが、彼らもそういった集団なのだろうか。

男達が運んできたのは奇妙な箱に包まれた食料だった。開けて見たところ日持ちのするものでは無さそうだった。

さっそく兵達に食べさせる。

異国の食べ物らしく、見たことも無い素材や料理が箱の中にぎっしり詰まっていた。

兵達も困惑していたが、空腹は最高の調味料ともいう。とりあえず腹に収まるならそれで良い。

私も部下や兵達も、しばし言葉を忘れて貪った。

小麦で作った皮で刻んだ肉などを包み、蒸したと思われる不思議料理が印象的だった。


 黒の月 19日

夜ごとに冷え込みが増している。

あの奇妙な一団によりもたらされた食料によって、我々は息を吹き替えしたが、戦況そのものに変化はない。

あの箱に入っていた食料のうち、なんらかの穀物を蒸すか茹でるかした物が重宝していた。

水で洗った後に火で温めた空気を風の魔法で吹き付けて乾燥させると、保存食にできることが分かったのだ。

農村出身の兵の思いつきと部下の機転がそれをもたらした。

これをお湯でふやかしてスープにしたもので、我々は命を繋いでいる。

私は本当に麾下の者達に恵まれている。なんとしても彼らを生かして故郷に帰してやりたい。

 黒の月 25日

早くも雪がちらつき始めた。

砦ではたちの悪い風邪流行りつつある。

軽症の段階で浄化魔法を用いれば対処可能ではあるが、しかし敵の襲撃を受けながらではそれも難しくなる。

今の所は重症化した者は居ないが、今後は分からない。

寒さの為か敵軍の動きが鈍いのが幸いした。

しかしそれも総攻撃前触れかもしれない。

援軍はまだだろうか。果たして本当に来るのだろうか。

友は私達が持ちこたえると信じているはずだ。私も友を信じよう。


 白の月 3日

ついに援軍が到着した。

まさか友が自ら率いて来るとは思わなかった。

立場を考えて欲しい」とは言ったが、部下達がニヤついていた事を考えると私の表情はそれに伴っては居なかったようだ。

気になるのは敵が援軍をほとんど素通りさせたという事だ。

もしや全ては友を戦場におびき寄せる罠だったのかもしれない。

敵は邪悪であっても愚かではない。むしろ策謀については常に我々の上を行く。

ならばここにとどまるのは危険だ。

どの道、この人数では籠城も難しい。

友と轡を並べて戦うのであれば、多少の数の不利などどうとでもなる。

これが罠だというのなら、内側から食い破ってくれよう。


それから例の異国の一団だが、友には心当たりが無いとの事だった。

一体彼らは何者だったのだろうか。

あの時の風邪がしっかり治っていると良いのだが。

 白の月 7日

地獄とはどういうものかと問われたら、今後私はこの日に目にした光景こそが地獄だと答えるだろう。

平原が敵の死体で埋め尽くされていた。

寒さの為に腐敗した死体は少なかったが、一部は既にアンデッドと化していた。

数少ない生者も一様に病によって衰弱しており、病で死ぬか、飢えて死ぬか、アンデッドと化した同僚に貪られるか、という有様だった。

おそらく砦でも流行っていた、たちの悪い風邪が原因だろう。

我々には浄化魔法があるが、彼らにはそれが無い。

私は死体浄化と埋葬、そして生存者の救出を命じた。最早、敵も味方も無い。

それにこのまま放置すれば病魔が街や村々、ひいては遠く離れた王都にさえも及びかねない。

生存者はかつての大軍を思えばあまりにも少なかった。

彼らは私達が、敵である自分達を助けようとしている事に酷く驚いた様だったが、しか抵抗意思を見せる事は無かった。

敵軍の指揮官と見られるダークエルフ保護する事ができたが、症状は重い。

助かるかは彼の体力と運次第だろう。

2020-02-18

ある町でおこったこ

私の住んでいるのは結構田舎だ。

でもまぁ駅近まで行けばチェーン店もあるし、スーパーコンビニもある。

電車都市部簡単に行けるし、少し不便だが暮らすのに困るという事はない。

町には山があって川があった。

川というか渓流という方が近いだろう。

夏になれば河原BBQ大人子供も冷たい水に大はしゃぎといった感じだ。

少し上流に滝つぼがあって、傍の大岩から飛び降りるのが町の人の遊びだった。

さすがにちょっと危ないか子供はさせないけど、高校生くらいが度胸試しに飛び込んだりする。

十分な深さもあるし、大きな事故らしいものも無かった。

毎年町の人達はそこで遊んでた。

ある年町に取材が入った。

取材といっても地域PRである

そこにあの滝つぼが紹介された。

水も綺麗だし絵にもなるだろう。

しかし、それが炎上した。

「危ない」

子供に悪影響だ」

事故が起きたらどうする」

飛び込みを楽しむなんてどうかしてる」

環境破壊だ」

はては

神聖場所で何をしている」

「滝つぼ女性メタファーだ」

「水が汚れる」

等といった変な人まで沸いた。

「同町出身ですが、あれは危ない」

「同じような事やってるけどあれはな…」

なんて意見もあった。

勿論否定派だけでなく、擁護派の意見もあったけど否定派には届いてないようだった。

町の人達最初無視をしてたけど、その声は大きくなり無視出来なくなってきた。

かに管理されてない滝つぼに飛び込むなんて危険ではある。

でもそのスリル含めて楽しいもので、町の人達はある程度マイナールールを作って楽しんでいた。

誰も怪我をしたいとも、させようとも思ってなかった。環境破壊だなんてそれこそ考えていない。

それが突然関係ない観光客が危ないか規制しろと言いだした。

なら、もう渓流遊びさえ出来ないのか。

管理されてれば良いのか。

どの高さと深さがあれば飛び込んでも良いのか。

飛び込み競技との違いは。

1人モヤモヤしたものを抱えながら、滝つぼへ向かう道に通行止めロープを張った。

観光客物見遊山で入って事故が起こると大変だからだ。

これからも他の町や村で同じ事がおきるだろう。

今まで明確なガイドラインが無かったけど、危ないと思う遊びは規制すべきだと。過渡期だと。

子供に悪影響」その言葉1つで反論余地を与えやしない。

彼らの正義は何処まで進むのだろう。その後に草も生えない不毛な地しか残らないのではないか

否、彼らの望む姿というのはそうやってきちんと管理されて正しく並んだ草花なのだろう。

今のように草や花や木が好き勝手に延びて作っている景色の方が私は魅力的に思うが。




表現規制なんてクソ喰らえだ。

2020-02-13

anond:20200213212331

https://anond.hatelabo.jp/20200213150126

↑こういう増田とかなあ。

それをネット慣れしている人が、もっと性能が良くて安い商品があるのに…と馬鹿にしてもしょうがない。

楽天で売れるものって、食品とか日用品とかファッション用品とか雑貨とかだろ。

なのに「性能」って。電化製品しか視野に入ってないオタク丸出し。

楽天でそんなもん大して売れてないだろ。

んでこの辺はAmazonじゃ品揃え悪すぎて比較にならん。

楽天ファッション大手アパレルブランド提携してるからそちらの公式見れば商品の詳細分かるし

店舗で実物見からポイント目当てで通販という客も多いだろうけど(あとこれの競合はzozoだろうよ)

それ以外だと殆ど商品公式説明なんか無くて楽天説明見なきゃどういうものか分からないんだから

説明文が重要なのは当たり前。

よっぽど有名な商品でない限りネット検索しても「第三者情報」が出てくるようなものでもないか

評判みたけりゃ楽天内のレビュー見るしかないし。

大抵の通販ヘビーユーザーは、欲しい商品ジャンルに合わせてそのジャンルに強い所を使うし

商品によって買う時に重視するポイントも、通販ページで得たい情報も違う、ってだけの話なのに

こういう人って視野が狭すぎて、皆自分と同じものしか買わないと思ってるんだよな。

2020-01-21

anond:20200121084900

中学生だしふつうに前者だと思うけど

ちゃんとつけられてたなら後者にも当てはまるんだろうか…

物見てないからわからない

2019-11-10

anond:20191110134013

初めて行ったのがそこまで仲良くない従兄の結婚式に「数合わせ」で呼ばれたのが大きいかも。

ある程度従兄のキャラを知ってたから、新郎新婦紹介で綺麗なとこだけ言われても困惑するだけだし。

陰キャから陽キャグループの出し物見ても困惑だったし、食事が好みに合わなくてなんかしんどかった記憶しかない。

2019-11-08

anond:20191102173100

物見いから店に足を運ぶ

でも傷むのでなるべく弄らない

検索試聴は店の外でやれ

リュック背負ってるなら邪魔だと思われてると思え

やけに口うるさい店はどんな商品扱う店でもある

合理的にいきたいならネットで済ませろ

2019-11-03

配送問題

楽天で買い物して楽天ポイントもらうぜと意気込んでサイト見る

目的物見つけても+配送料なわけよ

配送料ないところもあるけど、結局+配送料のところと値段がそう変わらない

だったら最初から配送料込みで価格表示したらいいんじゃないかと思う

わざわざ分ける必要ないでしょうに

比較してるうちに面倒になって、Amazon見てプライムマーク付いてるやつ買ってしま

2019-10-01

anond:20191001090134

オタクなら別に流行物見なきゃいいとおもうんですけど。

流行り物に居ないと安心できない人間じゃないんだろ?

アラサーっていうなら周りがORANGE RANGEだなんだって言う時代ハピマテ聞いてたようなやつだろ。

目をさますのはお前だよ。

意思脆弱パンピーになりやがって。

2019-09-23

富士大石寺顕正会勧誘がきた。

「うち先祖代々、身延山から。帰らないと警察呼ぶよ」と言ったら案外素直に帰っていった。

幸薄そうな女二人組だった。この前きた物見の塔より若かった。なお、物見の塔がきたときは、カトリックってことにしといた。

うちの近所、妙な宗教盛んなのか?

2019-09-05

本の備忘録

今でも覚えてる本その1

幽霊園遊会 赤川次郎

小六の夏休みにおばさんに買ってもらった、始めて読んだ文庫本

その後、幽霊シリーズを皮切りに赤川次郎をむさぼるように読んだなぁ

 

・花闇 皆川博子

いつ読んだが忘れたけどとにかく凄まじかった

私が生まれる前から祖母も母も演劇界定期購読していたので

他の人よりは歌舞伎に詳しかったのだが、祖母と母に感謝

教養って大事ですね。

 

・絡新婦の理 京極夏彦

大学1年の夏休みに読んだ

始めて読書徹夜した。

 

金閣寺 三島由紀夫

大学1年のGWに読んだ。暇すぎて三島由紀夫週間だった。

 

燃えよ剣 司馬遼太郎

大学図書館司馬遼太郎全集読みふけったなぁ。

土方歳三好きになりすぎた。いい男過ぎ…!

  

・愛死 瀬戸内寂聴

エイズは愛死と訳された、というワードに尽きる。

2回目を読もうとはまだ思えない。日常が持ってかれた稀な物語

 

・教団X

帯にひかれて読んだけど、そうでもなかった本その1

つーか、読んでる最中、ずっと平野啓一郎の本ておもって読んでた。

中村文則だった、ごめんなさい。

 

・一瞬の光 白石一文

この本で好きになってその後この人のたくさん読んだが、

いつも浮気してて(誰かいるのに、もう1人いつもいる)、

話の区別がつかなくなってきました

 

・密会の宿 佐野洋

内容は覚えてないけど、中学生の時によんで、シリーズ読破したような。

 

バトルロワイヤル

落選した評ののった雑誌たまたま買ってて(そっちは確か

ぼっけぇきょうてぇ か、Twelve YO のどっちかが掲載されてたような)

田町駅前の本屋で実物見て、読まなきゃと思って買って読んだ。

何度も読み返した、私の中では珍しい本。

映画もみたけど、あの台詞が秀逸。

わたし、どうすればいいの?

死ねばいいのよ。

あーー言ってみたいわー

2019-09-04

し○むらで 女児下着を 見るおじさん

独身のおばさんが書いています

近所のし○むらは空いている。

その一番奥に下着売り場があって

さらにそのはじっこに女児下着コーナーがある。

今日も人少なくていいなー

と思いながら自分普通に女性下着ぼんやり眺めていたら

からザザッと逃げるように走り去った男性がいた。

しばらく前からそこにいるのが視界には入っていたので、

女児下着コーナーから出てきたのが後で分かった。

顔はよく見えなかったが、成人男性だった。

はじめは、誰もいないと思ってたのに人がいたからびっくりさせたかな。

すまんかったな。と思ったのだが

お父さんが、独りでし○むらで娘の下着を買おうとする、

おじさん独りで女児下着売り場を見る

ことは、よく、はないか、たまにあることなのだろうか。

と、疑問が湧いてきた。

でもまー単純に女児下着のみ興味あっても

ネットで買ったりしない限り、めったに実物見られないからなあ

たかったんだろうなあ。

しゃーないか

なんてどうでもいいこと考えてしまって

もやったままなので吐き捨て。

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