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2017-03-21

4月から進撃の巨人がはじまるが

netflixSD画質で650円

dアニメストアHD画質で400円

 

dアニメストアがお得だけど、netfilixはそれ以外に面白そうなドラマがあるから迷うな。

まあでも、結局めんどうで進撃の巨人以外は見ないような気がするからdアニメストアでいいか

2017-03-18

けもフレブーム

dアニメストアで今期アニメ投票ランキングやってんだけどさ

 

どの部門けものフレンズベスト4にすら入ってないわけよ

小林さんちのメイドラゴンとこの素晴らしい世界に祝福をがほぼ独占

 

アニメ好きは普通に見ていて

普段アニメ見てなかった人が騒いでいる感じなのかね?

2017-03-15

[]psycho-pass(1期)/ガッチャマン クラウズ(1期)【ネタバレあり】

dアニメストアたまたまこの2作を続けて見たんだけども、両方めちゃ面白かったていうかこの2作は全然違うのに構図が似ていてビックリした

 

クラウズではギャラックスがみんなの善意スキル効率的結集運用して無秩序欲望に打ち勝ったけど、その人類勝利シーンは先にサイコパスを見ていたせいで結構不気味に感じた

ギャラックス世界をより良くアップデートしていったら最終的にシビュラシステム完成するよねこ

 

無秩序欲望人類の英知(システム)で抑え込んでより良い世界にしていきたいけど、世界が良くなったらなったでまた槙島みたいなのが出てきて「そんなのは家畜だ、野生に帰るんだ」とか言い出してぶっ壊しにかかるわけだ

どっちなんだよと

 

以下個別感想

サイコパス

序盤に出てきたあかねの家みたいな生活あこがれまくるんだけど、ああい総合生活支援ロボットみたいのいいよね

今後VRの発展で作られたりするんかな?

ほかにも現実攻殻機動隊中間くらいの微妙ライン近未来社会感は本当によかった(服の転送とかはオーバーテクノロジー感あったけど)

 

作中は猟奇犯罪者ばかり出てきてなかなかグロかったが、とにかく格闘シーンがかっこよかった。どみねーたは起動遅いし判定も遅いし無駄威力強いしで使いにくそ

あと影薄いけどドローン君たちは毎度大活躍だったな。ただの箱が喋りもせず走ってるだけなのにかわいいという不思議タチコマによる先入観

 

終盤、あかねシビュラに呼ばれたところであっこれまどマギ展開くると思ったよね

「私、すべての潜在犯を消し去りたい! 過去未来すべての潜在犯を! 叶えてよインキュベーター!」って言ってシビュラの一部とかになってシステム変革すると思ったよね?

そんなことはなく結構臭い終わり方になったけど現実あんなもんか

 

あとイケメン先輩(名前忘れた)がとっつあんと同じになっていくところはベタだけどグッとくる。手も潰れてたし義手にしたんだろうな

 

調べたら劇場版もあるんだな。見なきゃ

 

ガッチャマン クラウズ

1話スーツギミックがかっこよくて戦闘で魅せていくのかと思ったけどそんなことはなかった

戦闘あんまりしないが序盤からルイ君とギャラックスとか謎だらけの展開でどんどん引きまれ

 

はじめちゃんがちょーかわいいんだけど底知れなさが不気味で(もし仲間が死んでもへらへらしてそう感があった)、どこかで一度へこんだり落ち込んだりするとこ見せてくれないかな~とか思ってたけど、カッツェをデートに誘ったところでああこのキャラはこれでいいんだなと、このまま突き進んでくださいと

 

他のキャラもみんな個性的出ててよかった。隊長かわいいODの強さだけは言ってるのと違くない?って感じのしょぼさだったけど(カッツェの力と相殺されたんだろうか)

あと食べ物描写もいろいろよかった お弁当とか隊長おつまみとか

 

でもカッツェは絶対に許さないよ。好き放題煽ってたら巨乳女子高生がかまってくれてキスされて最後おっぱいの中に保護されるなんてあるわけないだろ。調子に乗ってたらブクマカ正論で煽られて憤死するとかの落ちでよかったんだよあんなの

 

まあ面白かったしいいや。さーて2期もみるっすよ~

2017-02-18

anond:20170216224007

さしあたり一挙振り返り配信の予定があるのは、

あたりが見やすいかと。

その他の動画配信サービスだと、

dアニメストア
  • 登録していれば、放送済みの話数をすべて見放題
  • 月額400円、初回31日間無料

ニコニコ動画

GYAO!

アマゾンプライム


バンダイチャンネル
  • 有料会員なら見放題

2017-02-15

舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」(ネタバレ注意)

とんでもない作品だった。とんでもない体験をした一週間であった。


まず先に言うと、本作品は『ミステリー演劇』だった。

それは原作推理小説カテゴリーされているからとか、原作者江戸川乱歩だからとか、そういう理由じゃない。

私はその解説、および回答を以下に記すのだけど、それは完全なるネタバレです。

もう知らなかった頃には戻ってこられない、作品を殺す系のネタバレ

なので、未観劇の方には本当に読むことを勧めません。

本作は素晴らしい完成度の傑作だし、舞台演劇でここまでのミステリーを作り上げるのは絶対に容易じゃない。

また、私はエグいほど容赦なくネタバレしていますので、正直自分ももう二度とミステリー演劇は鑑賞できない脳になってしまったのでは…と震えております。

(なので、読んでほしい気持ちがあって増田に書いているものの、観劇済みの方も生半可な気持ちではネタバレを読んでほしくない。六道の辻で迷い不幸だと感じている方にだけ、光が届けば良い。)

まり未観劇でネタバレを読むということは、人生の楽しみを自らの手で一つ潰すということ。尋常じゃない損失です。

本作はDVDの発売が決定しています。

公式DVD予約サイトhttp://www.shop-ep.net/east_park/shopping/a04020102/iid/0000000001746/

(発送日未定。予約は3月末まで)

めちゃくちゃ好評だったので、あなたの周りにも購入している人が居るはず。そして恐らく「見せてほしい」と頼めば喜ばれるはず。布教したくなるタイプの作品なのです。なので数ヵ月後DVDを鑑賞してから、是非また読みに来てください。

「数ヵ月なんて待てねーよ!」って方は、妥協点として2015年に他の演出家さんで上演されたものを見ることができます。

こちらは未観劇のためなんとも言えませんが、おそらく2015年版は絶対解けない「超ハードモードの『ミステリー演劇』」か、『ミステリーではない普通演劇』の可能性が高いと予想しています。でもまぁ全く観ないでネタバレ読むよりは絶対良い。

たぶんDVD売ってるし、3月になれば我らがdアニメストア殿が配信してくれます。

https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/CP/CP00000660

高いチケット買って劇場に行くか高いDVD買うかしか選択肢がなかった時代を生きてきた作品の取捨選択にすごい苦しんできた勢なので、dアニさん月額400円でこんだけ見れるとかマジ神過ぎ。最初目を疑った。(WOWOWさんにも感謝していますが、うちTV無いから見れないんですよ…そもそも家にあんま居ないし。お金なら払うのでスマホでもWOWOW見れるようにしてください。)

原作「孤島の鬼」を読むのも手ですが、本作はある意味では『原作本質を描いている』けど、ある意味原作とは全くの別物』です。だから舞台版のネタバレは、舞台版を観てから読んでほしい。

そして、せっかく未来の楽しみを潰してまでネタバレを読んでしまうのだから、その前に『ミステリー演劇』の推理に挑戦してほしい。

一人で解くのは超ハードだと思うので、できれば仲を深めたい方と一緒に。(私が今回の回答に至るのに協力してもらった友人の数は4人です。内1人は原作を読み込み一緒に推理してくれました。)

ぼっちの方も安心してください。本作はめちゃくちゃ面白かったので『2017年版の感想』も、ネットの海に転がっています。そこから辿り着くことも不可能じゃないはず。鮮度のいい印象論の良さも、一晩寝かせた感想の良さもあるので、いろいろ漁ってみてください。

あと私は推理した一週間の思考ログをほぼすべて残しているので、トリックがわかってからログを読み返してみたら翻弄されている自分がめちゃくちゃ面白かった(当時は睡眠不足神経衰弱で瀕死でしたけどね)。間違ってはいないけど騙されている。そんな楽しさもあるので、ぜひ推理に挑戦してみてください。

そして私がまだ解いていない謎の答えを見つけられたら、ぜひ教えていただきたい。

また、運良く本作を劇場でご覧になられた皆さま。感想はもう書き残しまたか

公式がwebでアンケート回収もしています。送ると抽選で非売品舞台写真もらえます。私もとても欲しい。

本作は、『感想を残す』ところまでを含めて作品です。せっかく運良く観劇できたのだから、140字で良いから書き残しておきましょう。

できれば思いの丈をすべて書き出しておくと良いです。『他者に感想を伝えようとした人だけが、謎解きの後に得られる感動』があります。(※個人の感想ですが!)

この感動を、本作品が本当に素晴らしい江戸川乱歩原作舞台化であったことを伝えたくて、読んだら作品を殺すことになるようなネタバレを恥を忍んで書いています。

私はソワレ観劇後、徹夜で翌昼に感想書き上げました。これが私の沼への一歩だった訳ですけれども、これを書き残しておいたお陰で、謎が解けた時に私の回答を出すことができました。

一度ネタバレを読んでしまうと、もう観劇で感じた感想書けなくなると思いますので、本当に一言で良いから感想書き残しておいてください。ついでだから公式アンケートに答えて非売品写真当てましょう。当たったら私にも見せてください。

最後に公式各位。

ネタバレにあたる部分は私の個人的ミステリー体験なので、これが公式解とは主張断言しません。

と言うか、理由なき見落しと、自分の能力ではどうしても咀嚼できなかった部分(言葉スムーズに脳に入ってこなくて読解しながら観劇することができなかった原作には無いシーン)があったので、私のネタバレは不完全です。他にも拾い損ねている箇所がポロポロ出てくる。逆転する可能性が大いにある、お粗末な推理

ですが、キャストの皆さまが最後までネタバレに配慮されていたのに、ネタバレを公開し誰かに読んでほしいと願うことが、浅間しいようにも感じています。

ネタバレ注意喚起に約2000字程裂きましたので、どうか堪忍してください。

p.s.オリジナルマグボトル購入しました。作中に赤い色が無かったのでデザインも綺麗だし購入したのですが…紐解いてみるとなかなか意味深なグッズですね。とても良い記念品になりました。


それでははじめます。

導入


無人の屋敷に風が吹き込む

暗転

まったく光のない深い暗闇から男性の声が聞こえる

「不幸ということが、私にもよくよく分って来ました。本当に不幸という字が使えるのは、私だけだと思います。遠くの方に世界とか日本かいものがあって、誰でもその中に住んでいるそうですが、私は生れてから、その世界日本というものを見たことがありません。これは不幸という字に、よくよくあてはまると思います」

暗転明け

無人だった屋敷に白髪の男性が立っており、書物を音読していた。

彼は自身について取り止めなく独り言つ。

彼……『私』を語り部とした、物語がはじまる。


まず本作の初見の私の感想と回答は、下記増田で参照できる。

http://anond.hatelabo.jp/20170206104211

ミステリーとして解いた今読み返すと相当ブッ飛んだ納得の仕方をしている。自分の妙さについて今までなんとなく感じていた部分が浮き彫りになりすぎである。こわい。

当時も気持ち的にスッキリはしたけども、<もやもやした原因が『認知を歪められている感覚』だったのに、「それは作者の願いだよ!」という犯人動機の『妄想』では、『論理的解決』にまったくなっていない>ので、悶々とはしていた。

作り手側は演劇を魅せるプロだが、観客は演劇を観るプロだ。伊達や酔狂でやっているわけではない、こちとら真剣に観ている。

認知を歪められている感覚』なんて中途半端ものは見過ごせない。

ちゃんとトリックを暴きたかった。

そこからずるずると私は沼に嵌まっていき、推理のためにガチで眠れない一週間を過ごすことになる。

そもそも、舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」の何がミステリーなのか。

それは、本作品が叙述トリックを駆使し、とある真意』を隠しているということにある。

しかし私の目下の推理動機は、トリックを逆手に取った『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』にあった。どうしても二人を幸せにしたかった。

そのために以下のことを行った。

そしてひたすら二人が相思相愛ではないという可能性を潰し、相思相愛である可能性を見つけ出す作業


解説『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』①

箕浦の白髪

二人の愛の一番の障害は、箕浦の白髪化=「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」という点。

これが諸戸が箕浦の前にあらわれることがなくなった原因だと思う。彼がどんなに誠意を尽くそうとも、これだけはどうにも覆すことができない。

しかし、実は原作では白髪化したタイミング=直接的な原因が諸戸に襲われたことのみだとは明記されていない。

そして舞台でも、実はめちゃくちゃぼやかされている。

冒頭、語り部である『私』が自身の体験した恐怖について語ろうとする。その時にまるでトラウマが呼び起こされるかのように喉元を掻く仕草をする。

後半井戸の奥、深い完全なる暗闇の中、水位が増して死の恐怖に襲われた時。『私』佐藤箕浦も、諸戸と石田箕浦と同じマイムを行って移動し、水位が増しだすと喉を掻いて苦しみ悶絶する。

これは、白髪化するほどの『生理的』な恐怖が、諸戸に襲われる前から強烈にあったという解釈にできる。

では逆に、諸戸に襲われた後の恐怖はどうだろう。助八さんの救助が来て、生死の恐怖は去った。丈五郎の恐怖も去った。では諸戸に犯される恐怖はなくなるか? 普通に考えれば、自分を襲ってきた相手が側に居るなんて恐怖しかない。第三者が居るから安心だなんて暢気になれる訳がない。(学術的根拠を略していることは恥じています)

箕浦は、諸戸に襲われた時にあれほど恐慌したのに、襲ってきた相手が側に居てもケロっとし過ぎなのである脱出できた時なんて笑いあっていたりする。

これらによって、「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」ということを否定できる可能性が、十分にある。

同性愛への拒絶:あの夜まで

生理的』に受け付けられない訳じゃないのなら、箕浦の同性愛への拒絶はどこからくるのか。

実は学生時代の箕浦は、同性愛を拒絶していない。

諸戸が触れるままにさせ遊戯を楽しんでいたと言っているが、これってちょっとエッチではないですか? 私は『もてあそぶ』というよりも、遊廓でのお戯れみたいな印象の方が強かった。エロかった。

…脱線した。ともかく同性愛を否定する、拒絶する描写が無い。

ましてや「あつい手だね」というセリフは、諸戸と佐藤箕浦の両方が同時に口にする。

これは原作では諸戸が言い、簑浦も『私も同時に、火のような相手の掌を感じた』とある

あの夜、諸戸と箕浦は、本当は同じ気持ちであったのではないか。

同性愛への拒絶:あの夜から

しかし大人になった箕浦…いや『私』佐藤箕浦は、頻繁に同性愛を拒否する。

そして井戸の中、「今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」と請い願う諸戸を「あさましい!」とはね退ける『私』佐藤箕浦。

実はこのセリフ原作には無い。そして学生時代のあの夜は諸戸の方が言っていたセリフなのだ

「君は浅間しいと思うだろうね」と。

箕浦に『同性愛を持つ者は異人種』だと一番最初に植え付けたのは、他ならぬ諸戸であった。

そしてあの夜、「『私』は諸戸との関係はこれで終わったと思った」。

もし、もし諸戸が、自分で自分の気持ちを否定してしまわなければ、二人が結ばれていた可能性もあるのではないか?

『箕浦』の存在

あの夜の後、箕浦が大人になりSK商会に勤める場面から「過去の『私』」石田箕浦が登場する。

大人になった『私』佐藤箕浦は同性愛嫌悪感情を見せるが、石田箕浦は同性愛嫌悪していない。

諸戸が自分に恋していることを頭では理解しているが、そもそも同性愛をわかっていない。だから諸戸からの熱視線性愛アピール)をまったく感知できないし、諸戸からの接触に応えること・握手を求められた手を握り返すことができる。

スポットライトが当たらないところでの石田箕浦と諸戸は、まさしく「諸戸と簑浦は何か変だ」状態熱視線を送ったり触れようとしたり羞恥の色を見せたりする諸戸に、石田箕浦はまったく気付かない。A.T.フィールド固すぎ)

絶望的に脈ナシな究極のノンケ

原作の簑浦とはかなり印象が違うそう(私は一度推理完了するまで未読を貫く主義のため世論であるが)。

簑浦と箕浦、原作とは名前漢字が異なるし別人か? いや、そうじゃない。無意味な改変は絶対に起こらない。「虚偽の事柄を事実として書くことはアンフェア」だからだ。印象が違うなら、『変えた理由』と『変えても原作の簑浦を成立できる理由』がある。

石田箕浦が登場する前。佐藤箕浦が諸戸との関係は終わったと思ったあの夜。諸戸が泣きながら請うた内容は以下だ。

「君は分っていてくれるだろうね。分ってさえいてくれればいいのだよ。それ以上望むのは僕の無理かもしれないのだから 。だが、どうか僕から逃げないでくれたまえ。僕の話し相手になってくれたまえ。そして僕の友情だけなりとも受け入れてくてたまえ。僕が独りで想っている。せめてもそれだけの自由を僕に許してくれないだろうか。ねえ、簑浦くん、せめてそれだけの……」

諸戸が願った内容、これまんま石田箕浦じゃん……

石田箕浦は諸戸を友人として深く信頼しているし、井戸の中でなんて一緒に死ぬことすら受け入れている。諸戸の願いを、字面通りに叶えている。

しかし周知の通り、諸戸が心の内で望んでいたのは、彼の『死にもの狂いの恋』を受け入れてもらうことだった。

諸戸の望みと願い

諸戸は自身について怖れている描写が多々あった。それは自分の素性と性愛対象が『普通と違う』ことでもあったし、『父に命じられたから行っていたはずの不気味な研究にいつしか諸戸自身不思議な魅力を感じはじめていた』ことも大きいと思う。

強い劣等感を抱えた自意識と、強い罪悪感をもたらす超自我

我と我身を醜いと卑下すればするほど、美しいものを強烈に求め、美しくあるべきだという観念に囚われる。

諸戸の心の内の葛藤が『手記の秀ちゃんと吉ちゃん』そのものに見えた。諸戸の望み(イド)と願い(超自我)は大きく解離している。

箕浦が写し取ってしまった『同性愛を持つ者は異人種』という価値観、『親友という姿』は、諸戸が持つ美意識刷り込みだった。箕浦にとって諸戸は、本当に「美しい青年」だったのだ。

『私』と『箕浦』

石田箕浦は本当にクセのない、まっすぐな好青年だった。諸戸の理想とする『普通』がそこにあるように見えた。そして原作の簑浦とは印象が異なる存在

これはつまり、簑浦のイドと超自我のようなものが、『私』佐藤箕浦と石田箕浦に分かれて表現されているのではないか。一人の人間を二人で演じ、二つの存在(語り部の『私』と、簑浦のイド)を一人が演じているのではないか。

彼らの箕浦の分担は、紀州の孤島に着いてから大きく変動し反転してゆく。

井戸の中で諸戸に襲われ、完全に石田箕浦から佐藤箕浦に替わったのは、諸戸が望んだ存在が友人ではなく恋愛対象としての箕浦だったこと、そして諸戸の手によって「諸戸の理想とする『普通』」が壊されてしまったこと…『私』になった石田箕浦にも諸戸の姿は獣のようだと評されている。学生時代のあの夜に諸戸が否定をしてしまったこと、それの繰り返しだった。

『私』の恋心

そして秀ちゃんへの恋心を諸戸に恥ずかしいものと責められる場面。実はあれは原作だと簑浦のモノローグによる言い訳タイムとなっている。諸戸はそもそも丈五郎に捕まって、島に到着して以降会っていないというのだ。正確にセリフを覚えていないが、原作未読の私でも、最初に秀ちゃんから手紙を受け取ったシーンに諸戸が居ることに強い違和感を感じた(そして友人が原作では諸戸が居ないことを確認してくれた)。

よくよく考えれば変なのである。箕浦に恋慕を寄せる諸戸に責められる筋合いはない。初代に操を立てるなら諸戸の恋に応えることも恥ずべきことだし、諸戸に気を遣う必要だって本質的には無いのだ。(まるで『アイドル恋愛しちゃいけない』理論だ。)

ではなぜ超自我ポジションである石田箕浦ではなく、諸戸が責め立てるのか。

箕浦の美意識は諸戸の影響を強く受けているから諸戸の姿をしていたとも捉えられるが、それ以上に、常識的な葛藤だという以上に、箕浦の心の中に諸戸を慕う側面も幾ばくかあったから、秀ちゃんに恋する自分と、諸戸を慕う自分で対立したことを表現していないか。

佐藤箕浦はもちろん初代にも秀ちゃんにも惹かれているが、彼が箕浦のイドのポジションであるならば、諸戸のことも結構好きだった。(イドでなく単なる『私』なのだとしても、諸戸を見つめる視線に愛憎のような熱が込もっていたし、)諸戸との会話に深山木が入ってきたとき「早くないですか!?」と驚くのは二人の箕浦で、石田箕浦一人だけが言うと単純に時間が早かっただけに聞こえるが、佐藤箕浦も合わせて言うことで「諸戸との会話に邪魔をされた(もっと諸戸と話したかった)」かのような邪推ができてしまう。

海岸で諸戸を見付けるのも石田箕浦ではなく佐藤箕浦だ。

そして諸戸が握手のために差し出した手を『箕浦が握り返さなかった』時。諸戸は驚愕の表情で『私』を見る。見つける。実は、物語の始まりを告げる運命が廻りだすような音楽が流れて以降(犯人だと疑って諸戸の家を訪ねて以降)、諸戸が『私』を初めて見たのが、この『箕浦が握り返さなかった』時。

握り返さないのは、握り返すことに意味が生じてしまうから石田箕浦は諸戸の恋をまったく感知しない。そんな石田箕浦が握り返さないわけがない(実際に、諸戸に見つかってしまった『私』が顔を背けた瞬間、石田箕浦は手を握り返す)。つまり学生時代のあの箕浦が、心の中にまだ居たということ。

諸戸にとってはそりゃあ嬉しいことだろう。彼はそれ以降箕浦に話しかける時、佐藤箕浦を見てから石田箕浦を見る。ここからどんどん、『箕浦』の行動を表現するのが佐藤箕浦へ移行してゆく。

すれ違う二人

一度は友人として、諸戸と共に死ぬことも受け入れた箕浦。

しかしその結末を自らの手で潰す諸戸。

逃げながら箕浦は吼える。「死んでたまるか!」と。箕浦は白髪化するほどの生死の恐怖を体験したばかりだ。

諸戸に襲われるも未遂に終わり、命が助かることに深く絶望する諸戸。

井戸を出た二人は笑いあう。諸戸は箕浦が白髪化するほど生理的同性愛を受け付けないのだと認識したように、箕浦の白髪を見て泣いているように笑う。

そして箕浦の前に現れなくなった諸戸は、気持ちを遺して逝くことで最期にまた箕浦へ大きな傷を残す。


解説叙述トリックを駆使し隠された真意

先述の通り、私の推理動機叙述トリックを逆手に取った二人が相思相愛であったことの証明にある。

からくりが解ってみると、どうってことない・ただ上演されているものそのままに過ぎないのだけど、ここに辿り着くまで本当に一週間ひたすら睡眠時間を削って悩んだ。二回目に観劇した時などは、とにかく正確に推理するためにありのまま最前列からガン見してきたのに、どうあがいても悲恋という現実に心が折れそうになった。マジで。実は二回目に最前列観測した時よりも、初見H列サイドから観劇した時の方がイイ線いってたよな(納得の仕方はブッ飛んでるけど)と思う。

で、共に推理していた友人が先に原作叙述トリックに気付き、簑浦と諸戸のBLは成立しているという解を出してくれたので、二回目の絶望した記憶で観劇を終えるのもなんだし推理はやめて初見のつもりで観劇しようと思って向かったのが三回目の観劇。最後尾辺りの補助席。

しかし驚くほど新たな発見がまたどんどん出てきたうえ、深山木のセリフによって私は舞台も叙述トリックを使ったミステリーなのだ確信してしまう。

これは原作にもあるセリフらしいのだが、深山木がトリックについて思わせ振りなことを言うシーン。そのセリフが完全に『叙述トリック説明』になっていたのだ。聞いた瞬間、震えが走った。

本作がミステリーであると気付けるように、最初から以下の違和感と解法が提示されていた。

さて。ここで疑問に思われることがあるだろう。なぜ叙述トリックを使用しているのか? 隠したいものは何なのか?

この件について私は非常に貴重な体験をする。

本作の大好評っぷりと、推理に明け暮れ神経衰弱している私を心配して、友人が本作を観劇してくれた。三回目観劇の日、偶然スケジュールが合って友人2人(友人Aと友人Bとする)と一緒に観ることができた。終演後、私はわくわくしながら二人に感想を求めた。

友人A「箕浦殴りたい……不快過ぎて体調悪くなってきた……」(※意訳)

当時、箕浦殴りたい勢は最大勢力に感じた。過激箕浦擁護派も0ではないが、大多数が箕浦(おそらく『私』のみ)に不快感情を持っていた。冗談ではなくガチで友人Aが苦しそうにしており、私も初見後は物凄くモヤモヤしていて苦しみがよくわかるので、少しでも気が晴れないかと友人Aと対話することになる。

不快感を分解していく。

友人Aは非常に言いに難そうに、しかし押しかかる不快感から助かるため、意を決して打ち明けてくれる。

友人Aも不快の対象は『私』にあり、その根源を追ってゆくと友人自身が「『拒絶』されるのが本当に無理」だから、諸戸を拒絶しているのに側に居た『私』を悪だとした。

増田「拒絶することを『悪』だとするなら、今『拒絶を拒絶』している友人Aも悪だということになるでしょ? 友人Aは悪なの?」

結局友人Aには私の初見感想を読んでもらい、加えて私の心の闇()もひっかかった話をしたことで、とりあえず翌日出社できるレベルには不快感が晴れたと言ってもらえた。良かった。

さて、私は友人Aと対話して思った。「もしかして江戸川乱歩のやりたかったことってこれでは?」

感想を書いた方ならわかると思うのだが、感じたことや思ったことの根拠を話そうとすると、自身についての話、しかも心の闇()の部分を語らないとどうにも説明できなくなってしまう。

私も推理ログ含め大量に書き残したが、心の闇()を除いても、暗闇マジ怖い体験とか、無意識下の生理的拒絶は実在するよ体験とか(思えばこいつが二人の恋の一番の障害だった)、とにかくネガティブ体験談バンバン出てくる。

共に推理原作解読した友人も、舞台の感想を書こうとしたら闇にぶち当たって、書くのを控えようとしていた。( Permalink | 記事への反応(0) | 22:47

2017-02-12

円盤以外のお金の出し方の選択肢が欲しい

http://wasasula.hatenablog.com/entry/2017/02/10/002139

本当、気持ちは痛いほどよく分かる。

でも俺はどうしてもアニメDVDを買えない人間なんだよなぁ…

物質的な所有という価値観にもはや魅力を感じていないのもあるけれど、なによりも家が狭くて置く場所がない。

自分はここ数年は書籍も全部Kindleで買うようにしているし、ゲーム最近パッケージよりもダウンロードで購入したゲームの方が多い。

昔買った本もそのうち電子化して処分してしまいたいと思ってる。

 

正直お金を出せないと言うことに自分は強い罪悪感を感じているのだけれど、円盤以外でお金を出す方法ってないだろうか…

今はせいぜいCDちょっとしたグッズくらいしか選択肢がなく、電子コンテンツに絞るとほとんど選択肢が無い。

dアニメストアはもう3年くらいずっと契約しているけれど好きなアニメ制作側にどれだけお金が行っているかはわからないし…

定額制でなくDRMのない買い切り動画データを全話2~3万円くらいで売ってくれれば好きなアニメだったら多分買うんじゃないかと思うんだけど、駄目だろうか。

2016-09-17

Amazon Fire TVでdアニメストアがみられるようになってるぞ!!!!!

みんな急いでポチるんだ!!

めちゃくちゃいいぞ

アニメ好きな人からしたら天国のような環境を手に入れられるんじゃないかなと思うぞ

大学生一人暮らし最近遠距離彼女を三年の先輩に寝取られ二股かけられて傷心気味の

俺におすすめアニメを教えてほしいものだ!!!

できれば男女モノじゃなくて何も考えずに見れるものがいいなああああああ

2016-07-01

アニメ価値とは

テレビで見ればタダ

円盤を買えは2話7000円

dアニメストアでは30000話見放題が月額400円

ニコニコでは1話210円で2週間視聴可

TSUTAYAに行けばDVD1週間レンタル200円

2016-04-09

アニメお金を払う仕組み

現状はテレビを録画しておけばタダでも観られるという前提があっての話しなんだけどさ

でもいくら録画で観て、友達に「やべー、面白かったよ」とか言っても彼らのメシのタネにはならんわけでしょ。

からと言ってDVDブルーレイに何千円も出すほどのファンでもない。実際のところ多少気に入ったぐらいのアニメ円盤を全部買ってたら破産だ。

例えば定額見放題系のサービスが、実際に視聴された回数に応じてお金を分配してくれるのなら月に2000〜3000円ぐらいなら出すかな。でもDアニメストアにしてもバンダイチャンネルにしても現役のアニメは見れないし、そもそもカバーしてる範囲が狭すぎる(それでも常に何か一つには加入して古いアニメだけ見てるが)

もう少し安いパイパービューというか、録画の手間を省くぐらいの意味合いで一話30円ぐらいで見せてもらえないものかね。そこそこのアニメなら何万人か見てるんだろ。円盤は数千枚売れれば御の字だと聞いたことがある。それぐらいの額なら広く浅く集められないのだろうか。

とにかくこちらが気にしてるのは、せっかくおもしろアニメを作ってくれる人たちがいるのに何の貢献もできないことだ。

別にオタクじゃねえからグッズもいらないし円盤を買うほど金を出したいわけでもない。バンダイチャンネル見たいな一話270円とかって価格設定は高いと思う。投げ銭システムでもいいよ。どうせ今はタダで見てるんだ、少しだけ払う仕組みを作ってくれよ。

2016-01-17

コメント無しではアニメを観られなくなってしまっている自分に気づい

ニコニコ動画が会員制になる前からずっと使ってる。

公式アニメを配信し始めたあたりから、もっぱらアニメニコ動で観るようになった。

当然コメントは表示させてある。

それ以前でも、アニメ2chの実況板に張り付きながら観ていた。

誰かと一緒に突っ込みながら観ているという感覚が楽しかったし、ニコ動では、背景の小ネタやパロの元ネタ等を教えてくれるから便利だった。

最近では他のアニメ配信サービスが充実してきた。

試しにと、自分dアニメストア登録してみた。

確かにラインナップは豊富だし、好きなアニメを好きな時にいくらでも観れるのは便利なのだが、何か物足りない。

部屋で一人で居るという感覚が強くなってしまう。作品面白さより、寂しさの方を強く感じてしまう。

語弊のある言い方をするならば、約25分の視聴が苦痛に感じた。

もはや、コメント無しではアニメ視聴すらできない体になっていた。

恐らく本来アニメファンからすれば「アニメが好きなのではなくアニメを元にコミュニケーションしたいだけのにわか」と誹られる類のものであろう。

それでも、2chの実況文化ニコ動コメントによって染み付いたこの視聴スタイルはもう変えられないと思う。

一度ある状態を知ってしまうと、ない状態には戻れない。

結局何が言いたいかというと、ニコ動でもアニメ見放題サービスお願いします月額3000円くらいなら出しますオナシャス

2016-01-15

http://anond.hatelabo.jp/20160115105603

dアニメストアでも契約すればええがな。

遅い回線を選んだのも増田だし、画面が小さいパソコンを選んだのも増田自身だし、それで文句言われてもなあ。

2015-12-03

アニメ女子高生スカート

Dアニメストアラブライブの配信が始まったので3話まで見た。本放送では見たことがないので初見だ。

スクールアイドルを結成した主人公ら3人は3話でついに初ライブを行うことになる。

3人のうちの一人、園田海未ちゃんはお嬢様っぽくてお上品な優等生キャラ。出来上がったステージ衣装を見てスカートが短すぎる、最低でもひざ下じゃないと嫌だと言うのである

俺は思った、でも君の履いてる制服スカート、ひざ上25cm位だぜ。

更に海未ちゃんは、こんな衣装を着るくらいなら制服を着て歌ったほうがましだと言い切る。この発言に俺はリアルで「えっ!?」と声が出た。衣装制服スカート丈は変わらないのだ。

アニメにおいて長いスカートを履いているキャラを歩かせる絵を書くのは難しいと聞いたことがある。だが近年のアニメは恥ずかしがりやのキャラ優等生キャラもみんな一律に現実世界ではめったに見ないような短さのスカートを履いている。たまこまーけっとは膝よりちょい上のスカート丈がとても良かった。むやみに短いスカートはありえねーという思いがつきまとい、見ていて冷める。

話の方はというと3話はちょっと感動した、花田十輝のくせに。

2015-11-28

オタ活の終焉

結婚して一人暮らしの家から新居に引っ越すことになり、

新居が狭く、かつ嫁さんは非オタのため、オタクグッズの処分を考えなければならなくなった。


少しでも高く売るためにヤフオクに出そうかとも思ったけど、

時間がないのでアニメ雑誌、BD、同人誌ポスターゲームフィギュア等諸々を

全部まとめて駿○屋に買い取ってもらった。

結果そこそこなお金になって感謝してる。


もうずいぶん長く押入れの肥やしになっていたものもあったけど、

やっぱりこれらは全部自分のオタ活の履歴なわけで、

ライブイベントに行ったこと、炎天下コミケに並んだこと、

今はもう連絡も取れないオタ友と喫茶店いつまでも萌え語りをしたことな

いろんな事を思い出して何となくセンチメンタルな気分。


でも、HDDレコーダーの設置とdアニメストア契約継続は許してもらえたし、

ゆるくアニオタを続けさせてくれる嫁さんに感謝しつつ、

このお金で一緒に何か旨いものでも食いに行くとしよう。

2015-07-30

ソフトバンクサービスについて問い合わせる窓口がTwitterしかない件

問い合わせの内容はアニメ興味ない人にとっちゃどうでもいい話なんだけどまぁ一応説明すると

ソフトバンクの「アニメ放題」ってサービスPCで視聴できるようになったわけよ

で、アニメ放題はdアニメストアよりも京アニに強くて「CLANNAD」や「AIR」「Kanon」「たまこマーケット」とかあるんだが、検索に引っかからないし一覧にもない

検索まだ正常に動いてないのねお茶目さ〜ん」と思って履歴から辿ろうとしたらCLANNADとかだけ飛んでる、iPhoneには残ってる

そういう仕様なのかとも思ったけどPCスマホで視聴可能なタイトル数が変わるとか特に書かれてない

からPCで視聴できないタイトルがあります」ってことを教えてあげようと思ったわけ

まずメールで問い合わせようと思ったけど「混んでるからフォーム停止してます」(は?)とかいって使えないわけ

http://www.softbank.jp/mobile/support/contact/email/

仕方ないから電話で問い合わせてやろーもん!と思って電話したんだけど

http://www.softbank.jp/mobile/support/contact/phone/general/

ガイダンス脱出できないわけ

だってどこにも出口がないんだもん

4で探したけどこれサービス変更とか全自動で、機械しか喋れないからサービスについて聞いたりはできないわけ

で、いろいろ探してたら

https://twitter.com/sbcare

こいつなら何でも答えてくれそうなわけ

でもな、アニメサイトについて意見するために俺のTwitterアカウントで呟きたくないわけよ

リアルフォロワーいるし良い年したオッサンだよ?アニメ見るとか周囲に公言もしてないし

サブアカウントも持ってないしそのためだけにTwitterアカウントつくるのも嫌なわけ

結局、問い合わせることを諦めてこの増田を書いてるわけ

俺以外の何者かがアニメ放題の中の人CLANNAD見れません!!!って伝えてくれることを切に願ってね

じゃあの

2014-11-30

集合的無意識インターネットを使って俺を殺そうとしている

いま何か努力してモノにしないとこの先生き残れないことがわかっている。しかも今の自由な期間に期限があるということもわかっている。

それにも関わらず、俺が部屋から出ずに何もしないのは、自分の部屋に閉じこもる居心地が良すぎるからで、さらに言えば俺に何かをしたいという動機がかけているからなんだけど、それにつけても俺は何かをしなければならない。

しかし何もしない。いや、正確には好奇心に基づいた何かをしようとする。とりあえず目の前のテキストを読もうとする。タスクを消化しようとする。

しかスマートフォンが普及した現在、頭を使わなくていいコンテンツが止めどなく更新され続けるようになった現在においては、我々クソワナビ集中力の持続は困難を極めた。

一頁読みすすめるうちにスタミナが回復し、アプリを起動し、30分溶かしたのちに忘れてしまった一頁をもう一度読む。これを何度か繰り返せば図書館が閉館する。さらにこれを数百回繰り返せば一年は消滅する。

ところで、俺が思うに、ヒューマニズムにもとづいた自由社会に向かう現代においては、自律した生産能力のない人間・与えられた課題を50点でこなすことしかできない人間生き方は虚しい、という価値観が広く共有されつつあるように思う。

虚しいのはよくない。そしてできればそういうものは無くなって欲しい。

そういう集合的無意識産物こそが、インターネット上に無数に存在する、永遠に時間を潰すことが出来るコンテンツであるのではないだろうか。

Makerブームの本とか読むと、インターネットやいろんな機器発明によって誰もが好きなものを手軽に作れるようになった現代は最高みたいなことがかいてあると思うんだけど、それは現代の一側面でしかない。誰もが手軽に好きなものを作れる一方で、誰もが手軽に人生を棒にふることができるようになったというのが正しい。

自分意志自分人生を決めることが出来る人間けが高度な技術でそれを実現し、そうでない人間は高度な技術によって時間を潰し酔生夢死に陥る。そうすることによって無生産人間社会的に低い地位へ流れていき、粗末な人生を送る。とうぜん子孫は残せない。

こうすることによって21世紀も後半に差し掛かる頃には、生産能力のない人間は淘汰されきるだろう。

そういうことを考えて、人生が粗末なのは嫌だな、と思ったので、俺はもがくことにした。

しかしそれはいまのところ失敗し続けている。なぜか、それは俺が生産活動を行うためのツール、つまりパソコンなんだけど、これが時間を潰すためのツールでもあるからだ。

たとえばブラウザ上で動くものをつくりたいと思ったときweb上の気になるサイトの要素を右クリックすればインスペクタでそれがどのように記述されて実現されているのかがしれたり、Ctrl-kを押した後に作りたいもの入力すれば過去の事例や体験談ソースコードがすぐに見つけられたりするんだけど、それとほぼ同じ動作でTwitterを開いたりdアニメストアを開いたりxvideosを開いたりすることが出来る。そしてほとんどの場合、1時間後にはソースコードを読む気力を全て失った人間デスクの前に座っている。

ブラウザで何を入力するのかということに俺の人生がかかっていて、今のところそれに失敗し続けているということがわかる。

そもそも俺は何かをしたいのか、何もしたくないのか、ということを考える。

当然俺は何かをしたい。できるだけ面白いことをしたい。そしてそれを実現するための方法は広い意味での創作活動しかないように思えて、そのための一番身近なツールPCであることもわかっている。しかし俺はそれを活かすことが出来ない。何も出来ない自分に苛立つ、しかし結局何も出来ない。

こうして踏まえてみると、俺が何かをしたいとか創作活動をしたいと思っているという最初の欲求自体が間違っていたのではないかと思えてくる。そうなのかもしれない。

俺はできるだけ何も考えたくなくて、インターネットエロコンテンツを眺めて過ごしたいだけなのかもしれない。しかしこのように明文化してみると、さすがにそれはないだろと思う気持ちもある。

堂々巡りするばかりで、何も決まらない。助けてください。

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