はてなキーワード: 正義の味方とは
http://anond.hatelabo.jp/20170601115223
だから政治問題にしろ経済問題にしろ、それが逮捕されるされないのレベルの話でも、どっちに転んでも結局は「はいはい知ってた知ってた」で終わりになる。
逮捕されたり引きずり降ろされたりしたら因果応報、誤魔化しきってなあなあで終わったら、まあそんなもんだよねってところで落ち着く。
清廉潔白な正義の味方なんて心から信じちゃいないから、やたらと大声を出して正しさを訴える人間を冷めた目で見るし、同時に好き放題やりまくるお上にも冷淡。
憎まれっ子は世に憚るわけで、実際にその人がどんな人間かなんてどうせ知りようがないのだから、高い地位にいる人間は多少なりとも黒いところがあるものとして捉えてる。
だから国民が求めてるのは、現状の不満を完全とは言わずもとりあえず解消してくれそうな感じのする存在であって、正義とやらを振りかざすような存在では決してないんだよね。
ポイントは「感じのする存在」ってところで、実際にやってることに効果がなくて無能だったとしても、うるさいだけの正義マンよりはマシという考えなんだわ。
サヨクはそこを分かってない。
http://b.hatena.ne.jp/entry/originalnews.nico/23681
何このブコメ欄?
マイノリティのために戦う正義の味方(気取り)の集う場所じゃなかったんですかはてなは?
何でこんな面白がってる奴らが大量にいるんですかねぇ。
てめーらナチュラルに童貞はいくらいじって遊んでもいい属性だと思ってんだな、死ねよ。
何が童貞の質問に答えます、脱童貞のお手伝いをしますだよ糞が。
こんなの非童貞&非処女が考えた「いかにも童貞がしそうな質問」を糞アマが切り捨ててるだけじゃねぇか。
それを非童貞&非処女が「うわー童貞が滅多打ちにされてるwww」って笑うための本だろ。
あのな童貞ってのはな、お前ら非童貞&非処女が思っている以上に繊細なんだわ。
童貞が全員「いやー俺童貞でさーw」みたいに軽いノリで童貞をネタにできる奴ばっかりだと思ってんの?
アトピーや大きな傷跡など身体的な瑕疵があって他人に裸を見られたくない、どうやっても自己評価を高く持てずに自信が持てない、そもそも女性恐怖症だ、etc...
そんなどうしようもない理由を抱えてるやつもいるんだわ。
そして一度も異性に愛されたことが無い奴は、多かれ少なかれコンプレックスを抱えてるんだよ。口では「諦めてるから」なんて言ってる奴もな。
そういう連中も踏みつけて遊んでるんだお前らは。
貧困者や生活保護支給者に言ってみろよ、「少しは稼ぐ努力をしろ」ってな。
大体一番人気コメさ、何これ?
macgyer “そんな方々を「呼んでない飲み会に勝手に来て料理に文句言う奴」みたいな感じにしてしまったこと、反省しています。”いちいち面白い。
何が面白いんだよバーカ。
当事者がいない場所ではいくらでも人をコケにしてもいいんだとよ。
じゃあ朝鮮人がいない場所ではいくらでもチョン連呼していいな。
で、それを聞きつけた当事者が「やめてくれ」って言ってきたら「呼んでない飲み会に勝手に来て料理に文句言う奴」呼ばわりして適当にあしらっていいな。
んなわけあるかボケが。
ここでこのくだらない本を絶賛した奴は二度と弱者の味方気取るんじゃねぇぞ糞が。
別に格闘技好きとかそういうんじゃないし鍛えてるとかでも全くないふつーのそこら辺にいるうだつの上がらないおっさんなんだけど、時々なんか無性にヒーローになって悪いヤツと戦いたくなる。
ウルトラマンでも仮面ライダーでもなんとかレンジャーでもなんでもいいんだけど、シンプルに「悪いヤツを叩きのめす」のが仕事なのに憧れるのかなー。
あれはあれで毎日毎日やってたら大変だしラスボス倒したあとの人生の目標とか、いろいろ悩みもあるんだろうけど・・・。
隣の芝生は青い、なだけなのかなー。
分かりやすい悪いヤツと分かりやすい正義の味方で分類されるような世界で生きてみたい気がしてる。
やっぱ疲れてんのか。
増田は「正しいと思ってる事を発表する」ことをすべて正義の味方ぶる行為と定義してるけど
正義の味方ぶる≒虎の威を借る狐で「俺の意見は世間も認めている民意の代表である」みたいなバックボーンを盾にするか、しないかが分かれ目だと思うが。
逆に自分の意見が正しいと思っていない人なんているんだろうか?ある程度正しいと思ってるから意見を発表するんじゃないか?
むしろ「正義の味方ぶ」らずに、楽しいからと開き直って気軽に人を攻撃する方が怖い。スリルで万引きしたり、痴漢したり、セクハラしたり、いじめをしたり、世の中そんな、気軽に楽しんで人を苦しめることばかりだ。なのに、「正義の味方ぶってるやつらよりマシ」等と正当化される。「娯楽の暴走」より「正義の暴走」の方が危ぶまれる(この二つが結びつくことは多々あるが)
「正義の味方ぶる」ということはその分「これが正義だ」という真剣な確信がなければ攻撃に及ばない、ハードルの高いものなのに。
第一この「正義の味方ぶってる」「正義の暴走」という言葉は自分達の敵、あるいは自分たちを攻撃してきそうな言説に対してしか向けられない。自分たちもまた、自分たちの正義を暴走させているとは考えもしない
だからお互いがお互いを「正義の暴走ガー」と言って攻撃しているという光景もよく見る
もっぱら弱者の味方的言説が「正義の暴走ガー」と言われるのは、もしかして「弱者を攻撃することが正義だと信じている集団がいる」とは夢にも思われないからだろうか
世の中にはたくさん、在日外国人を日本から追い出すのが正義だと信じている人たちがいる。障害者を間引きするのが正義だと信じている人たちがいる。性犯罪被害者にセカンドレイプするのが正義だと信じている人たちがいる。掃きだめのような2chで、まとめサイトで、何度そんな「正義感」に駆られている人を見たことか
「ああ、やるよ、クマ。最近のクマはネットぐらい嗜むって。あんたら若いのに、そんなことも知らないのか」
僕はその言葉を聞き、先輩と二人で青くなった。
話は二週間前にさかのぼる。僕は先輩と仕事帰りに安い居酒屋で飲んでいた。先輩は仕事面では頼りになるが、飲むといい加減なことしか言わない人だ。赤い顔をした先輩は、僕にスマホの画面をよこす。そこにはあるブログの画面が表示されていた。
「これ見てみろよ、クマだぞ、クマ。クマのくせにブログアドバイザーって、笑っちゃうよな。人間様がクマに教わってブログ運営なんで、二宮金次郎もビックリだな!」
「二宮尊徳は薪を担いでいた人ですよ。クマと関係あるのは、金太郎のほうでしょう。まったくもう、そろそろ帰りますよ」
「いいなー、クマ。巣にこもって一日中ネットやるってさ、最高の生活だよな。ーーああ、なんだか腹が立ってきたぞ」
「クマ、クマって、これは擬人化というか、ただのイラストじゃないですか。実際にクマがブログやっているわけがないでしょう」
「よし、決めた! 今度の土日は暇だよな。俺もお前も彼女いないし。山に行ってクマ退治しよう! ちょうどいい塩梅に、親戚にマタギがいてさ、人が足りないって話を聞いたんだよ。よし、頼もう! クマのくせにネットやるなんて許せないぞ!」
話は今に戻る。先輩の親戚だというマタギの先生は、変わった形をした銃ーーP90という、特殊部隊等で使われる短機関銃らしいーーを僕と先輩に寄越した。
「気ぃ付けなや。最近のクマは強えぇぞ。いいもん食ってるからな」
先生はどっしりとあぐらを組みながら、呵々と笑った。先生の歯はほどんど抜けている。
先生の話によると、最近のクマは市街地に住んでいるらしい。山岳まで開発の手が及んだ影響が大きいが、エアコンの発達により、冬でも冬眠せずに生活できるようになったことが移住の決め手になったそうだ。クマといえども生き物だ。食べなくては生きていけない。街での生活にはお金がかかるが、クマが人間に混ざって働くわけにはいかない。
クマが目を付けたのは、インターネットの世界だ。インターネットではお互いの顔は見えない。手間も時間もかかるし、頭を振り絞る必要があるが、インターネットを使えばクマが必要な生活費ぐらいなら稼ぐことができる。
「……ええっとですね、せんせい? 説明の途中で申し訳ないけれど」
ターゲットの家に向かう車の中で先輩が震えながら、先生に尋ねる。人のことは言えないが、銃の持ち方がサマになっていない。
「どうした。わからないことがあれば、何でも答えるぞ。もっとも、聞いたところで死ぬ奴はすぐ死ぬけどな!」
ひぃと、先輩は小さく悲鳴をあげながら、それでも質問を続ける。
「聞いた話をまとめると、特段人間様に迷惑をかけているわけじゃないですよね。退治なんか止めて、そっとしておいたほうがいいんじゃないでしょうか……」
「馬鹿野郎、野生を忘れた獣は獣じゃねえよ。クマはクマ。人間は人間。獣が人様と同じ暮らしをしちゃいけねえ。野生を思い出させるために、俺らマタギは市街地に押し入って、クマをとっちめるのさ。ーーおい、着いたぞ」
そこは一見普通のマンションであった。ーーとてもクマが住んでいるようには見えない。車を鍵が付いたまま玄関に止めると、先生を先頭に階段を駆け上がり、目的地に向かう。クマが住む部屋の隣の部屋のドアをピッキングで開け、侵入し、ベランダに出る。そしてターゲットが住んでいる部屋のベランダに忍び込み、様子を伺う。中の様子はカーテンが締め切られており、よくわからない。
「おい、構えろ」と先生が呟いた後、先生の合図に従って僕らは窓に向かって銃を乱射した。銃の取り扱い方の訓練は軽く受けていたが、本番とは違う。僕と先輩は悲鳴に近い大声を上げながら、必死に銃を撃つ。
撃ち始めてからしばらく経った後、「もういいぞ」と先生が言った。中の様子は変わらない。とりあえず中に入るぞと、先生がベランダから家の中に足を踏み出した途端に、衝撃波が頬を裂いた。横を見ると先生がいない。空を見上げると吹っ飛ばされる先生の姿が見える。僕は幼児向けのアニメ番組で正義の味方のパンチ一発でやっつけられる悪役の姿を思い出した。
そのクマは巨体だった。全身が茶色の毛に覆われおり、ところどころ弾がめり込んでいるが、攻撃が効いている様子はない。獣の筋肉を震わせながら、眼光鋭くこちらを射抜く。
「ああ、お前達が銃を乱射したせいで、家の中がめちゃくちゃになってしまったじゃないクマ! あれもこれも! 朝食のフルグラも! ブログのネタのため買った本も! ああ、パソコンまで! これから会社に行かなくちゃならないのに、どうしてくれるクマ!!!」
「あああ、寄るな寄るな、寄るなーーー!!」
先輩が銃を放つ。クマは動かない。先輩の放った銃弾は全て筋肉で受け止められる。クマは先輩の姿を冷ややかに眺めている。
「なにしてるクマ。ブログアドバイザーである僕には、銃なんて効かないクマよ」
「ブログアドバイザー? な、なんだよ、あのブログのクマじゃないか。な、仲良くしようぜ、な。お互い長生きしたいだろ? 健康のために、運動と瞑想と野菜350グラムを毎日欠かさずって、えええ!?」
先輩の言葉を待たずに、クマのラッシュが先輩の全身を撃ち抜く。目にも止まらぬ拳で先輩をボロ切れにした後に、先輩の頭をつかんでは振り回し、空へと放り投げる。さきほどの先生の飛翔より、距離は出ているようだ。
「その睡運瞑菜とか抜かす奴に、僕のブログがどれだけケチ付けられているか、知らないのクマかな。ところで、お前」
クマの巨大な黒目がこちらを見る。腰を抜かした僕は、立ち上がることすらできない。
僕は目を閉じ、合掌した。僕の無謀な冒険は、ここで幕を閉じる。二度と幕が上がることはないだろう。ああ、野生の力はおそろしい、おそろしい。
ある年、僕の後輩が友達を助けるとか言ってゴタゴタに巻き込まれて強姦紛いのことをされた。
結果は本人が親に知られたくないって言って泣き寝入り。それどころか本人のツイッターのアカウントを見つけられてしまって、学校がバレた、待ち伏せされて襲われるという強迫観念が前にいじめで起きたパニック障害に追い討ちをかけ学校から一人で帰れなくなってしまった。
幸か不幸か縁あって僕に色々相談してきてくれた。僕は学校でも居場所がなかった後輩に同情と昔の自分を投影したの感情が入ってしまった。
僕は他校にもかかわらず、受験期間にもかかわらず”約ひと月”という約束でほぼ毎日学校とその後輩の地元に直結する電車の駅まで送ってあげた。場合によっては手を繋いであげて、泣いてる時はハグしてあげて、勉強にも相談に乗ったり、ほかの人とうまくやっていくにはということで色々本を用意してみたり、弱気なことばかりいうのを褒めてあげたりなど頑張って励ましたつもりだった。
でもそれがいけなかった。
結果、僕に恋愛感情を抱いてしまったみたいで経験が浅かった僕は喜んですんなり受け入れてしまった。僕も好きだったらしい。
ある時、イチャイチャとペティングだけでは飽き足らず処女を奪ってしまった。
その後僕が下手だったせいかしばらく後輩の方がツンツンするようになってしまった。だからと言って多くのクラスメイトと仲良くするわけでもなく。
僕はその時、弱みに漬け込んでただけでこの強姦をした人と同じことをしたんじゃないかって、罪悪感と彼女の依存の強さと本当に責任って取れるのっていう、愛していけるんですかっていう生々しい感覚。ほかの人から見たらお前はくずだなと言われるかもしれないけどその時は受験のストレスもあってダメだった。今は本当に好きだったからって言えるけど。ダメだったんだ。
だからその後僕は振った。もちろん嫌いになったわけでもなく。一緒にいたらダメだなと思ったから。僕まで依存したらもう終わりだなって。そん時は少なくてもそう思った。
それも良くなかった。
共依存は良くないと考えて、冷静になって欲しいから相手を想いやったつもりなんだけど全く後輩のこと考えてないよね。だってそれで振られたら遊ばれたと思うよね。
こないだ付き合ってた時に約束したご飯のことを果たすために会ったけど警戒心があってやっぱりなと思った。その後誤解は解けてフランクに話したりじゃれあっていたりしたけど、しこりは消えなそうだった。後輩は僕よりも2つ上の男から告白されててどうやら今度OKを出すみたい。
エゴだってわかってるけど僕みたいにどうしようもない馬鹿男ではなく、素敵な人であることを強く願うばかりだ。幸せになって欲しい。
僕は誰かの正義の味方でありたかっただけなのかもしれない。でもそれは誰もが望むことではないし、自分の考えを押し付けたオナニーだったんじゃないかなって強く葛藤してる。すまない。
こういう風に「なんで抵抗あるのかわからないけど嫌いなんです」みたいな事をわざわざ言う人は何がしたいのか?
答えは簡単で何かを理由もなく、または「正しくない」理由で嫌う事に抵抗感があるのです。
腐女子やオタクに限らず人間は何かを嫌ったり叩くときにとにかくそれらしい理由をつけたがります。
大義名分を持つことで叩いている自分が正義の味方だと思えるからです。
だから嫌いなアニメを叩くために「腐媚びしてるからダメ」「信者のマナーが悪いからダメ」とか理屈つけてるんですよね。
もちろんそれが全部嘘で無理やり捻り出した理屈だとは言いませんけども。
で、某アニメが嫌いなのは自由なんですけどあのアニメには大義名分になるような叩き要素がまだないんですよね。
スタッフが迂闊な発言で炎上したわけでもないし、ストーリーがとんでもない超展開したわけでもないし、登場人物が犯罪や不愉快になる事をしでかしてもないし、ファンのマナーも(今の所)大きく取りざたされてませんし。
だから叩こうにも叩けずに「好きになれない私が変なのかな〜?」とかチラチラしながら匿名で日記書いて同志を募ってるわけですね。
勘違いして欲しくないんですがあのアニメを嫌いになるのも批判するのも自由なんです。
私が言いたいのは「とにかく嫌い」なものに対して大手を振って叩ける箇所を血眼になって探すのは非生産的で虚しいってことです。
同人活動という完全なる趣味の場で好き嫌いに理由つけたって自分が疲れるだけですよ。
嫌いなものは嫌いでいいんです。
好きな作家さんが移動してしまったとか原作者の態度が気にくわないとかフィギュアスケーターに親を殺されたとかなんでもいいんですがそういう「正しくない」理由で何かを嫌う自分のことを受け入れて自分の好きなものに集中していればいいと思います。
【目撃者】
海の向こうで反知性主義が始まったと嘆く人々がいる。
反知性「主義」?
すごいなあ、人間はいかなるときも、その日常生活でさえ、知性的な判断をするんだそうだ。
決して、衝動買いなんてしたりしないし、後輩にいいところを見せようと、奢ったりもしない。
僕には、かの国の新大統領が掲げる偉大なるアメリカというのが本国の人のようにピンとはきていない。
ただ、「感覚的に」わかるのは、あの時代のアメリカを、いい時代の自分たちを取り戻してくれる、と明言してくれた候補にすがりたくなったその人間的な感情だ。
人間は知性だけで動くはずはない。衝動買いもしたりするし、カっとなったり、かと思えば気前が良くなって人に料理や鞄を奢ったりするだろう。
それが人間だ。
「ありがとう」と愛しのあの子に言われたならば、つい破産の仕方をgoogle検索で探してしまう。
ただ、「ありがとう」と言われたくて。
アカデミズムの世界で、その知性を轟かせる先生方も、SNSではつい感情的になる。
今回、「知性」を信じた人々は、対になる概念を黙殺してしまった。
本当に知性的ならば、見落としなんてなかったかもしれないけれどね。
人間は自分の信じたいことだけを信じ、自分に有利な情報を仕入れ、確証バイアスで頭の中はフロートソーダさ。
僕は、昔から繁華街でバカをやっていた友人とカフェバーで、そいつを待った。
しかし、待てども待てども、来やしない彼女に業を煮やした僕らがウエイターを呼び止めようとしたとき、後ろの席から声がした。
「気づきなよ」
僕の記憶の中の彼女は(どちらかというと)美人顔でとても薄幸なオーラを醸していた。
僕と一緒に彼女を待っていた友人は、人違いだ帰ろう、と言った。
僕は、目の前の彼女の目(整った二重にタレ目でどちらかというとかわいい系だ)の奥に、鈍いものを感じた。
彼女は僕の手をとって、私の家に泊めてあげた恩を忘れたの?とのたまう。
ああ、こいつだ。
この恩着せがましい話し方。間違いない。彼女だ。
僕が、東京に来たばかりの頃、彼女に振られて、自暴自棄な状態で歌舞伎町で朝を迎えたことがあった。
ホストたちは僕に邪魔だ、うっぜーなと声をかけて、みんなして帰宅していた。
僕が道の真ん中から端っこに移動して、寒さに凍えている頃。
彼女は現れた。
泥酔していた僕は、彼女の家の廊下で倒れて、数時間経つと頭痛と吐き気と共に起きた。
便器と友達になった後、僕はお風呂を拝借して、置手紙をして帰った。
ヴィトンのバッグからは、睡眠薬や安定剤、精神薬に痛み止めが溢れ出ていた。
僕は、その光景を見て、みんな苦労して生きているんだな、と思った。
彼女は、当時キャバ嬢だったが、風落ち(風俗で働くようになることをギョーカイではそのように称す)して、その後、AV嬢になった。
僕が自暴自棄だった頃、僕は彼女に連れられて、ホストクラブに行った。
男の僕が行って楽しいのか、とは思ったが、思いの外、楽しかった。
ホストたちは、召使のように注文を取りに訪れ(跪いて御用聞きだ)彼女の横に座る。
そして、僕にも飽きないように話を振る。
僕は、好奇心が旺盛なのでギョーカイの話を聞くだけでも楽しかった。
彼女がドンペリやリシャールをぽんぽこ入れるので、どのテーブルよりも彼女への待遇は手厚く、そして連れてこられた僕もまるで、どこかの国の王子のように振る舞えるのだった。
僕は、その時思った。
理性や合理的判断は論文を書く時だけで十分で好きな人や頼れる人を探すのに、直感、感情、その発露を起源にして何故いけないのか、と。
楽しい毎日を望まない人々がいたら、なんだか、ロボットみたいだし、現実的でも、夢がなければ、きっと快楽の世界に溺れようとするよ。
ある種の人々は。
ついでに、胸の方も少し眺めた。
僕は少し思案した。(隠しておきたいのか?でも、真反対だからなあ、気づかないふりは……)
僕は彼女に言った。
「可愛く整形してもらったな。どこのクリニックだ。腕がいい。
でも、胸はパッドを詰めりゃいいんじゃないか。代わりに可愛いワンピースでも買うといい」
「君にはばれるか。500万でこれだから安いよー、シャンパン開けてたら、1000万以上なくなったのに笑」
僕と彼女の会話の間中、僕の連れは口をあんぐり開けて、小声で人違いに失礼だぞ、と言っていた。
(シーッ、静かに。愛は静寂に包まれて割れてしまうクリスタル)
僕は笑いながら
「あんたじゃなかったか、人を見た目で判断するのは良くないつったのは。
ついでだから、言っとくが正義の味方にでもなりたいんだったら、何をもってしても人を判断してはいけない。
人は等価値だ。例え、悪人でも愛すべき人間だ。そうだろ、正義の味方くん」
僕は、つい本音を口にしてしまったが、彼はそれを気にもとめなかったようだ。
どうでもいい。僕は、人を見た目で判断するが、その人物が同一かどうかを見た目以外で判断することができる。
見た目で人を判断しないと言っている人に限って、見た目で人を確認しているのはどうにかならんかね、全くw
彼女は
「足が朝から痛くて、つっちゃって」
「仕事か」
「単価上がって、万々歳よ、整形代の元は取れるよ。人は見た目だねえ、だって、私だって人を見た目で選ぶもん」
彼女のこういうあっけらかんとした本音で話すところは嫌いになれない。
公共の福祉や他人を害するのでなければ、シンプルに生きたっていいじゃないか。
「私、復讐する。だって、モテるようになったんだもの。金も稼いで、男をはべらかして、復讐する。あの頃の、自分に聞かせてあげるの。
シンデレラになったよって」
「いいぞいいぞ」
「まあ、この際、それもいい」
「ところで、君、私の意見に賛成しているのは、私が可愛いから?それとも私の意見が納得できるから?」
「難しい質問だ。ねえ、世界って複雑なんだよ。復讐のしがいがあると思わない」
「ポエマーはすぐポエる」
「ツンツンしたこと言っても、容姿が良ければ、言い返す手間がいらなくていいな」
世界は、整理されていない。
たくさんの人々がいて、たくさんの考えがあって。