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2018-04-16

大雪の日からメンヘラが治らない

新卒で入った会社の転勤で東京に来た。

もともと東京で働きたかったわけじゃない、でも若手で期待されているのを知ってたしキャリアアップになると確信して部署異動も含めて辞令を飲んだ、後悔はしてない。

でも転勤して、上司の期待通りのことは何一つ出来なくて、オペレーター仕事しかできず、なんのために転勤したのかダンボールだらけの部屋で毎日涙目で自問自答した。

満員電車と人の多さが怖かった、誰かとご飯を食べることが減り、醤油がしょっぱくて食パンが薄く、空気乾燥していて、物価が高く、なにより東京は寒かった。

大雪の日の夜、しんしんと積もる雪を見て感じたのは薄い恐怖だった。このまま振り続けたら、生き埋めになるのでは。

朝起きて一面真っ白で深く雪に埋もれた景色を見て叫びそうになった、会社を休んだ、布団の中で泣いた、こんな遠くに来るつもりなかったのに。溶けない雪が死ぬほど怖い。

まれ故郷は地面そのものが温かくて雪が降ってもすぐ溶けてしまう、温暖な気候硫黄匂いのする街だった、嫌な思い出もあるけど心底帰りたいと思った。

でも帰ってどうするの、私の席などないのに。どんな顔して帰るの。不様だ。

母の失望した顔が浮かぶ、結局あんたはお父さんと一緒ね、と

ふとした瞬間に生まれ故郷方言がもう出てこない、かろうじて、関西の方?と聞かれる、笑って違いますと答える。

頭に靄がかかってる、朝きちんと来てくれるだけでいいんだ、きちんと来てから先の話をしようと上長は優しく諭す。チームのみんなが心配して代わる代わる声をかけてくれる。分かってます、色々試行錯誤してて、上手くいきそうな途中なんです、新しい枕を伊勢丹で買ったんですよ、そんでアロマデュフューザーで快眠のやつ焚いてるんです、大丈夫です、大丈夫ですよ、頑張ります

産業医は鬱じゃないと言った、そうですちょっと生きづらくてホームシック引きずってるだけです、もともと根暗ロングスリーパーだし、朝は弱くて、生理痛胃痛もあってちょっとタイミングが悪いだけです。7時には目が覚めてるんです、頭に靄がかかってるだけで、上手くスイッチが切れたら始業に間に合います

温泉に入ってとり天が食べたいだけなんです、お願いです見捨てないで頑張ってみせるから失望しないで。

2017-11-17

ソロキャンプにはまってる

しんしんとした雪深いところで飲むホットミルクティー。森の中で焚き火で作る厚みのあるベーコン焼きと半熟の目玉焼き飯盒で作るサッポロ一番塩ラーメン。野外で食べるとほんとうまいんだ。いいよな、ソロキャンプって。やったことないけど。

2017-07-26

School Daysアニメ)を見て久しぶりに思ったこと

不倫話題が活発なので書くならいしかない。

School Daysニコニコ動画で全話無料だったから久しぶりに見てたんだけど、誠はクズだ。死んだほうがいい、それは変わらないけど、なんというか、すこしかわいそうに思った。

確かに誠は流されやすい。しかえっちに興味がしんしん変態だ。

言葉と付き合ってから誠の行為テンプレ変態高校生だ。でも、正直それって健全だ。

大好きな彼女に触れていたい。愛を確かめたい。女体への興味。ほとばしるリビドー

そこを世界につかれた。

誠は確かにどうしようもない。でも、世界がまともであれば誠はあそこまでクズにはならなかった。

そりゃ二次元世界で、誰かが作ったお話の中なんだからリアルとは違う。それでも、久しぶりにみて、心が汚れてしまった自分が久しぶりに見て、心から思ったのは誠への同情だった。

誠はクズだし、死んだほうが良い。結果的に誠は心が弱く、外道で、性欲に素直だ。最悪の人間だ。

でも、別のルートもあった。そのことを考えたら心が震えた。

2017-04-18

1日の終わり

少し開けた窓の外、遠くから蛙の鳴き声がしんしんと聞こえる。晩春になってやっと田圃に張られた水に、雨蛙がたいそう喜んでいる。

今日も1日、いろいろあったが、なんとか無事にやっている。明日も元気を出していこう。

2017-02-13

何もかもがしっかりと積み重なった雪の層。

その下に、小さな蕾が眠っている。

空は暗く雪ばかりだった草原に、今年は珍しく日が射した。

しかし、長年積もった雪はお日様の微かな暖かさではちっとも溶けて行かず、むしろ少し溶けた分だけ雪面は醜くなっていった。

やがてお日様は雲に覆われ、またいつも通りの日常が戻った。

蕾が人生で二度目にお日様の暖かさを感じたのはその二年後だった。

蕾は二年前の悲劇を思い出し、怖じ気付く。

しかしその暖かさは、お日様のように皆に薄く平等に与えられておらず、蕾だけをひたすら暖めていた。

それは暖かい人の手だった。人の手は自らの手を冷たく冷やし、それでも雪をとっぱらった。

蕾はその人の手が見たかった。その人の手が見たい一心で、今度は自ら雪を溶かすようになった。

さらに水の代わりに与えられた養命酒が、蕾の冷え性改善し、雪を溶かす助けになった。

雪はまだ降るー。

しんしんと降る雪を見ていると時々、自分が雪に埋もっていた頃を懐かしく思い出す。あの時私を散々苦しめ、そして守ってくれていた雪の壁はもう無い。

しかし、どんなに雪が降っても、もう雪に埋もれることはないだろう。

一面の雪原の、そこだけ土が見えていて、小さなさな花が、こじんまりと咲いていた。

2017-02-01

雪国セックスはい

冬の雪国セックスはいい。

裸の妻を抱きしめると、肌が少し乾いてさらさらしていて、それがとても好き。

身体を思う存分こすりつけあって、長い時間をすごす。

寝室はきちんと暖められている。

勘違いしていたころに買った、だるまストーブの上でヤカンが静かに煮えたぎり、空気しっとりと重くしている。

しかしベッドの中は寒い

僕も妻も相手の体温を、一欠片も逃さないために、身体を複雑に絡めたまましばらく動けない。

身体があたたまって、こわばりが解けていく感覚も好き。

布団乾燥機を使うべきなのだろうが、僕も妻もそうしない。

動けるようになってから、少しずつ、キスをしたり、おっぱいに吸い付いたりする。

外は、うんざりするような雪。

しんしんと、大粒の雪が積もっていくのが、なぜか実感として分かる。

暗くて、寒くて、面倒くさい。

その容赦の無さと、二人でいる空間の優しさが、見事なまでに対比する。

まりに多くの事柄が忘れられ、世界は、雪とセックスだけに占められて、完璧になる。

2016-08-09

増田に書けばフィクションって事で済まされるよね! 32

だいぶ前に七夕も終わったわけだが、

まあ今年一番面白かった短冊はこれだったな。



“承太郎学校に行きますように     母(母親名前)”


太郎…。

多分JOJOファン父親あたりが強い子になれと願いつけた名前であるのだろう承太郎

一体何故、どうしてお前は不登校児になってしまったんだ承太郎

やはり、アニメを見た同級生からの「おいJOJO〜、スタンド使ってみせろよ〜」という執拗スタンド攻撃に耐えかねたのか承太郎。(ちなみに苗字の方も若干近かった)

そういう精神的重圧や同調圧力を、お前のスタープラチナで打ち砕く(そういう事言われたら適当に「スタープラチナ!」と叫んでポーズを決め周囲の期待に一応応えてやり過ごす)ほどのお調子メンタルは持ち得なかったのか承太郎

そして学校を欠席したお前の空席を見つつ、同級生たちは「承太郎マジJOJOwww」「学校来ないとか原作通り過ぎwww」「アイツきっと家で鉄格子に鍵かけて閉じこもってるんだぜwww」「しかもガクラン着てwww」とか爆笑してるのか承太郎

そしてさら心配した担任教師あたりが家庭訪問に来ても、なぜ学校を休むのか?という質問に対してはとても同級生からスタンド攻撃のせいだとは答えられないから頑なに沈黙を貫き通すのか承太郎

そしてそのうち担任に命じられて住所の近いクラスメート達が毎朝迎えに来るようになって、「ごめんね〜今日も承太郎、具合悪いみたいで…」とか母親に追い返された後で同級生たちがお前の部屋の窓の外あたりで「出て来いよ承太郎!」「お前のスタープラチナ見せてくれよ承太郎!」「待ってるからな承太郎!」とか声を張り上げて、部屋の中どころかご近所中にまで波及する遠隔型スタンド攻撃を放ってからさっさと学校行ってしまうのか承太郎

そんな、同級生から多種多様スタンド攻撃のせいでますます学校にも行けず自分の家にこもらざるを得なくなったのか承太郎


と、そんな承太郎の奇妙な冒険想像していたところ、承太郎短冊発見してしまった。

まあ子のいる親が単独で参拝来る事はあっても短冊まで書くってケースはあまりないので、承太郎短冊もあるだろうなとは思ってはいたが。

しかし親とは随分離れたところに結んだな承太郎

まあ当然か。その理由配慮にせよ不仲にせよ、子供本人がいる所で本人の登校拒否が治りますようにって書く親が、子供のすぐ近くで短冊ぶって可能性は低いか

で。当の承太郎本人は一体どういう願いを持ってるのかね、と興味しんしん短冊を見たんだが、


wii-uをかってもらえますように    じょうたろう”


どうやら承太郎登校拒否ライフを満喫していらっしゃるご様子。

ていうか字のぐにゃぐにゃっぷりを周囲の短冊比較して判断しても、小学校低学年くらいなのかね承太郎

ちゃんと学校行かないかwii-u買ってもらえないんだぞ承太郎

学校行け承太郎

学校メメタァと蛙殴ったりズキュゥゥゥンとキスショットをかましたりして周囲の憧れを集めろ承太郎

2016-05-02

山手線詩集

神田で カンカン 怒ってる

すでに 飽き飽き 秋葉原

まあまあ まちまち 御徒町

上野で うええと 嫌な思い

ぐうぐう 寝ている 鶯谷

日暮里 ポリポリ つまみ食い

ニシシと 笑って 西日暮里

田端で バタバタ せわしなく

駒込 こまごま 目が回る

巣鴨に カモカモ いいところ

つかつか 大塚 歩いてる

いいから 行け行け 池袋

目白で じろじろ 見られてる

ババンと あらわれ 高田馬場

ぽくぽく 悩んで 新大久保

しんしん 新宿 雪が降る

ヨヨヨと 代々木で 泣いている

原宿 ハラハラ 気が焦る

しぶしぶ 渋谷は 似合わない

恵比寿で 冷え冷え 風が吹く

ろくろく 目黒も 行けやしない

五反田 ゴタゴタ 言い争い

先々 どうなる 大崎は 

品川 しなしな 花が枯れ

たまたま 田町で 出会ったの

まままま いいから 浜松町

シバシ 新橋 手厳しい

有楽町に 悠々 到着

とうとう 東京 今日の気分

2016-02-29

まだマッドマックス観てない

面白いんでしょ?

超興味しんしん…。

だけど、ストーリーよりも迫力が良いらしい。

爆音で鑑賞するのが良いらしい。

からDVD借りるより映画館で観たいんだけど、もうやってないし。

だれか映画館貸し切って、マッドマックスの上映会やってくれないかなあ。

2015-12-04

ブクマカおにいちゃんと増田の私

今日ブクマカお兄ちゃんはブクマスターを配りにやってきた。私がお兄ちゃんに抱きつこうとすると、はてブロお姉ちゃんが間に入って邪魔をした。私はお姉ちゃん背中にぶつかって、地面に尻餅をつく。そのまま脱糞した。

「あたし、はてなスターが欲しいの。グリーンでお願い。ね、いいでしょ?」

はてブロお姉ちゃんが甘えた声を出す。ブクマカお兄ちゃんは、よしよし、と頭を撫でて「今日特別からな」と言ってグリーンスターを3個もあげた。

私は悔しくて、歯ぎしりしながらお姉ちゃんを睨みつけた。私は妹増田からスターが食べられないのだった。それにはてブロお姉ちゃんはダサピンクのフリルスカートを着ていて、童貞を殺しそうなほどにオシャレをしていた。

「ふふ、いいでしょ。GoogleAdsenseの収入で買ったのよ」

私は顔を真っ赤にして、お姉ちゃんアッカンベーをしてやった。増田妹は、どれだけ頑張ってホッテントリ入りしても、お金がもらえないのだ。神様は不平等だ。

「こらこら、喧嘩はやめろ」

ブクマカお兄ちゃんは、私のおでこひとつだけブクマをつけて、テクテクと立ち去ってしまう。ブクマには[あとで読む]とタグがついていた。お兄ちゃんの嘘つき。ちゃんとあとで読んでくれたことなんて、一度だってないのに。

「じゃ、あたしはこれから互助会パーティーがあるから増田はそこでウンコとでも遊んでなさい。そんじゃーね

と、捨て台詞を吐いて行ってしまった。

私は、寒い雪のみちを歩く。足を引きずって、トボトボと。悲しくてたくさんの涙とウンコが零れ落ちた。雪がしんしんと降る。夜空には、はてなスターが瞬いていた。私には決して手の届かない、天界宝石。私も死んだらあそこに行けるだろうか。

ブクマカおにいちゃんはいつも、メタブタワーを一生懸命に登って、スターを集めてくるのだ。私はスターを貰えない。いつもはてブロお姉ちゃんけが、お兄ちゃんの愛情を受け取れる。

雪のなかにうずくまって震えていると「どうしたのかな、お嬢ちゃん」と声をかけられた。顔をあげる。赤い服を身にまとったおじさんが、すっと立っていた。

もしかしてサンタさん?」

けれどおじさんは、黙って首を横に振る。

「僕はライターだよ。こころがポッとあたたまる記事をお届けしよう」

そう言うとおじさんは、背中に背負っていたポリタンクの液体を周りにぶちまけた。そしてマッチをシュッと擦る。あたり一面が、炎の渦に飲み込まれた。燃える燃える。おじさん自身も黒焦げになって燃えながら、顔はニコニコと笑っている。

「なんだ、たったの80ブクマか。でも、僕の最高のエンターテインメントを持ってすれば、はてな火の海に変えることだってできるよ」

「あつい、あついよー」

私は泣きながら逃げ惑うけれども、道のどこまでも劫火が追ってくる。振り返ると、おじさんが二丁拳銃を持ってこちらに走ってきた。

「待ってよ。話はまだまだこれからなんだ」

そのとき、私は道で寝ていたシナモンに躓いて転んでしまう。おじさんはニヤリと笑って銃口をこちらに向ける。

チェック・メイトだよ」

ダンッ!!という銃声が鳴り響く。けれど私は、無事だった。

大丈夫か、増田妹! ここは俺が喰い止める! お前は先に行け!!」

ブクマカお兄ちゃん!!」

ブクマカお兄ちゃんは、手に一本の斧を持って立ち向かっていった。駄目、お兄ちゃんが死んじゃう。私は両手を合わせて、天界のお星様にお願いする。お星様、お星様、どうかブクマカお兄ちゃんを助けてあげて。

『ウェーイ!!!!!』

そのとき頭上から声が聞こえたかと思うと、ひとつの巨大なお星様が地面に舞い降りる。

「もーーね!! みんな仲良くしような? そんな感じ! おわりっ」お星様が呪文を唱えて高速スピンを繰り出すと、あたりを覆っていた炎が吹き飛び、雪解け水が南国の海のようにきらめいて静かな波を立てた。

「お星様、ありがとう!」

「いや僕ヒトデなんだけどね」

大きなお星様は自分を謙遜して言った。私は、お星様をぎゅっと抱きしめる。お礼のキスをいっぱいする。生まれて初めて触れることができた、はてなスター。暖かくてぽかぽかとした感触に、胸がキュンとなった。お姉ちゃんはこんなに素晴らしいものを独り占めしていたんだ。

「いや僕ヒトデなんだけどね」

お星様大好き。

「よかったな。増田妹。それは俺からプレゼントだ」

ブクマカお兄ちゃんが微笑む。

「違うよ。それは僕からサプライズさ。一流の役者にふさわしい演出だと思ったんだけど、ちょっと驚かせちゃったかな」

赤いおじさんも優しそうな笑顔に戻っていた。

「ふん、良かったわね。あたしだって、たまには増田に星でもあげたら?ってアドバイスしたんだから

気がつけば、はてブロお姉ちゃんも側にいた。

「そうだ……そうだったんだ……。みんな私のために、ありがとう。お星様、一生大切にするからね!」

そしてはてなの村に、また雪が降る。外から見れば殺伐とした閉塞感のある、この世界。でも、本当はたくさんの人たちの愛情によって、はてなという宇宙が成り立っている。私、妹増田は、もっと一生懸命に生きようと思った。たとえ自分増田という立場にあっても、嘆いてはいけない。周りには私を愛してくれる人がたくさんいるのだ。

ありがとう、すべてのはてなスターに愛を籠めて。

「ちげーから!!!! 僕ヒトデだから!!!!」

fin

2015-03-24

なぜ「最貧困少年少女」は救いにくいのか

鈴木大介氏は最貧困女子話題になったが、その前に貧困少年に関するルポを書いている。

そこで描かれたのは、泥棒詐欺に向かう貧困少年の姿である

資本主義は、貧困女子を「性風俗産業搾取される被害者」の立場に導き、

貧困男子を「組織的オレオレ詐欺集団窃盗加害者」の立場に導く傾向にある。

貧困男子にも性風俗における需要があれば、おそらく「ババアに弄ばれる被害者」になっていたのであろうが、

需要がないため(女性向け風俗は客が入らずすぐ潰れる)、裏社会少年たちを「下っ端の加害者」として活用するのだ。

 

貧困下で育っていない「一般市民」にとって、貧困女子は「可哀想」だ。

売買春経験は無くても、多くの女性痴漢セクハラ等の被害経験を持っているので、

実家貧乏から…を理由キモオヤジサービスさせられる運命を課せられたJKは、

シンパシーを覚えやすく、助けてあげたい存在かもしれない。

 

しか貧困下で育っていない一般男性にとっての貧困男子とは何か。

カツアゲしてくるDQNである。「イジメの主犯」である

高校進学によって、中卒の彼らとやっと縁切りが出来てせいせいしたような、そんな存在だ。

地価の高いエリアや、国立私立の小中学校に通った男性からすると、同級生としては「不可視」で、

ニュースにたまに出てくる胸糞悪い悪者」のような、現実味の薄い存在かもしれない。

そんな一般男性たちが、彼らにシンパシーを覚えるだろうか?助けたいと思うだろうか?

「俺たちが真面目に勉強していた頃、あいつらはカツアゲをしていた。大人になってから暮らしに差があるのは当然」

こう思うのが普通ではないだろうか。

 

貧困少年ケアは、彼らが「裏社会に入った地元の先輩」になついしまい、

「下っ端の加害者」として使われ始める前に行われるべきなのだろう。

貧困少女風俗スカウトなついしまう前にケアされるべきなのと同じことだ。

しかケアをする組織は、「裏社会に入った地元の先輩」や「風俗スカウト」を敵に回すことになる。

貧困少年少女が救われることで、彼らを搾取して暮らす「むかし貧困少年だった大人たち」が飯のタネを失うことになる。

貧困少女を救う活動をしている仁藤夢乃氏は、できるだけ有名になるべきだろう。

 「売名」だの「承認欲求」だのというゴミのような問題ではない……)

 

貧困少年搾取した過去を持つ、むかし貧困少年だった彼らは、まともな仕事再就職できるだろうか?

一般市民あなたに聞きたいが、彼らと働けるか?

 

助ける側のリターンが少ないだけでなく、リスクがあまりにも大きすぎる。

それが貧困少年少女放置の原因になるのだろうと思う。

 

また貧困少年少女は、豊かな家庭で育った奴らからの「助けてあげる」的な上から目線を嫌う。

裏社会に入った地元の先輩」や「風俗スカウト」の方が、似た過去を持っているため信頼する。

童貞ジャニーズエリートを嫌い、理解者面をする伊集院に群がるようなものなのだろう。

 

それにしてもオッサンだらけのはてな民が、貧困若年女子に興味しんしんで、貧困中年男性に興味しんしんで、

貧困若年男子に興味がないのは見事すぎて笑えるな。貧困若年女子に興味があるのもどうせスケベ心だろ。

2015-02-06

今すごくやりたいこと。

静かな部屋でゆったりとしたソファーでくつろぎながら、少し大きめのマグカップで美味しいコーヒーが飲みたい。

少しだけ雪が残った道を長靴で歩きたい。

二人で公園散歩しようと出かけたけれどもあまりに寒くて喫茶店避難して、しんしんと降る雪を眺めながらとりとめのない会話がしたい。

テレビが流れているような昔からある地元中華料理屋さんで、ギョウザビールを楽しみながら次に何を注文するか話し合いたい。

朝起きて、隣でまだ寝てるあなたの姿を見た後に二度寝突入したい。

結局起こされてしまって、味噌汁でいい?って聞かれて適当な返事がしたい。

傍にいたい。

2014-04-07

やべえ

明後日のおぼちゃんの会見が楽しみでしょうがない

専門的なことは何一つわからん俺でも、彼女がどんな態度でどんな事を言うのか興味しんしん

たいしたタマだな

なんかやってくれそうな感じがやばい

2014-02-24

久々に、彼女が待ち合わせをしているところを見た。

前回見かけたのは、雪がしんしんと降っていたあの日だった。

その前は一月の自分誕生日。その前はよく覚えてないが、

2、3回は見かけただろうか。

パン屋さんの窓側の席で、手帳を広げていたこと一回、

携帯を打っていたこと一回。後、一回待ち合わせに出会えたら、

次は本を読んでいないかなと思う。

難しめのものより、東野圭吾みたいなポピュラー路線なら

なお良いなと勝手妄想する。

ガラス越しに手を振りあう姿を、誕生日に見てしまってから

自分日常に、何故か彼女が視界に入り始めた。

秒速5cmのあの歌のまま。

いつも探してるよどこかに君の姿を〜

もとい、

いつもの帰宅路で探してるよあのパン屋に君の姿を……

いやいや、この心情はストーカー路線への転身ではないはずだ。

あの時の、『大人げない』笑顔が強制ネガポジになっただけであって。

人と待ち合わせがしたい。

家族と、同僚と、知人と、恋人と。

四ヶ月前に会社上司とした待ち合わせが一番新しい記憶

必然だが、楽しい記憶ではない。

振り返れば、寧々さんとはどんな待ち合わせをしたのか、

ヤバい、全く覚えてない。

現実時間を使って待たされたことはあったんだろうか。

開けば会える、最後までそういう存在だったか

毎週、月曜は日曜日が待ち遠しい。

でもそれは、デスマーチでない限り、待てば必ず来る待ち遠しさだ。

来ないかもしれない。いつ、会えるかわからない。

そういった不安を抱えた待ち合わせは、

自分はいつまでもやって来ない。

死にたい

2012-12-25

今年のクリスマスホワイトすぎて辛い

視界が悪くなるぐらい大雪しんしんずんずんがっつり積もってやがる

こりゃあ雪かき大変そうだなあ

2012-05-22

眠れないのです。

夜。ベッドの中。カーテンを引いて、蛍光灯を消して、まぶたを閉じて。ゆっくり深呼吸をしてみるのです。鼻から息を吸い込んで、肺を満たして、お腹も膨らまして。手の先が、足の先が、脳髄が、すうっと青く、清流のように涼やかになるのを感じてみても、だめなのです。やはり。だめだったのです。

眠れない。睡眠というものに引きずり込まれない。

疲れていないからだとか、カフェインの摂り過ぎだとか、日頃の生活が自堕落だとか。当て嵌めることのできる理由原因は多々あるように思えます。日々の生活が自堕落で、ひび割れた白磁のごとく大量の珈琲を啜る中毒者は、ろくに働きもしない穀潰ししかなく、同時に何者でもない、没個性的な、凡凡人未満でしかないのです。故に、極ごく平均的な成人が晒されている、日常的な疲労からは程遠い生活を送っている。

しかしながら。それにしてみても、眠れない。ひどく。断固として。眠られないのです。

暗闇の中で深呼吸しまぶたを閉じると、ぽつぽつと、無秩序な幾何学模様が浮かび上がってくるのです。あるいは、とても醜悪な醜怪極まりない密集が浮かんでくる。てらてらと膨れ上がった小さな小さな黄白色の突起が、わっと眼前に広がってふるふると震えているような画面が、姿を変えて形を変えて、次から次へと展開していくのです。

あるいは、蛍光緑に染まった何かしらの表面に穿たれた無数の窪み。延々とサークルが近づいていたと思えば、突如としてデルタが積み上がっていく。標識は零に置き換わり、麦わら帽子を被った縦列の二つ目に、無味乾燥眼差しを向け続けられる。

ゆめのような、まっことゆめのようなイメージが、次から次へと、流れては消え、移ろい、変遷していくために、ちっとも落ち着くことなんてできないのです。

ですから、例えば、羊を、柵を飛び越えていく長毛を纏った獣の姿を、諄々に思い浮かべようにも、転々と変化する脈絡のないイメージからは逃れるすべなどなく、横切る羊の眼に顕微鏡が向けられるやいなや、拡大に拡大を重ねたイメージはすぐさま瞳孔へと呑み込まれて、落ち込んだ暗闇の中で新たな表象対峙するはめになる。

別段、精神的に参っているわけでも、心理的に煩っているわけでもないのです。ただただ眠られない。ひたすらに。純粋に。それだけのことなのです。ちょっとした、些細な物事なのです。

私は明け方の鳥が嫌いです。朝一番の鳴き声が、しんしん耳朶に染み入ってくる気配が、空を切り夜を引き裂く一声が響き渡る振幅が、受け付けられないのです。

動き出す町並も。目覚めゆく群衆も。苦手で。疎ましくて。心がどんどん灰色になっていく。

眠られない。

ただそれだけのことのために。嫌いな物ごとが増えてしまうのです。

夜明けは、だから少しだけ、さみしい。済んだ空気は、どんな時でもひんやりと冷たく感じられるのです。

2012-02-18

/の夜

そのときすうっと霧がはれかかりました。

どこかへ行く街道らしく小さな電燈の一列についた通りがありました。

それはしばらく線路に沿って進んでいました。

そして二人がそのあかしの前を通って行くときはその小さな豆いろの火はちょうど挨拶でもするように

ぽかっと消え二人が過ぎて行くときまた点くのでした。

ふりかえって見るとさっきの十字架はすっかり小さくなってしま

ほんとうにもうそのまま胸にも吊されそうになり、

さっきの女の子青年たちがその前の白い渚にまだひざまずいているのか

それともどこか方角もわからないその天上へ行ったのか

ぼんやりして見分けられませんでした。

ジョバンニはああと深く息しました。

カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。

僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば

僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」

「うん。僕だってそうだ。」

カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」

ジョバンニが云いました。

「僕わからない。」

カムパネルラぼんやり云いました。

「僕たちしっかりやろうねえ。」

ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。

「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ。」

カムパネルラが少しそっちを避けるようにしながら天の川のひととこを指さしました。

ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。

天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。

その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えず

ただ眼がしんしんと痛むのでした。

ジョバンニが云いました。

「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。

きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。

どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

「ああきっと行くよ。

ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。

みんな集ってるねえ。

あすこがほんとうの天上なんだ。

あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」

カムパネルラは俄かに窓の遠くに見えるきれいな野原を指して叫びました。

ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむっているばかり

どうしてもカムパネルラが云ったように思われませんでした。

何とも云えずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら

向うの河岸に二本の電信ばしらが丁度両方から腕を組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。

カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」

ジョバンニが斯う云いながらふりかえって見ましたら

そのいままでカムパネルラの座っていた席にもうカムパネルラの形は見えず

ただ黒いびろうどばかりひかっていました。

ジョバンニはまるで鉄砲丸のように立ちあがりました。

そして誰にも聞えないように窓の外へからだを乗り出して

力いっぱいはげしく胸をうって叫び

それからもう咽喉いっぱい泣きだしました。

うそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。

ジョバンニは眼をひらきました。

もとの丘の草の中につかれてねむっていたのでした。

胸は何だかおかしく熱り頬にはつめたい涙がながれていました。

ジョバンニはばねのようにはね起きました。

町はすっかりさっきの通りに下でたくさんの灯を綴ってはいましたが

その光はなんだかさっきよりは熱したという風でした。

そしてたったいま夢であるいた天の川

やっぱりさっきの通りに白くぼんやりかかり

まっ黒な南の地平線の上では殊にけむったようになって

その右には蠍座の赤い星がうつくしくきらめき

そらぜんたいの位置はそんなに変ってもいないようでした。

ジョバンニは一さんに丘を走って下りました。

まだ夕ごはんをたべないで待っているお母さんのことが胸いっぱいに思いだされたのです。

どんどん黒い松の林の中を通って

それからほの白い牧場の柵をまわって

さっきの入口から暗い牛舎の前へまた来ました。

そこには誰かがいま帰ったらし

くさっきなかった一つの車が何かの樽を二つ乗っけて置いてありました。

「今晩は、」

ジョバンニは叫びました。

はい。」

白い太いずぼんをはいた人がすぐ出て来て立ちました。

「何のご用ですか。」

今日牛乳がぼくのところへ来なかったのですが」

「あ済みませんでした。」

その人はすぐ奥へ行って

一本の牛乳瓶をもって来て

ジョバンニに渡しながらまた云いました。

「ほんとうに、済みませんでした。

今日はひるすぎうっかりしてこうしの柵をあけて置いたもんですから

大将早速親牛のところへ行って半分ばかり呑んでしまいましてね……」

その人はわらいました。

「そうですか。ではいただいて行きます。」

「ええ、どうも済みませんでした。」

「いいえ。」

ジョバンニはまだ熱い乳の瓶を両方のてのひらで包むようにもって牧場の柵を出ました。

そしてしばらく木のある町を通って大通りへ出てまたしばらく行きますとみちは十文字になって

その右手の方、通りのはずれにさっきカムパネルラたちのあかりを流しに行った川へかかった

大きな橋のやぐらが夜のそらにぼんやり立っていました。

ところがその十字になった町かどや店の前に女たちが七八人ぐらいずつ集って橋の方を見ながら何かひそひそ談しているのです。

それから橋の上にもいろいろなあかりがいっぱいなのでした。

ジョバンニはなぜかさあっと胸が冷たくなったように思いました。

そしていきなり近くの人たちへ

「何かあったんですか。」

と叫ぶようにききました。

「こどもが水へ落ちたんですよ。」

一人が云いますとその人たちは一斉にジョバンニの方を見ました。

ジョバンニはまるで夢中で橋の方へ走りました。

橋の上は人でいっぱいで河が見えませんでした。

白い服を着た巡査も出ていました。

ジョバンニは橋の袂から飛ぶように下の広い河原へおりました。

その河原の水際に沿ってたくさんのあかりがせわしくのぼったり下ったりしていました。

向う岸の暗いどてにも火が七つ八つうごいていました。

そのまん中をもう烏瓜のあかりもない川が、わずかに音をたてて灰いろにしずかに流れていたのでした。

河原のいちばん下流の方へ州のようになって出たところに人の集りがくっきりまっ黒に立っていました。

ジョバンニはどんどんそっちへ走りました。

するとジョバンニはいきなりさっきカムパネルラといっしょだったマルソに会いました。

マルソがジョバンニに走り寄ってきました。

「ジョバンニ、カムパネルラが川へはいったよ。」

「どうして、いつ。」

「ザネリがね、舟の上から烏うりのあかりを水の流れる方へ押してやろうとしたんだ。

そのとき舟がゆれたもんだから水へ落っこったろう。

するとカムパネルラがすぐ飛びこんだんだ。

そしてザネリを舟の方へ押してよこした。

ザネリはカトウにつかまった。

けれどもあとカムパネルラが見えないんだ。」

「みんな探してるんだろう。」

「ああすぐみんな来た。

カムパネルラのお父さんも来た。

けれども見附からないんだ。

ザネリはうちへ連れられてった。」

ジョバンニはみんなの居るそっちの方へ行きました。

そこに学生たち町の人たちに囲まれて青じろい尖ったあごをしたカムパネルラのお父さんが黒い服を着て

まっすぐに立って右手に持った時計をじっと見つめていたのです。

みんなもじっと河を見ていました。

誰も一言も物を云う人もありませんでした。

ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。

魚をとるときアセチレンランプがたくさんせわしく行ったり来たりして

黒い川の水はちらちら小さな波をたてて流れているのが見えるのでした。

下流の方は川はば一ぱい銀河が巨きく写って

まるで水のないそのままのそらのように見えました。

ジョバンニはそのカムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいない

というような気がしてしかたなかったのです。

けれどもみんなはまだ、どこかの波の間から

「ぼくずいぶん泳いだぞ。」

と云いながらカムパネルラが出て来るか

或いはカムパネルラがどこかの人の知らない洲にでも着いて立っていて

誰かの来るのを待っているかというような気がして仕方ないらしいのでした。

けれども俄かにカムパネルラのお父さんがきっぱり云いました。

「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」

ジョバンニは思わずかけよって博士の前に立って、

ぼくはカムパネルラの行った方を知っています

ぼくはカムパネルラといっしょに歩いていたのです

と云おうとしましたが

もうのどがつまって何とも云えませんでした。

すると博士はジョバンニが挨拶に来たとでも思ったものですか、

しばらくしげしげジョバンニを見ていましたが

あなたはジョバンニさんでしたね。どうも今晩はありがとう。」

と叮ねいに云いました。

ジョバンニは何も云えずにただおじぎをしました。

あなたのお父さんはもう帰っていますか。」

博士は堅く時計を握ったまままたききました。

「いいえ。」ジョバンニはかすかに頭をふりました。

「どうしたのかなあ。ぼくには一昨日大へん元気な便りがあったんだが。

今日あたりもう着くころなんだが。船が遅れたんだな。

ジョバンニさん。あした放課後みなさんとうちへ遊びに来てくださいね。」

そう云いながら博士はまた

川下の銀河のいっぱいにうつった方へじっと眼を送りました。

ジョバンニはもういろいろなことで胸がいっぱいでなんにも云えずに

博士の前をはなれて早くお母さんに牛乳を持って行って

お父さんの帰ることを知らせようと思うと

もう一目散に河原を街の方へ走りました。

2011-12-20

http://anond.hatelabo.jp/20111220005131

家事は全部彼がしてくれます」は今はノロケで済むけど、結婚したらやっぱりちょびっとは考えなおすべきだよ。

結婚という契約を結んで、互いに逃げられなくなったら(ネガティブ意味じゃないよ)、やっぱり不満はしんしんと溜まっていくもん。

いじわる言おうってつもりじゃないんだがね。

2011-06-29

霧雨の中、校庭ではしゃぐ2つのグループがあった。

1つはタイヤの上に座っておしゃべりして、

もう1つはサッカーをしているグループ

おしゃべりしているグループは大勢いて、

サッカーをしているグループは2人しかいない。

だけど好きな子がいる。黒髪ショートの小さな子。

背は小さいけど誰よりも元気な子。

僕はそのどちらでもないグループ

真ん中にぽつんと立ってどっちに行こうか迷っていた。

おしゃべりしているグループの一人が歌い出した。

歌詞が間違っていたので、みんなが間違っている部分を歌ってみせる。

そのうち大合唱し始める。

きな子友達ボールを蹴り合っていた。

彼女から誘ったのだろう。

2人でボールを蹴りあいながら、校庭を目一杯使って、いきおいよくボールと跳ね回っていた。

ふと迷っているうちにボールが近くにとんできた。

ボールは高くバウンドしていて、いきなりだったので僕の頭上高く通り越してしまった。

きな子ボールを取りに行く。

僕は思う

ここで踏み出さなきゃダメなんだ、と。

小学校6年間と中学校3年間、ずっと思いを伝えられなくて、

あの子から声をかけられてもまともにしゃべれなかった。

高校生の頃、歩道橋であの子から声をかけられた時があったが、

その時の僕は判断する能力が鈍っていて、

なぜか誰かが横で歌っているんだろう、

変な子だな、とぼんやりとした頭で思いながら、

ふと信号が青になって横を見ると、うつむいたあの子の顔があった。

僕は動けなかった。体が動かなかった。

そのうち彼女が視界から見えなくなると、僕は自転車に乗って、

停めてあった車にぶつかって転んだ。

喪失から、ただただ、僕はもうダメだと思った。

あの子があんな顔をしている。それも自分のせいで。

そんな体験をしてもなお、また会える日をぼんやりと待ちながら、

また会ったらあの日の事を謝ろうとそれだけを思っていた。

彼女は忘れてるに違いないのに。

僕は思う

今ならまだ取り返せるんじゃないだろうか、と。

大人になった今ならーーー

と、その時、あの子が飽きたのか、ボールキャッチして別のグループに行こうとした。

瞬間、僕はまた臆病になって、声をかけようとしていた体勢を崩した。

そしてふと横を見ると、ボールを蹴った子が消えていた。いや、消えている最中だった。

霞のようにだんだんと見えなくなり、まるでこの世界には始めからいなかったかのように、消えた。

慌ててもう一度好きな子の方を見ると、

その子も、また、おしゃべりしていたあのグループも一緒に消えていった。

降っていた霧雨にさらわれたかのように、みんなみんな、消えてしまった。

しんしんと振る雨の中、僕は思う

最初から僕はどちらのグループにも属していなかったのだ、と。

僕は始めから傍観者であり、自分を大人だと自覚した時に、はっきりと、

もうあの輪の中にはもう加われなくなったのだ、と。

僕は今精一杯生きることができているだろうか。

あの子供達は今どうしているだろうか。

一人はここにいて、木偶のように突っ立っている。

あの日から動けないまま、ずっと、この校庭で。

2010-12-13

眼にて云う

だめでしょう

とまりませんな

がぶがぶ湧いているですから

ゆべからねむらず血もでつづけるもんですから

そこらは青くしんしんとして

どうも間もなく死にそうです

けれどもなんといい風でしょう

もう晴明が近いので

あんなに青空からもりあがって湧くように

きれいな風が来るです

もみじの若芽と毛のような花に

秋草のような波を立て

焼け跡のある藺草のむしろも青いで

あなた医学会のお帰りか何かは判りませんが

黒いフロックコートを召して、こんなに本気にいろいろ手あてもしていただけば

これで死んでもまずは文句もありません

血が出ているにかかわらず

こんなにのんきで苦しくないのは

魂魄なかばからだをはなれたのですかな

ただどうも血のために、それを云えないがひどいで

あなたの方から見たら

ずいぶんさんたんたるけしきでしょうが

わたくしから見えるのは

やっぱりきれいな青空と、すきとおった風ばかりです

  • 眼にて云う

 

なんだかんだ、と

時間ばかりは、どうしたって、過ぎていきます

僕の心は、どこかに、留まったままのようだ

一体何処で、油をうっているのか

わかりようもありませんが

不思議とあせりもしないものです

つまり、まだ、Nikonあいておりません

いま、部屋の悲鳴から、察するに

外は大雨のようだ

降り出す前に、僕は帰路につけました、これはきっといいことだろうと思う余裕はまだ、ある

家へ帰ると、インターネットで買っておいた、カメラバッグが届いている

次の現場はまだ決まらない

心の平和も、宣言するには、心許ない

何が足りなくて、何が満たされているのか、わからない

しかし、そのどれもが、なんとも小さいこである

こんなことばかり、恥も知らず

語っているから、誰だって思うだろう

暗かろう、哀しかろう、寂しかろう

しかし存外、そうでもない

この渇きと、飢えが、跡形もなく消え去ったとき、僕はきっと死ぬのだろう

どうも、満ち足りないから、前へ、上へと歩んでいける節がある

からといって、この渇きと飢えを、楽観視もしていられない

何年も昔、秋の夜だったか

日付がかわって、間もなく

唐突に、一通のメールが、きた

そこには死にたい一言書いてあった

彼女がそう言う理由は知っていた

長年付き合った彼に、別れを告げられた

彼女が、少しずつ、しかし確かに、形作っていた、結婚という夢も崩れた

日常から生まれる

あらゆる苦しみから、寂しさから

逃れる希望を、彼女は、そこにみていたのだった

いつでも

天真爛漫に、誰よりも幸せそうに笑いながら

苦しんでいた、彼女

それをみせないのは、強さからはなく、孤独を知っていたか

そして僕が、そのメールを、冗談に受け取れず

彼女の家へ向かったのは

それを薄々、感じていたか

彼女に限って

まさかことに及ぶようなことはないと分かっていたが

教えてあげたかった

絶望を前にした

どんな論理も、言葉も、無力になる

そんな時は、もっと直接的に、感じられるものじゃなきゃ、心は救われない

それは時と場合によって

傍にいることであったり、行動であったり、継続であったり

色んな形をとりはするが、どれも

やさしさや、隣人への愛とよばれるものだと、僕は思っている

それが為になるのか、何かの役にたてているのかはわからないが、しばらく彼女の傍にいることにした

僕よりも多くの経験を重ねてきた人であることに間違いはなかったが

それでも少しは役に立てたと、今でも思う

あの時、彼女がみている、生きている小さな世界

彼女が、僕たちが、生きられる、大きな世界の何分の一でしかなかった

その人の小さな世界で、ほぼを占めていた

何かが、なくなってしまったのならば

当然、心に穴はあくだろう

もし誰かに甘えることで、仮に、少しでも

大きな世界に、希望を持てるのなら、証明したかった

それも可能ならば、友情でもって

何故なら、残酷なことに

人が、死にたいと思うくらい絶望に面しても

大きな世界は、それを受け入れてくれているような気がしたから

いくらでも、生きられる場所を、用意してくれているように思った

しか彼女に、そんな残酷希望を言うには、躊躇われる

から地道な方法で、示すしかなかった

一人ではないこと

楽しいことは、まだ残されていること

少しの間でも、忘れられること

それがだんだん、長くなっていくこと

言葉いがいの何かで、教えてあげたかった

例え、生きていることに意味を見出せなくても

死を選ぶのは、いや、自分を傷つけるという行為が、答えになるわけではな

失ってからはじめて気付くものは、たくさんあるし、それが自分じゃ洒落にもならない

から、うしろむきな僕が、いつまでたっても見つけられない

生きる希望は、それはそれで、よいのかもしれない

しかしそう楽観視するには、人生には、苦しみが溢れすぎている

から、この世界がきっと用意してくれているであろう、居場所を探す力だけは残しておかなくてはならない

渇いている心が、飢えた頭が、ある限りは、より善いものを求めて、歩いていく、力になるだろう

道中は、弱音ばかりで、幸福音色を聴かせることなどできないかもしれない

しかし、満ち足りていないのなら、前へ進める

小さなことで、満ち足りぬ自身をいずれ、誇れる日がくるかもしれぬ

それが、希望を追う、力になるだろう

そしてまた、目の前の絶望にも、溺れぬよう、抗う力になるだろう

そうすれば、溺れかけているように思える、この頭の中からみても、

 

やっぱりきれいな青空と、すきとおった風ばかりです

2010-10-26

春の歌

入籍を予定している。

相手の名前は千帆という。

出会った頃は、ただの千帆。

彼女は11歳年下の21歳だった。

 

ずっと、中途半端な関係を続けていた。

俺が、千帆に対してそういう関係を強いてきた。

千帆も、俺の気持ちを察してだろう、静かに寄り添うように、ただそこに居ることを選んだ。

そして、素知らぬ顔で時間だけが過ぎていった。

 

笑顔を交わし、体を重ね、何気ない日々を過ごすうちに、

情だけが、雪のように降り積もっていった。

恋とか愛とか、そういうものよりも先に、俺たちの間には、しんしんと、情だけが。

二人で笑いながら過ごす一見暖かな毎日は、だから、本当は、冬だった。

 

他人には決して理解できない、いろいろなことがあった。

不揃いな色を集めただけのような、あるいは思いつきで音を並べただけのような、

そんな混沌として、統一感のない、つぎはぎだらけの毎日だった。

だけど今、振り返ってみると、一枚の絵のように、一つの曲のように、感じられる。

 

春が近づいて柔らかくなった雪の間から、夏に憧れた植物の芽が顔を出すように、

降り積もった情をかきわけ、愛を目がけて恋が芽生える、そういうことがあっても良いはずだ。

そんな関係も決して間違いではないと思うし、俺と千帆は、そういう二人なのだ。

冬が終わり、春が来て、そして、千帆の左手薬指には小さな蕾みがなっている。

 

春は歌う。

冬を恨まず、夏を妬まず。

春が歌う。

冬を慰め、夏を想い。

 

入籍を予定している。

相手の名前は千帆という。

二年半前にただの千帆だった彼女は、

24歳になった今、かけがえのない千帆になっている。

2010-09-13

人には言えない恥ずかしい勘違い

会社から帰ってくるのがいつもより少し早かった俺はゆっくり風呂に入りたいと思った。

普段は湯船にお湯なんぞ張らないのに「Todayは、ぬるい温泉気分だな」と鼻歌交じり。

上機嫌でツムラの効き湯(越冬1年もの)を準備していた。

風呂釜のぞき込むと、なんだかちん毛のようなものは張り付いてるし、朝オナニーしたときの

精子が行き場をなくしてカンピンタンになってお亡くなりになった様子の物体も散見された。

『これは非常にまずい』

と判断し、お湯張りをする前に全裸風呂の清掃を開始した。

風呂場のサイドポケットから取り出した風呂洗剤Aのボトル残量がEmptyに近かったため

良好な清掃結果を得るためには追加の洗剤が必要だと判断。

種類は違ったがストックしていた風呂洗剤Bを使用し、風呂釜に追加注入して利用を開始した。

よもや頭をよぎる注意書き

 『まぜるな危険!』

ぐっ!!!しまったああああ!!!

とっさに風呂の出入り口をぶち破って

玄関先に転がり出る俺。

普段会社で「愚鈍だ」と馬鹿にされる俺でも

この時ばかりは秒速12kmの速度で移動していたと思う。

風呂の出入り口の扉は、巨体に吹き飛ばされ

だらしなく台所のシンクにもたれかかっていた。

「あっぶねーマジで風呂掃除硫化水素発生とかありえねーわ!

 死体見つかったとき全裸だず」

俺は叫んだ。

慌てて飛び出した勢いで、頭を打って背中も打った。

弱い頭がさらに弱くなったらどう生きるべきかと算段したが、そこまで期待される

人生でもないので、わりとすぐにあきらめがついた。

体と一緒に飛び出してきた風呂洗剤Aの成分表がふと目にとまった。

「液性:中性」

ゆっくりと、ボトルを拾い上げると、少しやわらかに抱いて

俺はしんしんと泣いた。

2010-08-28

眼にて言ふ  宮沢賢治




だめでせう

とまりませんな

がぶがぶ湧いてゐるですからな

ゆふべからねむらず

血も出つゞけなもんですから

そこらは青くしんしんとして

どうも間もなく死にさうです

けれどもなんといい風でせう

もう清明が近いので

もみぢの嫩芽(わかめ)と毛のやうな花に

秋草のやうな波を立て

あんなに青空から

もりあがつて湧くやうに

きれいな風がくるですな

あなたは医学会のお帰りか何かは判りませんが

黒いフロックコートを召して

こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば

これで死んでもまづは文句もありません

血がでてゐるにかゝはらず

こんなにのんきで苦しくないのは

魂魄(こんぱく)なかばからだをはなれたのですかな

たゞどうも血のために

それを言へないのがひどいです

あなたの方から見たら

ずゐぶんさんたんたるけしきでせうが

わたくしから見えるのは

やつぱりきれいな青ぞらと

すきとほつた風ばかりです

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