冬の雪国のセックスはいい。
裸の妻を抱きしめると、肌が少し乾いてさらさらしていて、それがとても好き。
身体を思う存分こすりつけあって、長い時間をすごす。
寝室はきちんと暖められている。
勘違いしていたころに買った、だるまストーブの上でヤカンが静かに煮えたぎり、空気をしっとりと重くしている。
しかしベッドの中は寒い。
僕も妻も相手の体温を、一欠片も逃さないために、身体を複雑に絡めたまましばらく動けない。
身体があたたまって、こわばりが解けていく感覚も好き。
布団乾燥機を使うべきなのだろうが、僕も妻もそうしない。
動けるようになってから、少しずつ、キスをしたり、おっぱいに吸い付いたりする。
外は、うんざりするような雪。
しんしんと、大粒の雪が積もっていくのが、なぜか実感として分かる。
暗くて、寒くて、面倒くさい。
その容赦の無さと、二人でいる空間の優しさが、見事なまでに対比する。
あまりに多くの事柄が忘れられ、世界は、雪とセックスだけに占められて、完璧になる。
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