はてなキーワード: 藤子とは
かの有名な「ドラえもん」というSF日常ギャグマンガに「のら犬『イチ』の国」というエピソードがある。
のび太が拾ってきたノラ犬に知性を植え付けて過去のどこかの土地で、捨てられた動物の国を作らせて問題解決、というあらすじだ。
このエピソード、昔からなんとなく苦手で、知性をもったイチの描写が怖かった点も大きいのだが、そのまま歴史が進んだら人類社会誕生しないんじゃね? という妄想に発展するのも大きいな、
と考え直していた。
そうすると、特別にドラえもんが好きというわけでもないが、「ガラパ星から来た男」も似たような部分がある。
または「パラレル西遊記」もちょっとばかりではあるが、似たニュアンスの描写があることに気づいた。
さて次の段で、他の作家、作品はどうかなー? と進んだのだが、たまにSFを読むくらいの自分には、ほぼ全然これが思い当たらない。
というわけで、掲題のとおりなのだが、過去を改編するタイプのSFで、そもそも地上に人類種がまったく、あるいはそんなに反映しなかったってタイプの作品、なにかありますかね。
【追記】
はじめて増田に記事を書いて誰も読んでないかなーと放置してたらメッチャ反応してくれてました!
ありがとう!やっぱ増田は SF に限る! 以下、自己満足のレスです(主に作品について)。
はじめて増田に記事を書いて誰も読んでないかなーと放置してたらメッチャ反応してくれてました!
ありがとう!やっぱ増田は SF に限る! 以下、自己満足のレスです(主に作品について)。
srgy 条件に合うかわかんないけど、ジーンダイバー(の前半)は人類が存在しない歴史に改変しようとする 齧歯類が進化した種族を、主人公が阻止しようとする話
他の方も挙げてくださってましたが『ジーンダイバー』。アニメか! おもしろそう。世代にはあたっているハズなのに記憶がない…。ありがとうです。
mujisoshina 過去改変とは違うが、火の鳥未来編で電子頭脳による核戦争で人類が滅亡した後に、知性を持ったナメクジによる文明が発展してしまう話は記憶に残っている。
未来編も多かったですね。やっぱり異種の文明なりが発展するというのがインパクト強いのかな。
kotetsu306 過去改変で人類の存在を無かったことにしようとしてくる異種族と戦うお話なら、小川一水「時砂の王」かな。小林泰三の短編「時空争奪」もSFホラーで良い
「時砂の王」そんな感じなんですね。読んでみます。小林泰三も触れたことないんで、これを機に…。
コードウェイナー・スミス! 名前は知っていたがこちらも未読。リストに入れておきます。
aaa_too_zzz エブエブみたいな平行世界、マルチバースものなら人間とちょっと違う生物が繁栄していたり、まったく生物がいない世界が描かれることはよくある
「エブエブ」避けたんすけど、そういう描写があるんですね。確かにマルチバース系だと可能性のひとつみたいな感じで出てきますな。
『虚構船団』第2章いいですよね。第3章の落差がまたいい(第3章がいいとは言ってない)。
こちらも挙げてくだった方が多いが、やはり「猿の惑星」のインスピレーションとバリエーションはありますよね。
x100jp 『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?』は、"地上の覇権を争う五種族の大戦が、人類の勝利に終わった時代。だがその世界は、少年カイの目の前で突如として「上書き」された。"とのこと。
これ! 最近は追ってないですが、よい(よかった)ですよね。
nomitori アメコミだと、征服者カーンが毎回毎回そういうことしようとしてアベンジャーズに退けられているな…。もっと上手くできたやろって思ってしまいがちなのでこの手の話はあまり好きでない。
アメコミなるほど。「やりようあるだろ」という感想を抱きがちなのもわかります。
IvoryChi 人類の大半が「変わって」しまった話ならSCP-3936【職務に忠実であれ】がいいよ。非人間型とされる生き物の特徴が明らかに普通の人間なのがこわい
SCP というコミュニティを知らなかったです…。こわい…。
kotaponx 過去改変というか未来から過去を改変するためにやってくる……といえば、スティーブン・バクスターの時間的無限大かな。ジーリークロニクルの中では一番好き
こちらは作家も作品も知らず。ハヤカワ文庫で95年の作品ですか。ありがとうございます!
zeromoon0 その流れなら「竜の騎士」を外しちゃいけないし竜の騎士をなかったことにして新恐竜を「恐竜映画3作目」とかほざいたドラえもん公式を私は許さない。
他の方も挙げてくださっているが「竜の騎士」は、「それでも恐竜は救えなかった」からの反転がキモだと思っているので、入れませんでした。「新恐竜」の元ネタの贅沢さに比べた完成度はね。祈りましょう。
wdnsdy 未来→現代だけど、漫画「BLACK BRAIN」が未来の人類種の覇権を賭けて現代(連載が90年代なので90年代)の主人公が無理矢理戦わされる話。ただしかなり人を選ぶエログロな作風。正直人類が覇権取る世界もどうなんだと思う
こちらも作品を知らず。ありがとうございます。「正直人類が覇権取る世界もどうなんだと思う」いいですね。
azumi_s ソシャゲの「ブラック★ロックシューターFRAGMENT」がわりとそんな感じ。世界線が爆発的に分岐した影響で知性を持った野菜が支配する世界とか色々出てくる(そんなんばっかではないが)
へぇー、あのゲームってそんな感じですか。ソシャゲはストーリーの都合上、マルチバース取りがちですね。
たしかに『創世のタイガ』もこの気はある作品ですねぇ。いまはWebだけでしたっけ。
いや! まさしくそのイメージです! 思いついてたんですが、ゲッターをちゃんと補給したことなくて…。
dada_love FGOの第二部がまるっとそんな感じなのでおススメ
FGOもそんな感じなのかー! でもFGOは多分やらない…。ありがとうございました!
豊田有恒もこの手の作品を書いているんですね。あとはやっぱり恐竜系は多いか。
『地球の長い午後』ってそうなんすね。たしかに話題の趣旨から外れるけど、これはかなり読みたい。
Machautumn パラレルワールドものなのでちょっと趣旨と違っちゃうけど、ロバートJソウヤーの『ホミニッド-原人』はネアンデルタール人が支配する世界の話だったはず (未読なので作品の評価は控える)。
一緒に読みましょう!
イーガン、読んだり読まなかったりですが、『順列都市』(積読)ってそんな! ありがとうございます!
これね!
tcmsc 『アーロと少年』『サウンド・オブ・サンダー』
bokukanochat 銀魂が思い浮かんだ。いい設定だよなぁ
これもいくつか挙げてもらったけれど、そういえばそういう設定だったですね。江戸時代の改変モノは割と面白いですよね。
tomoP ネタバレになっちゃうけど、『Holy Brownie』では一番最初にホモ・サピエンスへ分岐した個体を殺しちゃうことで人類が絶滅する。その結果の世界が『エクセル・サーガ』
六道神士。すんなり読めるときと入り込めないときがあるんですが、なるほど。機会を探してみます!
hate_flag 地球人はじつは侵略者で、原生地球人たちは海底に生き残っていたというのがウルトラセブンの『ノンマルトの使者』(そして海底も侵略しちゃうんだ地球人…)
やっぱりウルトラセブンは避けて通れないんですね…。ありがとうございます。
rider250 ちょっと趣旨が違うけどバクスターの「タイム・シップ」(ウエルズの「タイムマシン」の続編)で時間旅行ポンポンできるようになった人類が恐竜時代より過去に遡って月まで開発してしまうのは壮大だったなあ。
pptppc2 ブコメで出てるクロノトリガーの数あるマルチEDの一つ「恐竜人が支配した世界」は、実は続編のクロノクロスでかなり重要な役割を持ってたことに驚いたよね。気になる人は是非クロノクロスをプレイしよう!(ダイマ)
もとひら先生はほんとうにすごい!
ちょっと変化球気味な気もしますが、たしかに!笑 永井よ永遠に。
kou-qana ちょっと違うかもだけど「天のろくろ」は…うーん、全然違うか。「今・この現在」が、なかったことになる感はあると思うけど進化史レベルではない…。パラレルワールドものにはありそう。
参考にさせてもらいます!
『星を継ぐもの』も似たようなニュアンスでしたよね(うろ覚え。『さよならダイノサウルス』ありがとうございます。
これSCPですか?
debabocho 意外と難しい。ソウヤーの『ホミニッド』は人類の代わりにクロマニヨン人が文明の主役として進化したパラレルワールドと行き来する話だけど、歴史改変じゃないし乗っ取られるわけでもないからなあ。
ROYGB 親殺しのパラドックスの種族版と考えれば昔のSFでありそうな気はする。新しい方のスタートレックの映画で、過去に戻ったボーグによって全人類がボーグになってしまい、それを阻止するのがあった。
スタートレックも押さえてそうなネタですよね。新版ではあると。
たしかに! そういえばそうでした! 光永康則も藤子・F フォロワーですからね。ありがとうです。
なるほど。ここまで挙げてもらった作品でも侵略側がっていう視点は少なかった。ありがとうです。
これはね、そうですよね。『創世のタイガ』の元ネタのような気もします。小松作品だとややズレますが『ホムンよ故郷を見よ』は似たような驚きをくれますね。
松本零士の「見ても読んでもいない」度が高いのは納得できね?
たびたび映画がリメイクされてるけれどアレ見に行くの 見たことある人が大半でしょ?
テレビ放送のリメイクも1クール深夜帯とかで オタク以外が見るのは無いでしょ?
赤塚不二夫も「見ても読んでもいない」度は高いのではなかろうか?
バカボンとかのキャラは松本零士作品のキャラより知名度、理解度は高そうだけれど、テレビ放送のシリーズ的に20さい未満の「見ても読んでもいない」度は高そう
手塚治虫はどうだろう?
一方、ブラックジャックははだしのゲン、三国志と並んで学校図書に並んでたのと2000年代に長期間ゴールデンタイムでの枠があったのでそこそこ低いのでは?
石ノ森章太郎も平成ライダーを含めないと「見ても読んでもいない」度が高そう
水木しげるの「見ても読んでもいない」度はどうだろう?
藤子F不二雄『気軽に殺ろうよ』
俺の家族は揃って露悪的だった。
フィギュアスケートを家族で見ていて、テレビに鈴木明子選手が映ると、母さんは「デメキンが出てきたよ」と言った。
それを見て俺や兄弟もデメキンと呼んでいた。愛称というよりも蔑みが入っていた。
フィギュアスケートはシーズンになると何度も見ていた。鈴木明子は毎回出ていた。
もう分別がついていたはずの俺も、家族に交じってデメキンと呼んで馬鹿にしていた。最悪な冬だった。
-
冬は別の意味でも最悪だった。
小学校からずっといじめられていたが、中学になっていじめはより苛烈になった。
田舎の学校で、スマホも出る前で、娯楽なんてものはテレビしかなかった。
学校という小さな社会の中で、出ることも許されない俺は耐えるしかなかった。
俺の荷物が捨てられたり、鼻をかんだティッシュを机の上に置かれたり、
俺がどこのトイレでシコっただの意味不明な噂を流されて、そこのトイレがネームドトイレになった。
ある年の冬に、露悪的な連中が俺の暴行事件をでっち上げて、先生に呼び出されたこともあった。
俺が反論すると、先生は「火のない所に煙は立たない」とか「どっちもどっち」とか言っていた。
そういう冬だった。
-
家でフィギュアを見て、鈴木明子の容姿をなじることで、鬱屈とした気持ちを晴らそうとしたのかもしれない。
俺は家で気持ちよくなっていた。母さんや兄弟もそうだったかもしれない。
インキャな俺は人の容姿をあげつらうためのボキャブラリーを持っていなかったが、
これが唯一の武器だった。
俺にしかできないことを頼みに俺のところへ来た。
お願いする立場でありながら、全員が俺のことを小馬鹿にしていた。
頼みを断れば何をされるか分からない俺は怯えていた。
結局俺は頼みを聞いたのだが、聞いた瞬間に棟梁格の女から信じられないことを言われた。
まわりも「そうだ」と言わんばかりで俺を見てくる。
その中に、ひときわ目の大きい女がいた。
その女も周りと一緒になって、ツンケンした態度で俺を見ていた。
棟梁格の女がそのまま引っ込むと、周囲の女も散らばりはじめたが、
目の大きい女は最後まで残された。
俺は何を思ったのか、あるいはやり返したい一心で「デメキンがよ」と言った。
女は泣き出した。散った女たちが戻ってくる。
女たちがデメキンを慰める。理由を聞くまでもなく女たちは俺を睨みつける。
この件は10:0で俺が悪いことになった。俺は中学校に行かなくなった。
-
俺は個別塾で勉強して、知り合いが誰も来ないような遠くの高校を受験した。
家は裕福ではなかったが、同情した親が頑張って働いてくれた。
背伸びをして交友関係を広げた。すんなり輪に入ることができた。
いじめはされる側も原因があるとよく言われるが、俺に過失があったとはどうしても思えない。
俺は都心の、まあまあ自慢できるくらいの大学に入ることができた。
-
大学では遊んでいるほうだった。
悪い先輩についていって、大人の遊び方をいくつか覚えた。
女のいなし方も覚えた。実践を重ねて身に着けた。
なんとなく付き合って、なんとなく別れることを繰り返した。
こんなところに出てくる中学の同級生は、どれだけいただろうか。
俺は悪い優越感に浸っていた。風の噂だと、そのころに中学の連中はポコポコ結婚していた。
こんな早く結婚するのは田舎者のすることだと思って馬鹿にした。
-
ある女性と知り合うことになった。
この人の目は少し出っ張っていた。
でもそんなことが気にならないくらいの速度で、この人を好きになっていた。
仲良くなりたい。お話したい。
俺はこの人がいる、若干アカデミックな界隈に顔を出す頻度が高くなった。
恰好もおとなしい感じに寄って行った。
チャラいのを経由して落ち着いた男はモテるとよく言うが、実際ちょっとモテた。
俺は調子に乗っていた。このまま行けばこの人は落とせると思った。
でも俺がモジモジしている間に、この人には素敵な彼氏が出来た。
-
少しして、また俺はオラつくようになった。
オラついた界隈で遊び相手を作った。
そこで別の女と知り合い、仲良くなった。
さっきの女と雰囲気が似ていた。俺のタイプはこういう感じになっていた。
目が飛び出ていて素敵だった。
俺がモジモジしていたら、女は俺の友達とイチャイチャしはじめた。
あとから聞いた話だと、このころからセフレとも恋人とも言えない関係になっていたらしい。
俺はただ遊びでイチャイチャしているだけだと思ってそれを眺めていた。
眺めながらいつ突撃するかモジモジしていた。
そんなときにほかの女が俺に近づいてきた。
俺はその女を抱きながら、先の女を想像していた。
毎回果てる時は、大体その女が脳裏にあった。
-
俺は俺の経歴に満足している。
たまに合コンとまではいかないくらいの、男女混合の食事会に呼ばれる。
事故みたいなフリをして体を触ったり触られたりしている。
触られるほうが多いかもしれない。
こんなことで喜んでいる、底の浅い人間として天寿を無駄にしている。
ウェーブがかった綺麗な髪、赤くてキッとした唇、
そして一際大きな、宝石のような瞳。
真面目なお付き合いをしたい。
何も真面目なお付き合いを知らない俺ではない。今回はこの人としたい。
そう思って近づいて、仲良くなってすぐに、
-
俺は容姿や経歴でピックアップされた、誰かのスペア。誰かの人生のバーター。
俺に抱かれているときでも、違う男の夢を見ているようで、
俺がどれだけ言い寄っても、もの悲しさをごまかすような顔をしていた。
そして数か月後に、彼女は返信をしなくなった。
本命クンとうまくいっているのか、俺よりマシなスペアを見つけたのか、分からない。
けれども、それでも、と二週間くらい我慢してから、俺は泣いた。
ヤリ部屋みたいな自室に洗濯物が散らばり始めて、
その中心に座り込んだ時に、突然涙が込み上げてきた。
俺に涙を止める力はなかった。
冬の寒い日だった。
-
いま、人生の岐路に立たされている。
素敵な女性と付き合っている。お互いに腰を落ち着けたい感じがある。
このままパワーカップルとしてタワマンに住んで、子供を何人か持つのが、最適な人生だとも思う。
でも彼女は目が出ていない。
このまま彼女と結婚して、そのあとに目の出た女性に押されたら、俺はどうする。
不誠実な自分を思って胸がキッとなる。
胸がキッとなるのはこう逡巡するときだけではない。
俺は俺がかつて罵った容姿に近い女性を前にして、毎回尻込みしてしまう。
俺は俺がかつて罵った時の感情を一生涯一度も相手に向けずにいられるのか?
俺は俺がかつて罵った相手と似た人の近くに居座ろうとする自分を許せるのか?
でも俺には前科がある。
自衛としていじめに加わったであろう加害性の低い女を泣かせた。
-
俺はずっとトラウマを抱えている。
帰責性のない女たちへ向けた悪感情が、今の俺にぶっ刺さって苦しめている。
トラウマが原因で尻込みしている節は大いにある。
たとえ男女の出会いは時の運だとしても、そのすべての持ち駒を俺は棄ててしまう自信がある。
それくらい自分に自信がない。
そして今、新しいトラウマとして、
「好みのタイプの女性を一度も自分のものにできなかった」という事実が、
俺に、俺が、植え付けようとしている。
俺は結婚するかもしれないこの女性を、そして生まれてくるかもしれない子供たちを、
幸せにできる自信がない。
-
ヤフーニュースを見ていたら、イスラエルでスケート指導をする鈴木明子の記事があった。
写真を見てため息が出た。美しい。
次に涙が出た。俺はこんなに素敵な女性を罵っていたのか。
涙がポタポタと出た。少し熱っぽくなるのを感じた。
俺があの時に呪ったのは俺自身だったのだ。
-
必ずだ。
俺はどういうジジイになるんだろう。
分からない。
キショい説教を唱えながら、煙たがられながら死ぬのかもしれない。
何でもいい。何でもいいけど、
俺みたいな過ちを、だれもおかさないようになればいい。