はてなキーワード: 捜査とは
○ご飯
○調子
むきゅーはややー。お仕事は、暇。
ニンテンドーDSで発売された後、携帯電話で配信されていたアプリに移植されたものをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第八弾。(このナンバリングはスイッチ移植に当たって整備されたものらしい)
すっかりお馴染みになった、破天荒な名探偵癸生川凌介、その助手ながらテキパキと捜査をこなす白鷺洲伊綱、そして視点人物になる助手の助手兼書記の生王正生の三人による殺人事件の捜査を題材にしたゲームだ。
今作は今まで携帯電話アプリでリリースされていたシリーズが遂に家庭用ゲーム機であるニンテンドーDSで発売されたものが初出で、今までの作品よりも随分と力が入っている。
キャラクタの立ち絵、UI、背景絵なども相応のクオリティで、特に準レギュラーの矢口床子はオッパイが大きい設定だったことを十二分に披露する良い立ち絵をもらっており、出番の少なさの割に印象深い。
肝心の事件についても、今までより複雑なものになっており文章のボリューム、解くべき謎の量共にたっぷりだ。
まずは、事件捜査を題材にしたネットゲーム、ミスティックオンラインを遊ぶところが始まり、そこでまずオンラインゲーム上の架空の事件が発生する。
という感じで、都合三つの事件を同時並行的に捜査していくボリューミーな内容だ。(都市伝説として語られる謎の事件とかもあるし)
タイトルにもある「仮面幻影」の名の通り、名前と顔を仮面で覆い、幻影でわかりづらくしているため、中々事件の輪郭が見えてこないまま話が進んでいくのも楽しいところだ。
ただ、正直言って、ちょっとこのボリューム感を上手く捌けたとは思えなかった。(シリーズ内での比較であって、ADV全体的に見るとそうでもないので、無茶な挑戦だとは思わなかったけど)
ミステリのネタとしては所謂「意外な犯人」ものに分類されると思うのだけど、それに全振り過ぎて、他のハウダニットやホワイダニットなどをあまりにもザックリ解決しすぎている。
もちろん、ミステリとして主題に専念することは大事で「そういうものとして飲み込んでくれ」と前提を打ちながら展開する名作は数多くある。
しかし、本作はそのような前提を打つことなく、当初は解くべき謎として提示しておきながら雑に片付けてしまうのがシックリこない。
「意外な犯人」がやりたかったのであればそれ以外の謎については、早々に解決するなり、そもそも謎として提示しないなどの工夫が欲しかった。
捜査した結果が解決に結びついていくのが楽しいのであって、徒労感ばかりが残ってしまった。
シリーズ恒例の癸生川による超能力染みた先回り力によるものなら、シリーズをここまで遊んできた身としては脱力しながらも肯定できたかもしれない。
しかし、そういうわけでもなく、なんというか端的に言ってしまうと、今作の飯綱さんが若干ポンコツ入ってただけでは疑惑すら浮かぶ。
社会的な話題についても、少年犯罪という過酷なテーマを扱った割には、消化不良。
というか確かに題材は少年犯罪だけど「意外な犯人」の意外さのために、話がブレてたようにも感じた。
犯罪を手段として用いれる人間が社会生活を送ることの是非のような、また違ったテーマになっていたかなと。
シリーズ恒例の生王君がわたふたする中、伊綱さんがテキパキ捜査と推理をするんだけど、癸生川がちゃぶ台返しをするという構図も、今回のボリューム感では、伊綱君の手際が悪く見えてしまうのが残念。
特に、3年前の被害者と、現在の事件の有力な容疑者が、外見的特徴や年齢や名前が同じなのに、苗字が違うからそもそも同一人物だと考えすらしないのは、伊綱さんらしさを全く感じなかった。
というのも、そもそもこの点はミスリードで本題ではないのだから、普段の伊綱さんなら最短ルートで辿り着いていただろうし、癸生川に言われて気付くでもなく、単に後から気づくだけなら、それは単に察しの悪いだけではと思ってしまった。
総じて、三つの事件が絡み合うという構図を全部処理しきれていない惜しい作品だった。
シリーズを通しての縦筋も抑え目で、今作のテーマが好きそうな朱の出番が影も形もないのは残念。
いや、っていうか、3年前に道を訪ねて来た謎の女性と、一番最初に出会ったゆきいるかの中身と、生王正生にミステックオンラインを送りつけたの奴の正体が朱って設定あるのに語れてないだけだと思うんだけど違うんかな?(次作である鈍色と永劫会で語れるのかな?)
決して面白くなかったわけではなく、良き点もあったんだけど、シリーズを通して上がってきたハードルは超えてくれなかったかな。
ものすごく冷静ってなんなんだろうな?
その男も、要するに「性犯罪に興味がないし痴漢捜査に詳しくないし、性犯罪は自分に関係ないからどうでもよくて、助ける気がない社会をおかしいとも思わない、女は痴漢にあっても仕方ない、日本じゃこういうのが普通だから日本人なら理解してね」って言ってるんだよ
性犯罪を許せないし、きちんと性犯罪や痴漢について学ばなければならないし、女性の被害は男性によるものだから、男こそ痴漢に詳しくなければならない、男こそ女性を守らねばならない、助ける気のない社会はおかしいし冷たい、ありえない
助けたことで冤罪リスクがあるならそれを社会として解決しなければならない、それを放置したら女性が被害者になってしまう、絶対に避けたい
日本の異常性に気づいたほうがいい
「Winny」とは、2006年に日本で流行した匿名掲示板サイトです。一方、「ケツ毛バーガー事件」とは、このWinny上で投稿された、ファストフード店で働く従業員が自身のケツ毛をバーガーに混ぜて提供したという内容のスレッドについての事件です。
2005年にWinny上に「食材に人の髪や体毛が混入している」という内容のスレッドが立ち、翌年には「ファストフード店で働く従業員が、自分のケツ毛をバーガーに混ぜて提供している」というスレッドが立てられました。これに対して、警察が捜査に乗り出し、従業員の身元特定に成功しました。
その後、警察による取り調べで、従業員は「ケツ毛を混ぜたことはない」と否認し、Winny上での投稿は「嘘をついた」と供述しました。しかし、Winny上の投稿が事件を引き起こしたことから、Winnyは犯罪情報を拡散する場として批判を浴び、同年11月には運営者が逮捕され、サイトは閉鎖されました。
○ご飯
朝:チーズ。クラッカー。コーンスープ。昼:ラーメン。夜:サブウェイ。
○調子
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第六弾。
今作はミステリ系ADV王道中の王道、ADVやるならこれをやってこそ、満を辞してのマルチサイトだ! マルチサイトとは、小説と異なり、読む順序をある程度ユーザの自由度に任せることができるゲームならではの手法。
簡単に言えば異なる主人公のシナリオを自由な順番で、それも交互に行き来しながら読むシステムだ。
EVE、街、428、Ever17、ルートダブル、AI2、etc… 僕がオールタイムベストに上げたくなる大好きな名作が数多くあるものの、Remember11、タイムトラベラーズのように名作に挑もうとしたが消化不良で上手く扱えなかった作品も幾つか思い付く。
扱いは難しいがハマれば絶大な魅力を持つことになるジャンルだ。
そんなわけで、今回の対交錯事件では、いつメンの二人、助手ながら名探偵顔負けの実力者の白鷺洲伊綱と、プレイヤーの投影先となる一人称キャラで察しの悪さが際立つ生王正生、いつメン二人の視点を行き来しながら事件に挑む。
伊綱ルートでは準レギュラーキャラ音成とコンビを組んで被害者の共通点が見当たらない連続殺人事件の調査、生王ルートでは行方不明になった大手広告代理店の社員の捜査を始める。
じょじょに二つの事件が交差し始め、ついに衝撃の真実が明らかになる、という流れ。
低価格なゲームながら、かなり本格的な構造で、先に上げた幾つもの名作と、やりたいことが劣っているとは思わなかった。
この構図自体に何らかの仕掛けがありそうな雰囲気作りも、遊んでいてワクワクした。
マルチサイトといえばコレだよねー、と呑気に思うのもよくないが、交互に視点を行き来するお話しで片方が頑なに交流を拒み出したり電話でしか会話しなかったりすると、あらあらまあまあだ。
原作が携帯電話アプリなこともあり容量的な制約と戦いながら高度なことをやっており、テキストが魅力の大半を占めるADVだからこそ、今この時代(2023年)に遊んでも全く見落とりしない名作の圧を感じた。
とはいえ、マルチサイトの構造を利用した文章の記述の仕方による驚きを感じさせる、という一点突破な作品で、それが驚いたかどうかと言われると若干悩ましい。
度々この感想で書いているがネタバラしの前に先んじたか/先んじれなかったか、で作品を評価する気はなく、ネタバラしで驚かなかったからと言って面白くなかったと言うつもりはない。
それはミステリがあくまで物語、ミステリの謎は物語を際立たせるための仕掛けであり、クイズ大会の問題や、所謂「ナゾトキゲーム」や「脱出ゲーム」の謎とは大きく異なっているためだ。
バランスの難しいところで、本作は少し僕の好みよりもそちらに寄っていたかなと思った。
勿論、物語として情緒を書かせても一線級なのは先の4作目でわかっているので、限られた文量の中で最大限やれることをやった結果なのは伝わってくる。
ただまあ、幾つかの著名なミステリ作品でも、サプライズに振り切って、驚かせたら俺の勝ち、驚かなかったら俺の負け、みたいな態度のもいるっちゃいるような気もするようなしないようなただのサービストークのような何というかなので、難しい問題ではある。
低価格な短編ADVとして面白いこと、そうとは思えない高度なことをやっているのは間違いなく事実で面白かった。
ミステリにおける物語とトリックのバランスという、それこそ大山誠一郎や米澤穂信一流中の一流でも、読者である僕とのバランス感が違いシックリこないこともある、とても難しい部分での満点ではなかったものの、そもそもこの点を感想に書こうと思うこと自体が、ミステリやってるねえ、感のある素晴らしい出来だった。
しかしながら、このシリーズは10作目がヤバいとの前評判から遊び出したこと、今作でもそこへ繋がるキーワードがあり、そちらへのハードルは爆上がりしているのも確かだ。
○ 探偵・癸生川凌介事件譚 音成刑事の捜査メモ
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第七弾。
今作はかなり箸休め的な内容でボリュームも歴代で一番小さく、謎やお話もすごく薄め。
一応過去作のキャラがチラッと登場したりのファンサービスはあるものの、そっと添えてるだけ。
面白くないことはないが流石に文量が短すぎた。
音成刑事がチワワと一緒に捜査をする牧歌的な雰囲気を楽しめればそれで良いのかもしれないが、生憎僕は小動物が怖いので、物語でもあまり素直に可愛いと思えなかったのも合わない点だ。
これで7作目までプレイしてきて、次はコンシュマー移植でかなり大規模な作品になっているらしい8作目、4作目で示唆されていたあの人の前任者にまつわる9作目、そしてこのシリーズを遊び始めたキッカケでありなにやらすごい展開が待っていると噂の10作目と、ここからはもう遊び回は無いので、緊張感を持ちながら遊んでいきたい。
(パラノマサイトまでに全話遊ぶのは厳しそうだ)
○ご飯
朝:朝マクド(どっひゃー)。昼:ラーメン。夜:アルフォート。
○調子
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第三弾にあたる。
すっかりお馴染みのいつメンで、遊園地で起こる事件を捜査する。
オンラインゲームを利用した人物の誤認、館モノのらしさを利用してのミスディレクションと、構造の妙を生かしているシリーズで、良い意味でユーザの介入度が低いゲームらしくない作家性溢れる展開が続いていたが、今作はシンプルに推理ADVらしいシナリオ。
悲劇を笑い飛ばす癸生川のキャラクタ性に救われるものの、だいぶと重たいストーリーだった。
完全に恒例だが助手の白鷺洲伊綱が大活躍するのも、前作で僕が興味を惹かれた矢口床子の再登場、シリーズを通しての前置きや、次の作品へのキャラクタも登場したりと、色々やってきている感じ。
白鷺洲伊綱は女性に好かれやすい設定のようで、今作でもスキンシップ描写があるのが良き。
彼女へかなりの偏愛を見せる久美浜ちゃんは、今先だけの出番ではなさそうなので、この辺は要チェック。
短編ADVとしてシンプルながら出来が良いし、アクが無い真っ直ぐした味付けでありながらキチンと作家性をミステリ的なそれでなく、人間の確執や恨みの方向で出しているので、ここまで遊んだ中ではかなりど真ん中な位置付けだと感じた。
ただ、流石に三作品目ともなると同じ構図は避けたようで、癸生川によるちゃぶ台返しがなかった。
正直、そのパートこそが他との明確な差異で面白味だと感じていたので、マンネリを恐れずやって欲しかった気持ちもある。
とはいえ、シリーズ作品としての趣が強くなってきて益々楽しくなってきたぜ!
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第四弾。
前振りで随分ハードルが上がっていたが、それに相応しい価値のある良いシナリオだった。
感想を書くのが勿体無く感じるタイプの作品で、良い意味でこの余韻を具体的な文章で残したくない。
あらすじとしては、伊綱さんの過去を記憶喪失の謎の女性の一人称で追いつつ、視点人物の失われた過去と、伊綱さんの家族にまつわる事件を捜査するお話。
伊綱さんの家族や周辺の人間の名前や関係性だけが示唆される、本人が登場しないキャラの多さが、視点人物の正体を曖昧にしていくのが、暗中模索な雰囲気で楽しい。
とはいえ、落ち着きそうなところに落ち着いており、そこの意外性や、叙述の方法による誤認を誘うソレは主題ではないのだろう。
かなりど直球ど真ん中に「小説」をやっていて、ミステリ界隈に伝わる有名な嫌味な反転させて「人間が書けている」と評するのが相応しいと思った。
めちゃくちゃな人格で、事件に幕を引くためだけの舞台装置的な名探偵癸生川の出番がほんの僅かなのも、今作はそこがやりたいんじゃないからねっていうことかな。
田舎の風景描写とキャラクタの心理描写を重ねながら情緒的な文章を魅せるところも多く、他のシリーズとはかなり毛色の違う内容だった。
特に最後の方にあるタイトルの意味がわかる構図は、背景絵を使った演出も決まっておりすごく印象的なシーンで感情的に訴えかけられた。
物語冒頭の意味深なやりとりが、最初から全てを語っていたところも、話の順序の工夫で魅せる良きシーンで、思わずクリア後すぐにもう一度最初から遊んで確認した。
探偵の縦横無尽な自由さを面白がる一作目、本格ミステリのある種の滑稽さを笑う二作目、証言から人間関係を整理していくADVの王道をしつつシリーズとしての縦筋の前振りをしていく三作目ときての今作は、シリーズの幅の広さに感心させられた。
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第五弾。
今回は、いつメンの出番は少な目で新しい登場人物、都市伝説ライター弥勒院蓮児を主人公にした今までは雰囲気の違うお話だった。
都市伝説を扱うだけあってホラーな雰囲気で恐ろしいお話が展開していく。
新しいことをやろうとしたからか、気を衒う要素は少なく、良く言えば手堅くまとまっている、悪く言えば事件については見所がなかった。
ミステリ的には疑うべきところを然るべき疑いを持って読めばまあそりゃそうだし、そもそも容疑者の数的にもミステリをやりたいのではないだろう。
合う合わないの個人的な話をし出すと、ミステリとホラーの親和性みたいなところに行き着きそうなので、まあ僕の好みではなかったと短くまとめておこう。
ただし、上で事件については見所が無かったと述べたのは、事件以外、シリーズものとしての見所があった。
それが新キャラ弥勒院蓮児が我らが名探偵癸生川凌介のファーストインプレッションの評、
「出会った瞬間、なぜかホッとしてしまった。一瞬だが、もう大丈夫だ… という気持ちにさせられた。」という文章だ。
これはなるほどなるほど、癸生川凌介という人間をすごく端的にわかりやすく伝える良き文章で、それが初対面のキャラの一人称視点の地の文で表現されるのが良かった。
これは癸生川凌介への評ではあるが、僕がミステリを愛する理由って要するにコレだよなあ、と思わせられた。
作中でどんな悲惨な恐ろしい事件が起きても、名探偵がそれを引き摺り回し、現実の解決可能な事件に落とし込むところは、まさに「ホッとする」は良い形容だ。
(ミステリの世界は広いので、ここをズラす名探偵も両手で数えられない程度にはパッと浮かぶけども)
そんなわけで、4作目の過去編に続いて、新キャラの新しい展開と、いつメンのミステリがそろそろ恋しくなってきたところで、次の第6作目は王道中の王道を取り扱うようなので、一気にプレイしようと思う。
○ご飯
○調子
むきゅーはややー。お仕事は、それなりー。
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第二弾にあたる。
発生した事件を追うだけだった前作とは異なり、シリーズキャラたちの縦筋になるエピソードもあり、キャラクタに愛着を持ち出せる展開が特徴的だった。
特に前作の感想で僕が気に入ったと書いた助手の白鷺洲伊綱は、今作でも大活躍な上に、くだんの縦筋になる布石のエピソードもあると、たくさん彼女の魅力を楽しめた。
今回の事件は館モノ。クローズドサークルに、密室殺人、奇妙な構造の館、怪しい招待客たち。新本格ミステリと共に生まれ育った身としては実家のやつ。
開幕早々の建物の見取り図を見て、あーアレね、まあ、割と最近も読んだことあるし、やっとかないとねえ、うんうん、と納得した。
納得したのも束の間、いやいや、このシリーズは探偵・癸生川凌介事件譚だぞ、とタイトルをもう一読してから、捜査に挑んだ。
ミステリの謎を探偵役より先んじてわかる/わからないに意味はないという建前を思いながらだった。
そんなわけで、王道を楽しく遊べた。
キャラクタの方面では、最初にも書いた白鷺洲伊綱ちゃんの魅力だけでなく、癸生川凌介の身も蓋もない展開も前作以上のスピード感でこれが恒例になりそうな感じが楽しい。
シリーズキャラ以外だと、伊綱と妙に距離感の付け方が早かったのと、名前の読み間違いという鉄板の面白をやってくれた矢口床子さんが印象強かったかな。
白鷺洲伊綱のテキパキ高速推理からの、癸生川凌介のちゃぶ台返という構造の妙に磨きがかかった良い2作目だった。
3作目や4作目への縦筋の展開も用意されており、続きが気になるので、また近いうちに遊ぼうと思う。
捜査のメスが入るんですね
○ご飯
○調子
クヨクヨはおしまい。
携帯電話で配信されていたアプリをニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第一弾にあたる。
システムはシンプルなコマンド選択式ADVで、複雑なフラグ立てはいらず、真っ直ぐプレイできた。
素っ頓狂で自堕落で豪快で傍若無人な名探偵癸生川凌介と、その助手でしっかり者ながら時折暴走する白鷺洲伊綱、彼らの事件をゲームにまとめている主観人物となる生王正生たちが、ゲーム開発者が自殺した事件の捜査をするうちに、オンラインゲーム中に突然死したもう一つの事件との関連性が見えてくるお話。
2時間もかからずクリアできるボリュームだが、かなり中身が詰まった肉厚な作品だった。
まずは、オンラインゲームと現実、二つの世界の中で被害者と容疑者たちがどのような立場だったかを聞き込みしていき、彼らの輪郭が少しずつ見えてくる捜査パート。
元が携帯電話アプリなのでシンプルなグラフィックではあるもののデザインの意図が伝わる過不足ない立ち絵も用意されている点が、ADVの勘所を抑えている良き点。
そして何より、頭が良く会話の二歩三歩先を行くと自負する伊綱さんのテキストが面白く楽しい。
まだ一作目だが、もう伊綱さんにメロメロで好きなキャラクタになったのは、この捜査パートでの切れ者描写の素晴らしさ故だ。
ボリュームの容量的な都合という裏事情を感じなくもないが、その点を伊綱さんは頭が良いから一を聞いて十を知るんだよ、としている点はアイデアとシナリオの妙が工夫になっていて、僕は好き。
主観人物の生王正生は察しが悪くお馬鹿なので、話が先に進みすぎて置いてきぼりにならないバランス感もキチンとある。
そして捜査パート終了後の謎解きパートでは、タイトルにもなっている名探偵役癸生川凌介が大活躍する。
この謎解きパートが、捜査パートで散々伊綱さんの頭の良さを語っていたからこそキマる、癸生川無双。
所謂「サプライズ」よりの作風で、事件解決のロジックや意外な犯人というよりは、事件の構造自体を理解していなかった滑稽さと、それを見抜く癸生川の先を行く捜査と推測が面白かった。
事件の重要そうなキーワードをかなりあっさり、犯人と関係のない偶然だと断定するところも、偶然であることを示唆しつつも犯罪捜査においてそれを偶然と思うのはよくなさそう、という漠然とした素人目線だとするのが楽しい。
捜査パートで事件の輪郭を浮き彫りにしていく過程が重視され、犯人との対決パートではそこまでで得た証拠で答え合わせをする古き良きADVとは大きく違い、犯人との対決パートからこそ本題が始まるミステリ小説よりの作風だった。
好みは別れそうだが、僕はとても気に入った。
「女らしさ」の戦略と罠 -ゴフマンの分析視角から- 高橋 裕子
( 『立命館産業社会論集』 第35巻第2号 1999年9月)
https://www.ritsumei.ac.jp/ss/sansharonshu/assets/file/1999/35-2_takahasi.pdf
私は「外務省機密漏洩事件」(以下「機密漏洩事件」とする)として知られる事例を取り扱うが,この事件は当時外務省事務官であった蓮見喜久子が,親密な関係にあった毎日新聞記者の西山太吉に外務省の電信文のコピーを手渡し,両者が国家公務員法違反に問われた事件である。
分類図式に基づいた振る舞いは,行為者の能力に依拠するにもかかわらず,蓮見(事務官)は「女としては男に強く迫られると最後までノーといいきれない弱さがあります」と供述調書で語り,性的匂いを漂わせつつ自らが単なる受動的な被害者であったに過ぎないかの印象を撒き散らしたのである(注)。
上記の発言こそがまさに彼女が組み立てた戦略なのだが,ここで彼女は分類図式をことさら強調し,main trackとsubtrackとの混乱に乗じて,情状酌量を勝ち取ると同時に西山に攻撃を仕掛けようとしたのである。本来この事件において,両者が性的関係にあったか否かは,main trackとは何ら関係がなかったのである。少なくとも蓮見に性的関係をsubtrackに留める意志さえあれば,そうすることは十分に可能であった。ところが蓮見は性的関係を敢えて「告白」することで-それをmain trackとして採用することで-「西山加害者,蓮見被害者」とする設定に真実味を帯びさせていったのである。
後段には実際の法廷での証言などもあり、読み物としては面白い。その辺りは澤地久枝の著作からの引用が多いのだろう。しかし、ずいぶん蓮見事務官に辛く西山記者に甘い評価だなという印象も持った。
最高裁判決(https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/114/051114_hanrei.pdf)では当初の出会いについて「かなり強引に肉体関係をもち」とあるが、その根拠となった供述が「女としては男に強く迫られると最後までノーといいきれない弱さがあります」のような『生物学的性』を持ち出したものであったから、蓮見事務官について「自らが単なる受動的な被害者であったに過ぎないかの印象を撒き散らした」と髙橋氏は断定するのであろう。
確かに捜査過程での供述や法廷での証言を具に見れば、蓮見事務官が情状酌量を求めて、あるいは自分を利用した西山記者への怨嗟から、自らの被害者性を強調した面はありそうだ。
しかし髙橋氏は「本来この事件において,両者が性的関係にあったか否かは,main trackとは何ら関係がなかった」とまで言うが、それは言い過ぎだろう。
性的関係は情報取得の目的で、西山記者から仕掛けられ成立したものだ。つまり記者にとってその性的関係は別の目的のための手段に過ぎないのに対し、事務官にとってはそれ自体が目的でしかない。
そのような性的関係こそが蓮見事務官の行動を束縛し、結果として機密文書の受け渡しという葛藤の生じるはずの行動について事務官を受動的な立場に置いたことは明白だ。
上記の行為について、いまツイッター上で体験談が話題?のようです。
犯人が捕まって家宅捜索されたとのことですから警察が動いているわけですが、警察が捜査をするためには当然ですが何らかの犯罪が成立している必要があります。
しかし、正直なところ、上記行為だけでは何らの犯罪も成立しないと考えざるを得ません。その理由を述べます。
1 「傷害罪」が成立するのか
まず考えられるのは傷害罪かと思います。睡眠導入剤を飲ませて傷害で逮捕された、というニュースがネットなどでも出てきますね。
しかし、法律上、傷害罪が成立するためには、人の生理的機能に障害を与えた、という結果が必要となります。
小難しい言い方ですが、要するに、実際に睡眠導入剤を飲ませて眠らせるなどしなければ傷害罪は成立しない、ということです(なお、傷害罪に未遂はありません)。
そうすると、睡眠導入剤が実際には入れられていない本件では、傷害罪は成立しないと言わざるを得ません。
2 他の罪は成立するのか
過去には、「夜行バス内で隣の人の飲み物に睡眠薬を入れたところ、女性が気付いて通報したため、準強制わいせつ未遂で逮捕した」という事例があるようです。
また、人を眠らせてお金を取ろうとしていた場合には、昏酔強盗未遂罪が成立するかと思います。
このように、人を眠らせたうえで何らかの犯罪をしようとしていた場合には、その人を眠らせた時点でその未遂罪が成立することになります。
しかし、本件でこれが当てはまるかというと難しいように思います。
まず、夜行バス内の事件については、バスの車内とはいえ夜行バス内では他の客に注目することはほとんどなく、隣席の人とは長時間一緒にいることになります。
したがって、夜行バス内で睡眠薬を飲ませようとした時点で、わいせつな行為などの犯罪をする危険性はかなり高くなったといえます。強盗についても夜行バス内では同じことが言えます。
しかし、本件では、その状況からして通常の路線バスと思われますが、路線バス内で睡眠導入剤を飲ませたとしても、その人がどの時点で眠るのかわかりません。
バスの中で眠ってしまうのかもしれませんし、バスから降りて目的地に着く途中で眠るのかもしれませんし、目的地に着いた後で眠るのかもしれません。あまりにも不確定です。
したがって、通常の路線バス内で睡眠導入剤を飲ませたとしても、眠っている人に対して何らかの犯罪を行う危険性が高いとはいえず、人を眠らせたうえで何らかの犯罪をしようとしていたと認めることは難しいように思います。
その他、迷惑行為等防止条例などにおいても、今回のような行為を処罰する規定はないかと思われます。
異論反論受け付けますので何かご指摘等ありましたらよろしくお願いいたします。
なお、念のため付言しておきますが、過去にも似た事例があったように、このような事件は間違いなく起こり得るものであり、注意喚起は極めて重要です。
今後誰かが同じような事件に巻き込まれた際に、「この事件では捜査がされたのになぜ今回は捜査がされないのか!」と警察や検察が責められるのは妥当ではない、と思いこれを書きました。