定理:完全競争市場において、以下の条件下で競争均衡はパレート効率的である。
2. 全ての財の価格が正
証明:
1. 経済を (X_i, Y_j, ω_i)_{i∈I, j∈J} と定義する。ここで、
2. 競争均衡 (x*, y*, p*) を考える。ここで、
- x* = (x*_i)_{i∈I} は均衡消費配分
3. 背理法を用いる。(x*, y*) がパレート効率的でないと仮定する。
4. すると、パレート優位な別の実行可能配分 (x', y') が存在する。つまり、
∀i ∈ I, u_i(x'_i) ≥ u_i(x*_i) かつ ∃k ∈ I, u_k(x'_k) > u_k(x*_k)
5. 局所非飽和性により、∀i ∈ I, p* · x'_i ≥ p* · x*_i
さらに、k に対しては p* · x'_k > p* · x*_k
6. これらを合計すると:
Σ_{i∈I} p* · x'_i > Σ_{i∈I} p* · x*_i
7. 競争均衡の定義より、∀i ∈ I, p* · x*_i = p* · ω_i + Σ_{j∈J} θ_ij p* · y*_j
ここで、θ_ij は消費者 i の企業 j に対する利潤シェア
8. これを合計すると:
Σ_{i∈I} p* · x*_i = p* · Σ_{i∈I} ω_i + p* · Σ_{j∈J} y*_j
9. 企業の利潤最大化より、∀j ∈ J, p* · y*_j ≥ p* · y'_j
10. これらを合計すると:
p* · Σ_{j∈J} y*_j ≥ p* · Σ_{j∈J} y'_j
p* · Σ_{i∈I} x'_i > p* · Σ_{i∈I} ω_i + p* · Σ_{j∈J} y'_j
12. これは (x', y') が実行可能であるという仮定に矛盾する。
実行可能性は Σ_{i∈I} x'_i = Σ_{i∈I} ω_i + Σ_{j∈J} y'_j を意味するため。
定理:以下の条件下で、任意のパレート効率的配分は適切な富の再分配を伴う競争均衡として実現可能である。
3. 局所非飽和性
証明:
1. パレート効率的配分 (x*, y*) を考える。
2. 集合 Z を以下のように定義する:
Z = {z ∈ R^L | z = Σ_{i∈I} (x_i - x*_i) - Σ_{j∈J} (y_j - y*_j),
∀i ∈ I, x_i ∈ X_i かつ u_i(x_i) ≥ u_i(x*_i),
∀j ∈ J, y_j ∈ Y_j}
4. 0 ∉ int(Z) を示す:
もし 0 ∈ int(Z) ならば、(x*, y*) はパレート効率的でない。
∃p* ∈ R^L \ {0}, ∀z ∈ Z, p* · z ≥ 0
7. 各消費者 i に対して、富 w_i = p* · x*_i を割り当てる。
max u_i(x_i) s.t. p* · x_i ≤ w_i
反証法を用いる。∃x'_i ∈ X_i s.t. u_i(x'_i) > u_i(x*_i) かつ p* · x'_i ≤ w_i と仮定。
すると、z = x'_i - x*_i ∈ Z だが、p* · z < 0 となり、5に矛盾。
max p* · y_j s.t. y_j ∈ Y_j
反証法を用いる。∃y'_j ∈ Y_j s.t. p* · y'_j > p* · y*_j と仮定。
すると、z = y*_j - y'_j ∈ Z だが、p* · z < 0 となり、5に矛盾。
Σ_{i∈I} x*_i = Σ_{j∈J} y*_j + Σ_{i∈I} ω_i