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2023-10-28

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。(民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提800億円くらいだろうか)。また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(作業が本人の希望制という違いはあるが)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。

受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。

民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提で最低賃金を支払うとして800億円くらいだろうか)。

また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(そもそも日本受刑者の2~4割(研究者によって違う)はIQが70に満たない人たちだ。そういった人たちに賃金が払えないからと何ら働きかけをしないというのが正しいとは個人的には思っていない。)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

2023-10-21

[]10月21日

ご飯

朝:りんご。昼:カロリーメイト。夜:温泉たまごナポリタンニンジンスープリンゴ。間食:柿の種チョコ

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみー。

マヨナカ・ガラン

キリスト教徒の橘はもるるは、過去迫害されてきた隠れきりしたんが集まる大臼村の歴史伝承編纂して欲しいと頼まれる。

隠れきりしたんとして正道ではない信仰が育った村を調べていく内に、村の秘密にも迫っていくオカルトホラーノベルゲーム

3Dキャラクタ人形劇字幕を読む形式ノベルというよりは、アニメの方が近い読感かもしれない。

この辺はノベルゲームもまたゲームでありボタンを押して反応が返ってくる文章送りの気持ちよさがあり、本作はキャラクタの演技が入るためそのテンポが異なっているみたいなジャンルを包括した感想もあるんだけど、あんまりマヨナカ・ガランの話じゃないのでやめておく。

3Dキャラクタが常にステンドグラスが透けている独特な表現については、文章説明するのが難しいので実際に動画を見てもらいたい。(スクリーンショットだとよくわからないと思う)

最初は村の調査のため、村人たちとのほのぼのとした交流シーンが中心になる。

昔話を通じて歴史考察したり、キリスト教との向き合い方を考察したりなど、優しい雰囲気で進んでいく。

村人たちも名前や固有のグラフックのないモブものの、独特なキャラ立ちがされており、印象的なシーンがいくつもある。

この辺は名前有りのキャラが5人ほどしかいないため、予算面の問題もあるのだろうけど、このゲーム独自個性としてむしろ良い意味で楽しめた。

勿論、モブ以外の登場人物もいいキャラたちだった。

特に僕が好きなのは村の神父岡田黒洲。

独自進化を遂げた正道とは言い難いこの村の宗教への向き合い方に否定的で、村の外で大勢の人に信仰されている正道なキリスト教への憧れがあるキャラだ。

彼のこのギャップがとんでもないことになっていくのだけれど、辛いお話だった。

公称ジャンルホラーが入っている通り、中盤から雰囲気がガラッと変化し、恐ろしいストーリーが始まる。

この切り替わりの瞬間はかなりゾクゾクさせられて、一気に作品の中にのめり込まされた。

序盤に村人たちとの交流に文量を割いていたのがここから一気に意味が変わってきて、ギャップが本当に怖かった。

そして、生きるとは、死とはなどの、壮大なテーマが展開していく。

正道なキリスト教と、隠れキリシタンとして違った進化を遂げた大臼村の教義との対立も描かれていて、難しい部分もあった。

作中オリジナルのそれは文量が割かれているのだけど、本来キリスト教教義についてはあっさり目なので、僕自身知識の無いので少し置いてきぼりになってしまったのが惜しかった。

3時間と少しのボリュームなので、ホラー展開が始まってからサクサクと話が進んでいくのも、思想への理解が追いつかない原因だったかも。

大臼村独自宗教から来る絶望的な展開は読み応えがあったので、ホラーとしての割り切りもあったのだろう。(説明しすぎてしまうと怖くないからかな?)

後半からは村の神父でありながら、独自宗教観を否定して正道なキリスト教に殉じようとする岡田黒洲の出番が増えていく。

彼のこのギャップをキチンと理解できたわけではないのはモドカシかったが、最後最後オーラスは彼の目線からこの世界に対する慟哭物語は終わる。

この慟哭意味をどこまで汲み取れたのか全てを言語化するのは難しく、様々な感情が入り混じった難しい作品だった。

ビジュアル面の独特さに負けないぐらい、ストーリーの中身も独自性があって、かなり唯一無二な作品面白かった。

2023-10-14

なんだかんだ日本イスラエル寄りになりそう

イスラエルパレスチナ、何が正しくて何が悪かとかそういう倫理的な問答は置いておく前提で。

なんか、はてなだとハマスの残虐行為避難しつつ、ウクライナの罪を強く糾弾してパレスチナ一定の同情を見せるようなコメントが人気だけどさー、たぶん世の中的にはこういうコメント世間ズレ(誤用)したマイナー意見になりそう。

単位で見たら曖昧な態度でどちらの勢力にもあまり積極的に関わらず、適当人道支援に金を出してお茶を濁すのが正解なんだろうけど、ただ米英なんかを中心に西欧社会イスラエル寄りなことを思うと、日本も強いて言えばくらいでイスラエル寄りになるのは不可避でしょ。

軍事絡みじゃアメリカのケツ舐めるしかないのが日本なんだから

市民感情で見ても、なんか西側諸国応援してるならそっちが正しいんだろうな~、くらいの感想の人は少なくないだろうし。

はてなでも色んな社会ネタで「西側陣営の一員でありたいならかくあるべき」って意見はしばしば見るけど、西洋追従こそ是とする人が多いのが日本という国なんだから

あと、ハマス宗教戦士っぽさも日本だと大きなマイナスになるだろうね。

エルサレム絡みで宗教は深く問題に根差してるので、宗教臭さはハマスだけの問題じゃないけど、それでも脱臭しきれてない狂信過激派オーラハマスが群を抜いている。

宗教観の薄い日本じゃ、こういう勢力が一番引かれる。

から素朴な感覚として、日本は微イスラエル寄りがメジャー価値観になると思う。

2023-10-01

anond:20230930203203

そこに挙がってるのは基本的には従来の宗教観から派生した謎マナーだとは思うね。日本独特の神道あたりが大元だとおもう。

本来神棚のある部屋に入る前に、神様に対して行っていた作法形骸化したのではないだろうか。

2023-09-22

宗教の話

いわゆる宗教四世で、生まれた時から新興宗教の会員やってた。ネットだとよくおもちゃにされがちな、三色旗のとこ。

さいころから家に仏壇があって、母親祖父母が超熱心な人で、言葉をしゃべり始めた時から経を読まされてたし、ちゃんとやればみんな褒めてくれるから悪い気はしなかった。

母親が熱心な場合って厄介なんだよな。おかげさまで土日は宗教関連の予定でつぶれるし、父親母親に勧められて入ったひとだから止めないし。そんなわけで、20数年生きてきて、最近やっと初めてちゃん神社に参拝したような始末。だから一般的人間自分宗教観がかなりかけ離れてる、ってことに最近気が付いた。まぁ、それが当たり前だったんだけど。

高校の時とかはそれなりに真面目に、っていうか結構がっつりやってて、たぶんその時の周囲の何人かは幹部クラスになるんだろうな、って人間ばっかりの団体にもいた。

割と勘違いされてそうだけど、いやもう常識なのかな?一般的認識が全くわからんからあれだけど、s大学行くのはもはや当たり前で、幹部になろうと思ったら、何かしらの宗教団体所属してたことがほぼ必須になるんだぜ、笑えるよな。

高校生はそうやって過ごしてたけど、大学に入ってから恋人ができて、その人が何というかこう、自分所属してるとこ以外も含めた宗教全般アンチだった。

今思えばものすんごい幸運なことに、現実社会の親しい人にそんな人がいなかったから大いに嘆いたし、なんで自分が、とも思った。でも、今は割とその出会い感謝してる。

ここまでが前置き。すまんね長くて。

まぁ、親に「信仰捨てたいです!」とか言える訳も無くて。だってそんなことしたら普通に絶縁されそうだし、妹たちも割とがちがちに染まってるし。あと我が家、割と毒親気味で過干渉のケがあるから、最悪今住んでるところから連れ戻されかねない。

それは困る、だって実家には自室が無いし、プライバシーへったくれもない。未だに帰省するとめちゃめちゃ消耗する。二週間とかしか滞在しないのに。実家を出るまで、自分のスペースと言えば本棚のついた机一台だけだったし、その中身も親が勝手に開けて改める始末だったから、秘密とか絶対無理だった。

かといって、じゃあ真面目にやるか?と言われるとそれは心がしんどい

そもそもの話、自分は「信仰とは人生の杖であり頼り切るものではない」って思想高校時点で持ってて、現指導体制に不信感しかなかったし。

やれって圧を掛けられて、今渋々試験勉強してるけど、それにしたって普通に気色悪くて嫌になる。だって仏教ってマインドフルネスの一手法しかないし。それだって、多様な方法がある現代社会でわざわざそんな化石みたいな方法、って思う。

そもそも悟りってざっくりいえば「この世のすべては気の持ちよう、自分の気の持ちようで天国にも地獄にもなる、それなら天国みたいに考えられるようになった方がお得じゃね?」的な考え方だし、唱題にしたって、「悟りを開けないお前らが悟りを開くための一助しろよな!」的なものから自力メンタル立て直せるようになった人間には必要ないんだよ。そもそも仏教って「人生なんて全部しんどいんだからしんどいことそのものはもう諦めて楽しくやっていこうぜ」的なあれだし。ガバガバ解釈だが。

その上で、何もかもを宗教依存して、生きてくための目的のもの宗教にしてるの本当に頭おかしいと思う、それお前の人生じゃなくて教団の人生やんけ。生きてる価値ある?って思う。言わないけど。

かに苦しい時に縋れるものは多い方がいい、人生かなりしんどいし、税金高いし内定はもらえんし、何もかもままならんし、ここからってとき病気になったりするし、なんかすげーもんに縋らないと生きてけない気持ちもわかる。

でも、その気持ちもわかるけど、それでも自分で立って自分で歩かない道に価値はあるんか?って思う。だって信仰してると、どんなに血反吐を吐くような努力をしたって、どんなに周りの人に恵まれたって、どんなに運がよくたって、それ全部「信仰のおかげ」にされちゃうんだぜ。そこに至るまでの努力とか、工夫とか、人間関係とか、そういうもの全部自分の成果じゃなくてなんかようわからんもののおかげになるんだぜ、それって悔しくないか自分はそれを恋人に指摘されて初めて気が付いて、すごく悔しいと思った。だってここまで努力したの自分だし。別にすがってる”なんかすげーやつ”が何か叡智を下賜してくれたわけじゃないし。苦しいのも悲しいのも悔しいのも自分が背負わなきゃいけないのに、喜ばしいこととか楽しかたこととかは全部他にかっさらわれるって思うとはらわた煮えくりかえらんか。自分はキレそうになる。

そもそも他力本願の他宗派をめちゃめちゃ批判する癖に、何かあったら馬鹿の一つ覚えみたいに「ご本尊に縋れ」だの「お題目を」だの普通に矛盾してて笑える。それはお前らの言う所の他力本願じゃないんか?あと題目とか言う呪文的なあれを大事にしてる割に、唱題の時の発音みんなガバゆるだよな、何それ。ダブスタまみれで普通に気色悪い、反吐が出る。

と、まぁ最近はこんな事ばっかり考えている。親には勉強したらわかるって言われたけど、勉強するほど意味わからん~~きしょい~~~ってなるの中々芸術点高い。って言うかそもそも子供の許諾を取らずに宗教に入れるな、はっ倒すぞ。これはどの二世問題でも共通だと思う。四世なんだけど。ウケるね。

ちなみにこの宗教だとよく取りざたされるのは政党の話なんだけど、自分政策はまぁましな方なんじゃないかな、って思う。そこから声の汲み上げするの???正気???って思うような政治を国政ではよくやらかしてるけど、地方政治だとそれなりに要望の反映早いし。政治宗教観は切り分けて考えるので。まぁ今後の動向にもよるかな…でも宗教活動の一環で選挙活動やらされるのは普通に最悪で気色悪さの極みだからやめた方がいいと思う。実質強制投票の「お願い」はお願いと言わない。海外から来た同じ宗教の人に選挙ばっかりしてるのどうして?って聞かれて、日本では信仰を広げることが十分にできたから、今度は政治の方から生活をよくしていくんだよみたいなこと指導してるの聞いたことあるけど、それ普通に公職選挙法違反なんじゃないですかね。政教分離法則死んでないか

これを見て同じ宗教の人がどう思うかは知らんが、自分が納得できてないならなんかしらの答えにはなるんじゃないんですかね。がちがちの幹部ルート辿ってた人間がこう言ってるんだから、それなりに信ぴょう性はあると思うよ。

から入りたいって思ってる人、人生に発生する損害と天秤にかけて、本当にそれじゃなきゃダメなのか一か月真面目に考えてみ、そんなことないから。周りから偏見の眼はものすごいし、結婚したいと思った人ができてもめっちゃ苦労したりするぞ、自分は今死ぬほど苦労してる。

しんどい思いしてる人、お互い頑張ろうな。自分は今何とかして家にあるご神体的なサムシングを親にバレないように滅殺する方法考えてる、なんかい方法あったら教えてくれ。

マジで徒然なるままにって感じだなこれ。乱文で本当にすまぬ。ここまで読んでくれた人ほんとにありがとう自販機ジュース当たるくらいの幸運が訪れますように。

追記:みんなコメントありがとう、ほんとに正気に戻れてよかったと思う。なんでカルトの話から仏教に?ってコメ見たんだけど、それはだな、s学会は曲がりなりにも仏教を名乗ってるから仏教を学ばされるんだよ…だからです。

まぁ、s学会のは「ブッダの」仏教ではなく、日蓮かいうなんかよくわからん狂人が急に悟っちゃったもの信仰してるんで、仏教かと言われるとかなり怪しいけどね……昨日このエントリ書いたあと、勉強動画流し見してたらそんなこと言ってて笑っちゃった。仏教名乗るの辞めたら?

自然科学とかSDGsとか信仰してそう、って言われたのはマジでそうなりかねんからほんとに気をつける。一応これでも科学をやってる人間から、変なのには引っかからないと思いたいけど…こういう気持ち落とし穴だとは思うのでね!科学思考大事。すごく苦手だけど。

エントリ書くのこれが初めてだし、合ってるかわからん追記も長いってどういうこと??

2023-09-21

[] 積読の消化

量子力学理解しようとして、Faddevの本と、Takhtajanの本を買ったことがありますが、積読になっていました。

個人的懸念を表明すると、量子力学を学ぶことは神への冒涜なのか否かということで、これは単に個人的宗教観問題です。

しかし、おそらく神は、私たちに知ってもらいたい事柄だけにアクセス許可するよう設計しているはずです。

それを信じて、積読を消化していくことにしました。

どちらも数学マニア量子力学を学ぶために書かれた本ですが、やりがいがありそうなTakhtajanの方をやろうと思います

エドワード・フレンケル教授の「Love and Math」ではSO(3)について書かれていましたが、それについての解説も書かれているようです。

 

追記: Takhtajanをちょっと読んだのですが、リー代数理解済みとして話が進んでいたので、学生向けのFaddevの本からやっぱりやります

anond:20230921172655

ベッドタウンロードサイドも虚無なんかではない。

だいたい全ては移り変わる途上にある。

伝統的な町並み」が消えていくようにベッドタウンだって永遠じゃない

うーん…なんかそれは事実の話じゃなくて願望とか宗教観の話に見えるなあ…。

現実に俺の育った某ベッドタウンはどんどん寂れていく一方でなんも新しいものが出てきてないんだけど…

2023-08-11

anond:20230811172738

ぶっちゃけ宗教観による

死後の世界存在して、自分は死んだら生前した善悪にによって天国地獄に振り分けられると思っているなら、なるべく善人でいようとするだろうし

自分の子孫が苦しまないように何かを残そうとするだろう

増田はそういう考えを持っていないのだから彼らを理解できないのはしょうがないし、彼らに「全部死んだらスッキリする」みたいな考え方が伝わらないのもしょうがない

2023-08-08

推し文化日本ゆるふわ宗教観が由来説

一応儒教仏教根底にはあるけど、特定宗教国教として根付いてるわけではなく、

そのため個々人が信仰する存在宗教以外のものに求めがちなのではないか

それゆえに政治だけでなくあらゆる趣味の分野で宗教戦争じみた対立が続発しやすかったり

2023-08-03

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/7ffc099478906e2ff534e5727f1c86338aeeee4f

テクノロジーが怖いんじゃなくて役所運用能力が疑問なんだよ

原発はいいけど日本人運用するなら信用できないってのと同じ

それをテクノロジーに対する恐怖だと言いたいなら好きなだけ勝手に言ってろ


テクノロジーに対する恐怖なら宗教観奴隷商だった過去からAI下剋上ビビりまくってる白人の方が滑稽だと思うがね

2023-07-29

吾輩はゲイである

長年アメリカ暮らしてきたが、何の主義主張もないゲイにとってあそこで生きるのが年々厳しくなっている

ハリウッド作品LGBTが取り入れられまくっても、欧米同性愛へのオープンさが持て囃されていても、キリスト教系の同性愛嫌悪が激しすぎるのと、政治と深く関わりすぎて実態はそんなに素晴らしいものじゃないという話をしたい

スペック

30代子なしゲイ

パートナーアメリカ

結婚はしていない

まれアメリカだけど

人生半分くらい日本にも住んだ

少し前から日本企業で働いて行き来してる

欧米ではゲイは昔から富裕層の娯楽的な側面もある。そういうインフルエンサーセレブリティの発信する視点から観たら違うので、夢を壊したら申し訳ないが、市中の話で言えばことアメリカでは同性愛者はもっぱら政治の道具であり、一般市民の敵であることが前提の危うい存在

この感覚日本からだと分かりづらいと思うが、良い悪いではなく現実として、アメリカ貧富の差教育格差が激しい

知識が乏しくて精神的に幼い大人が少なくないし、宗教の教えに自分の考えが依存している人も多い。日本推定ゲイカップル(男同士で電車に乗っただけ)に突然殴りかかる人間はおそらくいないだろうが、アメリカではこれが普通に起きる

なぜなら、「うわ!なんか知らんが男同士で仲良いのきもいから殴ったろ!」を理性で止められない層がかなりの人数存在するから

からこの国で制度活用してゲイとして生きるためには、わかりやすテンプレートの「私は無害でかわいそうなゲイです!」という姿で一般市民にお伺いを立てる必要があり、特定政党を支持して「差別反対!」と週末になんらかの活動に勤しんで虹色を身につけていないと訝しがられるのだ

あと独身に異常に厳しく、ゲイノンケ関わらず成人したら家族を持たないと人権がない国だから養子を取らないゲイカップルは信用度が足りずに家が借りられないことが多いし、実力主義と言いつつ仕事でも出世しづくなる。同性愛者だろうがノンケ不妊だろうがアメリカ的なテンプレート家族人種バラバラならなお良し)の姿を見せなければ、社会で一人前とは認めてもらえないのだ

都会でも田舎でもある程度の年齢のゲイカップル子供も育てず、ノンケ夫婦がまったくやらないような子供関連のボランティアに参加しないでいると地域であからさまに差別されるだろう。ゲイへの期待値が高すぎる

自分は国のことを考え、ノンケのみなさんにご迷惑をかけず、仲間の権利を全力で主張し、安全子供を愛する真っ当なゲイです」と証明し続けなければいけない社会は、ただの呑気なゲイには重荷なのだ

ここまで書いてきた内容で伝わるといいんだが、結婚が認められているからといって同性愛者に寛容な国だとかまったくそんなことはない。そもそもゲイはあまり結婚したがらない

アメリカでの同性愛をめぐる仕組みや運動は、一見魅力的に見えても、宗教の隙間をぬって一般市民に無害なゲイである証明し、暴力だとかとんでもない差別をしないでくださいと懇願し、受け入れてもらうための土台でしかない

人種問題についてもそうだが、傷害事件殺人に発展する規模の差別があるからこそ、守るための制度が育っただけにすぎないのだ

そしてその制度をまだ認めたくない人々が多いのも事実

その人たちの宗教観や嫌悪感だけを悪者にしてきた歪みも向こう50年くらいは解消はされないだろう。共存しつつ無関心、という具合が落とし所として理想的だと思ってはいても、この国では既にそれは難しい

アメリカ社会でまっとうな人間として生きようとした時、恋人とただのんびり暮らしたり、その場限りの相手と楽しむだけの気楽なゲイはいられない。

アメリカ同性愛者に寛容なんて本当に夢見ない方がいい、そんなの英語わからんか、その発信で金を稼いでる活動家か、現地の日本コミュニティに引きこもっているやつらの愉快な妄想だろう

あんなに寛容だオープンだと周りが持ち上げても、今現地のゲイの一部ではノンケに見えるように偽造するのが流行ってるのだ

2023-07-10

anond:20230710235505

ローマ法王→行く理由ないけど、権力強制されたら従わざるを得ない

イスラム最高指導者→逃げたいけど断ったら殺されそうだから従わざるを得ない

ダライラマ→断っても実害もなさそうだし行かない

天皇→呼ばれる理由にもよるけど行く

こう考えるとほんのり宗教観あるかも

2023-07-05

anond:20230705225238

そういえば民族派右翼ってなかなかの絶滅危惧種だよね。

まぁ彼らもどこまでまともな思想を持っているかからないな。

伝統とか保守とか国益を重視する政党政治団体っていないんじゃないのかな。

ちなみに壺ウヨは、日本古代から伝統宗教観をぶっ壊した明治カルトの流れを汲んでるし、国益より身内の利益を重視しているのは、今回の統一教会でも明らかになったので、お前らが伝統とか保守とか言うなよ。

2023-06-30

anond:20230630214646

死後の世界存在しないのは明らかだよ

けど、死に直面したときそれを素直に受け入れられる人間はそうそういない

からお前は死にますとなったとき、お前はどうする?

宗教を信じてない人間はどうすると思う?

好き勝手やるやつが出てくる

うちは、歴史ある宗教施設だが昔から余命宣告を受けたひとが訪ねてきて、死後の宗教観を聞きにくる

宗教価値観を信じなければ死を受け入れられないからだ

みんながみんな痴呆自分のことがわからなくなって死んでいで言ってくれればいいが

世の中そうもいかない

医学がどんなに発達しようと、宗教以外に死にゆ人間正気を保たさせる機能を果たさせるものはないぞ

2023-05-30

馬のご冥福を祈っちゃうの、さすがに宗教観いい加減すぎない?

まあ家畜成仏できないから、冥福を祈るのは間違いではないのか...?

2023-05-26

いろいろな「三大欲求

プラトン法律』(紀元前350年ごろ)

I see that among men all things depend upon three wants and desires, of which the end is virtue, if they are rightly led by them, or the opposite if wrongly. Now these are eating and drinking, which begin at birth—every animal has a natural desire for them, and is violently excited, and rebels against him who says that he must not satisfy all his pleasures and appetites, and get rid of all the corresponding pains—and the third and greatest and sharpest want and desire breaks out last, and is the fire of sexual lust, which kindles in men every species of wantonness and madness.

私は、人間あいだではすべてのことが三つの欲望依拠していると見ています。それらは、正しく導かれれば徳であり、誤って導かれればその反対となります。まずは「食欲」と「飲欲」であり、これらは生まれときからまります。あらゆる動物自然とその二つの欲望を備え、激しく興奮させられ、己の快楽や食欲を満たしてはいけないと言う者に逆らい、付随する苦痛からは逃れようとします。そして第三の、最も強く鋭い欲望が、最後に噴き出します。それは人々のあらゆる種類の淫気と狂気燃え上がらせる「性欲」の炎です。

今のところこれが最古である。さすが西洋哲学の祖。「食」と「飲」が分かれているのが特徴。プラトン著作明治時代翻訳されていて日本人にも知られていたと思われる。

法雲『翻訳名義集』1134年

欲界三欲

(一)飲食欲,即凡夫於種種美味之飲食,多生貪愛之心。(二)睡眠欲,即凡夫之心多暗塞,耽著於睡眠不能修道業。(三)淫欲,即一切男女由互相之貪染,而起造諸種欲事。

欲界三欲

1. 飲食欲、すなわち凡夫はさまざまな美味の飲食において、多くは貪愛な心を生む。2. 睡眠欲、すなわち凡夫の心は暗く塞がり、惰眠に耽って修業に励むことができない。3. 淫欲、すなわちすべての男女は互いに貪欲に染まり、それがさまざまな欲事の原因となる。

翻訳名義集』は中国南宋時代編纂された仏教系の書物。もちろん日本にも伝わっている。というかこの組み合わせが現在スタンダードである

貝原益軒養生訓』(1713年)

いにしへの人三慾を忍ぶ事をいへり。三慾とは、飲食の欲、色の欲、睡の欲なり。

養生訓』は江戸時代の大ベストセラー貝原益軒儒学者だが、この組み合わせは仏教の「三欲」と同じなので、「いにしへの人」というのは僧侶ことなのか。三欲を「抑えるべきもの」と捉えているのも仏教である。「睡眠を減らすと健康になる」みたいなことも言っている。

内山真弓『歌学提要』(1843年)

そもそも飲食男女と、言語とは、天下の三大事なり。

歌学提要』は幕末歌人香川景樹理論をその弟子内山真弓がまとめたものだという。

山本友一『私の短歌入門』(1977年)によれば、

人間の根源の欲望を、食欲・性欲・表現欲に三大別して言うそのことは、江戸末期の巨匠香川景樹以来、歌界ではならいとなっている。

ということで「食欲」「性欲」「表現欲」を表しているらしい。

官報』(1885年

人生の三大欲望すなわち黄金健康・不死

これはイギリス科学振興協会の当時の会長であったライアンプレイフェアのスピーチ翻訳されたもののようだ。原文を当たると「かつての錬金術師黄金健康・不死のために賢者の石研究していた」…みたいな内容だったらしい。

they hoped to attain the three sensuous conditions of human enjoyment -- gold, health, and immortality.

直訳すると「人類享楽感覚的な三条件」か。

村上専精『宗教観』(1906年

思ふに人生の三大慾望たる知識慾、資財慾、生存慾は直ちに人生の三大不可能と云ふを得べし

村上専精は僧侶だが仏教の「三欲」とは異なるのか。「生存欲」は戦時中文章で「日本人は三大欲求生存欲を抑えて国家に殉じるからすごい!」というふうに使われているのを見かけて面白かった。

滝沢秋暁『愛の解剖』(1907年

人間の三大慾望たる衣食住

個人的に「衣食住」は欲望というより「基本的もの」「必要もの」というニュアンスで捉えていたのだが、井原西鶴の『世間胸算用』でも「分際相応に人間衣食住の三つの楽の外なし」と書かれているそうなので、あながち欲望」的な捉え方でも間違いではないのか。似たようなパターンだと三大欲求を「福・禄・寿」に割り当てることもある。

黒田鵬心『美学芸術学概論』(1917年

美慾は字に示す如く美を求める慾で食慾、色慾と共に人間の三大慾の一つである

美術評論家が三大欲求に「美欲」を入れるのは、歌人が「言語表現欲」を入れるのと似通っているか

依田今朝蔵『日本風土を主としたる保健衛生論』(1920年

人生の三大慾とも稱すべき食慾と性慾と名誉

明治以降経済発展もあってか「金銭欲(利欲・財欲)」や「名誉欲(出世欲)」を挙げることがかなり多い気がする。

ロス・ロックリッジ『愛情花咲く樹』(1958年

そうすれば一日にして人間の三大慾望を果たすことになる、性慾と食慾と戦争――つまり殺傷慾だな

もとはアメリカ1948年刊行された小説だが、原文だと「three main pastimes」なので「三大娯楽」かな。

小松武樹『囲碁将棋の泉』(1959年)にも、

また囲碁将棋は、人間の三大欲望、つまり、食欲、性欲に次ぐ、闘争欲の中和剤の役目をしてくれます

といった記述がある。

鍵谷幸信『食欲と性欲の谷間に顔を埋めてしまったフェリーニ』(1974年

食欲、性欲、排泄欲の根源的意味に比べたら、人間の他の欲望である出世欲とか名誉欲とか権力欲とか支配欲とか金欲とか知識欲など、それこそ屁以下の価値しかない。

いわゆる「生理的欲求」のひとつとして食欲や睡眠欲と並べて語られる「排泄欲」だが、「三大欲求」として挙げられていることは少ない印象を受ける。ただ「性欲(射精欲)」を排泄欲の一種とみなすこともあるようだ。

梶矢文昭『読者を想定した教材解釈と授業展開』(1978年

本来、仲間と一緒にいたい、集団の中で自分の安定した位置を占めたいという欲求――集団欲は、食欲、性欲と並んで三大欲と言われる程のものである

この「集団欲」を三大欲求とみなすのは戦後にかなり広まった感じがする。近年の書籍でも睡眠欲に代えて集団欲が挙がることがあるようだ。

吉田聖『誘惑に負けない勇気、強い意志』(1979年

貞潔清貧従順修道誓願人間共通の三大欲求(肉欲・所有欲・支配欲)にかかわるものとして、生涯の一大試練と誘惑になりうる。

これはつまりカトリック修道士が守る三誓願対義語となるような欲望貞潔↔肉欲 清貧↔所有欲 従順支配欲)を「三大欲求」と見なしているらしい。カトリックあいだでポピュラー解釈なのかは知らないが、三誓願のもの3世紀末くらいまで遡るらしいので、当時からそうした発想があったとしたら面白い。

実用日本表現辞典『三大欲』(2015年

一般的には、生存にかかる根源的な欲求とされている食欲、睡眠欲、性欲を総称した言い方。

現在一般的認識。「金銭欲」「名誉欲」「集団欲」あたりを含めて「諸説あり」と言われていてもおかしくなかったと思うが、最終的にほとんど「食欲・睡眠欲・性欲」で固定されてしまったのは面白現象である

2023-05-19

ちゃんとわかってる日本人いて安心した

インド人への悪意を中立的視点から排除しようと試みているように見えて、全然悪意満載なのが面白かった twitter.com/marukwamy/stat…

肝心の「インド人はどんな倫理観宗教観生活している」「日本人がこんな行動をとったときインド人はこんな行動を取る」みたいな具体的な話が一切出てないせいで、ただのレッテル貼りヘイトスピーチになってる

https://togetter.com/li/2149544

2023-05-15

anond:20230515024937

そういうものがなければいけないという宗教観があるんじゃね

自由度が少なくこうでなければいけないって日本的暗黙の了解みたいなのがキモチワルイ

2023-05-06

anond:20230506003044

・・・でも現実離れしてる安心さが魅力なVチューバーだけに、

安倍元首相暗殺されたときに、気分が悪いからと言って配信を休んだのが残念だった思い出。

当時視聴してた、ほとんど全員のVチューバーが配信を取りやめた。

宗教観政治信条なんて普段おくびにも出さなVチューバーが、ツイッターで「わかるよね?」みたいにボヤかした文句をつぶやいて放送を休んだのだ。リスナーさえもみんな足並み揃えて同意を示してた。

お前ら、そっち側だったんか・・・

あのときの衝撃は忘れられそうにない。

個人的には、彼らにはケロリとして何事もなかったようにゲームを続けて欲しかったよ。

2023-04-22

マルチ宗教で対抗した話(追記しました)

Twitterに書こうとしたら字数制限でめちゃくちゃ嘘っぽい文章になったので、こちらにお邪魔することにした(場所を変えたところで書き手は変わらないのだから、まともな文章になるかは微妙だが)。

最早n番煎じだが、知人からマルチ勧誘を受けた話である

書き手31歳の独身女性

大阪の街の中にはバス電車で1時間ちょっとの、中途半端田舎生活中。

うつ病発症以来、趣味ほとんど楽しめなくなったが、それまでは生活費以外のお金ほとんど趣味に使ってしまタイプオタクだった。

2023年4月13日大学同期生(以下A子)からLINEメッセージが届いた。近々お茶でもどうだという、遊びのお誘いだった。

4年制の私大(女子校)を卒業したのが2014年3月。確か入学時が1学年1学科100名程度だったので、一般的私大よりは学生数は少なめだったのではないかと思う。

A子は学科こそ同じだったが学籍番号(名前順)が離れていたので、座席や授業グループといった講義での接点は少なめ。ただ、私もA子も生息する沼は違うが推しグッズを持ち歩くタイプオタクだったので、講義で顔を合わせた時には軽く会話するようになり、校内の食堂で昼休みを一緒に過ごしたこともあったと思う。

その程度の関係性だったので、卒業後は「また会おう」なんて言いながら、一度も連絡を取り合ったことはなかった。

TwitterFacebookInstagramといったSNSでは繋がっていなかったので、卒業後の進路や近況は一切知らなかった。LINEだけは交換していたようだが、それまでにメッセージをやり取りした履歴は残っていなかった。昨年末頃に連絡していない人をLINEの友だち一覧や電話アプリから削除した際、トーク履歴も削除していたためだ。

そんな相手から9年以上ぶりに連絡がきた私は、浮かれていた。

幼少期から交友関係は狭めで、誰かと遊びたい時は自分から(かなりの葛藤の後にそれ以上の勇気を持って)誘わなければならなかった。学生時代、誘われるのはプレミアがつくくらい超レアだった。

なので、卒業から時間が経ってるのに私の存在を覚えていてくれたのね、と脳がしあわせを感じていたのである

冷静に考えればこの時点で9割なにかあると怪しむべきなのだが、私は舞い上がっていた。直近で都合がつく日を伝え、何も疑っていなかった。疑うという感覚すら持っていなかったと思う。

4月14日、私は祖母の付き添いで地元理容室にいた。店内には壁掛けのテレビが設置されており、昼のワイドショーが流れていた。店主や祖母との会話が途切れた時、ちょうどワイドショーテーマが変わった。

「○○社(マルチの社名)は明日15日、6ヶ月の行政処分期間が明け、新規会員獲得ができるようになる」といった内容で、言葉巧みな勧誘押し売りに注意を促す報道だった。

その社名は聞き覚えがあった。

20歳になったばかりの頃だ。幼稚園の時から知っている、最終的には高校同級生だった子(以下B子)が、誕生日のお祝いをしたいからと大阪カフェに呼んでくれた。

喜んで行ってみると、サプリメント等の健康食品化粧品を購入しないかという、勧誘活動だった。

カフェのお手洗いで戻すくらいショックだった。そういう会社があり、会員が多くいるのは、インターネット経由で知っていた。でもそれは外の世界の話で、自分がそういう目に遭うとは考えていなかった。それが幼稚園の時からしかったB子からなんて、想像もしていなかった。

挨拶もそこそこに飲食代を置いて逃げ帰り、B子と関わった全てのSNSブロックし、着信もメール拒否し、疎遠になった。

高校同窓会を断り続け、グループLINEにも入らないのは、この一件の衝撃が大きすぎたからだ。B子にとって私はカモだったのか、それとも純粋善意だったのか、今となっては知る由もない。善意だったとして、救いだったのはB子が一人で来てくれたことくらいだ。彼らの常套手段である囲い込みを最初からされていたら、上手く逃げられたかからない。

※ちなみにこれらを思い出した後、B子がどうなっているのか、怖いもの見たさでSNSを覗いてみた。旦那さんと子供がいる幸せいっぱいな母親像と共に、チャクラを開眼した精神世界住民になっていたので、そっ閉じした。

しばらく連絡のなかった相手から、突然会いたい等の連絡があった時は、身を守るためにまず疑いましょう。と、特集は締めくくられた。ニュースキャスターは次の話題に移る。

どこかで聞いたような話である

A子からもらった連絡を読み直した。「久しぶりだね、元気だった?コロナに負けない、健康にいいものがあるの。よかったら近いうちに会えない?」近況語りを省いて要約するとこんな感じだった。もっと早く気付けよ私。でももう会うと言ってしまったしな…、それに万が一A子がシロだったら申し訳ない。と、この期に及んでまだそんな淡い期待を抱いてしまっていた。

だが、少し冷静さを取り戻した私は、保険を用意することにした。探すのに手間取ったが見つけ出し、明日カバンに忍ばせた。

4月15日。朝から夕方にかけては別件で動いていた。大阪まで往復1000円以上出しているので、用事はなるべく一度に済ませたいのだ。哀ちゃんはあまりに可愛く、ミリオタには組織の懐事情が恐ろしかった。気づいたらパンフレットを購入していた。

そして待ち合わせの時間

やってきたA子は、仕事帰りだからパンツスーツだったので、別人のように感じられた。記憶の中の彼女は、当時の大学生が好んでいた「森ガール」の姿だったからだ。

挨拶を軽く交わし、場所百貨店内の喫茶店に移す。大学時代の、講義で印象に残った話や友人関係なんかを話してくれたが、私の記憶うつ病を機にぶっ壊れていたので、曖昧な返事しかできなかった。20〜30分ほど話して、A子はお手洗いに立つ。本当にただ会いたがってくれただけだったらしい、なんて油断が生まれかけたが、本題はA子が戻ってからだった。

会話が私の話題になる。自分のことを開示するのは気が引けた。慎重に言葉を選び、私のSNSフォロワーなら知っている内容を話した。

A子は私の「うつ病」というワードだけを拾い、苦労しているねと言った(そういう話ではなく、周りに支えられていると話していたのだが)。

そして始まる。予習していた通りの、営業トーク。このサプリメントを飲んでいたかコロナに罹らなかった、この化粧品細胞から健康になった等々「怪しい」が笑顔パレードしている。時折、私の身に起きた事象を織り交ぜながら、巧みに購買欲を刺激することも忘れずに(この頃私は呆れを通り越して飽きていたので、映画感想を思い出したりしていた。哀ちゃん可愛い)。

極めつけはブラウスの袖ボタンを外して見せてくれた、パワーストーンの珠数ブレスレットだ。これを身に付けてから会社での評価は鰻登りで、恋愛も上手くいき結婚秒読みその他諸々。あの日B子と重なる。同じだった。キラキラした純粋笑顔は、こんな欲にまみれた営業トークと共に見たいものではないのだ。話が一区切りした時、私はにっこりと微笑みながら、カバンポケットから保険」を取り出した。そして「保険」をそっとA子側に差し出す。

成功してよかったね、本当に嬉しいよ。いかなる時も、神は見ておられます。」

噛まずに言えたことを褒めたいと思った。

保険とは、名刺サイズカードである。なんとなく捨てづらくてとっておいた、以前某宗教宣教師さん(という肩書きでいいのだろうか?詳しいことはわからない)からもらった、コンタクトカードという名称のものだ。表面には「人生の疑問の答えは何処にありますか」という問い。裏面にはこの宗教法人のホームページQRコードと、手書き宣教師のものと思しき電話番号が書かれている。

A子は私とカードを見比べては、しまったと言わんばかりの顔をしている。掛かった。

「私が現在、病により仕事が思うようにできなくなっているのは、神が試練をお与えになったからです。私には乗り越えられると、神は言っておられるのです。」

「私には幸い、よき隣人がおります。神が与えてくださったよき出会い感謝し、彼らと共に歩むのです。」

「A子、あなたも私のよき隣人に違いないのです。何故ならばあなたは私が試練に耐えているこの時にやってきて、私の身の上を聞いてくださいました。理解を示し、体に良いものを勧めてくれました。あなたは本当に善人なのです。さあ、共に祈りを捧げましょう。A子と共に安息の地へ行ける日を楽しみにしていますよ。」

大体こんな内容のことを言った。もう少し長かったかもしれない。興が乗り、舌もよく回ったので、思い返せば支離滅裂古今東西宗派が入り乱れた最悪な内容だったが、A子は瞬く間に青ざめた。顔色が悪くなるって、彼女のことを言うんだろうなと納得できるくらいに。

ダメ押しで家のポストに入っていた某宗教勧誘チラシも渡しておいた。勉強会に来ませんか的なやつだ。一刻も早く離れたかったのだろう、A子は自分お茶代を出すと、明日用事があるからと言って、逃げるように帰っていった。多分チラシのことを言っていたんだと思う(読んでないから中身は知らなかった)。

まとめ

9年ぶりに連絡を寄越してきた元学友は、やっぱりマルチ勧誘だった。ここまで読んでくださった方は察してくれていると思うが、私は宗教に関して言えば不勉強である信仰心は全くないことはないけど、私は(だいぶ落ち着いたとはいえ)血の一滴までオタクなので、そんなことに金を使う余裕があったら、推しに貢ぎたいのである

そんな私の推し(FBIの腕利きスナイパー)も活躍する「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」をぜひ劇場で観てください。

私は元学友がマルチかシロか考えなくていい状況でもう一回観たいと思います

追記

コメントいただきありがとうございました!

「見ておられます」ってコメントに、自分発言したのに「怖っ」って口から出ていました。

宗教観に関してですが、付き合いのある親族が多かったため、その分永遠のお別れもありました。その都度(関わったのは全て仏式だったので)読経があり、法話があり、最後のお別れがあり、お棺が閉じられ焼かれ、故人が骨壷に収まり、その先も月命日だなんだと法要がたくさんあり、墓への納骨を終えて、ようやく一区切り、という流れを子供の頃から何度となく見てきました(親戚付き合いの良し悪しの話ではなく、個人として貴重な経験を積ませてもらったと思っています)。この流れを何度か見ていると、幼いながらも生きること死ぬことに対する価値観形成されてきました。葬儀、祭儀は生きている人のためにあるのだと感じるようになりました。その後、宗教とは生きている人が生きていくために縋ることがあってもよいのだろうと考えていくようになります法話により心が軽くなった喪主を見てきたからです。救いを求める方向は人それぞれなのだろうと感じました(今問題視されている宗教の事案を軽視しているわけではありません)。

何が言いたいかと申しますと、私は宗教に大して明るくもなければ知識もないのに、神を騙り軽々しく利用した点に関して、時間がたった今猛省しております。ご不快に思われる方も少なくないと思います。真っ向から買わない付き合わないとB子宣言した際、しばらく執着されていたので、この時はこれしか逃れる方法を思いつけなかったのです。

もし本当に神様がいらっしゃるなら、アホな方法を取ることしかできなかった愚かな人間を笑い飛ばしてくれるような存在であってほしいと願うばかりです。

最後になりましたが、この話はマルチへの賢い対策法ではありません。マルチはすぐそこにいたよ、というだけの話です。賢い対策法は会わない、これに尽きます。誉めてくださったコメント、嬉しかったです。ありがとうございました。映画スピッツもすごく合ってたので観てください(笑)

2023-04-18

トイレの神様

https://anond.hatelabo.jp/20210406154303

日本人の大多数は、「トイレの神様」って聞いて別に違和感は感じないんだけど、

じゃぁ、「トイレの神様」の存在を信じますか?って質問には、日本人の大多数は口ごもる。

更にややこしいのが、口ごもるけど、存在100%無いと断言するような感覚もないのよ。

凄い単純化すると「どちらでもない」みたいな感覚だけ存在していて

信仰」とか、「信じる」とか、「宗教」って言葉に、

「どちらでもない」状態を差す意味が込められてないから、

ほんとの人がこれらの宗教的な質問にうまく答えることができない。

その上多くの宗教行事文化風習の一部になっているので、

大体の人が参加することに違和感もなければ、ポジティブ信仰心も特にない。

日本人宗教観は、「信じる」「信じない」の二択でも、その間のグレーゾーンでも、

「他の熱心な信者に比べると、信仰していないので無宗教」でもなく、

信じたり信じなかったりどちらの感覚もありつつ、どちらでもないというややこしい宗教観。

(厄除け行かないと気持ち悪いけど別に信じてるわけじゃないみたいな)

なので、元増田の「無宗教」といわれることに違和感は正しくて、「無宗教」ではないけど、

たぶん的確に言い表す言葉がないだけ。

トイレの神様

https://anond.hatelabo.jp/20210406154303

日本人の大多数は、「トイレの神様」って聞いて別に違和感は感じないんだけど、

じゃぁ、「トイレの神様」の存在を信じますか?って質問には、日本人の大多数は口ごもる。

更にややこしいのが、口ごもるけど、存在100%無いと断言するような感覚もないのよ。

凄い単純化すると「どちらでもない」みたいな感覚だけ存在していて

信仰」とか、「信じる」とか、「宗教」って言葉に、

「どちらでもない」状態を差す意味が込められてないから、

ほんとの人がこれらの宗教的な質問にうまく答えることができない。

その上多くの宗教行事文化風習の一部になっているので、

大体の人が参加することに違和感もなければ、ポジティブ信仰心も特にない。

日本人宗教観は、「信じる」「信じない」の二択でも、その間のグレーゾーンでも、

「他の熱心な信者に比べると、信仰していないので無宗教」でもなく、

信じたり信じなかったりどちらの感覚もありつつ、どちらでもないというややこしい宗教観。

(厄除け行かないと気持ち悪いけど別に信じてるわけじゃないみたいな)

なので、元増田の「無宗教」といわれることに違和感は正しくて、「無宗教」ではないけど、

たぶん的確に言い表す言葉がないだけ。

2023-04-03

惚れた子がムスリムだったんだけどどうしたらいい?

今、海外にいる。

俺男、相手ムスリム女。

軽い気持ちでマチアプやって、出会ってみたらすげーいい子だった。

俺より若く、個人的に顔がアイドル並みにかわいい

宗教の影響なのか、性格は慈悲深く優しい。

相手にとっても俺がドストライクらしく、言動の節々に好意を感じる。

ムスリムなのは写真がすべて布のやつかぶってるんでマッチング時点でわかってた。

なんとなく面白いなと思って、会ってみたらきになってきた。

イスラム教について調べてみたが、このまま付き合いがすすめば将来的に確実に宗教観の違いがかち合うことになるっぽい。

何回かデートしてみたが、わりと真面目で一日5回の礼拝毎日欠かさずやってるっぽい。

外では常に布かぶってる。

宗教放送が聞こえるとセカセカし始めてモスクを探し始めるw

礼拝待ちが15分ほど生じる。

食事は当然豚酒なしでハラール

恋愛は婚前交渉が基本NG。ただ彼氏作ってる子も多いらしくて最終的には個人個人っぽい。

相手は今まで彼氏いたけどほっぺにキスくらいの純朴な体験だったみたい。

俺も配慮して手を握るくらいしかしてない。

2023-03-22

K2悪人はいない。料理漫画と違って」とかい大嘘

悪人はいる。

特に作中で絶対忘れられない悪人は「クローン培養のために人殺しも厭わない悪の秘密組織」と「医学否定するカルト宗教」だろう。

コイツらは紛れもなく悪党だ。

自分たち教義のためにVXガス暗殺を目論むような連中が正義であるはずがない。

ただコイツらと料理漫画悪人とではかなり毛色が違っている。

「強烈な死生観の元に自分なりの正義を貫きそのために殺人も厭わない狂人であるということだ。

彼らの狂気は「死生観」に基づいている。

死生観宗教観が狂気の由来となると、どうもやってることが大きすぎてなんだか納得しそうになる。

少なくとも単なる人格破綻者という印象からは遠ざかる。

だがこれが料理漫画になると「食の趣味」になってしまう。

「食い物の趣味のために他人ハラスメントを繰り返す狂人」となるとやはり印象が悪い。

やってることがしょーもなすぎて、そんなのを人に押し付けるなら1人でやってろキチガイ野郎がで終わってしまう。

この違いが「K2に単なる悪人はいない。料理漫画は単なる悪人を出して物語を転がすが、K2医療漫画なのでそれをしない」という誤認を生み出しているのだろう

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