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はてなキーワード: 作用機序とは

2024-02-26

anond:20240226095435

増田を見ると、ありがちな過ちが目に付く。"言葉意味を重視しすぎる"ということだ。嘆かわしいことである

人々の会話の中で、言葉それ自体重要ではない。言葉それ自体意味を伝えない。人間コミュニケーション作用機序を考えると、"話者思考感情の顕現→話者言葉を発話→聴者による受領→聴者が辞書知識経験から言葉意味を"想像"する→聴者が全体の発話を一連の意味として受け取る"と形式化できる。言葉自体意味が、呪文のように"直接"聴者に影響を及ぼす場面はない。例えば、「maot! Anjeun jalma awon.」なんて知らない言葉罵倒されても意味が分からないだろう。態度に気分を害することはあるが。

言葉意味を伝えないからこそ、我々はコミュニケーションを行うためには言葉意味に拘泥するのではなく、"話者思考感情"を発話から体感する必要がある。そうしなければ、辞書的な言葉意味に囚われ、相手思想を見失い、会話は成立しなくなるだろう。"言葉が通じているのに、話が通じない人"と成り果ててしまうだろう。ディスコミュニケーターの誕生である言葉に引きずられて幻覚を見てしまうことは悲しい。

相手言語化完璧とは限らない。相手表現の語彙を持っていないかもしれない。我々は言葉と会話するのではなく、人間思想と会話するのだ。

それは自分の中の思考でもそうだ。言葉を疑え。意味を疑え。君が本当に表現したいものは何だ?それを本当に言葉表現できているのか?世にある言葉は誰かが作った、誰か(もしくは大衆)の思想表現したものだ。

思考既存言葉に落とし込むと、ポロポロと細かいニュアンスがこぼれ落ちて、まるで別物になってしまった、という経験はないか

我々は言葉によって世界定義し、「アレ」と「コレ」の分別を身につけた。しかし真に世界を、人々を正しく見るなら、言葉で考えることから脱する必要がある。世界言葉構成されていない。人々の思考もまたそうである

そうして「アレ」と「コレ」の分別をなくすからこそ、そのアナログ接続論理的に顕現し、既存の枠組みにない概念となってそれを言葉表現することができる。不思議ものである

まあ、べつに言葉だけで表現しなくてもよいが。

(なんか思い出したんで、以前に書いた日記転載した。君っていうのは自分ことなんだよね…)

2023-08-23

科学やってない人ほど科学妄信するよね

増田大学教員生物

科学者として生きてます

最近科学的に無害と明らか」みたいな言葉をよく聞くけど、そういう言葉って科学をよくわかってない人ほど言いがちで、言う人ほど科学を無邪気に妄信し過ぎている気がしている

科学的に正しい=何があっても覆らない絶対正義であり真理」みたいに思っているのだろうけど、世の中でそのようなものはほぼないし、あってもごくわず

例えば、1000人に飲ませれば999人に効く薬があったとしても1人には効かないこともあるわけだ

研究結果でも作用機序が明らかで、統計的にも薬に効果があることが間違いないなら「その薬が効くのは科学的に明らか」なんだけど、例外的レア遺伝子型や体質や、諸条件が揃わない患者には効かない、ということもあり得るのが普通

とすると「科学的に明らかなことだけど、例外も頻発する」みたいなことも起きるわけで、それは別に珍しいことではない

いか科学で正しいと解明されたことでも、その証明のために行った実験では必ず色々な条件を定めている

実際に発生した条件が、確認実験をした条件と極端に異なる場合、予想外の事態も当然起こりえるわけだ

コロナときもあった、「次亜塩素空間散布は効果がない」とする話も、実際はそんなことなくて、密閉空間高濃度に散布したら当然だけど効果があるわけ

ただそんな空間は人体に有害だし、人体に無害なレベルまで濃度を下げたり換気しつつだったりすると、その除菌効果確認することが困難、という話が真相なわけだよね

だけど、「あんもの効果ないことは科学的に証明されている」と言う人はとても多かったと記憶している

効果がある」「条件によって効果がある」「効果確認できない」「効果がないことが証明されている」のような話はすっぱり線引きができるわけではなくグラデーションで、誠実な人ほど断言に躊躇する

STAP細胞の時も、一般の人は、あるんですかないんですか、が興味の対象だったけど、「現時点で再現性よく作り出すことはできないけど、そういうものが作れる可能性がある」みたいな、一般の人からすると意味わからん答えしかできないのが真実なことも多い

でも、一般の人はより断言されたはっきりした物言いを好むので、「科学的に証明されている」みたいな言葉は独り歩きしがちだ

色々悩ましいニュースは多いけど、

・その濃度は科学的に無害だとしてもその量でも無害か?(逆も同じ、その量は科学的に無害だとしてもその濃度でも無害か?)

・その行為科学的に無害だとしても、長期間繰り返しても無害か?

実験確認できないほどの長期間経過後でも無害か?

・人体への影響が科学的に無害だとしても、我々がまだよく理解していない生物種や、微生物などにも無害か?

根拠とする無害・有害ライン人類世界中で追試し確認してきたものなので信じるとしても、件のサンプルへのアクセス当事者しかできない。サンプルの状態を示す数値は、本当に発表者の言う数値を信頼していいのか?

この辺は、報じられるニュースだけでは絶対判断できないことだろう

から我々科学者は「一般的に無害なのはわかるけど、懸念点も残るよね」と思うし、感情的に反対する人の考えていることもむしろ素直な疑問と思っている

そういう方を馬鹿にするように「科学的に大丈夫なのにw」みたいに言う人ほど、科学科学ではなく魔法カードのように思っているんだろうなと思ってしま

2023-02-28

anond:20230227141843

増田でもコメントでもまだあんまり上がってないやつだとこんなのも良かった

いわしゲーム実況チャンネル

元・薬学生、現・現役薬剤師ゲーム実況が主だが、見どころはゲーム実況そっちのけで始まるおくすり解説

ニコニコではよくランク入りしているのでニコ厨は知ってるかもしれない。

病気の症状から、薬の作用機序、薬の法的な規制流通などなどについて詳しく解説してくれる。

とにかくめちゃくちゃ説明うまいうまい人の説明聞くのが好き! という人はお薬に興味がなくてもおすすめ。身近にある薬について「そういう意味/理由/仕組だったのか……」と腹落ちできるのも気持ちいい。

ほぼほぼ毎日動画投稿されるのもすごい。いったいどうやってるんだ。

特におすすめ動画

日本一「高い」薬ってどんな薬なの?【VOICEROID解説ゾルゲスマ 脊髄性筋萎縮症:https://www.nicovideo.jp/watch/sm41741182

は本当に面白かった。一発の薬価が1億円以上のおくすり「ゾルゲスマ」の解説

機場空論

一言でいうとメーデー!系。航空機事故などについて実際の報告書や当時の無線通信などをもとに解説するチャンネル

航空事故だけではなく、航空インシデント事故にならなかったがほとんど事故直前やん!といういわゆるヒヤリハット的事例)も扱う

メーデー!でまだ取り上げていない事故インシデントも出てくるのでああいうの好きな人は見て損なし

特におすすめ動画

解説PA-46マリブ N264DB 墜落https://www.youtube.com/watch?v=zTIlOnEurf0

現役サッカー選手エミリアーノ・サラが移籍先への移動中チャーター機の墜落で死亡した事故解説サッカーファンなら覚えている人も多そう。続報と根本原因を知らなかったので動画見てめちゃビビった。

アルノ

主にナチス・ドイツ活躍した(してしまった)人物の生涯について解説する。たまにそれ以外のドイツ東欧史もやる。

Twitter逆張りキッズがやるようなナチ党関係者の持ち上げはあまりなく、個人史~ナチ党に入ってろくでもないことをしでかすまでを細かく解説しており、しでかした悪行に対してびっくりするほどしょうもないパーソナリティであることなども伝わってきて面白い。

近年の史料にもあたっているようで、最近評価が(悪い方向に)覆ったことなども取り扱うことがある。

最近動画投稿がすこし滞っているが既投稿ぶんでも相当暇つぶしになると思う。続編まってます

特におすすめ動画

ゆっくり解説ハンス・アスペルガーhttps://www.youtube.com/watch?v=x3gpKQ1G6AU

アスペルガー症候群発見し、障碍者は「生きるに値しない生命」として安楽死(T4作戦)を進めたドイツにあって障碍者保護に努めた人物であるアスペルガー……というのが通説だった。

だが近年、普通にT4作戦にかかわってました~ということが判明し、評価が覆っちゃった話をしてくれる。

Cabernet

おすすめ最近独ソ戦について研究発表か!?ぐらいのレベル動画投稿し始めた。デイヴィッド・グランツ「巨人たちの激突するとき」をはじめとする大ッ量の史料を使って解説する。

独ソ戦とその前後戦争を背景にナチドイツのヤバさ(悪い意味で)とソ連のヤバさ(いい意味でも悪い意味でも)を知ることができる。

難しい原著もCevioで訳文読みながらかみ砕いて解説してくれるので安心

ドイツ君がなぜソ連相手戦争をおっぱじめたか思想的背景までも説明してくれた回はアツかった。

特におすすめ動画

独ソ戦】同志六花と学ぶ大祖国戦争 #3: 第三帝国の躍進【CeVIO解説https://www.youtube.com/watch?v=2ihTqEh3_1Q

「なぜ独ソ戦が『史上最大の戦争であるのみならず、『史上最悪の"絶滅"戦争』になったのか」を資料の抄読軸で解説する回。

ヒトラーは「この世界人種間の果てなき生き残りデスゲーム構成されており、だから融和とか多人種主義とかはそれ自体ユダヤ的やねん」ということを思っていたらしい。えっ何それは…。

ナチズムは通常の人種差別からは1翻2翻違う別格のやべー思想であることを伝えてくれる。

この回は単独でも面白いのでこっから入るのもアリ。

youz

イギリスからみたアメリカ独立戦争」「ロシアから見た日露戦争」など日本人歴史観からは「逆」の視点からみる歴史的事件史料等に基づき解説する。

「逆」から見るとそっち側から合理性合目的性というものがあるんだなあという学びになる。

特におすすめ動画

ゆっくり解説日本社会党、衰退の歴史シリーズ

かつては野党第一党、何度か与党にもなりながら今や両院合わせても2しか議席がない社会党(現:社民党)の誕生から歴史解説

立憲民主党内のここ数年のあれこれが「全部社会党リフレインじゃん!」となる

見返すと半分くらいはニコニコ経由で知ったやつだな。

ニコニコでは伸びるけどyoutubeではそこそこ……みたいなことってあるのでyoutubeでも伸びるといいな。

2023-02-08

外国で暴れて精神科に入れられたんだけど

なんか書いたけどクソ長いか外国精神科措置病棟が気になるやつは下までスクロールしてくれ。

入院に至るまで

お前らは精神科入院したことはあるか?俺は一回もなかった。でも精神科/心療内科に通院はしてた。俺はADHDから毎日ストラテラを飲まないと仕事にならない。ストラテラは処方薬だから医者に行かねば貰えない。毎回医院に行って1分話して処方箋貰って金払うだけ。

ある時、俺は海外一身上の都合引っ越した。医療制度というのは国毎に大幅な差異がある。引っ越した先の国では生憎ストラテラは18歳以下のみの保険適用だった。やっとのことで見つけたクリニックの先生は、ビバンセを勧めてきた。言うには最新の作用機序リタリンよりOD不安もない。そして保険適用。かつてコンサータがまるで駄目な方にしか効かなくて3日でやめた記憶もあったものの、軽い気持ちスイッチしてしまった。

ADHDにはニ種類の薬がある、と俺は思ってる。集中力を高める薬と、気が逸れにくくする薬である。似たような響きだがまるで逆だ。後者が俺の相棒であるストラテラ、前者はコンサータ(どちらも先発名)。コンサータは薬というと聞こえはいいが、どちらかといえばヤクと読むべき、ほぼ覚醒剤である。もちろん患者が薬物依存になるとまずいので、徐放剤といってガツンとキメないように調整はされている。先生の勧めてきたビバンセもこの覚醒剤サイドで、違いといえば覚醒剤原料が体内で覚醒剤に変わるというところであるビタミンAじゃなくてカロチンなのかくらいに俺は認識していた。間違ってたら教えて。

そうして薬をビバンセに変えたら途端に寝れなくなった。初日なんて考えてるだけで夜が明けた。今思えば当たり前で、覚醒剤なんだから眠れなくなるのは当然だ。でも俺は一日の睡眠が減っても活動できると喜んでいた。季節は夏。高緯度の日照も相まってたいそう便利だった。

しかし季節が進むにつれ、困ったことが出てきた。まとまって考えることができないのである仕事の都合上ゆっくり腰を据えて考えられないのは致命的だ。家族にも最近まるで話ができないと呆れられている。俺は薬が足りないのだろうと考えた。先生相談して薬は一日40mgから徐々に増え、ついには120mgまで達した。高緯度では夏昼が長いかわりに冬がとことん暗い。俺史上で最悪の冬が迫っていた。

冬になると俺の考えはいよいよまとまらず、出前一つ頼むにも1時間かかるレベルになっていた。仕事でも当然頭は微塵も回らない。上司は進捗の無さに苛立ちを隠せず、俺は完全に途方に暮れていた。家族心配してるものの俺にも全く見当がつかない。しっかり薬を飲んでるのに…俺は焦って更に薬を飲んだ。そうして寝室に籠もって考えると、ふと人生とは詰んでいる気がしてきた。人生とは詰んでるから人生は詰んでるのだ!ただの循環論法小泉進次郎も逃げ出すくらいのアホくさい"証明"だが、当時の俺にはQEDと思えた。そして俺は一切の社会活動をやめた。

俺は恐怖に怯えて布団にこもる。世界は詰んでるから何をすべきかわからない。俺は何日も何週も寝てないように感じた。もはや家族もこの世界を詰ませた陰謀一角に違いない。俺は家族の一人をその首謀者と断定し、他の家族と俺は囚われているか処分しなければならないと画策した。幸いこの企てはすんでのところで失敗し、家族は俺を行きつけの精神科に連れて行った。そこでも俺は先生に向かっていか家族が俺の世界ダメにしたか語った。診断は統合失調症、なんか薬を処方されて俺はそれを飲まざるを得なかった。そして俺は意識を失った。

意識を取り戻すと俺は大変なことに気づいた。家族は俺を陥れるのに成功し、完全に俺は世界から分断されてしまった!行動するのは今だ、そう思った俺は誰かに家族陰謀告白するたった5,6行のメールを2時間かけてしたためて、覚悟を決めて救急車を呼んだ。俺はこの内容を見せて告発するんだ。しばらくして警察が家に来た。俺はぱっと玄関に出た。あれ、俺は鍵かけて閉じ込められてたんじゃなかったのか?それに警察?でも俺が家族に嵌められてることを説明するには誰でもいいか。そう思い俺は警察官についていった。本当は俺が傷害罪犯人っぽいか警察署に連れて行かれたんだけど、俺は家族が悪いと信じて決めつけている。警察官も通訳挟んでもまるで話が通じない東洋人にさじを投げたのか、救急車措置入院と相成った。

入院

救急車外国っぽい青いライトを光らせて夜の山道をひた走る。救急車に本人として乗るのに怪我一つしてないのは不思議なもんだなと、妙に冷静なつもりの俺は思っていた。どれくらい走ったか救急車は薄暗い建物の前に止まった。俺は促されるとおり建物に入った。石造りの古い建物で、照明もロクにない薄暗い廊下を右に折れて、15人位入りそうなでかい部屋に通された。巨大な机の向こうに何人か人がいて、書類に何通かサインさせられた。正直何喋ってるのか全然わかんなかった。部屋が暗かったのか、その人たちは顔だけ真っ黒に塗りつぶしたように見えた。その後は夜も遅かったこともあり、すぐ相部屋の寝室に通された。枕元にはスーパーで一番安い炭酸水ボトルが置かれていた。一杯だけ飲んで徐々にせり上がってくる不安に蓋をした。途中同房の人にトイレ場所を聞いたところ、寝ているように見えたもののすぐ教えてくれた。でも何言ってるか分かんなかったか自分で探した。

次の日起きて俺は焦っていた。なんで精神科入院してるんだ…言ってる意味が全く分からないと思うが、マジで焦っていた。

朝起きたら何もすることはない。みんなおもむろにロビーに出たり朝飯を食べている。それがまず気に食わない。生産的ではない気がする。周りのやつの目が全部死んでるように見える。ここにいたら俺は終わりだと思った。なんのことはない、家族仮想敵に仕立ててたのが精神科になっただけだ。なんだけど、俺は自分危機的状況に最悪なリアクションを取った。錯乱だ。

まずはでかい声を出して職員を探した。しかしまるで相手にされない。そのまま逃げようと思って大声を出しながら雪の上を素足で走った。しかし、精神科だけに柵がある。逃げ場はなさそうだ。少しだけの理性で俺は柵をよじ登るのを諦めて戻った。すると職員が騒ぎを聞きつけて何人か集まってきた。外に出れるチャンスか?俺は必死自分はまともだからここから出せと迫った。しか職員はつれない態度ですぐ俺を元のロビーに戻して対応をやめようとする。なるほど、騒ぎを大きくすればするほど対応する職員も増えるんだな。それを学習した俺は更に声を荒らげて職員を捕まえた。

彼は俺にこういった。あなたがまともなら、それでいいじゃないですか。俺は焦った、こいつはこのまま話を終わらせようとしている。逆を言えばいいのか?そう思って俺は自分サイコパスから危険から病院から追放したほうがいいと逆張りしてみた。そうすると職員サイコパスかどうかは血液検査しないと分かんないですねと返してきた。んなわけないだろ、その時の俺ですら分かった。分かったが、検査を受けないと何も変わらない気もしていた。なので必死サイコパスだね俺は危ないねと話を合わせ、とうとう採血までされるに至った。

しかしどうだろう、検査が終わったら彼は、はい用済みと言わんばかりに俺をロビーに戻すではないか。これまでの会話で勝手検査=退院と思い込んでいた俺は完全に頭にきて、いよいよ本気で暴れた。そうすると複数職員外国語で(当たり前だ)何か言いながら迫ってきた。それがちょうど進撃の巨人普通巨人みたいに見えた俺は恐ろしくて走って逃げた。ロビーから裏の通路を通って行き着く先は袋小路。ドアが閉められたとき、俺はそのドアにドアノブがない事に気がついた。

入った部屋は6畳くらいで、日本人感覚で言えば十分な広さだった。床はリノリウム、壁はクリーム色一色で、はめ込みの厚い窓が冬の寒々しい景色を切り取っていた。部屋には唯一つベッドが置いてあった。退院するために暴れてたのに閉鎖病棟に入れられるだって冗談じゃない。俺はドアをバンバン叩くがまるで開けてもらえなさそうだ。覗き窓からゴミを見るような職員の顔がちらりと見える。次に俺は窓を開けようとした。割ろうとも思ってこちらも叩くがなかなか頑丈でヒビひとつ入らない。この時点で俺は寝たら廃人になると思い込んでいた。ここ10日寝てない(体感から、寝たらパソコンRAMのように頭に入ってる記憶知識知恵すべてが失われ廃人になるに違いないと。しかし体は完全に疲労困憊していた。トイレに行きたいが行かせてくれる気配もまるでない。いよいよ俺は錯乱して部屋の中で小用を足した。これがもしかたら窓の外から目に止まり救出されるのではと思ったが、あとから思えばもし見えたとて重度の精神病患者が暴れてるようにしか見えないだろう。ともかく俺は疲れ果てて寝落ちした。

どれほど寝ただろうか、気がついたら閉鎖病棟に寝ていた。さっきの部屋だ。少なくとも廃人というには認知能力記憶連続性は失われてなさそうだった。あと、漏らして寝たはずなのに服やシーツは取り替えられていた。それには少なくとも満足した。

しかし俺はあまりの空腹と便意ですぐ耐えられなくなった。部屋は暗く時間も何日たったのかすら分からない。とはいえ2大欲求が充たされないことには始まらない。俺は再度ドアを叩いた。しかし飯が全く出されない。トイレも連れて行ってはもらえない。刑務所の部屋にはトイレがついてると聞いたことがあるが、この部屋はベッドしかない。ドアをひたすら叩いてようやく職員から得られたものは、おまるですらない用を足すお椀であった。このとき俺は完全に人権を失ってることを理解した。その後しばらくして食事も与えられた。ツナと冷たいジャガイモを混ぜた犬のエサレベルのもので、俺はさら人権がないと思って涙をこぼして食べた。こっちはよくよく考えると、実はただのメシマズな賄いだったのかもしれない。ともかく起きた日は俺の人生でも指折りの人権のない日だった。

次の日俺はまたトイレ交渉をしてみた。ダメ元だ。しかしあっさり外のトイレに連れて行ってもらえた。人は一度酷く当たられると、多少でもマシな扱いをされた時いいことをしてもらったのではと勘違いする。その時の俺はまさにそれで、トイレに行けただけで感謝した。同時にトイレに行けない可能性に恐怖した。何も口答えする気がなくなった。そしてその日はパンバターだけ食ってたまにトイレに出て終わった。

次の日は更に良くなった。部屋の扉を常に開きっぱなしになるように、食事も他の患者たちと取るようになった。もちろん俺はクワイエットルームに逆戻りしたくないから何も口答えはせず唯々諾々と従った。病棟全体には10人ほど入院していた。そのうち数人から閉鎖室に入れられるなんて可哀想にと同情されてしまった。そうして開かれた閉鎖部屋に何日いただろうか、ほどなくして相部屋に移された。

相部屋の相手はまともな学生さんに見えた。挨拶もするし自己紹介もしてくれた。ただ、虚空に向けて話し出すときと、段ボール箱ラジオと称して実際には携帯音楽を鳴らすときだけはヤバい奴だと思った。実際彼は軽症なのか、一週間ほどで退院していった。他の患者は古株そうに見えた。分かんないけど。常に冷蔵庫自分の食い物を入れては食べてるおばあちゃん、常に食洗機を回すおばあちゃん、常に電話してるトルコ人の女、2chにいそうな青年偶数日はクレオパトラ級のゴリゴリメイク奇数日はサロペットの地味子になる女の子、みんなそれ相応に精神を患ってそうに見えた。

部屋から出られるとはいえ閉鎖病棟自分のいる階から外には出られない。と言っても中で暮らしていくのは暇な事以外何も不自由はなかった。朝昼晩三食食事は出るし、キッチンで持ち込みの食事を作るのも自由だ。途中から家族文明IT機器を持ち込んでもらってからは暇潰しも簡単だった。社会に触れるのは怖かったから、オフラインゲームだけを黙々と遊んだゲーム時間を埋める作業か、あるいは順序立てて行動する訓練のように思えた。ゲームでもいいから何か進捗がないと人間としての価値がなくなるような切迫感を感じてプレイし続けた。

夜は就寝時間があり、あまり遅くまで起きていると当直の人にハロペリドールを飲まされた。すごく頭が鈍くなって好みではなかったが、あの部屋に戻りたくはないから諦めて飲まざるを得ない。

先に書いた通り閉鎖病棟から俺は一歩も出られなかった。当たり前に聞こえるけど、俺だけ外出が禁止されていた。他の患者たちは毎日午後一時くらいにお散歩に出かけていた。たまには俺も外に出たいと思って参加していいか職員に尋ねたが、あなたズボンと靴がないんですと残念そうにみな口を揃えた。自分の足で歩いて入院したのにズボンと靴が無いことがあるだろうか?しかし何度聞いても埒が明かないので、ズボンと靴は汚れて捨てられたのだろうと解釈した。家族に頼んでズボンと靴を差し入れしてもらった。そうしてズボンと靴が揃ってもなんやかんやと言い訳して外に出れず、入院して2週間たちようやく外に出ることができた。

散歩病棟の唯一外に出る玄関職員が開けて、その引率でぞろぞろと歩いてついていく。まず、俺が最初にいた病棟を通った。驚いたことに、この病棟は外の道路からなんの障害もなく行き来できるようだ。柵があって出られないと思っていたが、反対側は正面の入口に繋がっていた。はじめにもう少し理性があったら閉鎖病棟に連れて行かれなかったのにと思う反面、理性がないか入院したわけだし、あの錯乱状態で外に出たら車にはねられてそうだなとも思った。

この散歩想像していたものよりずっと大規模だった。30分から時間精神病院の周りの住宅街を黙々と歩いて回る。歩き電子タバコに歩き火タバコで吸い殻を投げる精神病患者達に近隣住民から苦情は来ないのか、非喫煙者としてはヒヤヒヤする。患者同士しゃべりながら歩いていて、小学校遠足くらい伸びた列を定期的に立て直す。そしてなぜおばあちゃん冷蔵庫食品を蓄えてるかも分かった。多分自分スーパーに買い物に行ってるのだ。そうなってくると家なんだか閉鎖病棟なんだかよく分からない。散歩で外の空気を吸えるのは嬉しいが、また俺はここにいたら駄目になると思った。今度こそ話で退院に持ち込まねばならない。

職員はのらりくらり退院の話を誤魔化し続け、医師の診察もろくになく、どうなってるのかと思い始めた、入院一ヶ月後。小原ブラス似の職員の引率で卓球テーブルサッカー遊んだ帰りに唐突に俺は数日後の退院が告げられた。退院する支度中に、その職員が「あ~ここにあったわ〜」みたいな猿芝居をしながらロッカーから俺のズボンと靴を出してきたが、既に俺にはツッコミを入れる気力は残されて無かった。彼らからしてみたら、話の通じない患者にどうやって秩序を与えるか、自分の気が狂わないか考えた結果がその猿芝居なんだろう。

そうして退院して数ヶ月はものすごく不安で仕方なくどうなるかと思ったけどその後はすっかり元通りになった。相変わらずのADHD、薬を飲まねば仕事にはならない。先生も上手いことストラテラ保険で落ちるようにしてくれた。ビバンセは少なくとも依存性は無かったようで、リタリン系の薬を飲みたいとも思えない。元々飲んでキマってた訳では無いからかもしれない。そのあとめちゃくちゃ面倒なことになったんだけどそこは割愛勝手に敵に仕立てて迷惑一方的にかけたのに見捨てない家族には感謝言葉しかない。

まとめ

2023-01-30

anond:20230130035131

近傍領域研究職で、深層学習でも論文は何本か書いたけど専門ではないから頓珍漢なこと書くかもしれない

ものすごい計算力があれば性能が上がるっていう相転移の雛形はtogetterで書かれてた中で言うなら10年前の深層学習の時の発見だけど、

みんなどうせ限界があると思ってたら実際には(10年前に予想できたものと比べても)全然限界が見えないし、さら進化余地が残りすぎててビビってる、最近さら進化してしまった、くらいの印象だった 少なくとも俺は衝撃を受けたよ 特異点の話してた時の見通しからもズレ始めている

あと研究職でも理解はできてないと思うよ 色んな理論とか実験結果が出てるけど仮定が強すぎたり作用機序こじつけだったり、いまいち本質が捉えられてる感じはしないし、関わってる人の数が多すぎて言ってることバラバラな上になんかそれっぽい理解が進んだか?ってぐらいには別のテクが台頭してきて振り出しに戻るみたいなのをずっとやっている

昔は学生が変な話を持ってきたらいやそれは間違いでしょうとかすぐに断言できたけど、今は え?そんな夢みたいなことできるの?って自分嗅覚全然信じられないし、論文読んでみても著者自身がなんで上手くいくのかわかってないっぽいし、混迷を極めている

2023-01-07

新型コロナワクチン8回目接種はあり得るか / 梅毒増加はコロナワクチン免疫抑制の結果なのか

TLDR;

以下が全て正しければおそらく今年後半に8回目接種がアナウンスされると予想

・新型コロナワクチンmRNAで生成されたスパイクたんぱく質が体内で様々な内臓に付着・結合するケースが存在する(アミロイドシス

・新型コロナワクチンスパイクたんぱく質と結合した内臓細胞への免疫応答を弱める作用存在する

・新型コロナワクチンを接種して数か月は上記免疫抑制効果が発揮されるが、その後免機能が通常に戻ると新型コロナワクチンにより生成されたスパイクたんぱく質が付着・結合した臓器に対して免疫攻撃し、その臓器で炎症が発生する(心筋炎など)

新型コロナワクチン作用機序

新型コロナワクチンってmRNAを脂質で包んで体の免疫に壊されないようにして体内に侵入して、弱毒スパイクタンパク質自分の体で作って免疫に覚えさせるって話だったよね

ワクチン打つとワクチンmRNAから作られたスパイクタンパク質が体内で作られるのはこれはワク信も反ワクも共通認識だと思うんだが、

これはワク信も反ワクも異論は無いよね

問題自分の体内で作ったスパイクタンパク質自分内臓とか肺、喉の細胞と結合しないのかってこと

コロナスパイク身体細胞に刺さりまくって結合して免疫内臓ごと攻撃して肺炎とかの炎症反応起こすって話だったじゃん

だったらワクチン経由で作られた自分細胞から作ったスパイクタンパク質も、新型コロナと同様肺とか内臓細胞受容体と結合して炎症反応起こすんじゃないの?

でも確かそういう炎症を防ぐために免疫を弱める仕組みが発明されてコロナワクチンとして緊急承認されたって経緯で合ってるよね?

ここまでで間違ってるところあったら指摘してほしい

mRNAワクチンの真価

は「体の免疫意図的に弱めてスパイクタンパク質と結合した内臓細胞自分免疫攻撃されないようにすること」であって、

その結果副作用として

ワクチン効果免疫が弱まってる間は炎症性の疾患は抑えられる反面、帯状疱疹ウィルス梅毒などの常在ウィルスに対する免疫も落ちて病状が表面化する

・ガンに対する免疫も弱まり進行が進む

ワクチン打ってからしばらくして免疫が戻ってきた後でも体内のスパイクタンパク質が残っていた場合スパイクタンパクと結合した臓器の細胞免疫攻撃されて全身の至る所で炎症が起こる

、と思ってるんだが、間違ってる?

上の過程が正しいなら、ワクチン接種しても平気な人というのは

免疫が弱まってる間にウィルス細菌などへの感染がなかった

免疫が戻る前に体内のスパイクタンパク質が非活性化された

の2パターンだと思うんだがどうだろう

誤解があったら指摘してほしい

モデルナやファイザーが4,5回目など何回もワクチンを接種させてる理由

はもちろんビジネス上の理由もあるだろうけど、

ワクチンの間隔が開くと弱めた免疫が戻ってきてしまって、

自分の体で作ったスパイクタンパク質と結合した内蔵を免疫攻撃して体中で炎症反応が起きるから、だと思ってるんだけどどうだろう

新型コロナワクチンで単離されたスパイクタンパク質本体のみを攻撃できればいいけど、アントニオ猪木みたいにアミロイドシス内臓に異常タンパク質が結合しちゃったら多分内臓ごと免疫攻撃するよね?

ここまでの推論がもし正しいとしたら、

ワクチン接種の間隔が開いてしまうと自分内臓と結合したスパイクタンパク質に対して免疫内臓ごと攻撃し初めて心筋炎みたいなあらゆる内臓部位の炎症が起きちゃうから

来年になってもワクチン6回目7回目8回目を打つことになるはず

流石にワクチン8回目はあり得ないとみんな思ってるよね?

でも万が一接種8回目がアナウンスされたらこ書き込みを思い出してみて欲しい

2022-11-15

anond:20221114191846

自分も長年飲んでる人だけど、もはや服薬してなかった頃の自分ってどうやって生きてたっけって感じ。

服薬し始めてから知り合った嫁には当然伝えてるけど、いつか飲んでない素の残念な自分を見せるのが少し怖いし、

戦争災害とかで薬の供給がなくなると真っ先に不注意で事故って死ぬ気がする。

ストラテラ作用機序的には精神依存はない薬だっていうけど、そういう意味では完全に依存しちゃってるな…。

2022-11-12

死んだ女性は本当にアナフィラキシーではなかったのか。

PCR on Twitter: "40代女性BA.5対応ワクチン接種後に亡くなった件の詳細(ワクチン分科会副反応検討部会より) https://t.co/NNV2dat5Be"

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/a2487498/status/1591010952333660161

CBCニュース報道直後は、

ワクチン5分後失神?アナフィラキシーだ!。バイト医師には判断が付かなかったかもしれんが、

アナフィラキシー一家言あるブクマカは、アナフィラキシーに違いないと断言しまくってたやん。

副反応検討部会の詳細が見つかると、今度は

接種前から息苦しい?ピンクの血痰がでた?これはアナフィラキシーではない!アナロキシーでもない!

アナフィラキシー一家言あるブクマカが決めつけてるけれど。


体重110kg の人を接種会場であちこち歩かせたら息苦しくなります

健康体重の人でも50kgの重り背負わせて歩かせたら、(*´Д`)ハァハァしちゃいますよ。


  • 血痰でたよ?

アナフィラキシーと聞くと、皮膚にでる蕁麻疹や、心臓意識への障害ばかり考えがちだけど、

呼吸器系がやられることもあるんですよ。

以下の資料にも呼吸系の症状に血痰も書いてある。

https://www.nakayamashoten.jp/support/books/73680-p83.pdf



報告医2)が、皮膚および粘膜病変を認めなかったから。

アナフィラキシーガイドライン

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF

を読むと分かるけど、80~90%のアナフィラキシーで、皮膚や粘膜に異常が起きるの。

こんなに急峻で重篤な症状なのに、皮膚や粘膜になんの病変も無かったら、

普通に考えて、アナフィラキシーではない可能性が高いでしょ。




客観的にみたら、あの女性たまたまあの日あの場所で急性心不全を起こした。

ワクチンを打ってなくても亡くなっていただろう。ということになるけれど。

薬物注射によるアナフィラキシーで死亡してしま場合の経過時間がだいたい5分と言われていて、

まさにその通りの死に方なので、作用機序不明タイプ特殊アナフィラキシーだったのではという疑問は残る。

その場合、たぶんアドレナリンを打っても助からなかったと個人的には思う。

2022-06-14

anond:20220614191953

よく見たらシュードウリジンがどうのって書いてあったので補足します。

シュードウリジン自然免疫抑制するとさまざまなメディアに触れられていますが、抑制、ではなく回避の方が言い方として直感的かと思います。この方もそう言った勘違いをしているのではないか

私たちの体の免疫システムは優秀で、異物を即座に排除しようとします。工場で作られたmRNAは異物と認識され、その効果を発揮する(転写され、タンパク質が作られる)前に排除されてしまます。このため、これは異物じゃないよーというマーカーをつけてあげる必要があります。このマーカーがシュードウリジンなのです。

どうやって発見したのか知りませんが、どうやらこれを付ける(正確にはウリジンとの置換)と自然免疫に捕捉されず、なおかつ正常にタンパク質翻訳されるらしいのです。

というわけで、正常に目標スパイクタンパク質を体内で産生させることに成功しました。するとこのスパイクタンパク質に対して先ほどの自然免疫が働き、炎症反応が起きます。これが筋肉痛発熱などです。そうすると色々あって(ここはわかりやす記事が大量にあるのでググってください)獲得免疫であるB細胞が特異的抗体を産生するようになります。ひと段落するとこの特異的B細胞は数を減らしますが、0にはならずに休眠し、また同じ抗原を認識した際にはすぐに増殖し、抗体をばーーーっと産生します。これが"二度罹りなし"で、一般的には免疫記憶と呼ばれます

ここまで読まれて、じゃあスパイクタンパク質変異したら意味がないのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、

抗体は特異的といえど多少のアミノ酸配列の違いならくっつけること

そもそもスパイクタンパク質細胞侵入する時(≒感染が成立する時)に重要役割果たしているためここが大きく変異するとそもそも感染性を持たないこと

これらの要因によりある程度は説明できます

しかしやはりアミノ酸配列が違うと効率は落ちるので、オミクロンに対しては100%効果は発揮できていないようです。

長文失礼しました。厚労省のほぼデータ改ざんには思うところもありますが、ワクチン作用機序としてはこのような感じです。なにか質問があったら返信をつけておいてください。専門ではないですがキーワード提示することぐらいならできると思います

以降は私見ですが、やはり普通の人がインターネット医療情報を入手すべきではないと考えます。冒頭のような勘違いを招いたり、民間療法に引っ張られるケースがあまりにも多いと肌で感じています。ここで言ってもどうしようもないけどね

2022-05-23

anond:20220523112006

【関与成分および作用機序

【成分の特性

乳酸菌NY1301株は人工消化液中で酸及び胆汁酸に対し耐性を示し、ヒトに経口摂取された場合、生きて腸管に達することが示唆された。

作用効果および機序

乳酸菌NY1301株は生きたまま腸管内に到達することで有害菌の増殖を抑制し、かつ有用菌の増殖を促進して腸内環境を整え、排便を促進させる等の整腸作用を発揮することが示唆された。

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4547.html

ピルクルに含まれている乳酸菌NY1301株

 

【関与成分および作用機序

【成分の特性

乳酸菌 シロタ株は、胃液や胆汁に負けないよう強化培養されており、生きて腸まで届く。

乳酸菌 シロタ株の主な働きは次のとおりである。[1]良い菌を増やし悪い菌を減らす、[2]腸内の環境改善する、[3]おなかの調子を整える

作用効果および機序

乳酸菌 シロタ株は、人工消化液に対する耐性が高く、実際にヒトが摂取した場合、生きたまま糞便から回収されることから、本菌株は生きたまま消化管下部に到達すると考えられる。このように本菌株は、生きたまま消化管下部に到達した後、乳酸の産生や菌株表面への物質吸着などに起因する作用によって、腸内菌叢の改善 (有用菌の増加と有害菌の減少) 、腸内有害産物抑制、便性改善 (便秘下痢改善や糞便pHの低下) が発揮されるものと考えられている。

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1639.html

ヤクルト乳酸菌 シロタ株

 

まぁ、大体書いてあることは一緒やね

2022-01-27

ドアんところにあるアルコール消毒液を

15秒もすり込んでる人みたことない

自分は家にある殺菌ハンドソープ泡ので

15秒は手洗いしてる

ウィルスにせっけんはきかないかもしれないけど

丁寧に洗い流すとかなり減るのでは。

https://imgur.com/3T5z5ha

(手洗いの時間・回数による効果

色んな人がべたべた触ってるものなので洗えるものは洗って

拭いて冷蔵庫に入れてる。

細胞膜に由来するエンベロープがあるウイルスでは、エンベロープタンパク質細胞側のレセプターに結合した後、ウイルスエンベロープ細胞膜とが膜融合を起こすことで、エンベロープ内部に包まれていたウイルス遺伝子タンパク質細胞内に送り込む仕組みのものが多くなっています

エンベロープはその大部分が脂質から成るためエタノール有機溶媒、石けんなどの界面活性剤で破壊できますこのため、一般エンベロープを持つウイルスは、消毒用アルコールでの不活化が、エンベロープを持たないウイルスに比べると容易となっています。このエンベロープ破壊性が、コロナウイルス環境表面での除染の主要な科学作用機序です(ref.2)。

https://www.kao.com/jp/hygiene-science/expert/new-coronavirus-knowledge/enveloped-viruses/

こちらより(アンダーラインは私が勝手に引きました)

界面活性剤の入ってるせっけんで手を頑張って洗うのは、エンヴェロープ破壊できるので問題ないでしょう?。

かなり前に報道されてたよね?アルコール一択じゃない筈。

2021-12-30

ワクチンパスポートもあと2・3年したら障害者手帳しかなくなるんだね

ただ医療の偉い先生がたがそういってたか安心だとか、

社会のためみんなのために打つんだとか、人は何をせずとも死ぬのだからとぅけぃ学的に無関係だとか、

作用機序もろくに検討せず効能妄信し十把一絡げに反ワクチン(笑)といって冷笑し続け自ら破滅の道を歩んでいった

救いようがないね

かわいそうに

2021-11-15

他人によりもたらされるプラスマイナス

人って多かれ少なかれ他人に期待しすぎたり裏切られたりして他者との付き合い方を覚えていくものだと思うんだけど、たまにこの機能が働いてない人がいる。ああいう人ってすごく周囲に恵まれて育ってきたのかなと思ってたんだけど、話を聞いてみると別にそんなことなくて、人並みには人間不信になるような経験をしてたりする。すごく不思議だったんだけど、彼ら彼女らが一様に「周りの人に助けられてきた」と言うことで気がついた。この人たちは学習機能が壊れてるんだと。

専門家でないので精神的な作用機序はわからないが、普通はある特定行為に依って概ねプラスの結果が出ながら稀にマイナスの結果が出現した場合、その行為を続けるにしてもそこには警戒心が生まれるはずだ。多分ここで普通の人はプラスマイナスを別々に計算してるところ、彼ら彼女らはプラスマイナスを合算してマイナスをなかったコトにしてるんじゃないかと思う。

主観の話なので普通なのは彼ら彼女らで俺が思う普通が異常なのかもしれないけど、どちらにせよ非常に君の悪い話だ。なんかもう別の生き物何じゃないかと思った。

2021-08-15

ベルクチンについて書く

私は医者でも、イベルクチン研究者でもない。

キトーに思ったことを殴り書きするだけなので、真に受けないように。

ベルクチン奇跡の薬

駆虫薬なんだけど、控えめに言っても奇跡の薬。

ちょっと抗生物質の話をする。抗生物質というのはさ、細菌バクテリア感染に対する薬でさ、細菌を殺すわけ。

細菌が死んでもヒトが死んだら元も子もないから、細菌には効くけれど、人間には効かない化学物質を探すわけ。

細菌もヒトも死ぬってのは、例えば消毒薬とかはそれに近いかな。細菌死ぬけどヒトの細胞にも大ダメージ

ヒトは皮膚が厚いし、その程度じゃ死なない、耐久性問題でヒトは平気っていうレベル

そんなんじゃまあ困るんで、抗生物質というのは、細菌酵素には作用するけど、人の酵素には作用しないって物質を探して、それを薬にしてるわけ。

そもそも細菌人間ってめっちゃ違う生き物だからさ、細菌のには作用するけど人間には作用しないっていう化学物質も探せば見つかるのさ。

そんなわけで駆虫薬の話に戻るけど、虫下しってのが難しいのは、虫ってかなり人に近いの。

真核生物ってだけで、かなりヒトに近いんで、水虫(真菌)の薬って飲みすぎると肝臓がやられたりするじゃん。

虫ともなるともっとヒトに近いんで、マラリアの薬なんてそうそう怖くて飲めない。

そこにきてイベルクチン、なんか知らんけど虫は下すのに、たいした副作用がない。

疥癬にまで効く。疥癬って、ダニからな。

抗生物質なんてワンシート飲んだってうそうなにも起きないけど、殺虫剤なんて飲んだら普通死ぬだろ?

なぜだかわからんけど、線虫っていうウネウネ系だけじゃなく、ダニにまで効くし、果てはガンやらウイルスにも、要するにヒトに害なすもの全般に効くらしいっていうデータがあったりなかったり。

奇跡の薬なんで、もう一つくらい奇跡を起こしてくれるんじゃないかって期待するのもわからんでもない。

ベルクチン関係者は「奇跡の薬イベルクチンなら、COVIDにだってしかしたら!」って思ってる(と思う)

ベルクチンの開発は王道ではない

今日日、普通創薬ってのはな、明確なターゲット分子があって、それにくっつく物質を探すわけ。

例えば、喘息の薬を作りたかったらだな、喘息の症状はこういう機序で起きる、じゃあその起点となるホニャララのレセプターにくっついて邪魔する分子を探せ、って号令がかかる。

レセプターの立体構造分析して、それにくっつく化合物を探してくるというやり方な。

数千、数万の物質を手あたり次第探してだな、試験管の中でちゃん目的場所にくっつくか調べていくわけ。

新薬開発の確率は3万分の1っていうのは、そういうこと。

でもな、そういう王道を行かない創薬ってがある。

例えば、生薬とかな。

「昔から効くって言われている、じゃあ効くに違いない!効果実証してやろう!」

ってな。

まあ、実際それから薬になったものもあるけどな、今じゃ流行んないよな。

せめてどうして効くのか実証してからじゃないと、ヒトで試験は出来んわな。

抗生物質発見もな、それに近いな。

どうして効くかなんてわかんないけど、青カビの周りに菌が生えないってことの発見からだろ?

とにかく、普通は、「こういう化合物を探せ!」から始まるところ、イベルクチンみたいに微生物由来の化合物から創薬するときは、とにかく面白いたことない化合物をたくさん探すところから始まってる。

「これはなんかの薬になるはずだ!なんの薬になるかは知らんけど」www

ってところから開発なんか出来るかよ!って思うけど、事実小説より奇なりで、そういう薬も時々ある。

で、イベルクチンは人体薬ではなく動物薬として開発された。

で、こともあろうに駆虫薬。まあ、それも戦略だろう。

これがさ、抗生物質だったら、イベルクチン抽出して培地に混ぜると細菌が生えないっていうデータでもとりゃ、なにやら薬効がありそうだなっていう雰囲気はつかめるけど、駆虫薬ってどうしろと。

寄生虫ってさ、名前のとおり寄生しないと生きられないヤツがほとんどだからさ、シャーレとかで実験が超難しいわけ。

ベルクチンって形からすると、抗生物質に似てるからさ、抗生物質として開発されるならわかるけど、なんで駆虫薬ウケる

しかし、結果は大当たり。

虫という虫を下し、そんで動物ケロリとしてる。

そんなこんな、作用機序もなんとなくしかわからんまま、動物薬で不動の地位

ベルクチンは人体薬の世界では長らく不遇

動物薬で不動の地位だったイベルクチンだけど、長らくヒトに適用されなかった。

王道いかない開発をするとさ、なかなかお上が認めてはくれないのな。

ここだけの話、世の中には王道いかなかった薬ってのはたくさんあるんだ。

〇山ワクチン承認されないのにPやKが承認されてるのはオカシイって昔騒いだけど、〇山ワクチン含め三つともおかしな薬だったよ。

効くに違いないが最初にあって、ヒトに投与しちゃうんだもん。しか微妙な臨床成績で。

ハンセン病患者にガンが少ないから、ハンセン病病原菌の親戚の結核菌がガンに効くはずって、なんか似てない?今のイベルクチンとかBCGの騒ぎと。

ベルクチン使用されてる国ではCOVIDが少ない、BCGを接種してる国では、以下略

それはさておき、王道いかない開発でも承認された例というのは政治活動でうまく立ち回ったわけだけど、イベルクチンは元が動物薬だからね。

作法にのっとった動物試験の結果はないけど、家畜での実績は抜群です、ヒトでの試験もお作法には乗っ取ってないけど以下略

とにかくも、ヒトでの臨床試験の成績もそろって、動物薬としての発売から20年くらい遅れてようやく人体薬が日本でも承認

ベルクチン関係者は怒ってると思うよ。

効くのはわかってるのに承認してくれなかったと。お上の言い分としちゃ、お作法には乗っ取ってくれってことだろうけど。

そんなこんな、実はイベルクチンはかなり広範な虫に効くんだが、日本適応症として承認されたのは少ない。

あの寄生虫症もあの寄生虫症も全部イベルクチンで一発だと思うが、ほとんどの寄生虫症で第一選択薬はイベルクチンではない。

ヒトでちゃんとした臨床試験データがあるのが違う寄生虫症に対する効果だけだからなんだけども。

アフリカ無償で配ってるのが現状で、片方で無償で配ってるのに、こっちじゃちゃん利益を出すってのもやりにくいしね。

いろんな政治的な思惑があって、イベルクチン日本じゃ不遇。

ま、日本寄生虫病が多くないってのはあるんだけども。

そんなわけで、繰り返しになるけど、イベルクチン関係者

「抜群の効果があるのに、イベルクチンは不当に冷遇されてる!」って思ってる(と思う)

ベルクチン疥癬への適用拡大はなし崩し

実は、疥癬への適用拡大は王道臨床試験をしてない。

海外での実績やら学術論文が多いからということで免除された。

21世紀にもなってそういう裏口入学経験してる。

このへんが調子づかせた遠因でもあるように思う。

終わりに

「効く物質を探す」んじゃなく、「この物質はきっと効くはず!」で開発をするっていうのは、なかなかリスキー

海藻食って毛が生えるっていうのと変わらん。

そりゃテメーの思い込みだろってものが9割。いや、ほぼ全部。

でも、そういう薬って意外と多い。

ワクチンなんかまさにそれだ。

天然痘と牛痘は似てるからって発想はホメオパシーと変わらん。

ただ、もう21世紀ともなると、ちゃん作法にのっとってくれないとお上が認めるのは難しいよ。

偉い医者先生が効くとどんだけ言ったって、裏口入学は無理だよ。

日本患者数が少ない病気だったらまだしもだな、国民病になりつつある疾病に適当承認は無理。

mRNAワクチンだって審査報告書読むとかなり無理を通してるから、諸外国で抜群な成績でも出せばあるいはだけど、だからその成績持って来いよって話。

たいした副作用もないんだし、ダメもとでもって気持ちわからんでもないけどな。

追記

ベルクチンって、犬飼ってるやつなら知ってる毎月飲んでるアレだ。

この記事からも、動物関係者の人体薬に対するコンプレックスみたいなの感じるだろ?

ほんと、控えめに言っても奇跡の薬だがな、そうそデータもなしに簡単にヒトに使うわけにゃいかんのだよ。

https://cvdd.rakuno.ac.jp/archives/3630.html

新型コロナウイルスはもはや終息しない

  1. 水際対策で封じ込め → できませんでした
  2. 行動制限で封じ込め → できませんでした
  3. ワクチンによる集団免疫獲得 → できるかどうかわからない、次々と変異型が現れる

 

出口戦略としては、短期的にはワクチン接種による3と2の組み合わせで時間を稼ぎ、その間に経口投与可能治療薬の開発を進めること、

長期的には定期的なワクチン接種と治療薬により、インフルエンザ並みに危険性を下げてウイルスとの共存を目指すこと。

また、一般的ワクチンと比べて副反応が強いと思われるmRNAワクチン作用機序を明らかにし、

副反応が穏やかなワクチンの開発を進めて選択肢の幅を広げること、だろうか。

2021-07-12

農薬

家庭菜園(小規模)やってて、病気が出たり、虫に食い荒らされたりするから農薬使っちゃうよね

無農薬栽培なんて考えられない、すごいって思うわ。

有機栽培(オーガニック栽培)でも農薬使うんだって初めて知ったわ。

一応素人なりに農薬耐性菌等が出ないように作用機序とか考えて使ってるつもり。

2021-07-11

anond:20210711050219

仮に因果関係があったとしても、一人だけだと難しいな。

再現条件が確かめられるだけのサンプル数は必要

よほど作用機序が明らかならワンチャンあるかも。

anond:20210710045115

気になるブコメがあったので。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4705239490036876226/comment/le_cinema

治験期間が異常に短いこと、ワクチン接種後の死亡例含む副反応検証がザルであること及び接種後の調査期間が1年程度しかないことへの不安ワクチン絶対大丈夫派はどう解消しているのか教えてほしいな、まずは。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210621-00243916/

ここにあなたの知りたいことがだいたい書いてある。抜粋すると、

一般的ワクチン副反応は数週間以内に起こる

しかし、これまでのワクチンでは、重篤副反応は通常、投与後数日から数週間以内に起こります

...

この期間を超えた、ワクチンによる長期的な副作用は非常にまれであり、これまでワクチンの長期的な副反応ではないかと疑われたものも、その後の科学的な検証によって否定されています

mRNAは数日以内に分解される

生きたウイルスワクチンの中には入っておらず、また遺伝情報を体内に接種すると言っても、mRNAはヒトの細胞の核に入ることができず、そのためヒトの遺伝子情報に変化が加わることはありません。

またmRNAは接種後数日以内に分解され、作られるスパイク蛋白も接種後2週間でなくなると言われています

こうしたmRNAワクチン機序からは、接種後1年以上が経ってから副反応は想定されていません。

mRNAワクチンのものは長期的なデータがある

mRNAワクチンは新しいプラットフォームワクチンではありますが、全く新しい技術というわけではありません。

...

これらの何十年にもわたるmRNA研究では、長期的な副作用は認められていません。

検証がザルと感じているようですが現在のような広く接種しているフェーズではともかく、治験の段階ではもっと厳密に有害事象管理されており、また承認までは短くとも大規模な治験が行われていること、さら作用機序も含めて、個人的には今回のmRNAワクチン安全性はかなり高いと思っています

もちろんリスクゼロではないですが、新型コロナウィルス罹患することや、それに伴う行動制限を受けることも含めたリスクとは比べものにならない低リスクという認識です。

2021-06-30

anond:20210630103206

西洋だって理屈でわかってないんやで

解熱剤(アセトアミノフェンくらい基本的分子)だの麻酔薬だのの作用機序ははっきりわかってない

から専門の麻酔科医とかつくって慎重に麻酔かける

2021-06-24

anond:20210624150459

ワクチン失明する人の作用機序ははっきりしていて、

ワクチンを打つと、免疫が過剰に反応してしまい、自分自身にまで攻撃する、

いわゆる自己免疫疾患状態になって、失明するんよ。

これはコメでは起きない現象だべ。

2021-06-14

anond:20210614162831

感覚しか物事を見れないけど、思い込みが激しい厄介な人たちだよね。

絶対免疫システムとか今回のワクチン作用機序理解していないで反対している。

要は頭が悪い

2021-05-03

中野信子の言っていることはおかしい、具体的に何がおかしいか挙げる

きっかけは母親が「空気を読む脳」を買ってきたことだった。以前からこの人の主張はおかしいと思っていて耐えられなくなりこの人の他の本も読み、言動についても調べた

酷い。矛盾だらけ、エビデンスにならない動物実験ソース、人を見た目で判断することは科学的に正しいという主張、本人の言っていることとも矛盾した倫理観

彼女がいつも言う「日本人セロトニントランスポーターが少ないか不安に駆られやすい」という理論、まずこれが怪しい。SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害薬)について知っている人なら奇妙に感じるだろう。この薬は、セロトニントランスポーター機能をあえて弱めることでシナプス中のセロトニン濃度を増やし不安を和らげる薬だとされている。つまり彼女理論SSRI作用機序についての理論正反対なのだ。モノアミン仮説にもやや怪しい部分はあるが、正反対解釈というのは流石におかしい。神経科学専門家はどう思っているのだろうか。

些細なことから飛躍して「日本人の脳」を論じる。

空気を読む脳」で日本人サイコパシーの傾向が強い人が「どちらかといえば」少ないから内側前頭前皮質が発達していて倫理や美醜の観念に厳しくそれが変わりやすいのだと書いていた。当たり前だがサイコパスの人の数を正確に見積もるのは難しいのであってそういった数字は単なる誤差か診断基準の違いによるものである可能性の方がずっと高い。仮にサイコパスの人が少なかったとしても内側前頭前皮質が発達している人が多いことを意味するわけではない。サイコパスとは行動や心理をもってそう判断されるものであって実際に内側前頭前皮質機能が弱いとは限らない。内側前頭前皮質機能が強い人も弱い人も共に少ないということもあり得る。

ついでに「不倫」では日本人保守的で変化を好まない民族だとも言っていた。それなのに倫理観が変わりやすいらしい。数年前には問題でなかったことが問題になるのは日本に限ったことではないし「日本人の脳」に原因を求めるのは無理がある。

戦国武将精神分析」では汚い手も使って勝った徳川家康が今でも日本人理想モデルとして存在しているとも宣っていた。日本人は美しい敗者を好むのではなかったのだろうか。美醜の観念が変わりやすいのではなかったか

美醜の観念が変わりやすいのに何百年にも渡って義経のような「美しい敗者」が理想化されているらしい。

不倫」でもこういった飛躍がある。たかだか寝かしつけの習慣があるからといって日本人オキシトシン受容体が多いのだということにしていた。もちろん実際に日本人の脳を調べたわけではなし。スキンシップの総量が他の国と比べて多いか少ないかからないのであるオキシトシンの多い人は不倫傾向が弱いとも書いていたが、日本人不倫が多いという同著での主張とも矛盾する。(よくよく見ると厳密には比較不能な国際調査国内調査比較していたが)

更に、セロトニン神経細胞にはオキシトシン受容体存在し、オキシトシンが増えるとセロトニンが増えるという事実は「日本人セロトニンが少なく、オキシトシンが多い」というモデルとも上手くかみ合わない。彼女もこの矛盾に気付いているのか、週刊新潮 2020年12月17日号での佐藤優との対談でまだ発見されていない要因があるのかもしれないと言っていた。

彼女日本人論は矛盾だらけだ。

更に中国韓国の「反日」まで「セロトニンが少なく、オキシトシンに頼りがちな遺伝特質」のせいにしているのには呆れを通り越して笑ってしまった。歴史上何度も革命を起こしている中国人もまた、保守的リスクを好まない形質の持ち主らしい。

サイコパス」でフロイトトンデモだという声もあるほどだなどと書いていたが、リビドー無意識という概念の代わりにセロトニンオキシトシンや脳部位が万能の説明法として君臨するようになっただけで間違い方に大して違いはない。

この記事でも指摘されているように、彼女不要場合でもひたすら専門用語を使って話す。https://anond.hatelabo.jp/20150908145246そういう言葉を用いれば多くの人間科学っぽく感じてしまうことをわかっているのだろう。

人間でもそうだという根拠にならない動物実験をたびたび引用して人間の話に繋げる。キツネマウスプレーリータネズミサバクトビバッタと…

「脳・戦争ナショナリズム 近代人間観の超克」(嫌な部分が剥き出しで、是非お勧めしたい本だ!)で人間に何世代も飼いならされたキツネ容姿が変わってくることを挙げて人を見た目で判断するのは科学的に正しいのだという主張に持っていっていた。少し脱線するが「空気を読む脳」でもたかだか0.126の相関で「容姿と知能に関係がないとは言い切れない」などと書いていた。それだけの数値なら関係いかあったとしてもごくわずかな関係しかないというべきだろう。

戦国武将精神分析」でマウスを取り上げて人間テレゴニーが起こらないと証明されきったわけではないなどと立証責任押し付けた。確かに人間にもマイクロキメリズムはあるがそれはテレゴニーとは違うものだ。それにしても不倫バッシング批判する中野がヒト・テレゴニー説に対して好意的なのは面白い

不倫」でプレーリータネズミのAVPR1a遺伝子を操作すると生殖行動が変わり、AVPR1a遺伝子が人間ボノボで「ほぼ」同じだからといって人間本来ボノボのように乱婚的だと示唆した。

そのわずかな違いが重要な違いであ可能性はあるしAVPR1a遺伝子も実際は空間記憶能力に関わる遺伝子で空気記憶能力の高いプレーリータネズミは行動範囲が狭く単婚的になるというのが実際のようであるhttps://www.eurekalert.org/pub_releases_ml/2015-12/aaft-_4120715.php中野はかなり単純化・歪曲して解釈している。

空気を読む脳」で書いていたサバクトビバッタに至ってはなんとセロトニンが多いバッタ集団志向になるのだそうだ。同著での主張とは真逆だ。

文藝春秋4月特別号の「脳科学者が小室圭を「分析」する 世間常識はなぜあの母子には通じないのか」でゴールドウォータールールに触れておきながら小池百合子ドナルド・トランプサイコパスだなどと言っている。精神科医ですらない人間が直接の診察もなしであの人はサイコパスだなんだと言っているのである

ペルソナ」でセクハラ告発していたが、「脳・戦争ナショナリズム」では以前なら当たり前だったことも「セクハラ」「パワハラ」にされてしまうなどと言い、今日かわいいねと言ったら今まではかわいくなかったってことだと思って泣いた子供批判的に取り上げて世の中が過敏だというニュアンスを込めて論じていた。以前とは考えが変わったという見方もできようが最近でも「昔は乱婚だった、現在倫理を相対化すべきだ」という主張を繰り返している。当たり前だがある倫理が新しいことはそれを否定する根拠にはならない。私は乱婚社会を悪だとは思わないが。

ペルソナ」の話に戻ると、親と子の関係他人が口を挟むなとも書いていた。虐待の温床となる態度である。旧式の価値観に従っていい子でいるくらいなら~などと宣っているが、旧式の価値観にしがみついているのは彼女自身である

そして最後に「不倫」で書いていた、不倫遺伝子によって決定されているのだからそれを断罪することは差別優生学に繋がるという主張について批判しておこう。

別に不倫遺伝子とはあれば絶対不倫するという因果律支配する魔法のようなものではない。ある人はない人に比べてその確率が高くなるといった程度のものなのだ。もし殺人レイプのような重犯罪についてもそのような遺伝子があれば殺人レイプ断罪してはいけないことになってしまうだろう。不倫バッシング遺伝子のせいだとすれば不倫バッシング差別優生学だと断罪することもまた差別ということになり自己論駁に陥る。「あなたの脳のしつけ方」では後天的に脳を変えることもできるのだと書いていた。この頃はまだまともな内容を書いていた。

思うに、彼女の本がベストセラーになるのはこういった免罪的側面のせいなのだろう。そういった遺伝決定論に従えば不道徳な行動も遺伝のせいになり免罪される。世の理不尽なことも「脳や遺伝子のせい」とわかった気になれる。

橘玲の本のレビューにも「遺伝によって決まっているのだから学生時代あんなに頑張ることはなかった」とか「子育てするお母さんに読ませたい」というものを見た。遺伝率とは集団規模での決定係数のことであって個人レベルでは親のIQから予想された数値より高かったり低かったりして当たり前でどのくらい予想された数値と違うかも個人によるのだが。


この記事おかしなところがあったら、具体的な反論をしてほしい。私も流石に脳や遺伝子についてそこまで詳しいわけではない。中野の本を読み、関連する内容を調べた程度なのだ。それでもこれだけ矛盾が見つかる。

追記:2021/5/8

https://next49.hatenadiary.jp/entry/20161220/1482228666

2000年論文で「この損害回避セロトニントランスポータープロモーター領域遺伝子多型との関連を支持する研究と支持しない研究存在し,今後さらなる検討必要である」とあり、2009年メタ分析論文で少なくともフィンランド人サンプルにて不安遺伝子を持っているかどうかと損害回避性(harm avoidance)と神経症的傾向を持っているかどうか調べたところ関係があるという証拠はないという結果がでているのだからセロトニントランスポーター遺伝子が少ないから損害回避的にふるまう傾向があり、そのため、「上位の人間に対して勇気を持って行動できる性質」が日本人にないというのは適切でない主張。”

https://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/kenkyu59.pdf

さらに、この S/L 多型は、PET により測定される脳内 5-HTT 結合に影響しないこと、前述したように、5-HTTLPR の多型は S 型と L 型の 2 つではなく、14 種類のアリルからなり、それぞれの機能の異なる複雑な多型であることからS 型、L型の2分法での研究自体に疑問が生じているのが現状である

https://neurophys11.hatenablog.com/entry/2016/03/01/223747

ざっとこんな趣旨記事だが、先に書いたようにそんな気質のものがたった1つの遺伝子で決まるものでは無いんである。このセロトニントランスポーター気質を決めるというのは実は結構な前から沢山の論文が発表され、ある程度そう言える部分はありそうなのだが、それでもその決まる程度は極僅かで、決して「日本人気質」を作ってなどいない。

こういった「1つの遺伝子が性格を決めている」系の話は、すべて科学漫談として楽しんでおけばいい。特にセロトニントランスポーター気質を決めるという話は良く出てくるが、そんなにすごい力コレだけにはないですよ。”

https://www.amed.go.jp/news/release_20160128.html

SNP品質管理などから、最終的に1088名について解析を行いました。その結果、BMP2遺伝近傍SNPストレスフルライフイベント相互作用が、統計学的有意うつ状態と関連することを見出しました(図2、図3)。そして、抗うつ薬作用点であるセロトニントランスポーターなど、古くから知られる候補遺伝子には、有意な関連は認められませんでした。”

どうやらセロトニントランスポーターが「日本人らしさ」を決めているというのがトンデモだというのはまともな研究者ならすぐわかる話のようだ。中野信子はあまりにも本を流行らせ過ぎた。研究者はもっと積極的反論するべきだろう。

2021-03-15

コロナの長期的影響と「ワクチン打たない」について

https://anond.hatelabo.jp/20210315160051 について、ブコメいただきました。

id:dc42jk

ウイルス感染後数年の潜伏期間を経て発症する悲惨病気もある(麻疹のSSPE等)。ワクチンの長期的副作用が分かっていないのと同様に、新型コロナの長期的影響も分かっていない。新型コロナリスク過小評価しすぎ。

もっともだと思います

この点については、論旨に影響ない程度に文章簡単にするため、新型コロナリスク過小評価して文章を書きました。

当然ですが、より網羅的にフェアにいうなら、ワクチンの方にも同様に、既に統計エビデンス)のあるリスク存在します。こちらも文章から省いてあります

省略なしのリスク記述

同様に、

します。つまり

です。

R1R2なら、人はワクチンを打たないということになります。逆も然りです。

元増田で書いた際は、論旨に影響しないため、Y1とX2は無視して、

としていました。上記ブコメは、Y1無視するのはアンフェアだという指摘で、その通りです(実際にはX2も無視しています)。

論旨には影響しない

元増田で書いたのは、情報収集論理によって明確化できるのは、既知のリスクX1(とX2)についてのみであって、未知のリスクY2(とY1)については、個々人の主観的価値判断になるということです。

したがって、Y2を大きく評価し、結果として、R1R2評価する人がいたとしても、他者がそれを「論理的に」「科学的に」否定することは不可能だし、やるべきではありません。

当然、「R1R2ワクチンを打たない)と考えるのは、X1コロナ感染リスク)を過小評価しているからだ」などという指摘は非論理的です。その個人価値判断のもと、Y2(ワクチンを打つ場合の未知リスク)を大きく評価しているだけだからです。

この結論部分は、上記の省略の影響を受けません。

まりX1, X2, Y1がどの値であろうと、

  • Y2 > X1 + Y1 - X2

価値判断する個人にとっては、R1R2という判断合理的であることは変わらず、

結果として「ワクチンを打たない」という意思決定になります

また、それを他者が「論理的に」「科学的に」否定することは不可能です。

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追記します。

yzkuma 「ワクチン接種ジレンマ」で数理的に議論されている問題リスク値のほとんどが不明なので個人的な正解はない。社会的には打つのが正解なので「自分だけ逃げ切る」という選択肢自分の心が許すなら打たなくて良い。

数理的なんて言われると照れちゃいますね。まぁ足し算も数理ですが。

この点は元増田に書いた通りで、

「全員が免疫を獲得する必要がない以上、統計がないリスクワクチン副作用)を低く、統計があるリスク感染重症化・後遺症)のリスクを高く見積もっている人がいるなら、その人が優先的に打ってくれたらみんなハッピーだよね」という考え方はあっていいと思ってます

flont 反ワクチン思想を持ちながら人には理性的に見られたいという両立不可能欲求が興味深い

元増田に書いた通り、「コロナワクチンを打たない」という意思決定は、いわゆる反ワクチン(既知の科学的なリスク評価自体否定する)と異なるよね、というのが議論の出発点です。

kou-qana 未知部分は掛け算で、その値は未知だから全部脳内妄想で、何を重視しても合理的ということ?うーん、未知部分はとりあえず掛け算しない態度と同程度に合理的…か…よくわからない。

掛け算というか足し算ですかね。

「何を重視しても合理的」というのは遠からずです。他人には口出しできないということです。それを合理的と呼ぶべきかどうかは微妙だと思いました。

frantic87frantic87 打ちたくないから打たないということ?内心の自由としてはそれで構わないけど、それで他者を納得させるのは無理では

極論すれば「打ちたくないから打たない」が認められるべきで、少なくともそれが「非論理的」「非科学的」だという非難おかしいという話です。

個人ワクチンを打つかどうかについて、基本的には、他者を納得させる必要はないと考えています。同居家族等を想定しているなら、そもそも議論がもうちょっと違う方向になると思います

mRNAワクチンについては作用機序科学的に考察すれば長期的副反応はそれほど大きいとは考えにくいけれど、嫌なら嫌で良い。アストラゼネカについては経験的に安全性が高いと考えられるけれど、嫌なら嫌で良い。俺は

まさにこういう議論がありがたいです。書いてある内容に異論はないです。

やるべきことは、未知リスクの部分をなるべく正確に推測するために、状況証拠には何があるのか、とか、リスク見積もりに想定外はないか議論する(または、専門家が適切にその議論ができるよう、社会的環境を整える・監視する)ことだと思っています

残念ながら、ブコメでは、「ワクチンの未知リスクは十分に明らかでないと考えるので、ワクチンを打たない」と表明すると、「コロナ後遺症リスクを低く見積もっている」「集団免疫が獲得できないことが理解できていない」等、別の論点にすり替わってしまます。「知っていることだけで議論したい」「知らないことは議論したくない」「自分意見を信じたい/変えたくない」からですかね。論点がすり替わるため、未知リスク見積もり自体ガバガバのまま議論放置されます

未知のリスク自体をなるべく正しく推測するための議論けが生産的だと考えています

2021-01-22

健康は金で買えないという事実を誰もが無視する

金があれば健康になれるみたいな意見まことしやかに見かけるけど、金そのもの健康に直結するとは思えないんだよな。

私も健康になれるのであればそれなりに金だしてもいいと思ってるんだけど、結構サプリとか運動器具とかレビュー見たり研究報告とか見たりするけど

効能とかろくに調べられてるのなくて、エビデンスどころか下手すりゃ作用機序理論すら無かったりして、金を使うに値する健康促進の商品やらサービスがまぁ存在しない。

健康情報調べれば調べるほど、必要なのは運動睡眠バランスの良い食事、そんなのばっかり。そんでそれを実現するには金なんか必要ないんだよ。

金を使うからには、運動睡眠食事、これら無料健康法を大きく上回るパフォーマンスを期待してしかるべきなんだが、そんなものはこの世に存在しない。

NMNはちょっと気になる物質なんだけど、1錠数千円とかいうボッタクリ価格過ぎて、ろくにエビデンスもないサプリに打ち込むにはあまりにもコスパ悪すぎて手を出せない感じだな。(最近は安くなってるっぽいけど、どうなんすかね)

サーチュイン遺伝子活性化させるだけならプチ断食で良いんじゃね?という感想になる。あとブロッコキャベツ食べておけば良いような。

そしてNMNサプリ買ったからって爆裂に何10万も金をかけただけぶっちぎりに健康になれるかというとそんなことはないしな。キャベツかじってればいい気がする。

金で健康をどうこうしようっていうアホな考え方自体コストパフォーマンスが悪すぎるわけで、健康を良くするには酒タバコ夜ふかししないとか、適度に散歩するとか行動を変える以外に方法存在しないわけ。

それって金持ちじゃないとできないことか?違うだろ。一般庶民どころかワープアでも余裕でできることばっかりじゃねえか。

金がないから不健康になるとか言う都市伝説まことしやかに語るの、いい加減止めてくれないですかね?

Qアノンの人たちとか、反ワクチンEM菌放射脳とかと同じ思考拝金主義とかを必要以上に神聖視するのは何事よりも金こそが重要で金で全てが片付く、といった倫理的問題のある思考の一端のように思えます

そんな下衆人間のような思想ヤバいので、正常な精神状態で金の価値評価できるようになってください。

お金リテラシーある人ですらこの手の勘違いのたまってたりして、健康情弱つら。

世の中は 金で買えない ものだらけ

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