はてなキーワード: 上家とは
メンヘラ極め始めてる。
抗うつ剤も飲んでるのに慢性的にしにたいと口にするし実際何もかも気にせず痛みなく死ねるなら死にたい
私より給料が低くて私より家族に恵まれず、私よりブスな人でも毎日ちゃんと生きられてる。すごい。これ以上収入が減ったら、これ以上家族にクソが増えたらこれ以上ブスになったら、耐えられない。
適応障害で半年休職してるけど、よくならない。職場はホワイトだし上司もめちゃくちゃ優しいのに信じられない。家族も働けとは言わないでくれる。こんなに休んでいるのに私は死にたい。情けない。死にたい。
若い頃に自殺未遂をして生き残ってしまったんだよ。死ぬつもりで飲んだ洗剤も吐き気とともに目が覚めたら病院で胃洗浄されてただ体調を崩しただけになったし、沢山腕を切ってもそれじゃ失血死出来ないことを知っただけだった。飛び降りや飛び込みは片付ける人達にも交通機関を使う人にも迷惑をかける。こうやって気にするから死ねない。簡単に死ねるなら死にたい。
アクリル板の向こう側の人とお互いに声が聞こえにくくて会話しにくいんだよ。
声届くように大声出さないといけないから、むしろアクリル板が飛沫の発生を助長しているんじゃないかと。
この間、新人の歓迎ランチで初めて行った店がそれで、周りも大声張り上げて会話してうるさいせいもあって、お互いに「えっ?、えっ?」ってなって全然会話にならず、打ち解けるためにいったのに全然だめだったわ。
飲食店の「うちの店でクラスター起きて欲しく無い!」って気持ちは十分わかる。やれることはなんでもやっておきたい気持ちもわかる。
でも、よく考えて欲しい。ボックス席に座っている時点で、家族だったり、恋人だったり、友人だったり、同僚だったりで、その店以外の場所でも濃厚接触している間柄だ。
そのボックス席の全員がある時感染したとして、「あの店で飲食した時だ!」と誰が言えよう。
カウンター席の横のアクリル板は他人同士になる可能性もあるからわかるけど、大抵の場合知人のボックス席の場合はアクリル板なくても良いだろ。もしくは、どかせるようにしておいてくれ。
そもそも、このアルリル版含め、ほとんどのコロナ対策がもはや意味ないと思っている(先に言っておくと別にマスク反対派ではないよ)。
このコロナ禍の中ずっと新宿に満員電車に乗って通っているけど、感染したことはない。
ランチも毎日普通に外食してたし、緊急事態宣言中でも社内で飲み会やったり、普通に営業している飲み屋(新宿には結構あった)とかに行ったりしてた。
200人くらいの会社で、みんな同じ状況だけど、これまでの感染者は社内で十数人程度。ワクチン一度も売ってないという人もいるけど、一度も感染してない。
一方フルリモートで家から一歩も出てないという友人が感染した。
2週間以上家から出ず、誰にも会っていなかったので感染経路は不明。
強いていうなら宅急便や出前館とかの宅配の人と一瞬顔を合わせた程度。
つまり人から感染しやすい状況にあるかどうかに関係なく、「かかるときはかかる」というのが俺の肌感の考え。
鳥とか虫とかもウィルス運んでんじゃねっていう。
支障がないならやれることはやったほうが良いとは思う。電車内でマスクしたり、手洗いうがいをまめにしたりとか、やることでそんな困ることじゃなければ。
ただ、外食や旅行、イベントを制限したり、アクリル板で会話しにくい状況を作ったり、2m間隔で並んで長蛇の列を作ったりとか、0.01%(仮)の可能性を減らすためだけにやるべきことだろうか。
もうインフルエンザと同じ扱いでええやろ。
エリアをいくつか絞り、調べたり、聞いたり、実際に現地調査に行ったりしてみた。
学校を見せてもらったり、ブラブラと散歩してみたり、自宅候補の家を見せてもらったり。
そこで感じた矛盾がある。
市街化調整区域とは、「これ以上家を建てるな」というエリアのことを指す。
その理由はいくつかあるらしく、災害リスクが高いエリアだったり、インフラ上の過疎地だったり。
国の方針としては、災害リスクの高いエリアに住むことを推奨していない。
また国としては、今後の人口減少に備え、コンパクトシティを目指していることもあり、インフラ上の過疎地に住むのは非推奨のはずだ。
しかし地方行政レベルでは、そんなのお構いなしに勧誘してくる。
この矛盾はなんなんだろうか?
今は移住ブームと言うが、その中に入ってみると「無法地帯」という印象を受けた。
田舎移住というキレイな言葉の裏では、我先にと移住者を奪い合う構図になっている。
どれとは言わんけどブコメを誤読って言われたから、言いたかったこと勝手に補足しよ。
一生恨むって内容としては「今一番近しく信頼するべきお前が積極的に裏切りを働いたせいで、おそらく死ぬまで続くお前の部分不信と、勝手にフラッシュバックする心理的ストレスを植え付けられたから、私はそれについていつでも謝罪と反省とケアを要求する権利を得ますよ」ってとこじゃない?
謝罪と補償を求める権利を手放すことで自身が楽になれるはずだから他のもので手を打てって言うけど、これから一緒に生活していく人間への不信と、同様の行動が今後も起こるだろう予期不安と、類似状況でフラッシュバックするのが治る代わりなんてそうそう見つからないし忘れられもしないから恨んでるのが分からんかなぁ。
自分だけの体じゃないとは良く言ったもんだけど、その状況でもうやっていけないと離婚するとして、堕胎とその罪悪感だとか、まして関係解消したい奴との子の出産するために身体的負担を一方的に負わされるのおかしいでしょ。
子供の事も考えて表面上家族でいるために、かなり合理的に判断した結果恨むくらいで済ませてるんではと思うけど。
そもそも妊娠出産にまつわる身体的負担の偏りに対して、夫は身重の妻の負担をできるだけ軽くして安心して気分良くいてもらうためにすべきことを考えるところで、まず今回みたいな合理的じゃない行動に出てるの棚に上げてなーにが合理的にだ都合が良すぎるわ、とも思うし。
増田は、それ以外のものを探さないで、そういうものだからと恨みに短絡してる女文化の模倣が異常とか言ってるけど、たしかにそういうところはあるなとは。
よく知らないので教えてほしい。
自分の下家が切った牌を自分の上家が大明槓したが、それが自分のアタリ牌でもあった場合、チャンカンは成立するか?
まあこれは書きながら思ったが大明槓が加カンではない(つまりチャンカン対象ではない?)ことを考えても、チーポンよりロンが優先することを考えても、どちらにしても成立しなそうだな。すまんすまん。ロン優先だ。
すでに2カンツをフーロしてる人に大明槓された場合、サンカンツのパオになるか否か?
これはならなそうな気がする。何を鳴かれるとサンカンツを確定させてしまうか他家には知り得ないから、「責任」は発生しない。ローカルルールで協議すべきところだろうな。
では、すでに白・發をフーロしている人に中を大明槓された時はどうか?
しかしその時点で大三元が確定していたかどうかは他家は知らない。
大明槓したことによって大三元が確定済みだったことが明らかになったわけで、いわばシュレディンガーの大三元なんだけど、この大明槓はパオになるか?
大明槓させた人は大三元を「確定させた」のではなく「確定していることを明らかにした」だけなので責任はないと考えられるけど……。
あ! 中を切ったやつを強制的にパオにする方法はある気がする……。
白發フーロ、中をアンコで持っていて4枚目の中が捨てられた時に、それを大明槓ではなくポンすればパオは確定だろう。
手の内に1枚中が余るが、それは次巡以降に捨てたり加カンしたりすればいい(ポンと同巡で切るのはさすがにチョンボかな?)。
というか、白發フーロしてるところに初牌の中を切るようなやつはパオの刑に処してよい。
なぜかって?俺にも細かい理由はわからんが、とにかく家が余り過ぎてどうにかなってしまっている
空き地は腐るほどあり、それと同等に元新築戸建てや元新築マンションが立ち並んでいるゴーストタウンがそこらじゅうにある
未入居なのに草が生えまくって無残な姿な家が社会問題化し、賃貸にしようにも中古として販売しようにもにっちもさっちもいかないらしい。
2020年は空き家が問題化しているんだろ?そんなレベルではなく、竹林のごとく新品の家が並ぶ綺麗な廃墟ばかりの光景だ
このhttps://anond.hatelabo.jp/20200815153451
エントリーを書いた。
以降のことを記す。
まず、インターネットで調べると、「火葬まで家においておける目安は夏場なら〇日~〇日、冬場なら……」的に書いてあるが、ぶっちゃけ真夏は無理だと思った。
金曜日の夕方に死んで、処置をしてもらい、6時ごろに連れて帰ってきてから、彼女の定位置だったリビングのソファー脇に棺を置いた。
既に土曜には獣臭が臭う!!
②私が少し嗅覚過敏の気がある(現に、夫はかなり近づかなければ分からない、と言った)
以上の理由はあるにしても、保冷剤(特大)を、本人の上と棺の下から当てて、冷房をガンガンに効かせても、次の日の夜には体内からなんかいろんなものが染み出てきちゃってるのか、臭いはした(ので、本人に「ごめん!!」と言いながら消臭剤を棺の横に置かせてもらった)。もし、動物病院での処置がなく、家で看取った場合は、さらに体の傷みも加わってくるだろう。3日以上家にいてもらうなら、ドライアイスは必須だと思う。かかりつけの動物病院に連絡すれば、業者さんを教えてもらえるはずだ。私の場合は、日曜の朝には火葬の予約が取れたのでもう使わなかったが。
土曜日、前回書いた通り、無理くり足型を取って、夕方に花を求めに行く。お盆で、街中の個人商店が軒並み休みで閉口する。駅ビルの中の生花店で、立派な白百合とヒマワリ、あとは隙間埋め用に、「お買い得品」になっていた、淡い色のバラの纏め売りを買う(どうせ次の日には燃やしちゃうわけで)。長さだけ持ちやすくしてもらい(どうせ次の日には以下略)、帰宅。
他に本人に何を持たせるか…と思ったときに、家族写真を持たせようと、LINEでネットプリントに登録し、コンビニで印刷(ただし、業者によっては普通紙でないと一緒に焼いてもらえないようだ。写真用紙にはしないことをおすすめする。どうせ次の日には以下略)便利な世の中になったもんだ。封筒に入れて、彼女の似顔絵を描く。字が読めなくても、これなら分かってくれればいいのだが。
日曜日の朝。棺に、いつものタオル、お花、お弁当(彼女は、『ドライフード原理主義者』とも言うべき、強硬なカリカリ派であった)、封筒を入れる。外は災害級の暑さ。こんな日に彼女を外に出そうものなら、すぐに舌を出して、家に戻ろうとするような陽気だ。
炉が乗った移動火葬車を使うという。屋根のない駐車場がある家なら、出張もやってくれるらしい。そんなのがあるなんて初めて知った。
最後に抱っこしてお別れしてくださいと言われ、なんだか棺から出すのが今まで躊躇われていた亡骸を抱き上げる。冷たくて硬い彼女を撫でて、(マスク越しだが)たくさんキスをする。いつも、チュッチュチュッチュしても何にも文句を言わずにされるがままの犬だったので、冷たくて硬いことだけがいつもと違って、『ああ、この毛皮の中にもう彼女はいないんだな』と思う。でも、そこに姿形がある名残惜しさ。
「またね」と、言った。
1時間ほど、近くで時間をつぶして戻ってきて、暑い中、まだ熱い炉の前で汗だくになってお骨を拾う。業者さんは丁寧に骨の説明をしてくれた。手元に残す用のカプセルには、綺麗に焼け残っていた歯と、しっぽの骨をひとつ入れた。また、骨を形のまま収めるかパウダー状に加工するか決めかねていたのだが、骨のままだと煤などが原因になってカビになる可能性があること、パウダー状にすればまんべんなく水分が飛ぶので長期的な保管状態が良くなる、という説明を受け、今までなんとなく抵抗があったのだが、合理的なさらさらの状態にして骨壺に収めてもらうことにした。
思ったよりももうふたまわりくらい小さな覆袋を抱いて、家に戻る。やっと、リビングの冷房の設定を27度にできる。彼女の定位置の敷物にお骨を置く。
気持ちの区切りがついたと同時に、やっと、寂しさがこみ上げる。もう、彼女はいない。毛皮も、ない。
人間と同じように7日は魂がこの世に残るのだろうか、と最初は思ったけれど、いっそそうでない方がいい。病気だらけの毛皮を脱いで、身軽になって、軽やかにいぬのくにに帰っていくといい。
そしていぬのくにのかみさまの膝にぴょんとして、「たのしかった!」と言うといい。
きっと彼女ならそうするという自信が、私にはある。
ワイ大学二年生!絶賛オンライン授業中!後期もオンライン授業決定!
去年は後期にレポートの提出期限を1週間勘違いしていたもの以外全部単位習得(46/48)したよ!対面授業はちゃんと出るんだよ!だってそれ以外やることないしね!それに高い学費払ってんだから大学の施設使わなくてどうすんだ!って話だよ
これが今まで通りの対面授業だと3つほどで済んでたんだよ!う〜ん多い
夏休み入ったはずなのになんでまだレポートに追われてるの?去年は今の時点で9月合わせの原稿とバイトに集中出来てたよ?
レポートってテストよりしんどいよ 結局出せたのは3つだけだよ
出さない選択をしたのは自分だけど、やっぱり罪悪感とかその他色々が心から離れないよ
軽率に死にたくなってくる
最初は良かったよ!教室だと寝てしまう授業も家だとちゃんと最後まで起きていられたし!楽勝じゃんって思ってたよ
それが6月くらいになると「あれ?しんどくない?」ってなってきたよ
不安な事とかイマイチ理解できないところがあっても友達に気軽に言える環境がないよ だってわざわざLINEするの申し訳ないしね
一日中PCとスマホの画面を見て、夜遅くまで課題をやるから段々眠れなくなっていったよ
そして気づけば昼夜逆転状態になって、授業時間内に反応を出さなきゃいけない授業は出席できなくなっていったよ
あと好きな人の顔を見れないのも地味に辛いよ
3食自分が用意しなくても親が用意してくれる、自分が家事をやらなくても生活が出来るって本当に幸せな事だよ
でも実家に帰らず、静まり返った大学の近くに居続けた友達は精神病院で鬱と診断されてしまったよ
私も4月なる前に大学開始を信じて関東に戻ってたらああなってたのかも?って思うと怖いよ
あと家賃!住んでいないのに6万近くの家賃を毎月払ってるよ!正直もう解約したいよ!もう半年以上家を空けてるから、どうなってるのか本当に怖いよ!虫が沸いてませんように!
というかこんな事になるなら関東の私大じゃなくて地元の国立に行っとけばよかったって後悔してるよ
転職してはや1年。
いろいろ変だなと思いながらもまあ悪い人ばかりじゃないし、
いい事もそれなりにあるので頑張れておりますが、
昨日言われたことは、どう考えても今のわたしでは納得がいかなかったので書いてみる。
弊社は18時が定時なのだが、
なかなかそれでは仕事ない人はとっとと帰りましょう。みたいな空気にならない。
仕事の終わってない人たちを手伝えという強い空気が流れている。
流れている割に、仕事を振ってくるわけでもないし
そもそも常務が帰るまでは帰ってはいけないというふわっとした決まりもある。
早く帰ると「あいつ、もう帰ったよ」と陰口を叩かれることもあるらしい。
ちなみにどんなに残ろうが残るまいが残業代は1円も出ない。
どんなにえらかろうが雑魚だろうが誰一人として残業代は出ない。
そんな感じなので、
帰って良さそうな雰囲気になるのをただ待つだけなのも無駄だなあと思って、
18時以降は勉強することにした。
まあ自分のデスクでやっているので勉強してることはあっさり周りにはバレるわけで。
てゆうか人に知られてやましい事は一切やっていないつもりなので
で、ここからが本題なのですが
わたしが勉強していることを知った上司に、昨日言われた一言がこちら。
「俺は多めに見てやるけど、社長とか常務とかにバレないようにやれよ。
本当はやっちゃいけないんだからね。」
正直多めに見てもらわなくてはいけないような事をしているつもりがなかったのですごく驚いた。
「わたしは常務や社長に見つかったとしても検定の勉強です。といって続けます。
俺のほうがおかしいのか?と責め立てる。。。って程ではないが、
色々言われてしまった。
その上司が言うには、
机も場所も会社の物で、その場所と物を借りて個人的なことをしているんだから普通やったらいけない事。
それが普通の考え方。との事。
勉強するならさっさと帰って家でやりゃいいじゃん。
それやっていいなら18時過ぎたらなにしてもいいってこと?
と矢継ぎ早にいろいろ言われてしまった。
※ちなみに上司も「やるな」って言ってる訳じゃないらしく、
18時過ぎるとみんな喫煙所でだべったり、ネットサーフィンで時間潰してる人たちたくさん出てくる。
その行為と私がやっている検定の勉強は同じことなんだからばれないように気をつけろよってことらしい。
家でやれよっていうのは確かにな。って思う。
でも帰りづらいこの環境で少しでも自分のためになる時間にできないかなって思ったんです。
あと、性格上家だと誘惑が多くてなかなか集中できない気がするので。
人の目に晒してれば嫌でもやるし、検定受けるのやっぱやーめたってことにもなかなかしないかなって。
ちなみにだめな理由は上の人たちがタイムカードの時間見てその人の評価決めてるからって理由もあった。
ちなみに何度もいうが残業代は1銭たりともでません。
そして他の暇な人たちはネットサーフィンしてるし喫煙所で雑談タイムである。
もちろんタイムカードは切っていない。
とにかく、普通の会社って定時外であからさまに勉強するのは一般的にはダメなんですかね。
って思った話でした。
岩手で就職した俺は、何度か転勤をして長野に腰を据えることとなった。
軽井沢という洒落た別荘地の近くに勤務する俺は、独身ながら小さな庭付きの家も購入し、ずいぶんと浮かれていたのだろう。
小さな庭はまだ何も植えられていなく、少し寂しい。何か、食べられるものを植えたい。そう思って先輩に相談すると、先輩は静かに言った。
ラズベリーだけはやめておけ、と。
いつも笑っていた先輩が突然無表情になり放った言葉に、俺は困惑した。どうしてと問うと、先輩は答えてくれた。
奴らは繁殖力が恐ろしい。一度根を張ると、他の植物を食らいつくす勢いで増えていく。何も手をかけていないのに、だ。
世話をしなくていいなんて、まさに俺向きじゃないですか。そう茶化したのだが、先輩は無表情に首を振った。
何だか怖くなり、とりあえず俺は先輩の言うとおり頷いた。
その日の帰宅途中、煌々と明かりをつけている園芸店が目に入った。
軽井沢の店は閉まるのが早い。まだ営業中の店があるのかと中を覗くと、気のよさそうな男が出迎えてくれた。
聞き上手な男に促されるまま、最近転勤してきたこと、ここに住むことを決めたこと。そのために庭付きの家を買った事、園芸を始めようと思っていることなどを話した。
植物を育てる才能に乏しいと笑うと、男は一つの苗を取り出した。それは、ラズベリーの苗だった。
「長野はね、ブルーベリーの産地の一つなんですよ。でもね、ブルーベリーの苗は一種類だと受粉しない子が多くて。けれどね、ラズベリーなら一本でも十分受粉するんです。暑さにも寒さにも、虫や病気にも強くて手間がかからないんですよ」
鮮やかな緑色の葉を持つ細い茎の苗は、どこか頼りなさそうだ。こんな苗が、先輩の言うほどの繁殖力を持つのだろうか。
「ラズベリーの実には便秘解消や老化防止なんかの効果があって、彼女さんにも嬉しい物じゃないかな」
男の言葉に、俺はその苗をかごに入れた。たった一本の苗が、小さいとはいえ庭を覆うことはないだろう。
俺はその苗といくつかの野菜やハーブの苗、それから肥料などを購入して店を出た。
数日後、先輩に家庭菜園を始めたことを報告した。いくつかのハーブをプランターで、季節野菜を庭で育てていると伝えた。ラズベリーを買ったことは、言っていない。
余った苗と共に裏庭にそっと植えられたラズベリーは、他の苗と共にゆっくりと成長している。今年の収穫は無理そうだと思っていたのだが、五粒ほど赤く甘酸っぱい実が生った。二粒ほど腐らせてしまったが、栄養になるだろうと木の根元に捨てた。
それから三年の月日が流れ、徐々にラズベリーの苗は大きくなり、太くしなやかな茎を広げながら実をつける。
記録的な豪雨にも連日の猛暑にも、ラズベリーは負けなかった。ある時は他の植物たちが雨で腐ってしまったが、ラズベリーだけは生き残ってくれた。
よかった、お前は無事だったんだな。そう言って笑ったあの日、なぜ気が付かなかったのか。あれほどの豪雨にも猛暑にも耐えれる植物が、可愛いだけではないことに。
九州の支店、倉庫、取引先に大きな打撃を与えた地震。役職についていた俺は対応に追われ、時には出張で一ヵ月以上家を空けることもあった。
地震が落ち着いたころ、今度は豪雨での被災。度重なる災害の対応に、気づけば五年もの月日がたっていた。
ようやく一息つける状況になった俺は、枯れてしまった庭を見てため息を吐いた。
そういえば、裏庭はどうなっているだろうか。表にある庭は忙しくても多少手入れをしていたのだが枯れてしまった。何も手を入れていない裏庭は、もうとっくに枯れているだろう。そう思って裏庭を見て、俺は驚愕した。そこには、小さな森ができていた。
青々とした葉を茂らせる、木と呼ぶには細い緑の幹。蔦よりも硬くしなやかなそれは、間違いない、ラズベリーの枝だ。ラズベリーが、裏庭を覆いつくすかの如く増殖していた。
一緒に植えていた大葉や桔梗、百合の球根が埋まっていたはずの場所ですら、ラズベリーで覆われている。
震える足で裏庭に降り、俺の肩ほども高さのある茎をかき分ける。
俺が選んで植えた植物たちが、すべてラズベリーに覆われてしまっている。あれも、これも、そっちも、全部全部全部!
ぽとりと、何かが落ちた。それは真っ赤な実だ。ラズベリーの、熟れて腐った実。足元にはいくつものラズベリーの実と、おそらくそれらから発芽したのだろう苗。
一本でも十分受粉する。それなら、これだけの量があればどれほど受粉し、実をつけるのか。足元には落ちた実と、瑞々しいほどの苗。
気がつけば俺は、あの園芸店に向かっていた。俺が店に駆け込むと、男はあの日と変わらず穏やかな顔で迎え入れた。
ラズベリーが育ちすぎていること、実が山のように余ってしまっていること、新芽が次々と出て裏庭が覆われてしまいそうなこと。まくし立てる俺に、男は笑った。
「それの何がいけないのですか。実が余っているのならジャムにすればいい。嵩は減りますよ。冷凍して保存もできます。もし種の触感が気になるのなら裏ごしして、牛乳やヨーグルトドリンクに混ぜて飲んでもいい」
呆然とする俺に、男はそうだ、と手を打った。
「ラズベリーは手をかけてあげないとすぐに拗ねて他の植物にちょっかいをかけるんです。きちんと手をかけてあげてくださいね」
男に送り出され、俺は裏庭に戻った。
放置されたラズベリーは裏庭を覆いつくす勢いで成長している。俺の手には、真新しい剪定ハサミが握られていた。
あの日から六年。恋人もでき結婚した俺は、部下を持つようになった。
賑やかな食堂で、後輩は妻が作って持たせてくれたマフィンを頬張っている。
「それにしても、先輩の奥さんは料理上手ですね。このマフィンも、甘酸っぱいジャムが最高です」
「はは、ジャムはうちの庭で採れた新鮮な果物で作ってるから格別だろう」
「はい!そうだ、俺も家庭菜園を始めようと思うんですけど、なにかおすすめの植物ってありますか?できればあんまり手がかからない奴がいいんですけど……」
「そうだな、色々あるが…………ラズベリーだけは、やめておけ」