はてなキーワード: ノロケとは
俺がすごーいと言われたくてオタク向けの過激な文章を書いたりしてもたぶん元増田はムカつかんやろ
聞いてほしいってことは、すごーいとか良かったねとか好意的な感想を勝ち取りたいわけで、
それがうっとうしいんだよね。図々しいというか。
これが主軸ならオタクの承認欲求文章にも等しくムカつかないとおかしくない?
となると世間からの評価がポイントか?オタク向けの文章を書いても世間的にはあまり肯定されないが
自分は一人でいるのがが好きだし、人恋しさもより煩わしさのが勝つ人間だから、嫉妬じゃなくて。
じゃなんでイラッとするんだろう。
たぶん、頭お花畑のやつが無邪気にマウント取りに来てるのを拒みたいから。
聞いてほしいってことは、すごーいとか良かったねとか好意的な感想を勝ち取りたいわけで、
それがうっとうしいんだよね。図々しいというか。
自分の脳汁欲求を優先する人間を見るとイラつくってことなんだろう。
想像力働かせろやって。
繊細チンピラと言われればそれまでだけど、自分はそういうタイプなんだよな。
こっちからはお前に手出さないから、お前もこっちに入ってくれるなみたいな。
まあでも自分みたいな人間の方がよっぽどエゴイスティックな気もするし、
社会がこういう人間であふれるのはイヤだなって自分でも思うし。
人生って難しい。
非常に面白かったけど、やっぱりというか、
リアルな等身大の女性を描く漫画って、いつも男性の描き方に違和感だらけ。
「能天気で何も考えてない平凡な男」でなければ「王子様のように素敵な男子」か。
女友達の心理描写についてはこれでもかというくらい丁寧なのに、
男については、はっきり言って表面的なことがあまりに多い。
女性はリアルなのに、男性は記号化・パターン化されたキャラクターで描いている。
男性が仕事や人間関係で悩んだり辛い目にあったり苦しんだり悔しい思いをしたり、
男子が描いたら膨大に湧き出てくるはずの情景が全く出てこない。
男子がこんな何も考えていない能天気だったら、自殺率が女性の3倍なわけないでしょ。
もう少し男性の心理描写について、男性が最低限共感できるレベルまで頑張って欲しい。
他にも、別れた男についてはいいところがなく欠点だらけみたいに描くのに、
まず初めに、お気持ちでもなんでも、意味の通る長文を書けるだけでそれは「能力」である。内容がいくら恥ずかしいものでも、長文を書くことは決して恥ずかしいことではない。そして長文を「書ける」能力があることは、「書けない」自分の上位互換である。大富豪で超有名なローカルルールに8切りがある。殆どの場合場を流したほうがお得だが、「流さない選択もできる8切り」があったら、「絶対に流す8切り」の上位互換であることは間違いない。使い所はわからないが。書けるという選択肢は、あって損はない。得はわからないが。
第一に、お気持ちの種がないとお気持ち長文は生えてこない。種があれば2000字くらいはサクッと書ける私でも、種無しでなんか書けって言われてもパンティーって5文字書いて終わりだ。なんでも良い。好きな作品の心にひっかかった展開でも、嫌いな作品の嫌いな一コマでも、どうにかしてぶちのめしてやりたいノロケ増田でも、なんでもいい。何かしらの種を拾ってこよう。やる気があるなら、日々それを貯めておこう。いつかそれが、面白い短編小説になることがあるかもしれない。
お気持ち長文に必須なのが自分語りだ。自分に全く興味のない生きてるのか死んでるのかよーわからん人間でも、「自分がなぜこんな考えを持ってるのか」くらいのことは語れるのだ。ちゃんとした秀才か天才でもない限り、人は何かを「自分が体験したこと」に全てをなぞらえがちな傾向がある。恥ずかしいことではない。そういった類推ができることも、立派な能力だ。わりと誰でも持っている能力であることも事実だが。その誰でも持っている能力が、実は結構他人にとって価値があったりもする。なぜなら、当人が「しょーもない自分のしょーもない体験」と思っていることでも、他人にとっては「その人として生きていないのに、その人の追体験ができる種」になるからだ。自分語りはどんどんしていけ。ここはアノニマスダイアリ、匿名の掃き溜めだ。お気持ち自分語り長文がかければ、お気持ち長文初級編の免許皆伝だ。
ここから中級編。好きなもの、嫌いなものに関して言いたいことは皆様多々あるだろう。全部書くと、ほんとに散漫なお気持ち長"駄"文になる。1つにトピックスを絞ろう。一番好きなところ、一番気に食わないところが良い。それを言いたいがために自分語りも引用もする、ということができると、ビシッと焦点の合ったいいお気持ちが書ける。そして重大なポイントだが、これをタイトルにするんだ。タイトルっていうのは、読み手が「これどういう意味だ?」ってなったときの手助けになる。この暗喩伝わるかな、って思ってもタイトルにヒントがあると意外と読めるし、それを読めた人は文章をちょっとだけ好意的に読んでくれる。読み解けた俺スゲー、が続きを読む原動力になる。これが出来ると、「長文なのにスッと読めた」とか、「この比喩までこだわってるのイイね」みたいなコメントが付き始める。意図して出来たら中級免許皆伝だ。
上級は?と聞かれるかもしれんが、私もまだまだ修行中の身。中級も頑張っているところだ。世界に広がるお気持ち長文の文化、みんなも試していいんじゃないか。
ところで、この文章の書き方は、読書感想文コンクールで無双できる書き方でもあるのだ。本の中でひかかったワンフレーズに対して、あーでもないこーでもないと持論と自分語りをペタペタくっつけていけば、国語教師が花丸をくれるようなものが書ける。そこに社会問題とかでも絡めておけば、ナントカ賞みたいなゴミも貰えたりする。少なくとも、2ページと1行のイヤイヤ書かされた悲惨なものにはならない。何でも良いから書いていこう。
7/7
ブックマークの増加に衝撃を受けました…公開してから2週間ほどブクマ数はゼロでした。
多分誰かがSNSに上げてくれたのだと思います。ありがとうございました。
(以下本文)
後悔している。
今付き合っている恋人のことだ。
別れたい。
相手は22才。もうすぐ23になる。付き合い始めたばかり。同じ会社で働いてる。
綺麗だ。身長は160で、細身でもなければ太くもない。
髪型がおしゃれだ。今時な感じ。「髪が長すぎるよ。垂れてるし不潔に見えるよ」って言ったら、次の週にはセミロングだった。
仕事ができる。初めてのイベント運営でも、一生懸命に仕事をこなした。何十人と並んでいても、受付事務のスピードが落ちることはなかった。たとえ遅くてもちゃんとやってた。
気質が優しい。弾んだ声で笑いながらしゃべる。今時の女の子なんだけど、ちょっと影がある。
この年で人事に期待されている。今は国に対して数億円の補助金を請求する仕事をしている。
ミオはモテる。アタックしている男性社員は少なく見積もって2人。みんな男前だ。人柄もいい。
ミオと早く付き合ってくれよと願いながら、社員食堂で同年代の男と話しているのを見て思う。
俺の話をする。
結婚活動を始めて1年ちょっとになる。30代半ばのリーマン。土木の測量をしている。
婚活は母親に言われて始めた。35になる頃だった。母親に泣かれた。早く結婚しろって。孫の顔が見たいって。いい年なんだから家から出ていけって。
月に6万も家賃を払っているのに、農業だって、親の会社の手伝いだって、町内会活動だってやってるのにひどいなと思ったけど、さすがになと思って婚活を始めた。
マッチングアプリをやり慣れてる人ならしないようなミスをやらかしていた。
・いいねされる数が少ない。月に3人とか
・メッセージは自分のことばかり。返信しにくい。さっき見返して噴き出した
3か月が経って、ようやく会える子が見つかった。テルコとする。
写真がかわいいなって思って、いいねを送って、マッチングして、メッセージが長続きして、会う約束をして、会う前に電話をして、マッチングしてから2週間後に初めて会った。
地元の駅で待ち合わせした。駅の外でなかなか見つからないなと思ってたら、テルコが集合場所を駅の中だと勘違いしていた。場所の詳細を写真で送ったのに。
……駅の正面入口からテルコが出てきた。ようやく会えた!と思った。人生初のデートだと期待していた。
思い違いだった。その子が俺の前に来た時、「あ!?」って思って、唇が歪んだ。
違う人だった。
まず、顔の輪郭が違う。写真では細いのに、本人はなんかもう小倉トーストだった。
マッチングアプリの初心者だった。違う人の写真を使う奴がいるというのをわかってなかった。
テルコ(実物)の顔は真っ黒で、ニキビが多い。髪は長め。身長に嘘はない。確かに170センチある。
「お疲れ様です」と俺は言った。テルコは「どこにいるのかと思いました」と低い声で言った。
それから、一緒に市街を歩いたけど、向こうは俺と話す気はないようだった。常に俺の前を歩いて、話しかけてもいい反応はない。ぶっきらぼうだ。冗談を言うと、「さよなら」「知らないです」「じゃあ帰りましょう」みたいな答えを返す。
我慢して我慢して、候補にしていた店のひとつであるハンバーグレストランに着いた。
店の出入口で、「おごりでもいいし、そっちがちょっと出すのでもいいよ」と聞くと、「どっちでもいいです」って返事だった。「じゃあ千円だけ出してね」と言った。
レストランの店内でも最悪だった。食事が出てくる前はひたすらに携帯電話を触っていた。ハンバーグの定食が出てきた後で携帯を触るのをやめたけど、それでも会話にならない。たまに何往復か続くけど、それだけだ。
1時間もしないうちに会食は終わった。また携帯を触ろうとしていたので会計にした。5,500円だったかな?ごちそうさまはない。
店を出て、テルコは足早に歩き出した。俺のことなど眼中にない。追い抜くと逆に速度を下げる。その繰り返しだ。
百貨店の前の地下階段まで来ると、「もうここでいい!」とテルコは言った。「うん。じゃあね」って言ったら、何も言わずに階下に降りて行った。
帰りの電車の中、「今日はありがとうございました」というメッセージを送ったら、「こちらこそ」というメッセージと一緒にスタンプが送られてきた。
寝床につくとき、ペアーズでテルコの顔写真を確認しようとすると、テルコはどうやら俺をブロックしていた。
何が悪かったんだろうと考えた。1時間は考えたろうか。結論は出なかった。
次の日になって、とりあえずできることを考えた。
テルコをペアーズの運営に通報した。事実として、違う人間の顔写真を使っていたからだ。許されることじゃない。人を騙しているじゃないか。俺以外の人間にもおそらくこんなことをしている。
翌日、運営から、「本人に警告します」みたいなテンプレメールが返ってきた。本当に警告なんてしたんだろうか、実はしてないんじゃないのか?って考えた。前科〇犯になったら初めて警告が行くとか……
反対の考えが込み上げてきた。もし本当に警告を受けたのだとしたら、かわいそうに思えてきた。テルコはどうしてあんな態度を俺に取り続けたんだろう。そういえば、仕事の話だけは頑なにしなかった。仕事のことは話したくないって言ってた気がする。
テルコはストレスが溜まってたんだろうか。だから、あんなことをしたんじゃないか?
と思ったら、可哀そうなことをしてしまったのかな、という感情が込み上げてきた。昨日までは俺以外の騙された人に同情していたのに、この日はテルコに同情していた。
ひとつだけ感情が残った。悔しさ、そして不甲斐なさだ。ふたつあるけど気にしないで。
悔しかった。
チャンス自体はあった。
中学生の時だった。放課後に同級生の子に「家まで送ってよ」と言われた。「1人で帰れ」って言ったら、口のへの字に曲げて瞼を落として、顔が石みたいになってた。今でも覚えている。お地蔵みたいな顔。
高校生の時だった。柔道部の合宿帰りに、先生が運転するハイエースの中で、ゴトウという仲間に「チハヤがお前のこと好きなんだって」と教えられた。ほかの部員も何人かその場に居て、ゴトウの携帯電話のメール画面を覗いていた。
チハヤは、たまに話す程度のクラスメイトだった。小柄でおとなしくて明るい子だ。恥ずかしがりなところがある。よく教室を走り回る。
友達から携帯を渡されて、画面を見ると、「〇〇(※俺の名前)のことが好き。伝える方法があったらゴトウ教えて」みたいなことが書いてあった。
先生のハイエースから降りる時、ゴトウは俺に、「7時30分にチハヤがお前に電話するからな」と言った。
俺は黙っていた。いたずらだと思ったからだ。現に、俺が通う高等学校は底辺に近いところだったので、告白系のいたずらもあった。携帯を所有していない俺は、そのメールの文面はゴトウが作った偽物だと考えた。
でも、友達がいない俺にゴトウはよく話しかけてくれる。それが嬉しかった。ゴトウの言葉を信じようという気持ちが湧いていた。
午後7時30分。電話がかかってきた!クラシックな着信メロディが鳴っている。ゴトウに電話番号を教えてもらっていたので、コードレス電話の着信画面を見てチハヤだとわかった。7コールほど鳴った時に受話器を取ろうとして切れた。
心臓が痛い。どうしようかって思って、ちょっと開いた襖の戸に手をかけて、握りしめて離してを繰り返した。カーペットに落ちているリモコンを足でつついて、炬燵の方まで軽く蹴飛ばした。炬燵の足に当たって高い音がした。
……受話器を握ってリダイヤルした。何コールだったかな?諦めて受話器を置いて、リモコンを炬燵机の上に置いて、カレンダーをボーっと眺めた後で2階にある自分の部屋に帰った。
8時半にもう一度着信画面を見ると、チハヤからの着信があった。あれから4,5分後だった。俺は夕食を食べに離れの家に向かった。それから電話はしなかった。
以後、学校で出くわしてもチハヤの態度に変化はなかった。いつもどおりの低い声で、恥ずかしそうに喋っていた。卒業までずっと、小柄でおとなしくて明るい子だった。
大学生の時にもチャンスはたくさんあった。
当時は気が付かなかったけど、とにかくチャンスはたくさんあった。ぜんぶ棒に振ったけど。
今なら、あれがチャンスだったんだなってわかる。
教職課程の最難関と言われる講義で、半年間一緒に戦った仲間たち。
『みやこ音楽祭』なる学生イベントで、出演者側の芸能事務所のマネージャーや現場スタッフに舐められ、バカにされながらも、当日本番の舞台管理をやり切ってイベントを成功させた。
でも、恋愛はできなかった。できればしたいなと思うばかりで、自分から前に進むことはなかった。相手から来てくれればいいなと思っていた。男として三流以下だ。ナンパに挑戦しているダサい男の方がまだいい。男として優れている。
ここから本題だ。
ミオと出会ったのは、会社のイベントにスタッフとして参加した時だ。
冬にやるウォーキングイベントで、毎年何百人もの人が参加して長距離を歩く。
ウォーキングコースの中間地点(兼昼食場所)にミオはいた。年配の社員と一緒に中間受付用のテントや机を並べていた。
ミオと挨拶を交わす前に感じたことがある――この子は俺よりも格上だ。
まず、気品がある。上品な笑顔に、さらさらとしたロングヘアに、真白のワンピースみたいな冬物のコート。コートの下はジャージだけど、ウォーキング大会の雰囲気に合っている。
この子がいるのは社長の肝いりで作られた部署だ。そこに入社何年目かの女子が入って、会社の威信に関わる仕事をしている。
ひとまず、「お疲れ様です」と挨拶をした。そしたら、ミオの『お疲れ様です』という落ち着いた声とともに、トラブルの話が始まった。
ミオの話によると、休憩場所になっている体育館の照明が点かないという。現場に行くと、奥の方にあるブレーカーが落ちていた。古い体育館なので、普段から切ってあったのかもしれない。
体育館を出て、受付場所に戻って報告を済ませ、ミオと年配の職員との3人でしばらく雑談をした後、本来のポジションである参加者を誘導する仕事に戻った。
それで、1時間ほど経って、昼食をしに戻ったんだよ。そしたら、イベント参加者がもの凄い行列を作っていた。100人以上はいる。初めてのイベントなのに大丈夫かなって思って、サポートをしようとしてテントを覗いた時、ミオの凄さが伝わってきた。
逃げてない。普通の人だったら、そんなに並ばれたら怖じ気づいて投げやりな受付になるだろうに、テンパってしまうだろうに、ミオは逃げてなかった。戦っていた。参加者の番号を聞いて、名簿に消し込みを入れて、到着時刻の記入と出発の説明をして、昼食場所を案内する。
この人は物事に対して本気になることができるんだな、凄いなって感心した。
イベントが終わる頃、参加者誘導の仕事を終えた俺は、ゴール地点の最終受付で記念品を配る仕事をしていた。
残りの参加者はあと半分くらいかなってところで、ミオの存在に気が付いた。今いる建物の入口あたりで携帯をいじっている。手持ち無沙汰らしい。
仕事を中断して、ミオのところに行った。「俺、このイベントやってる部署にもういないし、よかったら〇〇さん(ミオの苗字)、記念品渡す仕事やる?」って声をかけた。「どっちでもいいです」と言われたので、「じゃあついてきて」って言って、仕事の内容を説明して交代した。
それがきっかけだ。
イベントの数日後に、駐輪場でミオとばったり会った。彼女も自転車通勤だったらしい。イベントお疲れ様でしたと伝えあった。
ミオと駐輪場でよく会うようになった。最初は挨拶だけだったけど、お互いの仕事の話とか、経歴の話とか、休日に何をしてるとか話すようになっていった。
ラインの交換をして、1日で数回程度のやりとりをして、食事に行く約束をして、携帯電話の番号を教えあって、実際に食事に行って、次はデートに行って、さらにまたデートに行って……こないだのゴールデンウイークだった。一緒に夕食を食べた帰りに寄った公園で告白した。
嬉しかった。喜びというよりは、これで俺は一歩前進したんだって、一人前に近づくことができたんだって、救いようのない人間じゃないんだって安心できた。
別れたい。
これが今の気持ちだ。
コロナ禍の渦巻く中、ひっそりとデートを重ねた。手を繋いで、体を寄せ合って、口づけを交わした。
あぁ、こんなもんかという感想だった。
デートの最中、何度も冷たい気分になった。ミオに対して何も感じない。
その時、何年も前のことを思い出した。夜の散歩中に野良猫に出くわしたことを。そいつは茶トラで、怖がりで、そそくさと俺から逃げて行った。
でも、そいつを振り向かせたくて、ゆっくりと追いかけた。茶トラはやがて、田んぼの中にある収穫間際の稲の中に入っていった。
しゃがんだ姿勢で、ずっとそいつを待った。指を振ったり、声を掛けたりして、目の前の猫に届けばなと思ってずっと待った。撫でつけるような、不安そうな猫の声が響いている。
……30分ほどが経つと、ザザッという音がした。茶トラは稲の中を縫うようにして出てきて、こちらに寄ってきた。
体を擦り付けてくる猫を正面から抱きかかえて俺は、歩き出した。柔らかい温度が腕に伝わってくる。
同時に冷たい気分になった。
猫がキモい。猫がウザい。さっきまで、この茶トラに懐いてほしい、信頼してほしいって確かに願っていたのに――抱きかかえたところで、俺の中の何かが変わってしまった。
ミオに対する無感情。この猫とのことを思い出した瞬間に、本当の自分に気が付いた。
本質的な意味で、他人に興味がなかったんだ。だから、友達はいないし、恋人も作れなかった。思い出してみれば、他人と会話が弾んだことがないじゃないか。最初は自分から話すけど、段々と何も話さなくなっていって、他人と俺は単なる存在同士になる。
そんな人生だった。
俺は人間に興味を持つことができない。そういう人間なのだとわかった。
でも遅い。俺には彼女ができてしまった。もうすぐ1ヶ月になる。
週に一度はデートをするけど、ミオが塩ビの人形みたいに思えてくる。
セックスしたくない。肌がきれいだとは思うけど、なんだか気持ちが悪い。自慰をすることはできるのに。
ラインに返事をしなくなったら文句を言われた。うざいなこいつって思った。ミオがキモい。ミオがウザい。こんな感情は持ちたくない。
昨日、廊下ですれ違った。あっちは俺をチラッと見るけど、俺は彼女を見ない。
朝の駐輪場。今は、ミオと絶対に会わないであろう時間に家を出ている。
ミオと別れたい。
どうしたら平穏に別れられる?
増田の人、教えてくれ。頼むよ。
ミオのために。
茶トラの猫は家に持って帰った。今も飼っている。
後日の話
https://anond.hatelabo.jp/20200708194035
そうだね。うんちだね泣
助言ありがとう。あなたの言うとおりだ。全力を尽くすよ。目標は来月中。
助言ありがとう。男に性的な興奮はしないんだよ。たぶん俺は人間が好きじゃないんだと思う。
幸せな方だとわかっている。本当にきれいな子なんだよ。俺はまともな人間じゃないけど、まともな人間に擬態することができる。人生で一度はノロケてみたい。
彼女金持ちなんだよ。すごくお金持ち…苗字がすごい。めちゃくちゃ難しいうえに普通読みが不可能。
明らかな嘘はつきたくない。つかない。でも、あなたのアドバイスで気が付いたことがある。助言ありがとう。
先週、伝えた。怒った顔をしてた。すぐに辛そうな顔になったよ。なんて言っていいかわからなかったけど、話し合いを続けた。それはまた追記する。コメントありがとうございます。
それは間違いなく違う人なのです…
私は異常なんだと思う。普通の人は、性格いいし綺麗な子と付き合えたら幸せな気分がドバドバと湧いてくるんだよな。俺にはそれがない。それが治ったら治療完了になるのかな?
ググったよ。近いかもしれない。もっと勉強してみる。コメントありがとう!
別れないことにした。ミオのことが気持ち悪いという感情は今でもある。でも、ここで諦めたら駄目だと思った。最低1年は続けてみせる。