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はてなキーワード: 経済問題とは

2021-12-14

戦争が起きる原因って大体は経済問題でしょ

国内で食い詰めて海外侵略するしかなくなるっていう

戦争を止めたいならば格差拡大政策をやめろって事になる

戦争が起こるメカニズムを真面目に分析なんかしたら

大体は貧困による経済問題資源の不足、国威高揚によるナショナリズムの植え付けと排外主義の台頭なんかになるので

戦争はいかに悲惨かなんて話ばかりをしていてもしょうがない。」とか言ってリアリストを気取っている人達にとっては不都合な事になりそう

2021-12-08

https://anond.hatelabo.jp/20211206233434

結果的にそうかもしれんが、もともと生活に余裕がない状態から健康的な生活投資できないし結婚にも至れない。

経済問題

2021-11-07

anond:20211107225219

から悪いけど離婚おすすめできないわ。

家事じゃなくて長時間労働からくるストレスが原因だから離婚しても解決せず両方が落ちてくだけだと思うよ。

実際のところ転職か配置換えを検討して、どっちかか両方の労働時間を減らすしかない。

子供もいないかすでに30代なら多くても一人しか生まんだろうし、収入減らしても経済問題はそう発生しないはず。

2021-09-07

山田太郎の意義を忘れたオタク表現規制高市早苗

表現規制に関してオタク山田太郎以前の自分たち山田が出てきた意義を忘れている。

また、オタクがわざわざ表現規制派の議員に惹かれ、彼/女らを支持するという問題がある。この構造説明する。

 

山田太郎以前、二次元表現規制問題オタクは強い党派性駆動された言動をして人を遠ざけてばかりいた。

具体的には自民党の中でも二次元表現規制に前のめりな議員を支持して反表現規制で実績のある野党議員攻撃する、内紛、と云うより粛清を繰り広げてしまっていた。

オタクの中にもこれらに異を唱えて社会性と利益客観視を訴える人は居たが忽ちにパージされ、またその粛清動機や行動が幼稚なので周りの人らは呆れて散逸してしまう。これをずっと繰り返して反二次元表現規制活動は何も成果を残さなかった。

元々社会性が比較的低い界隈で、「反オタク反日」のようにアイデンティティ社会観が至近距離で両者間に経験が無い、特に社会性が無くて幼稚な人が支持を集めやす攻撃性が高い。自我が傷つけられそうになると防御モードに入ってアイデンティティ世界観の固持に入ってしまう。

製作で喰っている人間も「そんな政治家支持すると食っていけなくなりますよ」と説得されても「自分より日本の方が大事だ」とかの話になってしまう。それは自分国家を直結視させる、社会性の低い人を釣る活動をしているからで、カルト合宿セミナーに参加したみたいな状態だ。

 

こんな状態の所に現れたのが山田太郎で、「表現規制世俗化」を行った。内側から理路整然と表現規制の各種問題を説いたのだ。特に優れていたのが熱心なフォロワー達で憲法上の権利法益、などの自己社会との回路を示して回っていた。実は法学教養的な意味は法文の暗記ではなくこういうリーガルマインドにある。世俗化とは神を殺す事であり自分世界は違う事、その疎外を意識する事だ。

山田の登場で何も生まなかった反二次元表現規制界隈は目を見張るほどの変化を遂げ、リーガルマインドに基づく表現規制問題論議される土壌が出来つつあった。少なくともアイデンティティリブンな人によるパージが横行するのは抑えられていた。

 

オタク自民党の中でも表現規制派の議員を支持してしまうのは「憲法教育表現規制三点セット問題」による。

90年代までの自民党世襲族議員世界でそれ以外の外様が入り込んで活躍する余地はない。一方自民党神道関係ニッチ右派老人固定票を持っており、そこにアピールするのに使われたのが憲法教育表現規制三点セットだった。これらの特徴は前提知識が不必要である事で、経済問題や業法、国際問題となると知識経験必要で、そのアピール先の有権者もそれらを持っている。

憲法問題は今では左派憲法論の前提知識自民案に反対しているが90年代はそうではなく「憲法リベラルで良いことが書いてある本」という扱いで、憲法の名宛人が国家という事すらあまり認識されていなかった。故に憲法法学の中でも微妙な扱いがされていたのである

三点セット議員の言う事はこの「良い事」の羅列を保守的な羅列に変えただけで、それでニッチな票田にアピールしていた。これは最初は「敢えて」だった。

 

三点セットの結果を見てみると:

憲法改憲派の先鋒だった小林節パージ2012年に「良い事」だと思うことを羅列した三点セット憲法案。論点を「憲法国民義務が無い」事に設定。

PKO派兵等で9条限界に至った時に改正をする運びで20年以上活動してきたのに東スーダン問題国民改正議論を訴えずに政局の為に隠蔽を指示。しか自衛隊に後ろから刺される。

教育道徳を教科化して学習時間を削る。日本大学地位地滑り

表現規制法益ではなくアイデンティティに基づいたニッチ有権者扇動議員立法

と碌な結果は無い。

議員立法の評価を下げているのも三点セット議員の特徴で、閣法に比べて議員立法が廃案に成り易い原因を作っている。

皮肉だが、それによって二次元表現規制法案が取らないという効果も発している。彼らの無能な働き者っぷりが表現規制法案ブロックしているのだ。

オタクはその社会性の弱さから三点セット議員の票田となっているのである。その循環を止めるには社会性を上げるしかない。

リーガルマインド啓蒙によって表現規制問題に限り疑似社会性、自分社会の疎外とそこから発生する知恵を撒いたのが山田フォロワー達だった。

 

山田自民党から立候補した時に支持者の間で蝶ネクタイマーク(機種依存入力不可)を入れるのが流行っていたが、これは結構危ういというのが判るだろう。支持表明からアイデンティティへの傾斜が大きくなると山田以前に逆戻りだ。

現在自民党総裁選で二次元表現規制派の高市早苗立候補していて「オタクはどうするの」という問題提起がされている。高市は三点セット議員オリジンだ。

オタクが昔と同じアイデンティティリブンの行動やパージを繰り広げたら、山田フォロワー達が耕した黒い土壌は実を結ばなかったという事になる。

2021-09-06

インテリの殻に閉じこもった共産党評だなぁと

ちょっと話題のこのnoteなんだけど

https://note.com/dadasp/n/nf0deab7c28e4

 

純粋住宅地には無いだろうが、工業地帯住宅地の隣接地帯、古い商店が点在するくすんだ住宅街商店町工場なんかに共産党ポスターが貼ってあるのを見ないだろうか?

個人商店自営業町工場っていうのは30年前は自民党ガチ票田だったんよ。その票田を共産党が奪取してるって事なんよこれは。

この人はそういう変化を見てないんじゃないの?給与生活者で綺麗に計画された住宅街に住んで上辺の知の世界に生きてるだけなんじゃ?

 

票田かっ攫うって言っても自民党支持者が甘言だけで革新に転ぶわけがない。困窮した時に救済制度を知っていたり行政との橋渡しが出来なきゃ信頼されない。それ以前に経営に就いて理解していなきゃ話も聞いてもらえない。

その背景には90年代金融の再編があって、不良債務を抱えるリスクを減らす為に銀行中小零細の債務ノンバンク子会社に付け替えてる。銀行から借りてない会社なんて経済的信用が無いって事だからそのせいで取引先も減ってしまう。まともに扱われてないのだな。

なのに「革命が」とかいつまでも浮ついた事言って「地べた這いずって生きてきた人たちのほうがよっぽど偉かったよ」とか言ってる。自分が地べたはいずりゃいいでしょが。

ATMで金下すだけで今は銀行がただで両替してくれないとかも知らないんだろうな。ただで両替しないのは店舗経営者が客じゃなくなったからだ。

 

ずっと以前は共産党は悪しき前衛主義頭でっかちエリート組織だった。東側陣営崩壊後、宮本顕治失脚後は党勢を維持できずに無くなるだろうと目されていた。都市部給与生活者環境問題などに軸足を動かした新左翼が生き残ると思われていた。国鉄解体でもJRに参画出来たのは転向した嘗ての超急進派の革マルで穏当な日共系はパージされるという憂き目にあった。

だが実際には党勢が風前の灯となっているのは新左翼政党となっている。何故か?

それは小泉以降の自民党が「改革的でイデア的な」な世界観の競合となっているからだ。ゼロ年代に帳簿も読めないどころか複式簿記も知らないのにやれ金融M&Aだと言い立てて経済通の気分に酔うのが流行ったが、あれと90年代社会党の気分は似ている。競合関係なのだ

文中で出てくるキクマコ先生はその判りやすい例で、アベノミクス素養の無かった経済問題に触れるや「社会の全ての事象設計的に読めるように」なり、「全ての事象評価軸」を得てしまった。それでその中から出て来なくなったんであるキクマコ先生がこうなったのは彼がリベラルだったからに他ならない。世間知らずさがその本質主義担保している。私だってこういう風になった事はあるが普通は18~20歳あたりで通過するものだ。

こういうのと競合しない路線を進んだので共産党ニッチを得た。

 

から大家なんかに自民党共産党交互に投票する人もいる。普通にいる。ここにもいる。

健保保険料わず病気になった店子の面倒みて貰った先生に入れて、冠婚葬祭に来てくれた先生に入れて、とそういう感じだ。

 

筆者とキクマコ大先生はシラケ世代還暦なんだろうがアリバイ自覚はあるのに自分が殻に入っている事も気づかないのだな。

氷河期世代は逆にこの先自分が、自民党がどうなっても同じ心持で自民党に入れるんだろうな。

私は「出来合いの街だけ歩くな、足元を見て歩け、ポスター字面の奥を見ろ」と言うよ。

2021-08-02

アンチ新自由主義」くんのまとめ

本気か?

2021-05-01

弱者男性12年前の最前線から語る

 男性が常に強者で勝者であるとするならば、あの真夏なのにエアコンなんてものはなく巨大扇風機が生ぬるい風をだらだらと放出し続ける倉庫で、全員時給1000円で集められた日雇い現場で、女性にはビール段ボールベルトコンベアの上で景品を貼り付ける仕事があてがわれ、男性にはびろんびろんに伸びきったまさに言い訳程度のコルセット安全靴を装着させた上で、ビール350mlが2ダース入った段ボールを上げ下げする仕事があてがわれた思い出はどう処理すればいいんですかね(挨拶)。

 むろんこの場合女性を憎む……のではなく、日雇いという弱者同士で連帯してそこでボーッと突っ立ってる監視役の倉庫社員をぶん殴る……のでもなく、倉庫社員とも連帯してサントリーを誅して社会主義革命を起こすのが唯一の正解であることは皆さん御存知の通りである

 さて、この増田では2009年出版された澁谷知美平成オトコ塾―悩める男子のための全6章』の内容を紹介する。澁谷は上野千鶴子ゼミ出身であるようだが、いわゆる「フェミニズム」的なテーマではなく、『日本童貞』『立身出世下半身』などを出版している、個人的に信用している書き手である

 目次は次の通り。

第1章 その「男の友情」は役に立つか?

第2章 「僕がキミを守る!」と思ってる?

第3章 非モテはいかにして生きていくべきか

第4章 暴力はなぜ、いけないか

第5章 包茎手術はすべきか否か

第6章 性風俗に行ってはダメ

 2009年の本で、いま論じられているテーマの大体が既に出ていることに驚くだろう。我々は弱者男性問題それ自体だけでなく、議論12年でほとんど進んでいないこともまた嘆くべきだろう。というかこういう話になると非モテ論壇とか言って侃々諤々やってたのが昔のはてななんだよな今の新参は昔のはてなを知らないから困る。失われた10年……。

 それはともかく正直、456章はそれまでの言ってきたことと関連性が薄く、また前の章ほど爆発的に面白いわけでもないので、言いたいことはわかるのだがこの本にいるか?という感じはする。なので、とりあえず3章から見ていくことにする。

 3章の冒頭でいきなり研究者としての特大のお気持ちドロップされていて面白いので少し長くなるが引用しておこう。

ヘテロ男性非モテ現象だけを扱うというと、必ず来るのが「ヘテロ女性非モテの方が、あまり苦しみが言語化されないだけに問題が多い。なのに、なぜあなたヘテロ男性非モテを扱うのか」という反応です。世の中には、Aという現象を扱う人に対して「A以外も扱え」と指摘することがエライのだ、これこそ目配りというものだ、と思う方が多数存在するみたいで、かなりの確率で前述のような発言出会います

が、そういう発言魚屋に対して野菜を売れと主張するに等しい。非モテ女子の話がそんなに重要なら、重要と思う人がすればいい〔澁谷注:私もいつかはしたいと思っていますが、「非モテ女の話の方が重要だ!」って言う人はどうぞお先に。止めませんよ。〕。それに、その手の話が見当たらないということは、苦しみがそれだけ大きいことを表しているのかもしれませんが、苦しみの不在を端的に表しているだけかもしれません。有力な傍証でもないかぎり、言語化されていないということから苦しみの有無を推定することはできないという、当たり前の事実も指摘しておきます。(p.75-76)

 「女性問題を扱え」といちゃもんつけられたことが一度や二度ではないのであろうことが怨念の籠もった書きぶりからわかる。まあ、それは12年後のネットを見ていてもよくわかるところで。

 男性について語れば女性の方がつらいか女性について語れと言われ、女性について語れば男性の方がつらいか男性について語れと言われる。もういい加減そういう「やってる感」を出すための100字ですら余るようないちゃもんはやめにしませんか。お前がやれ。俺もそいつもやったのだから

 澁谷は非モテを3種類に分類する。

[a]恋愛したくてもできないタイプ(内発的非モテ

 a-1 性的存在としての異性との関係性を欲しているタイプセックスをしたい、「女性」の存在に癒されたい)

 a-2 とにかく他者承認を欲しているタイプ(オレを認めてほしい!)

[b]「恋愛」をしたくないタイプ(外発的非モテ

 「恋愛」を押しつけてくる世間や、いま現在恋愛」と呼ばれている行為の中身や、それを統制するルール等々に違和を感じているタイプ(p.90)

 この分類に対して何か意見を言うことは誰にとっても容易であり、それは分類表の絶えざる細分化を招くだろう。むろんその行き着く先は完全に無意味な、総人口分のパターンである。だから、ここでは非モテ男性に最低でも三種類ある、という点を強調しておくことが必要だろう。

 男で、かつ非モテ、という狭く見えるテーマに絞っても最低これだけのバリエーションがある。そのことを非モテ男性当人達ですら大抵わかっていない。aのタイプ非モテ男性が「今すぐ女をあてがうべき」とまでは言わなくても「女をあてがってくれると嬉しいのは確か」ぐらいに思うことは自然であるが、bのタイプ非モテ男性から見ればまったく話が合わず、「非モテの中でも過激野蛮人」と感じられることだろう。それをきっとaは「すかした奴だ」とか「きれい事を言っている」とか感じるだろう。まして女性受け手場合さらに混乱が深まるだろう(男女の非対称性については後で論じる)。

 澁谷は当時の主流であった「経済的問題解決すれば結婚は増える」「機会をつくれば結婚は増える」といった主張を論駁し、「フリーター論壇」が経済について述べたフレームワーク非モテ問題スライドさせることを試みている。その過程で澁谷は「あてがえ論」について、2009年の時点ですでに考察している。

非モテ問題場合、これ〔若年労働者問題におけるベーシックインカム〕を「ベーシック異性」によって解決する発想がありえます女性をもれなく男性に分配する制度です。(p.95)

 澁谷はこの論が全くの荒唐無稽でないことを、19世紀半ばの宗教的コミュニティ、オナイダコミュニティを例に挙げ示すが、結局現代においては不可能であろうと言う。

当然のことながらこれを現代日本でやることは不可能です。「分配」される側の女性の中には、どうしても相手のことが好きになれない人が出てくるでしょうし、男性つがいになりたくない人だって居ることでしょう。そうした女性男性との共同生活セックス強要するのは、現代日本常識においては、「人権侵害」となります

もちろん、男性にとっても全く同じことが言えますあなた好みの女性あなたのもとに「分配」される保証はありません。〔…〕「なんであいつには美人が来て、おれのとこにはそうでないのが来るんだ!」なんていう新手の「格差問題」も生じるかもしれません。(p.97)

 この「格差問題」という未来予測面白い。「チェンジ」なんて贅沢は、限られた資源女性)をやりくりしないといけない政府が許すはずもない。チェンジOKをうたう風俗でも2回目以降は有料だったりするのだから

 個人的にはこの例示こそ「あてがえ論」に対する何よりのカウンターであると感じる。仮に「あてがえ」とガチに主張する人がいたとして、その人に人権を説いても馬の耳に念仏だろうが、こっちの懸念は聞いてくれるような気がするのである

 澁谷は続いて、経済問題における社会保障にあたるものとして、思想セーフティーネットの構築を提唱する。まあそれ自体は正しいと思うのだが、本田透電波男』における主張ほど面白いものではないのでここでは省略する。『電波男』を読め。

暴力的だったり、女性にたいして思いやりがない場合のぞき、ある男性女性から選ばれないのは、その男性のせいではありません。女性にとっての「よき男性像」が特定の偏り――収入学歴一定以上あり、ある水準以上のルックスをしていて、会話が続く――を見せている限り、そこに当てはまらない人や当てはまろうとしてもできない人が出てくるのは当然のこと。それは、男性陣が特定の偏りを持った「よき女性像」を持っており、そこに当てはまらない女性非モテ女性)が出てくるのと同じことです。(p.100)

 おそらくこの記述で多少救われる人もいるに違いない。KKOは来世に期待するしかないが、それはあなたのせいではない。

 ただここで考えたいのは、「暴力的だったり、女性に対して思いやりがない場合」をしれっと除外している点である。そんな男でも「女をあてがわれた」のがかつての日本社会であったことは、澁谷も指摘している。

とはいえちょっと脇道にそれますと、「分配」の方法は問わずに「男性にもれなく女性がくっついた」という現象だけを切り取ってみれば、それに近いものを一九五〇~六〇年代日本に見出すことができます。当時の男性生涯未婚率(五〇歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)はわずか一%台でした。九八%の男性が一度は結婚したことがある、つまり女性を「分配」されたことがあったのです。

何故これだけ広範囲の「女性の分配」が可能になったのか。「男女とも結婚して一人前」という社会規範が強かったこともありますが、なにより男女の経済格差が今以上に大きかったことが上げられます

この時代、一部の職種を除いて、女性が一生続けられるような仕事はありませんでした。有名企業就職できたとしても、当時は、女性にの適用される「三〇歳定年制度」によって追い出されてしまったのです。一方、男性には安定した仕事がありました。給料は毎年上がり、先の見通しも明るい、なんといっても高度成長の時代です。(p.97-98)

 ちなみに本書では2005年男性生涯未婚率15.4%という数字を引いているが、2020年には23.4%になっているらしい。

 それに加えて、上で述べた加害性が必ずしも本人の責任ではないということも、90年代以降の精神医学社会学が明らかにしてきたのではなかったか

 とすれば、KKOのみならず、KKKOキモくて金が無くて加害性があるおっさん)もまた、必ずしも本人のせいとばかりはいえず、社会包摂すべき、という話になってくるかもしれない。その際には「ラベリング」「過剰包摂」など、社会学障害者ホームレスなどについて積み上げてきた知見を生かすことができるだろう。というか、福祉現場の人たちはいまもKKOだけでなくKKKO社会の内側へと復帰させるべく頑張っているのではないか

 なぜ、おっさん問題なのだろうか。あるいはより学術的な言い方をするならば、非モテはなぜ男性問題になるのか。本書はその問いに直接的に答えてはいないが、ヒントは与えてくれる。以下は1章のはじめの方の記述である

皆さんは、なーんか気分が晴れない、ってことありませんか? あるいは、漠然とした不安があるとか。原因不明の体のだるさがあるとか。そういった不快状態、つまり精神的に健康で無い状態を「ディストレス」といいます。そのディストレスが、独身男性と既婚男性とで、どちらが高いかを測った調査があります。〔…〕結果は〔…〕二八歳から七八歳まで、どの年齢層においても既婚男性のディストレスのほうが低かったのです(稲葉昭英「配偶関係精神健康」『日本男性心理学』二〇〇八)。男性にとって、そばに異性(=妻)がいる人生は、いない人の人生にくらべて、ハッピーなようです。(p.15)

 澁谷はディストレスと妻帯のどちらが原因でどちらが結果かはこの調査からは分からないと述べるが、続いて妻に感情を見せることによって、夫が精神的に健康になっていくことを示す調査引用し、「つまり女性と一緒に暮らすことがディストレスを低くすると考えるのは、間違っていないようです」と一旦の結論を置く。そして次のように続ける。

ならば、男性女性から精神的なケアを引き出している、といえる。「女性だって同じことでは?」という反論に答えておくと、女性独身か既婚かでディストレスに大きな差はありませんでした。〔…〕統計的な傾向でいえば、男性精神健康女性存在は欠かせないが、その逆はない、ということです。(p.16)

 この下りはまったく読んだ記憶がなく、今回読み返して一番驚いた部分である増田の実感としては「男がいないと鬱病になって死にそうな女」はよくいるが、その逆はあまりいない印象であるが、それはどうやら必ずしも正しくないようである(むろん男がいる=結婚ではないとか、ディストレスが高い=鬱病になって死ぬではないとか、そもそも元の調査やその読解がどうなのか、とかは考えなければいけないだろうがそれはそれである)。

 上の論述は、女性強者弱者フェミニストフェミニストを問わず)による「女に頼らずに男同士の友情で満足すればいいじゃん(私であればそれで満足するのに)」という主張が、必ずしも的を射ているとは言えない可能性を示唆している。もちろん逆もしかりで、「男性夫婦になれば女性だって幸せになるはずだ(俺のように)」という男性の主張が間違っている可能性も同時に発生している。

 ここに性にまつわる問題の隠れた難しさがある。「相手気持ちになって考える」ことと「相手気持ちになって考えたつもり」を区別することは、専門家であっても難しい。さらに加えて、先に述べた非モテ男性の三分類といった差異も隠れている。とにかく、話題への参入障壁が低い(男もしくは女であれば誰でも一家言持っている)わりに、トラップが多すぎるのである。これが2009年から今に至っても議論が終わらないし前に進んでもいない一因だろう。

 こうした非対称性が発生する原因として澁谷は、現在社会において女性男性より相手の話をよく聞くように育てられており、それに対して男性競争的に育てられていることを挙げている。その結果として男性女性に癒やされているし、女性女性に癒やされているのだろう。

 一応言っておくとここで澁谷や増田は「男性と違って女性は人を癒やすべきだ」とか、まして「男は働いて女は家にいるべきだ」とか主張しているわけではない。ただ、そういう傾向がいまの社会にあるようだ、と言っているだけである。それを望ましいとか望ましくないとか考えるのは社会科学の領分ではない。「〈こうであるから〈こうであるべし〉を導くことは不可能である」(ウェーバー)。

 12年後のいま、澁谷の主張に触れると、多くの部分はそのまま現在に流用可能であると感じる。しかし、目配りが足りていない部分もある。おそらく澁谷は包茎手術と高須クリニック関係よりも、男性における経済的問題について語るべきであっただろう。「女はホームレスにならなくて済むからいいよな」「いや危険から女はホームレスになれないのだ」「それでも事実として死ぬでもホームレスになるでもない選択肢がある女は恵まれている」云々のあれである。むろんそれは今だから言えることであるのだが。

 それでも増田が望んでしまうのは、そうした議論が両者ともにマジでクソだと考えるためであるホームレスと実地で接しろとは言わないからせめて、ホームレス女性は本当に少ないのか、少ないだとすればホームレスになるはずの女性はどこへ言っているのか、それはほんとうに「恵まれている」といえるのか、といった事実についての認識は両陣営ともに共有すべきであるし、その時点で認識差異があるならどの点で異なるのかを明らかにすべきである

 そうした仕事を澁谷が12年前に済ませてくれていたら、と思う。思うのだが仕方ないことなので、現在を生きる我々がやるしかあるまい。というところまでは澁谷の背中に乗って増田が到達させたので、ここから先はお前の仕事だ。頑張ってください。たまに手伝いに行くかもしれない。

 

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追記

 バズったので宣伝します。狐火という、この記事や通念における弱者男性というカテゴリーからはみ出す部分はありながら、それでも弱者男性であることを納得せざるを得ないリリック10年以上紡ぎ続けているラッパーがいます。売れろ!

27才のリアル狐火(2010

https://www.youtube.com/watch?v=tmJBGEFXOvU

勇気が欲しい

特に上司が活発で生意気な年下でも

余裕で頭を下げられる

勇気が欲しい

月給25万以上社保険出来ればジムの割引券も欲しい

採用面接から働いている自分想像してネガティブにならない

勇気が欲しい

けど、本当は1つの事を信じて続ける勇気が一番欲しい

31才のリアル狐火(2013)

https://www.youtube.com/watch?v=MRLXZGylQRg

チューチュートレインの一番後ろでしゃがんでるだけの人生でいい

絶対こんなはずじゃなかった

オレこんなはずじゃなかったんだよ

上司に怒鳴られトイレで叫んだ

あんたらステージ上じゃ無力だ」

36才のリアル狐火(2019)

https://www.youtube.com/watch?v=loWcv5VEObM

よく聞かれる

「もし音楽成功したら、サラリーマン気持ち

歌えないんじゃないですか?」

サラリーマン気持ちを歌いたくて音楽を始めていたならどれほど楽だったか

37才のリアル狐火(2020)

https://www.youtube.com/watch?v=z1J8BbnBLyQ

27才までに見ていた夢は全て叶った

生意気な年下の上司はオレのファンになった

2021-04-10

弱者男性問題経済問題

なんで弱者男性問題が発生したのかって、それは経済問題であり、いわゆるネオリベ政策が推進されたから。

ここを抑えてない人が多い。

具体的に言うと竹中平蔵政策が発生してからである

草食系男子問題になったのもそのせい。

結婚なんかできない。自分で生きるので手一杯」って社会になったからだよね。

から貧困問題であるということを、「非モテ問題」にすりかえている。

「女をあてがえっていうのか?」と言い出すのは大きな間違い。

非モテは結果であって、原因ではない。

原因は、低賃金長時間労働残業代不払い、労働者権利基盤の弱体化などなど、労働問題で、中間層労働者恋愛に金を使えない貧困層に転落したことにある。

でも、その現実高学歴差別問題大好き人間たちは認めたくないんだよね。

自分タワーマンションで高級外車を乗り回しつつ、「差別は許せない」という人間たちにとって、「経済格差はむしろ歓迎すべき事柄」なんだよ。

貧困層の労働者が増えることは彼ら彼女らにとっては自分たちが勝ち組足るための必要条件だ。

から非モテ問題」にすり替えている。

社会欧米化たから、欧米格差社会日本に発生したとも言えるけれどね。

2021-04-04

弱者男性が本当に主張すべきこと

追記 : この増田が本当にぶらさげておくべき増田

https://anond.hatelabo.jp/20210405201511

みつかったのでトラバしておく、こういう提言必要なんじゃないか

---

珍しくidつきで返答されたんで反応してみる

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20210404015826

(話はずれるがはてブは返答するのに不便なインターフェースだな)

 

ここ最近非モテ論のなかですもも https://twitter.com/sumomodane を中心とした「女をあてがえ論」が主流になってる気がしてるんだけど

10年くらい前はもっと非モテ孤立して個人主義だった気がしててこうコメントしたんだよ

救われるべきだと思うけどその解決結婚ではないとは思うんだよな。アニメ見てバ美肉楽しんで精神的充足を得る社会はいかんの?

そのブコメへの反応として、独身にも控除をよこせというのはよくわかるんだけど

フェミ攻撃してきたから反撃してるというのがちょっとよくわからなくて、

であればこうやって反撃するとフェミぐぬぬって言って引きさがるのかって言ったらそうはならんだろう

最終的にどうありたいのか主張しないことには先に進まないだろうと思ってどうしたらいいのかを俺なりにまとめてみた

 

結婚したい人間結婚できるようにするには

 

結婚というより最終的には自分遺伝子を持った子を後世に残したいとかそういう話なんだろうか

結構なことだ。俺にはさっぱりわからんけど社会的には俺よかよっぽど適応している人間なんだろう

 

なんだけどその解決策が

https://anond.hatelabo.jp/20210404144414

こんな風に「昭和の一時期に戻す」になるのは勘弁してほしい。そうなると俺みたいな人間は再び親元に戻されて

支配されながら介護して暮らすような未来しか見えない

が、例えばこんな感じで活動するんなら納得する

 

女の上方婚、男の下方婚生物本能として手がつけられないと思う

であれば、それを是正するのは社会だ。これが「男にだけ資金援助しろ」だと差別だけど

下方婚したくても経済的理由でできない人間結婚相手が下方になるまで資金援助しろ」なら目的に援助しているので差別ではない

意思があれば女も下方婚して援助を受ければよい

 

中国嫁日記井上純一とかがヒントになってる

結婚したくてもできない原因が経済的問題じゃなく性格問題であれば、マッチングの機会不足でしかないと思う

そう考えるのはマクロ的な理由で、世界中非婚化が進んでいる原因が人格だとした近年人間人格悪化しているという話になるからだ。そんなバカ

というわけで機会さえ増やせばうまくマッチできる男女が増えると思うんだが、ここで問題になるのが偏見

から国際結婚日本国籍を狙って粗悪な人間結婚しにくると言われるし

からは金にものを言わせて嫁取りをするつもりだと言われる

両方とも、お前らいつまで日本が豊かな国だと思いこんでるんだ。正直周辺国と比べて平均賃金も大して高くないぞ

この条件で結婚したい人間は、やっぱり本国だけではマッチする性格がない人間同士だと認識すべき

この種の偏見と戦いたいと言うなら俺も力添えしたい

 

結婚したくない人間が安寧に暮らせるようにするには

 

上のように語ったものの、俺としては現在婚姻制度っていうのは社会を成りたたせるために成人に無理矢理一定人生を強いている差別的な制度だと思う

既婚者の方が出世やすいみたいなわかりやす格差だけじゃなく

よく男女問題で言われる「既婚男性家事などの負担がない状態出世競争をするから女性より有利になる」みたいな話は独身男性にもあてはまるもので、

これを是正する際に女性だけでなく独身男性も同様の是正処置を得るべきだ

実家暮らし人間は男女共に優遇されている可能性があるが、この点については別の課題もあるので下で語る

 

例えば子供部屋おじさんへの偏見

経済的には一人暮らしより恵まれてるかもしれないが、多くは望んでその状態になったのではなく社会に強いられて独立できない状態になったはず

それをあたかも本人の人格問題のように語るのは不適切なんで、こういう偏見にNOをつきつける運動には俺も参加したい

その他性的欲求への忌避感も独身にだけ向けられることが多い

というより

https://lovely-media.jp/posts/1424

こんな感じの性欲の正の効果は既婚者にしか語ることができないような風潮が大半で

独身者は性を語ろうとするとあたかもそれは暴力であり女が一方的に男の暴力我慢しているかのように言われることが多い

オナニー健康に」「ポルノ気持ちポジティブに」みたいな記事は「夜の関係夫婦円満」程度の露出度メディアに出てしかるべきで

それが許されない社会結婚しない人生を許している社会とは言えない。こういう問題には俺も意見したい

 

とまあこういう風に建設的な方向に話を進ませればよかったんだが

100文字制限があることもあってここまでは書ききれなかったわ。ここに記す

2021-03-12

anond:20210312122050

実質滅亡した香港の代わりに実効税率で法人税10%台にして東京を国際金融ハブにすればええと思うで。

国内だけ見てあーだこーだやっても絶対上手くいかない。

なぜなら諸々の経済問題の根っこには税金が安いor一番投機に向くマーケット資金が全部流れるという問題があるから

2021-02-20

anond:20210220203335

警察庁統計では自殺の背景として男女差が大きいのは「経済生活問題」と「勤務問題」なので結局男は働いて金を稼ぐものという認識があるからだろう。

これ、自分も「男性の方が世帯家計を支えている場合が多く、そのプレッシャーがあるから自殺率が高い」と思って調べたんだけど

男女の独身者のみで絞ってみても、男性自殺者の方が女性自殺者に比べて2.4倍多いんだよね

単純な経済問題とは別な要因があると思う

2021-02-08

anond:20210208144357

多分だけど、自分の周りの状況から鑑みると、何がどうしておじさんがキモくて金のない状態に繋がってるかの関係性が全く分かってないからあまり真剣に考えられないんだよな

自分が働いているところがちょっと特殊って言うのもあるかもしれないけど、能力ある人は老若男女どんな人でも評価される(ちょっと年功序列傾向はあるけど)

最低限の身だしなみも整えず、かつなんの能力のない人を雇用しないことが差別というんなら、それは違うと思う

逆説的になるけど、男性中年自殺率が高いことが示されてる研究文章がある時点で、世の人は無関心ではないとは思うけどね

人は新規性自身への関連性の強いニュースに興味を持つから、長年高止まりしている状況で、急に上振れとかしないとニュースとしての価値がない=あんまし取り上げられないんじゃないのかな

自殺関連の文章読んだら経済問題としつつ、実際は共同体から孤立とか個人アプローチしないとどうにもできないことも多いわけで

これらの理由からそこまで頻繁にニュースで扱われないんだと思うよ

2021-01-28

anond:20210128154414

その頃には一夫多妻婚も数ある婚姻形態の一つとして受け入れられているだろうね。

人口問題経済問題解決策としてではなく、LGBTQほか多様な性のありかたの流れで。

2021-01-14

anond:20210113211632

安倍総理からこそ北方領土問題解決できたのだし

拉致問題経済問題が大きく前進したのも自民党のおかげだ

民主党政権じゃなかったら自衛隊公務員の総すかんもなかったので東日本大震災が起きても犠牲者は3000人もいなかっただろう

じっさい自民党政権下では大地震が起きても100人も死んでない

民主党政権公務員大勢が反感を持っていたからこそ、大量死ミンスの汚点にしてやろうと足を引っ張る役人だらけで犠牲者が増えた

2020-12-06

anond:20201206155942

自治体街コンとかの婚活イベント支援してる、若者の安定雇用少子化対策必要提言している専門家意見はチラホラ見かけるが?

男性露骨年収婚姻率が相関していて、女性非正規雇用婚姻率が低い傾向にあると、非婚化は経済問題対策必要という認識は広がってるんじゃないかなあ。

2020-11-12

失業経済問題もっと盛り上がらないといけないのでは

バタバタ倒産、閉店が始まったわりに、株価が上がっていく。

ホームレスが目立つようになれば景気が悪くなったと一瞬でわかるのだろうが、

既に町中から排除されているので目につかない。

あの10万円配布の時は、大合唱だったのに、今の方がやばいと思うが全然だ。

2020-10-20

そもそも年収1200万とかが「それなり」の基準の人なんてどうあっても一般人と同じ感覚経済問題云々話すの無理でしょ・・

2020-09-27

anond:20200927101128

失われた30年で徐々に壊れてきていた日本社会が、ついに耐えきれなくなってきたということだよ

ほとんどの問題は根っこを辿ると経済困難に行き着くので、経済回復しないと延々とこの状況は続く

自殺多数→経済問題。お給料が上がって未来希望が持てれば死ぬ人は減る。

自然災害経済問題国土整備にお金をかけなくなったので以前は耐えられた災害に耐えられない。

企業の業績低迷→経済問題国内消費が振るわないのでどう頑張っても根本的に業績が上がりづらい。

可処分所得の低下→経済問題であることは明らか。

日本社会は度重なる増税政府から経済支援補給状態に、いよいよ限界を迎えて自壊し始めているのだよ

2020-08-19

日本って国家の存亡をかけたプロジェクトを長い間実行しなさ過ぎたのでは

アメリカ場合冷戦が終わるまで国家の存亡をかけた組織必要だった。

それに他国に対して干渉する必要もあり、長期戦略も考えないといけなかった。


一方、日本はというと経済問題はあるとはいえ、国の存亡や威信をかけることがない。

科学技術で1位を維持しないといけないこともないし、どれだけ転落しても国がなくなるわけではない。

アメリカは主導権を握らないといけないが、日本他国に振り回されるのにどう対処するかでいい。

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