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はてなキーワード: 憲法改正とは

2024-05-07

天皇制度廃止するのに改憲必要なのか

天皇制度廃止したいと唱える人がいるが、具体的にどういう手続き廃止できるのか疑問だった

憲法規定されているか憲法改正しかないのかと思ったら、憲法改正しなくてもよいアイデアがググったら出てきた

皇室典範改正して、天皇空位とき摂政を置けるようにし、摂政民間人でもできるようにすればいいっぽい

皇室典範法律なので国会改正できるから憲法上は制度記載が残るけど、天皇空位摂政国事行為を行うみたいな感じになる

ほんとにできるかわからないけど

憲法改正したくないけど天皇制度廃止したい人はこの辺を理論武装して使えるのでは

でも天皇制度廃止したい人は大体革命起こしたい人だろうし、革命起こしたら現行の憲法を停止すればいいだけなのであんまり参考にはならないのかもしれない

2024-05-05

米国憲法ユダヤ主義に対する批判制限した。

これは非人道的行為に反対する権利制限を可としている。

また特定思想差別化したものである

したがって米国憲法改正部分は、人道主義憲法平等主義憲法としては誤りである

85歳親父が陰謀ネトウヨになってしまった

から晩までその手のYouTubeを観てるらしい

憲法改正がどうのとか、戦争賛成!とかぶち上がってる

2024-05-03

教職員組合を退会した話

こちらの投稿に感銘を受けたので、私の体験を書こうと思う。

https://x.com/noeasywalk/status/1786037637058535611

私はこの方とは逆で、組合を途中でやめたものだし、そこまで大きな話はなにもない。ただ、どうして組合員が低下しているのか、運営をしている方に伝わってほしいと思う。ただ、10年ほど前の話なので、今とは違うかもしれないということはご留意いただきたい。

私はある政令指定都市小学校教員をしている。組合は初任のときに入った。勧誘を受けたというより、職場のほぼ全員が加入していたので、「入るのが当たり前」という雰囲気にとてもじゃないが抗うことなどできなかった。私の働く都市組合は規模も大きく、どの学校に行っても、7、8割は加入している。

仕事内容など説明を受けないまま入ったが、正直に言えば、いったいなんの活動をしているのか、最後までわからずじまいだった。とにかく、動員・研修署名。その繰り返しだった。

動員はノルマがある。年に数回あるイベントに、入っている組合員で割り振られる。急に(少なくとも私にはそう思えた)「ここに行ってほしい」と言われることもあり、仕事を終えて会場や路上に行くこともあった。プラカードをもち、シュプレヒコールを上げている。「憲法改正反対!」とか、「自民党を倒せ」みたいなやつだ。これがいったい、教員処遇となんの関係があるのか、私にはよくわからず、ただぼうっと立ったままそこにいるだけだった。

研修夏季休暇や課業後に行われる。授業研究会のようなもので、テーマが割り振られ、指導案などをつくり、壇上などで発表する。これも学校ごとに年ごとに役割が決まっている。私がしたものは、「おんなじのでいいから」と、前々からある指導案を少し手直ししたものを発表した。これは年に何回かあり、自分の発表がなくとも、他の学校のものを見に行く義務があった。

ストは1回だけしかたことがある。給与改定かなにかの交渉本部がしているということで、朝組合員で一室に集まり、授業が始まるまで待った。結局、委員会がなにか譲歩をしたのか、組合側が譲歩したのか、よくわからないままストは中止された。それからは、ストの話は一度もない。

そして、これらのことは、全て勤務時間外か、勤務中に行われた。

何年かして、私の家族の具合が悪くなり、医療費やそれに類するもので、保険診療だけで20万円を超えるぐらいになった。加えて、子どもも生まれ育児にも時間を割かれた。組合費は月5000円ほどかかっており、前述したように、授業準備や家族との時間を削って動員などにも参加することは、かなり負担になっていた。ついに耐えきれなくなり、分会長相談し、組合運営に退会願いを申し出た。特に留意されることもなく、すんなりと退会することができたので、嫌味のひとつでも言われるのではないか危惧していた私としては拍子抜けした。

だが、どちらかというと周りの組合員の反応の方が私には堪えた。いわゆる分会というものが校内で開かれると、私は職員室に残ったままなので、私が退会したことはすぐに伝わる。みななにか言うわけでないが、遠巻きにされる印象はある。直接「なんかあったときあなたは守れないから」と、皮肉めいて言ってきた職員もいた。学校を異動しても、組合員の割合は高いので、すぐに質問をされる。子どももいたので、フレックス看護休暇などの制度を使っていると「子育てして制度恩恵を受けているくせに組合に入らないのは何事だ」と言う職員もいた。私は、すみません、いろいろありまして、と頭を下げて答える。一度、事情説明すればわかってもらえるのかと、家庭の状況を伝えたこともあったが、「みんな状況は同じだ」「だからこそ組合に入ってみんなでよくしていかなければならない」と、彼我の隔たりを感じ、それ以降は説明することを諦めた。

でも、と私は思う。果たして、いまある制度境遇に、いったいどれだけ組合が関与したのだろうか。どちらかというと、世間の流れや、他県の事案に追随した結果なのではないか。よしんばそこに組合努力があったとしても、どうして、いち組合員にそのように言われなければならないのか。権利行使するには、金を払い、労働力差しさなければならないのか。それをしない者を、できない者を排除してきたのが、凋落している組合本質なのではないか

一度、保護者から大きめのクレームを受けたことがある。私は電話応対をしただけで、その対応はしご一般的ものであり、今でも自分瑕疵はないと思っている。だが、校長は、とにかくそ保護者に頭を下げてほしいと言ってきた。私は当初拒否をし、経緯も文書にして伝えた。周りの教員も同情的に見てくれたが、誰も助けてくれる人はいなかった。その数年前に、組合員だった職員管理職パワハラに巻き込まれとき本部にかけあってくれたのとは対照的だった。確かにそれはその通りだった。組合員でないものを助ける義理はない。だが、今回の投稿主の方が仰ってるように、それこそ新自由主義のもたらした分断なのではないだろうか。

結局私は、自ら弁護士相談し、このようなケースにおける最善の方法についてアドバイスを受けた。最終的には保護者に頭を下げることになり、彼は訴えることもちらつかせたが、弁護士の「そんな裁判引き受けるヤツいないですよ」という言葉で、毅然とした態度で望むことができた。このとき思ったのは、自分の身は自分で守るしかない、ということだった。

本当に皮肉な話だが、組合のどんな活動結果よりも、組合費の負担(年6万)と時間内外の業務がなくなったことが、私の生活いちばん楽にした。だが、それでも、私は、労働組合は必ず世の中に必要だと思っている。組合がなければ、この社会もっと悪くなっていたし、力が弱くなったとはいえ最後防波堤のような存在だ。しかし、本当に残念なことに、今の私は、私の生活を維持することに精一杯で、未来教職員労働環境まで考えることができない。だから、この先、私が組合に入ることはないだろうと思う。

そう思っていたから、今回の投稿者の方の内容は胸にしみた。特に最後の部分の「分断」を憂う内容は首肯することばかりだった。彼のような人がいたら、私はまだ組合にとどまり続けたかもしれない。

からといって、組合組合員でもない人間を助けろ、とは口を裂けても言えない。それを私の側から言うのは驕った考えだ。でも、もっとなにかできることはないのか、とも思う。いま、私は組合員ではないので、組合手紙は届かない。だから、彼らがいったい今、なにと戦っていて、どんな成果を出しているのかなにも知らない。これは本当に不幸なことではないだろうか。全国の教職員組合は、このような非組合員が、だんだんと増えていっているのだろうということに、ぜひ目を向けてほしい。

憲法改正

日本人国民性的を考慮すれば、憲法改正必要性より誰が進めようとしているか判断するし、だからこそ今自民党やらせればいいのに。

岸田のおかげで自民党内がグダグダだし、有権者自民離れが進んでいる今、改憲発議がされてもまず国会国民投票で否決される。

そうすれば今後は、既に改憲の是非は示されたとして議論すること自体否定できるし、台湾有事にも間に合わない。台湾有事が終われば改憲を進める動機すらなくなる。中国軍事力を見れば厭戦気分も高まってますます改憲への意欲もなくなるだろうに。

2024-04-28

anond:20240427031516 「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか? の補足

 ブックマークコメントを読んで再び考えたことがあった。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240427031516

gryphon 面白く読んだが2点。「…付託されたが、その後本格的な審査…ない」は議会が駆引と日程で動く以上あり得る話で「付託」時点で一定水準の議論推定可能か/米上院(各州2議席)等「平等選挙原則」は前提にせずとも可

 平等選挙原則の話はあとに回す。議会駆け引きと日程で動くのであれば、付託政治的取引の結果と解することもできるような気がするというのはともかくとして、確かに議会駆け引きの結果たなざらしにされているという可能性はある。そこで、先の2008年提案をもう少し細かく読んで見た。

https://dserver.bundestag.de/btd/16/098/1609868.pdf

 よく読むと、この提案は、基本法や関連法規改正連邦政府に促すべきだという「決議」の提案であり、基本法改正の条文を並び立てる案ではない。条文も具体的な制度設計も伴わない提案一定水準の議論と言って良いのか。だから賛否も問われずにたなざらしにされたのではないだろうか。以下の文章以外は、提案理由(いわゆる「世代正義」の実現が主のようだ)が長々述べられているに過ぎない。

II. Der Deutsche Bundestag fordert die Bundesregierung auf, einen Gesetzentwurf zur Einführung eines Wahlrechts von Geburt an durch Än- derung des Artikels 38 des Grundgesetzes und erforderliche weitere gesetzliche Änderungen, insbesondere im Bundeswahlgesetz, vorzulegen. Für den Fall, dass die Eltern sich in der Ausübung ihrer Stellvertreterposition in Bezug auf das Kindeswahlrecht nicht einigen können, wird die Bundesregierung aufgefor- dert, eine einfache und beide Eltern möglichst gleichberechtigende Regelung zu schaffen.

連邦議会は、連邦政府に対して、基本法第38条と他の必要法律改正特に連邦選挙法の改正を通じて出生時から選挙権を導入する法案を提出するよう求める。両親が子の選挙権についての代理行使[の方法]について一致できない場合のために、連邦政府には、簡単かつ両親双方に可能な限り同権的な規則作成することを求める。

 ちなみに、Wikipediaドイツ語版(https://de.wikipedia.org/wiki/Familienwahlrecht)を見て知ったのだが、2003年にもほぼ同じ提案がされている(https://dserver.bundestag.de/btd/15/015/1501544.pdf)。

 こうして経緯を調べてみると、議会妥協ゆえにたなざらしにされているというよりも、5年経って具体的な案も詰められなかったというのが現実であるように思われる。

kappa9 結果はともあれ海外で真面目に議論されたというのは本当の話では。

 「国会で」とか「政府で」という枠を外して学界に目を転じると、確かにドイツ人らしく(?)真面目に議論されているみたいだ。前回の調査局の報告書には、数は少ないながらこの問題を直接的に取り扱った論文がいくつか引用されていた。彼らが議論しているのは基本法の定める民主国家原理に反するのか、それを促進できるのかという点である問題は、そうした真面目な議論をきちんと踏まえた上でドイツ人ができなかった(ように見える)平等選挙原則に反しない提案を考案するどころか、子が3人だから私は4票(吉村氏)などと賛成派のドイツ人も避けようとしている発言をしてしまっていることだ。

 さて、平等選挙の話に戻る。アメリカ上院人口にかかわらず一州に2議席であるしかし、このような例があるから平等選挙は必ずしも民主主義の前提ではないというのに私は強い疑問がある。

 第一に、合衆国憲法上院議席分配については、アメリカ連邦特有のものであるアメリカのような連邦制をとらない日本でこの例を出すことは不適切だろう。

 第二に、アメリカ上院議席分配が不平等であることは、当のアメリカ人も不満を持っている。たとえば有名な政治学者ロバートダールの『アメリカ憲法民主的か』(邦訳岩波書店からある)は、上院議員が人口に比例していない「顕著な不平等代表であると述べる(邦訳58頁以下)。この仕組みは合衆国憲法制定時に諸州の妥協(いわゆるコネティカット妥協)で作られたわけであるが、そもそも合衆国憲法民主主義大事にされる時代に制定されたわけではないというのが時代背景としてある。合衆国憲法が制定された時代には、不平等選挙制度普通に見られた。ダールは一例として、19世紀存在した悪名高いプロイセンの三級選挙法を引き合いに出している。三級選挙法は、平等選挙を求める激しい非難を浴びながらもしぶとく生き残っていたが、第一次大戦の敗北と共に消え去ったのである選挙権は与えるが露骨ユンカー資本家の票を優遇するこの仕組みは極めて有名であり、今でも平等選挙の反対概念である差等選挙の一例として三級選挙法はよく言及される。今さら民主主義大事にされていたわけではない時代にできた妥協として生き残っているものを引き合いに出すのは、民主主義者の行動としてはおかしものだと思う。ちなみに、ドイツ連邦参議院(上院)は、ある程度の人口比例的に各州に議席が割り振られることになっている(また、そもそも連邦参議院はアメリカ上院ほどの権限はない)。

 ケルゼンも言っているが、民主主義は人々の平等をもって本旨とする(古代ギリシア民主政も突き詰めれば平等に行き着くだろう。民主政を表すもう一つの言葉はイソノミア(平等の法)である)。選挙権の平等民主主義と切っても切れないのであり、ドイツ人平等選挙に反しないように「代理」と言っているのは、ドイツ基本法憲法20条に抵触するのを避けるためだけではないだろう。もし平等選挙理念を取っ払うのだとすれば、金持ちが結託して再び三級選挙法のような仕組みを導入されても文句は言えない。むしろ今般の眠たい提案よりも金持ちを守るための露骨提案の方が議会を通りやすいだろう。平等選挙を引っ込めてはならない。

 選挙権の平等に歪みを加えるような制度改正をしても、政治的影響力を増すのは「代理」する大人であり、子どもではないという現実を見るべきだ。若年者の「世代平等」とやらを図りたいのであれば、方法は一つである。「代理」などという回りくどいことなどせず、選挙権の年齢を下げることだ。16歳、(オーストリア検討されている)14歳、あるいはその下でもいいが、子ども投票意思表示をすることができるギリギリまで下げてみることを提案されたい(ちなみに私は、14歳くらいまでなら割とすぐにでも引き下げて良いのではないかと思う)。

(ついでに)

 意思表示能力がない子ども排除されるのになぜ意思表示能力のない人(たとえば重度な認知症の老人)が選挙から排除されないのかという疑問を持つ人もいるらしい。理論的にいえば、確かに意思表示能力のない人は選挙、つまり国家意思形成参与する資格はない(実は理論的にいえば子どもか老人かは選挙権の決定に直接関係するわけではない)。そうすると、なぜ2013年の法改正成年後見人の選挙権が回復されたかという疑問がわきそうだが、後見あくま財産管理上の能力があるか否かの問題であり、政治的意思表示能力があるかとは厳密にいえば関係ない※。要は、現状、意思表示能力のない大人選挙から排除する仕組みはないと考えなければならない(もっとも、実際には政治的意思表示が一切できないなら投票所に来られまいし、投票所に来ても何もできないだろうが)。

 憲法が成年(ここでいう成年とは民法上の成年をいう)に選挙権を保障するのは、成年であれば政治的意思表示能力があるだろうという線引きを採用しているかである。こうした年齢によって能力の有無の線引きにするのは、一見すると確かに問題がある。子どもでも賢い子はいるし、大人でも愚鈍な人はいる。思考実験としては、年齢にかかわらずすべて政治的意思表示能力がある人をテストで判定し、テスト合格した人にみに選挙権を与えるということも考えられる。ただ、どのような方法テストを組めば公正に政治的意思表示能力があると見なせるかという問題が生じる。このようなテストを実際に恣意的活用して実質的黒人投票権を奪っていたのがかつてのアメリカ南部諸州であったことを忘れてはならない。

 結局、年齢によって形式的に線引きする方が、ヨリ問題はすくないように思う(年齢よりも問題を起こしにくい線引きの方法があったら教えてくれ)。あとはどこまで下げられるかを真剣に考えることだ。

 なお、日本憲法15条3項は、成年者には選挙権を与えなければならないとだけ言っており(公務員選挙については、成年者による普通選挙保障する)、未成年者に選挙権を与えることを禁じていない。これは、ドイツ基本法38条2項が、「満18歳の者は、選挙権を有する」と定めていることと対照的である。年齢の引き下げなら日本では憲法改正など必要なくすぐさまやれることなのに、わざわざ憲法改正どころか民主主義根本原理を改変するような提案をしてくるのは、何かおかしな底意があるのだろう。

※これは思いつきだが、禁治産者選挙から排除されていたのは、財産を持つ有徳の者にだけ選挙権は与えられるべきであるという制限選挙時代のBesitz und Bildungの観念に由来するのかな。いずれ調べてみたい。

2024-04-27

「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか?

 維新の会共同代表吉村大阪府知事が、「0歳児投票権」(未成年の子投票は親が代理して行う)を提案し、維新マニフェストに加えたいという意向だという。

https://digital.asahi.com/articles/ASS4T2RNLS4TOXIE01TM.html

 これについて同党音喜多幹事長が、次のようなツイートリツイート(リポスト?)していた。

吉村知事の0歳児投票権=ドメイン投票の実現可能性は兎も角、海外で真面目に議論されて国会まで行った話を、あたかも与太話のようにせせら笑い取り合わない風潮をみると、この国の知識レベル心配になる

海外議論で主な論点はすでに整理されてるが、日本SNS界隈の反応はそのレベルに達してない

吉村知事が言ってるドメイン投票は例えばドイツでは連邦議会において議論され、(https://bundestag.de/resource/blob/531942/6669f3e29651882065938fc6a14fd779/wd-3-157-17-pdf-data.pdf)、無論導入にはいたらなかったものの、第三次メルケル内閣のManuela Schwesig家族相など、賛同者もいた昔からあるアイディアの一つですが

それを「頭がおかしい」はさすがに乱暴すぎでは

https://twitter.com/Barrettm95sp/status/1783579344503529489

 ドイツ連邦議会議論されたというのは、この議論が無理のあるものではないということを示す一つの傍証とされているのだろう。音喜多氏もこれを自分議論を支持する意味でリポスト(?)しているようだ。ただ、リンク先のPDFを見て色々な意味で驚いた。

 第一に、このPDFドイツ連邦議会調査局(Wissenschaftliche Dienste)が作っているものである調査局が作っている立法資料を持ってきて連邦議会において議論されたというのは羊頭狗肉の感がある(※)。たとえば日本国会図書館調査及び立法考査局が資料を書いたら国会議論されたことになるのだろうか。

 第二に、調査局の報告書タイトル:生まれた時から選挙権[構想]の諸問題)という体裁上、両論併記的であり、あまり執筆者個人意見は出ていないが、この提案に対する分析の水準は明らかに日本でいま議論されているようなレベルのものではないことに驚いた。なお、ドイツ法に詳しくない方のために申し上げるが、ここから先で述べる「基本法」とは、ドイツにおける憲法典日本憲法のような)にあたる法である

要約すると、

・親に子どもの数分の選挙権付与するモデル(Modell des originären Elternwahlrechts)は、ドイツ基本法38条1項1文が保障する平等選挙原則に反するし、平等原則原則20条の民主的連邦国家原理に含まれる。したがって、基本法79条3項の定めにしたがって、このような提案はたとえ基本法憲法改正によるとしても許されない。(4-5頁でバッサリ斬られている)

・一方子の選挙権を親が代理行使するモデル(Modell des originären Kinderwahlrechts)については、別途の考察必要になる。(同)

基本法38条2項(選挙権年齢)の改正必要という点はともかくとして、実質的な側面としてはやはり基本法79条3項が定める基本法改正限界について検討するべきであるが、そこで重要になるのは、基本法20条の民主国家原理に含まれ平等選挙原則にこのようなモデルが適合するか否かである

・親の代理投票主唱者は、親は子の票を受託に基づいて行使するので、平等選挙原則に反しないと主張する。すなわち、親自身投票権行使と子の投票権行使区別して行うべき制度であれば平等選挙原則に反しない。また、たとえ平等選挙原則に反するのであるとしても、このような制度普通選挙原則選挙権を万人に付与すること)に奉仕するから、その意味では民主主義原理に役立つ(※基本法20条、ひいては79条3項に反しない)。(7-8)

・このモデルへの批判者は、まずもって、望むか否かは別として政治プロセスに参加できない人にも選挙権を与えても、民主主義正統性は得られないとする(※普通選挙の拡大という言い分は見せかけであるということだろう)。そのうえで、親による代理投票は、事実問題として、親に複数の票を与えることに他ならない。親自身の票と子の票を区別して投票するという仕組みは非現実的であるそもそも代理投票という仕組み自体子ども成熟していないということを前提としているのであり、親が子の受託に基づいて投票するという議論矛盾する。加えて、親を通じた代理投票という仕組みは、選挙権一身専属的な権利であり、国家意思形成責任を持って参加する力をその人だけに与えるものだという側面を無視している。結局、基本法20条、ひいては79条3項に反する。(9-11

 ここから分かるのは、ドイツでは親の代理投票制度は、普通選挙の拡大に資するし、かつ、代理投票モデルであれば、平等選挙原則に反しないという形で議論されているということである。少なくとも「消滅可能自治体」があるからかいう「地方創世」で一山当てたいコンサル向けのくだらない理由提案の原点なのではない。また、少なくとも表向きは、少子化対策のために子持ちの票を増やそうという理由でもない(その理由馬鹿らしさはこれでも読めば良いhttps://mond.how/ja/topics/v35a8jk8lwp89el/jw3f2o4dj0z9fo4)。あくまでも普通選挙の拡大に資するというのが理由である。より民主的政治制度への変更を試みようという提案(として自らを位置付けている)というわけだ。ただ、民主主義平等選挙原則も同様に要請するからドイツ人がやっているように、平等選挙原則と両立するかを考えなければならない。

 平等選挙原則に反しないというためには、親自身投票と子の投票を厳密に区別する必要がある。それが現実問題として可能なのかということをしっかり考えなければならない。この仕組みの賛同者がドイツ連邦議会調査局を区別していないというぞんざいなやり方をとっていることからすると、どうもドイツ議論は話の枕に使われているだけで、ドイツ議論を真面目に受け止めて、そのような制度可能なのかを考察する者はあまりいなさそうだ。私個人意見では、親と子の投票を厳密に区分した制度を作ることは無理だろう。というのも、この仕組みが問題になるのは、子の投票意向と親の意向が相反する場合だが、その場合、子は自らの投票意向を開示して親を説得しなければならない。これでは投票秘密も何もあったものではなく、逆に子が投票秘密を守ろうとすると、親の投票意向コントロールすることはできない。それでは子から投票付託されたという代理人という建前が崩れる。また、投票意向が明らかにならない子について親が「代理」するのでは、結局親に二票与えるのと変わりがない。加えていえば、代理権を持つの母親なのだろうか、父親なのだろうか(吉村知事制度実現のあかつきには自身が子の分も含めて4票あるというので、父親が前提なのだろう)。ここは、親と子の投票を厳密に区分するという発想をとれば実は問題が生じない(子の意向に沿うならばその票を投ずるのは父でも母でも他の保護者でも構わない)のだが、先程述べたように、特に投票意向を表示できない子については区分は無理だろう。したがって、事実上「二票」入れられるのはどちらなのかという争いが生じざるを得ない。そのような場合には「0.5票」を両親に付与することも考えられるが、正面から両親に票を与えることを認めれば、ますます平等選挙原則に反しないという建前が崩れる。

 そもそも、ここから分かるように一口子どもといっても投票可能な年齢の子とそうでない子がいるのだから投票可能な年齢の子について代理投票などという面倒な仕組みを採らずに投票権の年齢を下げれば良いだけの話だ。たとえばオーストリアでは16歳まで投票権年齢が引き下げられているが、引き続き14歳投票権議論されていると聞いた覚えがある。このような議論真剣考慮に値すると思う。

 繰り返しになるが、ドイツではこの投票制度平等選挙原則に反しないと言えるか否かが議論され、それが難しいと考えられているようだ。だとすれば、ドイツ議論を踏まえて、この制度賛同者は、この制度平等選挙原則に反しないようになる制度可能性こそを真面目に考えるべきだろう。ただ思いつきでぶち上げても、もう終わった話だと一蹴されるのは当然である(※)。なお、そもそも平等選挙原則について真面目に考えないのであれば、民主主義コミットしていないと思われても仕方がない。上記議論では、平等選挙原則基本法(=憲法改正によっても曲げることは許されないと言われている(※※)。

興味本位で調べてみたところ、ドイツ連邦議会にこのような基本法改正提案が提出されたことはあるようだ(2008年提案)。ただ、連邦議会HP確認する限り、提案委員会付託されたが、その後本格的な審査が行われた様子はない。つまり、賛成・反対の議決もなく、本格的な議論もされずに一蹴された話だということだ。

https://dip.bundestag.de/vorgang/der-zukunft-eine-stimme-geben-f%C3%BCr-ein-wahlrecht-von/14939

※※

これはドイツ基本法79条3項の規定故ではあるが、憲法改正限界という純法律的論点を脇に措いたとしても選挙権平等を真面目に考えないことが民主主義であることを疑わせるのは変わりはない。なお、日本憲法も、14条1項からして平等選挙原則をとっている(そうでなければ一票の格差問題にされることはない)が、平等選挙原則排除憲法改正限界に引っかかる理論可能性はあるだろう。

追記

 それにしても、吉村氏に関しては、自身が子の分も含めて4票あるというから、「代理モデルの利点である平等選挙原則との抵触回避の利点をわざわざ捨てているように思う。利点を捨てるような発言自分からしていくあたり、本当にただの思いつきなのだろう。ドイツ人の議論を持ち出しながら(これをやったのは音喜多氏だが)、ドイツ人が回避しようとしていたことをやってしまうのは無様だ。「消滅可能自治体」に引っかけた話題作りという以上の意味はないのだろうが、話題作りのために民主主義根本原理に手を触れるのはどうかしている。それが弁護士のすることだろうか。

(再追記

 多重投稿状態になっていたものを削除しました。

(再々追記

 ブックマークコメントに触発されてさらに考えてみました。

https://anond.hatelabo.jp/20240428001438

2024-04-25

anond:20240425123146

両論併記オープン議論は、両方の意見に等しく尊重すべき価値があって初めて成り立つ話で、

共同親権憲法改正違憲自衛隊違憲日米安保武器輸出と言った、

そもそも議論余地が全く無く完全に間違っている無価値もの」に対しては適用されないんですよ。

2024-04-19

憲法改正なんて今後50年は無理だろ

いい悪いは別として、事実として50年以内には無理でしょ。

anond:20240419135916

これはバカがムキになってこの場でひねり出した寝言じゃなくて、受け売りネタ元があるんだよね。

憲法政府を縛るのが立憲主義

左翼は言うわけだが、これは憲法が天与のものでないと成り立たない。

書き換え不能の全てに先立つ規範ってことだからな。

憲法だってしょせん道具であり主権者が自ら作り上げるものだという前提に立てば、憲法あくまガイドラインであって一方的に「政府を縛るものであるはずがない。

憲法も法であり広義の立法権対象である国民主権より上の存在はないので自分自分を律するためにプロセスを二段階にするひと工夫がつまり憲法本質なのだ

まあ増田で言ってもな

【書き換え不能の全てに先立つ規範ってことだからな。】

日本はともかく世界では憲法の書き換えって行われてるし、日本でも憲法改正ルールってのが設定されてるだろ、書き換え不能の天与のものだったら改正のためのルールなんて存在するわけ無いだろ。

どこをどう勘違いしたら「書き換え不能」って言葉が出てくるんだよ笑

バカがムキになってこの場でひねり出した寝言」って感じするわ笑

追記

憲法改正の発議について総務省に書いてあるから読んでみてな。

https://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/syushi.html

2024-04-13

anond:20240413192539

同性婚憲法がネックなのでさっさと憲法改正してください

夫婦別姓世界でも制度がばらばらだし、先進国の中でもむしろ日本より男性優先の国もたくさんある

anond:20240412221707

法制審議会にかけられて以降だけでも3年弱に渡り37回も議論されてきた末に可決された法案拙速扱いだからな…

しか憲法改正に関して言えば1955年から70年経っても議論が全く進んでないので、

共同親権を導入せよって話が10年前にあったとして後60年は議論が全く進まなくても良かったんじゃないかとも思う

2024-04-12

衆議院憲法審査会は、今の国会で初めてとなる自由討議を行いました。自民党が、大規模災害など緊急事態での国会議員の任期延長などについて憲法改正の条文案を作成することを提案したのに対し、立憲民主党は、政治とカネ問題解決していない自民党改正を論じる正当性はないと主張しました。

立憲民主党逢坂代表代行は「裏金問題解決できず、自浄作用のない自民党憲法改正を論ずる正当性はない(以下略

共産党赤嶺政賢氏は(略)裏金事件で、長年国民を欺いてきた自民党改憲を語る資格はない(以下略

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240411/k10014418991000.html

 

さすが共産党だ!立憲を完全に支配下においているぜ!立憲共産あわせても自民党の3割にも満たない支持率をバックに、これからもありとあらゆる場面で政治停滞を生み出して欲しい!

2024-04-09

anond:20240409235023

日本国憲法第 96条に憲法改正手続きがあるのに憲法改正違憲とはこれいかに

そんなことしちゃいけんよって話?

「第九十九天皇又は摂政及び国務大臣国会議員裁判官その他の公務員は、 この憲法尊重擁護する義務を負ふ。」

わたしはこの99条根拠そもそも国会議員改憲を口にすることすら憲法違反だと思っているんやけど、自民党クソカスどもは解釈改憲かい詐欺みたいなことばっかしている。

これが標準的模範的国民の考えですよ

憲法改正議論自体違憲行為だし、ましてや憲法解釈論なんて論外です

anond:20240409151719

suzerainでブルド差別撤廃憲法改正に(議決直前に)盛り込んで失敗したことを思い出すなどした。

2024-03-17

憲法改正して「両者の合意」で結婚できるようにならないか

そしたら俺もイルカとかゾウとかバクテリア合意が得られたら結婚できるんだろ?

楽しみ。

各国の状況や時勢 世論の動向で憲法解釈を変えるべき か?

本当にそうか?

その理屈憲法改正解釈変更が許されるなら

場合によっては奴隷制侵略戦争すら肯定されないか

各国の状況や世論の動向で憲法解釈を変えるべき

というのは西欧列強植民地を獲得して国勢を増す今

我が国アジア植民地を獲得すべき

という大日本帝国理論と何か違うところあるか?

本当にその理由憲法が変わって良いか

岸田総理大臣

「各国の状況や世論の動向を鑑みて憲法改正します」

と言ったら君たちは賛成するのか?

私は反対だが…

2024-03-16

年寄り憲法改正に反対して同性婚が認められないままになる可能性があるのか

そうなったら恐ろしいな。心の底から年寄りにいなくなってほしいと願う人だってそりゃ出るよ。ナチスヒトラーめいた学者を支持する側に回る危険もある。

年寄りはそうならないように、新しい価値観アップデートしておいた方がいいよ。

憲法改正に賛成出来ない人は同性婚界隈から出ていけ

同性愛者の一人としてびっくりしたんだけどさ

同性婚並びに同性愛者の権利憲法に明記して欲しいって話をしたときに、それなら賛成出来ないわとか言い出したやつがいたんだよね

聞いてもいないのに、いか憲法改正しなくても同性婚日本で実現出来るのか語られたんだけどさ

そんなことは知ってんのよ

憲法改正に反対してるのか知らんけど、憲法同性愛者の権利記載しそれを保証することは認めたくないんだとさ

異性婚が保証されてるんだから同性婚施行されるならそれも憲法保証すべきだろ

こんな当たり前のことにも賛成出来ないなら同性婚界隈から今すぐ出ていけ

同性婚憲法学会での取り扱いについて

憲法同性婚を想定していないのは本当 」(https://anond.hatelabo.jp/20240316113208)とそのブコメから

元増田

憲法同性婚を想定していない、というのは憲法学会の通説であり、政府見解はそれを前提としている。

ブコメ

長谷部編『注釈日本憲法(2)』(有斐閣)だと同性婚の導入は憲法改正必要改正せずに導入可能の二つの説があるといってるね、24条を文言解釈して同性婚排除するって相手独自説というほどそんなに通説だっけ

これは両方正しくて、近年(ここ5年ほど)になればなるほど「同性婚も認める」または「排除していない」って論者が増えてるんだよね。

それはそれで元増田

世論なんぞで憲法解釈決めて良いならなんでもやりたい放題だぞ」

って問題提起意味を帯びるんだけどね

憲法同性婚を想定していないのは本当 」(https://anond.hatelabo.jp/20240316113208)とそのブコメから

元増田

憲法同性婚を想定していない、というのは憲法学会の通説であり、政府見解はそれを前提としている。

ブコメ

長谷部編『注釈日本憲法(2)』(有斐閣)だと同性婚の導入は憲法改正必要改正せずに導入可能の二つの説があるといってるね、24条を文言解釈して同性婚排除するって相手独自説というほどそんなに通説だっけ

これは両方正しくて、近年になればなるほど「同性婚も認める」または「排除していない」って論者が増えてるんだよね。

それはそれで元増田

世論なんぞで憲法解釈決めて良いならなんでもやりたい放題だぞ」

って問題提起意味を帯びるんだけどね

anond:20240316141616

安倍晋三憲法改正進めようとするのに使ってた口実が自衛隊違憲論だったでしょ

それじゃ安倍晋三実在しない左巻の発言捏造して騒いでたみたいじゃん

anond:20240316140721

憲法改正をしたいなら、まずは既存憲法が正しく守られている状態に戻す必要がある。

どこの常識だよ

少なくともアメリカ修正第18条と修正第21条を見てから言えよ

anond:20240316133655

真逆

憲法改正をしたいなら、まずは既存憲法が正しく守られている状態に戻す必要がある。

自衛隊のような違憲組織を認める為に憲法改正せよってのは絶対に通らない。

憲法改正したいなら、違憲状態の解消が大前提であって、それができない自民党憲法議論する権利はない。

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