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Kendall (2007)のほうの要約も読んでいただけると分かりますが、こちらも同様に”推論”です。二つの論文はともにインターネットが性犯罪に与えた影響を見ており、そこからさらに追加的な分析を行うことで、これは恐らくポルノ消費の影響だろう、と述べているわけです。要約での主張、そして手法から鑑みても、Bhuller et. al. (2013)のほうはより推論らしい、とは言えません。
またKendall (2007)は一切の査読を経ていないのに対して、Bhuller et. al. (2013) は査読を受け、いわゆるトップジャーナルというものに掲載されています。仮に前者のほうがより強い主張を述べていたとして、査読を経ていない以上、Bhuller et. al. (2013)のほうをより信ぴょう性が高いと判断するのが、学問の基本的なルールです。百歩譲ってKendall (2007)が子細に扱うべき論文であるとしても、それはBhuller et. al. (2013)の結果を無視して、あたかも重要ではないように扱うことを正当化するものではありません。
私個人はポルノ消費と性犯罪の関係については、あるともないとも直観的に言えない、という立場です。この投稿は自分の主張をどうこうしたい、ということではなく、あくまで手嶋氏が学問を扱う人間としての基本的な倫理、知的誠実さを欠いていることを知ってほしい、という理由で投稿しています。
hesopennです。私はある誤解をしていたので、それを説明しておきます。私は指摘されるまでBhuller, Havnes, Leuven and Mogstad (2013)は指摘されて追記したのであり、最初は無かったことに気付いていませんでした。さすがに発表されてからこんな短時間で批判と修正が入っているとはちょっと想像していませんでした。申し訳ありません。この誤解をしていた旨を堂々とここに追記しておくべきでした。またそのような誤解を読者に与えていたのであれば(与えていたと思います)申し訳ないです。
とはいえ、手嶋氏に論文を読み、それを説明する資格はない、という意見に変わりません。無査読の論文を大々的に紹介し、それの結果に反するトップジャーナルに掲載された論文を提示されたにもかかわらず、あたかもそれが重要でないような(その論文が元の論文と食い違うことも述べず)扱いをすることは研究を自分の目的のために恣意的に歪めて紹介する行為だからです。修正したといっても、最後に「実際のところ、社会統計から「ポルノが性犯罪を引き起こす!」と主張する研究者は、もうほぼ絶滅しているわ。」という文章は残っています。これは明らかに間違いであり、Bhuller et. al. (2013)の結果を(経済学の研究の蓄積において明らかに重要であると判断されているにも関わらず)無視する行為です。経済学という学問の正しい理解を妨げ、学問を政治化する人間に論文を扱う資格はないという意見に変わりはありません。
手嶋海嶺氏の 「性的表現と性犯罪/性的攻撃性」の関係~最先端の科学的知見に迫る~ (https://note.com/teshima_kairei/n/nb86567d83298) を読みました。この文章では私は手嶋氏は完全に知的誠実を欠いていることを説明します。手嶋氏は自分の結論に合う論文のみを子細に説明し、それに反する論文を軽視しています。
手嶋氏の論考では二つの論文を軸に性的表現と性犯罪/性的攻撃性の関係について考察をしており、前半はKendall (2007)の解説に紙幅を割く構成になっています。Kendall (2007)は学術的にそこまで重要な論文なのでしょうか?手嶋氏も述べていますが、この論文はUnpublished Manuscriptです。いわゆる査読されていない論文で、2007年に発表されたものが最新のものです。経済学においてはまだ査読されていない論文をWorking Paperという体裁で発表することはよくありますが、2007年の論文が2022年まで査読されず残っているということは、一般的には著者の個人的な事情(アカデミアを辞めるなど)か、その論文に問題があるということを表しています。
このKendall (2007)を詳細に紹介した後、手嶋氏は手短に、その手法に問題点が指摘されていることをBhuller, Havnes, Leuven and Mogstad (2013)を引用して述べています。この四人の著者からなる論文はReview of Economics Studiesという、経済学のいわゆるTop 5の雑誌に掲載された論文です。Unpublishedのまま2007年から更新されていないKendallの論文と、RESに掲載された2011年の彼らの論文、どちらがより信用に足るかと言われれば、事前情報なしでは経済学者の100人中100人が後者と述べるでしょう。では、なぜ手嶋氏はKendall (2007)の中身だけを扱って、Bhullerらの論文の内容を紹介しなかったのでしょうか?
それはBhuller, Havnes, Leuven and Mogstad (2013)がポルノの消費の増加によって性犯罪が増加したことを示唆する論文だからです。この論文ではノルウェーにおいて、インターネットが普及した地域においてレイプ、およびその他の性犯罪が増加したことが述べられています。そしてAbstractの最後では、”Our findings suggest that the direct effect on sex crime propensity is positive and non-negligible, possibly as a result of increased consumption of pornography.”、つまりインターネットによって性犯罪は増加したことが示唆され、おそらくそれはポルノ消費の増加によるものだろう、とまで述べられているわけです。
追記:ここではPossiblyという表現をおそらく、と訳すのは不正確でした。もしかすると、という表現の方が適切だったと思います。ただこのこと自体は私の主張を崩すものだとは思っていません。詳しくは(https://anond.hatelabo.jp/20220607234113)を見て頂ければ幸いです。
このように、手嶋氏はなぜかKendall (2007)という査読されずに15年も経っている論文を子細に扱いつつ、Bhuller, Havnes, Leuven and Mogstad (2013)という経済学のトップジャーナルに掲載された論文を無視しています。百歩譲ってKendall (2007)が重要な論文で、説明する価値があるにしても、それと相反する結果が出たBhullerらの論文の結論を述べず、手法に問題点が…と曖昧に引用するのは全く理解できないことです。これこそ手嶋氏が誘導したい結論に合致する論文のみをとりあげる、知的誠実さを欠いた行いです。
追記:一番上の追記で述べたように、私は手嶋氏が初稿で両者の論文を把握していると誤解していました。実際には指摘を受けて追加した、ということのようです。しかし本稿の趣旨、意見に変わりはありません。その点については一番上の追記を見て頂ければ幸いです。
本来であれば、なぜこの二つの論文の結果が食い違うのかを考察し、そのうえで自分の主張を説得力がある形で述べるべきです。手嶋氏はあたかも科学的、中立的であるような風を装いながら、自分の意に沿う、決して評価が高いとは言えない論文のみを詳細に取り上げ、学術的に評価が高い論文を軽視(無視)しています。またそれにより、あたかもこのテーマについて学問的なコンセンサスがあるような、間違った印象を読者に与えています。このような行為は学問への冒涜であり、科学と対極に位置するものです。
手嶋氏には論文を読む、ましてやそれを基に文章を書く資格などありません。
Kendall (2007) : http://pirate.shu.edu/~rotthoku/Liberty/internet%20crime.pdf
Bhuller et. al. (2013) : https://doi.org/10.1093/restud/rdt013
追記:
「手嶋氏は指摘を受けて修正した。だから誠実ではないか」という意見があります。これは大きな間違いです。Kendall (2007)は未査読のまま15年経った論文であり、Bhuller et. al. (2013)は査読を受け、一流の雑誌に載った論文です。この二つの論文の信頼性には雲泥の差があります。この二つの論文を対等に扱うことすらおかしいのです。ましてや手嶋氏のようにKendall (2007)のみを子細に取り上げることなど、常識的な研究倫理を持つ人間ならまずありえないことです。
そして修正された文章を見ても、そもそもBhuller et. al. (2013)がKendall (2007)と異なる結論を導き出していることは読み取れません。私は最初、おそらく多くの読者と同じように、Bhuller et. al. (2013)はより洗練された手法でKendall (2007)と同じ結論を導いたものだと理解していました。手嶋氏は明らかにBhuller et. al. (2013)の結果を隠し、間違った印象を読者に与えることに固執しています。この追記はあくまでお茶を濁し、読者の誤解を誘うように書かれています。
繰り返しますが、手嶋氏が真に知的に誠実な行いをしたいのであれば、Bhullerらの論文を吟味したうえで、それでも自分の主張が正しい、もしくはKendal (2007)のほうが説得的な論文であることを議論すべきです。そうでないなら、経済学という学問の価値規範に沿って、未査読のKendall (2007)ではなく、Bhuller et. al. (2013)のほうを重点的に解説すべきでしょう。失礼ながら、手嶋氏は経済学の専門的な教育を受けていないようなので、これらの論文を理解し、その信ぴょう性を比較する能力があるとは思えませんが…。
ちょっと細かい論点(および追加的な説明)について追記しました。ごちゃごちゃしてすいません。
https://anond.hatelabo.jp/20220607234113
追伸:
はてなブックマークを見たところ、この問題点を指摘しているのは私だけのようです。研究者としての訓練を(修士にしろ、博士にしろ)受けたものであれば、Unpublished Manuscriptを子細に取り上げ、トップジャーナルに掲載された論文を軽視するやり方に一目で違和感を抱くはずだと思います。このような初歩的な問題点を無視することもまた、知的怠慢であり、知的誠実さの欠如でしょう。
まあ現実としてはその通りなのは分かるんだけど、でもいざとなったらレイオフをサクっとやるのは大きい違いだと思うし、日本はトッププレイヤー側が抽象レベルでの事業設計に無頓着過ぎるのがかなり悪影響を及ぼしてると思うわ。
地方県とか、東京と比較してどうしたって低所得者が多い地域で生まれ育った人はこういう環境が待ち受けてるとしてもなお
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ウイグルのジェノサイドについて中国の内部資料が流出、公開された件については毎日新聞の特設ページが入った。
お役立ち系の増田が4件もランクインした。ここ1,2年は増田のホットエントリ入り件数も減少傾向で推移してきたけれど今月は急に増えた。
景気予測が「勘と経験」だと書いた某エコノミストに対して、一部のマクロ経済学者たちが瞬間沸騰してブチ切れてたけど、反論のレベルが低いと思うな。
たとえば以下のツイートから始まる景気予測のツールの説明だけど、この手法で今後2年間の景気を予測してみてほしい。多分使い物にならないよ。
景気予測を勘でやってた元先生への贈る言葉がなぜか伸びたので、大学に来て学べるちゃんとした景気予測を説明する。多分、大枠で2つある。
1) 時系列データ分析 => forecasting
2) マクロモデルのシミュレーション
(1/n)— ballman (@katsuymd) May 31, 2022
景気予測というのは、経営戦略や投資戦略の意思決定をサポートするための材料を提供することが重要なんだ。
だから、「このモデルだとこういう結果になります」では役に立たないし、意思決定において重要な要素は短期的な「ショック」であることが多いからモデルの解として描写されないことが多いんだよね。
エコノミストはマクロモデルを使った予測値やシミュレーションくらいは大抵作ってるよ。でも、それだけでは役に立たないことを理解してるから、いかに現実に近づけていくかで苦労しているんだ。
一般的に識別しやすいショック(円安、資源価格上昇、利上げ)だったらモデルで分析はできるけど、たとえば中国のロックダウンの影響をどう考えるかな?
産業連関表を使えば良い?うんうん、気持ちはわかるよ。でも産業連関表と時系列モデルやマクロモデルを統合するのは簡単じゃないし、国際的な産業連関表はたまーにしか更新されないね。
モデルが役に立たない理由は大体想像できると思うけど、統計モデル等を用いて行う予測は、過去の構造を前提として未来を予測することしかできないんだよね。
でも、経済は変化し続けるし、特にコロナ前後の変化は大きすぎるから、過去の関係性をもとに予測を作ると、足元の経済動向がそもそもうまく描写できない。
この状態で足元で起こっていることが構造変化なのか、景気循環なのかを識別しながら景気予測を作っていくのがエコノミストの仕事なんだね。
そのためには統計モデルの変数として採用しにくい細かい経済統計の中身やビッグデータ、質的な変数なんかも加味して予測を作る必要がある。
それを大雑把に言うと、「勘と経験」という言葉になっちゃった部分があるんじゃないかな。
もちろん、これをすべて統計的に織り込んだモデルが作れるならば理想的だよね。
政策当局を中心にこうした取り組みを進めているのは知ってるよ。でも実用的な景気予測をそれだけで行うことが出来るレベルには達してないよね。
もし出来るというのならば早く「論文」で発表してほしいな。参考にするよ。
不思議なことに、日本ではマクロ経済学者がいわゆる職業エコノミストを馬鹿にすることが今回の事例のように一般的に行われているのよね。
でも実際にはやってることが違うことが多いから、下手に口出しするべきじゃないと思うよ。
逆に、月次や四半期で出てくる経済統計について、マクロ経済学者がとんちんかんなコメントをしていることも少なくないよ。仕方ないと思うよ、普段見てないんだから。
だから、もともと論文を書くことを仕事にしていない職業エコノミストが論文を書かないことを馬鹿にするべきじゃないよ。
こんなことはある程度理解はされていて、「勘と経験」という言葉が癪に障ったので瞬間沸騰してツイートしたのだろうとは思うよ。
でも実際にモデルが織り込めない経済環境を予測に活かしていくためには、ある程度の経験が必要になる局面も多いのは分かってもらえるんじゃないかな。
あと、異様に「勘」が鋭いエコノミストもいるよね。トップエコノミストは他の人が見つけていない重要な要素を見つけ出すセンスがずば抜けてる。これは「勘」としか表現できないと思うな。
ま、そんなに考えずにドタ勘だけで予測してるエコノミストもいるのは事実だし、元記事の人がどういう作業をしていたかはわからないけどね。
登録者数の伸びが凄い!とか同接数が凄い!!とかよく聞くけどさ
いやそうじゃなくてコンテンツとして何が凄いの??って
ころねみたいに他人がやらないような特異なエンタメを提供できるの?
今のところ俺には何の特徴も特技もないただの女にしか見えない。
Vtuber人気トップ3人が全員ほぼ休止(船長は低浮上なだけだが)してるところに新人が出てきたからたまたま当たっただけでは?
最近海外エンジニアの給料ネタが流行ってるからYouTubeなら金額以外の実情が見れるかな?と思っていろいろ漁ってみた
どうやら向こうでは「エンジニアはつらいよ」系動画を上げるのが流行っているらしく、いろいろヒットした
その動画をいろいろ観て、過度な夢を見ない方がええなって思うようになったのでメモ
金について
$120,000/yearのオファーを受けたはずなのに、1ヶ月後$1,500しか預金通帳にない!なんでや!
ってなって出費を確認したら、税金、家賃、車代(向こうは車必須らしい)、生活費で9割ほど持ってかれていたらしい
ストックオプションも$80,000と言われていたけど、実は数年にわたって渡されるもので、月当たり$1,000しかなかった(しかも、スタートアップの場合ストックオプションを全額貰う前に企業が潰れる可能性もある)
結局月100万もらっても月25〜30万くらいしか貯金できないらしい
顧客について
向こうの顧客もクソが結構いるらしく、製品にどう使えばいいか知らんけどとりあえずブロックチェーンとかメタバースを絡めろみたいな無茶なこと言うバカは全然普通にいるらしい
とはいえコメ欄を見るとあるあるwってノリだったから嘘とまでは言えないのだと思う
と思ったらトップコメントに「プログラマとして一生懸命働いてたら定年を迎えることはないだろう」と書いてあった
向こうは定時で終わるホワイトやないんか?嘘やったのか?
どうせ定年する前に死ぬなら正直キーエンスにでも逝った方が良さそう
それは冗談だけど、普通に前に他増田が言ってたように副業で向こうの仕事もらった方が安パイそう
いろいろ動画を見たおかげで生きてる内は天国に辿り着くことなんてできないんだな、と諦めがついたので明日からお仕事頑張りたいと思います。
先日、日本のサイバーセキュリティの司令塔である内閣サイバーセキュリティセンター(NISC=ニスク)の関係者に話を聞いたところ、「各省庁の調達時に、ある特定メーカーを名指しして排除はしていない」と言うのだ。さらに2020年12月に平井卓也デジタル改革担当相(当時)も記者会見で「我が国のこの申し合わせでは、特定の事業者とか機器を名指しで排除するような記載はしていません」と発言している。
「機会均等という観点で、調達にも特定の企業を排除するということはしないのが防衛省。さらに備品などもなるべく安く購入できるならそちらを選ぶこともあり、セキュリティがトッププライオリティになっていない現実がある」
さる自衛隊関係者も最近、「これだけ(スパイ疑惑が)言われているのに、職員に中国系のメーカーのノートパソコンが配られて唖然とした」と嘆いていた。
ロシアの例をとってもそうじゃん