「テント」を含む日記 RSS

はてなキーワード: テントとは

2022-07-09

私は自民党投票する

今回の参議院選挙に関して、私は選挙区比例ともに自民党候補投票する。

今回の投票行動はテロリストに対する私なりの戦いだ。

この文章は私の意思表明であり懺悔でもある。

私は一家揃って反自民な家庭で育ち最近では民主党民進党共産党立憲民主党投票してきた。

脱原発テントや反TPPデモはもちろん反安保集会にも何度も参加した。私はアベ死ねアベ辞めろと散々繰り返し言ってきた人間だ。

昨日、安倍晋三氏は民主主義の根幹たる選挙遊説中に、明確な悪意を持った人物が起こした政治テロの凶弾に倒れた。

いや、倒れたのではない殺されたのだ。

散々アベ死ねといった奴が何を言うのかと思われるかもしれない。しかし、私は現実のおぞましさに吐きそうになった。

デモ出会った仲間たちのTwitterを見ると天誅 因果応報 挙句テロ実行犯英雄だと讃えていた。

もう無理だ。この連中を彼らも同じ人間なんだと捉えることはもうできない。

この政治テロを受けても私の政治信条は変わらないし、デモ参加も後悔していない。

しかし、実際に亡くなることな微塵も考えず、浅慮で愚劣な言葉を吐き続けたことを心から恥じる。

テロ実行犯供述もでてきているが、私は信じるに値しないと考える。

そもそもニュージーランド首相に倣い名前すら口にしたいと思わない。

警察にはテロリスト証言に頼らず、徹底的な検証テロ背後関係を明らかにすることを期待する。

さあ選挙を続けよう。哀悼の意を胸に普段生活を続けよう。卑劣醜悪テロでこの国は変えられないとテロリストに示そう。

2022-07-08

世話になった異郷の人には会えるときに再会しといたほうがいい、しないとずっと心に残るよ(それも悪くないけど)という話。

まんじゅう要求BBAの増田を読んで俺も似た思いがあるので書く。

https://anond.hatelabo.jp/20220707214147

 

大学生最後の年、翌年から地元に帰って就職するので最後の長い自由時間満喫しようと、バイク野宿しながら2ヶ月半かけて日本一周した。

途中、紀伊半島クラッチケーブルが切れてギアチェンジできなくなり自走不可能になって、バイクを押して歩いて海沿いの小さな集落にたどり着き、そこで数日停留した。

 

なんとかならないかバイクをいじったがなんともならず、大阪ショップ電話して新しいクラッチケーブルを注文して、知り合ったおじさんの家に送ってもらうことになった。

バイクをいじってるとカブにのった郵便配達のおじさんが声をかけてきて、少しこれまでの旅の話などをした。

ケーブルが届くまで待つため、集落の人に了解をもらって集落前のビーチにテントを張って寝る準備をしてたら、昼の郵便配達のおじさんが車でやってきて、テントをわざわざ探し出して声をかけてくれ、車で家まで連れてってくれて、家族団らんの食卓にお邪魔させてもらい、一緒に晩ご飯を頂いた。

ごちそうさまでした、と帰ろうと思ったら、そのままお風呂はどうだとお風呂に入れてくれ、出たらパジャマが用意されてて「え?」と思ったら、もう布団を敷いてあるよと、そのまま翌朝の朝食まで頂いてしまった。

 

あと、集落唯一のガソリンスタンド経営してたおじさん。

2日目の昼にガススタ事務所に招いてくれて笹寿司コーヒーを頂いたり、息子さんの宿題を一緒にやったり、荷物が届かないからと車で一緒に運送事務所まで探しに行ってくれて、まだ無かったので切れたクラッチケーブル溶接で直してくれた。

3日目に届いたので結局修理済ケーブルは使わなかったし、今ではそのバイクも手放してしまったけど、修理済ケーブルは今も大事にとってある。息子が大きくなったらこケーブルを見せて思い出話をしたいな。

 

 

他にもガススタに来てた大阪から釣りしにきたおじさんの別荘に招かれ泊めてもらったり、ガススタの隣にある民宿のおばさんにずっとバイクを置かせてもらったり、たくさんのお世話になった。

こんな無償で優しくしてくれる人が大勢いるなんて、なんて暖かい集落なのだろうとびっくりした。

新しいクラッチケーブルが届き、バイクに付け、出発するときは、ガススタのみなが手をふって見送ってくれた。

しばらく走ったあと振り返ると、海ごしに集落が小さく見えて、みなの優しい顔が頭に浮かんできて、泣いてしまった。

就職して落ち着いた翌年の春、地元からお礼の手紙を皆に送った。

 

他にもこの集落から少し離れた別の集落でも、駅で寝ようとしたら汽車から降りきたおじさんに声をかけられ家で寝させてもらったり、近くの崖でヘルメットを落としてしまい別の集落駐在所おまわりさんにヘルメットを貸してもらって街まで走って新しいメットを買いに行ったり、

北海道ツーリングでは地元漁師さんの家に泊めてもらって無人島https://www.google.com/search?q=嶮暮帰島)(むかしムツゴロウさんが住んでた)まで漁船で連れてってもらったり、旅ではあちこちでいろんな方にお世話になった。

 

 

それから20年近くたち、たまにストリートビューで今あそこはどうなってるかなと見るんだが、あのガススタがマップに表示されない。

どういうことだ?と名前地名検索すると、閉業済みの情報が見つかった。

グーグルマップ口コミを見ると「ここのG,Sは親父さんが亡くなった為、もうスタンドはやっておりません。」

https://www.google.com/search?q=コスモ石油+亀井石油店+新鹿

ガーン!おやっさん、亡くなったの!?

なんてことだ、会えないまま永遠の別れとなってしまった。

 

実は日本一周の8年後、長期の夏期休暇をとってまたバイク集落を再訪し、郵便局員のおじさんは(退職済みだったので郵便局でおじさんの家を教えてもらって)再会してお礼を言っていたのだが、ガススタのおじさんは不在で、息子さんにしか会えてなかったんだ。

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/bokuto/tabi/100801/05.html

 

その息子さんとは、ガススタのグーグルマップ口コミ投稿したら、それを見てメッセージを送ってきてくれて、その後や現状を聞いたりしたんだが、おじさんに会えないまま別れとなったのは今でも心にひっかかってる。

 

世話になった人には、会える機会があったら積極的に会っておいたほうがいいよ、という話。

2022-06-29

anond:20220629130622

これは、すべてイコルスン娘の計算・・・

黒いTシャツに水色のハーフパンツを穿いたイコルスン嬢がいて、もじもじしながら「ごめん」



股間テントが起床して出た、の間違いだろ

起床してテントから出たら、

うんこのおと

大学の同じサークル平方イコルスンが描く目がきつめの女の子キャラみたいな奴がいた。

名前だけ知っている状態で、お互いに全く興味がなかったが、合宿文化部だけどあった)でキャンプに行った時、関係性が大きく変わった。

皆で酒を飲んで談笑中、尿意を催したので少し離れているトイレへ。

トイレは1つしかなく、誰か入っていたので外で待っていると中から、「ビチグソビチグソブリブリブリブリ」と信じられない様な音が聞こえてきた。本当に完全な偶然だろうが、そういう音だったのだ。

それを聞いた僕は人生で1番笑った。笑ってしまった。

「誰!?

からマジギレの金切り声をイコルスン嬢が発したので、僕は腹を抱えながらその場から走り去った。途中転んで膝を擦りむいたけど、それでも笑いが止まらなかった。

談笑の場に戻る事にはようやく落ち着いたが、数分後に戻ってきたイコルスン嬢の鬼の様な顔を見て吹き出ししまい、追いかけっこが始まった。

捕まった僕は割と本気でボコボコにされて、談笑がパニックに変わり、真相真相なので理由も明かすことができず、僕とイコルスン嬢は変人扱いされた。

翌朝、なんで殴られないといけないのかと時間差でブチギレながら起床してテントから出たら、黒いTシャツに水色のハーフパンツを穿いたイコルスン嬢がいて、もじもじしながら「ごめん」と謝ってきたのを見た次の瞬間、息子が「今から勃起するよ?」と訴えかえてきたのでその場から走り去った。

それから1年後恋人になり、更に5年後に結婚することになるが、「2人が知り合ったきっかけ」を質問されても、正直に答えることができないので、大学サークルキャンプでと一見当たり障りのない回答になってしまう。


2人を結んだのは、妻のうんこの音。

2022-06-22

バザールに行きたい

実際行きたいか?っていうのを胸に手を当てて考えると、実際には行きたくないということになってしまうんだが、それはそれとして、俺はバザールに行きたい

PTAのバザーみてえな規模感じゃなくて、もっとこう、街区ひとつ草原ひとつみてえな、すげーでっかい、本格的なやつ

無数にテントが連なっていて、よく似ているけど微妙に違う店が大量にあって、どこを向いても人がいて、ちょっと隙を見せると声をかけられて、気がついたら荷物が増えているような感じの

香辛料香りが漂っていて、でかいハムのようなものがぶら下がっていたり、見たことのない魚🐟が並べられていたり、謎の香木とか、趣味の悪い宝飾品とか、何に使えばいいのかわからないけどただ美しい絨毯とか、剣呑な光を放つ刀剣類とか、そういうものがところどころで目をひいている

半野外でありながら、テント密度が高いから薄暗くて、その中で各店舗の店主の目だけが異様にぎらぎら光っていて、財布どころか魂まで持っていかれそうな感じがしてほしい

俺はそういうバザールに行きたい

ナイトバザールだったりしてもよい

歩いても歩いても途切れないテントの海で、ヘトヘトになってみたい

漫画とかゲームをもし作る機会があったら、そういう、超巨大なバザールを取り入れたい

2022-06-12

キャンプデビューしたいんだけど、人がめちゃめちゃいるキャンプ場ってビビらない?

なんか「あいつ、テントも設営できないのかよw」とか言われそうなので山ん中で一人でやりたい

2022-06-11

ソロキャンプには向かない季節になってきた

いつも行く河原無料キャンプ

家族連れが増えてきた

昼は河原に泳ぎに来て夜も蛍の鑑賞スポットらしくかなりの盛況ぶり

家族連れの他にもグループキャンプもそこそこ

明るいうちから飲みながら肉を焼き

昼寝して夜になるとテントの中で

「おっ、ザ・ボーイズシーズン3が配信開始されとるやんけ!」とか言って

朝までだらだら動画見たりしてる人間には

周りが騒がしいのは正直好ましくない

特に音楽スマホBTスピーカーで垂れ流す奴は絶許

全く趣味に合わない日本語ラップとかマジで殺意を覚える

こちらも負けじとアニソン垂れ流してやろうかと思いながらイヤホンをする

冬の間は良かった

ほぼソロキャンパーしかいないので静かなもんだった

2022-06-03

anond:20220603080511

ホンマツテントウ虫、いい歌だからみんなググろう。(URL貼れなかった)

2022-05-31

anond:20220531131036

そうさ。お前にはテント生活がお似合いなのさ。

anond:20220530223237

室内用のテントを買うんだ。

室内が屋外なら、室内に新たな屋内を作るのだ。

2022-05-21

俺がキャンプをしたくない理由自炊大嫌いだからだと思う

テント組み立てたり焚き火するのは楽しそうだけど自炊シーンはひたすらめんどくさそうに見える

2022-05-17

anond:20220517195524

ゆるキャン」だよ。

△はテントを模した装飾で、発音はしないの。

anond:20220517082803

キャンプマンガなので△はテントイメージだろう。

ゆるきゃんてんと、と読むべきでは

anond:20220517095932

ゆるキャンって読む。

△は装飾。お前らの股間にあるテントを模しているようだぞ。

まりエロ同人化する人たちへのメッセージってことだ。

2022-05-13

可愛らしいビール腹のおじさんは全身が性感帯

可愛らしいビール腹のおじさんは全身が性感帯で、ちょっと触っただけで大袈裟に感じてしまう。

そんな彼が唯一、嫌がりながら受け入れてくれる場所があるのだが……

「そっ、そこはダメだ! やめてくれ!」

俺はニヤリと笑みを浮かべると、ズボン越しに彼の股間を優しく撫でた。

すると、彼はビクンッと体を震わせて悶え始める。

どうやらここも弱点だったようだな。

「ここは嫌なのか? でも、体は正直みたいだけど?」

「くぅ……うぐぅ」俺の言葉通り、おじさんは股間を押さえて苦しそうにしていた。

恐らく今にも泣き出しそうなくらい恥ずかしいだろうな。

しかし、そんな彼に対して俺は更なる追い打ちをかけることにした。

「さぁ、見せてもらおうか……」

「ああっ!?

俺は彼の手を払い除けると、一気にズボンをずり下ろした。

そこには予想通り、巨大なテントが張られていたのだ。

しかも、その先端部分にはシミまでできているではないか

「ほぉ、これは凄いな……」

「ああ……見ないでくれぇ」

おじさんは顔を真っ赤にして震えていた。

この様子だと、既にかなり興奮しているようだ。

それなら早速、本題に入るとしようかな。

「じゃあ、お楽しみの時間だね」

「ひゃうんっ!?」俺は右手でおじさんの胸を揉んだ後、左手股間テントに触れた。

すると、彼はビクッと体を震わせる。

そして、先走り液がどんどん溢れてきた。

やはり相当溜まっているようだな。

2022-05-11

anond:20220511115418

ソロで山歩きしたら、すごくお金が出ていく。ザックにクッカー、バーナー、山ボトル、雨具に汗抜けのいい下着や服・・・。日帰り装備だけで10万くらい行くし、そうすると次はテントやシェラフが欲しくなり、大容量ザックも必要になる。沼だ。

ゆるキャンも鍋だか銃弾だかと同じであって、

読んでると、女子の中のオッサンが透けて見えてくるからつらいんだよ

そもそも女子泥酔してるわけでもないのに、

キャンプ場内の建物のベンチで、

一人で昼も夜も寝てるとかありえんだろ…

でも、リアルがいいかというと、

ゆるキャンが全員オッサンというのは見苦しい、

オッサン自分からしても汚く見えるわけで、

ゆるキャンウソ欺瞞に満ちているわけだが、

というわけで、俺からは「ふたりソロキャンプ」を推薦したい

なに?

オッサンソロキャンプJDが釣れるわけがない?

そのとおりだ

常識的に考えて、

まずJDは男女数人でキャンプ場に来て、

テントの中でイチャイチャしていると、

クリスタルレイク在住のマザコンKKOにころされる、

相場が決まっている

ふたりソロキャンプも当然フィクション

漫画なんだから

分かったらキャンプ上でホッケーマスクを被って、

もうひとりの夢の中にしか現れない鉤爪のKKOと戦うんだ

俺たちKKOキャンプ場にも居場所はないのだから

2022-05-07

再度、カモに餌やり。

 五月五日、また公園にカモに餌やりをしに行った。

 前日よりも人の出が少ないようだった。広場にあったワンタッチテントの数も前日の半数以下だ。だが、駐車場の空きは少なかった。隣接のサッカー場子供サッカーチーム試合をしていたので、公園駐車場がその関係者達に占拠されてしまい、他所から公園に遊びに来た人達は、駐車出来ずに諦めて帰ったのかもしれない。

 前日は公園に着いたらまずは敷地内をぐるりと一周散歩したが、この日は真っ直ぐ管理事務所に入った。「鯉とカモの餌」を三つ買う。300円なり。上の子と下の子のぶん、そして私のぶんだ。

 池の周りでカモに餌やりをする人々やザリガニ釣りをしている人々も、少なめ。連休最後の日はインドアに過ごしたい人が多いのだろうか?

 前日にはいくらか居た鯉の姿があまり見えない。カモは前日と同数くらいいるが、同一カモかどうかは不明

 私と子供達がカモに餌をやっている間、夫が池の周りをぐるりと回って鯉の様子を見て来た。夫によれば、鯉は燕子花の間により集まっていたそう。鯉は、産卵に忙しくて餌どころじゃないらしい。

 産卵があろうがなかろうが、この池の鯉は何故か人に餌をねだることを全くせず、人影に向かって寄ってくることもない。昔からそうなのだ。「鯉とカモの餌」は実質「カモの餌」である

 連休中、人々の投げ寄越す餌にカモは飽きてしまったのか、前日よりも食い付きが悪い。食い付きが悪いと、子供達はむきになって餌を次から次へ、なんなら鷲掴みで一度に投げつける。面倒臭そうな仕草で、カモは泳いで行ってしまう。

 前日に学んだ通り、カモは真正面に落ちて来た餌にはあまり反応しないので、横か、なんなら背後めがけて投げるのがよい。一粒ずつ投げて、食べたらより手前の方に投げて、少しずつカモをこちらの方に誘き寄せる。……と、言い聞かせても、子供達の逸る気持ちを宥めるのは無理なので、子供達がやたらめったら投げて全部外しているうちに、背後から私が投げて、カモ達をこちらに誘導する。

 公園のカモは人慣れしているが、それでも野鳥なので、決まったセーフティーゾーンを越えて近づいてくることはない。一番寄って来て、岸から1.5mくらいの所。だが、それだけ近づいてくれれば、子供の手で投げた餌でもカモはもれなく拾ってくれる。

 カモを岸に寄せたら、私の役目は終わりだ。早くも手持ちの餌を投げきってしまった下の子に残りの餌を手渡し、子供達の隣にしゃがんでカモを眺めていた。

 やがて二羽いたカモのうちの一羽が、人間相手をするのに飽きたらしく、水面に浮いた水草の根で遊び始めた。猫がねこじゃらしにじゃれつく時のように、根っこの切れっぱしを仮想敵とみなしてつつき回している。するともう一羽は反対方向へとすいすい泳いで行ってしまった。

 よく、水辺の白鳥の姿は夕方だが、水面下では白鳥の足はジタバタと不恰好に水を掻いているという。だが、カルガモ達が水面をすいすい行く時の足の動きは優雅無駄がない。茶色と緑の入り雑じった泥水の中でも、カモの足のオレンジ色は鮮やかに映えている。

 子供達は橋を渡って池の向こう岸へ行き、別のカモのコンビに餌をやり始めた。私と夫は日陰に入り、また別の二羽を眺めた。なんと、二羽のうちの一羽がうたた寝をし始めた。私と夫の他にも人間いくらかいる、その前で、自らの羽の合間に嘴を突っ込んで、うつらうつらと目を閉じたり開いたりしている。警戒心がだいぶ薄れているようで、風に吹かれるままに岸辺に流されて来て縁に敷かれた石にぶつかりそうになったところで目を覚まし、いそいそと池の中央に戻っていく。だが、しばらくするとまたこちらに流れてくる。カモ達の、ここに来る人間達への信頼度半端ない

 あまり昼寝の邪魔になるのもなんなので、こちから遠慮して岸を離れた。池の中央にかかった橋を通ると、水面に亀がひょっこり顔を出していた。種類はわからないが、外来種ではなさそうだ。どう見ても、こっちを意識している。子供達を呼び寄せて、亀がいるよと教えてやると、子供達は亀に餌を投げた。すると亀はカモよりも機敏に餌を追いかけて食べた。だが、カモほど食欲が底なしではないらしく、いくつか食べただけでくるり身体の向きを変え、泥水の中へと姿を消した。

 対岸で、子供達がカモに餌を投げるのを見守る。子供達はやはり闇雲に餌を投げるばかりで、大人のようにテクニックを駆使してカモを手懐けることは出来ないようだ。それでも、力技で遠投した餌をカモに拾われて喜んでいる。

 二人の少し後ろに、三歳くらいくらいの男の子がとことことやって来た。手には餌の袋を持っている。だが、まだ小さいので餌を遠くに投げることができない。男の子は、うちの子供達が餌を投げているのを、恨めしそうにじっと見ているだけだ。そのまた背後に、父親心配そうな顔で着いている。うちの子供達が邪魔男の子がカモに餌をあげられないという構図になってしまっていた。なので、私は子供達に声をかけて、あっちのカモに餌をやりに行こうと促した。

 池の周囲でカモに餌をあげようとしている子供の多くは、五歳以下に見える。自分の足元も覚束無い幼児もいる。彼らはどうしたらカモの気を惹けるか考えて餌を投げるということが出来ないので、節分豆まきのように餌を投げまくった末にカモ達に完全無視を決め込まれる。ガッカリしている子もいれば、とりあえず好きに餌を投げただけで満足という様子の子もいる。

 うちの子供達がその年頃のころ、私は子供達にカモの餌やりはさせなかった。うっかり足を滑らせて池に落ちることを恐れてのことでもあり、こんな小さな子に失敗が運命付けられているような事をさせても可哀想なだけなのではないかと思った。それに、その当時は池の畔に集まる子供の多くが小学生で、幼児の方こそ場違いに見えた。

 だが今は、頭の重みでいつ前のめりに転がり落ちるかわからない幼児が、器用に池の縁の石の上に立ち、池の中を覗いているのだ。

 うちの上の子はもう五年生で、この歳までカモに餌をやって遊ぶことをしないで来たわけだが、もうじき自分から幼児に紛れてこんな風に遊びたいと言うような年頃ではなくなってしまうだろう。少々の危険覚悟で、もっと小さいうちから好きに遊ばせておけば良かったのではないかという後悔を感じないでもない。だが、一人で池を覗き込んでいる年端のいかない幼児が池に転がり落ちないで済んでいるのは、単に運がいいだけにも思える。

 餌を全部投げ終わると、子供達は手を繋いで、中央広場遊具で遊んで来ると駆けていった。私が子供達の手助けをする必要はもうない。遊具で遊んでいるのも幼児とその保護者ばかりで、小学校高学年の子供達はマイナーだ。十年前は逆に大きな子供達ばかりが、少数の幼児を蹴散らすような勢いで遊具に飛び付いていて、危なっかしくひやひやしたものだ。

 後で上の子に聞いたところ、遊具には小さい子が沢山いるから、小さい子に出会ったら危なくないように道や順番を譲ったとのことだった。

 子供達が遊具で遊んでいる間、私と夫は木陰のベンチに腰掛けて待っていた。

 蓮池のところでザリガニを捕っている親子連れがいた。事務所で売られている「ザリガニ釣りキット」ではなく虫捕り網を持っている。ザリガニは釣るより手掴みした方が早いのは確かだ。

 母親が威勢よく小学校低学年くらいの息子に怒鳴っている。ここぞという時に息子が網を持ってふらふらとどこかに行こうとしたからのようだ。母親は、ザリガニ捕りどころか公園遊びにも向かないようなくるぶし丈のスカンツの裾を片手で引き上げ、もう片方の手を蓮池に突っ込んでザリガニを捕ろうとしている。根っからお転婆ではなさそうだ。そんな妻の横に立つ夫は「男らしさ」とは縁の無さそうなおっとり系だ。私の観測範囲だと、自分の息子を「男の子でしょ!」と叱る人ほどお転婆そうではなく、配偶者大人しそうな優男であることが多い。

 振り返って広場の方を見ると、上から下までスポーティーな格好の母親と、やはり上から下までスポーティーな格好の小学校高学年か中学生くらいの娘がバドミントンに興じているのが見えた。楽しそうだ。子供が大きくなったら大きくなったなりの遊び方があるようだ。私の乏しい体力では、バドミントンは無理そうだが……。

2022-05-06

OTODAMA'22 音泉魂 "〜BACK TO OFURO〜"1日目

OTODAMA'22 音泉魂 "〜BACK TO OFURO〜"1日目に行ってきました。

2019年RSR振りの野外フェス。初めてOTODAMAに行くのでもっと都会(?)的なフェスかと思ってたけど、バスで会場に着いた時に「ああ、屋外フェスってこんな感じだったな」と思い起こさせる空気感テンション上がった。入場する道を歩いてたらにフジファブのリハが聴こえてきて夜明けのBEATで更にテンション上がる。本編ではやってなかったので聴けてお得感あった。

とりあえず良さげな所にシートを敷いて羊文学を楽しむ。若いバンドにしては昔ながらの構成(ちゃんイントロがあってアウトロも長い)だし歌上手いし初っ端から良い演奏が聴けて既に楽しい。隣に座ってた男性グループの人が「ガールズバンド?」って聞いてるのが聞こえてきてつい笑ってしまった。フグタさんは髪の毛長いけど男性です…(笑)途中で友達と合流の為に離脱ご飯を食べようとしたがどこも長蛇の列でとりあえず一番早く買えそうな所で焼きラーメンを買った(笑)これ後で書くけど、飲食店オペレーションの悪さやばかった…。ご飯を食べながらフジファブを聴いて懐かしい気持ちに浸る。総くんの祖父母?が銭湯やってて番台が僕の居場所でしたってMC良かった。

腹ごしらえ後はシートに戻ってクラムボンを見る。当たり前なのかもしれないけど演奏がめちゃくちゃ上手い…。スリーピースでこの完成度…これがスリーピースだよね…と友達に言ってしまった。(この発言意図は言いたくないので汲んで欲しい)めちゃくちゃ天気が良い野外で上質な音楽聴く幸せ…こんなに素敵な時間だったんだなって実感…。ミトさんが「こういう日常が早く普通になって欲しいね」って話ててお客さん側もアーティスト側も同じ気持ちなんだなぁ…としみじみする…。郁子ちゃん今日バックヤード同窓会みたいになってるって話てて確かに…って思った。これだけドンピシャ世代が一日に集まってるフェスも珍しい。

バイン迄にトイレを済ませて飲み物を買おうとするも何処も行列がヤバくて、ちょっと熱中症になりそうな感じだったけど並んでたら間に合わなさそうなので我慢してバインに向かう。何で飲み物買うだけなのにあんなに並んでんの…??バインの待ち時間ひなっちが太ってた頃の話(?)とかして盛り上がってたらリハでメンバーが出てきて、アニキサングラスしててめちゃくちゃカッコ良かった…!!アニキサングラス似合うな!!あとアニキマスク姿を初めてみたかもしれん。皆リハでもマスクしてて偉い…。セッション的なリハをして、田中さんが「これ一回捌けんの??」って聞いて一旦ぞろぞろ捌けるメンバー。そして数分後にぞろぞろ出てくる(笑)とりあえずセトリはこんな感じ

1.Alright2.光について3.風待ち4.阿5.ねずみ浄土6.Gifted7.Fly

でした。光については最初ドラムの音ですぐ分かるようになってしまった…。これは個人的感想なのだが、正直不完全燃焼でした…。セットリスト云々も少しはあるけど、何となくこう…上手く言えないんだけどもっとイケるてしょ!?って気持ちになってしまった…。うーん…まぁそう言う時もあるよね!って事で…。

本当はくるりが見たかったけど、熱中症になるかもしれないので友達にも付き合ってもらって飲み物を買おうために飲み物専門レーンがある店に並んだけど、めちゃくちゃに列が動かない…。くるり演奏中、ほぼ飲み物の列に並んでいた…。ペットボトルお茶買うだけなのに…これはちょっと酷いと思う…。お店の人も慣れてなくて?必死なのかもしれないけど飲み物買ったお店の店員さん感じ悪かったし…。他のお店もかなり並んだけど、対応真摯で良かった。本当どこのお店もこう言う出店に慣れてないって感じがやばかったな…。

くるりフェス仕様セトリで、上海蟹とかバラの花、街、ハイウェイ、すけべな女の子等々私でも知ってる曲を沢山やってくれてた。サポートドラムの人すごく良いなと思ってスクリーン見たらあらきさん(多分)だった!そりゃ私好みだな〜。

Coccoを見る為にステージへ急ぐ。サポートメンバー長田さん、根岸さん揃っててマジで豪華過ぎるしアッキー(多分)もいた!!(昔シロップのサーポート入ってくれてた方)全員がスタンバってたけど中々始まらなくて、根岸さんがステージ袖ずっとチラチラ見てるし、長田さんは「おいで」みたいな仕草してたかあっちゃん待ちかなと思ったら、全身黒のドレス蛍光ピンク靴下(?)を履いたCoccoが走って出てきて、それだけでもうオーラがすごかった。一曲目が強く儚い者たちで歌い出す前に何度も深く深呼吸して、ぎゅっと手を握ってから力を抜くように手を振ってるCoccoから目を離せなかった。ライジングで叶わなかった(ライジングではアーステントだった)野外でCoccoの歌を聴く夢を叶えられたし、本当に歌姫と言うか歌う為にここにいるって感じがするオーラを纏っていた…。そして、潮満ちぬから花柄セットリストね…!!熱すぎるでしょ…。この振り幅がCoccoの持つ魅力の一つでもあるし、何より力強い伸びのある透き通った歌声…素晴らしいステージで胸が一杯になった。

ナンバガに備えてバースデーからハナレグミ迄の間にご飯トイレを済ませよう(飲食ブース無茶苦茶並ぶから)と言う事でタコスの店に並んだけど列の進みは相変わらず遅い…。買う所まで来て思ったけど、やっぱめちゃくちゃオペレーション悪そうと言うか慣れてないメンツでやってる感すごかった…。今日でこれだった二日目と三日目ヤバそうだから空きの一日で改善される事を祈る…。味は美味しかったです。並んでる最中に聴いたバースデー、キュウちゃんドラムが上手い!!って友達と褒めまくっていた…(笑)演奏自体上手いから知らない曲でも楽しいのよな〜。ステージ去る時にチバさんが「最後まで気をつけてな」(だったと思う)って言ってて友達と「チバ、カッコいい〜!!」ってテンション上がった(笑)チバさんが言うと何でこんなにカッコいいのか…。

トイレを挟んでちょっとシートで休憩してからナンバガへ移動。ハナレグミが当たり前に歌も演奏も上手くて「上手い…」って友達としみじみする。この日の出演者、皆演奏も歌も上手くてずっと上手い…って話てた(笑)

ナンバガもリハで出てきて、それだけで皆固唾を飲んで見守る…。一通りやった後に向井さんが「いつからやって良いか言ってくれんと分からんよ」って話てたの中々ピリついてる感あるなと思ったけど、、やって下さいって言われて始めるの面白かった(笑)

そして野外のステージナンバガを見る夢がここで叶ったんだけどね、本当にヤバくてこんな時代でもなきゃめちゃくちゃに声出してたと思う…。もー、とにかく演奏ヤバい…(語彙力が皆無)アヒトドラムも前にライブ見た時よりすごく良くなってて興奮し過ぎて発狂するかと思った(笑)セットリストがもうこれ!って感じのサービス精神満載の詰め込み具合いで…水色革命からの透明少女とか、TATOOありも好きだからしかったし、何よりCIBBICCOさんのナカケンベース…!!ヤバい!!アヒトドラムも最高だし、ひさ子さんのギターもめちゃくちゃ鋭利だし、向井さん本当にギター上手いんだよなぁ…!omoide in my headテンション上がりまくって頭ぶんぶんし過ぎて首もげるかと思った(笑)割と後ろの方で見てたかあんまりすると恥ずかしいなとか思ってたけど、そんなのどうでも良くなって死ぬぶんぶんしてしまった。多分友達と私かなり浮いてたと思う…(笑)ライブ終わった後、すぐにマスク付けて去ってくメンバー可…偉い。向井さんのMCで「我々初入浴でございます…入浴!」って乾杯の変わりに言った後、お客さんの反応が皆無で「むむむ…」って言葉に詰まって素で困ってた向井さん本当面白かったし、画面にぬかれたひさ子さんも笑ってた…(笑)ライブ終わった後、友達と私の第一声が『…カッコいい〜!!』って同じだったの本当それ!!って感じだし、それしか出てこないぐらい最高だった。マジでめちゃくちゃナンバガだった。上手く言えないけど、本当にナンバガライブを見た!!って思った。シートに戻ってからも興奮して友達感想を言い合ってたけど、TESTSETが始まって演奏聴くまでMETAFIVEだって知らなかったから、めちゃくちゃいいやん!!LEO今井やん!!って思ってスマホで調べてしまった(笑)小山田さんの事があってから名前変えてたのか…。友達とはバス時間関係でここで解散しかし、マジでどのバンド演奏が上手すぎてこんなに満たされるフェスあるの…??って感動した…。

シート畳んでAJICOはスタンディングエリアで見る事にして移動。一曲からペピンやってくれてひぇ~ってなる。やっぱベンジーカッコいい…。UAも抜群に上手いし、TOKIEさんのベースカッコいいし、ベンジーギターはいつ聴いても最高だしでもうさ〜何て素晴しい締めのステージなの!?ってまた感動してた…。そしてUAの歌う水色!!水色めちゃくちゃ良い曲だから聴けて嬉しい〜!!最高に良かった…。美しいことも聴けたし何という満足感…。

こんなに見たい人が一日にまとまって出てるフェス過去になかったしこんなに満足出来て8800円って破格過ぎでは!?!?音泉さんに感謝しかない…。こんな時代になってしまって、野外フェスなんて夢のまた夢…みたいに思ってた所からここまで戻って来れたんだなって感動したし、何より天気の良い野外で爆音音楽聴くって行為がこんなにも幸福楽しい空間だったんだって改めて実感出来る一日だった。こんな日があるから頑張れてたんだな…。本当にちょっと泣きそうだったもん。

これから時代フェスを行う上で色々改善する事もあるとは感じたけど(前方エリアとか昔と変わらないぐらい近い距離でつめてたし歓声も結構上がってた)少しずつこういう時間を取り戻せたらなって思わずはいられない時間だった。やっぱ音楽って良いね!!

しかし、これだけは言わせて欲しい。飲食ブースは許すまじ。これは絶対改善して欲しい。

2022-05-05

猫に色々あげてみた

猫がカーテンに登るのでカーテンを開けっぱなしにしたところ虫が光につられてベランダに集合してくるので捕まえて猫に差し上げてみた

蜘蛛…死んだ状態だったからか弄ぶだけで食べなかった

テントウ虫…食べた

蛾…弄び後食べた

カミキリムシ…逃げた

虫あげてからなのか、その後はカリカリをあまり食べなくなってしまった。

カモに餌やり。

 「石の卵」という本を見た子供が、内部に宝石の入った石を探したいと騒ぐので、家族川原に行くことになった。

 ところが、川辺キャンプ場の駐車場に車を停めて川原を目指して歩いたところ、川原へ通じる小道の全てが封鎖され、「立ち入り禁止」の立札が立てられていた。

 車へ戻り、堤防沿いや川にかかる橋を通過してみたりして気づいたが、連休中でしかもいい天気なのに、川原には川遊びをする人々どころか釣り人さえ一人としていない。いつの間にか、川原全体が立ち入り禁止区域になっていたようだ。

 子供宿題の絵日記ネタが無くなったと泣いた。

 そんな訳で石拾いは諦め、翌日、市営のちょっと大きな公園に行った。お目当ては、公園の中心にある池だ。そこではザリガニ釣りと鯉に餌やりをすることが出来るのだ。

 公園に着くと、まずは散歩がてらぐるりと一回り。ここに来たのは数年ぶりだが、昔とほとんど変わっていない。芝生や樹木は手入れがなされてさっぱりとした様子。遊具では沢山の子供達が遊んでいる。噴水は十分おきに水を吹き上げる。そこに水着姿の幼児達が水浴びに興じている。

 変わった点はというと、芝生の半分くらいは沢山のポップアップテント占拠されていて、子供達が走り回る場所ではなくなっていたことくらいか

 だが、ふと気がついたが、うちの子供達は既にこういう公園で遊ぶような年齢ではなくなりつつあるのかもしれない。テントの合間をぬうように走り回る子供達より、我が子らはだいぶ大きい。うちの上の子小学五年生だ。下の子は二年生で小柄な方だが、それでもこの場所では少し浮いているかもしれない。

 池に行ってみると、昔のように畔には燕子花が葉を伸ばし、浅瀬は蓮の葉に覆われている。そして、池の中央にかかる橋から池に餌を投げ込んでいる人々がいた。どうやら今も池の鯉用の餌が売られているようだ。

 そこで、子供達を連れて公園入り口まで戻り、管理事務所に入った。昔は事務所の窓口で鯉の餌が売られていたはずだ。ところが、今は販売システムが変わっていた。事務所の裏口で「鯉・カモの餌」と「ザリガニ釣りキット」がそれぞれカプセルに入れられた状態販売されているのだ。1個100円なり。

 昔、子供達がまだ幼児だった頃は、どんなにせがまれても鯉の餌やりやザリガニ釣りはさせなかった。池の深さはそれなりにあるのに、周囲に柵などが全く設置されていないからだ。子供達が池に落ちるのを畏れた。だが、今では子供達も大きくなったことだし、これからこちらがここへ遊びに来ようと誘っても子供達の方が億劫がるかもしれない。もしかしたら、これが最初最後の機会になるかもしれないと思った。

 子供達は大喜びだ。上の子は鯉とカモの餌がいいと言い、下の子ザリガニ釣りキットを選んだ。鯉とカモの餌は思ったより多く入っていた。ザリガニ釣りキットは、タコ糸の先に小さな鉛の玉スルメの切れっぱしをくくりつけたものだった。それを園内で適当な木の枝を拾って結び着けて使うのだ。

 上の子に私がつき、下の子には夫がついた。私と上の子は池に餌を投げ込み易い、開けた場所に移動し、夫と下の子ザリガニがいそうな、浅瀬で草の陰になっている場所へと移動した。

 池の中を泳ぐ魚影は、昔に比べてだいぶ少ないように見えた。だが、一匹一匹がとても大きい。昔見たのよりも全長が倍くらいありそうな錦鯉が、泥水の中を悠々と泳いで行く。上の子はただの黒い鯉よりも錦鯉に餌を食べて欲しいらしく、餌を一粒ずつ、腕を振りかぶって遠投するが、まったくのなしのつぶて。どうやら、鯉達は全く腹を空かせていないらしい。風上の方から、ふやけた餌粒がいくつも漂ってくる。

 黙々と餌を投げ続ける上の子の横で、私はしゃがみ込み、時々水底に光る小魚の影や水面を漂う餌粒の合間をすいすいと泳ぐアメンボを眺めた。

「あーあ、全然食べてくれない」

 と、上の子が嘆いた時だった。燕子花の葉陰からカルガモが二羽、クワクワッと鳴きながら泳ぎ出て来、水面に浮かぶ餌粒を食べ始めた。ただ水の流れ任せにたゆたっていく餌粒を、カモはまるで生きている虫を捕まえるかのように、律儀に大げさに嘴を左右に振って、食んだ。そして、クワクワクワッと、まるで我々のことを「餌くれる人」と理解しているかのように見上げて鳴くのだ。時々田んぼの近くを散歩中に見かける彼らとは、ずいぶん態度が違う。用水路に浮かんでいる時の彼らは、人の気配がするやいなや、バタバタと飛び立ち、逃げてゆくというのに。人を見分けているというより、場所を見分けているのだろうという気がする。

 間近で見るカルガモは、思ったよりも目が顔の中心よりも上にあって、しかも目付きが鋭い。剣呑な目の真ん中の瞳孔は、鳩のそれと同様に虚ろだ。確か、渡辺崋山だったか……、江戸時代の終わりごろに、師匠の絵を手習いにするのではなく、自然花鳥風月を直接手本にして描く絵師がいたけれども、彼らの観察眼はかなり自然に忠実だったのだなあと、しみじみ思う。今目の前にいるカルガモは、私の子時代ワイドショーで持て囃されていた、雛を沢山連れて道路を横断するカルガモの親よりも、江戸時代の写実画によく似ている。

 上の子は、鯉を狙って餌を投げつけている間に投球のコントロールがよくなり、高確率でカモの真正面に餌を投げ込んだ。ところが、そういう時に限って、カモ達の食い付きは悪い。上の子の贔屓は、二羽のうちの後方にいる方で、これは前方に出て盛んにクワクワッ鳴いて餌を強請る奴よりも小柄で控えめに見えた。上の子は手前のカモに一粒投げたら、後ろのカモに二粒連続で投げた。だが、後ろのカモがきょとんとしている隙に手前のカモが自分に投げられた餌そっちのけで後ろのカモの分を横取りしてしまう。

「あー、ずるいーっ。なんで自分のを食べないのぉ!?

 上の子文句言い言い餌を投げる。ぼんやりと浮かぶだけの後ろのカモと、その周りを忙しなく動き回って餌を独占する、手前のカモ。後ろのカモがこちらに真っ直ぐ顔を向けたままほぼ動かないので、真正から見たカモの顔つきの不気味さがよく見える。ウサギなんかと同じで、目が顔の左右に着いているので、真向かいに向き合っても視線が合うことはない。カモのような鳥が真正から絵に描かれることが少ないのは、我々人間の顔とは違う顔をしているからであり……はっきりいって、正面から見ると別に可愛くないからでもあるんだろうな。

 と、考えていてふと気づいた。単に視野問題なのだ。私は上の子に餌を一粒貰い、後ろのカモの左脇を狙って投げた。すると、すかさず手前のカモも反応したが、後ろカモは横取りされる前に餌を食べた。やっぱり、目の前に落ちた餌は、見えないので気付き難いようだ。後ろのカモに与えようとして投げた餌はちょうど、手前のカモの視界をよぎって飛んでゆく。

 そのことを上の子に伝えたところ、上の子は二匹のカモに代わる代わるに餌を食べさせることに成功した。

 カモ達の食欲は底なしに見えたが、少しすると食べ飽きた様子で、餌を拾うのを止めてただ水を嘴で掬って飲んだ。水を飲むときは首を真上に長々と伸ばして、軽く嘴を左右に振りながら嚥下する。

 ふと、後方のカモがブルッと尻を振った。茶色い水中にあってもオレンジ色の鮮やかな、しんなりとした脚の周りを白いもやが漂っていく。

「すごい、うんちしたー!」

 なるほど、カモは水面に浮かんだままで排泄をするのか。野鳥の排泄なんて、カラス電線から飛び立ちざまに排泄をしてゆくところくらいしか見る機会がないので、いいものを見た気がする。Eテレ動物番組でも、なかなか映さないのではないか。せいぜい、ツバメの雛が親の顔に尻を向けて、ゼリー状に固まった糞を排泄して、親に糞を巣の外に捨てて貰う場面くらい。

 そういえば、冬に下の子を連れて散歩をしていたら、田んぼの真ん中でアオサギが糞をしているのを見かけた。まるで水道蛇口のように、長々と糞を噴き出し続けていた。食ったらすぐ全部排泄する。それが空を飛ぶ鳥の習性だ。

 餌を全て投げ終わったので、夫と下の子の所へ行ってみると、下の子ザリガニ全然釣れないと愚図っていた。下の子はすぐに癇癪を起こすが、案外粘り強い性格なので、取れないが食い付きはするからと、釣り上げるまで諦めないと言った。だが、夫の方が気短なので、早く帰ろうと言い出した。

 夫は、釣り場選びから釣糸の垂れ方まで下の子に口出しをしただけでもう疲れたらしい。池の周りには、夫と同じように子供以上にマジになってしまった父親達と、うんざりして別のことをやり始めた幼児があちこちにいる。

 どうしてもザリガニが釣れないので、鯉とカモの餌をもう一つ買って下の子に与えた。カモは目が左右に着いているため、真横はよく見えるが真正面はよく見えないようだ、と教えると、下の子はカモの体側にぶつけるように餌を投げた。カモは即座に反応してくるくる回りながら餌を取った。下の子がそうして黙々と餌を投げてると、やはりザリガニ取りに飽きたらしい幼児が我々の横にとことこ歩いて来て、ハルジオンの花をカモに向かってぽいぽい投げた。数メートル先の池畔では、その子父親が虫捕り網を手に持って、

「○君、ザリガニはー!?

 と怒鳴っていた。

 帰宅後、釣果が何もなかったので、日記が書けないと下の子が愚図った。でもカモに餌をやったじゃないかと宥めすかせ、日記を仕上げさせた。絵は下の子自分で描いたが、文章ほとんど私が書いたようなものだ。カモは横から餌を投げられるとよく食べる、と。カモの様子ばかりで「楽しかったです」や「面白かったです」などの自分自身の気持ち一言も書かれていない絵日記。そういうタイプの絵日記を、学校宿題として提出するなんて、子供時代には思いもしなかったなあ。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん