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はてなキーワード: ハードボイルドとは

2014-06-30

小説の中の異性に恋をしたことがあるか

自分は無理なようなんですが、名作とか、文学の中でそういうのありませんか。

文学のメソメソした耽美男性も、メリケンさん的ハードボイルドもぴくりともしません。

多分ラテンも話だけに夢中になると思います

ああ二次元に変したい。

2014-06-05

好きなSF打線組んだ

好きなSF短編打線組んだhttp://anond.hatelabo.jp/20140604175240

が楽しそうだったので、便乗。短編に限らずに打線組んでみました。

1二:ニールスティーブンスン「スノウ・クラッシュ

フランチャイズ小国家、凄腕ハッカースケートボードに乗った運び屋、仮想空間上のAI人格等々、わかりやすサイバーパンクガジェットを詰め込みつつも説明臭くはなく、スピード感ある展開で一気に読めるエンターテイメントSF。よくできたハリウッド映画みたいで素直に楽しい。粘り強いバッティングと走力に裏打ちされた出塁率の高さから、不動の先頭打者

2遊:パオロ・バチガルピ「第六ポンプ

バチガルピは、個人的には長編だとちょっとダレる感があって、そういう意味ではこの短編集の方が好み。ねじまき少女世界観濃縮版「カロリーマン」、文明がゆるやかに崩壊する恐怖「第六ポンプ」が好み。現代代表する作家の一人に数えられますが、独特のディストピアバイオパンクを突き詰める職人気質。2番ショートで起用。

3中:チャールズ・ストロス「アッチェレランド

現代と地続きの近未来からスタートして、加速度的に変容する社会人類技術的特異点を迎えるまでを描く大作。ストロスはコンピュータ関連のジャーナリストってこともあって、ギーク文化との親和性も高そうなディテールが満載で楽しい。抜群の守備範囲の広さ、打てば長打を量産する勝負強さで3番に定着。

4一:グレッグ・イーガン順列都市

イーガン短編無難と言われてますが、この「順列都市」は素直に面白いと思う。荒唐無稽アイデアを、超力技で煙に巻かれてなんとなく納得されられてしま快感。本書冒頭の、コンピュータ上でシミュレートされた人格コピーが、目覚めて状況を把握してから辿る思考過程を描いたシークエンスが最高で、10回は読み返してる。イーガンほど投手プレッシャーを与える打者はそういないでしょう。ネクストバッターサークルにいるだけでも圧倒的存在感

5右:チャイナ・ミエヴィル都市都市

現代SFファンタジー最右翼(本人は左翼だけど)。スキンヘッドピアスのイカツイ兄ちゃんです。一見ありふれたハードボイルド警察小説?と見せかけて「重ね合わされる都市」というとんでもない舞台装置、どうやったらこんなもの思いつくのか。さらにそれを言語化できる力量もすごい。

6三:ブライアン・W・オールディス「地球の長い午後」

ここまででお分かりの通り、増田現代SF好きです。が、この「地球の長い午後」は入れざるを得ない。遠未来、自転が停止した地球動物植物の力関係が逆転した異常な世界で、食物連鎖の下層で右往左往する人類の、圧倒的無力感ベテランならではの味わい深さと駆け引きの巧さ。

7左:椎名誠「武装島田倉庫

6番・オールディスの直接的な影響下にある、椎名誠SF三部作。の中でも、この「武装島田倉庫」が一押し。奇妙な生き物が跋扈する文明崩壊後の世界を、さまよい、戦い、逃げ惑う人間たちの群像劇です。これも何度も読み返してるな。漬汁がなんか旨そう。

8捕:コーマック・マッカーシーザ・ロード

海外文学方面では、現代SFにおけるイーガン大正義ポジションを占めておられますマッカーシー御大の手による、核戦争後と思しきポストアポカリプス世界をさまよう親子を描いたロードノベルです。沈黙の音が聞こえそうなくらいの静寂と、真綿で心臓を締め付けられるような絶望と哀しみ。大変地味ですが間違いなく大傑作。

9投:ウィリアム・ギブスンヴァーチャルライト

ギブスンといえば「ニューロマンサー」でありそれに続くスプロールシリーズなんでしょうが増田はどうにもこの「ヴァーチャルライト」が好きでして。何と言っても作中に出てくるベイブリッジ。閉鎖された橋をホームレス選挙して好き勝手に増設を繰り返し、無計画・無軌道に成長してしまった構造物…すてきすぎる。

中継:テッド・チャンあなたの人生の物語

増田の中では「柔らかいイーガン」という位置づけにあるんですけどどうでしょうか。「実存」をメインテーマに据えながら、幻想的・宗教的な色彩の強い作品群。ワンアイデアをじっくり煮詰めて、これ以上ないくらい適切に料理した佳作集。死ぬほど寡作なのが玉に瑕。最近何してんの。

抑え:ジェームスホーガン星を継ぐもの

ハードSF is 星を継ぐもの

監督 オラフ・ステープルドン最後にして最初人類

増田的には究極のSFはステープルドンになるんじゃなかろうかと思っています20世紀から20億年後までを俯瞰する人類史。これほどのタイムスパンで書かれた作品は他にないんじゃなかろうか。しかもこれ1930年作品ですよ。半端ない

2014-05-20

ブラックラグーンは1巻を発売日から買ってるけど、最初感想中2病っぽいというか、似非というか、偽物っぽく感じた。

日本人アメリカンジョークを真似してるみたいな、そんな印象。台詞回しとか。

意図的ハードボイルド勘違いハードボイルドをやってるみたいな。

そのライトさは嫌いじゃないんで、今でも好きな作品ではあるけど、世間の評価には同意できない。

なんか、みんな勘違いしてないかい

みんな偽物しか見てないんでないかい

ニコニコ動画とかも偽物に溢れてるし。

もっと本物に触れた方がいいんでないかい

本物に触れた人の創作物はそれでいいんだけど、その創作物に触れてモノを作っても

歪なモノしか出来上がらんでしょ。

二次創作ばかり見てないで、一次創作もっと触れたほうがいいよ。

2014-05-12

http://anond.hatelabo.jp/20140512161527

(´・ω・`)雑魚でも強い仲間が居たら迂闊に手が出せない、ぼっちってのは物理的(暴力)な意味でも社会的意味でも弱者って見られるから

母子家庭が舐められるのもそういう理由。チンピラがつるんでるのは超合理的

縦でも横でも交友が広いってのはそれだけそいつの力の底が見えなくなるって事。

そういうのを人間動物として本能的に感じ取ってるからチンピラは仲間を増やす孤独そうな人間は軽くみられる。

ハードボイルドや一匹狼が格好いいのはリアルにはそういう奴がおらんからだよ。

結婚したって事はそいつのバックに相方相方の親戚(集団)がついたって事。

2014-05-05

[]5月5日

○朝食:なし

○昼食:お好み焼き

○夕食:寿司

調子

やっぱり薬が切れる午後5時〜に電車に乗るとよくないようで、

ちょっと挙動不審な人になっていたと思う。

迷惑をかけてすいません。


今日のできごと

今日は、一切ゲームをせず、父親と買い物をしたりビデオを見たりした。


パンクオーバー

コメディ映画

父親がバカ笑いするならこの映画だろ、進めてくれた映画を一緒にレンタルして見た。

しか面白い内容で、開幕からエンドロールまでずっと笑いっぱなしだった。

普段は、そわそわ感が出てしまい、映画は見れないのだけれど、父親と一緒だったこともあり、きちんと見れた。

蘇える金狼1979年版)

ハードボイルド映画

これは完全に父親が今はまっている趣味映画

正直、僕は楽しめなく、後半はそわそわ感がかなり出て、挙動不審になっていたが、実家での出来事なのでまあ問題ないと思う。



明日の予定

鈴鹿ポケカ大会に出ます。(ハーフ

余裕が有れば津のポケカ大会ハシゴするかも。

明日はいものイベルタルばっかりデッキ」ではなく、

五月〜七月ジムバトルプロモの「ワルビアルEX」と今年の映画の前売り券のプロモの「ダークライ」を

相性の良い?「どくさいみん光線」で繋げた「ワルダーク光線」デッキで挑む予定。

2014-05-03

アニメに男キャラ必要なんだろうか

美少女キャラだけで物語を構成するっていうのはじつに硬派で深い哲学すら感じます

逆に男キャラってのはある種のひとたちへの〈媚び〉だと思います俺TUEEEEEやハードボイルド精神ポルノしかなく幼稚です。

美少女萌えは幼稚だということに自覚的で、その上でどう表現するかという、そこら辺の無意味に男キャラ活躍するアニメよりも一段階深いレベル表現になっています客観性次元が違うので、美少女萌え成熟した表現になっていると言えます

キャラ活躍するアニメというのはその作品の幼稚さについて無自覚で、どちらかというと、なにか深いテーマでも扱ってると勘違いしているような痛さ(若さ)があります。そういうのはだいたいヒロインが危機におちいったり、自己犠牲で死んだりしますが、それこそほんとにばかばかしいですね。ギャグアニメとして昇華できてる劣等生なんかはレベルが高いですが、あのレベル作品はなかなか出てこないので残念です。

なにがいいたいのかよくわからないけど、とにかくぼくは萌えアニメが好きなのです。

2013-11-17

大人ってなんだったっけ

学はなくても真面目が売りではあった叔父、急に嫌韓に染まる。

例の週刊誌報道をいきなり話題にするほどに。しかも大真面目なのです。

 

自尊心維持の「自分が正しい」アピールが悪化して、ノリがまんま若い子のネトウヨっぽくて私困ります

そんな話題でそこまで熱くなるって正直どうなの?

野球の方で盛り上がるなら(観ない私には長引いてちょっと迷惑ではあったけど)まだ可愛いんでしょうけど。

 

・・・・・・オトナの男ってもっとハードボイルド的なものだと思っていたんですけど、もしかして勘違い

やっぱり大人の定義ってただ20齢を重ねることなの?

2013-05-10

http://anond.hatelabo.jp/20130510210424

主人公名前と、アンドロイドレプリカント)をハントする、くらいが共通で、あとは全然違うよね。

原作だと主人公結婚してるし、ハードボイルドじゃないし、宗教イメージもあるし。

ただ、世界観映画の方がいい。強力ワカモトとか無駄に頑固なうどん屋の親父とか。原作はただひたすらにホコリっぽいイメージ

2013-04-19

http://anond.hatelabo.jp/20130419101528

ハードボイルドブームとかも最終的には若者文化層に吸収された感があるしな

家族もの家族持ちが家族持つようになった経緯としての物語ってパターンから

生家に関連したあれこれがいろいろこじれたけど何とかなったわ的な物語パターンに移行してる印象

介護ものとか

2013-03-25

「私と仕事、どっちが大事なの」って聞かれたら、どちらも選ばずに「そんな質問をさせてしまうなんて、寂しい思いをさせてしまってごめんね」とあやまるのが正解だそうだ。

でも本当の正解は

仕事をしなければ生きていけない

でも君がいなければ生きている意味が無い(キリッ」

とかハードボイルドに答えることではないだろうか。

というか、そんなふうに思える相手と出会いたい。

今は

仕事をしなければ生きていけない

仕事をしなければ生きている意味が無い」

だもんな~~

私、女だけど

2012-07-04

http://anond.hatelabo.jp/20120704210737

ハードボイルドに持って行きたいなら

海に着いたとき、なんか難しい裏社会の裏取引を目撃してしまい、

しか主人公(男の方)が裏社会で恐れられているシティハンター的な人に顔がそっくりで間違われ

ややこしい事に巻き込まれてしまえばええねん。

極めてどうでもいい悩み

友人とリレー小説をやっているのだが、その事で悩んでいる。

今の所、主な登場人物は男女ペア。

私はこの二人を恋愛関係にはしたくなくて、ドライハードボイルドな展開、もしくはコメディ的な展開を望んでいる。

しかし友人は、どうもシリアスなラブ展開に持って行きたいらしい。

そんな訳で、互いに望む展開へ向けた熾烈な攻防を繰り広げていたが、どうも最近こちらが劣勢だ。

 

二人でバーに行く

女が先に酔ってしま

男「じゃあ帰ろうか」(帰る方角は一緒)

女「まだ嫌。海を見に行きましょう」 ←今ココ

 

正直、参った。

ここからどうやって、恋愛じゃない方向に持って行けばいいのか。

友人との関係は壊したくないので、あまり酷い事は出来ないし。

私の乏しい経験では、打開策が思い浮かばない。

 

経験豊富イケメン・イケ女の皆さん。

助けてください。

2012-02-25

http://anond.hatelabo.jp/20120225121700

そういうロマンでもいいけど。

「欲深くて愚かな女を実は手のひらで躍らせている懐の深いぼくちゃん」をやろうとしたけど結局女は愛されながらも愛し返さずに軽やかに逃れていってしまった

というようなのでもいいよ。

一昔前のハードボイルドの路線ですね。

2012-01-27

村上春樹の猛々しい想像力 (1/3)

Sam Anderson

2011年10月21日

訳注:長文注意。誤訳あったらごめんなさい。教えてもらえたらあとで直します)

1 - 2 - 3

この夏、私は初めての日本への旅行を企てた。

村上春樹の作品世界にほぼ浸りきってやろうというつもりだった。

ところがその目論見は外れることになる。

私は村上の作品の影響下にあるまま、東京に降り立った。

期待していたのは、バルセロナパリベルリンのような街だった。

そこでは、市民はみな英語が達者で、さらにはジャズ劇場文学シットコムフィルム・ノワールオペラロックといった、

西洋文化のあらゆる枝葉に通じている……そんなコスモポリタン世界都市を私は期待していた。

誰かに聞いておけば分かっていたはずなのだが、実際の日本はまったくそんな場所ではなかった。

実際に足を踏み入れることができる日本は、どこまでも頑固に、日本的だった。

そう思い知らされたのが地下だったというのは、我ながらよくできていたと思う。

東京での初めての朝、私は村上の事務所に向かっていた。

アイロン掛けたてのシャツに包まれ、なんの躊躇もなく地下鉄の駅へと降りて行くや否や、

私は迷子になり、助けを求めようにも英語話者を見つけることができなかった。

最終的には(電車を乗り間違え、馬鹿げた値段の切符を買ってしまい、必死のジェスチャーで通勤客を怖がらせたあと)、

どうにか地上に出てはみたものの、もはやインタビューの時刻はとうに過ぎている。

私は絶望して、目的もなくあちらこちらへとさまよい歩いた(東京にはほとんど標識がないのである)。

そして蜂の巣状のガラスピラミッドのような建物の前で途方に暮れていたとき

ついにユキという村上アシスタントに見つけてもらうことができた。

このようにして私は東京の地下の洗礼を受けたのである

まりにもうかつな、アメリカ人的な私は、村上のことを現代日本文化を忠実に代表する人物として考えていた。

実際には彼は私が思っていたような作家ではなく、日本は私が思っていたような場所ではなかった。

そして両者の関係の複雑さは、翻訳を介して遠くから眺めていたときには想像しえないものであることが明らかになっていった。

村上の新作『1Q84』の主人公の一人は、自らの人生最初記憶に苛まれており、誰に会ったときにも、あなた最初記憶はなにかと尋ねる。

やっと村上に会えたとき、私は彼の最初記憶について尋ねた。

それは3歳のとき、初めて家の門の外に歩き出したときのことだという。

彼は道をてくてくと渡り、溝に落ちた。

流されていく先にあるのは、暗く恐ろしいトンネル

そこに差し掛かろうかというとき、母が手を差し伸べ、彼は助かった。

「明確に覚えている」と彼は言う。

「水の冷たさ、トンネルの闇、その闇のかたち。怖かった。僕が闇に魅かれているのはそのせいだと思う」

村上がこの記憶を語るとき、私は既視感とともに心の中でくしゃみをするような気持ちを覚えた。

その記憶には聞いた覚えがある、いや、不思議なことにその記憶自分の中にある、と感じた。

ずっとあとになって分かったことだが、私は確かにその記憶を持っていた。

村上は『ねじまき鳥クロニクル』の冒頭の脇役に自分記憶を写し込んでいたのだ。

村上を初めて訪問したのは、日本にしてもありえない夏の厳しさの最中

週の真ん中、蒸し蒸しする午前中のことだった。

それは非現実的なまでの災害の余波を受けた夏だった。

4ヶ月前に北日本を襲った津波で2万人が命を落とし、

いくつもの街が破壊され、原子力発電所メルトダウンした。

その結果、電力、公衆衛生メディア政治にも危機が到来した(当時の首相の辞職によって、5年間に5人目の首相が生まれることになった)。

日本を代表する小説家である村上に会いに来たのは、

大作『1Q84』の英語訳(そしてフランス語訳、スペイン語訳、ヘブライ語訳、ラトビア語訳、トルコ語訳、ドイツ語訳、ポルトガル語訳、スウェーデン語訳、チェコ語訳、ロシア語訳、カタルーニャ語訳)について話すためだった。

この本はアジアで数百万部を売り上げ、

まだ翻訳が出ていない言語圏ですらノーベル文学賞の噂が囁かれていた。

62歳にして30年のキャリアを持つ村上は、日本文学最高峰としての地位を確かなものにしている。

疑いなく、彼は母国の表層とかたちを世界に伝える、想像世界大使となった。

そのことは、関係者には非常に大きな驚きだったと言われている。

村上は常に自分日本アウトサイダーだと考えている。

彼は不思議社会環境最中に生まれた。

アメリカによる戦後占領を受けた1949年京都日本の前首都である

「これ以上の文化混交の瞬間を見つけるのは難しい」と John W. Dower は1940年代後半の日本について書いている。

「これほど深く、予測不能で、曖昧で、混乱していて、刺激的なものは他にない」という。

「瞬間」を「フィクション」に置き換えてみれば、村上の作品を完璧に説明することができる。

彼の物語の基本構造は、互換性のない複数の世界に根を下ろした普通の人生であり、

それはそのまま彼の最初人生経験の基本構造でもある。

村上は成長するまでのほとんどを神戸郊外で過ごした。

そこは、さまざまな言語の喧騒に包まれた国際的な港湾都市である

彼はアメリカ文化、とくにハードボイルド探偵小説ジャズに没頭して十代を過ごした。

そうして反逆のクールさを自分ものにし、

二十代のはじめには大企業の序列に入り込む代わりに、髪を伸ばしヒゲを生やして、両親のすすめを押し切って結婚し、借金をして「ピーターキャット」というジャズクラブ東京で開いた。

掃除をして、音楽を聞いて、サンドイッチを作って、酒を注いで、

彼は約10年間をその仕事に費やした。

作家としての村上キャリアの始まり方は、彼のあの作品スタイルそのものだった。

どこまでも普通の設定で始まり、どこからともなく神秘的な真実が主人公に降りかかり、その人生根底から変えてしまう。

29歳の村上地元野球場の芝生でビールを飲みながら、デイヴヒルトンというアメリカ人助っ人バッター二塁打を打つのを見ていた。

平凡なヒットだったが、ボールが飛んでいくのを見て村上天啓に打たれた。

自分小説が書けると気づいたのである

そんな望みはそれまでなかったが、いまや圧倒的なまでだった。

そして彼は書いた。

試合が終わった後、書店に行きペンと紙を買って、

数ヶ月のちに『風の歌を聞け』を書き上げた。

それは名もなき21歳の話し手が語る小さく凝縮された作品だったが、冒頭から村上らしさが見えていた。

アンニュイとエキゾチシズムの奇妙な混合。

わずか130ページで、その本は西洋文化をぶつ切りにして引用してみせた。

名犬ラッシー』、『ミッキーマウスクラブ』、『熱いトタン屋根の猫』、『カリフォルニア・ガールズ』、ベートーベン第三ピアノ交響曲フランス映画監督ロジェ・ヴァディム、ボブ・ディランマーヴィン・ゲイエルヴィス・プレスリー、『ピーナッツ』のウッドストックサム・ペキンパーピーターポール&マリー。

以上はごく一部に過ぎない。

そしてその本には(少なくとも英語訳には)日本芸術引用がまったくない。

村上作品のこうした傾向は日本批評家をしばしば苛立たせている。

村上は『風の歌を聞け』を権威ある新人賞に応募し、受賞した。

そして一年後、ピンボール機を取り上げた次の小説を出したのち、執筆時間のすべてを費やすため、ジャズクラブを畳んだ。

時間のすべて」という言葉には、村上にとっては余人とは異なる意味がある。

30年を経て、彼は僧侶のように統制された生活を送っている。

すべてが作品を作り出すのを助けるように調整されている。

彼は毎日のように長距離を走り、泳ぎ、健康的な食生活を送り、夜9時には床につき、朝4時に起きる。

そして起床後5、6時間は机に向かい執筆に集中する(2時に起きることもあるという)。

彼は自分の事務所を監禁場所だとみなしている。

「ただし自発的な、幸せ監禁だけれど」

「集中は僕の人生もっと幸せものだ」という。

「集中できないとき、人はあまり幸せではない。僕は考えるのが速くないけれど、何かに興味を持てば、それを何年も続けられる。退屈することはない。僕はヤカンのようなものだ。沸かすのに時間はかかるけれど、いつまでも熱い」

そうした日々の湯沸かしが続いていって、世界でも類まれな作品群ができあがった。

30年の歳月を経て積み重ねられたそれには人を虜にする不思議さがあり、様々なジャンルSFファンタジーリアリズムハードボイルド)と様々な文化日本アメリカ)をつなぐ位置にある穴を埋めている。

どんな作家にも、少なくともこれほど深くまでは、埋められなかった穴だ。

時とともに村上小説は長くシリアスになる傾向が強くなった。

シットコム引用もその傾向に調和している。

そして今、とりわげ激しく長い湯沸かしの結実として、もっとも長く、奇妙で、シリアスな本が上梓された。

低く深い声で村上たくみ英語を操る。

彼は翻訳者を通して会話するのが嫌いだという。

なまりは強く、落ち着くべき箇所で動詞の活用が劇的に現れたり消えたりする。

はいえ相互の理解に支障を来たすことはまずない。

特定の熟語("I guess" 「ではないか」、 "like that"「というような」)が、ときたまおかしな位置で使われることがある。

安全言葉いから逸脱するのを楽しんでいる節が彼にはあった。

英語即興の遊びをしているように感じられたのである

私たちは東京にある彼の事務所で席を持った。

その事務所は半ば冗談ながら村上製作所と名付けられている。

数人のスタッフが靴を履かず他の部屋で作業をしている。

村上は青いハーフパンツと半袖のボタン付きシャツで現れた。

彼のキャラクターと同じように、アイロン掛けしたばかりのように見えるシャツだった(彼はアイロンけが好きだという)。

靴は履いていない。

彼はペンギンのある本の表紙を模したマグカップブラックコーヒーを飲んだ。

その本とはレイモンド・チャンドラーの『ビッグスリープ』、彼の昔からお気に入り小説であり、今日本語訳をしている小説でもある。

話を始めながら、私はあらかじめ用意していた『1Q84』をテーブルの上に置いた。

村上純粋にびくっとしたようだった。

その本は932ページあり、ほぼ30センチのその厚みは本格的な法律書を思わせるほどだ。

「大きいな」と村上は言った。

電話帳みたいだ」

1 - 2 - 3

2011-12-08

http://anond.hatelabo.jp/20111208092823

何か部分的に鳶色の髪鳶色の瞳のイケメンハードボイルド探偵とかとごっちゃになってね?

突然「生きている資格」とか持ち出しちゃうあたり。

まあヤツでさえあくまで自己言及であって(原文の主語は"I"だから

他人に資格強要してると思い込んでんのは元増田だけだけどね!

それはともかく、生きる意味や理由や資格を得られるのがごく一部の選ばれし人々って何を根拠に言ってなさるのだろか。

むしろそんなもん限りなく万人に近い人数の人間が日々の生活の中あるいは外に見出せるものなんだけど。たぶん言語化できてないだけで。

から自殺者は特異だし、特異的なものに対して部外者は軽々しく言及できないのだよーん。上手く言い当てられないからね。

2010-07-31

世界の終わりとハードボイルドワンダーランド  in 大阪

795 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 17:29:58

甲子園球場一周してきたで~♪

796 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 17:32:01

うるせえよ、キャバディス。

定職を見つけて、身の丈に合った生活を過ごせ。

それだけがお前に課せられた使命だよカス

797 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:12:09

おっさんのこと誰か探しとったで

よかったやん、心配しててくれる人が一人だけいて

798 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 18:24:27

そうだな。俺のことを思い出してくれた人間がこの世界に一人でもいるのはとてもうれしいな。マジで

でも、それと同じように俺はお前のことを思い出してるんだ。

お前みたいなカスが、人間の包容力の端っこにぶら下がって辛うじて生き残るカスみたいなお前が、

今、そんなことを思って生活してるのかなってさ。

まあ現実的に言えば、お前みたいなニートの糞の社会保障を背負って働く俺達にとっては

お前みたいなカスが一人でも減ってくれれば、俺達に課せられる負担も少しは減るのになってね。

どうなの?働く気はあるの?人の世話になって、俺達の税金で俺達の汗で、俺達の疲労の上に成り立つお前の生活に

ついての自覚はあるの?そうやって生きることに俺は別に文句は無いよ。お前等がいることは別におれは否定しない。

税金だってあるていど納得して払ってる。まあクズだって生きていく意味はあるし社会ってそういうのを包括するんべきだと思ってるから。

だけどお前自信はどうなの?って話なのよ。お前働く気ないの?

799 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:27:35

そうだな。の部分で読み終えたで~

800 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:30:07

800を踏みしめて☆

801 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 18:36:09

さすがカス

カス中のカスの真髄だな。

見てみないフリ、本当はわかっているのわからないフリを決め込む精神的硬直。

カス。それ以外におまえを例える言葉があるとは思えない。

どうですかキャバディス?

802 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:41:14

知らんがな~

読んでほしいなら

もっと読ます文を書かないとねっ☆

おっさんて特にそうゆう才あらへん思うで

これ宿題

やりなおし~☆

803 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 18:47:37

カスみたいなお前に噛み砕いて説明する文章を書くほどの文才を俺は持ってない。

それは間違いないよ。認める。

ただ、それはお前自信のカスカスであるということの証明でもあるわけよ。

そういうことにお前が気付いていないとも俺は思わないんだよ。

お前はちゃんと読める。というかお前は読んだんだよお。でもそれはお前自身が自ら読んでないんだよ。

やりなおしたいのはお前だろ?お前はいつだって求めてるんだよ。

自分を変えられる何かを。でもそれは結局おまえ自身なんだよキャバディス。

おまえの心に届かないのはお前自身がいつまでも気付かないフリを決め込んでるからなんだよ。

お前自身がもう一回やりなおしてみろよ、キャバディス。

804 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:50:28

ほんで、おっちゃん長いねん

いっぺんAAででっかくカスって書いた方が相手に伝わるんとちゃうんかな

いっぺんAAこさえてみ?

805 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 18:52:26

うるせえカス

お前に伝わらないのはお前がカスだからだろ。

それ以外に理由があるか?

806 名前名無しさんお腹いっぱい。[] 投稿日:2010/07/31(土) 18:58:40

キャバレーディスコとUKってヤクルト田中浩康と飯原くらい似てると思う

807 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 18:58:55

知らんがな~

あ、でも短なったやん、やれば出来るや~ん

なんか凄い身の丈にあってきたんとちゃうんかな~

頑張りや、あともうちょっとで伝わるかもよっ☆

808 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:02:07

ほら、彼>>806なんか凄い伝わるやん

おっさんええお手本にしい☆

809 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:03:57

身の丈に合った生活をせえ。

それは俺の言葉やろ。記憶を整理せえカス

でもまあ、お前にも一応それはつたわったようやなキャバディス。

毎日ぶらぶらしとるお前の時間を支えとるのは誰や?

まずそれについて考えてみ?どやねん。お前の毎日垂らす糞を浄化しとるんわ誰のおかげや。

その労働に見合うもんをお前は差し出しとるか?俺の言うてることわかるか?簡単なことやろ。

810 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:06:22

あ、また無駄に長なっとんやん!

後退や後退、折角伝わりかけてたのにや~!

遠のいたで!

ここまで0点、やりなおし~☆

811 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:07:26

>>808

お前は何を見とるんやキャバディス。

お前に伝わる言葉ってなんや。

俺は俺の精神から自然にわきあがってくる言葉しか伝えられへんけど、

おまえのことばはお前の精神を蝕んとる何かからしか出てきてないやろ。

働けよ。キャバディス。なんでもええやん。

812 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:09:54

>>810

そや、みんな何回もやり直してるんや。

俺もそうや。なんでお前はやり直せへんねん。

0点がそんなにこわいんかカス

当たり前やろが。カスが初めから合格点とれすわけないやろが。

何回でもやり直せるねん。お前もそうやでキャバディス。

働けや。とりあえず。

813 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:10:01

こんな出来の悪い生徒もはじめてやわ

でも諦めたりはせいへんから安心しいや

そらみんなと一緒にはできひんかもしらんけど

ちょうどきったない倉庫が空いてるからや

そこで反省からはじめよな☆

814 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:13:25

>>813

お前の精神にかけられた呪いがどれくらいお前を蝕んでいるのか。

それについて、ようやく俺にもすこしづつわかってきたわ。

なんで、俺のレスに素直に反応せえへんの?

働け。

この言葉をお前は周到に避けとるな。

なんでや、なんでなんや。そんなに特別な言葉ちゃうで実際。

815 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:15:34

なんかもう改行までおかしなってきてるやん

もうボロボロやで

おっちゃん大丈夫け?

816 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:19:52

>>815

どこまで逃げるんやキャバディス。

俺が聞いてるのはたった一つや。

なんでお前は働かないんやってことや。

それにまずは答えてみ?

追い詰めるような姿勢になっとるのはわかっとる。

せやけどこれはお前の呪いや。お前の呪いがお前に問いかけとるんや。

お前はなんで働かへんのや?答えろやカス

これだけはとことん追い詰めたんぞカスが!

817 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:25:31

あ~また長なってるな~

遠のいていくな~

おっちゃんの遠吠えが~

ほんで改行なおっとんやん

やれば出来るや~ん

おっちゃんのゆってることって

きしゃきしゃしゅぽしゅぽ♪

と同じレベルやねんで

あ、教えてもうたわ

ま、こんだけ出来が悪いねんからヒントやらなな~

アホやからわからんかもねっ☆

818 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:26:48

答えられへんようなやなあカス

答えに詰まっとるんかキャバディス?

それでええんや、おまえは一回追い詰められるべきや。

俺は執念深いでえ。お前が思とる以上に俺の執念は執拗にお前の呪いを浮き立たせるんやカス

お前がここにおる間、俺は絶えずお前の不労を攻めたてるたるぞカスが。

カスなりに追い詰められろやカス

819 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:32:44

な、きしゃきしゃしゅぽしゅぽやろ

煽りにもスキルいるておばはんがゆうてたけど

ほんまその通りやおもうね、こうゆう安もんと絡んでるとや

おっちゃんてな、煽りスキル0やわ

カスとかそんなチンケな言葉に頼ってるようじゃ

誰の感情も溢れ返すことなんて出来ひんのんやで

よう覚えとき、お勉強

やっぱり0点ちゃんっ☆

820 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:35:21

キャバディス、お前は何で働かへんのや。

お前は毎日なにを考えとるんや。

まあお前が働かへんことは別に悪やないで、それは言うとくわ。

働かへんお前がそれでも生きていけるっちゅうのは社会の当然の能力や。

それはお前の存在社会が認めとるっちゅうことや、わしもそれには意義はないで。

そやけどそれはお前の自由とは違うで。空き放題やってええっちゅうことやない。

お前は生かされとるだけや。どやねん。なんか言うてみいや。逃げられへんでえ。

821 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:38:05

>>819

キャバディスほんやらお前の人生は、

お前の生活は何点や?

自己採点してみいや。

そっから話しょーやカス

822 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:39:34

案外素直やな、カスは使わんようになっとんやん

アホなりに己のチンケさにき~ついたんやろ

アホなりに成長したんやで

な、俺は諦めないてゆうたやろ?

でも感謝はいらんで、気持ち悪いからやっ!

823 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:40:20

あ、またカスって使ってるやん!

マイナスマイナス

成長0!

824 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:41:16

奥さん、こんな出来の悪い生徒はじめてやで!

825 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:42:39

>>822

お前は何を言うとるんや。

カスにもまだ下があんねんで、お前はそこまで落ちるつもりなんか?

何回でも聞くで、おまえはなんで働かへんねん。

そろそろ考えてみてもええやろ。

これは煽りでもなんでもないで、カスなりに思うことを言うてみんかい。

826 名前:キャバレーディスコ◇不死身のハードロック [] 投稿日:2010/07/31(土) 19:43:46

おっさんにかまってる間に阪神逆転されとるやんけ

ほんま迷惑馬っ鹿かけるねんな、おっさんわ!

今日はいっぱい反省せなアカン日やで!

827 名前:レッペリ[] 投稿日:2010/07/31(土) 19:45:35

いつまでも誤魔化すことはできへんでカス

おまえはカスや、それは働かへんからや。たったそれだけの理由や。

働かへんおまえはカスや。カスなんや。カス

せやけどそれを認めへんおまえはカス以下になるで。

ええんかカスカスカスであることを認めへん以上おまえはカス以下や。

2010-04-24

http://anond.hatelabo.jp/20100424005412

不細工な奴って強いとは思うよ。

自分が見た目で判断されたくないから、大抵の場合外見なんて気にせずに重要な部分だけ見て惑わされない。

基本的に人に好かれない性質だからそれでも根本的な自尊心を保とうと自分の考えをしっかり持っているし、何よりもスマートで行動や言動が的確、格好いい。

孤高というとちょっと違うかもしれないけど、そういう人生もありだと思うし、ハードボイルドだと思う。

2010-04-06

優しい男

そう言われてきて、最近やったこと

  1. 片思いしてた子の結婚式で流すスライド作成
  2. もっと昔好きやった子の妹の商売の手伝い

 

優しいだけじゃ男じゃない

優しくないなら男じゃない

 

昔どっかでこんな言葉を見た気がするけど、思い出せない

 

ハードボイルド目指すか

2010-01-26

非コミュ脱出大作戦


 大学生だった頃、ぼくはかなりとんがったやつだったと思う。

 とんがるといってもとても格好いいとはいえないとんがりかたで、世界を敵にまわしているような、一人で戦争をしているような、敵意を剥き出しにして斜に構えるような、そんな生意気ながきだった。

 群れるのが嫌いで、馴れ合い馬鹿にした。

 自分の好きなものだけに触れて、世の中間違っていると言い張った。

 作り出される自分アイデアが、とても素晴らしいもののように思えて、それだけに夢中になってあれこれと作った。

 ハードボイルドの主人公のように両肩で風を切って、ギャングのように何か面白いものはないかと物色しているような、そんなたぶん二十歳ぐらいの自分を思い出すとなにか冷や汗が出るような気がし、その一方で、なかなかに冴えていたなとも思う。一切を閉ざしてしまって、自分だけの世界に閉じこもって、世の中のものをせっせと自分世界に取り込んでいたような気がする。

 ほとんど誰とも話さずに過ごし、たぶん話していてもかなり機械的な反応しかできなかったと思う。その頃のメールの下書きのテキストが残っていて、それを読むと、官僚的というかガチガチな隙のない文章を書いていて、なんだこいつはサイボーグみたいな文章を書くやつだと、なつかしくなって笑ってしまう。

 その文章の中にいる二十歳のぼくはいつも完全武装なのだ。

 そんなことになってしまったのは大学一年の頃に起こった事故のせいで、ある事件をきっかけにぼくは人間というものが信じられなくなり、社会を敵にまわすようになった。数ヶ月は立ち直れず、それでも本を読んでいるうちにだいぶ立ち直っていき、読書欲に駆られながら読みふけるうちに、復帰していた。

 好んで読んだのはハードボイルド

 チャンドラーとか、ジャックヒンギスとか、ギャビン・ライアルとか。

 ハードボイルドを読む人なら、この手の小説が汚れきった社会渡り歩く勇気社会絶望していたのでそういう勇気を必要としていた)をもたらしたこともわかりやすいと思う。ぼくはあろう事か、ギャングや、探偵や、元軍人や、スパイ社会との渡り合いかたを教わってしまい、いつも鞄のなかには拳銃が入っているようなそんな心地で、復帰していったのだ。

 それは今からしてみれば、常時戦場にいるような緊張感で、そんな状態でまともな会話など出来るはずもないし、たぶんしても鋭すぎる態度で、相手を居心地悪くさせてしまっただろううと思う。それでもギャングだが、探偵だか、スパイだか、元軍人気取りのぼくは、そんな完全武装であちこちを歩き回り、あれこれと色々作って、仲間に見せたりしていた。

 それは今から見ても、あの頃に作ったものはすごかったと思うほどで、錯覚ではあるのだけど、本当にたったひとりで世界を相手に戦っていたのだと思うし、シャープで甘えがなく、手を切りそうなほどの切れ味あるものたちを作っていたのだと思う。

 だから、こう言いたい。

 完全武装の時代もそんなに悪い時代じゃなかったって。

 たしかにかなり重症非コミュだったとは思うけれど。

 その当時にどのように世の中と接していたかと言われて、ふと思い出した言葉がある。

 著名なSF小説ニューロマンサー」の続編「モナリザオーバードライブ」の解説にその言葉はあって、それらの作品を評して「鏡に覆われた(ミラーシャーデッド)表層」と言っている。

 この感覚

 ガラス越しという言葉があるのだけど、それよりもシャープな感じで、こちらの表情が見えないようにスモークガラスで覆っている感覚。そして、社会スモークガラスに覆われていて、お互いが冷たく冷淡で、それが日々すれ違っているのだけど、完全に別け隔てられている。

 あちこちのバイトを短期でまわって、世の中のいろいろな風景スパイしながら(そういうつもりだった)、いろいろに世の中の仕組みを知っていくようになった。会話をしなければならないところでは当たり障りのない、そしておそらくかなり素っ気ない会話を交わし、とても冷淡にその体験だけを盗んでいくスパイのように働いていた。

 もちろん、その短期バイトをあちこち回ったことが、のちのちまともに社会に出て、効率的な現場のまわしかたみたいなところでとても大きく効いてくることになったのだけれども、誰もが短期なだけにコミュニケーションらしいものは皆無で、煙草を吸いにいってせっかく話す機会があっても、他の誰かがはなしているのを聞いているだけという、なんという非コミュ

 あの当時のぼくはとてもプライドが高く、口を開くにしてもなにか高級な事を言わなければと思っていたように思う。例えばハードボイルドの主人公のようなセリフなど、いま思えば、現場にまったく必要のない言葉以外話したくなかったのであるが、結局の所それは自分の我が儘で、自分価値観以外のコミュニケーション仕事場でさえしたくない、もしくはそれをしなくて良いようアンドロイドのように、時間貸しロボットのように、ただ効率的に現場をまわすにはどう動けばいいか、だけを考えていたように思えてくる。

 ボトルネックを事前に発見して、誰も気づかないうちにそれを埋めていく、それで今日の作業は30%ぐらい効率化できたと悦にいる。そんな毎日。それはリアルシュミレーションゲームのように思えていたし、コミュニケーションなどなくとも、出来る遊びではあった(そしてこの経験はのちのち凄まじい威力を誇った)。

 しかし、その当時のぼくはやはりゲーム感覚で、いつでもスイッチを切ってさよならできる現場でしかなく、ミラーシャーデッドどころか、液晶パネルの中の駒でしかなかったのかもしれないと思ってしまう。

 そんな事をしているうちに、交通誘導の仕事をやってみることにした。

 これは簡単に言えば、工事現場に立っている警備員で、たぶんやってみないとわからないが世の中の潤滑油的な仕事である。仮設の信号機でいいのではないかと言われれば、まあ、そうかもなのだけど、ぼくはその辺の議論はどうでもいいし、もう交通誘導をするはずもないので、あんまり関係がない。

 で、いきなりやってくるのは、研修

 法定で4日だったかの研修が義務づけられているとかで、ひたすらに、交通誘導がどんな仕事かをたたき込まれる。そこで言われるのは、ひたすらに危機対応、そして、顧客である工事現場の人たちを守るか。酔っぱらい運転で工事現場につっこんでくる車から顧客を守るのが、交通誘導の第一の責務だとか何とか。まあ、ねえ、顧客だからねえ。

 そうやって始めてみるしょっぱなに言われた。

「あれさ、お互い遠くに立ってるじゃない。互いに孤独で。8時間とか、12時間とか。そうするとね、話せないから、上手くいかないと不満がたまってどんどん上手くいかなくなるんだ。そうするとたいへんだよ。向こうはぷりぷり怒ってさ」

 これはチームワークなのだと、コミュニケーションなのだと、ぼくはあなたのことを信頼していますと伝える事が重要なのだ。あなたが怒らないように、要らぬ誤解を抱かないように、あなたがぼくが心配ないというシグナリングをしなければならないんだって、あの赤く光る棒を振りながら、ずっと伝えなければならないんだと、それはプレッシャーだったのではあるのだけど、それまでの自分とは違うことが価値があるのだということを、思い知らされた事ではある。

 交通誘導に業務効率化する要素などなく、どうやってチームワークをよくしていくか以外に改善点はない。そういう意味では完全コミュ仕事であり、ぼくはあんまり自信がなかった。

 それが初めての集合で、煙草を吸っていて結構くせがありそうな人に言われた。

「あれ、ショートピースなんて吸ってるの? きつくない?」

 ぼくは、どれだけハードボイルド世界ショートピースが標準か語りたかった。

「香りがいいんです。それでくせになっちゃって」

「どれ、吸わせてよ。うわ、きつ、なにこれ」

 その人は笑う。

「缶で吸ってたときもあるんです。あのときは肺に穴が開いたのがわかりました」

 ぼくはきっと「ショートピース野郎」と記憶されたことだろう。それでもその瞬間に、ミラーシャーデッドが融けたのを感じた。ぼくの世界に入ってくる人がいた。確かにさりげないのだけれども、それで勇気づけられたのは確かだ。

 ミラーが砕けた瞬間で、ああ、ショートピース、わかるんだ。

 そういう感じ。

 その瞬間に、一緒に仕事をする人々の世界観もわからないとと思って、一瞬にしてぼくのミラーグラスは破壊された。

 同じ人と同じ現場になって、その頃はきつい両切り(ショートピース)はやめていて、もうすこし穏健なロングピースになっていたけれども、その人は、仕事が終わってヘルメットを長時間かぶっていたせいで髪型がめちゃくちゃになっていたけれども帽子をかぶって、自転車に乗る。

ラーメン屋をめぐるのが趣味なんだよ」

 そういって、現場から明るくたちさる。

 あの職場で、いろいろな人々と、その職場を暖かくする事にどれだけ尽くしただろうか。誰もがその底辺で生活しているわけだし、いつの間にか、それは自分の片足だけつっこんだ居場所になりかけていた。世界ガラス越しではなくなったのこの職場だったし、それはなにか守らなければならない暖かいチームワークの場所だった。

 底辺などというべからず。

 その後の十年近いキャリアを通しても、素晴らしいチームワークだったと断言できるし、この1/5000ぐらいの荒涼とした、無生産現場は大量に見てるし、基本的に言えるのは底辺ほど効率的で、上層ほど無能であるということだ。のぼるほど無能になっていく。

 機能不全とすべての罪は上層にあるのだけど、わかっているか。

 ちょっと言い過ぎた。

 ぼくが言いたいのは、底辺を経験してすばらしく暖かく機能的で、ここは問題がまったくない、ということなのだ。ここには何の問題もない。すばらしい経験だった。ぼくの非コミュも解けた。

 貴族趣味なぼくは結局ほぐされて、そして紹介で別の職場に入ることになる。

 本格的な就職に近い形で、人事のトップに笑われる。

「いや、こんな真っ白な履歴書を見るのは初めて」

 その履歴書は真っ白だろうか?

 数こと話すと人事の最高責任者は頷く。

 じゃあ、採用するけど、明日からちゃんときてね。

 配属されたのは実務の最精鋭部隊が集まっている部署で、そこで、笑い合いながら、冗談を言いながら、学びながら、いろいろ効率的なオペレーションを学んだ気がする。それで、特別なプロジェクトが立ち上がって、それにたったひとりで派遣されて、その現場監督(ただし、実権はまったくなし。不安にさせるな)で、まったく見知らぬコミュニティーにぶち込まれる。

山崎まさよしさんに似てますよね、雰囲気だけ」

「あー、そう言われたのは初めてで」

ブルースは好きなんだけどねえ…)

 そうやって、あ、これで大丈夫なんだ、これで上手くいくのだと、そう安心した。

2009-07-05

ヱヴァンゲリヲン

ヱヴァンゲリヲンのその後

レイシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号幾。

廃棄される要塞都市。幽閉されるネルフ関係者

ドクマへと投下されるエヴァ6号幾。胎動するエヴァ8号幾とそのパイロット

セントラルドグマに幽閉されたリリスはその本来の目的である「物語」生成をはじめた。

ADAMを捕食したゲンドウ

リリスから生まれたエヴァ初号機綾波レイ碇ユイ/リリスの魂)と、碇シンジ(18番目の使途/リリン人類)を体内に取り込み「神」へ続く階梯を昇る。

リリスは「物語」生成により因果律を支配し、時空間に多元宇宙を発生させる。

最終目標リリスを撃破する為にエヴァ初号機セントラルドグマへ。

そこへ立ちはだかるEVA6号機と渚カヲル、月の裏側の地中深くの遺跡から発掘されたEVA8号機とメガネ

超絶最終進化形態差延し続ける碇ゲンドウの三つ巴の戦いの果て、全てを「捕食」する事によってエヴァ初号機は「巨大知性体リリス」を破壊するに至った。

「これで、全て終わる。リリスが発生させた「物語」は多元宇宙内で無限物語と登場人物の役割を変異させながら、様々な形象を持って「君と僕のセカイ」を数多の数生み出してきたが、「君と僕のセカイ」の、全ての始まりを断ち切った事で劇終し、僕(シンジ)は救われる」

シンジ独白後、結局宇宙は無数に分裂したままとなった。

シンジを巡る「物語」は収斂したものの、リリスの暴走によって、多元宇宙はそのままとされ「重力変動源」やら「光の国」やら「蟲と話す少女」程度なら可愛いもので「シュバルツシルト境界面を割ったり」「多元宇宙の先の神」とか「天使」とか「妖精」とか「炎髪灼眼」やら「魔法」とか「FSS」とか「ハードボイルドワンダーランド」とか「浮虜記」とか「古事記」とか「日本書紀」とか「聖書」と「カエサル物語」なんかが生まれた。

でも、その全ては「巨大知性体リリス」の記号的限界に直面している事が後に解明された。それらは東洋の島国に棲む少数民族が太古の昔に使用していた「言語」で書かれていたそうな。。

エヴァ日本文学宗教の融合の果てに「物語」の統合を図る「物語」でした。

2009-02-05

さいきん買った漫画

ジャバウォッキー7巻

美女と恐竜ハードボイルド歴史スパイアクション漫画。作者は久正人

あら終わりか。前作「グレイトフルデッド」と同じく、俺たちの戦いはこれからだオチはちょっといただけない。いや相変わらずすごく面白いんだけどね。前作も今作も、時代背景的にそして現代へ続いていく....とする予定は最初からあったのかも知れないが。なんとなく居心地が悪い展開なんだけど、最後の数ページが鮮やかに印象を塗り替える。うまいんだよこの人は。表紙だけ見て食わず嫌いせずに、前作も合わせてぜひ読んだげてください。

チャンネルはそのまま

北海道テレビ局舞台にした、得意の取材漫画。作者は佐々木倫子。「動物のお医者さん」が一番有名ですかね。北大の志願者数に大きく貢献したという超人漫画ですが、私はレストラン漫画Heaven?」のが好き。

で、この作品ですがいやー良いですね。やっぱり面白いです。なんですかね、徹底的に色恋沙汰が排除されたストーリー、慣れない人には浮いて見えるかも知れないポップな書き文字、どこかしら飄々とした描線が相変わらずで嬉しい。作風としては「Heaven?」が近いのかな。「月館の殺人」にガッカリした人(過去の私とか)にもオススメできます。同期の花枝さんの話が、漫画の形式をフルに生かした落語的な味わいがあって好きなんですけどどうでしょうか。

えーとあとなんだっけか。モーニングだかの、漫画版家族八景みたいなやつがとっても面白かったんだけど書名忘れちゃった。帰ったら書く。

そう言えば伊藤悠っていまなに書いてんだ?

2008-11-24

理想恋人

恋人に求める条件みたいなものってけっこう考えたりする。

実際恋愛をしたら条件なんてどうでもよくなるのはわかってるけど、こんな子いないかなーと妄想

でも自分ブログに書いたりはしない。条件に合わない人をはねるだけになるし。

男。30歳。イラストレーター年収は200万前後。持ち家なので一応やっていけるが将来は不安

結婚願望はそれなりにある。子どもは欲しいが実子でなくてもよい。

共働き前提、主婦願望がない

稼ぎがないのもあるけど、共働きが当然だとおもっているので。年収は高ければもちろん嬉しい。

好みの職種

医療、福祉、教育、保育、風俗などが好き。同業やライターデザイナーでも。

・土日が休みではない仕事

金曜の夜や土日に遊びに行くとかアホらしすぎるので。

・長女

自分末っ子なのと、今まで付き合った女性が全員長女なので。末っ子と聞くとそれだけで微妙に引く。

・オタ

ジャンルかぶりじゃなくても共通ジャンルが欲しい。

ライトノベルハードボイルドエロマンガ読み、TRPGなど。

マンガアニメジャンルが細分化していて難しいが、好みが重なった方がいい。

その他つらつら思いつくのは、

・酒が飲める

・食べることが好き

嫌煙者ではない

非処女

セックスが嫌いではない

・性に関する話題をタブー視しない

社会政治の話題に興味があり、右翼ではない

馬鹿じゃない

宗教を持っていない

巨乳

子どもが好き

書き出して思ったけど、右翼宗教はマジ勘弁だなー。

2008-11-11

http://anond.hatelabo.jp/20081111162536

許すという行為を考えてみると、

(1) 許す対象の行為(基本的には何らかの罪)を認識する

(2) その行為を頭で判断する

(3-1) 許す

(3-2) 許さない

となるわけだが、処女 or 非処女が(1)で認識されることが問題であれば、それは皆が罪って認識してるってことだろ?

(3)で判断されることが問題なのであれば、ハードボイルド世界であって納得する。許してあげるけど罪だよねと。

http://anond.hatelabo.jp/20081111161919

増田だけど

「度量のある大人の男は女の色々を許せる」的な

ハードボイルド、ド演歌ロジックじゃないの?

女の借金売春、浪費、浮気とかも同じロジックで許されるよな。

ようするに大人の男の男はヤクザ

2008-11-06

トイレット、ハードボイルド

一生懸命掃除などした後は手を洗う。そう、手を洗えば大抵の汚れは落ちるものだ。

大便器に一物を転がし、ケツを拭いて水に流す。そう、大抵のことは水に流れるものだ。

振り返ってみれば思いのほか流れてないものがあり、手は薄汚れている。それでも幸いなことに他人からは細かい汚れは見えない。気になるのはどちらかといえば自分自身だ。

キレイなうちはずいぶんと無茶を言った。大きなウンコが流れない奴を指差して嘲笑したりした。悪い奴は個室の壁をよじ登ってウンコをしてる奴を困らせたりしたものだ。逆にどこででもできると客でも無いのに高級ホテルトイレでだって垂れた。

年上の人はだいたい自分を自覚している。だから寛容だった。小さな声で諭されたかもしれない。覚えちゃいないがね。

そんなこんなで気が付けばイボを患っちまってた。イスにばかり座ってる暮らしが悪いんだってな。そうやって夜中に自分について考えているとなんだか情けなくなってくる。

いや、手を洗えば大抵の汚れは落ちるものだ。そして大抵のことは水に流れるものさ。

エブリバディ、ウンコ、エブリデイ。そうだな今晩あたりジンでも飲んで、便所掃除でもしようか。

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