はてなキーワード: 不妊とは
そもそも同性婚を主張する人はなぜ「結婚」という状態にこだわるのか考えてみた時、本邦における「結婚状態」には少なくとも2つの期待がかかっていることに気づく。仮にA、Bと整理しよう。
現在 or 近い将来に子を持ち、次世代を育む意志を持っていることを確認する機能。
この機能はそのペアが政府・社会から出産や子育ての支援を受けるに値するか確認する場面で使われる(ここでの支援には、配偶者控除や扶養控除、生まれた子に社会が出費することも含む)。国という組織が、自らの末長い存続を所与とするのであれば、これを実現する認証手段としての結婚を制度化し、彼/彼女に支援することは合目的といえる。
互いがパートナーと扱われることを望んでおり、現に権利や義務を共有する共同体であることを確認する機能。
この機能は、他者が「その二人を共同体と見なせるか」を確認する場面で使われる。保険や医療、不動産関係がイメージしやすい。また、高度に契約社会と化している現在では、公的私的問わず簡易にこれを実現できる手段を国が運営することもまた合理的と言える。
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問題なのは、結婚という枠組みがAもBも成してしまっているが故に、Aだけ使いたい時にBが、Bだけ使いたい時にAが邪魔になる場面があることである。
例えばAの機能をより大きく捉えている人にとっては、同性婚は納得し難いだろう。その認識において「結婚状態」にある「夫婦」は公的な支援や優遇を当然に受ける。その上で同性婚ペアは異性婚夫婦よりも「次世代を育む意志を持っている」期待値があまりに小さいからだ。なお「異性婚でも子を持たないケースがある」「同性婚でも養子を設けるケースがある」という反論が考えられるが、それはあくまで期待値の大小の問題であって、より期待値の高い異性婚にベットしない理由にはならない。
対してBの機能をより大きく捉えている人にとっては、同性婚を(また近親婚さえも)認めないことが不合理に見える。彼/彼女がBを行使する場面は概して手続きにすぎない場面であり、そこで受けるベネフィットは出産・子育て支援のそれよりも極めて小さく、社会的なデメリット(出費)が見当たらないからだ。
以上のように捉え、結婚の制度からAを取り除き、Bの機能へシュリンクすることを考えてみたい。ちなみにBではなくAを取り除くのは、利用する場面が多いであろうBの機能に、使い慣れた「結婚」という言葉を当てがいたいだけであって、本質的にはどちらを取り除いても以降の検討は崩れない。
「結婚」した状態がBの機能を持ちAの機能を持たないようになった社会では、結婚したペアへの優遇は行われないだろう。扶養控除などもなくなる。結婚はあくまで2人の関係性を確認したものであって、そこから「次世代を育む意志を持っているか」は確認できないからである。「次世代を育む意志」を確認できないペアに、次世代再生産を名目として支援や優遇は当然行えない。
対して、次世代とは関係のない場面、例えば「片方の病状を他方へ開示して良いか」「片方の保険金を他方へ支払って良いか」「両者の年収を合算し支払い能力とみなせるか」というような「2人を共同体とみなしうるか」が重要な場面では、引き続き結婚という手続きが重要視される。
この時、同性婚や近親婚を結婚の枠組みに入れるハードルは下がるだろう。そのペアが子をなすかは関係ないし、なした子の遺伝子がどうという議論も当然埒外になる。副次的な面として、選択的夫婦別姓へのハードルも同時に下がると思われる(別姓の問題の一つが「子の氏をどうするか」)。
そのような社会でも、出産・子育てに対する支援は行われる必要がある。(国が自らの存続を目指すことは所与と規定したから)
現代日本での「結婚」の枠で行われていた、次世代再生産への期待に免じた優遇は、特定の要件を満たしたペアに対してのみ行われる「出産・子育て支援事業」へ統合されるだろう。
つまり単にペアに「近い将来に子を持ち、次世代を育む意志があるか」を確認し、満たせば支援するという単純な構図に落とし込むことができる。要件をどうするか、という議論は当然起こるが、現在日本での「結婚とは何か」という議論よりは容易に解けるだろう。なんなら「実際に子がいる証」や「実際に不妊治療をおこなった証」を要件にすれば、より方程式は簡単になる。
現に、内閣府が行う結婚新生活支援事業の対象は「39歳以下」に限定されている。要件=対象=目的をフィットさせるだけで済む「事業」とすれば、問題が簡単になることの証左と言えるだろう。
こうして、「結婚」は2人の人間の関係性だけを規定する枠組みとなり、次世代再生産とは切り離された。
有史以前からある結婚の観念、すなわちつがいとなることと生殖することを同一視する観念が消えてしまい宗教保守層は嘆いたというが、それ以外の大多数は自分が損をする変更とは捉えなかった。
また契約や法律の要請によって「共同体として扱われる証明」を欲していた同性/近親カップルはニーズを満たせることとなった。さらに「出産・子育て支援事業」は、真に対象とすべき人へより多く届くようになった。なんらかの理由で特定の人物と共同体が組めない人(シングルマザー/ファザー)であっても事業の対象となったことは、喜びを持って迎えられた。
一部の企業や団体では、自治体が認証した「同性パートナーシップ」をもって、共同体とみなす動きがある。まさに結婚のBの部分だけを切り出そうとする試みだろう。しかし社会への広まりのスピードは緩く、やはり結婚自体の意味合いを変えてしまった方が手っ取り早いと思う。
同時に「同性パートナーシップ」は夫婦同等とみなすが、内縁関係の異性は夫婦同等とはみなさない、というねじれ現象も生じている。筆者はまさにこの状態に身をおいていて(夫婦同姓を避けるため婚姻届を出していない)、弊害を食らっている。
直近、子供を作るつもりがなく社会の維持に役立たないので、国から優遇されたいという思いは一切ないのだが、パートナーとの関係を大家や保険会社に証明する手立てがなく困る場面が多い。
そうじゃないという人は認識が間違っている。
あの青い空; zeru urdin hori( バスク語 by Google翻訳)
@ForwardBluesky
返信先:
@ishizakipampam
さん
女性カップルがドナーから精子の提供を受け出産・子育てをされている場合もありますし、男性カップルが代理出産・特別賞支援組・里親などで子育てをされている場合もあるようです。生殖可能性がないのでしょうか?
石埼学
@ishizakipampam
8時間
返信先:
@ForwardBluesky
さん
里親や養子であれば婚姻・家族ではなく非営利法人類似の枠でいいのでは
石埼学
@ishizakipampam
8時間
返信先:
@ForwardBluesky
さん
青い空; zeru urdin hori( バスク語 by Google翻訳)
@ForwardBluesky
6時間
返信先:
@ishizakipampam
さん
「不妊の人を助けたいという動機から志望する代理母もいる。妊娠出産という経験を素晴らしいものと考えていて、それ自体から幸福感を得ている代理母も多いという。」だそうです。
(老人の発想)
代理母という人身売買を幸せだからという理由では認められない。
養子から養親への相続がやりにくかったり二人でそだてた別の養子への相続率が不公平になるとか、生殖(不妊)医療の同意とか、なんかあんだろ、当事者じゃないからしらんけど。
近親婚はそもそも年上が年下を養育する関係上密着せざるをえないんだからわざわざ離れて対等なぞになろうとすんなよ
あと心情的な問題で親子だったら子がなついてこそ教育できるのに
それを性愛とかんちがいする頭の弱い親が性虐待をしでかして事実近親婚っていいはるやつな
いわゆる『因習村』みたいなやつ、日本では近親婚を禁止する法律があってもめちゃくちゃ事実婚(というか強姦)やらかしてたらしいから
合法にするまでもねえしなんならこれからもっと厳しく違法化しようとしてるよね
逆行すんなよ
私はもう何年も毎日毎日低容量ピルを欠かさず飲んでいる。5年以上になると思う。
昔、ピル飲んでハッピー!みたいなはてな匿名ダイアリーを書いたような気がする。
私は生理前に気分の激しい浮き沈みや体調不良が続くPMSというやつだ。
それに気づくまではとにかく定期的に死にたくなったり涙が出てきたり、ちょっとしたことでひどく傷付いたりしていた。
あと、これも後から思えば生理前の症状だったのだけれど、生理前はふらつくせいかよく階段からべろっと落ちていた。
よく落ちるって何!?って感じだけれど、半年に1回ずつぐらい階段から落ちるか自転車から転げ落ちていた。
ピルを飲んだらなくなったので、あれも生理前の症状だったんだと思う。
気分の浮き沈みというかもう死にたいレベルの、限りなく鬱に近いネガティブ思考だった。
恋人に一方的に別れを告げて、恋愛も何もかもうまくいかなかったタイミングを改めて逆算してみると、それもすべて生理前だった。
※改めて計算して気づくまでに本当に何年もかかった。ピルを飲み始めて数年してようやく気づけたぐらいには自分では当時それが女性ホルモンに由来するものだということがまったくわからなかった。
生理前に大量にできていたニキビも人間的なレベルぐらいにしかできなくなった。
ピルは、私にとって最高だった。
ピルと出会ってから付き合った彼氏とは気分がずっと一定なのでずっと仲良しでいられるし、今、一緒に暮らしている。
もちろん、何もかもが生理のせいじゃないと思うので、ピルを飲んでいたって今までの彼氏とは別れていたかもしれないし、
ピルを飲んでいなくても今の彼氏とは付き合い続けられるのかもしれない。
ひどい生理不純なので、生理前の症状がいったいいつ出てくるのかわからない。
このイライラが自分のものなのか、ホルモンによる影響で過敏になっているのか、本当に検討もつかない。
仮に生理前だっとわかったとしても、イライラしたり落ち込んだり死にたくなったりして、仕事にも生活にも、24時間すべてに影響が出る。
そんな日が5日〜10日続いて、食生活も荒れて、荒れて、過食症みたいになって。体調もだるくておもくて、遊びの予定も急にキャンセルしてしまう。(仕事の予定はキャンセルできないのに)
そんな日が続くのがとにかくイヤで、いつくるかわからないのもイヤで。
「死にたい」と思う日なんて全然ない。イライラする日や落ち込むはあるけど、ピルの休薬期間のほんの2〜3日だけだし、明確に「薬が休薬だからだ」がわかっているから安心だ。
「何もかもいやだ」と思うことがないから、一緒に住んでいる彼氏に八つ当たりすることもない。
こけない。ふらつかない。生理が来るタイミングがわかっているから友達との予定も入れやすい。
いつもニコニコして過ごせているし、理不尽なことがあってもヒステリーにならず冷静に対処できる。
最高だ。一生やめたくない。あんな日々に二度と戻りたくない。怖い、怖い。
でも。
こんなに女性ホルモンのバランスが乱れやすいなら妊娠中もきっと大変なことになるから、あんな日々みたいに、もしくはそれ以上になるならいらないとまで思っていた。
でも、私は、彼と出会って、毎日がとても幸せで、彼ととっても仲良く暮らしていて、この人との子どもがほしいなと、お互いが心の底で思っている。
でも、彼は少し前に病気をしてしまった影響で今、精子がほとんどない。
これがこの先どうなるか、まったくわからない。数年かけて戻っていく場合もあるらしいし、まったく戻らないこともあるらしい。
私は、「避妊行為を一切せずに性行為をすること」を試してみたいと思っている。
もうお互い30代半ばになるので、この先、彼だけじゃなく私の方の課題もいろいろと加速的に増えていくばかりだ。
子どもが欲しいなら、不妊治療でもなんでもやらないといけない。「子どもができない行為」に力を入れている場合ではない。
ピルをやめないと、子どもはできない。ただでさえ、私たちには「できない」ための条件がたくさんそろっているのに、私が先陣切ってできない理由をつくってしまっている。
ふたりとも「この人の子どもがほしい」と思っているなら、私はまずはピルをやめないと。
以前、妊娠をした夢をみたことがある。「やったー!私はピルを飲んでいて、あなたは無精子症になっちゃってたけど、妊娠できたー!やったー!」って喜んでいる夢だ。
起きたとき、すごく嬉しくて、絶望するほど悲しくて、ワンワン泣いた。
私は心の中で彼との妊娠を強く強く望んでいるのだ。
でも、こわい。ピルをやめてしまったら、私はまた「死にたい」と思うのだろうか。私はまた「別れたい」と言い出すのだろうか。
彼に八つ当たりして、イライラして、寝込んで、むくんで、嫌われてしまうかもしれない。
今、休薬期間でこれだけ不安なのだ。やめてしまったら、を考えると怖い。
でも、私は人生ではじめて、「この人との子どもがほしいな」と思ったんだ。できるだけのことをやって後悔したい。
でも、それでもこわい。泣けてきた。休薬期間だからだ。ほら、薬がないとすぐにこうなる。
やめられるのだろうか。やめない方がいいのだろうか。諦めたほうがいいのだろうか。
https://anond.hatelabo.jp/20230127223502
そもそも結婚相談所に登録するやつは、「子持ちはOKか」という条件指定をしているんだよ。
男がシンママ限定婚活サービスに登録するというのは、通常の相談所で「子持ちOK」にすることと何の違いもない。
だって男は別に一つのサービスしか使えないわけじゃないからな。他の、子持ちかどうか関係ないサービスと併用するだって自然だ。公務員限定の婚活パーティに出る女性が、それ以外何もやっていないわけじゃないのと同じ。
通常の相談所で「子持ちOK」にするやつは、児童虐待狙いなのか?その決めつけが、どれだけ差別的な言動なのかをわかっているのか?
男視点で、子持ちOKにするメリットがある人なんて山ほどいる。
自分の不妊リスクへの対処、年齢が既に出産適齢期じゃない男だけど子のいる家族が欲しい人、こういう人が想像できるかもしれないが、おそらくこういう「積極的子持ち狙い」はメインではない。
「子持ちにも門戸を広げれば、選択肢が一気に増える」んだよ。
シンママは婚活市場で嫌われる。上述のように、多くの人が、特に深く考えずに「子持ちはNG」と設定して始めるからな。
だから婚活市場で、女性単体で見たときに、シンママはレベルが高いんだ。初婚ならあっという間に成婚していく人が大量に残っている。
「血のつながらない子の親になる、というハードルさえ超えれば、この人と一緒になれるかもしれないんだ!」という選択肢がゴロゴロあるんだ。
そして、このハードルが特に高いと感じない人はお前らの想像よりだいぶ多い。幼少期から自分で育てられるなら、それは自分の子であり、遺伝子なんて大した問題じゃないからな。致命的な問題と考える奴らの方が時代遅れだ。
なのにお前らは、「シンママと結婚した男」に「小児性愛者」のレッテルを貼って蔑視する。何の根拠もないのに。血のつながった実の娘への性加害に及ぶ男だって多いのに。
シンママと結婚すればそんな偏見の目を向けられると思えば、男はシンママとの結婚を避けることを選びがちになる。そうやってお前らはシンママの新たな出会いを妨害しているんだ。シンママには「自分で男を判断して選ぶ力」がないとバカにしているんだ。
再婚したいシンママにとって、「シンママOKの人しか最初からいない」サービスがどれだけストレスを下げてくれるかも理解せずに、シンママを幸福にさせないようにしているんだ。
恥を知れ差別主義者どもめ。
【追記】
俺の立場を明記しておいたほうがいいな。「通常の婚活サービスでシンママと結婚して幸せにやってる男」だよ。お前らから小児性愛者と決めつけられる立場だから怒ってるんだ。
【続編書いたぞ】
https://anond.hatelabo.jp/20230126120356
生物学は専門じゃないので、間違いがあったら指摘してもらえると嬉しいです。
生物として当然のことではないです。
例えば、若いメスよりも年上のメスが好まれるケースがよくあります。なぜなら、子供を産んだ経験がある = 子供を産むことができる からです。せっかく伴侶を持っても子供が生まれなければ繁殖機会を失ってしまいます(ちなみに、私の妻は不妊治療でようやく子供を授かりました)。それに子育て経験があるのも強いです。
またハーレムを持つ動物、つまりオスが強い権力を持つ動物において、メスがハーレムのオスに惚れているかというと、実はそんなことなかったりします。時々若いオス(経験豊富なハーレムのオスより弱いです。)が近寄ってきてメスにちょっかいを出しますが、メスもこれを嫌がりません。
つまり、「若くて容姿の良い女性」を選ぶことは "合理的" ではないですし、女性が「裕福で権力を持つ男性を好む」とは限りません。(そういう傾向にあるのは実感できますが、生物としての "正しさ" みたいなレベルではないです)
食うに困るような原始時代では、容姿が良いということはちゃんと食べることができていて持病もなく健康であることの証左であるからだ。
狩猟採集生活は平等な社会であったと言われ、獲物はみなに分け与えられました。狩りが上手でも食料は多くもらえません。女性からもてる条件が狩りの上手さだった可能性もありますが、踊りの上手さだったかもしれません。
これを「性淘汰」と言って、これはおっしゃる通りです。鹿もそうですけど、こいつらはかなり極端ですよね。人間の女性だと腰のくびれは性淘汰の結果だと言われます。
まとめて筋肉増強剤とさせてもらう
経口タイプのものから始め、今では週に2,3回程度の注射を行っている
1種類は健康を損なってでも筋肉を大きくしたい、筋肉に人生をかけている人間
もう1種類は、楽して結果を得たい人間
私は後者だ
筋肉増強剤ユーザーとして、筋肉増強剤に強い依存性を感じている
筋肉増強剤が切れると禁断症状が起きる、というようなことはない
肉体的な依存度は低い方だと思う
筋肉増強剤は基本的には男性ホルモンを強制的に分泌、もしくは外部から注入して
筋合成を強制的に高めるという仕組みになっている
また強制的に男性ホルモンを分泌させることから人間本来が持つ男性ホルモンを生成する能力が極めて低くなる
そういった諸症状をケアするために、筋肉増強剤の使用期間を4~8週間
筋肉増強剤を使用せずに不妊治療薬などを飲んで身体をケアする期間を同期間取る
だが、多くのユーザー、しかもそれで金を稼げるわけでも何でもないような人までも
筋肉増強剤を使用して行う筋トレで得られる筋量は、使用しないで行う筋トレの数倍にも及ぶ
筋肉増強剤を使用せずに筋トレを行った人よりも筋量が増えたという結果まであるほどだ
筋肉増強剤は筋合成を非常に高めるだけではなく、筋力の向上、筋繊維の回復力の向上の効果がある
筋肉増強剤を投与している期間はより高負荷のトレーニングをより高頻度で行えるということだ
その結果、より筋量が向上する
その筋量を維持するためには筋肉増強剤の力を借りた高強度のトレーニングが必要になる
つまり、筋肉増強剤を投与して得た筋肉を維持するためには筋肉増強剤が必要になるということだ
また筋肉増強剤を投与することにより、人体が本来持っている男性ホルモンの分泌機能が弱る
つまり筋肉増強剤を使って、辞めると筋肉増強剤を使っていなかった頃に比べても筋肉の維持が難しくなる
筋肉増強剤の投与をやめた場合、2~3年の間に筋肉増強剤で得た筋肉の50~100%近くを失うとも言われている
筋肉を大きくすることで得た満足感や自己肯定感を喪失していくことに多くの人は耐えられない
君がとあるグレーな方法でお金を稼ぐことが出来るようになったとする
その方法はリスクがあり、どれだけ稼げばそのリスクが顕在化するかはわからない
君はいくら稼げば満足するだろうか
筋肉の量もそれに似ている
100万円相当の筋肉を稼いだら、1000万円相当の筋肉が欲しくなる
1000万円相当の筋肉を稼いでも1億円相当の筋肉が欲しくなる
そしてそれを稼ぐには筋肉増強剤というリスクを孕んだグレーな方法を使わなければあまりに道は困難
こういった様々な要因が重なって筋肉増強剤は強い精神的依存性を持つに至っている
私の周りにもユーザーは多いが、ユーザーを卒業した人間は限りなく少ない
筋肉よりも大事なものを見つけられた人間、リスクが顕在化して筋肉よりも命を選んだ人間
それくらいのものだ
アメリカでは100万人以上が筋肉増強剤を使用し重篤な健康被害があり
日本でもそう遠くないうちにそうなる、なってほしいと思う
10年近く不妊治療をしていた友達が出産して子育てしている。子どもは6カ月になった。生れてすぐに会いにいって、お祝いした。それからもときどきおもちゃや洋服を送って、「がんばって!」って言って、最近また会いに行った。お弁当を食べて少し経ったころ「赤ちゃんが重くて持てない」とボロボロ泣き出した。赤ちゃんをだっこさせてもらった。6キロくらいだろうか。ちゃんとこちらにしがみついてくれるし、抱きにくい子ではない。「大丈夫だよ。かわいいねえ」「私には重いの!」と言って「もう無理」とずっと泣いていた。私はしばらく見てるからと言って、寝てもらった。眠れないようだったけど。
友達は長い不妊治療の間にメンタルを崩していた。病院に行って何らかの診断書を貰えば自治体にもよるかもしれないけど保育園にも預けやすいと思うよという話もした。だけど、せっかく長年望んでできた赤ちゃんだから……と言葉を濁していた。
そういえば、と、彼女の話を聞きながら思い出すことがあった。安定期に入った頃に妊娠を教えてくれた彼女は「これでやっと解放される」と治療のことを言っていた。
「不妊治療」は確かに出産がゴールだろう。彼女は10年近く走り続けていた。ほんとうに大変だったと思う。だけど、本当のスタートは出産してからなのだ。だけど、やっとのことで辿り着いたゴールのその先を、ゴールする前に想像できる人なんてどれくらいいるのだろう。そして私にはフルマラソンを走ってきた人に、そのままもう一度フルマラソンを走ることになるよなんてとても言えなかった。
私にも子どもがいて、彼女の子よりも二学年上になる。授乳や夜泣きで眠れなくなった時のことを思い出した。保育園に預けたばかりのころ、風邪を切れ目なくひく子に眠れなくなったこと。今も心配ばっかりだ。だけど、出産はスタートだから、これからも大変だよ、なんてとても言えなかった。子どものことで、色々話したいこともあったけど、なんとなく言えなかった。とにかく彼女がゆっくりでも心と体が慣れて、なんとなく走っていけることを願うしかない。
それから預けていた夫から「そろそろ……」というヘルプメールが来たので家に帰った。帰り道、別の友達からも連絡が来た。別の友達も、結婚十年目でやっと子供が出来て妊娠中だった。本当は今日一緒に行くはずだったがコロナが怖いからと取り止めになった。彼女も長い不妊治療でメンタルを壊し、ひどい悪阻で会社を休職していた。「どうだった?」というメッセージに、楽しそうな写真を送る。
彼女もこの先大丈夫だろうか。そして、ここまでしてほしい子どもってなんなのだろう、と思ってしまった。もちろん子どもはとんでもなく可愛いけど、ここまで自分を削っていいものじゃない気がする。だけど、そんなことを言ってしまうのも無責任なんだろうか。望み過ぎた願いは、呪縛にはならないだろうか。呪いにはならないだろうか。不妊治療はすごいけど怖いなと改めて思った。私も二人目が欲しくなって出来なかったら治療に行きたいと思うのだろうか。なんだか周りは、悪魔と契約して魂を犠牲にして錬成しているみたいなケースばかりだけど。そんなことを思ってしまって、なんとなく、暗い気持ちになってしまった。