はてなキーワード: 湯浅誠とは
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本音で「会社に入って働きたい」と思える人間は、面接に受かる。
本音で「本当は働きたくないけれど、お金を貰うためその他の理由で、仕方ないから面接を受けてる」と思ってる人は、面接に落ちる。
現代において、それは極めて公平なこととされている。
しかし、ワーキングプアについて研究している人々(湯浅誠とか)はそう考えない。
思想・信条によって個人を峻別するシステムは、思想・信条が原因で働けないのは本人の自己責任である、という社会的認識の表出であり、かつその認識を強化している。
その結果、本来は社会的要因である思想・信条等の理由によって働けない人々が、働けないのは自己責任であるという社会的認識によって、誰にも救われずワーキングプアになってしまう。
彼らはそう考えている。
私にはどちらが正しいのかわかりません。
http://d.hatena.ne.jp/asita211/20100118/1263773850
そうだよ、湯浅誠なんてさ、ネオリベ最先端じゃない。資本家の犬だよ。奴には革命なんて無理。勤労とか勤勉とか、支配者の用意した価値観にNOを突きつけていないじゃない。
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/asita211/20100118/1263773850
何だカンだいっても、こういう本質をついたエントリーにブクマしているのははてサと言われている人たちだけだ。kyo_juさんのいうとおりだよ。湯浅の言ってることは、「反日上等って言うな」と同じで、天皇制とネオリベが美しくデュエットを奏でる国で、エスタブリッシュや世間に従属する者の言葉、つまり奴隷の言葉なんだよ。
だいたい「現場が大事」とか言ってるのって、はてなにもいるけど、たいてい愚鈍・奴隷根性・隠れ差別主義者ばかりだよね。反動的イデオロギーに囚われている皆も、早くこういう連中の欺まんに気がつくべき。
という類の「ユニクロ悪玉論」は、けっこう広く支持されてるんですね。後藤田正純氏のように「安売りを規制しろ」という政治家は多く、内閣府参与になった湯浅誠氏も公然と海外移転禁止論を主張しているので、民主党もそのうち言い出すでしょう。
こういう人々が錯覚していることを証明するのは簡単です。たとえばユニクロの海外生産を禁止したら、どうなるかを考えればいい。中国の工場の賃金は日本の1/5程度らしいので、これをすべて日本で生産したら、1000円のジーンズは5000円ぐらいになるでしょう。消費者は買わなくなるので、ユニクロの売り上げは落ちます。そうすると経営が苦しくなって従業員は解雇される――これによって、いったい誰が得をするのでしょうか。
彼らの錯覚の原因は、内外価格差を「デフレ」だと思い込んでいることにあります。ユニクロが低価格で売れるのは、グローバルな相対価格の差を利用した価格競争であり、貨幣的なデフレではありません。価格競争で安い商品が勝つのは市場経済のルールであり、競争を禁止して高い商品を守ることは消費者にとって有害なばかりではなく、企業の国際競争力を弱め、最終的には日本の産業全体が沈没します。
それが今、まさに日本経済に起こっていることです。正社員の賃金が労働生産性をはるかに上回っていることが企業収益を圧迫しているのに、労働生産性に近い賃金で働く非正社員が「かわいそうだ」とメディアが騒ぎ、それを禁止しようとする。いつまでたっても国内の高賃金が正しく、新興国の低賃金が間違っているという天動説が抜けない。
残念ながら、日本政府が「正しい賃金」を決めることはできないのです。衣類のようなグローバルな商品の価格は国際的な相場で決まり、その価格で競争できない企業は退出するしかない。これは水が高いところから低いところへ流れるのと同じで、せき止める方法は保護主義だけです。今まで日本は、複雑な商慣行などの非関税障壁によってこうした水位差を巧みに守ってきましたが、その堤防が決壊したことが「価格革命」をもたらしているのです。
これをデフレと取り違えて「日銀がお札をばらまけ」などと叫んでいる人々は、日銀がユニクロの安売りを止められるとでも思っているのでしょうか。たしかに、いま起こっている価格革命は多くの企業に事業再構築を強いるもので、愉快な出来事ではありません。
しかし、かつて日本企業が欧米に低価格の自動車や電機製品を輸出したとき、彼らは同じ経験をしたのです。そのとき「貿易摩擦」を言い立てて日本からの輸出を妨害したGMは、経営破綻しました。
これまで日本が繁栄してきた最大の原因は自由貿易の拡大であり、それを元に戻すことは可能でもなく望ましくもない。むしろ日本が成長するには、新興国の関税を撤廃させる自由貿易協定(FTA)などによって輸出を拡大するとともに、現地生産によってコストを下げてグローバルな競争に勝ち残っていくしかない。競争を妨害してユニクロを非難していると、日本中の企業がGMのようになるでしょう。
一緒に働いている人達がとても良い人ばかりで、申し訳なく思う。
「次は同じことをしないように気をつけよう」と言われて、確かに同じミスはしないようにしている。
でも、代わりに他の大きなミスをしてしまう。負の連鎖。
こういうことが続くと、「自分の存在価値なんてウジ虫以下なんじゃないか」と思って、死にたくなる。
失敗は失敗として切り替えて、前向きに頑張るしかないと分かってはいるけどキツいものだ。
あーあ、優秀とまではいかなくても、うっかりミスがほとんど無くて、言われたことは出来るような人間になりたいなあ。
真面目なんだけどミスばかりする人間って、一番使い物にならないからなあ。
最近、こんなダメな自分でも誰かの役に立つことが出来れば何とか踏ん張れるんじゃないかと思って、貧困問題で有名な湯浅誠さんの主宰するNPO法人「もやい」のサポーター会員になってみた。
お金を払うだけで人の役にたったつもりになるのも何とも底が浅いとは思うけど、所詮、人の行動なんてすべて自己満足なんだと割り切ってしまえ。
「~してくれてありがとう」「~がいてくれてよかったよ」
本当はこういう言葉がほしいだけなんだけど。
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10362886455.html
湯浅誠氏の活動についてはその意思の美しさや動機については個人的には素晴らしいと思っているんだけど、自分の中の”かわいそうな派遣社員像”を他者に押し付けすぎのような印象を受ける。
たとえば学者を目指すも学者になれず、塾の講師に甘んじている人間が居るとする。
でもそんな人に、「この人は塾の講師の仕事に誇りを持っていると言っているけど、本当は学者を志して失敗したからその惨めさを払拭するために"塾の講師という道で青少年の学業を導く"という看板を背負ってだましだまし生きているんだ」などとは、たとえ真実でも言わないだろう。
そう考えると日雇いなどで働くことに納得している人に対して、メチャクチャ失礼なことを言っていると思う。
そこまで人の"生き様"におせっかいを焼く資格が、果たして湯浅誠氏と言えどもあるのか疑問。
繰り返すが俺は湯浅誠氏のことは偉い人だと思う。だけど、"派遣切り問題をなんとかしたい"という気持ちを派遣村の設営というエネルギーに費やすのはもったいない気がする。何万人も居る"かわいそうな"非正規雇用者のうち、対症療法的に微々たる人数を救っても意味がない。
おまけに、湯浅誠氏が手を組んでいる相手は労働組合側の人間も居たりする。これは事実だ(調べればわかる)。湯浅誠氏が嘆いているはずの就職難、失業問題の原因と言って差し支えない存在であるはずの労働組合を、氏は"仲間"と考えているフシがある。
彼らは、既存の労働者の雇用を守れというばかりか、賃金を上げろとまで言っている人間たちだ。そんな人に湯浅誠氏は何も思うところがないのだろうか不思議だ。
無論、"社会的名声"を得た湯浅氏にしてみれば、"派遣社員かわいそう"という看板は生きる上で大きなモチベーションになっているのだろう。だからおいそれと振り上げた拳をひっこめるわけにもいくまい。
だけど、それでも言いたい。湯浅誠氏には、間違いに気づいた時には潔く自分の行いを訂正する勇気、引き返す勇気を持ってほしい。
日本は、保守も革新も、右翼も左翼も、理解力が低くて頭の固い連中が多いように思うんだ。
最近になってようやく世代間格差とか就職氷河期世代の問題が少子高齢化問題の関連で注目されるようになってきたけど、2006年くらいまではそんな問題は存在しないと不可視化されてたんだよな。
貧困問題もそう、湯浅誠氏なんて長く貧困の現場で活動していたのに、派遣村の問題が無ければ未だに知る人ぞ知る、だっただろう。
ようやく左翼は貧困問題に真面目に取り組まなくちゃって考えるようになったみたいだけど、右翼、保守はまだ全然だよな。
金美齢氏は未だに日本人は恵まれているなんて言ってるし、誰だったか、世界には1日1ドルも稼げない人が大勢いる、絶対的貧困に比べれば日本の貧困は貧困ではない、なんて言ってる人もいるよね、奥…何とかって女性だったかな?
無能な味方は敵よりも恐ろしいってのが良く分かる。
彼らの言説を真に受けてたら日本の貧困は不可視化されたままになるよ。
90年代から2000年代初頭にかけて、保守論客が、日本は素晴らしい国だって言ってくれるのは確かに気持ち良かった。
でも、彼らはもっと素晴らしい国にするにはどうすれば良いかという問いに対し、愛国教育とか地域コミュニティの構築とか伝統尊重としか言わなかった。
国内にいる貧しい人を助けることですと言ってくれた人はいなかったと思う。
もやいに相談してみたらいかがだろうか
湯浅誠氏で有名になったが、ここは昔から生活困窮者向けの支援を地味にやってきた団体だから信頼できると思う
症状については、本人の自覚症状がどうあれ医師が危険だと言っている以上危険だと思うので早急に医療措置をとるべき(が、本人の自由意志が一番なので強制入院はできない。精神疾患のみ保護入院がみとめられてる。こんなのがまかり通ったら、健康な人も悪しき目的で強制入院、監禁されられてしまうからね)
クビ云々については、もやいには社会保険労務士、弁護士などの法律家も手弁当で協力している
生活保護については同行申請もしてくれるから、会社との交渉もベストのアドバイスをしてくれると思う
心細かったら同行してくれることもあるかも
どうしてもクビの場合もあるかもしれないが(かなり不当解雇っぽいが社労士に詳しく相談)、生活保護はこのケースなら確実に取れると思う
後になってこちらが有利になる
生活保護になれば家賃の関係で引越しは必要になるかもだがもちろん体の具合がよくなったときにすればよい
その辺はケースワーカーと相談
ただあくまで本人の意志がないとそういう団体も動けないよ
「本人が来たいといえばつれてきてください」と必ず言われるはず
本人が生きたいという意志があって、病気を治して楽になりたいという意志を持ち上げないとだめ
※生保とった人でも、長年の無理がたたって、数ヶ月療養しないと仕事に復帰できない、なんてすごくたくさんいるよ
とにかく医療措置は早めに!!
潰れてからじゃなかなか、ね
先日、「朝日ジャーナル」が創刊50年を記念して1号だけ復刊した。
これが売れてて、3刷まで出てるらしい。(ソースは今朝の新聞広告)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10334
出てるのは浅田彰、柄谷行人、鶴見俊輔などに加えて、東浩紀 に湯浅誠、雨宮処凛、ホリエモンなど。
ちょっと読んでみるか。
「朝日ジャーナル」が記念復刊 創刊50年で
1960-70年代に若者に人気があった雑誌「朝日ジャーナル」が、4月14日発売の「週刊朝日」臨時増刊号として復活することが27日分かった。
発行元の朝日新聞出版によると、同誌は部数低迷で1992年に休刊したが、今年が創刊50年に当たるのを記念し、単発で復刊することにした。破綻する日本型社会システムについて文芸評論家柄谷行人、作家高村薫ら各氏が寄稿するほか、故筑紫哲也元編集長によるインタビュー「新人類の旗手たち」の一部を再録する。
ここのところ、はてなや増田で派遣やセーフティネットに関する議論が盛んだ。
最初は自分も世論に流され「本当に自力でどうしょうもない人はごく一部で、大部分は努力が足りないんじゃね? そいつらを救う必要あんの?」とか思っていたが、多くのはてなの議論やら湯浅誠の本とか読んで、そんな単純なものじゃないとはなんとなくわかってきた。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0901/20/news011.html
でも、こういうニュースとか見るとどうしてもどうしても感情部分で「やっぱり甘えてる奴多過ぎじゃね?」「ここに上がってる会社や自治体とか、ブラックもあるかもしれないが、そうじゃないところもあるんじゃね?」「自分の望む仕事しかやらないってわがまますぎじゃね? 世間で働いてる人に対して失礼じゃね?」という感情がわきあがってきて消せない。もやもやする。
お願いだ、誰か、俺のこの感情部分を納得させてくれ!
「恥ずかしながら、これが私の全財産でして」
4月15日夜、東京・飯田橋近くのNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」。男性(39)は財布の中身を見せて、うなだれた。
財布には小銭ばかりで100円ほど。前日に古本屋で本を売った400円の残りだ。飯田橋までの電車賃もぎりぎりだった。
都内の電気工事会社の下請けで働くこの男性は、生活困窮者を支援する「もやい」に助けを求めていた。
「いつお金が入りますか」
「4月18日です」
「いくらぐらい?」
「たぶん、3万~4万円」
「その額でいつまで」
「それじゃあ、苦しいですねえ。どうしますか」
「18日までしのげれば、アルバイトでなんとか……」
1万円を工面してもらい、米5キロと缶詰5個をもらってしのぐことになった。両親は年金暮らしで頼れない。
「本当にお恥ずかしい。仕事を探しながら働く繰り返しで、失業保険も貯金もないものですから……」。何度も頭を下げてはお礼を言った。
男性は99年、都内の私立大学を卒業した。浪人と留年を重ね、このとき30歳。就職氷河期まっただ中だった。
派遣労働者として働きながら、就職活動を続けたが決まらない。派遣会社10社以上に登録し、契約が切れると清掃業務や建設作業などで食いつないだ。たまに採用されても契約社員扱い。細切れ雇用の全部は本人も思い出せない。
そのうち面接で「どうして職をそんなに転々としているのか」と聞かれるようになった。これまで60社以上の面接を受けたが、正社員への壁は高くなるばかりだ。
いまは工事で余った廃材の片づけなどをする仕事。正社員を希望したが、半年間の契約社員。日給1万円、翌月払いだ。3月下旬に入社し、3月は5日間働いた。
ところが、4月18日の給料日、3月分の給与明細を見てがくぜんとした。手取りはたったの2万1814円。健康保険料9456円、厚生年金保険料1万7995円、雇用保険料735円が天引きされていた。
これでは家賃3万200円にも足りない。日雇い派遣大手のフルキャストを通じ、夜も仕事を始めた。
午後5時に仕事が終わると、すぐ派遣先の倉庫へ。6時半から10時まで、ベルトコンベヤーに追われながら荷物の積み込み作業。時給は1千円。一晩で3500円にしかならない。
くたくたでアパートに帰る。倉庫の仕事を始めた初日、1回430円の銭湯は高いのであきらめた。部屋は4畳半一間の風呂なし共同便所。布団はなく、2枚の毛布の間に入って眠る。2日続けたが、3日目に会社を休んだ。ダブルワークで疲れ切った。数少ない楽しみの携帯電話代1万1千円の支払期限で憂うつでもあった。翌日が、会社に昼の弁当代の3月分2千円を支払う日だったことも気分をめいらせた。
翌朝。通勤途中、スーツ姿のサラリーマンたちが足早に彼を追い抜いていく。まもなく40歳になる。その数カ月後には、雇用契約の更新時期がまたやってくる。
「やっぱり、私のような人間では駄目なんです。ピシッとスーツを着て、ライフステージを踏んできましたって胸を張れないと、正社員にはなれない。そういう厚い壁を感じてしまいます」
男性はたびたび、自分のことを「私のような人間」と呼んだ。まじめに働いても、30歳で大学を出たというだけで貧困から抜け出せない。広がる「ワーキングプア(働く貧困層)」。1年間働いても200万円以下しか収入がない人は、06年に1千万人を超えた。
(福間大介)
神奈川県内のハローワーク。女性(32)が求人票を見始めて、もう3時間になる。
「一般事務 18万円以上」。パソコンの画面には1度に20件の求人が表示される。55ページ目に入った。
充血した目をしばたく。
「資格持ってないと、全然だめみたい」
高校卒業後、3年間は正社員だった。その後はバイト、製造業派遣、日雇い派遣へと。「坂道を転がるような日々」だった。昨年夏から生活保護を受けている。
保護費は住宅扶助を合わせて約12万円。簿記やパソコンの資格がないと、選べる仕事の基本給は15万円程度。社会保険料や税金を引くと手取りは保護費を下回ってしまう。
気を取り直して、5社分の求人票を持って窓口へ。職員から聞かれた。
「経理の経験は?」
「あります」
「何年前?」
「……9年くらい前」
「ああ、それじゃだめよ」
基本給20万円の事務職の求人には、履歴書を送ることもできなかった。
高校を出て東京都内の会計事務所に入った。実家から通勤2時間、手取りは12万円ちょっと。気力も体力も尽き、3年でやめてバイト生活へ。居酒屋、遊園地、雑貨店……。転々とした。「ちゃんと仕事をしろ」という両親と口論が絶えなかった。「私だって必死で働いているのに」
29歳の時、「仕切り直し」のつもりで、人材派遣会社の日研総業に登録した。前年の04年に製造業への派遣が解禁され、求人誌には寮付きの仕事があふれていた。
最初に行った宇都宮市のキヤノンのカメラ工場は、「長期」のはずが、減産を理由に3カ月で雇い止めになった。部品を組み合わせて2センチほどのモーターを作る仕事。寮費を引いて手取り約10万円。派遣仲間との間柄も良かった。「ここで1年働けたら、人生変わっていたかも」とつぶやく。
派遣会社をコラボレート(現プレミアライン)に変えた。横浜市内の松下電器産業の工場で携帯電話を組み立てた。寮費から冷蔵庫のレンタル代まで引かれ、手取りは3万円以下。社会保険もなし。虫歯が悪化し、消費者金融で借金して歯医者に行った。
「先が見えないまま走っている感じだった」
1年半で、派遣先は計4カ所。けがで働けなくなり、実家に戻った。その後もグッドウィルに登録して日雇い派遣。20日働いて収入は月7万円だった。両親との仲も悪いまま。うつ状態になった。
昨年夏、家を出た。誰でも加入できる「首都圏青年ユニオン」を知り、相談に行った。書記長の河添誠さん(43)が笑顔で迎えた。「つらかったこれまでのことを、初めて人に話せた」
付き添ってもらい、生活保護を申請した。以来、父母とは連絡をとっていない。
彼女と一緒に実家のある神奈川県の地方都市へ向かった。実家の手前で足が止まり、たとりつけなかった。実家を出る前は、帰宅せずネットカフェやコンビニで夜を明かしたこともあった。「親が携帯に電話してきたことは一度もない」。目が潤んだ。
彼女のアパートも訪ねた。6畳の和室、テーブル代わりの段ボールの上に「求職活動状況報告書」が載っていた。仕事を探した日数や面接の結果などを書き、毎月、市の生活保護の担当者に提出する。
これまで15社受けて、すべて落ちた。大抵は「転職が多い」が理由だった。「派遣という選択は人生最大の失敗」と自分でも思う。面接で何をアピールしていいかわからない。
自信をつけるためにも資格が欲しい。雇用保険に入っていれば、国の教育訓練給付で簿記検定や社会保険労務士の資格を取る講座が受けられる。だが日雇い派遣だったため、1年間の雇用が条件の雇用保険には入れなかった。
4月下旬、商工会議所で簿記検定の受験を申し込んだ。3級の検定費2500円は河添さんに借りた。本屋で立ち読みして勉強するつもりだ。
「やるだけやってみる」
(諸麦美紀)
野宿者や失業者の支援が中心だったNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」だが、ここ数年は、働いている若者や働き盛りの家族持ちも駆け込んでくる。相談日の毎週火曜は電話が鳴り響き、面接ブースに列ができ、まるで救急病院だ。
事務局長の湯浅誠さん(39)は「いまは、少し踏み外しただけでもすぐに貧困のどん底まで滑り落ち、なかなかはい上がれない」と語り、「すべり台社会」と呼ぶ。
90年代の不況期以来、正社員の職場はパートや派遣労働者に置き換えられ、いまや、労働者の3人に1人が低賃金で働く非正社員に。非正社員は、正社員を前提にした社会保険からもこぼれ落ちてしまうことが多い。
たとえば、雇用保険は原則、週20時間以上働き、1年以上の雇用見込みがなければ入れない。加入できても、失業手当をもらうには原則、直近2年間のうち1年以上保険料を納めていることが条件だ。短期契約を繰り返す非正社員が、失業手当を得ながら再就職先を探すのは難しい。
健康保険や厚生年金に入るのも、雇用期間が2カ月以内だと原則として対象外で、労働時間が正社員の「おおむね4分の3以上」が条件だ。社会保険料負担を避けるため。わざわざ適用外になるように非正社員の労働時間を設定している企業も珍しくない。
さらに最後のセーフティーネットである生活保護制度は、自治体の財政難を背景に窓口で違法な申請拒否が横行。生活保護費以下の収入しかない人でも、申請さえ受け付けない例が後を絶たない。
都留文科大の後藤道夫教授(社会哲学)は「日本の社会保障制度は『働いても食べていけない』状態を想定していない」と指摘する。これまでは、正社員であれば企業が職業訓練をし、医療、年金、住宅保障の機能も担ってきた。「非正社員にとって、日本の福祉は『底抜け』状態にある。自己責任を問うだけの時期はもう過ぎており、具体的な対策を議論すべきだ」
(福間大介、諸麦美紀)
国名 相対的貧困率 米国 13.7 日本 13.5 アイルランド 11.9 イタリア 11.5 カナダ 10.3 ポルトガル 9.6 ニュージーランド 9.5 イギリス 8.7 オーストラリア 8.6 ドイツ 8.0
03-3266-5744
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またも悲劇が繰返された。7月11日各紙が報道したように、北九州市小倉北区で死後1ヶ月と見られる遺体が発見された。亡くなった52歳男性は、昨年末から生活保護を受けていたが、4月に生活保護の辞退届を提出、「受給廃止」となっていたという(7月12日朝日新聞)。
本件に関して、私たちは、
(1)男性の辞退届け提出が、本当に男性の真意にもとづくものだったのか(事実上福祉事務所職員に強要されたものではないのか)、
(2)真意にもとづくものだったとして、男性のその後の生活の見通し(経済的に自立して生活していける見通し)について、福祉事務所は十分な調査(報道されているタクシー会社に就職できる確実な見通しがあったか、それによって生活保護基準を上回る収入を得られる確実な見通し)を行ったのか、
(3)経済的に自立の見通しが高かったとして、なぜ実際に就労して保護基準を上回る収入を得た後に廃止する、という生活保護法が予定している通常の手続きを取らなかったのか、
(4)辞退届けを提出する義務も必要もないことについて、男性に十分な説明が行われたのか、
(5)説明が行われたのだとしたら、どうして報道されているように男性の日記に不満(「働けないのに働けといわれた」)と記されているのか、
等々について、数々の疑問をもっている。北九州市は、昨年5月に発覚した餓死事件同様「対応に問題はなかった」と話しているが、本当に自信をもってそう言えるのであれば、北九州市は自ら積極的に生活保護ケース記録を開示するなどして、説明責任を果たすべきと考える。
私たちが、東京を中心に活動しながら、北九州市の件で今回のような緊急声明を発表することには理由がある。それは、北九州市以外でも同様の事態(経済的自立の見通しがないにもかかわらず、保護辞退を強要する、不適切な指導指示にもとづいて保護を廃止する)が頻発していると考えるからである。以下、私たちが受けた相談の一端を紹介する。
(1)先月、相談に訪れた50代男性は、都内の福祉事務所から「平成19年5月10日までに就労を開始すること」というきわめて不適切な「保護指示通知書」を渡され、6月22日付で「法第27条指示違反による廃止」という違法な「廃止の理由」で生活保護を職権廃止されるに至っている。職権廃止取消を求める不服審査請求はもちろん、精神的苦痛を与えられたことによる国家賠償請求も提起しうる事案だったが、本人がどうしても「あそこ(の区役所)にはもう行きたくない」と言って、権利回復は果たせなかった。
(2)昨年相談に訪れた50代夫婦は、その一年半前に強圧的な就労指導によって精神的に追い詰められ、経済的自立の見通しがまったく立たないにもかかわらず、生活保護を辞退した。私たちの元に相談に来るまでの一年半、妻が難病をもつ夫を支えながら月収7万のパート労働で暮らしてきた。私たちは、再度の生活保護申請を勧めたが、妻が「もうあんな思いは二度としたくない」と言って、ついに生活保護申請には至らなかった。
このように、「自立」の美名の下、実際には生活していく見通しが立たないまま、生活保護から半強制的に追い出されている人たちが全国に多数存在している、と私たちは推測している。その人たちは、心にトラウマが残るまで圧力をかけられ、権利回復を求める意欲も残らないところまで追い詰められ、そして放り出されている。福祉事務所は、本人たちから声を上げる力を奪っておきながら、「声が出ていない以上、対応に問題はない」と涼しい顔をしている。その声を上げられない力の剥奪の究極形態が「死」に他ならない。力を付ける(「自立の助長」生活保護法1条)はずの福祉事務所が、受給者から力を奪うという悲惨な逆転現象が起こっている。
事は北九州市のみに留まらない。その事態の深刻さに鑑み、以下主張する。
1)北九州市は、今回の餓死事件の厳密な検証をただちに行うべきである。生活保護を廃止した行為は、「辞退届けが提出されたから」などという薄弱な理由では正当化されない。
2)全国の福祉事務所は、不適切な指示書の乱発、辞退届けの強要、違法な職権廃止をただちにやめるべきである。もうこれ以上、福祉事務所被害者を出してはいけない。
3)政府は、経済的自立偏重の「自立支援」を根本的に見直すべきである。現行「自立支援」「再チャレンジ」は、多くの場合、弱者いじめにすぎない。人々に負担を求めるばかりでなく、人々の生活を保障する国の責任を果たすべきである。
http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=165