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2024-03-17

anond:20240317205256

あなたが述べている問題は、現代経済における重要課題の一つです。インフレ賃金関係は複雑で、労働者企業、そして経済全体に影響を及ぼします。

1. インフレ実質賃金: 物価上昇(インフレ)により、労働者購買力実質賃金)は低下します。これは、同じ賃金で購入できる商品サービスの量が減少することを意味します。

2. 労働組合賃金: 労働組合賃上げを求めると、企業はそのコスト製品価格転嫁することが多いです。これが物価上昇を引き起こし結果的には実質賃金の低下を招く可能性があります

3. 生産性賃金: 賃金企業コスト項目なので、無理な賃上げによって生産性が低下します。それにより利潤が低下します。利潤の低下は実質賃金さらなる低下を招きます市場によって適切な賃金が求まることが重要です。

4. 賃金インフレ物価インフレ: 賃金が上昇し始めて物価インフレを追い越すという見解は、一部の経済学者の間で見られますが、これは必ずしも全ての状況で当てはまるわけではありません。

[] 賃金がなぜインフレに追いつかないのか

高賃金仕事に就いている少数の労働者は、より高いボーナスインフレを打ち破る昇給享受している。しかし、大多数の労働者にとって、物価上昇により実質賃金が目減りしている。

労働者生活必要ものを買うのに苦労している。

労働者賃金インフレに追いつく見込みがまったくないなか、実質賃金の低下に直面している。

左翼活動家の中には、企業権力の増大とともに労働組合の力が低下していることを挙げる人がいるが、賃金市場によって決定されるという事実を見れば、労働組合賃上げ圧力を高めれば企業生産性は低下するだろう。

生産性の低下は実質賃金の低下を招く。

また、賃上げによって物価が高まっているのが事実であるのにも関わらず「今後賃金インフレが上昇し始め、おそらくは物価インフレを追い越すだろう」と主張する人たちがいるようだ。

インフレ率を上回る賃金上昇の可能性にここまで執着する理由がなんなのかはわからない。そういう「労働組合による圧力アプローチ」は実質賃金を低下させるだけだろう。

2024-03-14

NTT春闘感想

そもそも要求が5%と低いです。今までやってきた春闘プロレスの傾向から要求通り満額回答を得られたことはありません。

10%を要求して7%+一時金妥結が丁度いいでしょう。それなら文句も少なかったはずです。

ストライキ権を留保することに意味がなどないです。満額回答が得られない限りはストライキするというのがあるべき戦略の形でした。

グレードで給料の偏りがあるにも関わらず平均で結果を議論することは意味がないです。中央値を使ってください。

さて、今回の結果は組合が5%要求し、組合側が歩み寄って更に低い結果で妥結という、メンヘラしょうもない喧嘩を吹っ掛けたような落としどころでしたね。

もし定期昇給ベア結果に含めているなら、それは賃上げ定義とはまったく外れています。やめてください。

労働組合経営層どちらも異常です。心を燃やして働くことは馬鹿馬鹿しいのでもうしません。

明日以降やる気がなくなった社員、敵意を剥きだした社員に溢れることと思います

そりゃあ大きなニュースになったコールセンターインシデントも起きるよ。

そうでもしないと生活苦で死んじゃうんだろう。

本当に意味わかんねーよこの会社

2024-03-12

40代〜60代、2040年代までの戦略どうする?

昔よりも企業にしがみつくしかなくなってきている

独立しづらいというか

個人が戦える土壌がない

フランチャイズもまず地雷だし

 

しか企業は金払いが全然よくない

労働者を舐めてる

貯金体質になっている

そんで労働組合も下火

 

そんで出てきたのが「NISAワンチャン

やめなよ、それもいいけど、絶対ではないよ

 

どうすんのこれ

どうすんのお前ら

労働組合が一体何を闘っているのか未だに分からない

割と長い間会社にいるんだけれど毎年この時期に労働組合が何をしているのかサッパリからない

組合関係仕事したことがあるんだけれどそれでも分からない

組合役員かに聞いても彼らも知らないし分からないらしい

一応、毎月「組合新聞」なるものが発行されてPDFで送られてくるんだけれど

この時期の組合新聞には「断固として闘争!」みたいなことが書かれていて

要求として〇ヶ月分みたいに書いてあるんだけれど

結局、会社側とどのような話し合いをしてどのような手順で要求が通されたのかさっぱり分からない

会社への要求文章と回答文章、みたいなのがあるんだろうけれど、それらがどこで公開されているのか周知されていないし

役員に聞いたり調べたりしても何も分からない

そもそも会社側も満額回答するなら期限を待たずにさっさと回答すればいいのに

回答期限までずーっと放置して組合員はそれまでの間ずっと闘争解除されないし

このプロレスみたいな様式美をみんな何の疑問も持たずに何十年と繰り返してるのが本当に謎

2024-03-01

結婚するのが早すぎたかもしれない

みなさまへ

コメントありがとうございました。

自分でもなかなか決心がつきません。

真剣に考えて決めようと思います。ひとまず、先輩にはもっと

しかけるようにしてみます

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高校を出てすぐ公務員になった。早く自立したかたから。

そして20代後半に入った頃に結婚した。あと数年で30になる女である

結婚相手は、同じ職場の少し年上の男性仕事はまじめで、社会常識があって、ほかの人から評価も悪くない人だった。

予想がついてるかもしれないけど、結婚したことを後悔している。その人が好きという気持ちよりも、なんだか安心できる、悪い人ではないという気持ち結婚たからかもしれない。それでいま悩んでいる。

こんなことを思うようになったキッカケは、昨年にあった春の人事異動。昔好きだった人がすぐ隣の部署に異動になった。

私が新人だった頃、ほかの部署にその人は所属していて、尊敬できる先輩だった。優しい雰囲気で、力強い印象のある人だった。スポーツもできる。たまたま早朝にその人が廊下を歩いていて、私がふいにおはようございます」と言ったら、その人が笑顔で「おはよう」って笑顔で返してくれた。一目惚れだった。

ある時、新人だった私がお客さんに窓口対応で何度も何度もひどいことを言われて傷ついたことがあった。けっこう怒鳴られた。正直泣きそうだった……でもその時、その先輩がヘルプに入ってくれた。そのお客さんに話しかけると、内容まではおぼえてないけど……その場が和やかな雰囲気になったのである。この人すごい!! と未成年ながらに感じた。凄みだった。

当時はその先輩のことが好きだった。10コ以上は年上だったけど、絶対好き!!ってほかの親友に言ってしまうくらい好きだった。労働組合主催したバーベキューの時や、なにか仕事の依頼をされた時など、何度かその人に声をかけられたけど、特に進展はなかった。私の恋はそこで終わった。

それからほどなくして、今の夫に食事に誘われて、何度かデートに行くうちにそういう関係になっていった。

でも、その先輩は今、わけあって私と距離が近い。すごく近い。一週間に何度も顔を見ることがあるし、会話もする。何度も話しているうちに、「やっぱりこの人が一番だ」という気持ちで胸がいっぱいになって、どうすればいいかからなくなる。それくらい好きだ。

グダグダになってごめん。もちろんいけないことなのはわかってる。でも気持ちの整理がつかない。私はどういう気持ちで、どういう態度でいればいいのだろうか。

どなたか意見をもらえるとありがたいです。

2024-02-29

anond:20240229172840

労働新聞」という名前だけど、「労働者の味方の新聞」ではないみたい

https://www.rodo.co.jp/company/

今日では、中立的立場から経営、人事、安全労使関係情報提供する専門新聞社として、行政第一機関一般企業の人事・労務担当者中小企業経営者、労働組合社会保険労務士などの方々から幅広い御支持をいただいています

2024-02-25

anond:20240225121221

なぜパヨが牛耳らない労働組合を己の手で作ろうとしないのか

作る能力がないのか

anond:20240224235033

こんなのに騙されちゃいけない。強制的に、または労働組合を結成してもっと賃金を上げるべきなのだ

そうしないと労働者搾取されるしかないのだ。資本主義とはそう仕組みだからだ。

搾取って「労働者が生み出した生産物資本家無償で奪い取る」こと全般を表した言葉なんだから時給1500円にしたところで搾取構造は変わってない。

その後生まれた、革命ではなく体制側に入って構造を変えていく社会民主主義路線なら賃上げ搾取構造の脱却に繋がる話にも多少正当性が出てくるけど、マルクスは最終的に革命しかこの搾取体制を脱却できないとしてるんだから、この説明はすごく違和感がある。

話の要旨とは関係ないんだけど、マルクス主義の話をする時に「搾取」に対する理解見方ってすごく大事から気になってしまった

anond:20240224235033

労働組合はいいんだけど加入した人間反政権とか反原発とか世界平和とかそういう方向へ無理矢理持っていこうとするのがダメ

まり労組を牛耳るパヨがダメ

2024-02-24

anond:20240224105939

これにはマルクス資本論が役に立つ。

マルクス曰く、資本家労働者再生産する最低限の賃金は払わないといけないと言っている。

そうしないと労働者がいなくなるからだ。

現代だと時給1000円くらいが最低賃金なんだけど、これは本当にギリギリ労働者再生産できる給料だと言っていいだろう。

資本主義の仕組みとして、このギリギリ賃金に設定してくるのが資本家なのだ

からマルクス的には社会主義・・・という話になるが、それはうまくいかない。

から政府最低賃金をあげたり、労働組合を結成してあげる必要がある。

この元増田資本家側(株主ではないけど経営者なので)だから、時給1500円じゃ無理だよ、と言ってくるのは当然なんだ。

資本家労働者ギリギリ生活でよい、生きてさえいればそれでいいって考えてるから、こんな発言が出る。

こんなのに騙されちゃいけない。強制的に、または労働組合を結成してもっと賃金を上げるべきなのだ

そうしないと労働者搾取されるしかないのだ。資本主義とはそう仕組みだからだ。


・・・みたいな感じでどうでしょうか。大学マルクス専攻してたので久しぶりに書いてみた。


追記

もう今更追記しても意味ないと思うけど書いておく

マルクス需要供給価値が決まるみたいな話じゃないんですよ

ざっくり言えば、労働時間によって(だらけた労働ではダメですよ、一般的な強度の労働価値が決まるって言ってる

これが労働価値

でも今は需要供給価値価格)が決まる

まあこの方が実際的でいいんだけど、これだけでは市場の動きに左右されるだけで物事本質が捉えられないんです

労働時間によって価格が決まる」って部分を知っておくと便利なんですよね

「なんでこの商品価格が決まるの?」となった時に「需要供給が均衡したから」じゃ本質が分からない。

「この商品には人間労働時間がかけられてるからこの価格になっている」

と言えると、経済解像度がスッと一段階上がる

マルクス経済学だけでこの世を語ったり構築するのは無茶です

でも別なる視点としてマルクス経済学を知っておいても損はありません

2024-02-12

anond:20240212110148

共産れいわの信者労働組合叩いているの多いな

あいつら誰の方を見てるんだろう

anond:20240212100729

ワイは資産6300万円やけど労働組合には非常に感謝してるし労働組合批判してる労働者はこいつ馬鹿やなぁって思ってるやで。

あと投資に入れる金も自分生活費払ったあとの余った金やから別に生活費が苦しいとかもないしな。

2024-02-09

anond:20240209082723

コンプラ窓口や労働組合に垂れ込んでも、人事と一緒に飲みに行くような人たちだから

その労働組合役員が、パワハラ張本人だったりするし。

なのでダイハツのように、お役所週刊誌に垂れ込むという話になる。

1990年代って平成だけどなかなか世の中がキチガイだった記憶がある

・客が普通に食ってんのに夫婦同士(店長店員)がくだらない喧嘩始める(しか個人店ではなくフランチャイズのチェーン)

小学校女子生徒に冗談めかして抱きつく男性教師男子生徒の局部を(なぜか手の甲で)触る女子教師

淫行逮捕されて懲戒免職食らった教師ほとぼり冷めたあとによその学校再就職してその後教頭に昇進(しか公立学校での話)

小学生ヌード写真集製造販売合法

長野県では淫行合法

高校運動部で血出るまで、怪我するまで部員を殴る蹴るする指導者が当たり前にいた

・(やった側、やられた側を合わせると)カツアゲ経験率の驚異的な高さ

万引き経験率の驚異的な高さ

飲酒運転の罪の重さは自爆の物損事故程度に見られてた

・酔っ払って仕事してる社員スルーされる。処分なし

受験合格学校卒業の記念に先生と生徒が2人きりで旅行

・課のみんなで風俗旅行(気合入ってるとタイ遠征して幼女買いに行く)

・当時の首都圏女子高生の援助交際経験率の高さ

薄給でいいからとにかく休みが多くて残業少ない仕事に就きたいという価値観キチガイ扱い

飲食店レベルが今じゃ考えられないほど軒並み低く、完食不能レベルにマズイ飲食店すらそこかしこにあったので外食ギャンブル

深夜番組オッパイ平気で出るし発売予定のAVの紹介なんかもしてた(ドラマGTOなんかでは作中でAV流れるシーンもあった)

精神病院障害者施設で生きるか死ぬかの虐待が平気で繰り返されてた(そういう闇を題材にした『聖者の行進』というドラマがあり、虐待描写が酷すぎて抗議が殺到したらしいが、現実事件はこれより全然酷かったという)。

また、精神疾患起因の妄想ではなく、健康にも関わらず陰謀によって精神病院強制連行され薬漬け&軟禁人生終了させられた人がマジでたくさんいた。

反社と強い関わりがある、のではなく反社のものベンチャー企業でも上場できた

・まだ北朝鮮拉致が行われてた

過激派内ゲバでまだ死人が出てたし、革マル系サークルに住み着いた部外者排除に踏み切った大学学部長が自宅から出た瞬間に角材で滅多打ちにされる事件なんかも

銀行支店長がたまに暗殺されてた

労働組合勧誘軟禁恫喝を駆使して行われてた

市役所職員市民に対して愛想がないどころではなく横柄

一般人被害者凶悪殺人事件が起きたら芸能レポーター取材陣が平気で葬式に押しかけてその時撮った映像夕方ニュース10分くらい流す

私立医学部入試が色々な意味めっちゃくちゃ

都心まで20分かつ駅近の下町湾岸エリア宅地と、都心まで80分かつ駅徒歩20分の新興住宅地の坪単価が同じだったりした

小売店なんかで相手子供だったら金持ってようが客扱いしない。下手すりゃ金の出どころを怪しがって売ろうとしない

・親の命令子供自販機までタバコを買いに行かされる

小学生学校トイレウンコしてるのバレたらお笑い系人気者でない限りは小学校生活終了

2024-02-08

anond:20240207213235

法律知識高そうなvtuber というとリゼヘルエスタを想像するけど

皇族という設定で労働組合委員長やったらシュールすぎるな

2024-02-07

anond:20240207171734

団体交渉するための労働組合自体はあってもいいと思うけど、企業Vtuberってデビューする時のリスク企業側の方がめちゃくちゃ大きいんだよな

なので権利企業の方が持っているってパターンが多いし、逆にVtuber側に権利持たせてる企業あんまりサポートしてくれないって言われてる

Vtuberに限らず社会人になったら秘密保持契約結んで仕事内容とか関わった事を一生外部の人に喋れない事なんて多々あるし、企業Twitterアカウント運営してた人が辞める時にアカウントもらえないのも普通だ思う

個人Vtuberという選択肢があるのに企業からデビューするのは双方が今の条件で企業からデビューするのにメリットを感じての事だし不公平には感じないか

労働組合普通会社約束を守ってくれないとかパワハラだとかいじめだとかそういった事から守ってもらうために必要という理解

anond:20240207171734

かにやらせるにしても

誰かやりませんか?

月ノ美兎、宝鍾マリン彼女ら人望もリーダーシップ知名度もある組織ライバーが動きませんか?

必要なのは人望でもリーダーシップでも知名度でもねえだろ

Vなんか実は中身が学生だとか、現役でなくても学生後はVしか経験ありませんなんてザラなんだから

こう言っちゃ元も子もないけど、そういうのを求めるのであれば必要なのは中身の経歴や

他所業界を全く知らずに比較もできない奴が一から労働組合なんて作れるわけないだろ

Vtuber にも労働組合必要では?

通常の雇用者被雇用者は力関係一方的になりやすく、労働者搾取されがちなので、そうさせないために労働法規がある

弱い労働者を守るための法律

そして団体雇用者交渉を行えるように労働組合がある

しかし、個人事業主被雇用者という立場労働者ではないため、独立した立場での元請けとの業務提携や共同プロジェクト関係となってしま

Vtuber個人事業主となるため、組織的交渉力を持たないことになる

個人事業主自分社長のようなものなので、Vtuber企業個人事業主である配信者を雇用するのではなく、契約を結ぶ関係である

マネージメントや、ソフト提供キャラクターIP管理などを業務提携、または委託という形になっているはずだ

よって、現実一方的に弱い立場であるにも関わらず、法で守られる立場にない

適応できるとすれば下請法の関連法規ガイドライン等になるだろう

しかし、ガイドラインがあれば元請け企業下請け企業のような組織組織交渉はましになるだろうが、個人事業主ならば個対組織交渉になり、性格知識量によって難しいケースは多いだろう

フリーランス個人仕事をしている方は同じような苦労をしていると思われる

企業Vtuberになればフリーランスの人以上に組織の拘束が多いはずだが、交渉力は同様に弱いままだ

最近トラブルを起こすVtuberとの契約を解除する企業が目立っており、それ自身は仕方のないケースも多かろうが、解除されたライバー側の立場があまりに弱いのは問題であると感じる

中の人だったことを明かす行為契約で禁じられており、自身アバターSNSアカウントも凍結されるため、実質的反論する機会を完全に失う

これが健全関係と言えるのだろうか

契約内容を守らない素行不良のライバーに警告をしたり、逆にライバー不利益行為を飲まそうとする企業を止めたりする権力はどう考えても必要だろう

トラブルに発展した契約仲裁する第三者的権力必要だろう


似たような立場としてプロ野球選手がいる

プロ野球選手球団雇用されるわけではなく、個人事業主として野球業務を請け負う関係である

そしてプロ野球選手は弱い関係を守り、強い球団交渉するため、選手会という労働組織を持っている

なので対等に球団交渉する力を持つ

同様に、健全Vtuber組織成熟していくためには、プロ野球選手会のようなVtuber組合必要になるだろう

誰かやりませんか?

月ノ美兎、宝鍾マリン彼女ら人望もリーダーシップ知名度もある組織ライバーが動きませんか?

これは会社、ライバー、双方の発展のために大事ことなんじゃないかなって気がしま

2024-02-03

anond:20240203104612

今や労組なんか知らない、見たこともない労働者のほうが多数派

2023年雇用者数に占める労働組合員数の割合は16%、加入率が高いフルタイム労働者だけに絞っても3割には届かん

待遇が悪いか社長交渉して給料上げてもらった」これが理解できない

よくネットの話で

待遇が悪いから、辞めるとか主張して社長交渉して給料が上げてもらった」って話があるけど理解できない


一般的会社って使用者側と労働者側で合意した職位と給料テーブルがあるから

原価計算根拠資料になるので会計監査対象でもある)

社長1人の意思給料をどうとかできんだろ


普通労働組合使用者で労使委員会を開いて

1人だけ特例で給料を上げるべきかって話し合いになるけど

1人だけ特別扱いするのはおかしいってことで普通労働組合側も反対する事例だわ


こういう話があったら嘘か、労働組合もないレベルの零細の話だと思った方がいいぞ

2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

金光翔 『<佐藤優現象批判

インパクション』第160号(2007年11月刊)掲載

目次

1.はじめに

2.佐藤優右派メディアでの主張

 (1)歴史認識について

 (2)対北朝鮮外交について

 (3)朝鮮総連への政治弾圧について

3.佐藤優による主張の使い分け

4.佐藤優へ傾倒する護憲派ジャーナリズム

5.なぜ護憲派ジャーナリズム佐藤を重用するのか?

 (1)ナショナリズム

 (2)ポピュリズム

 (3) 格差社会

 (4)「硬直した左右の二項対立図式を打破」―〈左〉の忌避

6.「人民戦線」という罠

 (1)「ファシズム政権樹立」に抗するために、人民戦線的な観点から佐藤擁護する

 (2)「論壇」での生き残りを図るために、佐藤擁護する

7.「国民戦線」としての「人民戦線

8.改憲問題と〈佐藤優現象

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

10.おわりに

1.はじめに

 このところ、佐藤優という人物が「論壇」を席巻しており、リベラル左派系の雑誌から右派メディアにまで登場している。

 だが、「論壇の寵児」たる佐藤は、右派メディア排外主義のものの主張を撒き散らしている。奇妙なのはリベラル左派メディアが、こうした佐藤の振舞いを不問に付し、佐藤を重用し続けていることにある。

 佐藤による、右派メディアでの排外主義の主張の展開が、リベラル左派によって黙認されることによって成り立つ佐藤の「論壇」の席巻ぶりを、以下、便宜上、〈佐藤優現象〉と呼ぶ。この現象意味を考える手がかりとして、まずは、佐藤による「論壇」の席巻を手放しに礼賛する立場記述検討からはじめよう。例えば、『世界』の編集者として佐藤を「論壇」に引き入れ、佐藤の著書『獄中記』(岩波書店、二〇〇六年一二月)を企画編集した馬場公彦(岩波書店)は、次のように述べる。

 「今や論壇を席巻する勢いの佐藤さんは、アシスタントをおかず月産五百枚という。左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない。」「彼の言動共鳴する特定編集者と密接な関係を構築し、硬直した左右の二項対立図式を打破し、各誌ごとに異なったアプローチ共通の解につなげていく。」「現状が佐藤さんの見立て通りに進み、他社の編集者意見交換するなかで、佐藤さんへの信頼感が育まれる。こうして出版社カラーや論壇の左右を超えて小さなリスク共同体が生まれ編集業を通しての現状打破への心意気が育まれる。その種火はジャーナリズムにひろがり、新聞社会面を中心に、従来型の検察官邸主導ではない記者独自調査報道が始まる。」「この四者(注・権力民衆メディア学術)を巻き込んだ佐藤劇場が論壇に新風を吹き込み、化学反応を起こしつつ対抗的世論公共圏形成していく。」

 馬場見解の中で興味深いのは、〈佐藤優現象〉の下で、「硬直した左右の二項対立図式」が打破され、「論壇」が「化学反応」を起こすとしている点であるある意味で、私もこの認識を共有する。だが、「化学反応」の結果への評価は、馬場と全く異なる。私は、これを、「対抗的世論公共圏」とやらが形成されるプロセスではなく、改憲後の国家体制に適合的な形に(すなわち、改憲後も生き長らえるように)、リベラル左派が再編成されていくプロセスであると考える。比喩的に言えば、「戦後民主主義体制下の護憲派が、イスラエルリベラルのようなものに変質していくプロセスと言い替えてもよい。

 以下の叙述でも指摘するが、佐藤は対朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮武力行使在日朝鮮人団体への弾圧必要性を精力的に主張している。安倍政権下の拉致外交キャンペーンや、一連の朝鮮総連弾圧に対して、リベラル左派から批判や抗議の声はほとんど聞かれなかったのは、「化学反応」の典型的ものである。「戦後民主主義」が、侵略植民地支配過去とまともに向き合わず在日朝鮮人に対してもせいぜい「恩恵」を施す対象しか見てこなかったことの問題性が、極めて露骨に出てきていると言える。〈嫌韓流〉に対して、リベラル左派からの反撃が非常に弱いことも、こうした流れの中で考えるべきであろう。

 私は、佐藤優個人は取るにたらない「思想家」だと思うが、佐藤右派メディアで主張する排外主義を、リベラル左派容認・黙認することで成り立つ〈佐藤優現象〉は、現在ジャーナリズム内の護憲派問題点を端的に示す、極めて重要な、徴候的な現象だと考える。

 馬場は、佐藤が「左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない」などと言うが、後に見るように、佐藤は、「右」の雑誌では本音を明け透けに語り、「左」の雑誌では強調点をずらすなどして掲載されるよう小細工しているに過ぎない。いかにも官僚らしい芸当である佐藤自身は自ら国家主義であることを誇っており、小谷野敦言葉を借りれば、「あれ(注・佐藤)で右翼でないなら、日本右翼なんか一人もいない」。

 佐藤が読者層に応じて使い分けをしているだけであることは誰にでも分かることであるし、事実ウェブ上でもブログ等でよく指摘されている。そして、小谷野の、この現象が「日本知識人層の底の浅さが浮き彫りになった」ものという嘲笑も正しい。だが、改憲派の小谷野と違い、改憲を阻止したいと考える者としては、この現象について、佐藤優に熱を上げている護憲派を単に馬鹿にするだけではなく、〈佐藤優現象〉をめぐって、誰にでも浮かぶであろう疑問にまともに答える必要がある。なぜ、『世界』『金曜日』等の護憲派ジャーナリズムや、斎藤貴男魚住昭のような一般的には「左」とされるジャーナリストが、佐藤に入れ込んでいるのか? なぜ、排外主義を煽る当の佐藤が、『世界』『金曜日』や岩波書店朝日新聞出版物では、排外主義ナショナリズムの台頭を防がなければならない、などと主張することが許されているのか?

 この〈佐藤優現象〉はなぜ起こっているのか? この現象はどのようなことを意味しているのか? どういう帰結をもたらすのか? 問われるべき問題は何か? こうした問いに答えることが、改憲を阻止したいと考える立場の者にとって、緊急の課題であると思われる。

2.佐藤優右派メディアでの主張

 まず、佐藤排外主義的主張のうち、私の目に触れた主なものを挙げ、佐藤排外主義者としての活躍振りを確認しておこう。

(1)歴史認識について

 佐藤は言う。「「北朝鮮が条件を飲まないならば、歴史をよく思いだすことだ。帝国主義化した日本ロシアによる朝鮮半島への影響力を巡る対立日清戦争日露戦争引き起こした。もし、日本ロシアが本気になって、悪い目つきで北朝鮮にらむようになったら、どういう結果になるかわかっているんだろうな」という内容のメッセージ金正日に送るのだ」。朝鮮植民地化に対する一片の反省もない帝国主義者そのもの発言である。また、アメリカ議会における慰安婦決議の件に関しても、「事実誤認に基づく反日キャンペーンについて、日本政府がき然たる姿勢反論することは当然のことだ。」と述べている。

 特に大川周明テクスト佐藤解説から成る日米開戦真実大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』(小学館、二〇〇六年四月)では、極めて露骨に、日本近現代史に関する自己歴史認識開陳する。以下、引用する。佐藤が自説として展開している部分である

 「日本人は(注・太平洋戦争)開戦時、少なくとも主観的には、中国アメリカイギリスによる植民地支配から解放したいと考えていた。しかし、後発資本主義である日本には、帝国主義時代の条件下で、欧米列強植民地になるか、植民地を獲得し、帝国主義国となって生き残るかの選択肢しかなかった。」(三頁)、「「大東亜共栄圏」は一種棲み分け理論である日本人はアジア諸民族との共存共栄真摯に追求した。強いて言えば、現在EUを先取りするような構想だった。」(四頁)、「あの戦争を避けるためにアメリカ日本妥協を繰り返せば、結局、日本アメリカ保護国、準植民地となる運命を免れなかったというのが実態ではないかと筆者は考える。」(六頁)、「日本武力によって、列強による中国の分裂が阻止されたというのは、日本人の眼からすれば確かに真実である。(中略)中国人の反植民活動家の眼には、日本列強とともに中国を分割する帝国主義国の一つと映ったのである。このボタンの掛け違いにイギリスアメリカはつけ込んだ。日本こそが中国植民地化と奴隷支配を目論む悪の帝国であるとの宣伝工作を行い、それが一部の中国政治家と知的エリートの心を捉えたのである。」(二八一頁)。また、蒋介石政権については、「米英の手先となった傀儡政権」(二五七頁)としている。他方、佐藤は、汪兆銘南京国民政府は「決して対日協力の傀儡政権ではなかった」(二四九頁)とする。

 右翼たる佐藤面目躍如たる文章である。ちなみに、こんな大東亜戦争肯定論の焼き直しの本を斎藤貴男は絶賛し、「大川こそあの時代知の巨人・であったとする形容にも、大川の主張そのものにも、違和感を抱くことができなかった」としている。

(2)対北朝鮮外交について

 佐藤は、「拉致問題解決」を日朝交渉大前提とし、イスラエルによるレバノン侵略戦争も「拉致問題解決」として支持している。「イスラエル領内で勤務しているイスラエル人が拉致されたことは、人権侵害であるとともにイスラエル国権侵害でもある。人権国権侵害された事案については、軍事行使も辞せずに対処するというイスラエル政府方針を筆者は基本的に正しいと考える」。さらに、現在北朝鮮ミュンヘン会談時のナチス・ドイツに準えた上で、「新帝国主義時代においても日本国家日本人が生き残っていける状況を作ることだ。帝国主義選択肢には戦争問題解決することも含まれる」としている。当然佐藤にとっては、北朝鮮の「拉致問題解決」においても、戦争視野に入っているということだ。『金曜日』での連載においても、オブラートに包んだ形ではあるが、「北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい」と述べている(10)。

 さらに、アメリカが主張してきた北朝鮮米ドル札偽造問題が、アメリカ自作自演だった可能性が高いという欧米メディア報道に対して、佐藤は「アメリカ政府として、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』の記事に正面から反論することはできない。なぜなら、証拠を突きつける形で反論するとアメリカ情報源情報収集能力が明らかになり、北朝鮮を利してしまうからだ」(11)と、いかなる反証根拠も示さずに(反証必要性を封じた上で)、「北朝鮮情報操作」と主張しているが、この主張は、保守派原田武夫にすら否定されている(12)。佐藤現在右派メディアの中でも最も「右」に位置する論客の一人であると言えよう。

(3)朝鮮総連への政治弾圧について

 佐藤は、「在日団体への法適用拉致問題動く」として、「日本政府朝鮮総連経済活動に対し「現行法の厳格な適用」で圧力を加えたことに北朝鮮逆ギレして悲鳴をあげたのだ。「敵の嫌がることを進んでやる」のはインテリジェンス工作の定石だ。/政府が「現行法の厳格な適用」により北朝鮮ビジネス利益を得ている勢力牽制することが拉致問題解決のための環境を整える」と述べている(13)。同趣旨の主張は、別のところでも述べている(14)。「国益」の論理の下、在日朝鮮人の「人権」は考慮すらされてない。

 漆間巌警察庁長官(当時)は、今年の一月一八日の会見で、「北朝鮮が困る事件摘発拉致問題解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」「北朝鮮日本交渉する気にさせるのが警察庁仕事。そのためには北朝鮮資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効だ」と発言しているが、佐藤発言はこの論理と全く同じであり、昨年末から激化を強めている総連系の機関民族学校などへの強制捜索に理論根拠提供したように思われる。佐藤自身も、「法の適正執行なんていうのはね、この概念ができるうえで私が貢献したという説があるんです。『別冊正論』や『SAPIO』あたりで、国策捜査はそういうことのために使うんだと書きましたからね。」と、その可能性を認めている(15)。

3.佐藤優による主張の使い分け

 排外主義者としての佐藤の主張は、挙げ出せばきりがない。前節で挙げたのも一例に過ぎない。では、佐藤は、こうした主張を『世界』『金曜日』でも行っているのだろうか。

 佐藤が仮に、「左」派の雑誌では「右」ととられる主張を、「右」派の雑誌では「左」ととられる主張をすることで、「硬直した左右の二項対立図式を打破」しているならば、私も佐藤をひとかどの人物と認めよう。だが、実際に行われていることは、「左」派メディアでは読者層の価値観に直接抵触しそうな部分をぼかした形で語り、「右」派メディアでは本音を語るという下らない処世術にすぎない。「左右の二項対立図式」の「打破」は、「左」の自壊によって成り立っているのだ。佐藤が『金曜日』と右派メディアで同一のテーマを扱った文章を読み比べれば、簡単にそのことはわかる。

 一例として、米国下院での「慰安婦」決議に関する佐藤の主張を読み比べてみよう。産経新聞グループサイト上での連載である地球を斬る〉では、「慰安婦問題をめぐるアメリカ報道を「滅茶苦茶」と非難し、「慰安婦問題に関する二〇〇七年三月一日の安倍発言についても「狭義の強制性はなかった」という認識なのだから正当だとして、あたかも「慰安婦」決議案自体不正確な事実に基づいたものであるかのような印象を与えようとしている(16)。ところが、『金曜日』では、こうした自分の主張は述べず、国権論者としての原則的立場から日本政府謝罪には反対だとしている(17)。なお、『金曜日』の同文章では「歴史認識を巡る外交問題 Permalink | 記事への反応(1) | 18:32

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