はてなキーワード: 地域間格差とは
美術館やライブハウスはあくまで文化を流通させるためのハードウェア。
文化資本は個人が物質、肩書き、振る舞いとして所有できるもののこと。
まあインフラがなければ多くの庶民にとってそれらは得難いものではあるが、
文化インフラに恵まれているというのはあくまで文化資本獲得の機会に恵まれているということでしかなく、
機会を利用せずただ住んでるだけで身に付く事はない。
文化資本。
この言葉はフランスのピエールという社会学者が提唱した概念らしいが、
「地方にも素晴らしい文化資本があり、東京と差がないどころか優位性がある」
みたいな話がよく上がってくるのを見かける。
けど、この話ってちょっと前までは「地方民が東京との文化資本格差を嘆く」って構図だったはずでは…?
日本で文化資本の研究が盛んになったのは90年代頃からのようだが、
2010年代以前には内田樹がブログで使ってるのがよくヒットするものの、まだ一般に広まってるワードとは言えなかったようだ。
また、この頃はあくまで単語として出てくるだけでそれ自体をテーマとしているわけではなく、都市部と地方の地域間格差などについても特に触れられてはいない。
そこから2010年代に入るとシロクマの屑籠、はてな村定点観測所といったブログの中でも使われだす。
あいにく後者の記事は見れず、またこれらのブログをよく知らないので詳しいことは分からないが、
この時点でもやはり文化資本という概念自体がメインディッシュとして語られているわけではない。
大きく取り上げられるようになるのは2015年頃。
2014年に登場した「マイルドヤンキー」という単語の議論で先程の2つに加えボン兄タイムスといったブログ等で「文化資本」が盛んに使われるようになり、
そこからメインの議題へと昇格…という流れのようだ。
マイルドヤンキー自体が田舎に多く都市には少ないという性質のものとされているので、
本格的に都市部の文化資本における優位性を論じてバズったのは2018年のこの記事。
「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由(阿部 幸大) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
田舎には都市生活者には想像できないレベルの地域格差が存在し、教育を受ける機会を想像することすらできないこともある、
ということを語ったこの記事は1800を越えるブクマを集め、はてな以外でも大反響だった様子。
ここからコロナ禍の間まで、東京に茄子が生えてほしいと願う増田が現れたり、在華坊氏がはてな三大論点として"文化資本東京格差"を挙げたり、羊文学は信用できないというツイートが出てきたり、
この時期の空気感こそ、まさに私のイメージにある東京と文化資本についての語られ方である。
東京はライブにすぐ行けていいなというtogetterのまとめにアウトドア趣味だと逆というコメントがついたり、
当初はまだそういった穏やかな空気感の反応だったが、
今年に入るとかなり強い口調で東京都民の傲慢を批判する流れが生まれ、現在に至る。
潮目が変わった原因は正直分からない。単に時間経過でバックラッシュが現れたというだけなのだろうか?
まあ「地方民が東京都民の無自覚な傲慢さを批判する」という構図自体は変わらないのに、
その主張が真逆の方向に変わっているのは興味深くはある。
ただそこからピエール瀧の原著に立ち返って改めて文化資本とは何かについて考察したり、
ここではあまり盛り上がらない話題だなと思ったけど、投稿は結構あるね。
後で見てみよう。
…
格差社会 (7)
格差社会 (877)
希望格差社会 (8)
賃金格差 (736)
給与格差 (70)
資産格差 (7)
1票の格差 (7)
格差 (6895)
価格差別 (5)
健康格差 (5)
官民格差 (4)
南北格差 (4)
経済格差 (341)
東西格差 (3)
格差拡大 (252)
格差是正 (236)
意欲格差 (2)
格差問題 (194)
価格差 (189)
教育格差 (186)
世代間格差 (178)
一票の格差 (166)
地域格差 (164)
所得格差 (152)
情報格差 (147)
地域間格差 (13)
格差肯定論 (1)
人生格差犯罪 (1)
10年以上は前の話。
田舎出身。都会に憧れがあったので、首都圏の難関ではない某国公立大を志望した。当時の自分の学力に合っていて、希望する学科があるのがそこだった。田舎の県立高校で地道に勉強し、受験し、合格した。他の大学のことはよく知らなかった。国立単願だったし、元から偏差値が合わない大学は眼中になかったので。俺はただ憧れの大学に通えることが誇らしく、新生活に胸を躍らせていた……
4月。新入生オリエンテーションが終わり、同じ学科の数人で集まって話していたときのことだと思う。経緯は忘れたが、同級生の1人が「こんなBランク大学」と言ったのだ。「本当はこんな所に来るはずじゃなかった」「俺の同級生には東大生がたくさんいる」と。(今考えるとFランではなくCランでもなく「Bラン」をチョイスしたところに彼の葛藤が伺える)
それを聞いてとてもショックだった。なぜかは分からなかったが、ものすごくショックだった。地道に勉強して、希望どおりの大学に入ったのに、目の前のこの人はそうではないんだと。当時は学歴コンプレックスというものの存在がよくわからなかった。ただ、全く違う価値観で生きてきた人なんだということは感じた。まさに異文化との遭遇。田舎の高校にも、難関大学を志望したりそれで不合格だった同級生はいたが、それとは違う何かを感じた。
それからしばらく経って、大学の同期の中にも「中高一貫の進学校」出身者が多くいることに気づいた。そこは田舎の県立普通高校とは全く違う何かであるようだった(今だによくわからない)。また、関東出身の同級生たちは殆ど皆、受験予備校に通っていた。河合塾とか駿台予備校とか。都会出身の同級生たちは受験戦争の荒波に揉まれまくった生き残り(または、当人の感覚では敗残兵)だったらしい。東大とかナントカ難関大学とかの高みを目指し、そこにたどり着いた、またはたどり着かなかった、妥協して腰を落ち着けた…。マジかよ。田舎の価値観と違いすぎるだろ。そら学歴コンプにもなるわ。子供のうちからそんな生活してたら心が荒むに決まってるじゃん。
とくにオチもないんだけど、このことは何故かふとした時に何度も思い出すし、地域間格差とか、学習機会の均等とか、受験戦争の過酷さとかなんかそんな話題が出るたびにジワーっと思い出してモヤモヤするので吐き出したかった。
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平成26年 6月定例会(第3回) - 06月12日-04号
P.145
○議長(関口孫一郎君) 4番、針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.145
◆4番(針谷育造君) 栃木新風会、4番、針谷育造でございます。通告に従い一般質問をいたします。質問の要旨は、1番といたしまして、栃木市総合計画への岩舟地域の位置づけについて、2番、小野寺北小学校旧校舎の保存と活用について、3番、岩舟地域の獣害対策について質問をしたいと思います。
それでは最初に、栃木市総合計画等への岩舟地域の位置づけについて伺いたいと思います。私は、今回の市議会選挙に当たり、大岩藤の発展なくして栃木市の未来は語れない。そのためには、発展の可能性が高いこの地域が将来の栃木市の鍵を握っていること、つまり栃木市の南西部、大平、岩舟、藤岡地域で連携したまちづくりが必要であると訴えてきました。その理由は、地形、地勢的にも発展可能性の地域として最適のところであり、さらに交通の要衝であることであります。群馬県、茨城県を東西に結び、両毛地区の主要都市をつなぐ国道50号線、さらに50号線に並行する県道小山岩舟線、桐生岩舟線の幹線道路が走っております。南北には、栃木市内を走る県道栃木藤岡線、さらには高速道路東北自動車道、佐野藤岡インターがございます。さらに、鉄道では、JR両毛線、東京と栃木市内をくまなく結ぶ東武日光宇都宮線の有機的結合による開発を進めるべきだと訴えてまいりました。交通の要衝であるこの地が、なぜ開発されなかったのかと考えてまいりました。幸い、手つかずの広大な平地林がこの地域にはございます。一方、市長の岩舟地域マニフェストでも、佐野藤岡インター周辺の産業団地の整備の推進、そして岩舟町・藤岡町大規模開発計画を再スタートさせ、地域産業の振興を図ります等とあります。
そこで、このような状況を踏まえ、栃木市総合計画等に岩舟地域をどのように位置づけるのか伺いたいと思います。
P.146
◎市長(鈴木俊美君) 栃木市総合計画への岩舟地域の位置づけについてでありますが、4月5日の岩舟町との合併に伴い、合併協議会で策定をいたしました新市まちづくり計画を踏まえ、新しい総合計画の策定に向けて現在改定作業を進めているところであります。主な作業といたしましては、岩舟町合併に伴う各種数値、数字の見直しに加え、岩舟地域のまちづくりの方向性を地域の姿としてまとめていくものであります。特に、地域の姿につきましては、岩舟地域におきましても、既存の総合計画と同様に、地域協議会の協力を得ながら策定をしてまいります。岩舟地域の地域の姿策定に際しましては、岩舟地域の資源や特性を生かしつつ、市町村合併のメリットであります広域的視点に立ったまちづくりが進むよう、まちづくりの方向性を描いてまいりたいと考えております。その上で、旧岩舟町時代に推進が図られなかった事業、例えば市域、市の領域の東西を走る国道50号線沿線、南北を走る県道栃木藤岡線沿線などは、大平地域、藤岡地域並びに岩舟地域を一体的に結びつけ、各地域の個性や特色を生かした土地利用構想をつくり上げ、栃木市南部、ひいては市域全体の発展へとつなげてまいりたいと考えております。なお、岩舟地域の施策の一部、具体的には岩藤大規模開発は、既存の総合計画における藤岡地域の地域の姿の中で、既にインターチェンジ周辺活用エリアとして位置づけております。さらに、私の今回のマニフェストの施策として具体的に織り込み済みでもありますので、現在改定作業を進めている総合計画の策定に当たりましても反映されておりますし、さらに追加して反映をしていく所存でございます。
以上であります。
P.146
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.146
◆4番(針谷育造君) 大変前向きに、そして建設的な市長の答弁、ありがとうございました。それでは、この計画策定に当たりまして、今後の日程、方法も若干述べられましたけれども、どのような手順でなるのかをお伺いしたいと思います。
P.146
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) 具体的な今後の岩藤大規模開発の手順ということでよろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
P.146
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) そこまでの具体的な、現在の段階では、そこまでは至っておりませんが、まずは総合計画を今年度岩舟地域を中心として改定いたしますので、その中で、地域計画の中で十分、既に藤岡地域の中でもインター周辺ということでの位置づけはされておりますけれども、岩舟地域を含めた中での整合を図った中で、エリアどり的なものも含めて概要は詰めていきます。その後に具体的なエリアとか、既に現在も協議会等はございますが、休止状態というようなこともありますので、その協議会をどういうふうに立ち上げていくかということも含めて、詳細を詰めていく形になろうかと思います。
以上です。
P.146
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.146
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。それでは、ちょっと角度を変えまして、再質問になりますけれども、ご承知のように、4月5日に合併を果たしました。この合併によるメリットは、まさに市長の答弁のようにはかり知れないものが私はあるのではないか。栃木市の総合計画の基本構想や土地の骨格、土地利用構想の完成度は、大幅にアップをするのではないでしょうか。今まですっぽりと抜け落ちておりました岩舟地域が埋まることにより、岩舟地域は栃木市の南部の中心に位置することになります。栃木市は、将来的には大きな財産を得たと思う、私はそのように考えております。たびたび申しわけありませんが、このことについての市長のお考えを聞かせてください。
P.147
◎市長(鈴木俊美君) まず、今回岩舟地域が栃木市と一緒になることによって、栃木市の全体の形としては大変成形、縦長といいますか、長方形の形になったところでありまして、形の上でも、まず岩舟地域が加わっていただいたということは、栃木市にとって大変大きな意義がございます。それから、岩舟地域の持っておられる、いわゆるポテンシャル、将来への可能性あるいは魅力、こういうものについても議員がおっしゃるとおりではないかと思います。これからは、栃木市の、とりわけ南の地域の一角を占める岩舟地域としてのさまざまな発展が考えられるところでありますので、このことについても議員がおっしゃられるとおりかと思います。ただ、栃木市にとりましては、失礼ながら岩舟地域だけではなくて、他の地域も全て魅力的なところでございます。そういう意味においては、これからは栃木市の一角を占める岩舟地域の持てるポテンシャルを十分に引き出していくことができるように、そしてそれが栃木市にとって魅力となっていくように、いろんなことを手がけていかなければいけないというふうに思います。その手がけていく中では、まだまだ地域としてやり残している課題あるいはこれから充実させていかなければならない施設や、いわゆるインフラの整備などもやっていかないといけないこともありますので、これらについても他の地域と同様、これから内容の充実に努めていくことが大変必要だろうというふうに思っております。そのようなことを通して、何度も申しますが、栃木市にとっての全体の発展に、岩舟地域のポテンシャルが貢献してもらえるように、そして岩舟地域そのものがこれまでやり残していたものをきっちりとやり遂げていくことが、これからは大切になっていくだろうというふうに思っております。
P.147
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.147
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。それでは、少し具体論に入りまして、2番目の質問に入らせていただきたいと思います。岩舟・藤岡地域住民にとって、大規模開発計画は、まさに悲願50年の課題であります。この大規模開発計画の経過をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
P.147
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) ご質問の岩舟町・藤岡町大規模開発の経過についてお答えを申し上げます。
本開発は、針谷議員もご承知のとおり、旧岩舟町、旧藤岡町にまたがる地域における大規模な住宅地開発と同開発に伴う東武日光線の藤岡駅、静和駅間に新駅を整備するというものであります。本開発の経過でありますが、今から48年前の昭和41年に、東武鉄道株式会社より東武日光沿線開発に関して旧岩舟町、旧藤岡町への意思表明がなされたことが始まりでございます。しかし、同年10月に勃発した第4次中東戦争に端を発した第1次オイルショックの影響を受けて、東武鉄道株式会社による開発計画は、一時後退を余儀なくされました。その後、昭和50年には、開発手法として土地区画整理事業が検討され、東武鉄道株式会社より計画工程表が示されるとともに、昭和59年には同社から合計274ヘクタールの開発計画が提示され、地元説明会が開催されました。これを受けて同年、旧岩舟町の地元、御門地区において、岩舟御門土地区画整理準備委員会が発足され、委員会から町に対して技術支援の要請がございました。昭和63年には、行政側の事業化推進の母体として、県、旧岩舟町、旧藤岡町の関係者をメンバーとした岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会が発足し、開発の推進に向けて、旧岩舟、旧藤岡両町の協力体制を整えてまいりました。
また、翌年の平成元年3月には、栃木市、小山市など当時の2市7町1村圏域を範囲として、栃木・小山定住圏計画、いわゆるトナンプランが策定され、岩舟町・藤岡町大規模開発区域については、豊かな自然環境のもと、産業と居住機能が複合的に整備される地域として位置づけられました。そのほか平成6年には、栃木県南部地方拠点都市地域の指定を受け、翌年3月に策定された栃木県南部地方拠点都市地域整備基本計画においては、この大規模開発を市町別の整備方針の中で、緑豊かな自然環境を生かし、居住機能を軸に「産・緑・住」の機能からなる複合都市開発を推進し、住宅・宅地と新たな産業集積による就業機会を提供していくものとして位置づけ、開発面積を旧岩舟町、旧藤岡町合わせて137ヘクタールと定められました。このような中、岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会では、協議会が主体となって各種の調査を実施するとともに、地域内への説明会、関係者向けパンフレット配付、アンケート調査、先進地視察、東武鉄道株式会社との事業推進打ち合わせを実施するなどの活動を独自に推進してまいりました。しかし、1986年代から始まった好景気も、4年後の1990年代にはバブル崩壊により景気の後退を迎え、景気の悪化とともに活動が低下し、平成12年3月に協議会が主体となって実施した岩舟・藤岡大規模開発産緑住複合都市開発推進事業調査が完了すると、翌年3月29日開催の協議会総会及び推進事業調査報告会を最後に、現在まで協議会の活動は休止状態となっております。
以上が現在までの経過でございます。
P.148
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.148
◆4番(針谷育造君) 大変詳しい経過をありがとうございました。ここで、次に移りますけれども、今の状況で岩舟町・藤岡町大規模開発計画の見通しについてお伺いすることも極めて困難かなと思いますけれども、とりあえず上げておりますので、ご回答をお願いしたいと思います。
P.148
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) ご質問の岩舟町・藤岡町大規模開発計画の見通しについてお答えを申し上げます。
本開発計画は、先ほどの開発の経過に関する答弁の中でお答えいたしましたとおり、1990年代のバブル崩壊による景気後退や社会情勢の変化等により、平成13年3月の岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会総会を最後に、協議会の活動は休止状態にあります。活動休止から13年が経過した現在、現行の栃木市総合計画においては、針谷議員の言われる大規模開発を藤岡地域の地域の姿の中でインターチェンジ周辺開発エリアにおける産業基盤整備地域として位置づけ、大規模開発の当初の目的である居住機能を中心とした複合都市の開発の趣旨からは方向転換をいたしました。少子高齢化が進む中、社会情勢の変化に伴い、交通の要衝である佐野藤岡インター周辺や国道50号線に隣接しているという地理的好条件を生かし、企業誘致を推進することは雇用の確保による若い世代の定住や新たな人口流入の促進及び市の財政基盤強化など、多様な効果を担うことから、事業推進に当たっては、製造業や物流関係の産業団地の整備なども今後視野に入れる必要がございます。今後は、当該地区の地理的条件等を考慮すれば、産業団地開発への可能性はあると考えられますので、具体的な整備区域や方針等を周辺地域最大の地権者である東武鉄道株式会社との折衝を踏まえ、地域の皆様や関係機関と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
以上です。
P.148
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.148
◆4番(針谷育造君) 大変ありがたい、産業団地の可能性は十分にある、そのようなことを聞きまして、非常に地域の皆さんも喜ぶ回答であったというふうに思います。私は、この産業団地等の雇用の確保の場の開発について、いささか角度を変えてお伺いをしたいと思います。よろしいでしょうか、議長。
P.149
○議長(関口孫一郎君) 再質問ということですか。
P.149
◆4番(針谷育造君) はい。
P.149
○議長(関口孫一郎君) はい。
P.149
◆4番(針谷育造君) 私は、この大規模開発計画を達成するために、実は栃木市役所1階へ東武宇都宮百貨店をテナントとして市長の英断で入れたということを聞いたときに、これは何かの布石ではないのかなと感じました。私が勝手に思っていることでございますけれども。承知のように東武鉄道は、資本金1,021億円、明治30年設立され、地元密着でその業績を伸ばし、現在は関連グループ93社を有する大企業であります。幸い栃木市内には、地域ごとにそれぞれ駅があり、多くの市民の足として利用し、親しまれております。この岩舟・藤岡大規模開発に栃木市の命運がかかっていると思ってもいいのかなと私は勝手に思っております。この計画は、先ほど赤羽根部長から言われましたように、137ヘクタールのうち、東武鉄道所有地55.3ヘクタール、内訳は山林が40.46ヘクタール、原野14.7ヘクタール、全体の40%を占めております。残りは岩舟、藤岡地域の地元地権者の所有あるいは町外の方、あるいは市外の方もいらっしゃると思いますけれども、81.67ヘクタール、これは山林と農地であります。東武鉄道は、平成25年6月、7月に、農業委員会の許可を得て農地を原野に変更いたしました。つまり農地が14.7ヘクタールだったものを原野に地目変更いたしました。東武の準備態勢は整ってきたのかなと思います。この開発は、東武鉄道抜きには前へ進まないと思います。たびたびで申しわけありませんけれども、市長のお考えを、簡単で結構でございますからお考えを聞かせてください。
P.149
◎市長(鈴木俊美君) まず、東武鉄道との連携という点に関し、議員からご指摘をいただきました本庁舎1階に東武宇都宮百貨店栃木店が入店をしていることについてでありますが、まずは栃木市の魅力を高めるには、どんな商業施設がよろしいかという観点から、あくまでそれを中心として選考した結果、東武宇都宮百貨店栃木店さんが入店をしていただけるということになりまして、このようないわゆるデパートの様相を呈する商業施設が1階にあるということは、栃木市にとっての魅力を必ずや高めていくであろう、かつまた中心市街地の活性化への、必ず少なからぬ好影響を与えてくれるだろうという思いであります。と同時に、東武鉄道というのは、我が栃木市を南北に貫く大動脈としての鉄道でありますから、かつその鉄道の存在を通して栃木市の観光の面でも、それから多くの人に来ていただくことをこれから考えていかなければならない上でも東武鉄道の協力は必要不可欠でありますから、そうした東武鉄道グループとのよりよき関係を築いていくことができるなら、それにこしたことはないということでございます。
一方、いわゆる岩藤開発における東武鉄道様の存在意義ということになりますが、まず第一は、何といっても対象となる面積の4割を占める大地主であります。したがって、これから開発計画を栃木市が本格的に進めていこうとするならば、まずはこの大地主の東武鉄道さんの協力がなければ、これは立ち行かないことであります。と同時に、他の地主、地権者の皆さんの協力もいただかなければならないのは、これはもう当然でございますので、その中でもとりわけ大地主としての東武鉄道さんにはご理解をいただくとともに、ご理解というのは従来の住宅地を中心とした整備開発ではなくて、産業団地等の造成を中心とした開発へと進めていく上でのご理解、そしてご協力が得られるかということが大切になります。この点、従来の岩藤開発で目標としていました新駅の設置、そして住宅地を中心とした緑の環境豊かな一大エリアをつくっていくということについては、恐らくこれからは無理だというふうに思います。新駅の設置ということに関しましては、東武鉄道さんはその後、板倉東洋大前駅をおつくりになりました。そして、住宅地等の造成についても、これまた板倉東洋大駅前に広大な住宅地をつくっておられます。失礼ながら、しかしその現状については、ご案内のような状況でありますから、経済状況等も考慮すれば、東武鉄道さんが再びこの地において、そうした計画をみずから実行していくという可能性は極めて低いだろうなと思わざるを得ません。
したがいまして、これからはやはり地元行政あるいは他の企業などの協力をいただかないと、なかなか厳しいだろうというふうに思っております。その点からも、東武鉄道さんにはご協力をいただくということは、ぜひともこれから求めていかなければならないところだろうなというふうに思っております。ちなみに、東武鉄道様が持っておられたこの地の一部が今は東武藤が丘カントリーになっているわけですね。ゴルフ場へと一部は変えておられたりしているわけでございます。そうした地域であることのご理解と、そしてそれには何度も申し上げますが、東武鉄道の協力なくしては、いずれにしてもなし得ないであろう計画になることは間違いのない事実でございます。東武鉄道とのよりよき関係を構築していく中で、そうしたことへのご理解とご支持、ご支援をいただけるようなことを目指していかないといけないだろうというふうに思っております。
P.150
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.150
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。
P.150
○副議長(海老原恵子君) 一般質問を続けます。
針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.150
◆4番(針谷育造君) それでは、栃木市総合計画等への岩舟地域の位置づけについての最後の質問でございますけれども、トナンプラン等の経過と現状について、先ほど回答をいただいたというふうに理解をしておりますので、今後精いっぱいの努力と、そして全市的な合意を得ながらやっていただくことをお願いをしたいというふうに思っておりますので、この質問については割愛をさせていただきたいと思います。
最後に、要望ということで、栃木市総合計画に岩舟・藤岡大規模開発計画を含め、地域協議会、地元地権者の皆さんの意見を反映させ、16万4,000人の栃木市民の将来のためにも、揺るぎない計画を策定することを要望したいと思います。悲願50年の課題に明るい兆しが見えてきたと私は感じました。きのうの市長の答弁ではございませんけれども、死に物狂いで頑張るとは私は言いません。政治生命をかけて、ともに汗をかく覚悟でございますので、確実な歩みの一歩をお願いをしたいというふうに思います。
それでは、2番の小野寺北小学校校舎の保存と活用についてに質問を移らせていただきたいと思います。小野寺北小学校の保存について、栃木市の考え方を伺いたいと思います。最初に、小野寺北小旧校舎の沿革と保存運動の経過について申し上げ、議員各位の皆様にもご理解をぜひいただきたいというふうに思います。小野寺北小旧校舎の場所は、県道栃木佐野藤岡線の西側に隣接し、村檜神社、大慈寺の南約1キロ、小野寺地区の上耕地というところにございます。その歴史は古く、明治6年、大慈寺を仮校舎として開校、明治27年、ちょうど日清戦争の時代でありましたけれども、ここに旧校舎が建てられ、明治33年には南校舎を増築、明治41年には玄関と2階建ての校舎がつくられ、現存するのは明治27年と明治41年の校舎でございます。平成元年、新校舎の完成により、学童保育、地域の研修所、高齢者のふれあい館として地域に開放して現在までやってまいりました。この旧校舎は、県内では現存するものでは最も古いものでございます。120年の時を超え、6,000人の卒業生を送り出しました。
次に、保存運動の経過を若干述べたいと思います。平成21年、この周辺の山側が土砂災害特別警戒区域等に指定されました。当時の町長は、建物の老朽化等を理由に、平成24年12月議会で解体を明言し、平成25年度予算に新研修所の新築予算、同時に旧校舎の解体費を計上しました。旧小野寺北小校舎を保存する会は、このときに結成され、運動を始めました。旧校舎の学区内の90%を超える867人の署名をつけて陳情し、その活動状況が新聞各紙で報道されました。しかし、町は文化財的価値がないと解体の方針を変えませんでした。何度かの交渉を重ねましたが、意見は食い違い、そのまま経過が過ぎました。この新聞報道を見た宇都宮大学、梶原教育学部教授が現地を調査したことから、多くの専門家が強い関心を示しました。平成25年の10月3日には、東京芸術大学大学院教授、上野勝久氏、これは栃木県文化財保護審議委員会、この先生が足利の鑁阿寺を国宝にしたときのリーダーでございました。その先生が現地を調査し、文化財的価値を認め、メモという形で町長に提出されました。さらに、10月30日、小山高専の苅谷勇雅校長が、永峰助教と学生50人で現地調査を実施し、このような立派な報告書をつくっていただきました。さらに、小山高専苅谷校長は、12月8日、栃木市文化大使にもなっておりますけれども、講演会を開き、歴史的建造物を生かすことの重要性を、そして必要性を保存する会の皆さんは学んだと思っております。さらに、年が明けた平成26年の2月2日、東京芸術大学大学院教授の上野勝久氏の講演会を実施し、今やらねばいつやるの、今でしょうと保存する会のメンバーは、文化財的価値を再確認し、運動への成功をこのとき確信しました。私はそのように思っております。その後、小山高専名誉教授の河東義之氏、栃木県文化財保護審議委員並びに栃木市の文化大使を兼ねております。の現地調査と文化財的価値についての意見をいただき、このような中で、ついに町も解体しないことを決断いたしました。この間、全国の建築士会、文化財専門家から保存要望等が町に多数寄せられ、その結果、解体しないで栃木市に対応を委ねるということになりました。
そこで、この旧校舎保存の栃木市としての考え方を伺いたいと思います。
P.151
◎市長(鈴木俊美君) 旧校舎保存の考え方についてでありますが、4月、岩舟町の栃木市への合併に伴いまして、小野寺北小学校の旧校舎も当然ながら栃木市の所有と現在ではなったわけであります。旧小野寺北小校舎を保存する会の皆様からは、文化財の価値判断といたしまして、建築がご専門の先生方が調査した資料を提供いただきました。先ほど議員もお示しになったようなものであります。また、一方では、建物が土砂災害特別警戒区域に位置しており、利用者の安全確保の面からは、使用を控えなければならない状況であることも事実であります。引き継ぎました栃木市としては、まず改めて市として建築関係の専門家等に依頼をして調査を実施していくことから始まっていきたいと考えております。何分旧岩舟町からは、栃木市に対応を委ねるということになっておりますので、委ねられた栃木市としては、改めて栃木市としての認識を持つことから始めていかないといけないというふうに思っております。
具体的には、専門家による第三者的な調査を実施をし、建物の調査だけではなくて、その重要性や具体的な保存の方向性なども検証、検討していただくことになろうかと思います。その後において、その調査の結果報告等に基づきまして、残すべきかどうなのか、残す場合はその残し方はどうすべきなのか。つまり、現場に今のままで残していくのか。ただ、その場合は何度も申し上げますが、土砂災害の警戒区域ということもありますので、それらとの整合性をどう図っていくのか、あるいは財政的な負担は市にとってどのくらいになっていく可能性があるのか等々、栃木市の例といたしましては、旧栃木駅舎を、その部材などを残して、従来の駅と異なる場所に部材を利用して復元をし、現在に至っているという例もありますので、そういうふうな可能性なども含めて、要はもう一度全ての問題を検証するための調査をしていきたいということでございますので、少し時間をいただいて、今のような調査から実施していくことを始めたいというふうに考えております。
P.152
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.152
◆4番(針谷育造君) 全てはその調査にかかっていると思いますし、私は非常に文化財的価値が高いということは、専門家も申しておりますので、その調査に委ねるということで、私も了解をしたいというふうに思います。それらのこととは若干異なりますけれども、次の質問に移らせていただきたいと思います。
栃木県の文化財指定をお願いしたい、このことでございます。文化財価値については、建造物が専門の東京芸大の上野勝久氏は、県内で確認された明治期の小学校は、佐野市にあります三好小学校旧校舎、小野寺北小旧校舎、那珂川町にあります小口小学校旧校舎、これは希少な明治期の木造校舎として歴史的価値があり、この3校を栃木県文化財指定も考えてもよい、このような評価をしていただいております。ちなみに、建造物専門の河東義之小山高専名誉教授、同じく建造物で、那須烏山市にお住まいの文化財保護審議委員の斎藤弘江氏も同様の意見でございまして、県の文化財保護審議委員の中の4人の建造物の先生がいらっしゃいますけれども、そのうちの3名の方はこのようなことで意見は一致している、このようなことも心強いお話をされておりますので、ぜひともその専門家の皆さんにもぜひ入っていただきながら調査をしていただきたい。そして、あわよくば、私はなると思いますけれども、県の文化財としての指定をお願いしたいことをここでお願いをしたいと思います。
P.152
◎教育副部長(小林敏恭君) ご質問の栃木県指定の文化財登録についてお答えを申し上げます。
栃木県の指定文化財となる場合、所有者からの申請に基づき、県も調査を行い、その後、県の文化財保護審議会の審議と答申を経た上で、栃木県教育委員会が指定を判断いたします。指定された建物は、復元修理を基本として保存し、内部も復元し、保存することが原則になってまいります。県指定文化財の修理には、県の補助金が交付されることとなりますが、建物の利活用は限られたものとなります。一方、国の登録有形文化財という登録制度がございます。ご質問の県指定文化財に比べると、建物の外観の保存をメーンとする制度であり、外部についてもその4分の1が変更可能であり、内部については改装が自由で幅広い利活用が可能なものとなっています。ただし、文化財としての修理に対する補助金の制度はないことから、景観などの補助制度の活用の検討が必要となってきます。
小野寺北小学校旧校舎の文化財としての指定や登録についてでありますが、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、少し時間をいただき、市の考え方がまとまった時点で、今後の利活用や建物の文化財としての価値を踏まえて、市や県の指定文化財がよいのか、国の登録有形文化財がよいのかは、適宜判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.152
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.152
◆4番(針谷育造君) 大変適切な答弁いただいたというふうに思っております。
3番の明治の小野寺北小校舎、これは私とすれば、地域の人もそうでありますけれども、活用して初めて生きるというふうに考えております。調査の結果がどうなるかわかりませんけれども、今のお答えの中では、解体するという話は出なかったものですから、次に移らせていただきながら、(仮称)歴史と文化の道ということで、観光、地域活性化の目玉になるのではないか、そんなところで意見を申し上げたいと思います。
ご承知のように、この地域は、慈覚大師円仁を生んだ地でございます。慈覚大師円仁は、794年、「鳴くよウグイス平安京」と覚えましたけれども、平安初期に下野の都賀郡で生まれたとされています。私は岩舟、つまりこの栃木市で生まれたことは、歴史的にも文献的にも確認できると考えております。9歳から15歳まで大慈寺で修行し、その後比叡山に登り、最澄の弟子になりました。42歳のとき、最後の遣唐使として唐に渡り、10年に及ぶ困難な旅を続け、その時代の国際情勢、政治経済、宗教、文化、風俗、人々の暮らしを自分の目と足で、旅をしながら書き続けた日記がございます。現在は国宝に指定されておりますけれども、「入唐求法巡礼行記」、膨大な、文庫本でしか私は読みませんでしたけれども、大変な10年間の唐の時代の生活や今言ったことが、元駐日大使のライシャワー博士により翻訳され、世界に発信をされました。ご承知のように、世界三大紀行文、マルコ・ポーロの「東方見聞録」、玄奘三蔵の「大唐西域記」の三大紀行文の一つとして紹介をされました。帰国後は、比叡山の3代座主となり、天台宗の中興の祖とも言われておる円仁でございます。また、大慈寺に隣接して村檜神社がございます。三間社春日づくりの社殿は、国の重要文化財に指定されております。また、全国に住んでいる小野寺氏を名乗っている人たちの発祥の地としても、小野寺は有名でございます。その小野寺氏の菩提寺の住林寺には、県指定文化財の平安期の阿弥陀如来座像が指定をされております。このように小野寺は歴史の宝庫でもあります。
このような地域の中で、小野寺地区を、小野寺地区に限らなくても構いませんけれども、歴史と文化の道としての観光地域活性化の方策を私はお願いしたい、そのように考えておるものですから、お考えを伺いたいと思います。
P.153
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の小野寺地区の歴史、文化の道として、観光活性化についてお答えを申し上げます。
議員ご指摘のとおり、岩舟地域小野寺地区につきましては、慈覚大師円仁が修行をしたと言われる大慈寺を初め、国指定重要文化財に指定されている村檜神社など、歴史、文化的観光資源が集積している地区でありまして、合併前の岩舟町におきましても、これらの資源を活用した観光振興を図るための施策を進めてきたところであります。このような中、市では旧岩舟町を含めた新しい栃木市全体のさらなる観光振興を図るため、本年3月に栃木市観光基本計画を策定したところであります。この計画の中では、岩舟地域における具体的な施策の一つとして、小野寺地区を中心に慈覚大師円仁を初めとする地域の歴史、文化を伝え、観光情報を発信していくことを掲げております。このほか、この計画では、周遊観光モデルルートづくりを今後3年以内に優先的に着手するスタートアップ事業と位置づけておりまして、各地域が有する観光資源の特徴を物語としてつなぎ、周遊観光モデルルートとして設定してまいりたいと考えております。小野寺地区が有する歴史、文化的観光資源もこの重要な素材の一つと考えられますので、観光による地域活性化の取り組みとして、周遊観光モデルルートに組み込んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.153
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.153
◆4番(針谷育造君) ご答弁ありがとうございました。周遊観光ということで、実は夕べ私のところにファクスが入ってきまして、地域協議会の委員の中から、ふれあいバスを使いながらこのことをぜひ地域の発信網、そして地域との、あるいはその地域外の人たちとの交流の場としてのふれあいのバスをぜひ利用したらどうだろうという提案を、夕べ協議会があったようでありますけれども、メールで私のところにいただいていることも申し伝えておきたいと思います。
最後の、非常に現実的な問題でありまして、早急にお願いしたい。4番の雨漏り等の修繕を早急にお願いしたい。保存するには調査が必要だ。しかし、現在の建物には雨漏り等修繕が早急にしなければならない必要性がございます。特に玄関等々、校舎の間の谷間、谷の部分であります。さらに、教室の雨漏り数点、校舎西側の堀ざらいと排水、校舎南側の雨水排水、雨どいの設置等、早急にお願いをしたい。また、地元には保存する会や地元老人会の皆さんが既に敷地の管理等に積極的に協力を申し出ており、除草や草刈り、清掃等も既に実施をしております。そのためにも、早急な修繕をお願いしたいと思いますので、ご回答をお願いしたいと思います。
P.154
◎岩舟総合支所長(大島純一君) ご質問の雨漏り等の修繕についてお答えを申し上げます。
小野寺北小旧校舎につきましては、これまで学童保育館、高齢者福祉施設、小野寺ふれあい館や地域公民館として利用をしてまいりました。しかし、土砂災害特別警戒区域内に位置し、老朽化も進み、利用者の安心、安全を確保するために、代替施設として近隣に小野寺地区公民館が整備されたことによりまして、現在は閉鎖をしている状況でございます。雨漏り等の修繕につきましては、雨漏り等の状況を早急に調査し、小規模な修繕等は早急に対応させていただき、大規模な修繕等が必要な場合は、先ほどの市長答弁で旧校舎保存の考え方についてお答えしましたとおり、市としての方向性が決まり次第、対応していきたいと考えております。
P.154
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.154
◆4番(針谷育造君) とにかく雨漏り等、家屋そのもの、校舎そのものが壊れるようなことのないようなことを早急に実施することをお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。岩舟地域の獣害対策についてであります。まず最初に、岩舟地域と栃木市の実態について伺います。岩舟地域の実情を述べたいと思います。ご承知のように、岩舟の地域は、小野寺、岩舟、静和の旧村に分かれ、主に山間地帯の小野寺地区に被害が集中しています。主な被害は、稲、野菜等の農作物だけでなく、水田の掘り起こしを初め、畦畔、畑の土手等、被害は甚大であります。農地は、メッシュ状の金網で囲われ、電気牧柵等で囲われ、その費用は1戸当たり20万円を下らない、そのように申しておりました。何よりつらいのは、丹精込めた作物の無残な姿を見ることであります。近い将来は、イノシシの数が上回り、イノシシにじゅうりんされる様子が目に浮かび、人間がおりの中で生活する、そんな逆転が起きるのではないかと地元では大変嘆いております。岩舟地域と栃木市の実態についてお伺いしたいと思います。
P.154
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の岩舟地域の獣害対策についてお答えを申し上げます。
岩舟地域と栃木市の実態についてでありますが、市内でのイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなどによる農作物被害につきましては、猟友会の駆除従事者の方から四半期ごとに提出される報告書や農業共済組合で把握されている被害状況等についても確認いたしまして、それらのデータと地元からの情報を加え、被害を把握しているところであります。平成25年度の具体的な被害につきましては、岩舟地域では、ただいま議員がおっしゃられたように水稲の被害が多く、特にイノシシの被害が拡大しておりまして、ニホンジカ、ハクビシンの被害も増加しており、面積では約2ヘクタールの被害となっております。
次に、栃木地域や都賀地域、西方地域では、水稲や芋類などの被害があり、面積は約26ヘクタールで、前年度に比べまして19ヘクタール急増しており、そのほとんどがイノシシの被害となっております。
また、捕獲頭数につきましては、岩舟地域分で、イノシシが162頭で前年度比81頭の増、ニホンジカにつきましては9頭でございまして、前年度の捕獲はありませんでした。岩舟地域以外の栃木市分につきましては、イノシシが504頭で前年度比81頭の増、ニホンジカが105頭で51頭の増、ニホンザルにつきましては、捕獲はありませんでした。全体を通してイノシシの捕獲が大幅に増えている状況であります。
次に、有害鳥獣対策としまして、岩舟地域では捕獲用の箱わなを設置し、地元猟友会へ駆除の業務委託を行ってきております。合併前の栃木市では、個体数を減らすための捕獲駆除のほか、荒廃した里山の手入れによる生息地域の環境の整備、それから被害農地を守るための侵入防止柵設置による被害防除の3つの対策を基本として実施してきているところであります。
以上でございます。
P.155
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.155
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。
それでは、次に移らせていただきたいと思います。鳥獣保護法改正案等をどのように考えておるのかを伺いたいと思います。佐野市葛生地区の例を若干申し上げたいと思います。山からイノシシが出られないように周囲を金網で囲っています。金網は市が負担し、住民の手で設置しているようでございます。小野寺地区とは違い、農地の囲いはありませんでした。イノシシの行動は制限されているようですが、金網の設置できないところから時々出没するようですが、大きな被害はない、このように申しておりました。新聞報道によれば、2011年度現在、全国で鹿が323万頭、イノシシも88万頭に上ると推定され、農産物被害は200億円を超え、そのためにはこれらの数を管理せざるを得ないのが現実だと新聞は報道しております。そこで、2008年から市町村が中心に、銃やわなを使った集中的な捕獲や侵入防止柵が中心だったが、被害を減らすまでには至らなかった。そこで、国は2013年12月、鹿、イノシシ等の生息数を10年後までに半減するとした目標を設定し、鳥獣保護法改正案も国会で審議されているようであります。現在のところ、これは可決をして法案ができたようでございますけれども、保護するだけでなく、鳥獣の生息数を適正な水準まで減少させる管理の政策も導入するという大改正のようでございます。対策の柱は、市町村の境界を超えた広域的な捕獲事業を集中的に実施するとした。実施主体は猟友会、自然保護を行うNPO法人、警備会社等と書かれおりました。被害防止には、捕獲以外にも柵の設置や見回り等も述べられておるようでございます。さらに、補助金は、自治体実情に応じた頭数管理が進められるように一括して任せる等も必要であると提案されております。この改正案をどのように考えるのか、お伺いしたいと思います。
P.155
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の鳥獣保護法改正案についてお答えを申し上げます。
まず、今回の鳥獣保護法改正は、農作物に深刻な被害を与えている鹿やイノシシなど、有害鳥獣を捕獲することにより、鳥獣の数を適正な水準に減少させ、生息地を適正な範囲に縮小させるために必要な措置を講じることとされ、従来の保護政策から管理へと大きく方針を転換するものであります。ただいま議員がご紹介いただいたとおりでございます。具体的な施策といたしましては、国や都道府県が鳥獣の管理に関する計画を定め、鹿やイノシシなど、その数が著しく増加し、またはその生息地が拡大している鳥獣の捕獲事業を直接実施できるようになります。また、一定の技能を持ち、適切な安全管理ができる捕獲の専門業者、例えば株式会社などもこれに含まれるというようなことでございますけれども、それを都道府県知事が認定する制度も創設され、その認定事業者は自治体の委託を受けて捕獲事業を実施することができることになります。さらに、法改正とともに、国の鳥獣捕獲目標として、10年後までに鹿、イノシシの数を現在の半分に減少させることが示されました。このように、今回の法改正によりまして、国、県が直接有害鳥獣の捕獲を行うことができることになりますので、現在市町村で行っている事業と相まって大きな効果を上げるものと期待をしているところでございます。
以上でございます。
P.156
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.156
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。頭数管理の方法ということで、国、県が有効な、そして政策あるいは責任を持ってやっいてくということでございまして、まさに今そのことを実施していただきたい。そして、地域の方々も協力しながら頭数管理に邁進していって、農作物等が被害に遭わない農村や山村をつくっていただきたいというふうに思っております。
最後に、非常に難問でありますけれども、法改正を踏まえた抜本的な今後のイノシシ対策、今のお話で大分イメージはわかりますけれども、具体的にどのような状況になるのか、もしわかっておりましたらご回答をお願いしたい。以上です。
P.156
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の抜本的な今後のイノシシ対策についてお答えを申し上げます。
現在岩舟地域では、猟友会2団体により、有害鳥獣の捕獲を実施しておりまして、捕獲要の箱わなをイノシシ用に24カ所、鹿用に2カ所設置しております。また、岩舟地域以外の栃木市におきましても、先ほど述べましたように、捕獲、駆除、これはわなを合計で87基設置しておりますが、とあわせまして、生息地域環境の整備、それから侵入防止柵の設置等によりまして対策を講じてきているところであります。しかしながら、イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害は増加傾向で、なおかつ広域化しており、抜本的な対策とはなっていないものと考えております。抜本的な対策といたしましては、先ほど議員からの質問にありました鳥獣保護法の改正による個体数調整が最も効果的ではないかと考えるところであります。この改正法が施行されますと、国や県の新たな施策である捕獲事業者の認定制度や、わな猟の免許取得年齢の引き下げなどによる捕獲従事者の育成、確保が期待できますことから、市といたしましても、国や県、猟友会などと連携をしながら対策を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.156
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.156
◆4番(針谷育造君) それでは、再質問というか、希望も含めて再質問したいと思います。
確かに先ほど言いましたように、この対策のために農家1戸当たり20万円前後のお金を使いながらやっているということになりまして、新しい法改正ができた後に農家の負担、個人負担というのはどのようになるのか、その辺のことがわかりましたら、あるいは今年度の栃木市の予算事業等がありましたら、お伺いをさせていただきたいと思いますので、ご答弁をお願いします。
P.156
◎産業振興部長(早乙女洋君) ただいまの再質問にお答え申し上げます。
農家の負担ということでございますけれども、現在行っている制度につきましては、市の制度であります獣害対策設備設置費補助金というものがございます。これにつきましては、イノシシの被害防止柵設置の場合は2分の1の補助ということでございまして、ただし上限が5万円というようなことでやらせていただいております。また、これとは別に国の制度で鳥獣被害防止総合対策事業費補助金というものがございます。これにつきましては、野生獣侵入防止柵を設置するというものでありまして、国の補助金、これが10分の10の補助でございますけれども、これにつきましては資材費のみの補助となりますので、施行については地元の方々にお願いするということになるものでございます。
以上でございます。
P.157
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.157
◆4番(針谷育造君) 確かに農家負担というものは莫大になってきておりますので、ぜひこれらの制度を使いながら、そして地域の皆さんと市役所の担当者あるいはその関係者の皆さんで、よりよい対策を最後にお願いをし、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
◇ 広 瀬 昌 子 君
平成26年 9月定例会(第4回) - 09月03日-03号
P.83
○議長(関口孫一郎君) 一般質問を続けます。
4番、針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.83
◆4番(針谷育造君) 栃木新風会、針谷育造、通告に従い一般質問をいたします。1番、非核平和都市宣言について、2番、県内への指定廃棄物の最終処分場について、3番、下野新聞の集団的自衛権アンケートについて、4番、地方教育行政法の改正について、4点を伺いたいと思います。
私は今回の質問に当たり、大人の責任とは何かについて考えました。将来の子供や孫たちのために今私たちがやらなければならないことは、平和な社会を残し、子供たちに引き継ぐことであると思います。この議場にいる皆さんはそれぞれ親であり、お父さん、お母さんであり、おじいさん、おばあさんの方もいると思います。普通のこととして、当たり前のこととして平和についての質問をただいまより始めたいと思います。
1つ、非核平和都市宣言について。私は1945年、昭和20年の終戦のときに生まれ、69年間戦争のない時代を生きてきました。国民への平和への強い意思と戦争は二度とするべきではないとの理念で大人たちが憲法9条を守ってきた結果であると思います。平成24年3月1日、本市は Permalink | 記事への反応(1) | 00:26
どうもありがとう。なんか話せそうになってきた。
あるケースで警察の介入をお願いしたいというものがあることは否定しませんよ。ですから本人意思や、本人の代理人による権利擁護が担保された状態での選択性にすればよいのでは、と考えているのですが、なぜ義務として必ずそうしないといけないとなるのでしょうか。その説得的理由がいっさいわかりません。
>ロクに治療が行われず、措置解除後はすぐに出されてあとは放置
まさしくこれが問題だと思ってますよ。日本の精神病院は他国とくらべて圧倒的に平均入院日数が高いということも問題だと思っています。措置入院件数の格差は、人口が違うので、人口当たりだと14倍程度と国会で議論されていたと記憶しておりますが、イタリアの基本的に入院治療は行わない、という制度意向によって、地域社会でのインクルージョンが大幅に進んだということなので、方向性としては、措置入院は可能な限り減らしていくことが望ましいのではないかと思っておりますが、私は専門家ではないので、これが必ず正しいとは思っておりませんが、まさしく地域間格差があるということそのものが、疫学的、社会学的に有効な処置の検証ができる状況にあると思いますので、厚生労働省にはしっかりとその面での研究を奨励して頂きたいと思いますね。
参考人質疑の中でも、障害者権利を専門とする弁護士が、強制的な医療によって、患者が治療拒否状態になり、治療効果がでない、というようなこともおっしゃっておりました。また通院を義務化したことによって、自殺者も顕著に増えたとおっしゃっておりました。結局、認知症治療や発達障害治療等と同様に、投入されるリソースが少なすぎるから、治療効果を無視した、対処療法的であったり、悪影響を与えかねないような治療形態しか選ばれていない、ということなんだろうと思っておりますので、私の結論としては、もっと金を出そうよ、というところですね。私個人としては、大きな政府支持ですので、そのための増税はむしろ歓迎しているところです。そういう意味で民進党、共産党を支持しているかといわれると難しいところはあります。
残念ながら、増田の想像するような「戦争」……二国が「我こそ正義」を旗印に敵意を煽り合い、兵器と人命をどかどか消費してお互いの生産の根源である国土を蕩尽する「戦争」なんて、もう無い。
アメリカみたいに、他国の内戦への介入によってエネルギー等への権益を維持するために、貧困層をかり出して行う果てしない消耗
その結果、宗教対立・人種差別・地域間格差・経済格差を煽って生み出されるテロの連鎖とその対応
多国籍企業の間で通信や経済等において行われる競争をサポートするために行われる国家間の技術開発競争・経済競争
……
「国」という枠組みを超えて、調和と協調を基盤とした成長戦略を描ければ、上記のものも含めて「戦争」は必要ない。
それは実際有効なアイデアだ。だが、実際にやってみると様々な問題点が生じる。
数百年にわたって殺し合いを続けてきたヨーロッパ内部で、70年近く大きな戦争を避けられているのは、このアイデアのおかげだし、
だからといってそれが理想的で何の問題もないとはならないことを、イギリスのEU離脱が示した。だが、それが「戦争」というアイデアに逆戻りすることを意味しないことも自明だ。
まあ、なんだ。
「昔はよかった」って爺さんは、いつの時代も必ずいるんだよ。人間はボケるからな。昔の都合悪かったことって全部忘れるしな。
増田の言うのは、それと同じな。
国民に等しく医療を提供する--。そんな理念に基づき、1961年に創設された「国民皆保険」から50年。だが、かつて世界一とももてはやされた日本の医療は、疲弊著しい。右肩上がりの成長期はとうに過ぎ、公的保険は低迷する経済にじわじわむしばまれている。節目の年に、「安心」が失われつつある現実を各地に追った。【鈴木直、山田夢留、山崎友記子】
◇長年の「裏技」容認
「6500万円ですね」。札幌市の建設業社長(62)は、社会保険労務士からそう言われて目をむいた。
全国建設工事業国民健康保険組合(工事業国保)で起きた1万人超に及ぶ無保険問題。厚生労働省は昨年9月、無資格で同国保に入り、保険料を逃れてきた事業主らは「時効限度の過去2年に納めるべきだった医療と年金保険料を払う」との清算方針を決めた。6500万円は多い時で30人を雇いながら原則個人事業主の同国保に加入していたことへの「代償」だが、社長は「冗談じゃない」と吐き捨てるように言う。
事態を招いた責任は、一義的には工事業国保側にある。組織拡大を競い、「保険料が減るから」と次々無資格者を誘ってきた。札幌市の左官業の男性(56)は「法人でも大丈夫」と言われて入った結果、今や無保険だ。
それでも社長は30年間、国から一度も指導を受けてこなかった。冬場に建築が減る北海道では、12月に従業員を解雇し4月に再雇用する慣行がある。「常用雇用扱いでなくとも可」。社会保険事務所は社会保険の加入不要とも示唆したという。一部社労士は「裏技」として指南し、厚労省も黙認してきた。
それが昨春、無資格問題が報道され、国は手のひらを返した。社長は昨年末、全従業員を解雇した。しかしなお、6500万円の納付義務は両肩に重くのしかかる。
時効にかからない2年分全額を払わせる清算案は、1人65万円かかる。「公平」を重んじる長妻昭厚労相(当時)の意向が反映された。事情に詳しい民主党議員は「とても払えない。現場を知らない長妻氏の置き土産だ」と批判してきたが、この間同省は「当事者の話し合い」を求めるばかりで調整から逃げ続けた。
無謀な解決策を示しておきながら、事態がこう着するや傍観に転じた厚労省の責任は重い。札幌市は病気の無保険者に一時的な同市国保への加入を認め、協会けんぽ移行後に医療費の返還を求めることを模索するが、移行のメドは立たず、医療費は市の持ち出しとなりかねない。それなのに厚労省は見解を示さず、地方に任せている。
工事業国保の辰川弘敬常務理事は8月3日、監督官庁の東京都から届いたメールに青ざめた。文面に「協会けんぽは過去の医療費を元加入者に請求させる」とあったためだ。
工事業国保が負担した過去2年分の無資格者の医療費50億円は協会けんぽが払う--。この厚労省の清算案に関し、同国保は元加入者が同けんぽへの移行手続きをすれば直接同国保に医療費が払われると解釈し、厚労省もそう認識していた。
ところが協会けんぽ側は違った。個々の元加入者に医療費を請求してもらい、元加入者を通じて同国保側へ返還するつもりだった。「工事業国保は非を認めず、移行手続きも進んでいない」。幹部間にそんな不信感があるためといい、1年が過ぎた今も一円も支払われていない。
「1万人を超す元加入者に今から連絡などできない」。同国保の悲鳴に社労士の内山晃衆院議員(民主)が間に入り、10月末から事態は動き始めたものの、移行手続きを終えた3970人分、19億円の支払いに見通しがついたに過ぎない。
◇「例外」国保に特権批判
工事業国保は左官職、芸者ら同業種ごとに165ある国民健康保険組合(国保組合、343万人)の一つ。国保組合は、単独事業主などの条件を満たしていれば加入でき、その場合は国民健康保険(市町村国保)など一般公的保険には入らなくてもよい。歴史的経緯から、61年の国民皆保険導入後も「皆保険の例外」(厚労省幹部)として存続してきた。
国保組合には公費負担(負担率43%)がある。市町村国保(同50%)並みながら「医師国保」「弁護士国保」など高所得層も混在し、特権視されてきた。建設系も03年に一般の医療費窓口負担が3割になった際、2割に据え置いたところが多く、通院医療費をゼロとしてきた組合もある。09年秋、こうした税金の使われ方が財務省の意向で事業仕分け対象に浮上した。
ただ、けがのリスクが高く、低所得者も多かった建設職人は長らく公的保険から排除され、やむなく仲間で身を寄せ合ってきた。今も「けがと弁当は手前持ち」との意識が強い。建設職人で作る全国建設労働組合総連合(全建総連、約64万人)の勝野圭司社会保障対策部長は「ひどかった建設職人の社会保障を自分たちで勝ち取ってきた」と主張する。
選挙の際、同総連は集票マシンと化す。その成り立ちも相まって、与野党を超え政治との結びつきが深い。
「建設国保は何が何でも守る」。仕分け開始直前の09年10月21日。民主、自民両党から共産党まで与野党幹部が顔をそろえた全建総連定期大会で仙谷由人行政刷新担当相(当時)はそうあいさつし、拍手を浴びた。結果的に、国保組合への補助金は仕分けから外れた。
それでも、無職の人や非正規雇用労働者の急増で「原則」の市町村国保が疲弊する中、「例外」の国保組合には廃止論も相次ぐ。10年秋には仕分け対象となり、厚労省は国庫負担を削減する法案を用意している。
国保組合廃止について厚労省幹部は「私有財産を奪うに等しい」と話すものの、中長期的には衰退するとみる。単独事業主でも税制上有利な法人なら入れず、加入者は減る一方と踏んでいるからだ。
日本の医療保険制度は1927年、工場労働者らを対象とした健康保険が最初。42年に会社員らの健保と統合、今の制度につながっている。一方、農民向けには38年に国民健康保険(国保)が始まった。ただ、56年当時で人口の32%、約3000万人が無保険だったとされ、政府はこれらの人を国保に加入させるため61年に国民皆保険を導入した。
現在は、民間企業の従業員は勤め先が設立した健康保険組合か、会社に健保がない人は全国健康保険協会(協会けんぽ)に入る。
健保組合は設立に700人以上が必要とあって、大企業が多い。保険料率の労使の負担割合を社員が半分を超えない範囲で自由に決められ、出産一時金(42万円)の上乗せや保養所など、特典のある組合も多い。
協会けんぽは中小企業中心。保険料率(労使折半)は都道府県ごとに違う。健保組合同様、病気で休んだ際の傷病手当金はあるものの、上乗せ給付はない。不況で健保組合を解散する企業の受け皿ともなっている。
一方、自営業者や無職の人、一部の非正規雇用労働者は市町村が運営する国保に入る。保険料には地域間格差があり、最高の北海道猿払村(年間13万3682円)と最低の沖縄県伊平屋村(3万907円)では4倍以上の開きがある。事業主負担もない。
現在、医療費の窓口負担は原則一律3割だが、皆保険導入前、90%以上の国保は5割だった。当時の健保は「ゼロ」が多く、02年度まで2割だったのに比べると差がある。国保には上乗せ給付や傷病手当金もない。
http://d.hatena.ne.jp/chanm/20091024/1256409168
で、
>平田 そういうおもしろい授業をたくさん受けて大学に来る子達。
>例えばミュージカルを観たり、美術展を観たり、海外に留学していたり、
>親の趣味もあるけれども、いろんな豊かな教育を受けて東大に来る子達と、
>単位未履修で世界史も知らないで、とにかく受験の科目しか勉強してこないで、
>脇目も振らずに東大に来た子達、特に女子の場合に、やっぱり文字通りの
>カルチャーショックを受けて、不登校になっちゃう子もいるんです。
>文化の格差がものすごいから、その地域間格差が、今、大学生達を苦しめているんですね。
>佐々木 でも、子どもが自分で「やっぱりミュージカルを観なくちゃ」とか、
>なかなか思えないから、親というか、家庭環境がものすごく大切だということですね。
>でも、それこそ格差というか、どう子どもを育てるか、どのくらい重層的な、
>多角的な生活をするかっていう親の生活価値に関係してくる。
とあるが、実際に首都圏3,500万人の中で、東京のさまざまな文化イベントを
貪欲に参加しまくっている人が、どれだけあるのか?
確かに東京の豊富な美術館とか博物館、演劇とかミュージカルの多さは
「好きな人にはたまらない」だろう。
しかし、首都圏3,500万人のうち、例えばミュージカルに関心がある人は1%で、
残り99%にとっては「どうでもいい話」である。
※1%と言っても35万人もいるから、市場として成立するには充分な数であるが。
確か森ビル系の研究機関が、「東京人は他都市と比べて美術館に行く頻度が少ない」と
嘆いていたが、これって「二極分化」しているんじゃないか?
美術に興味がある1%だか10%だかは年に何回も行くが、興味がない90%だか99%だかは、
全く行った事がないのである。
で、ミュージカルに興味がある人にとっては、逆にスポーツイベントなんかは興味がなかったりする。
ミュージカルにも興味がある、スポーツにも興味がある、美術にも興味がある、という
マルチな人は、3,500万人の中で、1万人もいるかどうか。
要は、「東京は文化イベントが豊富でスゴイ」というのは、確かに事実ではあるのだが、
「殆どの人は文化イベントの多さを使いこなしていない」のも事実である。
しかし、「文化イベントの多さに起因するマイナス面」というのもあって、
このマイナス面は、文化イベントを使いこなしていない人にも、平等に降りかかる。
その典型例が渋滞や混雑である。
まさに「文化イベントが多すぎて、消化不良を起こしている」ことを都民が肌で感じていて、
「これ以上文化イベントが増えると、都市にもマイナス」と判断したからだろう。
実際、知事肝いりで始まった「東京マラソン」は、都市機能を低下させている。
「多すぎることの弊害」にも目を向けるべきだし、
「一定水準以上多くなっても、イベントを消費する側(首都圏住民)の時間が有限で消化しきれない以上、
あまり意味がない」のである。
産経の記事で弁護活動の地域間格差についての記事が出ていたので10万人あたりの弁護士数について調べてみました。以下は弁護士白書2008年版の数字が基になっています。
全国平均 19.6人(25,041人/127,770,794人)
(1) 東京 94.94人(12,113人/12,758,371人)
(2) 大阪 36.93人(3,254人/8,811,653人)
(3) 京都 16.16人(426人/2,635,328人)
(4) 愛知 15.79人(1,162人/7,359,895人)
(5) 福岡 14.89人(753人/5,055,850人)
(6) 沖縄 14.35人(197人/1,373,172人)
以下中略
(43) 秋田 5.35人(60人/1,120,646人)
(44) 三重 5.12人(96人/1,876,000人)
(45) 岩手 5.06人(69人/1,364,024人)
(46) 茨城 4.58人(136人/2,968,741人)
一目瞭然で東京・大阪に弁護士が偏在しています。3位京都の時点で平均以下。
ついでに東京と大阪を除くとどうなるか調べてみました(事務所を置いている都道府県以外でも弁護活動している弁護士はいると思うので、東京・大阪を除いた数字は一応の目安)。
個人勘定賦課方式の導入、地方交付税を地域住民に直接配分せよ、今後30年かけて地方交付税を廃止、公的年金支給開始は男性80歳・女性85歳に、子どものいる世帯には給付付き税額控除を、などなど、不公平・非効率な再分配政策をただす。
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きのうの「アゴラ起業塾」では時節柄、選挙の話が出た。堀江さんは「自民党も民主党も、老人のための政策しか掲げていない。40歳以上が人口の半数を占め、投票率も老人のほうがずっと高いので、若者は食い物にされる運命だ」といっていた。きのう出た自民党のマニフェストも、「責任力」をうたいながら長期の政策は何もなく、消費税の引き上げすらぼかしてしまう無責任なものだ。
「格差社会」が叫ばれ、選挙では所得再分配の政策ばかり出てくるが、本書も明らかにするように、日本の最大の格差は世代間格差である。賦課方式の年金というのは「国営ネズミ講」であり、人口増加と成長が止まると破綻する。ところが政治家が好むのは、個人間格差を埋めるバラマキ福祉や地域間格差を埋める地方への補助金だ。
著者は世代間格差の最大の原因となっている年金制度について、時間をかけて個人勘定に移行すべきだと提案している。その場合、自分の親の面倒をみる「個人勘定賦課方式」もありうる。逆に地域間格差を是正する政策は見直し、地方交付税はやめて、地域に関係なく、負の所得税のような方式で所得を直接補償する政策が望ましい。
また日本の税金の捕捉率は低く、クロヨンなどの職種による不公平が大きい。これを是正するには納税者番号が不可欠だが、所得が捕捉されるのをいやがる人々が政治家を使って先送りし、「私は番号になりたくない」と叫ぶ櫻井よしこ氏や毎日新聞などがこれと合流し、先進国で唯一、税を名寄せできない日本の税制の改革を阻んできた。
究極の問題は、分配の分母となる所得をどうやって増やすのかということだ。自民党は「成長率2%」を掲げているが、それを実現する方法は「大胆かつ集中的な経済対策」。短期の景気対策と長期の成長戦略の区別もついていない。民主党に至っては、成長戦略はアジェンダにさえ入っていない。結果の平等だけを求める再分配政策は勤労意欲を奪い、成長率を低下させる。新しい企業がビジネスに参入し、労働者が自由に転職できる機会の平等を保証することが重要だ。
日本経済の最大のリスクは、経済の長期停滞を放置して目先のバラマキばかり力を入れ、若者から取り、老人に与える政治家である。与野党は子供手当や幼児教育の無償化を競っているが、その財源となる巨額の国債を増税で償還するのは、当の子供たちだ。彼らがそのしくみを理解したら、「親の犠牲になるのはいやだ」と考えるだろう。
【格差の実態】
○ 財政再建や構造改革を進めるにつれ格差が拡大する構造にあるが、障がい者や高齢者など社会的弱者にいろいろな形で重層的な格差がのしかかっている。(大学教授)
○ 格差が固定化されつつある。社会学者が10 年に一度、社会階層調査というものをやっているが、高度成長時代は親の学歴と子供の学歴、親の職業と子供の職業に相関関係はあまりなかった。最近はそれが非常に強くなっている。身分社会とは言わないが、身分社会化しつつある。(大学教授)
○ 中央と地方の格差については、ある意味では格差を超えて、地域の消滅ということが進んでいるのではないか。2月20日の南日本新聞に、2,641 の集落が消滅のおそれ、400以上が10年以内に消滅という形で、いわゆる過疎と言われる地域の集落が、消滅という極めてショッキングなことに今なっている。(大学教授)
○ 全国と本県との所得格差について、高度経済成長期以降、平成13年ごろまでは一貫して格差は縮小してきた。しかし、平成14年度から、格差がまた開きだした。これは全国との格差なので、いわゆる首都圏とか中部圏などとの格差はもっともっと広がっている。(地域行政担当)
○ 県内の格差については、やはり就労、雇用の場が多いか少ないかといったところによって、県内でも二極化が進んでいると言っていいのではないか。有効求人倍率については、18年11月時点で全国1.06、当県は0.79。ちなみに正社員雇用に対する有効求人倍率は、全国では0.6ぐらいだが、当県は0.3ぐらいだと見ている。やはり正社員の有効求人倍率はまだまだ低いというのが実態。(地方行政担当者)
○ 生活保護世帯の過去20年間の動向を見ると、10年前の平成9年までは、低下傾向を続けてきたが、平成10年ごろから一転して増加傾向で推移し、県内で生活保護を受けている人の数は大体20年ぐらい前の数字に戻っている状況。(地方行政担当者)
○ パートタイマーのほとんどが今までは既婚者と想定されていたために、家計の収入は夫がほぼ稼いでくるということで、パートタイマーの方の賃金は小遣い稼ぎ程度でいいという考えがあった。しかし現在は妻の収入に頼らざるを得ないというような状況に変わってきている。また、離婚とか未婚の母などの理由で母子家庭が増えてきている。この母子家庭の貧困率が高く、2001年の統計では53%、つまり母子家庭の約半分が貧困に苦しんでいるのが現状である。(大学関係者)
○ さらに追い打ちをかけるのが、低すぎる日本の最低賃金。OECD諸国中9カ国の統計をとったところ、1997年には日本は下から3番目という低い水準にあることがわかった。しかもさらに、その最低賃金さえも満たしていない労働者の割合が10%にもなる。この最賃が生活保護を受けている方の支給額よりも低いという、非常にひどい現状があることが問題だと思う。(大学関係者)
○ フリーターの数が現在200万人を超えているということで、1982年に比べると4倍。そのフリーターの方々も正社員を希望しているわけだが、当時の経済情勢とか雇用情勢の影響もあってかなわなくて、やむを得ずフリーターになっている場合が多いと聞く。このフリーターの平均年収が140万ということで、生活できる最低限ギリギリの収入だ。そうした生活がずっと続くと、家庭を持ち子供を持つという一般的なライフサイクルもかなわないという状況に陥る。(大学関係者)
○ ニートはもっと深刻な状況。この10年間に約20万人増え、現在60万人を超えている。特に深刻なのは2000年代に入って30歳前後の壮年のニートが増大しているということ。いったんニートの状況に陥るとなかなか抜け出せないという問題がこういう現象になっていると思う。ニートの人たちは所得がありませんので、多くの場合、親の経済的支援に頼っている。そのために親が病気になったり亡くなった場合は、彼らは一気に貧困層に転落することになる。早く自立して生活できるだけの最低限の賃金と働く場所の確保が必要。(大学関係者)
○ セーフティーネットであるが、日本の社会保障制度はここ10年から15年の間に縮小の一途をたどり、貧困者の数を増やしている。知人から聞いた話だが、千葉県の常磐平団地、1万人居住の大団地に単身者の人たちが住めるようになっているが、ここで昨年、21人の孤独死が見つかったということだ。中には3カ月以上もそのままでミイラ化されていたという。亡くなった方の3分の2は50歳未満で、リストラされて失業し、病気になって離婚、孤独死に至ったという非常に怖い話を聞いた。(大学関係者)
○ 障がい者の立場から格差を考えた場合には??健常者と障がい者の格差、??地域間格差、??障害程度区分認定による受給格差、??成長発達の格差、??医療による命の格差、以上の5つの格差があると思う。(障がい者)
○ 取引のあるほとんどの零細・中小の企業の人達は、景気がいいとは実感していない。中小企業の経営者は、非常に苦しんでいる。バブル崩壊後、このような企業のほとんどの経営者は、自分の給料は未払い、あるいは給料を10万ぐらいまで下げている。なぜ10万かというと、健康保険と雇用保険と厚生年金の半分負担分、それから市・県民税が納まらないからだ。(社労士)
○ 急速に変化し、激動の時代を迎えている中で、人も変わってきている。派遣会社の営業マンは、自分たちの仕事を謝罪業と言う。なぜなら、派遣スタッフを企業に紹介、面接を行い、雇用してもらっても、派遣スタッフが「1日行って、もう次の日に黙って行か
ない」、「半日行ったら、午後いない」、「朝、就業時刻に来ない」など企業から連絡があり、朝から晩まで謝らなければならないからだ。今、派遣会社の営業マンはまず「起きたか」、「ちゃんと会社に就業時刻に行きなさい」と派遣スタッフの自宅に電話をかけることから始めるという。企業の新入社員教育で、若い人たちに「どういう人生を送りたいか」とか、「どういう生き方をしたいか」、「どんな仕事をしていきたいか」と聞いても、「別に」と言う。高い技術、高い知識を持っている方は、派遣スタッフでも高い賃金を得ている。朝なかなか起きられないスタッフと高い技術を持って高い賃金を得ている人、きちんとしたプランを持ってチャレンジしていく人と「別に」と言う人、これも二極化している。200万、300万円台の給料に対して、そんなに違和感を持たない若い人もたくさんいる。企業に入って拘束されたり、上司の指示に従ったりすることが「うざい」という人も増えている。一体、これから社会はどうなるのだろうなと最近よく感じる。(社労士)
○ 今の若い人たちはコミュニケーション能力、表現力が不足している。コンピューターで一人作業はできるが、共同で作業するのは苦手で意思の疎通ができないという企業側の相談もよく受ける。世の中が目まぐるしく変わっていくと同時に、人の生き方、それから人の考え方、人の対応というものも変わり、教育の問題、社会での家庭環境の問題、社会性の問題も全部絡んできて変わってきている。(社労士)
○ 最近、大学にモンゴルの学生が増えてきている。モンゴルは世界の格差社会の下の方なので、授業料が払えない人がいる。かつては授業料が払えなくても卒業できたが、大学も法人化になり、授業料を払わなかったら即除籍処分、つまりいなかったものと同じ扱いにされる。非常にかわいそう。格差社会の最も典型的な例だ。(大学教授)
○ 学生に実施したアンケートで、「『格差社会』に対して、『平等社会』というものを創り出したいとすれば、あなたはどうやって創造しますか」という問いに対し、「無理、不可能、わからない」と答えた人が、339人中97人いた。また、「『格差社会』という言葉を知っていますか」という問いに対しては、「まあまあ知っている」という答えが73%であった。「『格差』が大きいのはどんな領域ですか」という問いに対しては、国別(豊かな国、貧しい国の格差)という答が29%と一番多かった。その理由としては、学生の意識の中には、まだ親のすねかじりなので、父親がどんな苦労をしているか、どんな格差社会のことを議論しているか、そういうことに耳を傾けないが、大学で自分がつき合っている留学生の話とか、グローバルなことについては意欲満々に関心を持つからだ。国際学部に入ってくる学生のほとんど全員が、世界の飢餓、危機、それから戦争、貧しい国、かわいそうな子供たち、教育のない国というふうに、自分の足元を見ることよりも、グローバルな視点に目がいくので、この回答に飛びついていると思う。(大学教授)
○ 格差というのは貧しい人と富んでいる人が二極化していること。これがあるかないかという議論もあるが、OECD の報告からも日本では高所得者と低所得者が二極分化し、相対的に貧困になっていることがわかる。(弁護士)
○ みんながお互い助け合い、みんなで利益を分配していくという社会保障の原理が崩壊し、医療に関してみても金があるものがいい治療を受けてなぜ悪いというようなことが、堂々とまかり通るような社会が今の実態。(医療関係者)
○ 国の予算の問題が、医療の問題にすりかえられ療養病床の削減や高齢者医療の負担増がおしすすめられている。(医療関係者)
○ 所得が低い人に対して厚い手当てをして賃金を上げるべきなのに、今度出てくるホワイトカラーイグゼンプションとは要は残業代を払わないという制度で、本末転倒だと言わざるを得ない。(弁護士)
○ 政治というものがきちんとしていないから、世の中が二極化し格差が生じる。それによってもろもろの社会的な矛盾が起こり、いろいろな問題が起こっている。(弁護士)
○ 日本では、パート等の非正規雇用者になるか、正規雇用者になるかによって、賃金、その他の労働条件や社会保障に格段の差がある。この格差があることがいろいろな社会的問題点を生じている。(弁護士)
○ 非正規雇用の問題は3つある。短時間労働による低賃金、働く期間に定めがあること、そして労働関係の中に商取引関係を含んでいるという問題だ。(弁護士)
○ 正社員には派遣より高い賃金に見合った成果が要求され、長時間労働にならざるを得ない。格差が広がるのと同時に長時間労働化も進んでいく。(弁護士)
○ タレント業は厳しい世界だ。短時間雇用とか長時間雇用とか一切なく、来いと言われればすぐ行き、長時間になっても「また何かありましたらお願いします」といつも笑顔でなければならない。常に背水の陣だ。(タレント)
○ 正社員のホテルマンの時は年収200万円でサービス残業は当たり前だった。しかし、結婚式の司会は1回につき5万円。私は食事をする時間もなく働いて月12万円ほどだった。格差はどんな社会にもあるが、仕事の仕方や正社員か非正社員かで大きな格差がつくのはどうかと思う。(タレント)
○ 高年齢者雇用安定法が改正され、雇い主には65歳まで雇用を確保する義務が生じた。しかし、定年の引き上げだけではなく、再雇用や雇用延長でもよく、また、原則は希望者全員だが当面は一定の基準を設けてもいいため、雇用が不安定になる状況がある。(大学教授)
○ 派遣社員の受け入れ窓口は人事ではなく、購買部門だという現状もある。派遣労働者を人件費ではなく、物件費として取り扱う企業もある。(大学教授)
○ 中央と地方の格差は全然縮まっていかないというのが実感。(行政関係者)
○ 中央ではいざなぎ越え、史上最高益という言葉が並ぶが、地方にいるといったいどこの国の話だという感じでまったく実感がわかないのが現実。(行政関係者)
○ 地方の人はまじめに一生懸命働くが、自分たちが働いてつくった価値を自分たちのところに取り戻すことができず、中央に貢いでいるのが現実。(行政関係者)
○ 地方の中小企業の経営者が労働者に利益を配分していないから賃金が安いのではなく、そもそも利益が地方にこないから賃金があがらないという構造になっている。(行政関係者)
○ 地方で働いても高い給料をもらえないからもらえる中央に出て行こうということで、若い層を中心に首都圏への移動が進んでいる。その結果、地方は人口減少が進んでいる。(行政関係者)
○ 地方では医師不足も深刻化している。中央と地方の医療格差も問題。(行政関係者)
○ 東京・大阪で見たホームレスのブルーシートが、地方でも見られるようになっているのが実態。(経営者団体関係者)
○ 格差という定義があいまい。現実に格差はどこにあるのかという議論が不足している。(マスコミ関係者)
○ 国民一人ひとりはかつても格差はあったと感じているが、今ほどひどい時代はないのではないかと感じている。(マスコミ関係者)
○ 地方の中小企業の経営者は、ある意味では社会的責任を感じて健全性があるが、今の大企業は株主だけに目を向けて、社会的な責任・倫理観が欠如している。企業が社会の安全網でなくなってきている。(マスコミ関係者)
○ 県内の雇用状況は非常によくない。有効求人倍率が0.44 から0.46 ぐらいを行ったり来たり。とりわけ若年者、20代の失業率が、全国平均の約2倍で仕事をいかにして確保していくかが問題になっている。ミスマッチということもある。高知ハローワークの事務職の40人の求人に対して女性の求職は2千人いるという状況もあり、解消を図っていく必要ある。中高年の再就職、雇用対策も深刻な状況。(市長)
○ 規制緩和で郊外に大型店ができた影響で、市内の中心商店街も空き店舗率が3年ぶりに上昇し8%台に突入。来街者数も10年前に比べて驚くほどの激減となっている。さらに、エリア内での格差が出ていることの弊害のほうが、今非常に問題になってきており、中心商店街の一人勝ちでいいのかというような議論になっている。(商店主)
○ 非常に若者の雇用率が悪化は、後継者問題を生んでいる。働けるけど働かないという若者もいるのではないか。(商店主)
○ 就職活動をして感じることは、やはり、新卒のうちに就職を決めておかないと大変だということを今実感している。(20 代求職者)
○ ジョブカフェで、若者の就職支援として職業適正検査、キャリアアップのための相談、能力アップのセミナーなど色々やっているが、せっかく入社しても半分以上が3年以内にやめられるという現状で、高知は全国平均より高い状況にある。(経営者協会)
○ 雇用に関して今は売り手市場だと言われるが、県内にあっては全くそのような実感はない。(20代求職者)
○ 県内就職が厳しいから、各種の情報を自分で入手して県外へ出られるというケースが増えている。(経営者協会)
○ 若者が都会へ出ていけば何か仕事があるようだということで、当県はこれから先、少子化の問題ではなくて、社会的人口流出が急激に起こりそうな状況に既に入りつつある。(医療経営者)
○ 県内の専門学校の卒業生は1500人に対して県外から4万1000人の求人が来ており、人口流出は間違いなく始まっている。10年後を考えたときに中堅職員が全くいなくなるのではないか非常に危機感を持っている。(市長)
○ 公共事業は税金の無駄使いだと揶揄されている中で、田舎で建設会社を継続していくことがいいのか、凄い戸惑いを感じる。建設作業員は季節雇用が多く、身分は不安定。仕事があれば通年雇用としたいが、今の仕事量ではそれが出来ず、経営者として力のなさを感じる。仕事さえあれば、真面目に働く人は沢山いるのに仕事がないというのが現実。(経営者)
○ パートタイマーの解雇が大変多い。今現場は正社員以外のパートタイマー含めて、何とか仕事が回っているというような状態なのに、パートタイマーは会社の財産というよりはどちらかというと物件費のような扱いで、削減の対象とされるなど大変不安定。同一価値労働・同一賃金と言われるが、パートという名称だけで正社員とほぼ同じ仕事をしている人もたくさんいる。また、午前と午後のパートを掛け持ちしても10万円位にしかならないというような方がたくさんいる。(労働委員会委員)
○ 東京本社の中の数十名かも知れないが、地方の工場で働く従業員の顔も見ずに社長は工場を閉鎖して首を切ろうという話があった。市場原理があると言いつつも本当に経営者としての品格、道義的な責任はないのか。1円でも多く儲かればいい、効率良く稼いだ社長が偉いというような国になっていくのか物凄く危険を感じる。(労働委員会委員)