はてなキーワード: つがいとは
とりあえず食えるものだとわかったなら好事家が試すのはわからんでもない。
たとえ風味が極端だったりまずくても。
やべぇと思うのは死につながるレベルの毒だと思う。 フグとか。
この部位は食えるやろ → あかんかった
みたいなのを何度かやらないと正確な調理法は確立できないわけで。
食って死んだやつがいることを知ってて次に続くってかなりの蛮勇やぞ。
配信でお前ちんぽちっさいんやろ?評価したるから送ってこい、とホビットに対していってて、実際に送ったやつがいたらしく、たぬかなちんぽ採点がこの3日ぐらい流行ってる
俺も送った
結果87点
なんとか来月中には生ハメしたい
ゲーム脳なんてインチキだ、って答えるだろうなあんたは。オレも信じちゃいない。それでもゲームで人間が狂っちまうことはある。あのときオレは復讐者になっていた。警告がてら、ちょっと思い出話に付き合ってくれ。
何年か前にIngressってゲームが流行っただろ。青組と緑組にわかれて陣取りゲームやる、ポケゴーの元になったゲームだ。ポケゴーのジムやポケストップをIngressではポータルって呼ぶが、占拠したポータル同士を直線で繋ぎ合わせて三角形をつくると自分の色の陣地にできて、ヘッドフォンからは「素晴らしい成果です」とお褒めの言葉が流れてくる。シンプルに見えて奥の深いゲームだったからオレはやる気になって青色の三角をつくりはじめた。
Ingressは誰かがポータルを占拠したり三角を作ったりするたびに行動ログが流れるから、オレの成果はすべてのエージェント(プレイヤー)に筒抜けになっている。はじめのうちは会社帰りに大きめの青い三角やきれいな三角をつくって帰宅し、風呂からあがってビールを飲みながらパソコンの画面で自分の成果を確かめてドヤ顔していた。遊べば遊ぶほど成果が可視化されて他のエージェントにそれを誇示できるゲーム。それがオレが遊びはじめた頃のIngressだった。
エージェントレベルがA8になる頃には夜遅くまで近所をうろつきまわるようになった。他の娯楽はどうでもよくなってIngressだけ遊び続けた。ビールのかわりにプロテインを飲んで寝て、早朝からIngressをやった。ヘッドフォンからは絶え間なく「素晴らしい成果です」というお褒めの言葉が流れてきた。実際、最盛期の成果はほんとうに素晴らしくて自宅から会社までの約5kmが青色の三角で数珠つなぎになっていた。パソコン画面から眺めるとオレの成果は神龍のようなかたちに見えて、たくさんの青色の三角が龍のうろこのように輝いていた。緑組のエージェントが襲ってきてポータルを占拠するたびに青色のうろこが剥がれ落ちたが、そのたびオレは現地に向かってポータルを再占拠し青色のうろこを保守した。
ここまでは良かった。オレがおかしくなっていったのはここからだ。
そうやって半年ほど遊ぶうちに緑組のエージェントが2~3人で襲ってくるようになった。車に乗り合わせて襲ってきたり北側と南側から同時攻撃されて包囲されることもあった(Ingressは三角の内側では三角が作れないルールなので包囲されたらほとんど行動不能になる。だから当時は日本列島を丸ごと三角で包んで日本じゅうのエージェントを行動不能にするようなスーパープレイもあった)。緑組のエージェントのなかには、ニートなのか夜勤なのか昼間のうちにオレの自宅や会社のまわりを緑色の三角で包囲してしまうやつがいた。オレはだんだんイライラしてきて夜中までIngressをやるようになった。物資が足りなくなったら隣町のファーム(武器などが補給しやすい状態のポータルが集まっている場所)に出かけて補給した。それでもオレの通勤圏内は少しずつ緑組優勢に変わっていった。たまに隣町の青組メンバーが遠征に来てくれたが焼石に水だった。頭がどうにかなりそうだった。
いや、その頃には頭がどうにかなっていた。青色の三角を創造するIngressが終わって緑色の三角に復讐するIngressが始まった。緑色の三角を壊すたび全身に快感が走って、強い酒を飲んでいるみたいに胃が熱くなった。緑組のカップルが街全体を包み込む巨大三角を作ろうと暗躍しているのを邪魔しきった時には笑いがこらえきれなくなって、真夜中の公園のベンチでオレは笑い転げた。警察がいたら職務質問されていたと思う。
それと当時のIngressにはガーディアンポータルという仕様があった。同じポータルを守り続けていると、日数におうじて銅→銀→金→プラチナ→オニキスの「ガーポメダル」が貰える。自宅や会社のまわりは緑組のエージェントがうようよしているのでオレは20㎞離れた山間部のポータルをいくつか占拠し、ガーポメダルが手に入るのを待っていた。ところがプラチナのメダルがもらえる直前の日、山間部のオレのポータルが全部焼かれてしまった。行動ログによれば、襲撃犯のひとりは例のニート野郎でもうひとりは山間部に近い地域で活動している知らないエージェントだった。生まれてから今までであんなに怒り狂ったことはなかった。オレは復讐を誓い襲撃犯たちのガーディアンポータル探しに夢中になった。
それから色々あって奴らのガーディアンポータルをついに突き止めた。ニート野郎が占拠するポータルでいちばん息が長かったのは5㎞ほど向こうの神社の鳥居だったのですぐに遠征して焼き払った。もうひとりの知らないエージェントの最長ポータルは和歌山県の山中、登山道入口から5㎞ほど登った場所にあるお地蔵様で、これを一年近く守り続けている様子だった。ある土曜の早朝、オレは復讐するために和歌山県に出発した。新幹線と特急を乗り継いで近くの駅でレンタカーを借り、登山道に着く頃には霧雨が降りはじめたが頭に血がのぼっていたのでずんずん進んだ。今思えば危険な判断だったが当時は彼奴のガーディアンポータルを焼き尽くすことしか考えられなくなっていた。目標のお地蔵様に辿りついてバースターを撃ちまくるとガーディアンポータルはあっけなく占拠できた。ずぶ濡れになったままオレはゲラゲラ笑った。帰りの新幹線で寒気に襲われて高熱を出した。熱にうなされながら、あのお地蔵様をちゃんとお詣りしなかったから罰が当たったんだとか、とりとめのないことを考えていた。それからゲームのために和歌山県の山中まで出かけてずぶぬれになり、高熱にうなされながら帰る自分はどうかしていると思った。それで気持ちが醒めてきてオレのIngressは終わった。
あんたにはこの話、バカみたいに思えるかもしれないな。だがあの頃の復讐心を思い出すとオレは今でも身体がざわつくしN社のゲームはもうやりたくない。ARが拡張するのは喜びや驚きだけじゃない。憎しみや復讐心だって拡張する。当時のオレはそれがわかっていなかったし、あんたの顔をみるに、あんたもわかってない様子だな。N社のゲーム、それからARには気をつけろ。あんたはあのときのオレみたいになっちゃ駄目だ。
https://anond.hatelabo.jp/20230209200124
昔の俺は多分元増田みたいな感じだった。
うちの会社は1年目はそれはもう詰められ、怒られ、怒鳴られ、「お前の親はどういう教育をしてきたんだ」とかなら優しい方で、
生まれた地域、祖母、祖父、通っていた学校、教師、あらゆる生まれ、人格を否定され、見た目が太っていればデブ、痩せていればガリがあだ名になる。大体見た目で弄るよね。
それでいて女の子や派遣の方には優しいという、どこにでもある昭和的体質の企業だ。(ちなみに業績はクソいいのでやりたい放題である)
入社時の恒例行事は「親や祖母に買ってもらった就職祝いや入学祝いを会社の近くの川に投げ捨てさせる」というもの。
俺も、今は死んだ祖父ちゃんに買ってもらった10万くらいの時計を不法投棄させられたものだ。懐かしい。
あとは当然上司のケツに入れたプ●ッツを「ポッ●ー」にして食ったこともあるし、なんなら俺は普通の童貞オタクだったのだが、ファーストキスは会社の汚らしいおじさんである。悲しいね。
他にも上司に陰毛を燃やされた時は、人間の毛って燃やすとこんなに臭いんだな、ってのがよくわかったなーとか、そういうエピソードは倫理的にここに書けないようなやつが山ほどある。
(ちなみに、陰毛を三人くらいで燃やしながら『チューチュートレイン』をするのがうちの部署の接待の必殺技の一つである)
そんな会社に入社し、俺は普通に好きな声優は「車の人」とかのエロゲオタクだったので、一発で頭がおかしくなった。
所謂2ちゃんねらーとかの「飲み会なんてだっせーよな」みたいな価値観だったからね。
仕事もそりゃミスりまくりよ。ていうか、自分が何をやってるのかわからなかったし、ほとんど記憶がない。
家に帰ったら炊事も洗濯も出来なくて、部屋は荒れ放題、1週間風呂にも入らず選択もせず顔も洗わずで出社するなんてしょっちゅうだった。
気分によっては、赤信号の道路とか、普通に突っ込んでたから良く死ななかったなーってレベルだった。本当。
それで、「いやお前のパワハラ体質企業の話と俺の話は全然違うよ」って思うかもしれんけど、実はそうでもなくて、
●仕事する時
・最初の上司→とにかく『書類や案件を持って良くタイミングが重要』。機嫌が悪い時に持って行くと書類をぶん投げられたり、持っていたペンで身体を刺されたリ、目の前で書類を破り捨てられる。
機嫌が良ければ、話を聞いて貰える。
・次の上司→書類を破かない。人を刺さない。基本的に仕事は案件の内容で判断してくれる。
●ミス
・最初の上司→みんなの前で人格、育ち、親や生まれを否定。飲みの席で暴力。(柔道有段者なので折らない程度だったが)
●質問
・最初の上司→『質問をするタイミングが重要』。機嫌がよければ「普通このくらい聞かなくてもわかる。センスねえな」くらいで済む。
・次の上司→「お前何年目だよ」とか「どこ大卒だよ」くらいの笑い話で答えてくれる
みたいな感じでね。いや、この会社頭おかしいな改めて。それはそれとして、最初の上司に比べて次の上司はめちゃくちゃ優しかったという話。
で、今は実は俺が上司なんだけれども。
元増田みたいなルートを踏んでるやつがいるから、『最初の上司』の社歴が肯定されることに何故気づかないんだろうって。
トラバにもあったけど、元増田の『クソ上司にあたったけど上の人が変わったから活躍できた』というストーリーは
『最初にクソ上司にあたったけど我慢したから今がある』という話に容易に変換できるよね?
すると
『最初に根性を鍛えたおかげで今活躍できてるんだな』って話にすり替わるのも当然、想像がつくと思う。
会社ってのは、基本的に役員や上役の玩具だ。俺達の最初の上司も、当然その玩具を使うサイドの人間なのはわかるよな?
上に立った人は理解しやすいと思うけど、本当に個人個人の働き方とか、幸せとか、どうでもよくなるよね。出世すると。視座が変わって来る。
数字を出せば個人なんてどうでもよくなるフェイズ、その次は数字すらどうでもよくて権威が重要になるフェイズだ。
儲かっていて、結果を出している会社ほど数字なんか割とどうでもよくなってくるのは、マネタイズ出来てる会社の人ならわかると思う。
だから、みんなが思い描くような『部下を上手く使える上司が出世する!』なんてのは夢物語中の夢物語だ。
上役からしたら元増田の暗黒時代は今を支える屋台骨だし、その屋台骨を作った最初の上司は偉い!って認識にしかならないよね。
俺は嫌いだよ。今すぐ潰れればいいと思っている。
「あの時の苦労があったから今があるんだろ」なんて死んでも言って欲しくないね。元増田はどうなんだろう。
実際、元増田が成果をあげればあげるほど最初の上司の業績が間接的に認められるのは日本企業の力学を考えると当然だと思うけど。
何が言いたいのかというと。
過去はいつまでもまとわりつくし、同じ会社の中で環境が変わったから成功した!みんなも耐えてればいいことあるよ!
やられて嫌だったことは、やらないようにしよう!なんて話は問題の本質から目を逸らす行為だよ。
じゃあどうしたらいいかなんて簡単だよね。辞めるか、会社に損害を与え続けるか、とにかく間違っているということを証明し続けるしかない。
(自殺ってのも、まあいい手だとは思うけど、結局電通さんとかの自殺も話題になったけどほとんど改善されてないし、難しいよね)
なんかウダウダ書いちまって申し訳ないけど、
・話を必ず最後まで聞いてくれる。
・怒鳴らない
「これが出来るようになったのって、最初の上司に逆のことをやられて、嫌だと思った。その経験があったからだよね????」と言われたくないよね?ってだけの単純な話。
最初に怒鳴られたリ、ミスをこすられたリしたからこそ、今、改善「してしまっている」のが元増田の文章の問題点なんだよ。
パワハラ上司は、のうのうと生き続ける。元増田が稼いだ金で、ボーナスをもらい続ける。役員たちは「最初の上司に増田君をつけたのは正解だったなあ」なんて思いながら引退していく。
誰が悪いか?
パワハラ上司のケツを拭いてしまった、「次の上司」と「今の元増田」だよ。
パワハラがあったからこそ、今、業績があがっている。パワハラがあったからこそ、人に優しくできている。そういう話にしかなってないんだよね。
辛かった日々に、意味があったと思いたいのが人間の心理なんだろうが。
断言するけど、無意味だ。そんな経験はしなくていいもので、なんら業績とは関係ないものだよ。
俺も最初の方に、滔々とうちのブラックっぷりを書いたじゃん?そのブラック行為に意味があると思うか?あったと思うか?
一切ないね。
そういう経験をしたから、強くなれたとか、部下には優しくしようと思ったとか、一ミリもないよ。
じゃあどうしたらいいか?
簡単だよね。
改善しないことだよ。
クビにならない程度の短期的成績は出しつつ、長期的に会社に損害を与え続け、信用を失わせつづけ、部下や上司にダメージを与え続け、いつか会社を崩壊に導くことだけが正解だよ。
だからこそ、同じ傷を持つ人間たちが大量に必要なのもわかるよね?同志を増やすためにはどうしたらいいか。自分も、企業体質改善に寄与しないことだよ。
元増田はなんでいい上司になってしまっているの?そんなことしたら会社が改善されてしまうよ?
会社が改善されるというのは、過去元増田が受けた痛みが、正しい工程であったことの証明だよ?
だから、君は部下に『自分がやられて嫌だったこと』をしていくべきなんだよ。あるいは、自分以外の上司にそれをさせるべきなんだよ。
会社への恨みを持つ人間を、どんどん増やすことだよ。そうして、爆弾を抱え込ませつづけ、いつか大爆発を引き起こさないと、君の受けた人生の痛みは正しかったものになってしまうよ?
米露韓中北「いってらー」
中国「(ヒソヒソ)日本を本気で怒らせてみたいが、難しい。潜水艦で領海に入っても怒らない」
米国「よせ、それはもうおれがやってみた」
米露韓中北「一体どうすれば…(途方にくれる)」
中・韓「俺らは日本人を怒らせようと犯罪者を大量に輸出してみたんだが、逆にビザ免除に動いてくれてるし‥」
北・露「ふーむ…」
米国「・・・あ、でも、牛肉に脊柱にいれたら、日本国民が激怒したな‥」
露韓中北「それは、おまい怒るよ」
米国「寄生虫の卵を食い物に入れて輸出しあってる奴はちょっと黙れ」
大昔に2chまとめなどで散々こすり倒された↑の文章。ただのネトウヨ好みのネタコピペだと思っていたが、昨年のサイゼリヤ議論、ファミマツナマヨ炎上、そして今年の寿司テロなどと続き、おばあさんのやってる個人店を馬鹿にしたYouTuberが炎上したのちラジオ番組が「事案の重大性に鑑み」終了(
https://www.fmyokohama.co.jp/info/10469 )というのを見て、いよいよこれは本当だったのだと気がついた
↓のブログによればこのコピペは2000年代中〜後半には存在したらしい
http://kabikake.blogspot.com/2018/10/blog-post.html
もし炎上させたいやつがいたら、そいつと食にまつわる瑕疵をあげつらえばいくらでも炎上させられるのではないか。野党議員は連帯とか言ってないで岸田の食にまつわるやらかしを発見すればあっさりクビを取れるってワケ
その猫は何処にでもいるような猫で、何処にでも存在するような猫だった。
白猫と出会った日、僕は酷く忙しくて帰宅したのは22時過ぎだった。
家に入ると猫がいた。
それが白猫。
何処からか僕のアパートに入り込んだようで、しかしその猫を追い出すには僕は疲れ過ぎていた。
猫をそのままに眠り、翌朝にも白猫がいた。
最初は幻覚のようなものかと思っていたが、どうやら夢ではなかったらしい。
白猫は僕と目が合っても逃げる気配を見せず、悠々と前足をぺろぺろと舐めはじめた。
朝食はいつも外で済ませるので冷蔵庫を見ても中にあるのは干乾びたたまねぎぐらいで、あとは消費期限の切れた牛乳と半分のバター。
小皿にバターを乗せて猫の前に置くと、白猫はくんくんとバターのにおいを嗅いだ。
そのあとすぐに家を出た。
帰宅するとバターはなくなっていた。代わりに黒猫がいた。黒猫は朝に白猫がいた場所に座っており、寝室で白猫を見つけた。
ベッドの上で寝ており、頭を触ろうとしたところで目を開けた。
白猫は僕と目を合わせながらも何もいわず、ただじっと僕を見つめてきた。
僕と白猫と黒猫との奇妙な共同生活は、このようにして始まった。
「それからどうなったの?」
ベッドから彼女が起き上がるのを背中で感じ取りながら、僕は答えた。
「でも今は見当たらないじゃない」
「ああ、それはそうなんだ。だって彼らは消えてしまったのだし、本当は元々いなかったのかもしれないのだからね」
「どういう意味?」
「二匹の猫はつがいだったみたいでね。一ヶ月もすると、白根の方が妊娠したんだ」
「去勢はしなかったの?」
「ああ。というか、そんなことにまで気が回らなかったといったほうが正しい。そのころの僕はとにかく忙しすぎたんだ」
「放置しておくのは感心できないけど」
「僕も白猫の妊娠が分かったときには、それでも動揺したんだ。里親を探すにしても、そんな知り合いに心当たりはなかったしね」
僕も起き上がってタバコを吸い、冷蔵庫からビールを取って戻ると一つを彼女に渡した。
「気になったこと?」
彼女は既に着替えを済ませていて、ここに来たときの格好のまま僕のベッドに腰掛けていた。
「親猫は白猫と黒猫。じゃあ生まれる猫は何色になるんだろうってね」
「白か黒か、ぶち模様なんじゃないかしら」
彼女は僕から渡されたビールをおちょこのように軽く一口飲み、それから言った。
「僕もそう思ったんだ。けど違った」
僕は窓から未だ明け切らない外を、真っ暗な世界を見つめながら言葉を続ける。
「何が言いたいの?」
彼女は痺れを切らしたように組んだ足の方を少し揺らし、ぴんと綺麗に整えられた眉毛の隙間を僅かに狭めた。
「白猫と黒猫から生まれた子猫はいなかったんだ。でも子猫は存在していた」
僕の言葉に彼女は一瞬、呆けた顔を見せた。それから組んだ足を解き、僅かに前のめりとなってタバコの煙を僕に当てる。
「で?」
「白猫は確かに授乳していた。それは確かなんだ。白猫はずっとゴロゴロと喉を鳴らしていたし、乳房のところは上下に揺れていた。けれど子猫の姿はない。どこにも見えなかったんだ」
「気のせいだったのよ」
「そうは思えないな。いや、僕の言い方が間違っていたのかもしれない。白猫が生んだのは子猫じゃない。別のものだったんだ」
「じゃあ何だっていうの?」
僕の答えに彼女はふっと笑い、それから立ち上がると僕に手を差し出す。
「ちょっと多くない?」
「話を聞いてもらった分だよ」
「そう」と彼女は拒否することなく僕からお金を受け取ると財布に仕舞い、パチンと音の鳴るバッグにしまうと背を向けた。
「その白猫と黒猫は今どこに?」
玄関の方へ歩み出す前に彼女は一度だけ振りかって、僕にそう尋ねた。
「闇の中じゃないかな」
そういって僕はタバコで窓の外を指し、彼女は曖昧に微笑むと玄関に向けて歩き出した。
ベッドに座ったまま彼女が出ていくのを聞き、僕は枕の傍にある虚空をなでようと右手を動かした。
「にゃあ」と一度だけ猫の声が聞こえた気がした。